大和地所レジ 100㎡住宅の「千葉NT中央」 全住協「優良団地表彰」を受賞
「ヴェレーナシティ千葉ニュータウン中央」
大和地所レジデンス(旧社名:日本綜合地所)が分譲した「ヴェレーナシティ千葉ニュータウン中央」が、全国住宅産業協会(全住協)の平成27年度「優良団地表彰」を受賞した。昨年の「ヴェレーナシティ行徳」に続き2年連続の受賞。
「ヴェレーナシティ千葉ニュータウン中央」は、北総線・成田スカイアクセス線千葉ニュータウン中央駅から徒歩5分の全217戸。奥行き約4m・広さ約10畳大の「オープンエアリビングバルコニー」、専有面積100㎡超の住戸プランが100戸以上などの商品企画が評価された。
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今回、同表彰で受賞したのはマンションなどの住宅関連が9件、宅地関連が3件で、同社の物件は首都圏から唯一選ばれた。
記者もこのマンションを取材しているので選ばれたのは嬉しいのだが、首都圏からはこのマンションだけ受賞というのは、いくら大手の寡占化が進行しているとはいえさびしいではないかと思い同協会に聞いた。その結果、今回の表彰制度は記者が考えていた表彰制度とは全く異なることが分かった。
この「優良団地表彰」は、同協会が2年前に日本住宅建設産業協会(日住協)と全国住宅建設産業協会連合会(住協連)が合併する前に住協連が行っていた制度で、記者が考えていたのは日住協の「優良事業表彰」だった(同協会への取材を数年前から止めたのが誤解した最大の理由)。
合併後も「優良団地表彰」と「優良事業表彰」がそれぞれ行われており、「優良事業表彰」は今年6月に8プロジェクトが発表されている。
選定基準がどうなっているのか分からないが、組織が一緒になったのだから表彰制度も一つにしたほうが分かりやすいと思うのだがどうだろう。
住友不動産 女性専任アドバイザーによる女性限定の相談カウンター開設
設備仕様やインテリアカラーなどが体感できるコンセプトルーム
住友不動産は10月1日、マンション購入を検討する女性限定の住まいさがし相談カウンター「住まいSalon for woman」を首都圏の主要駅で展開する「総合マンションギャラリー」全7 館に10 月3 日から開設すると発表した。
「女性1人ではモデルルームに入りにくい」「すぐ買う気はないけど、相談に乗ってくれるのかな」「自分にマンションが買えるのかな」「男性の営業マンだと断りにくいな」-などの悩みや不安に対応するため、専任の女性アドバイザーを新たに配置し、女性ならではの視点で住まいさがしを支援していく。
同社が2012年以降に供給・契約した1LDKタイプでは、女性単身比率が全体の51%を占めており、契約数も年を追うごとに増加していることから、同社は有望な市場として捉え、潜在顧客を開拓するのが狙い。
同社の年度別・女性単身購入比率のデータによると、各年度とも平均して女性単身購入比率が約5 割を占め、今期実績(8 末時点)では全体の6 割を占めるまでになっている。価格帯別データでも、4,500万円までの価格帯では、女性比率が5 割を超えている。
同社では初年度となる今期(10~3 月)は50戸の契約を目指している。相談カウンターを開設するのは新宿、渋谷、池袋、秋葉原、田町、横浜、川崎の7館。
記者の独断と偏見による「私家版 住んでみたい街」
先日、大手デベロッパー7社が共同で運営する新築マンションポータルサイト『MAJOR7』が恒例の「住んでみたい街アンケート」調査結果をまとめ発表した。これに異論をはさむ気は毛頭ないが、選から漏れているのが不思議と思われる駅を記者の独断と偏見で選んでみた。題して「私家版 住んでみたい街」。
都心は御茶ノ水 郊外なら立川、多摩センター
【東京都】
東京都心部はメジャーセブンでもたくさん上位にランクされているから省くが、記者のお勧めは東京の中心地・お茶の水だ。古本屋街を歩くと一日過ごせる。本郷菊坂、馬込文士村、大和郷、人形町、浅草などもいい。
準都心では青葉台、田園調布、奥沢、成城、永福町、浜田山、石神井公園、常盤台などの高級住宅街が知られるが、記者は下北沢の再開発がどうなるのか気になる。
郊外部では、多摩エリアの中核都市立川がナンバー1だろう。再開発で街が一変した。競輪場があり、馬券売り場もあり、西武ドームにも近いのがいい。駅前のマンションの坪単価が340万円もしたのには驚いたが、考えてみればこれも当然か。
立川にはかなわないが、わが街多摩センターのポテンシャルは相当高いはずだ。まだ行ったことのない方は是非見ていただきたい。歩車完全分離のこんな素晴らしい街はそうないはずだ。
アウトドア派には高尾山、奥多摩、山梨県になるが上野原町がお勧めだ。とにかく空気がおいしい。
住むなら湘南、三浦半島 海に近く気候温暖、魚もおいしい
【神奈川県】
神奈川県は、もちろん横浜やみなとみらい、鎌倉、武蔵小杉、川崎、たまプラーザ、港北ニュータウンなどが住んでみたい街の上位にランクされるのだろうが、海が好きな記者は住むなら湘南、三浦半島がお勧めだ。
湘南は中心地の藤沢、鵠沼、平塚、大磯などだ。平塚の代官町、夕陽ケ丘、松風町がとくにいい。大磯は駅からプリンスホテルまでの赤松並木が美しい。湘南の真冬の気温は東京と比べ1~2度は高いはずだ。
三浦半島もみんないい。七里ヶ浜、逗子、葉山、江の島、横須賀、馬堀海岸、観音崎、浦賀、三崎港、城ケ島、油壺、佐島、秋谷などいくらでも名が出てくる。
以前はこれらのエリアで結構マンションや建売住宅が分譲された。購入する人が羨ましくもあった。観音崎で防衛大の学生さんの制服をみて、その趣味はないのだが赤面するくらい惚れ込んだこともある。
何と言っても県都・浦和 所沢などの再開発エリアに注目
【埼玉県】
埼玉県では、商都・大宮もいいが、やはり浦和駅がナンバー1だ。県の行政、商業・業務、文化機能が集積しており、文化の香りが高い。ホテル機能がないのが唯一の欠点。適地はなさそうだが、マンションの坪単価は駅近だと300万円でも不思議ではない。
このほかでは所沢、川口、北戸田、新越谷、春日部あたりか。所沢は駅前の西武鉄道の用地開発が待たれる。川口、北戸田も再開発・区画整理が進行中だ。新越谷は再開発の計画はないようだが、とにかく安い飲み屋が駅周辺に集積している。春日部は駅前の再開発に期待したい。
武蔵浦和はマンションが人気になっているが、商業施設が貧弱だ。草加もいいが、最近は西川口から締め出された歓楽街のお兄さんたちが移ってきているようで、騒がしい街になってきたのが気掛かりだ。
まだまだ伸びる柏の葉 奇跡の街ユーカリが丘
【千葉県】
千葉県の住んでみたいナンバー1は柏の葉キャンパスだ。産官学が連携した街づくりが進められており、まだまだ発展途上。わが国を代表するコンパクトシティになるはずだ。ここはホテルも大規模店舗も文化(東大・千葉大)がある。都市の機能がすべてそろっている。マンションの単価は230万円でも安い。
2番手は柏市の中心地・柏だろう。ここもあらゆる都市機能が揃う。デパートが高島屋とそごう2つもあるのは郊外都市では他にそうない。ホテルはない。
新浦安は東日本大震災で大きな被害を受け、インフラの不安をさらけ出したが、やはりいい街だ。ホテルもたくさんあり、何と言っても市の財政が豊かで、文化の香りもする。UR都市機構が果たした役割は大きい。
他では船橋、津田沼は人気になっているし、海浜幕張は住宅地としてレベルが高い。幕張本郷も同様だ。県都・千葉駅周辺では再開発が進行中だ。奇跡の街・ユーカリが丘も好きだ。
大和ハウスグループ 賃貸・公共施設向け自転車置き場発売
大和ハウスグループのデザインアークは10月1日、自社企画・開発・生産のオリジナル新商品、賃貸住宅や公共施設等向けに鍵付きパーソナルスペース「CycleBOX(サイクルボックス)」の発売を開始したと発表した。
近年の自転車ブームに伴い、電動アシストタイプやスポーツタイプなどの高額自転車を購入する人が増えており、自転車置き場の安全性を確保し、利用者のの持ち運びの不便さを解消するため開発した。
特徴は、①盗難やいたずらから自転車を守る鍵付き②都市景観に配慮したシンプルかつシャープなデザイン③敷地や用途に合わせて選べるサイズバリエーション-など。
販売地域は多雪地域、塩害地域、北海道、沖縄県を除く全国。販売価格は8 台タイプ(ボックス4 台)の場合、本体価格259.2万円(税込)。販売目標は年間36台。
住宅リフォーム推進協 市場活性化に向け官民連携して活動強化
記者発表会(ホテルメトロポリタン エドモントで)
統一ロゴマーク
住宅リフォーム推進協議会(略称:リ推協、会長:吉田忠裕・YKK AP会長CEO)は9月30日、「リフォームで生活向上プロジェクト」を本格始動したと発表した。
地方自治体、地域リフォーム推進協議会、住宅リフォーム事業者などが行う様々なイベントを統一ロゴマークや共通コンテンツを使って官民を連携させることで、リフォーム市場の活性化を図るのが目的。本格始動にあわせプロジェクト公式ソング「リフォームで~SMILE~」を作製し、PRしていく。
また、リフォームをする際のヒントとなる情報ツールとして「祖父母の家に対する意識調査」報告書をまとめた。調査は、インターネットを通じて祖父母の住宅について聞いたもので、子どもは食事やおしゃべりなどコミュニケーションが取れることを楽しいと思っている一方で、もっとも苦手なのは寒い・暗い・狭い「トイレ」だった。
今年度は、協賛団体や事業者などが行う全国1,000カ所のイベントで30万人以上の参加者を見込んでいる。
左から三人目が吉田氏
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記者は、他の取材があり記者発表会に遅れて参加したのだが、大勢の記者の前で吉田会長が挨拶をしていた。隣には国交省、経産省の担当者も席についていた。
後で聞いたのだが、報道陣の参加者は55名。もともとハウスメーカー系の記者発表には多くの記者が集まるのだが、これほどの人数が集まるのは「リフォーム」に対する関心の高さだろうと判断した。(事務局の力かもしれないが)
質疑応答の時間になり、いくつか質問したかった。聞きたかったのは、主催者が度々話した「リフォームの認知度が低い」ことと、悪徳業者をどのように排除していくのかについてだった。発表会の雰囲気は記者の認識とかなりずれがあった。しかし、遅れてきて、しかもリフォームについてほとんど知らないのに質問するのは失礼だと思い黙っていた。(認知度については別の記者が質問してくれた)
以下に、記者が認識する「リフォーム」について率直に書く。当否は読者の判断に任せるほかない。
これまでリフォームについてはほとんど取材してこなかった。理由は簡単だ。市場が漠として読めなかったからだ。自分には手に負えないと思っていた。
もう一つは個人的な理由からだ。20数年前、自宅の和室を洋室にしたときだ。ある名の知られたところに依頼した。工事は1日で済んだのだが、留守から帰り仰天した。玄関からキッチン、洗面、リビング、他の部屋にいたるまで、まるで雪のようにあらゆるものにほこりがかぶっていた。カガミだろうとテーブルだろうと指で字が書けるほどだった。当然抗議したが、責任者が菓子折りを一つ持ってきて謝っただけだった。
これでリフォーム会社のレベルを知った。ユーザーにも作業する人にもきちんと説明などしない、玉石混交の業界なのだろうと理解した。そんなことがあったから今でもリフォーム業界にはいいイメージを描けない。
「認知度が低い」のではない。一般の人もリフォーム=悪徳というのは言いすぎかもしれないが、いいイメージを持っていないのではないか。リフォームに関する苦情がここ数年激増しているのは周知の事実だ。グレーの部分が多すぎる業界ではないか。
正さなければならないのは悪徳業者の排除と、業界の自主規制だ。〝不良〟が多いからこそ国もわざわざ「長期優良住宅化リフォーム推進事業」など「優良」の文言を使っているのではないか。「優良リノベ」を謳った団体もあった。
同協議会が本腰を入れて悪徳業者の排除に取り組んで欲しいのだが、ここで一つ疑問も湧く。
同協議会には、住宅・不動産業に関するたくさんの公益・一般社団法人や47都道府県・政令都市、各都道府県住宅供給公社など175の団体・企業が名を連ねている。それなのに認知度を高めなければならないというのが理解できない。烏合の衆ではないだろうし、船頭多くして…でもないはずだ。
トラブル・苦情が後を絶たないのであれば、小規模木造にも宅建業法のような消費者保護法を検討していいのではないか。「協議会」を格上げして、もっと強制力、指導力を持たせる団体にはできないのだろうか。
東急リバブル 業界初の厚労省「均等・両立推進企業表彰」受賞
東急リバブルは9月30日、厚生労働省が実施する平成27年度「均等・両立推進企業表彰」の均等推進企業部門で大手不動産流通企業としては初めて「東京労働局長優良賞」を受賞したと発表した。
「均等・両立推進企業表彰」は、「女性労働者の能力発揮を促進するための積極的な取り組み」または「仕事と育児・介護との両立支援のための取り組み」について他の模範ともいうべき取り組みを推進している企業を表彰する制度。
今回同社が受賞した均等推進企業部門「東京労働局長優良賞」は、地域において、女性の能力発揮を促進するために、他の模範ともいうべき取り組みを推進している企業に与えられるもの。
同社は、2013年4月に大手不動産流通企業で初めてダイバーシティ推進P.T.(現ダイバーシティ推進課)を設置して以来、コース(職掌)転換を検討している社員を後押しする「キャリアアップ支援セミナー」の実施、売買仲介営業職の女性社員に対するメンタ―制度の導入、女性社員の管理職登用に向けた研修などさまざまな取り組みを推進している。
これらの取り組みをHPにて紹介することで、女性社員の採用拡大にも努めており、こうしたダイバーシティ推進の取り組みにより、売買仲介業の営業職に占める女性社員の割合が増加するなどの成果も出てきている。
こうした計画的な取り組みにより成果をあげていることが評価され、受賞となった。
全建女 未来へつなぐ…次世代に伝えたい…テーマに全国大会
第25回全国建築士連絡協議会(代々木・オリンピックセンターで)
日本建築士会連合会女性委員会(略称:全建女、委員長:永井香織・日本大学准教授)は9月25・26日、第25回全国建築士連絡協議会を開催し、「未来へつなぐ居住環境づくり」「次世代に伝えたい、こと・もの、くらし」をテーマに約200名の参加者が知見を深めた。
大会では、今年のアピールとして、次の4点を採択した。
①これからの四半世紀を見据え、子供や高齢者が安心できる防災を強化した「居住環境づくり」の構築を目指す
②これから求められる「未来のくらし」を視野に入れた新しいくらしのあり方について取り組む
③震災復興報告の情報発信を通じ、忘れない・風化させない・続けていくことを基本に私たちを取り巻く「こと・もの・くらし」を見つめなおし、これからのくらしを守る
④性別や年齢、職種の枠を超えた様々な分野の専門家とのつながりの重要性を再認識し、これからの女性建築士の役割を次世代に伝えていく
全大会の前に行われた記者会見で、永井委員長は、「25周年を迎えて毛色を変えて考えようと、初代委員長の村上美奈子さんに基調講演をしていただき、パネルディスカッションでは各界の20代から80代の方々にワークライフバランス、ユニバーサルデザインなどにも踏み込んだ論議をしていただき、今までのやり方にこだわらないこれからの四半世紀をどう暮らすのかの知識を深めたい。前回から取り組んでいる異業種との交流が私たちの発展のカギを握っているのではないか」などと語った。
永井氏
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「ふるさとの訛なつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく」-啄木ではないが、わが故郷三重県の〝な言葉〟を聞きたくて三重県からの参加者4人、大森尚子氏(大森建築設計室)、森本千刈氏(エラ・プラン取締役)、浦山真美氏(建築設計事務所)、川北睦子氏(みえスマ理事長)に声を掛けた。ワークライフバランスについて聞くためだ。各氏のコメントを紹介する。(順不同)
大森氏 わたしは東京出身。結婚を期に三重に移り住みました。設計事務所自営。個人住宅が主ですので時間のやりくりはできましたが、実家は遠く、母子家庭で4人の子どもを育てるのは大変でした
森本氏 結婚して子供ができてから建築会社に就職しました。職場の仲間に建築士の資格を取得するよう勧められて取得しました。2級です。子育てはおばあちゃんに助けられました。おばあちゃんがいなかったら仕事は続けられなかったと思います
浦山氏 工業高校を卒業して27~28歳で1級の資格を取得しました。わたしが経営者で、自宅で個人住宅の仕事ですからやってくることができました。結婚? わたし晩婚でして、最近45歳で結婚したばかりです
川北氏 1級の資格は持っていますが、いまはNPO(みえスマ)の活動を通じて家づくりをサポートしています
聞く時間が10分くらいしかなかったので、深く聞くことはできなかったが、建築士の仕事は自分で都合をつけて働けるからこそ仕事と家庭・子育ての両立ができるのだろうと思った。
大森氏に三重県のPRをと勧めたら、「三重県は林業のさかんな県。ぜひ三重県産の木材を使って木造住宅をどんどん建ててください」と話した。
左から川北氏、大森氏、森本氏、浦山氏(〝あのなぁ、そやなぁ、やっぱり三重の女性が一番ええなぁ〟-これは記者もそうですが、ある高名な作家が言いました)
“女性だからこそ”安心・安全の居住環境づくりを 女性建築士が全国大会(2015/3/2)
モリモト「アールブラン大倉山」 坪239万円でも「高くない」評価
「アールブラン大倉山」完成予想図
モリモトが分譲中の「アールブラン大倉山」を見学した。大倉山駅と新横浜駅からそれぞれ徒歩14分の中規模マンションで、坪単価239万円ながら販売開始3カ月で全82戸のうち約半分が売れている。単価上昇と〝東横線〟人気を象徴するマンションだ。
物件は、東急東横線大倉山駅から徒歩13分、横浜市港北区大豆戸町に位置する7階建て82戸。専有面積は53.85~82.53㎡、坪単価は239万円。竣工予定は平成29年1月下旬。設計・施工・監理は新日本建設。デザイン監修はウイ・アンド・エフ ビジョン(石倉雅俊氏)。3か月前から分譲されており、これまでに約半数が分譲済みだ。
現地は駅からややあるが、周辺は中層マンションが建ち並ぶ住宅街。物件に隣接してロマネスクだかゴシックだかアールデコだかしらないが、かなり派手な尖塔がたくさんある結婚式場が建設中なのは気になったが、嫌悪施設ではないようだ。
設計プランは、市の高さ規制(20m)があるためか、高密度で、なおかつ容積率(300%)を満たす(消化)ためハーフバルコニータイプが多いのは難点だが、同社のいつもの商品企画レベルにはある。
逆梁ハイサッシを採用し、2重床・2重天井で、ミストサウナ付き。82㎡のモデルルームのインテリアデザインを担当している鈴木ふじゑ氏の提案もいい。基本は3LDK+Sだが、約5畳大の洋室2室を1室にし、御影石のキッチン天板は幅約2800。
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以前からこの東急東横線だけは相場観が狂う。坪単価予想はことごとく外れ、予想よりはるかに高い値段になる。
なぜ外れるか。もちろん、東横線は東京と横浜を結ぶ線で、田園調布駅-日吉駅間は複々線になっており、目黒線(目黒駅-日吉駅間)が並走している。武蔵小杉駅ではJR横浜線と湘南新宿ラインとも接続している。
このため横浜中華街から宇都宮ライン、西武池袋線、副都心線、半蔵門線、東武東上線、東武伊勢崎線、日比谷線との接続も楽で利便性は飛躍的に高まっているのは理解できる。これがマンション価格を引き上げている最大の要因であるのは分かる。
しかし、東横線は渋谷から代官山、元住吉、日吉、菊名、妙蓮寺、白楽などは坂が多く、駅のターミナルも街路樹もプア(全部ではないが)で、道路は狭く、しかも蜘蛛の巣みたいに曲がりくねっているところが多い。生活利便施設だって他の沿線より恵まれているということはない。むしろ、昔から開発されたところだから、平地はもちろん坂にへばりつくように住宅が建てられている。平坦な住宅地が多いのは綱島、大倉山くらいだ。
そんな街でも坪単価は高く、武蔵小杉の350万円を筆頭にみんな坪200万円をはるかに突破し、駅近だと300万円もする。どうして武蔵小杉が豊洲などの湾岸や世田谷と同じか上回るのか。この逆転現象がまったく理解できない。相場観が狂うのはこのためだ。
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同社の物件ホームページに掲載されている現地案内図をコピーして大倉山駅から現地に向かったのだが、やはり道は狭く、車が通れるかどうかというところもあった。記者は車が嫌いだが、これでは誰が買うのかと思ったほどだ。
現地周辺は中層マンションが建ち並びまずまずの住宅地を形成していたが、駅から徒歩13分はやや距離がある。最近の地価・建築費の高騰を考慮しても坪単価は200万円台の前半がいいところだろうと値踏みした。
ところがどうだ。239万円もするではないか。数年前の駅近の相場だ。それでも分譲開始3カ月で半分近く売れているというから驚きだ。
単価の高さと売れ行きに驚いたのだが、同社の担当者によると、来場者は駅からややあるのもそれほど気にせず、価格も妥当という声が多いという。
来場者が納得するのは理由がある。最近分譲された大倉山駅から2駅目の妙蓮寺駅から徒歩2分の「プレミアムレジデンス横浜妙蓮寺」(39戸)は坪単価300万円だし、同じ大倉山駅から10分の野村不動産「プラウド大倉山ディアージュ」(40戸)が坪単価290万円で即日完売した事例があり、武蔵小杉では価格が暴騰していることもみんな知っているからだ。
同社の販売担当者も、「お客さまから価格が高いとはあまり言われない。駅からの距離もそれほど気にされませんし、新横浜までも14分、バスを利用すれば数分の利便性と、モデルルームの提案が評価されています」とのことだった。
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地元に詳しい関係者によれば、地域住民は子どもの通学コースを大綱小学校-大綱中学校を望む人が多く、中学校は市内でもレベルが高いという評判らしい。
そこで、取材の帰り、中学3年生の2人連れに声を掛けた。このうちの1人は「藤沢の湘南高校を目指しています。多分受かる」と話していた。
大倉山の人気はこのあたりにもあるのか。
東京ガス・三井不動産・三菱地所 田町駅前の大規模複合着工
「(仮称)TGMM 芝浦プロジェクト」(左がA棟、右がB棟)
東京ガス、三井不動産、三菱地所の3社は9月28日、田町駅東口の芝浦エリアで開発計画を進めている「(仮称)TGMM 芝浦プロジェクト」を10月1日に着工すると発表した。
同プロジェクトは、JR田町駅東口隣接の東京ガス所有地(約28,000㎡)にオフィス、商業施設、ホテルなどからなる全体延床面積約30万㎡の複合ビジネス拠点を創出するもの。東京ガスの先進的な環境エネルギー技術と、三井不動産・三菱地所が日本橋エリア・丸の内エリアなどでそれぞれ培ってきた不動産開発ノウハウを盛り込む。
外装デザインは、世界的な建築設計事務所であるKPF(Kohn Pedersen Fox Associates)が担当。東京のスカイラインに浮かび上がる、2棟のオフィスタワーの門型フレームは、同プロジェクトや国際都市・東京を訪れる人々を迎え入れる「ゲート」をイメージしている。
建物は31階建てA棟、9階建てホテル棟、36階建てB棟、6階建て生活支援棟の4棟。設計監理は三菱地所設計・日建設計。施工は大成建設、清水建設。全体竣工は2019年。
阪急不動産「ジオ多摩センター」 同駅圏 最後の大規模マンションになるか
「ジオ多摩センター」完成予想図
阪急不動産が10月に分譲する「ジオ多摩センター」を見学した。京王・小田急多摩センター駅から徒歩12分の全300戸の規模で、多摩センター駅圏では最後の大規模マンションになるかもしれない。
物件は、京王・小田急小田急多摩センター駅から徒歩12分、多摩市鶴牧3丁目に位置する15階建て全300戸。専有面積は76.33~101.23㎡、価格は未定だが、5階あたりの坪単価は190万円くらいになる模様だ。竣工予定は2017年2月下旬。施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。
物件の最大の特徴は、駅から現地まで完全に歩車分離のアクセス・アプローチであることだ。歩いて12分もしてなおかつ歩車分離の街はそうないはずだ。
もう一つは、このマンションが多摩センター駅圏の南口では最後の大規模マンションになるかもしれないということだ。後述するようにUR都市機構は近くに広大な土地を所有しているが、多摩市の意向もあり住宅用地として売却される可能性は小さい。
住戸プランは、南西向き中心に南東向き、西向きで、居住面積は70㎡台の後半が中心。
コミュニティを重視しているのも特徴の一つで、「みんなのマルシェ」をほぼ2カ月に1回開催する予定のほか、「みんなの花壇」「七夕デコレーション「みんなの本棚」「コンサート」「コミュ・ブック」なども継続して行っていくという。
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このマンションのことより記者が気になるのは、その敷地北側にUR都市機構が所有する約3.8haの土地と、その東側に隣接する元わんにゃんワールドの跡地約1.8haの土地がどうなるかだ。双方を合わせると5.6haにもなる。東京ミッドタウンに近い広さだ。
この点についてUR都市機構と多摩市に聞いた。わんにゃんワールドの跡地についてURは「業務・商業施設として引き合いがあれば売却したい。住宅は想定していない」とのことだった。市も「多摩エリアの拠点として賑わいを創出する施設を希望している。住宅建設については考えていない。ここ数年マンションがかなり建設されており、計画数値に近づいているので、要望があれば協議となるが、学校用地などの問題もあるので難しい」と話している。
一方、今回のマンション敷地の北側についても同様で、URは「今年いっぱいでいま貸しているところの定借期間が切れるので、これから売却をどうするか検討している」としている。
なので、今後これらの土地がどのようになるか不明だ。多摩センターは他の街と比べても極めてポテンシャルが高いエリアだと記者は考えているのだが、民官学が連携して知恵を絞り、広域的な利用がされる施設を造ってほしいと願っている。
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多摩センター駅圏のマンションについてはその都度記事にしているのでもう書くこともなくなったが、多摩市の住民でもあるので、多摩センターのポテンシャルが極めて高いことについて触れたい。
記者は街のポテンシャルを3つの要素でいつも計る。一つは宴会ができるホテルがあること、2つ目はデパートがあること(つまりそこに行けば何でも買えるということ)、そして3つ目は食を中心とする文化が充実しているとことだ。
読者の方も、自分が住む街をこの3つのモノサシで計っていただきたい。3つ揃う街は、都心部はともかく郊外ではそうないはずだ。
ところが、わが多摩センターはこの3つが揃っている。これは自慢できる点だ。一言で言えば都心の利便性と緑が共存する街だ。新宿まで30分だ。これほど街のポテンシャルが高く交通の便もいいのに、マンションの分譲単価はずっと低く抑えられている。同じクラスの街と比較して2割は割負けしていると思う。
例えば、新宿などの都心ターミナルから30分圏といえば町田、清瀬、所沢、志木、武蔵浦和、新越谷、津田沼、あざみ野あたりか。
これらの街で3つの要素が揃っている街は一つもないのがお分かりのはずだ。こんなことを言ってもみんな取り合ってくれないだろうが、3つの要件が揃っており、多摩センターと比べられる街は新浦安、浦和、大宮、千葉、柏、新百合ヶ丘くらいしかないと思っているが、どうだろう。いま人気の豊洲にも武蔵小杉にもホテル機能はないので、記者の評価もそれほど高くないのだが、単価がべらぼうに高いのはよくご存じのはずだ。
多摩センターが割負けしているのは、デベロッパーにも責任の一端はあると考えている。街の価値を最大限に引き出す努力(企画力)が足りない。
努力不足もあって、なかなか高値追求ができないのだ。今回のマンションも坪単価は200万円以下になるのは間違いなさそうだ。仮に新百合ヶ丘駅10分でマンションが分譲されれば、坪単価は250万円はするはずだ。次に書く東急東横線大倉山駅圏は坪200万円台の後半だ。
にもかかわらず、今回も低く抑えられているのは戸数が多く、面積が広いこと、単価が一次取得層の取得限界に近いことが指摘できる。共用施設にはたとえばゲストルームはないし、設備仕様は取り立てて強調できるものはないのもそのためだろう。(このマンションのほかに、あるデベロッパーがサンリオピューロランドに近いところで分譲するが、坪単価は最低でも230万円はするはずだが…)
しかし、多摩センターの街の魅力を加味すればものすごく割安だと思う。最近は自分も反省しているのだが、単体としての坪単価よりも共用部・住環境を含めたトータルな価値を計ることが重要だ。記者がマンションの販売担当だったら、共用部分の面積(レンタブル比、有効率)を広告に表示し、その価値を堂々とアピールする。