野村アーバン 港北NTセンターと大阪府茨木市に仲介店舗「野村の仲介+」
野村不動産アーバンネットは3月24日、仲介店舗「茨木センター」(大阪府茨木市)と「港北ニュータウンセンター」(横浜市)の2店舗を4月3日に開設すると発表した。
2店の出店により、同社の「野村の仲介+」は首都圏59部店・関西圏5部店の計64部店となる。
またイニシアだ! UDの企画抜群 アクティブシニア向け「グランコスモ武蔵浦和」
「グランコスモ武蔵浦和」完成予想図
またまたコスモスイニシアだ。同社が4月下旬に分譲するアクティブシニア向けの「グランコスモ武蔵浦和」を見学した。昨年は同社の「イニシア武蔵新城ハウス」をベスト3マンションの一つに選んだが、今回の物件は、これから増えそうなシニア向けのモデルになるのではないか。コンセプトが明確で、ユニバーサルデザイン(UD)の商品企画が素晴らしい。坪単価260万円もどんぴしゃり。今年も「ベスト3」候補に浮上した。
物件は、JR埼京線・武蔵野線武蔵浦和駅から徒歩4分、さいたま市南区沼影一丁目に位置する13階建て全160戸。他に他事業者分譲住戸601戸、非分譲住戸15戸)、非住宅13区画など。専有面積は44.00~73.54㎡、価格は未定だが坪単価は260万円くらいになる模様。竣工予定は平成28年1月下旬。管理・サービス運営はコスモスライフサポート。施工は清水建設。
現在分譲中のマンション「武蔵浦和SKY&GARDEN」などとともに一体開発されている再開発プロジェクトの一つで、購入者の年齢制限は設けてはいないが、60歳代以上のアクティブシニア層をターゲットにしたマンション。
レストラン、大浴場のほか各種生活サポート施設・プログラムを備えており、1階には医療クリニックが併設され、万が一の場合には提携する介護施設が紹介される。
マンション内は全て内廊下方式。玄関-ホール-廊下-リビング-バルコニーまでバリアフリーで、廊下幅はメーターモジュール。居室ドアなどは全て引き戸で、洗面カウンターは椅子を置いて足を入れることもできるニースペースがついている。各洋室、トイレ、バスルームには緊急コールボタンが設置される。キッチンはオール電化で、食洗機はついていないがファミリーマンションとほぼ同クラスかそれ以上。夫婦別室で、居室とリビングが一体として利用できるようにしているのも特徴の一つ。
2月27日にモデルルームをオープン。スタッフ9人が対応しているが、これまで予約は平日も含めすべて満室。3週間で約200名の来場がある。これとは別に3月8日から14日にかけてはシニア向けイベントを行っており、こちらには270~280名の参加があったという。
大浴場
スカイビューラウンジ(左)とレストラン
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〝アクティブシニア向け〟が適当かどうかは分からないが、この種のマンションは「デュオセーヌつくばみらい」と「スマートコミュニティ稲毛」を見学しているが、立地条件が異なり、ターゲット層も微妙に異なっているように感じた。
この2物件は郊外型であり、どう人生を終えるかといった雰囲気のあるものだが、今回の物件は都市居住者向けで、まだまだ人生をエンジョイしようという層がターゲットではないか。一人住まいというより夫婦二人、あるいは親子住まいを想定しているのではないか。キッチンも豪華で、ファミリーマンションに引けを取らない。ユニバーサルデザインも徹底しており、多くの支持を受けるのは間違いない。
リビングとバルコニー
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どうしてこのような企画ができたか。その謎は一挙に解けた。業界関係者ならご存知だろうが、同社は10年くらい前に「COCOLABO」を立ち上げ、大学の研究者などと「住まい」について研究を行ってきた(実際はずっと前から同社は研究熱心だった)。このアクティブシニア向けも10年前からずっと研究してきたのだという。苦節10年とはよく言ったものだ。その成果が今回の商品企画となった。
価格が高いという向きもあるかもしれないが、このマンションには単価で測れない価値がある。
同社の研究熱心に関連することだが、この物件の説明した同社市場・事業戦略部シニア事業課担当課長・山本一馬氏から「インディペンデンスヴィレッジ成城西」の話が出たのに驚いた。10数年前に分譲されたもので、高齢者向け分譲マンションの走りではないか。当時、売主の都市綜研インベストメントの栁瀨公孝社長からじっくり話を聞いたのを思い出した。分譲マンションに本格的なコンシェルジュサービスを導入したのも同社だったはずだ。
そのコンセプトが今回の物件にも生かされていると思うととても嬉しい。そしてまた「武蔵新城」といい今回の「武蔵浦和」といい、コスモスイニシアはいい仕事をする。同社の頭脳と大和ハウスのカネが組み合わさったらものすごいことができるのではないか。
一つだけ注文がある。「アクティブシニア」という言葉について。「アクティブ」は反対語の「パッシブ」も意識させる。何だか元気がない高齢者に劣等感を与えているようで気分がよくない。
本来的にはアクティブもパッシブも青年も壮年も高齢者も同じサークルの中で生きるのが理想的な姿ではないか。気の利いた言葉を編み出してほしい。
浴槽メーカーに参考になりそうなヒントも一つ。山本氏によると、イベント参加者には現在の浴槽の「またぎ」部分約45~50センチでも高すぎるという声があるそうだ。なるほど。半身浴ならまたぎの部分はもっと低くてもいいかもしれないし、子どもも入りやすい。これがユニバーサルデザインだ。
玄関-廊下
様々な新しい発見もあった 三菱地所レジ「横浜新子安」竣工見学会
「ザ・パークハウス横浜新子安ガーデン」
三菱地所レジデンスは3月23日、2013年12月の分譲開始以来10カ月で全497戸を完売した「ザ・パークハウス横浜新子安ガーデン」の竣工見学会を行なった。マンションは地域住民にも公開され、町内会関係者など約30人が見学に訪れた。
物件は、JR京浜東北線新子安駅から徒歩4分、横浜市神奈川区新子安1丁目の日産グラウンド跡地に位置する10階建て全497戸。専有面積は61.66~101.12㎡、価格は3,278万~7,698万円(最多価格帯4,400万円台)、坪単価は210万円。施工は熊谷組。
問い合わせ件数は約5,800件、来場者数は約2,500件、契約歩留まりは約20%。購入者は横浜市内居住者が約60%で、30歳代の一次取得層が47%。
見学会では共用施設のほか保育所、学童施設も公開され、熊谷組の施工技術や地域との関わりなども映像で紹介された。地域住民へのインタビューも許され、アンケートによる購入者の声をまとめた冊子が報道陣に配布された。
歩行空間
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これほど盛り沢山で新しい発見をさせてもらった見学会はない。
まず、建物。ランドスケープデザインが秀逸だ。2010年に地域住民を含めた「新子安まちづくり推進委員会」を立ち上げ、良好な住環境を形成するため協議を重ねた成果だろう。横浜市の市街地環境設計制度により高さ規制の緩和を受け、保育所・学童保育施設・地域交流施設を併設し、敷地外周を歩道空間とした「CASBEE横浜」の「Aランク」を取得している。
施工面では熊谷組は、PC工法を一部採用するとともに工程の工夫を凝らした結果、1層を立ち上げるのに通常は18日くらいかかるのを12日に短縮したこと、マイスターと呼ばれる責任者が音頭をとって地域のイベントに参加し、掃除なども行ったことなどが報告された。
驚いたのは、購入者アンケートの結果がそのまま配布されたことだ。われわれはたくさんマンションの取材をするが、直接ユーザーの声を聞く機会はほとんどない。その意味でアンケートの声はものすごく新鮮に映った。全て読んだ。
アンケートの設問は、①購入のきっかけ②決め手になったポイント③妥協点④購入後の暮らしのイメージ-の4項目で、1枚に12~13人、全部で250人分くらいあった。
読んでまた驚いた。女性と思われる方の字が総じて美しく、びっしりと書かかれていたことだ。最近流行りの絵文字はほとんど皆無。丸文字もない。内容的にも一つ一つ丁寧に答えている。美しい品性がうかがわれた。いい加減な取材はできないと教えられもした。
その反面、男性によるものははっきりいって字が下手で雑。内容的にもピント外れ、表現力の乏しさ、主体性のなさがうかがえた。なにかにつけ女性がリードする世代なのだろうと納得もした。
以下、女性によるものと男性によるものと思われるコメントをいくつか紹介する。
「家族が増えて今の住まい(1LDK)が狭くなり引越しを考えた。マンションならではの眺望、日当たりの良さを条件に高台にあるマンションを中心に見学した。高台にあるマンションは眺望、日当たりは良いが、駅からの道のりが遠かったり、坂道がきつかったりしたため、何件か見学したが、結局次々と断念してしまった。
本物件を初めて見学した際、駅からの近さに感動…。色々見てきたが、やはり駅近の魅力はすごいと思った。駅近のわりには手の出せる価格帯であること、部屋の仕様が希望を十分に満たしている(ディスポーザーなど)ことなどが決め手の後押しとなった」
「私達夫婦は、二人とも60歳近いので、休日にはゆっくりとこの街を散策することが楽しみです。特に大口商店街は、歴史あるお店と、新たにオープンしたお店が共存する商店街のようなので、ぜひ行ってみたいと思います。
また、絵画を鑑賞することが好きなので、みなとみらいにある横浜美術館が近いので楽しみです。釣りが好きな主人は、海まで近いので、大変楽しみにしております」
「二人の勤務地である新橋と横浜の中間地点、川崎周辺と都内でモデルルームを9件ほど見て回り、ここの物件にたどりつき、契約に至りました」
「2カ月で10件のモデルルームを見学した中で、ここが一番気に入りました」
「初めて『新子安』駅に降りた時は、正直、他の駅と比べ、商業施設の貧弱(?)さや人の少なさに吃驚したが、普段の買い物は週末に車でするし、必要であれば『川崎』や『鶴見』で途中下車もできると思い納得した。
駅から少し遠い物件であれば、もっと広くて安いところもあったが、やはり駅からの距離がこれほど近く、且つ静かな環境は他では得られないと思った」
(以上、女性回答者)
「最低限のスーパーがあるため妥協。今後の発展に期待」
「新築でもあり、モデルルームでの細かな点(ドア、キッチンの高さetc.)に感激した妻のひと言が決め手となった。『ここに住めたら良いよね』と」
「駅からフラットで4分。その割に静か」(フラットではない=記者注)
「妻の実家との近さ」(同様のコメントは多数あり)
「テラスで昼寝」(この種の回答も多数。対照的なのが女性と思われる「毎日、ピアノを弾いていたい」という回答)
「家のテラスでのんびり過ごす。WIC(トイレでなくウォークインクローゼットか)にこもる」
「眺望はあきらめた。東京への近さは妻に妥協してもらった」
(以上、男性回答者)
価格について一言。購入者の方には「価格が高い」と思っていらっしゃる方も結構いるが、用地取得の段階から知っている記者はものすごく割安感があると思う。坪230万円が適当とはじいた。駅力が乏しいのは如何ともしがたい。だから安いのだ。
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認可保育所と民設民営は、見学したことがほとんどないので他の施設との比較は難しいが、とてもよくできていると思った。
保育所は83カ所で保育園などを展開している「グローバルキッズ」が施設を所有・運営するもので、床暖房に床材にはコルク材を使用、腰壁・建具などはヒノキの無垢材、廊下・階段幅は約1.5m。至れり尽くせりの設備だと思った。定員60名で、すでに定員いっぱいだという。
学童保育は、「ワオキッズ」がグローバルキッズから貸借して運営するもの。英会話教室やサイエンス教室(一部はオプション)などのカリキュラムやイベントのほか送迎、延長対応、ミール、洗濯・着替え貸し出し、買い物代行なども行なう。レギュラー会員(入会金、入会セット料金別)で1年生の場合、週5日の通常月料金は4万円。定員は30名で予約を含め3分の2が申し込み済み。
学童保育は、公設公営と公設民営がほとんどだろうと思っていたが、最近は民設民営も増加しているとか。基準がないから自治体の援助も受けられないようだが、学童保育がビジネスになる時代になったということか。
〝子どもは風の子〟は死語になったようだ。最近の親は〝家にこもっていないで、公園で遊んできなさい〟と言わないのだそうだ。
保育所(0歳児用のオリジナルの椅子とテーブル。床はコルク)
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地域交流施設を見学したあと、地域の方たちと話し合う機会が設定されていたのもよかった。
約2,000世帯で構成する新子安南部町内会会長の森田さん(66)に「最近の若い人はコミュニティなど真っ平。町内会に加入などしたくないむという人が増えているが…」と単刀直入に聞いた。
森田さんは、「町内会がうまく機能していない例を知っているが、そういうところは災害時には最悪の事態になるはず。挨拶もしないような街は、マンションも高く売れない。このマンションは全世帯が加入すると聞いている。交流施設は無料で利用できる。様々なイベントなどに利用したい」と話した。
また、別の人は「敷地には立派なサクラが植わっていたが、伐採されることになったので、われわれが要求して緑地スペースを増やし8本の木を植えさせた。完成したのを見ると贅沢すぎて、管理費が大変だろうと心配もしている」と率直な感想を語った。
町内会の方が「贅沢すぎる」と話した樹木は、シンボルツリー的な10数メートルはありそうクスノキのほかシラカシ、カツラ、アメリカフウ、ヒマラヤスギなどの成木で、確かに見事だ。外周を歩行空間にしているランドスケープもいい。
町内会の皆さん
東急リバブル 「千歳烏山」など一挙に5店舗新設
東急リバブルは3月23日、売買仲介店舗「千歳烏山センター」(東京都世田谷区)、「日暮里センター」(同荒川区)、「武蔵小金井センター」(同小金井市)、「芦屋センター」(兵庫県芦屋市)、「琴似センター』(北海道札幌市)の5店舗を4月2日(木)に開設すると発表した。
今回の出店により同社の全国リバブルネットワークは162カ所になる。
子は天からの授かりもの? 子どもができる前の住宅購入者 アットホーム調査
子供が生まれたら住み替えたいと考えている人は17.6%-毎回面白いアンケートを行なう不動産情報サービスのアットホームが今度はこんな興味深い調査結果を発表した。
「子供が欲しいと思っていて、子供ができる前に東京都内に住宅を購入した夫婦」353名(男性188名、平均37歳、女性165名、平均38歳)を対象にネットでアンケート調査したもので、住宅購入価格は平均4,539万円、居住面積は85.8㎡、最寄り駅から9.9分。
まず、「子供が生まれたら、住み替えたいですか? 」という問いに「はい」は17.6%、「いいえ」は58.1%、「どちらでもない」は22.7%だった。
「もしも子供ができなかった場合、住み替えたいですか」の問いに対しては、「はい」が19.3%、「いいえ」が58.1%、「どちらでもない」が227.7%だった。
また、「現在の自宅は、子供にとっての住環境も考え、購入しましたか」との設問では、「はい」が49.0%、「いいえ」が31.4%、「どちらでもない」が19.5%だった。「住宅購入の際、将来、子供の教育費がかかる事を想定していましたか? 」に対しては、「はい」が49.0%、「いいえ」が33.1%、「どちらでもない」が17.8%。
「子供のことを考えて住宅購入をした人」で「重視したこと」については、1位「日当たり・風通し」(61.8%)、2位「収納」(31.8%)、3位「キッチンからリビングが見渡せる」(31.2%)の順。「和室がある」は9.8%、「体によい天然の資材などを使っている」は6.4%だった。
「自宅購入の際、将来生まれてくる子供の事を考え、重視した環境は? 」は、第1位が「スーパーなど買い物施設が近い」が56.1%、「治安がよい」が50.9%、「公園が近い」が45.1%。「自然が多い」は25.4%、「車の交通量が少ない」は11.6%、「住民同士のつながりが強い」は4.0%だった。
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この調査結果をどう見るか。子どもが欲しいと思っていて家を購入したのに子どものことを考えて購入した人の割合が49%というのは解せない。これは、子供が生まれたら住み替えたいと考える人が17.6%と少ないのと密接に関連する。
「いいえ」が58%あり、事前に子どもの住環境を考えなかった人が31%いることから判断して、子どものことが住宅購入の最大の理由ではない層も少なからず存在することがうかがわれる。
健康によい資材(設備仕様やユニバーサルデザインはどうなのか不明)や住民同士のつながりはあまり重要視されていないのも意外と言えば意外。「子は天からの授かりもの」と考えている若い人が多いということか。
異形のスカイツリーに怒れるスズカケ 押上の街路樹 続々「街路樹が泣いている」
墨田区向島のスズカケの街路樹
「東京スカイツリー」をけなすつもりも墨田区を批判する気持ちも毛頭ないが、やはり言わざるを得ない。書かざるを得ない。
「スカイツリー」がたくさんのお客さんを呼ぶのは結構なことだ。しかし、あれは「故郷」と同じだ。遠くから眺めると確かに美しく見えるかもしれないが、近くから仰ぎ見ると異形の形がぐっと迫ってくるようで心臓に悪い。地元の人はどのような評価をしているのだろう。
押上駅前からのスカイツリー
コスモスイニシアの賃貸マンションの取材を兼ねて、スカイツリーのある押上から向島3丁目、4丁目、5丁目を歩いた。
「向島」は永井荷風などの小説の舞台になっており、昔からいいイメージを持っているのだが、街を歩いてあまりにも街路樹が貧しいのに悲しくなった。写真を見ていただきたい。緑がないところを選んで撮ったのではない。どこを歩いても四方八方を眺めても強剪定されたスズカケしかないのだ。あの枝を見ると記者は木が発狂しているようで恐怖を感じる。
唯一と言っていいくらいの墨田区らしい街路樹は、森鴎外の居宅跡がある桜橋通りに植えられたハナモモだった。これは最近整備されたようで、高さは3mもなかった。
社に戻り、ネットで調べて愕然とした。墨田区内には23年度現在、街路樹は7,452本ある。多いか少ないかはさておくが、このうちスズカケが約42%の3,123本だ、次に多いのがトウカエデの1,221本、それにアオギリ278本、イチョウ267本、マテバシイ188本、アメリカフウ154本、ハナミズキの142本と続き、その他が1,746本だ。
読者のみなさんはここで気が付いただろうか。なんと常緑樹はマテバシイだけで、他は全て落葉樹。街が寒々と感じるのは記者だけでないはずだ。さらにいえば、その他1,746本の樹木はひとくくりにされていることだ。その木は何の木だ。気になるどころの話ではない。街路樹にそんなにたくさんの樹種があるはずがない。
わが街多摩市はどうか。街路樹は約1万本ある。このうち常緑樹はクスなど約2割ある。各敷地内にも常緑樹はたくさん植わっているので、真冬でも緑は豊かだ。スズカケ(プラタナス)は284本しかない。そしてなによりこれが大事なのだが、50種ある樹木の中で「その他」はわずか2本のみだ。1本1本をきちんと管理している証左ではないか。
墨田区は、緑化にも力を入れているようで、沿道緑化や壁面・屋上緑化にも補助金を出している。しかし、この街路樹はあまりではないか。隗より始めよといいたい。
記者は街のポテンシャルを測るモノサシとして①ホテルの有無②デパートの有無③職を中心とする文化-この3つを掲げているが、これでは不十分。4つ目としてこれから「緑」を追加する。スカイツリーで押上の人気は高まっているのだろうが、記者のマンション坪単価相場としてはせいぜい200万円だ。23区内では最低クラスだ。
区の担当者に「なぜ落葉樹ばかりなのか」聞いたら、「人それぞれ。紅葉がきれいという人もいる」-木を鼻でくくるような答えが返ってきた。思想・哲学などまったくない。進士・東京農大名誉教授が言った通りだ。「自治体に公園緑地のプロはいない」と。
先のハナモモはどうして植えたかだが、森鴎外が住んでいたところは「向島小梅町」と呼ばれていたそうだ。「小梅町」にちなんで、ウメは街路樹にふさわしくないと考え「ハナモモ」にしたのだう。これは正解か。
向島の街路樹
森鴎外居宅跡地付近(街路樹はハナモモ)
「TSUNAGU(つなぐ)」がテーマ コスモスイニシア 投資用賃貸「向島5丁目」竣工
「向島5丁目プロジェクト」エントランス
コスモスイニシアは3月20日、用地の取得から建物竣工までをプロデュースした投資用賃貸マンション「向島5丁目プロジェクト」の竣工見学会を行った。
入居者と住まい、入居者と街や地域の人々を「TSUNAGU(つなぐ)」がテーマになっており、写真家の若木信吾氏が向島地域の印象的な写真を撮り、その写真にニューヨークで活躍するペイントアーティストのマイク・ミン氏がペインティングを施した作品を1階エントランスのギャラリースペースに展示する。
若木氏とマイク氏は、大学時代にアメリカを横断する旅をしたことがきっかけで共同作品を発表したこともあり、今回もそれぞれ東京とニューヨークという別の場所と時間で作品を作り上げた。
建物は7階建て全53戸。専用面積は26.02~57.28㎡。総合プロデュースがコスモスイニシア、ギャラリープロデュースがアクシス・アマナ。
外観とエントランスホール・ギャラリー
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記者は写真もペイントアートにもあまり興味はないが、若木氏の作品は1点百万円以上するものもあるようだ。マイク氏との共同作品は全部で4点。買ったらいくらになるかは想像に任せるが、了解を得たのでその作品を紹介する。素人のカメラなのでうまく撮れていないことを了承していただきたい。
アクシスのギャラリープロデュースもなかなかいい。エントランスホールと壁は木目調のタイルが使用されているが、これがなかなかいい。分譲マンションにも使えそうだ。外廊下は木目調のシート貼り。
コスモスイニシアのこだわりでは、ワンルームにもトイレのドアを壁面までセットバックさせていた。
エントランスホール
第1期好調スタート 大成有楽不動産「オーベルグランディオ吉祥寺Ⅱ」
大成有楽不動産は3月19日、三鷹市のマンション「オーベルグランディオ吉祥寺Ⅱ」(284戸)の第1期販売120戸のうち105戸に申し込みが入ったと発表した。
吉祥寺駅圏(京王線仙川駅圏)であることや、住環境のよさ、広い居住面積などが評価されたという。
第1期の価格は4,180万~6,280万円(最多価格帯4,800万円台)、専有面積は73.87~93.68㎡。最高4倍、平均1.17倍。
隣接する「オーベルグランディオ吉祥寺Ⅰ」(177戸/2014年竣工)と合わせて461戸の大規模マンション。都市再生機構(UR)によって進められてきた総開発面積約41,000㎡の「牟礼団地総合再生プロジェクト」。
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この物件については、別掲の記事を参照していただきたい。面積が広いことだけが懸念材料だったが、まずは好調なスタートを切ったようだ。
坪単価は“旧価格” 「オーベルグランディオ吉祥寺II」(2015/1/27)
第一種低層の外観が美しい 住友不動産「インペリアルガーデン」竣工
「インペリアルガーデン」
住友不動産は3月19日、小石川植物園に隣接した低層マンション「インペリアルガーデン」が竣工したのに伴い記者見学会を行った。すべての住戸から植物園の借景が望めるわけではないが、格子ルーバーを多用した外観が美しいマンションだ。
物件概要などは分譲開始時の記事を参照していただきたい。現在の売れ行きは87戸が契約済みで、持ち家からの住み替えが4割強にのぼっており、最低面積でも約70㎡あり、価格も7,000万円台以上ということから投資・セカンドハウスの割合が1割に満たないというのが特徴だ。
エントランス部分はシンメトリックな外観で、タイル張りの外壁と濃茶の縦格子バルコニー、横のラインを強調したルーバー庇に割肌仕上げの天然石積みの列柱のコントラストが美しい。
天然石はカルチャーストーン(鉄平石)で、石積みはコバ積み仕上げというのだそうだ。
ルーバーはバルコニー手すりや目隠しにも多用されており、建物全体をきりり引き締めている。外構のみどりが成長すればもっと美しくなるはずだ。
坪400万円というのは最初に見学したときはやや高いという印象を受けたが、今となっては割安感もあるのではないか。坪430万円と聞いても驚かない。
エントランス
モデルルーム
平成26年度 なでしこ銘柄 大和ハウス、積水ハウス、NTT都市開発が選定
大和ハウス工業は3月18日、経済産業省と東京証券取引所が女性活躍推進に優れた上場企業を選出する平成26年度(2015年)「なでしこ銘柄」に選定されたと発表した。
「なでしこ銘柄」は平成24年度から毎年実施されているもので、前年の26社から今回は40社に大幅に増加した。これまでは1業種1社とされていたが、今年度から社数の多い業種については2社に広げたのが主な増加の要因。「女性活躍」の取り組みが増えたためかどうかは不明。
建設業では同社が初めて選ばれたほか、積水ハウスが2年ぶりに復帰した。また、不動産業界からはNTT都市開発が初めて選定された。
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わが住宅・不動産業界から一挙に3社も「なでしこ銘柄」に選定されたことは結構なことだ。しかし、1業種2社までと制限をつけるのはいかがなものか。基準を満たしている会社は全て選定するのが本筋だろう。
さらに言えば、ことさら「なでしこ」を推奨するのも問題がある。性差は関係ないという意味で「サムライ・なでしこ」か「ジェンダーフリー」、あるいは「ダイバーシティ・なでしこ」にすべきだろう。銘柄が増えすぎて推奨する意味がなくなるのが理想ではないか。