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南柏の外観

 旭化成リフォームは2月3日、旭化成ホームズが過去に供給した戸建住宅「ヘーベルハウス」を買い取り、構造躯体だけのスケルトン状態にして販売する新しいスタイル「フレーム・ヘーベルハウス」の買取・再販の試行を開始したのに伴い、報道陣にスケルトン住宅を公開した。

 今回の取組みは、耐用年数60年のヘーベルハウスの特性を活かし、概ね築20年以上の中古住宅を30年耐用仕様に更新した上で、内部の内装・設備(インフィル)を全て解体・撤去した構造躯体(スケルトン)状態で販売し、同時にオーダーメイドによるインフィル改装リフォームを請負うもの。購入者にとっては、構造躯体を直接目視して購入できることと、内部はオーダーメイドにより好みの間取りと最新仕様の設備にできることが特徴。

 発表会に臨んだ同社・森田敏晴社長は、「新築より中古という時代の流れの中で、これまでは当社と旭化成ホームズグループの旭化成不動産レジデンスの仲介との連携がうまくできていなかった。へーベルハウスの特性を生かし、ワンストップで買主にサービスを提供できないかと立ち上げた。工期も約2カ月で済む。業界初の試みなのでどこまで受け入れられるか未知数だが、どんどんアピールしていきたい」と話した。 

 今回販売する物件は、常磐線南柏駅から徒歩13分、千葉県流山市西松ヶ丘に位置。敷地面積は33.49坪、建物はヘーベルハウスキュービック(軽量鉄骨陸屋根2階建て)築21年、延べ床面積は32.25坪。販売価格は土地価格が1,427万円、建物価格が1,210万円、リフォーム工事費が1,040万円、外構費用が293万円の合計3,970万円(税込み)。 

 同社は、仮に同じ条件で32坪の新築のヘーベルハウスを建築した場合の諸費用等を含めた総額を3000万円程度と仮定すると、約2~3割リーズナブルな価格で提供できるとしている。

 窓の位置はコストがかかるので移動できないが、サッシのガラスは複層ガラスへの変更は工事費も含めて10万円以内で収まるという。

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スケルトン

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 売主にも買主にもわかりやすい買取・再販だ。一口に不動産の買取・再販といっても、最大手のインテリックスからスターマイカ、ラ・アトレ、先日上場したムゲンエステートなどの上場会社もあれば、マンション1室を買い取って販売する業者まで、つかみどころがない玉石混交の世界だ。しかも、買い取り物件をどこまでリフォームしているかもよくわからない。

 参入障壁もほとんどない。宅建の免許を持っていればどこでもできるので、実態はどこも把握していない。記者は1,000社くらいではないかと予想しているのだが、自信はない。

 とはいえ、業として継続して行っていく上では課題も多いとされる。

 同社が行った住宅購入予定者(サンプル1,000件、うち持家52%、賃貸48%)を対象に行った調査では、中古住宅は「購入価格を安く抑えられそう」59.2%、「同じ予算で広い家に住めそう」39.1%などと評価している一方で、「設備が老朽化していそう」38.8%、「隠れたところに不具合がありそう」35.8%、「購入後に不具合がありそう」31.1%などと回答したようにマイナスイメージも強い。

 このマイナスイメージを払しょくできていない業界側の問題もある。全宅連が昨年会員向けに行ったアンケート調査(有効回答516社)では、買取・再販を行ったのは22.9%で、①瑕疵担保責任が重い②かくれた瑕疵が多く業者が負う責任が大きすぎる③再販時にクレーム多く無駄が多くなった④リフォーム(水まわり)の金額が高いので良い物ができない⑤販売価格での値引対象(リフォーム費用)となっている⑥建物の構造等を充分調査の上、購入するが、インスぺクションをして購入する必要あり-などの声が上がっている。

 そんな世界に同社は一石を投じることになった。

 へーベルハウスは年間600件くらいが中古市場で流通しており、そのうち33%の約200件は旭化成不動産レジデンスが仲介しているという。成約に結びつかない査定も含めると400~600件ということだった。

 この33%という捕捉率が高いのか低いのか判断材料はないが、新しいサービスの提供で高めようということだろう。前述の調査で同社のスケルトン販売について聞いたところ、1,000人のうち76.4%の人が「検討意向」を示したことでも、同社の狙いは的中したといえる。土地と建物の価格査定が明確で、「家を作る」プロセスの楽しさをアピールできれば飛躍的に件数を伸ばせる可能性を秘めている。

 同社は試行段階であるため具体的な数値目標は上げていないが、当面は年間5~10件くらい、近い将来は100件、200件まで伸ばしたい意向だ。

 ターゲットはへーベルハウスの展示場への年間来場者約10万件のうち約7割の土地なしユーザーだ。営業マンによる年間約7,000件のオーナー訪問などによって買取・再販に関する情報を収集していくという。

 

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「ブランズシティ久が原」完成予想図

 東急不動産が2月下旬に分譲する「ブランズシティ久が原」を見学した。久が原駅と鵜の木駅のほぼ中間に位置する大規模マンションで、ランドスケープデザインが優れており、全体として設備仕様レベルが高いのが特徴だ。

 物件は、東急池上線久が原駅から徒歩4分、または東急多摩川線鵜の木駅から徒歩5分、大田区鵜の木一丁目に位置する12階建て全278戸の規模。専有面積は56.40~94.83㎡、価格は未定だが坪単価は320~330万円くらいになる模様。竣工予定は平成29年1月下旬。施工は大豊建設。設計・監理はデザインネットワークス。

 現地は、久が原駅からだと駅前の商店街を抜けた環八通りに面した一角。敷地面積は約8,400㎡。敷地全体を提供公園や「オークプロムナード」など緑で囲い、敷地中央には「ディライトガーデン」を配し、緩やかな傾斜を生かしせせらぎも設ける。既存樹の一部も残している。駐輪場の屋根の緑化も施している。

 建物はコの字型に配棟。外壁の一部にはハンドメイドタイルを貼り、ガラス手すりには和紙の文様が施されている。

 住戸プランの特徴は、全戸にマルチストレージを設置しているほか、キッチン・トイレ・洗面のカウンタートップは御影石。このほかユーティリティシンク、ディスポーザー、食洗機、ハンス・グローエの水栓などが標準装備。

 来場者の声としては、設備仕様についての評価が高いという。

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「ディライトガーデン」

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 現段階では価格が未定なので何とも言えないが、坪単価は320万~330万円くらいに収まると見た。仮にこの単価であれば、城南エリアでも駅近物件はことごとく坪300万円台の後半から400万円を突破してきている現状を考えると、環八に面しているのは割引だが割安感がある。

 ランドスケープデザインがよく、設備仕様レベルも高い。完成すれば素晴らしいものに仕上がるのではないか。パンフレットには日建ハウジングシステムの担当者が登場し、外構などについて語っているが、樹木移植工法に石勝エクステリアの「TPM工法」が採用されているので、日建がプランを担当し、石勝が施工したと思われる。

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「オークプロムナード」

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 このマンションについては、近隣住民の反対運動がマスコミに報道され、大田区が建築物の絶対高さ規制を検討中ということもありいろいろ論議もされているようだ。

 「緑を守れ」という運動は理解できる。しかし、企業も生き延びるためには事業活動を継続して行わなければならず、当然に産廃やCO2排出、環境悪化も伴う。だからこそ各デベロッパーは環境保全、生物多様性、CO2削減に取り組んでいる。個別の事案ではなく、トータルとしてデベロッパーを評価してほしい。

 絶対高さ規制については、区が昨年7月30日に開催した都市計画審議会で論議が紛糾し、継続審議することを決定。当初予定していた「平成27年度決定・告示予定」は延期となり、来年度以降に持ち越された。当初の計画通りだと254棟が既存不適格になることが区から報告されている。

 小西恭一・都市計画審議会会長はその日の会合で、「本日、18名の内11名出席ということで定足数を満たし、開会していただいたわけですが、専門的な見地から、都市計画の見地から本制度についてさまざまなご指摘、ご意見を伺って、専門的な内容を深めていくという審議会の本来の役割を発揮していただくためには、学識経験の皆様が4名ご欠席という状況は、私ども準備する側の立場といたしまして、非常に不十分な状況」と述べている。

 絶対高さ規制には記者は反対で、これまでも何度も触れてきたのであまり書かないが、次の区の規制の目的が理解できない。

 「街並みの急激な変化及び高い建物が建つと、日影、風害、眺望とか、圧迫感などいろいろな住環境への影響が考えられます。そうした中で、紛争を未然に防ぐという観点で、各地域においてあらかじめ絶対高さが示されることにより…制限される建築物の高さをイメージしていくことが容易になります。そういったことから、周辺住民間で共有することで…町並み、景観の保持、住環境の悪化を防ぐ」

 高さ規制を強化すればマンション紛争が少なくなるのか、そんなデータがあるなら示してほしい。高い建築物がダメというのであれば、どうして街のど真ん中のスカイツリーや東京タワー、五重塔がよくて、山上の仏像も許されるのか。

 規制をかけなくても建蔽率・容積率、斜線制限、日影規制などによりおのずと建物の絶対高さは決まってくるし、地区計画でも対応できる。

 絶対高さ規制は間違いなくマンションの居住性を低くし、景観も悪化させると思う。今回の同社のマンションでも総合設計制度を弾力的に運用すれば公開空地も生まれ、環境保全や地域のコミュニティにも貢献できると思うが、総合設計制度はどんどんハードルが高くなっている。

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和のテイストを盛り込んだラウンジ

 三井不動産住宅リースは2月1日、社名を2016年4月1日付で「三井不動産レジデンシャルリース」に変更すると発表した。

 昨年10月1日付で三井不動産の賃貸住宅事業と三井不動産レジデンシャルの分譲住宅事業が統合し、同社が三井不動産レジデンシャルグループの一員となったことに伴う改称。

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「グレイプスシーズン戸塚」

 東京建物と日立アーバンインベストメントは1月31日、両社の共同事業によるサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)第2弾「グレイプスシーズン戸塚」開業した。

 同物件に近接する分譲マンション「ネクサスシーズン戸塚」(平成27 年10 月竣工、全74 戸引渡済)との一体開発を行い、親子の近居、マンションからの住み替えを可能にしているのが特徴。また、選択により自立から看取りまで対応可能とし、日立製作所が開発したMEMSを活用した見守りシステムを採用している。

 現時点で分譲マンションの入居者の家族がサ高住に入居する事例は一件だが、分譲マンション購入者からは、「サ高住がマンションの近くにあると将来必要なタイミングでサービスを受けたり、移り住むことも可能だから安心」との声があるという。

 物件は、JR東海道本線・横須賀線・湘南新宿ライン・横浜市営地下鉄ブルー ライン戸塚駅から徒歩14分、横浜市戸塚区戸塚町に位置する6階建て74室。専用面積は19.38~53.86㎡、月額賃料は83,000 円〜254,500 円。貸主は東京建物シニアライフサポート、運営受託はツクイ。施工は大末建設。

施工は鹿島 日立の見守りシステム付き 東建・日立アーバンのサ高住「グレイプスフェリシティ戸塚」(2015/3/3)

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「大多喜ガーデンハウス」

 スウェーデンハウスは1月29日、同社初のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)「大多喜ガーデンハウス」が竣工するのに伴い報道陣に公開した。

 断熱性能UA値が0.38W/㎡・k(寒冷地の基準は0.87で、数値が小さいほど断熱性能が高い)で、気密性能C値が0.83c㎡/㎡(寒冷地基準は5.0で、数値が小さいほど気密性能が高い)という高気密・高断熱が特徴で、欧州アカマツが腰壁などにふんだんに採用されている。

 同社取締役営業本部長・鈴木雅徳は、「高気密・高断熱の性能には自信あった。もう少し早くやるべきだった。今回の受注でサ高住のノウハウも蓄積できた。これから非住宅の分野にも力を入れていきたい」などと挨拶した。

 物件は、千葉県夷隅郡大多喜町に位置し、建物は木造2階建て延べ床面積約984㎡。居室数は25室(19.22~19.54㎡)。月額賃料は約20万円(食費込み)。

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建物内(腰壁はすべて欧州アカマツ)

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 セレモニーが始まる前だ。ストラップ付の眼鏡をかけ、「7」と「5」のデザインをあしらった赤と紺のストライプのネクタイを締めた白髪のお年寄りが現れた。報道陣を睥睨するように会場を見渡したあと、いきなり「どーも、どーも」と声を発し、正面に据えられた椅子に座った。それは威風堂々の言葉がぴったりの、全身にオーラをみなぎらせた姿だった。

 いったい何が起きたのかわからずあっけにとられていると、司会者からそのお年寄りがサ高住のオーナーの川崎病院・宮野武理事であることが紹介された。

 宮野氏の独演会はすぐ始まった。

 「どーも、皆さん。レインボーブリッジを通り、アクアラインを渡って、さらに山奥の、私も若いころは全く知らなかった『大多喜』というこんな田舎によくおいでくださった…徳川家康の四天王の一人、本多忠勝が築城したところで…千葉県にはここと佐倉しか城はない…」「わたしはこの土地を愛しています。私どもの病院は祖父が明治40年に始めて108年間、この田舎で、僻地で営々とつないできた」などと街と病院を紹介。

 「5年前、女房の『二人で木の家に住もう』という提案で、スウェーデンハウスの家を建てた。大満足。真冬でもコタツが要らない。:そのころサ高住を作ることを考えた。数か所見て回ったが、どこも魅力的でなかった。お年寄りを収容すればいい、隔離しておけばいいというものではない。要介護度の高い方は私どもの老健に移ってもらって、ここは要介護度が1から2の低い入居者と一緒に酒を飲み、コミュニティを作るのが目的だから、楽しくなるような建物でなくては具合が悪い。そこで、夏涼しく冬暖かいスウェーデンハウスにすることを決めた。場所も街中に建てることを決めた。スーパーも学校もすぐ近く」

 「私は赤ちゃんのプロで、戦後、錦糸町の貧民街で次々生まれる赤んぼうや貧しい子どもたちの医療に携わった。全くカネと縁がない。儲からない仕事には慣れている。町内だけで入居者を埋めるのは難しい。ぜひこのサ高住を宣伝していただきたい」

 「今日は(小雨が降る)寒い中、おいでくださった皆さんも温かいということを実感されたはず。どうです、結露も全くない。とてもいい日によくいらっしゃいました」

 これで終わりではない。何やらパンフレットを取り出し、「私は40年間、朝5時に起きて駅伝に応援に行っている。総監督にも5年前就任した。今年は6位に入賞した。わたしが死ぬまでに優勝させたい」と、順天堂大学のJ友会会長・駅伝強化担当理事であることを自ら紹介。同大の駅伝パンフレットを報道陣に配った。

 宮野氏の独演会に完全に主役の座を奪われた鈴木本部長は苦笑するしかなかった。

 後で聞いたら宮野氏は75歳。ネクタイのデザインの謎が解けた。順天堂大の名誉教授でもある。

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宮野氏

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宮野氏のネクタイ

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 東京駅から高速バスで約80分。千葉県大多喜町は、天然ガスが出るところということは高校の教科書に書かれていたので地名だけは知っていた。福島県の大喜多と間違えないようにしていた。

 しかし、この町は天然ガスだけでないことはすぐわかった。「ゴルフ銀座」(宮野氏)と呼ばれるほどゴルフ場が多いところとして知られているようだ。いたるところにゴルフ場の案内看板があった。町内には5カ所のゴルフ場がある。鉄筋造の大多喜城もあるように城下町として栄えたようだ。

 そんな町にどうして同社のサ高住があるのか、その理由は先に書いた。記者も同社の建物を真冬に見学するのは初めてだったが、ほとんど瞬時にして建物の特徴を理解した。宮野氏が「大満足」と語った通りだ。

 外断熱の戸建て・マンションとほとんど同じだ。心筋梗塞と脳卒中による死亡率は1月と2月を中心とする冬季がもっとも高いが、少なくともこの建物は専用部分と共用部分の温度差はほとんどない。「温度のバリアフリー」が実現されている。

 来年の駅伝は順天堂大を応援しようかしら。

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廊下に掲げられたモネの庭園と思われる写真(宮野氏が直接撮られたもので、全部で50点くらいあった。写真は宮野氏の趣味のようだ)

 

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「ザ・パークハウス 国分寺緑邸」完成予想図

 三菱地所レジデンスが分譲中の「ザ・パークハウス 国分寺緑邸」を見学した。約20.7haの「日立製作所 中央研究所」の森に隣接し、その借景が眺められる希少物件で、生物多様性の保全に配慮したマンションで、第1期販売も好調なスタートを切った。

 物件は、JR中央線国分寺駅北口から徒歩4分、国分寺市本町4丁目に位置する8階建て全82戸。専有面積は56.38~93.49㎡。現在分譲中の住戸(9戸)の価格は6,128万~1憶2,480万円。坪単価は350~360万円。竣工予定は2016年10月中旬。施工は南海辰村建設。デザイン監修は南條設計室(南條洋雄氏)。

 第1期45戸が1月24日までに分譲され、そのうち36戸に申し込みが入った。億ション4戸のうち3戸に申し込みが入ったように、価格の高い住戸の人気が高いという。

 敷地は、約20.7haのうち約45%が緑地を占める日立製作所中央研究所に隣接。日立製作所の役員用社宅跡地。

 研究所の森は「野川」の源流にもなっており、この環境を生かすため、三菱地所レジデンスが2015年2月に始動した生物多様性保全の取り組み「BIO NET INITIATIVE(ビオネットイニシアチブ)」の一環として、ランドスケープデザインに力を入れているのが大きな特徴だ。

 敷地南側の道路沿いの植栽帯「万葉の路」には「万葉集」に歌われた植物を和歌も添えて配置。敷地内の舗道は透水性とし、雨水を一時的に溜め、土に浸透させる「レインガーデン」を設ける。全居住者が隣接する森を享受できるようエントランスからホール-ラウンジ-フォレストテラスがほほ直線で、隣接の森の借景も眺められるようにする。

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 共用施設・設備仕様レベルが高いのも特徴の一つだ。エレベータは3基で、エントランスホールには水琴窟(すいきんくつ)を設置する。各住戸はディスポーザー、食洗機、ミストサウナのほかキッチン御影石カウンター、洗面化粧台御影石カウンター、玄関御影石などが標準装備。オプション仕様だが93㎡のモデルルームタイプの出来が素晴らしい。売れるのも当然だろう。

 水琴窟をご存じない方もいるかもしれないので、少し説明しよう。水琴窟とは、「日本庭園の装飾の一つで、手水鉢の近くの地中に作りだした空洞の中に水滴を落下させ、その際に発せられる音を反響させ、手水鉢の排水を処理する機能をもつ」(ウィキペディア)仕掛けだ。

 仕掛けによって音色は様々だが、「キーン、コーン、カーン」というのが基本。立ち去るのが惜しくなるような美しい澄んだ音を出す。

 昔は、民家の離れのトイレにもよく用いられていた。今では寺や旅館・料亭、ホテルなどでは見かけるが、大手デベロッパーがマンションに設置したのは見たことがない。

 これほど商品企画に力を入れているのは、国分寺駅北口の再開発マンション、住友不動産「シティタワー国分寺 ザ・ツイン」(587戸)や南口の野村不動産「プラウド国分寺」(125戸)を意識しているからだと判断した。住友「国分寺」は坪400万円をはるかに突破し、420~430万円、ひょっとすると450万円くらいになるのではと見ている。野村は三菱地所レジより少し安くなるはずだ。

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ラウンジ

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 先日は、約50haの赤坂御用地の正門前に位置する住友不動産のマンションを見学したが、今回は規模こそ4分の1だが、国分寺崖線の段丘上にある森に隣接するという、これまたすごいマンションだ。森にはオオタカも生息するそうだ。

 森は立ち入り禁止であることは三菱地所レジデンス関係者から聞いていたが、ものは試し、当たって砕けろ、正門にある守衛所で単刀直入に「森を見せていただけないか」と頼んだ。

 やはりダメだった。日立グループの会社でも見学不可という。聞いたところでは、年2回の公開日は天候などにもよるが、多いときは1万人くらいが訪れるそうだ。

 どのような森か、日立製作所のホームページから引用する。

 「中央研究所の創設は、昭和17年にさかのぼります。…ここは、奈良時代に 聖武天皇が全国に建立した国分寺の一つ、武蔵国分寺の旧地に当たります。…

 この由緒ある地に研究所を創設するに際しましては、小平浪平創業社長の『よい立ち木は切らずによけて建てよ』という意志を受け、構内の樹木は極力守られました。その精神は現在も継承され、今日見る武蔵野の面影をとどめた美しい研究環境が保持・整備されてきました。 春夏秋冬、季節の移ろいのみごとさは、研究者達の心をなごませ、またそれは人と自然の一体感を生み、科学する心を育んできました。

…樹齢百年余の欅やヒマラヤ杉の大木。構内には約120種2万7千本の樹木が茂っていますが、中には化石期の植物といわれるメタセコイアなど珍しい植物もあります。南側の大池は、昭和33年に完成したものです。この池は、ハケと呼ばれる湧水を集めて流れる野川の源流の一つにあたり、大池も構内数ヶ所の湧水を利用して湿地に造られました。 池の白鳥、マガモをはじめ、林に群れる野鳥は、カワセミ、ヒヨドリ、カルガモなど40種を越えます」

 さすが日立だ。20haというのは約16haの日比谷公園より広く、これより広い緑がある敷地は明治神宮などの宗教法人か大学のキャンパス以外にないはずだ。何と中央研究所など同社の6事業所が「生物多様性保全につながる企業のみどり100選」に選ばれている。

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モデルルーム

 

 〝不動産は買い時だと思わない〟人が増加-野村不動産アーバンネットは1月28日、不動産情報サイト「ノムコム」の会員を対象としたネットによる「住宅購入に関する意識調査結果(有効回答数1,421人)をまとめ発表したが、不動産について「買い時」「どちらかといえば買い時」と答えた層は前回調査(2015年7月)より4.9ポイント減の41.3%で、逆に「買い時だと思わない」と答えた人は35.9%と前回より4.9ポイント増加した。

 「買い時と思う」理由は、「住宅ローンの金利が低水準」69.1%(前回比4.7ポイント増)、「今後、10%への消費税引き上げが予定されている」51.5%(同11.3ポイント増)に続き、「不動産価格が落ち着いている(割安感がある)」が33.1%(同17.2 ポイント増)となった。前回調査で理由3位だった「今後、不動産価格が上がると思われる」は22.7ポイント減少して16.9%となり、理由6位となった。

 「買い時だと思わない」理由については、「不動産価格が高くなった」68.2%(前回調査時は64.4%)がもっとも多かった。

 不動産の価格については、「上がると思う」が33.4%と前回調査より6.2ポイント減少。「下がると思う」の回答は24.3%と前回より5.4ポイント増加した。

 マンションくい打ち工事のデータ改ざん問題の住宅購入検討への影響度については、「影響を受けなかった」が49.4%、「影響を受けた」が35.3%となった。

 影響を受けた理由としては、「建物の構造や基礎部分の つくりを気にするようになった」64.9%、「分譲時の売主や施工会社を重視するようになった」57.6%となり、「当面様子を見ることにした」の回答は33.9%にとどまった。

◇     ◆     ◇

 不動産は「買い時だと思わない」と考えている人が前回調査時より3.8ポイント増とジワリ増えているのは気になる材料だ。ニュースリリースではどのような層の人がそう思っているのか不明だが、第一次取得層の人であるとすれば深刻に受け止めなければならない。この先、郊外マンション価格はそれほど上昇しないと思われるが、すでに取得限界を超えていると受け取っているのだろうか。

 ならば中古があるといいたい。中古に対しては拒絶反応を示す人もいるが、最近の新築は地価・建築費の上昇で専有面積を圧縮したり、基本性能・設備仕様を落としている物件も多い。築浅の中古のほうが質が高い物件も少なくない。その意味では、不動産流通会社の出番が到来したと取れなくもない。

 杭打ちデータ流用問題はそれほど市場に影響を与えていないのは予想していた通りだ。

 三井不動産は1月28日、京都市祇園エリアのホテル「(仮称)京都祇園小松町ホテル計画」を着工したと発表した。

 NTT西日本が所有する計画地にNTT 西日本アセット・プランニングがホテルを建築し、竣工後、三井不動産グループが建物を賃借しホテルとして運営を行うもの。開業は2017 年(平成29 年)秋を予定。

 計画地は、建仁寺や料亭等が建ち並ぶ八坂通りに面した閑静な場所に立地し、清水寺や花見小路通も徒歩圏内。施設はツインルームを主体としたゆとりある客室で構成する。

 敷地面積は2561.52㎡(774.85坪)、建物は地下1階地上5階建て延べ床面積7,956.62㎡(2,406.88坪)。設計・施工は三井住友建設。

 大和ハウス工業は1月27日、日本経済新聞社が実施した第19回「環境経営度調査」において住宅業界で初めて建設業ランキングで1位を獲得したと発表した。

 「環境経営度調査」は、日本経済新聞社が1997年から毎年、企業の環境対策と経営効率を評価 している調査。今回は製造業1,737社、非製造業1,493社のうちアンケートに回答があった705社のランキングが発表された。

 同社は、2020年までに住宅や建築物のライフサイクルにおける「環境負荷ゼロ」に挑戦する 「環境中長期ビジョン2020」を策定し、多様な省エネ・省CO2に取り組んでいることが評価された。2位は大成建設、3位は清水建設。

 製造業ではコニカミノルタが2年連続で首位、2位は日産自動車、3位はキャノン。「倉庫・不動産・その他」部門では6年連続でヒューリックがトツプ。2位が東急不動産、3位がイオンモール。

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「横浜MIDベース タワーレジデンス」完成予想図

 横浜市住宅供給公社が2月中旬~下旬に分譲する「横浜MIDベース タワーレジデンス」を見学した。商業・保育所・診療所・有料老人ホーム・地域交流施設を併設した複合大規模開発で、鹿島建設の免震・SI工法を採用。商品企画レベルが高く、申し込みが殺到しそうだ。資料請求は3,000件に達している。

 物件は、横浜市営地下鉄ブルーライン高島町駅から徒歩3分(京浜東北・根岸線横浜駅から徒歩13分)、横浜市西区花咲町6丁目に位置する18階建て全199戸(他に老人ホーム定員100名予定、保育所、診療所、物販店舗)。専有面積は56.73~87.70㎡、価格は未定。竣工予定は平成29年11月下旬。設計は鹿島建設、施工は鹿島・紅梅組建設工事共同企業体。販売代理は野村不動産アーバンネット。従前はJTの施設。

 現地の最寄り駅は高島駅だが、横浜駅、桜木町駅、みなとみらい駅も徒歩圏にあり、建物は鹿島の免震・SI工法を採用し、商業施設や保育所、有料老人ホーム、地域交流施設などが併設される複合開発であるのが最大の特徴。

 商品企画レベルも高く、「CASBEE横浜」Aランクを取得。長期優良住宅の認定を受ける予定だ。住戸は4階以上で、内廊下方式を採用。全18タイプ。フィオレストーンキッチンカウンター、グローエ水栓、食洗機、吊戸棚、トイレドア幅75センチなどが標準装備。

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 横浜公社のマンションといえば、最近では「横浜ポートサイド」「マークワンタワー長津田」が忘れられない。別掲の記事を参照していただきたいが、大手デベロッパーが供給するマンションとそん色ないどころか、ユニバーサルデザインなどは民間をしのぐレベルの高さだった。

 今回も同様だ。モデルルームは柱・梁型がややあったのが気にはなったが、折り上げ天井にするなどうまく処理していた。

 面白い取り組みでは、5階の屋上コミュニティ広場に「屋上養蜂」を行うことだ。年間30~50キログラムを採取し、地域交流の場でお年寄りや子どもたちが食べるのだそうだ。

 養蜂を取り巻く環境は生態系の崩壊などにより悪化の一途をたどっており、関係者は危機感を募らせている。ミツバチはどこに花を求めるのか心配だが、横浜のど真ん中で養蜂を行うというのがうれしいではないか。

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 さて、肝心の価格。坪単価は最低で300万円、高値追及するなら350万円と見たが、公社は極力価格を抑えると読んだ。320万円くらいでないか。

 三井デザインテックの遠藤瑠衣氏がコーディネートしている東南角の10~18階の87㎡のタイプは、億ション(坪400万円として)となりそうだ。「横浜ポートサイド」では4戸が億ションだった。

 公社が億ションなどと書くと批判される向きもあるかもしれないが、そういうプレッシャーをかけるからつまらない当たり障りのないプランになる。みなとみらいエリアは坪400万円をはるかに突破しているではないか。安売りは横浜市民のためにならない。地域のポテンシャルを高める役割も横浜公社は担っている。

 首都圏で分譲事業を継続して行っているのは横浜公社と川崎公社だけになってしまったが、これからも民間とは一味違った質の高いマンションを供給してほしい。

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87㎡のモデルルーム

「横浜ポートサイド」の再現なるか 横浜公社「マークワンタワー長津田」(2011/7/22)

横浜公社が全国初の億ション その英断に拍手喝采(2007/11/2)

 

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