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「まちなかジーヴォ調布多摩川(xevoEDDI)」

「まちなかジーヴォ調布多摩川(xevoEDDI)」で公開

 大和ハウス工業は1月10日、リアルサイズの建物で最新の住まいと住まい方を体感できるモデルハウス「まちなかジーヴォ調布多摩川(xevoEDDI)」を公開した。

 「xevoEDDI」は、同社と世界的な建築家、鈴木エドワード氏がコラボレーションした提案型住宅で、同社の最新の設備機器と、鈴木氏のデザインや住まい方提案を融合したもの。建物は、京王相模原線京王多摩川駅から徒歩3分、調布市多摩川4丁目に位置する敷地面積107.15㎡、延べ床面積84.45㎡の2階建て。

 最大の特徴は、太陽光を屈折・拡散させて室内の明るさ感を向上させた同社オリジナルの「照度UP窓」を北側の居室や壁面など5カ所に設置していること。明るさだけでなく、UV透過量を削減し、色温度をアップさせ目隠し効果もあるという。商品化のための実験段階で、価格などは公表しなかった。

 「まちなかジーヴォ」は全国260カ所で展開しているが、今後倍増させる計画。

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窓を閉めた状態(左)と開けた状態

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  「照度UP窓」なるものを体感した。事前に担当者から話を聞き、一般的なガラスとの比較写真も配布されてはいたが、体感した1階の子ども部屋がどれほど明るいのは全然分からなかった。担当者も恐縮しきっていた。

 ところがだ。ある同業の記者が窓を開閉して明るさが変わることを「証明(照明)」した。写真左が窓を閉め切った状態で、右が開け放ったときのものだ。居室内の天井近くが明らかに締め切った状態のほうが明るいことが分かる。

 そこで考えたのだが、ここまでやるのならいっそ太陽光そのものを取り込んで照射したほうがいいということだ。コストにもよるが、そうすれば居室だろうがキッチン、風呂場、トイレなどの好きなところに自然光を取り入れることができる。記者は3年前、そのような装置を見学している。

 鈴木エドワード氏のデザインは白を基調にしたシンプルなもので、外観やインナーバルコニーの格子などに鈴木氏の思いが込められているという。

 分譲予定価格は7,280万円。駅から徒歩3分、鈴木氏がデザイン監修していることを考えれば安い。

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2階のテラス(掃きだし窓がフラットなのも特徴の一つ)

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太陽光採光システムの普及に期待 ~ラフォーレエンジニアリング・田中氏に話を聞く~(2011/2/16)

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プレハブ建築協会の新年賀詞交歓会(千代田区・如水会館)

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和田会長

 プレハブ建築協会は1月10日、恒例の新年賀詞交歓会を開いた。冒頭、挨拶に立った和田勇会長(積水ハウス会長兼CEO)は、「安倍政権のアベノミクス効果により円安・株高へ進み、デフレ脱却に向けて、日本経済は回復の兆しが見えてきた。懸念された消費増税は、住宅ローン控除の拡充・給付金措置などによる緩和効果も見られ、反動は限定的とみている。大きな課題である環境・エネルギー問題に取り組むためにも燃料電池への補助とか、家の資産価値を高める大型リフォームに対する建築基準法の緩和などをお願いしたい」と話した。

 来賓として壇上に上がった甘利明経済再生担当大臣は、「こうして立っておりますが、まだ滑舌がうまくいきません。先日、小池百合子議員にこのことを話しましたら『いいじゃない、二枚あるから』と言われまして」と会場を笑わせた後、「住宅は消費税が上がる前と上がってからも負担は同じということを、みなさんしっかり宣伝してください」と語った。

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甘利大臣

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 一昨日の不動産協会の賀詞交歓会と同様、会場からは消費増税の影響は小さいという声が圧倒的に多かった。

 記者も同じ考えだ。不動産協会やプレハブ協会などの会員会社がターゲットとする顧客はどちらかと言えば大手企業などに勤めるサラリーマンが多い。何とか乗り切れるのではないかとみている。

 和田会長も「うち社員の給与? 当然上がるでしょ」と言えば、副会長を務める樋口武男氏(大和ハウス工業会長)も「実質経済をよくするためにはサラリーマンの給与をあげないといけない。うち? うちはやりますよ」と話した。

 しかし、それ以上に心配なのは建築費の上昇、職人不足問題をどうするかだ。和田会長は「インフレ基調に進む。大丈夫」と話したが、樋口副会長は「いい知恵があったら教えて」と懸念した。

 仮にマンションの価格が10%上昇すれば、ローン減税・給付金の額が吹っ飛ぶ。増税による逆進性は第一次取得層の家計を直撃する。どこまで上昇分を吸収できるのか、目が離せない展開になってきた。

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樋口副会長

 野村不動産アーバンネットは1月8日~2月28日、第2回「ありがとう、わたしの家」キャンペーンを開催する。期間中、「家と家族に関する思い出」のエピソードとそれに関連する写真を募集。応募者の中から入賞作品を選定、入賞エピソードをもとにショートムービーを制作し、YouTubeノムコム公式チャンネルにて公開する。入賞者にはグランプリ賞としてJCBギフトカード10万円分(1名)などが贈られる。

 また、キャンペーンサイトおよびYouTubeノムコム公式チャンネルでは、昨年実施した第1回キャンペーンのグランプリ受賞作品をもとに制作したショートムービー「最後のケーキ」(主演:馬渕英俚可)の放映を開始した。

 詳しくは次の第2回「ありがとう、わたしの家」キャンペーンサイト、YouTube ノムコム公式チャンネルへ。

 http://www.nomu.com/campaign/episode/

http://www.youtube.com/user/Channelnomucom

 

 

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不動産協会・不動産流通経営協会(FRK) 合同新年賀詞交歓会(ホテルオークラ東京で)

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木村氏              竹井氏

 不動産協会と不動産流通経営協会(FRK)は1月8日、恒例の合同新年賀詞交歓会を開いた。アベノミクス効果で経済が上げ潮にあることから参加者からは威勢のいい声ばかりで、消費税率のアップを懸念する声はほとんど聞かれなかった。

 冒頭挨拶に立った不動産協会理事長・木村惠司氏(三菱地所会長)は、「アベノミクス効果は雇用や株価、経済に波及し順調に推移している。消費税率が8%に上昇することは多少の懸念材料ではあるが、デフレを脱却し成長軌道を描く成長戦略を築かなければならない。マンション市況は好調だし、オフィスの空室率も下げ基調に向かう。建築費の上昇問題はあるが、ことに当たっては時に大胆に時に慎重に対応し、国民生活の向上と経済成長に貢献しよう」と呼びかけた。

 乾杯の音頭を取った不動産流通経営協会理事長・竹井英久氏(三井不動産リアルティ社長)は、「買い取り再販事業やローン減税など流通市場の活性化に力強い支援策が講じられた。今年は景気回復が実感できる年にしたい」「高度化、多様化、複雑化しているお客様のニーズに対応する流通システムを構築し、流通市場活性化政策に応え内需拡大につなげよう」と挨拶した。

 来賓としてあいさつした太田昭宏国交相は、「今年は心のデフレを打ち破り、景気回復が実感できる年にするとともに、2020年ではなくさらに先の2050年の未来を指向して街づくりを進める。皆さんと一緒になってそのエンジン役を果たしていく」と語った。

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左から木村氏、岩沙弘道会長(右端が杉山氏)、

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 以下、今年の抱負などについて参加者の声を紹介する。(順不同)

三菱地所社長・杉山博孝氏 年末年始の商業施設は大変な賑わいを見せた。今年は一言でいえば「イノベーション」。今までの停滞していた流れを突き破る勢いのある年にする

コスモスイニシア社長・高木嘉幸氏 生活者が経済成長を実感できる年にしなければならないし、持続可能な企業としての足がかりの年にしたい

ナイス社長・平田恒一郎氏 建築費の上昇、職人不足の問題はあるが、わくわくするような活気ある年にしたい

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ナイス・平田氏(左)とコスモスイニシア・高木氏

三井不動産顧問・松本光弘氏 失われた20年を取戻し、向こう20年に向けた成長戦略を描くためにも今年はもっとも重要な年になる

野村不動産ホールディングス社長・中井加明三氏 マーケットがよくなるのは間違いない。一方で建築費の上昇をどう抑え、企業努力で吸収するかが大きな課題だが、それを行うのが私に与えられたミッションだと思う

野村不動産ホールディングス副社長・松本聖二氏 ことしもガンガン行きますよ(松本氏が弱音を吐いたのを聞いたことがない)

総合地所専務・長谷川治氏 わが社の持ち味である商品企画力を生かし、大手のすき間を狙っていく

日神不動産会長(全国住宅産業協会理事長)・神山和郎氏 4月以降よくなるとみている。経団連もサラリーマンのベースアップを後押ししているように、所得が上がるとみているからだ。当社? 検討中だ(リーマンショック後、会員会社の破たんが相次ぎ、いつも慎重な構えの神山氏が久々に前向き発言をした)

三井不動産取締役・飯野健司氏 アップワード(upward)、つまり上昇あるのみ

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三井不・飯野氏

明和地所専務・藤縄利勝氏 前進あるのみ。マンションの売れ行きはいい。建築費の上昇懸念はあるが、ゼネコンと仲良くなるのがヒント

オープンハウス社長・荒井正昭氏 さらに成長する年にする。可能性? もちろん十分ある(東証上場2年目。真価が問われる)

オープンハウス・ディベロップメント社長・福岡良介氏 マンション、戸建てとも量的拡大を目指す。マンションは建築費の上昇で仕入れが難しくなってきたが、1~3月で巻き返す

山万常務・林新二郎氏 オリンピック開催の2020年に向け、日本の街づくりのプロトタイプを世界向け発信していくた第一歩としたい。今年は大学の誘致も実現しそう(ご存じ「ユーカリが丘」で〝奇跡の街〟を造りつつあるデベロッパー)

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山万・林氏

安田不動産常務・岡光真従氏 賃貸事業では賃料上昇に期待したいが、テナントさんに無理強いするようなことは避けなければならない。建築費は10年タームで考えることも必要

オークラヤ住宅会長・上田順三氏 リーマンショック後、かなりプレイヤーが減少したが戻りつつある。景気上昇の波に乗り裾野を広げたい。長期スパンで体制づくりを進める必要もある

住友林業執行役員・町野良治氏 今年は国産材の活用を図るのが喫緊の課題だし、森林・林業の再生のためにリーダーシップを取る。それが我々の使命だ。中長期的には世界に視野を広げて山林所有を増やし、わが国の山林王になるのが夢(わが国4番目の山持ち企業。トップの王子製紙の760万haに対して同社は約4.2万ha。かなり水をあけられているが目標は大きい)

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住林・町野氏

大京社長・山口陽氏 50周年を迎える今年は感謝の気持ちと誇りを胸に「お客さま第一主義」の精神を再認識し、様々な場面や事業で選び続けていただける「新しい大京グループ」をつくりあげていく

長谷工コーポレーション社長・大栗育夫氏 建築費? 上がますよ。施主さんと造り方などをよく相談して工事費を抑制するよう考えていきたい

長谷工コーポレーション副社長・辻範明氏 第一次取得層向けの低価格マンションの供給が難しくなってきた。地価と建築費が上昇し、売り値も上がってきた。(記者の出身県、三重の三交不動産さんをよろしく)うん、三交さんはずっと以前からのお付き合い(これからデベロッパーの長谷工詣でが激化するはず)

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長谷工・大栗氏

 

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「ザ・パークハウス新越谷」完成予想図

 三菱地所レジデンスが2月に分譲する「ザ・パークハウス新越谷」を見学した。新越谷駅近に残された唯一の一等地に立地するマンションで、好立地にふさわしく、ここ数年間でもっとも高い単価で同社は挑戦する。

 物件は、東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)新越谷駅から徒歩3分、越谷市南越谷4丁目に位置する15階建て全156戸の規模。専有面積は66.27~85.43㎡、1期(戸数未定)の予定価格は3,398万~5,588万円、予定坪単価は185万円。竣工予定は平成26年12月下旬。施工はフジタ。

 駅近の商業地ではあるが、敷地東側を除く3方が道路に面しており、開放感があり南向きの3LDKファミリータイプが中心というのが特徴。食洗機、ディスポーザー、床暖房などが標準装備。引き戸は戸当たりも含めソフトクローズ機能付きで、浴室のシャワーのスライドバーは2カ所に設置。

 これまで約200件の来場があり、1期は70~80戸が予定されている。販売担当者は「これまで新規供給がなく待ち望んでいらっしゃった方の来場が多く、競合物件もない。早期完売が期待できる」と話した。

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 今年初めて見学したマンションだったが、予定単価はほぼ予想通りとなった。

 東武伊勢崎線は、かつて記者も〝魔の伊勢崎線〟と名付けたようにグロス志向の強い沿線として知られており、一定の価格以上になるとばったりと売れ行きが止まる傾向にある。

 しかし昨年8月、現地に販売予告の看板が出ていたとき「間違いなく坪単価は180万円を突破する」と読んだし、高値に挑戦すべき物件だと思った。ユーザーにとって価格は安いほうがいいに決まっているが、デベロッパーは街のポテンシャルを高めるという役割も担っている。このマンションがその役割を果たすべきだと判断した。その願いがかなったのがうれしい。

 同駅圏での最近の最高単価は、扶桑レクセル(現大京)がリーマンショック前に分譲した物件の187万円だ。瞬く間に売れたのには驚いたが、今回は果たしでどうなるか。

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中庭

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新しいロゴマーク

 大成有楽不動産は1月7日、新築マンションブランド「OBER(オーベル)」の価値向上を図るためブランドコンセプトを再構築し、新たなコンセプトに基づく商品やサービスを提供していくリブランディングを1月からスタートさせたと発表した。

 大成建設グループの不動産事業を展開する「有楽土地」と建物管理事業を担う「大成サービス」とが合併して誕生した「売主・管理一体」の体制を活用することで、「デザイン性」「居住性能」「品質管理」「マンション管理」という普遍的な価値を軸にして、住んだ後のことを考えてマンションを「つくり」、住んだ後もお客様と一緒に末永く建物や暮らしを「守っていく」としている。

 「OBER(オーベル)」ブランドの新しいコンセプトを分かり易く伝えるために、「住まうほどに、愛おしくなる。」というタグライン(ブランドメッセージ)や「フィロソフィ」「新ロゴ」を定めた。

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 同社は平成24年4月、大成建設の完全子会社である「有楽土地」と「大成サービス」が合併して誕生した会社だ。新会社になったときからずっと新機軸を打ち出すのではないかという予感があった。ユーザーに「なるほど」と思わせる分かりやすいブランドコンセプトを打ち出さない限り、「グループ企業の収益力を強化し総合力を高める」ことにはならないし、由緒ある「有楽土地」を消滅会社にした意味がないと考えていたからだ。

 この記者の予感を確信に変えたのが、昨年見学した「オーベル芦花公園」だった。敷地内にあった既存樹をたくさん残したが、そのうちの10本以上が世田谷区の保存樹に認定された。このような例はまずない。

 その後、「オーベル明石町」「オーベル東中野」などを見学したが、「明石町」は大成建設の免震構造を採用し、「東中野」はLDの位置を無償で変更できる意欲的なマンションだった。

 今回打ち出したリブランディングがどのように実際の物件に具現化されるのかしっかり確かめたい。

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 ケン・コーポレーションの創業者で代表取締役会長・田中健介氏が昨年12月25日、死去した。享年74歳。

 故人の遺志により通夜、葬儀は近親者のみで執り行われた。後日、「お別れの会」を行う予定。

 田中氏は1939年生まれ。愛媛県出身。1964年早稲田大学卒。1972年12月、ケン・コーポレーション設立。2013年9月、代表取締役会長就任。

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 田中氏はRBA野球大会の顧問を第1回大会から務められていた関係で、記者も20年間ぐらいお付き合いさせていただいてきた。「民間外交の役割を果たしてきたRBAは100人分ぐらいの外交官の価値がある」と話されたのが忘れられない。

 また、第13回大会の決勝戦で三井不動産に敗れたとき、自ら率先して「三井さん、ありがとう」とスタンドからエールを送られ、ドーム全体が大合唱に包まれたのも強烈な印象として残っている。礼儀正しい方だった。茶目っ気もあり、時には英語を流暢に操りいつも周囲の人を笑わせていた。

 本業については平成18年3月に取材したとき、次のように語った。

 「私は創業以来、信用、信頼、コンプライアンスを最重要視してきた。信用は無限の資本金だ。今日のグループ企業の発展やJリートへの参入、ホテル事業など多角的なビジネスが実現できたのもまさに信用のお蔭。規模でナンバーワンになるより、信用でのオンリーワンだよ」「KENのDNAはしっかりプリントされている。後継者に心配はない」

 今だから書くが、こんなエピソードもある。取材を終えてからゴルフ談義になり、社長室で田中氏はピッチングを持ち出し、6メートルぐらい離れた小さな的に当てるゲームを始めた。10打のうち半分ぐらいは的中しただろうか。田中社長は「普段はもっと入るんだ」と悔しがった。そんな姿を見て記者は「社長業は孤独なもんだなあ」と思った。

 心からご冥福をお祈りいたします。合掌

 マンションの建築費の上昇が住宅着工統計でも顕在化している。東京都では2年前と比較すると約5%上昇しており、被災地の宮城県では25%もアップしている。

 国交省が発表した平成25年11月の住宅着工統計によると、鉄筋コンクリート造による分譲共同住宅の坪単価は東京都が72.6万円、神奈川県が69.3万円、埼玉県が66.0万円、千葉県が59.4万円となっている。また、1戸当たりの価格は東京都が1,579万円、神奈川県が1,443万円、埼玉県が1,540万円、千葉県が1,836万円となっている。被災地の宮城県の坪単価は66.0万円で、1戸当たり価格は1,813万円だ。

 これらの数値を平成23年の平均値と比較すると、坪単価は東京都が4.8%、神奈川県が10.5%、埼玉県が11.1%、千葉県が5.9%、宮城県が25.0%それぞれ上昇。1戸当たり価格は神奈川県が14.4%減少した以外は、東京都が1.0%、埼玉県が3.6%、千葉県が25.8%、宮城県が18.7%それぞれ上昇している。

 単価上昇がストレートに1戸当たり価格に反映されていないのは、専有面積の圧縮を図り価格を抑えたり、あるいは市場ニーズに対応して広くしたりしているためだ。東京都の単価が相対的に高いにも関わらず1戸当たり価格がそれほど上昇していないのはその典型例だ。

 単価上昇はまだ序の口と思われ、デベロッパーはいかに価格を抑え工期の平準化を進めるかが課題となっている。

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 住宅着工統計の「工事費」とは、躯体工事費と建設設備費を合わせたもので、工事に伴う地盤調査、既存たてものなどの除去費用、設計・監理費、近隣対策費などは含まれないので、広義の工事費ではない。また、工事費予定額であって実際に要した工事費ではない。この種の統計では低めに設定される傾向があり、工事予定額を100とすると実際の額は100~102が目安とされる。

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丸の内オアゾ/鏡割り

 三菱地所の年末年始の商業施設がどこも記録的な賑わいとなった。

 「プレミアム・アウトレット」は、元日休業の仙台泉、昨年4月開業の酒々井を除く御殿場・りんくうをはじめ7施設の元日の売上げが歴代日商1位を記録。12/21~1/3までの年末年始の売上高は、2012年12月に増床を行った神戸三田を除き、前年比でおおむね二ケタ増。店舗の入れ替え効果が奏功した御殿場は前年比3割増。国内客の来場増に加え、インバウンド客としてインドネシア・タイ・中国からも多数来場した。

 丸ビル、新丸ビルなど5つの「丸の内」ビルは東京駅改装効果もあった前年を上回る売上げを記録。年始の2日の売上は新丸ビルで歴代2位、丸ビルが歴代4位となった。また、みなとみらいエリアの「MARK IS みなとみらい」の2日の初売りは開店待ちで約1500人が並び、グランドオープン翌日の6月22日に次ぐ開業来2番目の売上を記録した。

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 記者の年末年始は寝正月だったため街の賑わいは実感できなかったが、ここ5年間、渋谷オーチャードホールのニューイヤーコンサートを聴きにいっているわが社の女性社員は「全席満席だったため初めて大入り袋をもらった。新しい5円玉が入っていた。とてもうれしかった」と話していた。

三井不動産&三井不動産レジデンシャル「マンション再生セミナー」

 三井不動産と三井不動産レジデンシャルが12月8日に行なった「マンション再生セミナー」で、建て替えの留意点について講演したアークブレイン・田村誠邦社長(明治大学特任教授)の講演内容を紹介する。

 田村氏は、次のように話した。

  ①耐震性に不安のある旧耐震マンションについては、早晩、耐震補強を含む大規模修繕か建て替えるか選択が迫られる。何も検討しないというのはあり得ない

  ②大規模修繕か建て替えかという検討は、できるだけ客観的にかつ各組合員の参加を促進することが必要で、当初から「建て替え検討委員会」などと選択の幅を狭める名称は使うべきではない

  ③建て替えの場合、これまで自己負担なしに建て替えられた事例は条件に恵まれたためで、今後は自己負担を覚悟しなければならない

  ④今後は平均還元率に代わるマンション建て替え判断基準が必要で、「建て替え後に従前と同面積の床を取得するために必要な平均追加負担額」とか、「建て替えによる経済メリット」を比較・検討し、総合的に判断すべき

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 管理組合に参考になるのは、「建て替え」や「大規模修繕」を検討する際の呼称だ。田村氏が何度も繰り返したように、はじめに結論ありきの印象を与えないよう工夫することが大事だ。決まるものも決まらなくなる。

「建て替え」でも「大規模修繕」でもない「リファイニング」、さらにはコンバージョンや、マンションそのものを売却して消滅させる区分所有関係の滅失も選択肢に入ってくる時代が来るかもしれない。

 もう一つ、還元率についてもしっかり認識することが必要だ。田村氏は講演の中で、「販売単価が165万円/坪以下では建設コストが低い場合でも100%還元は困難」などと話した。

 記者も同感だ。経済状況・市況やマンションの建てかた、規模によって異なってくるが、建設コストが85万円/坪以下というのは、ここ数年は難しいのではないか。土地代がゼロの場合であっても建替えにともなう建築費とその他の経費、デベロッパーの利益などを含めると125万円/坪ぐらいかかると見ている。

 例えば、従前が20坪で同じ規模のマンションを建て替えた場合、価格は2,500万円だ。これを建て替え後の増床床を処分(分譲)して自己負担なしにするには、同じ価格の住戸を2倍確保しなければならない計算になる。つまり5,000万円で、坪単価にすると250万円だ。

  坪250万円以上のエリアは、首都圏では東京23区内か郊外ターミナル駅圏なら可能だ。しかし、戸数が2倍になるような容積を余しているマンションはごく限られたものになるはずだ。さらに、最近は建物の絶対高さを抑える自治体が増えており、容積率を引き下げるダウンゾーニングを実施しているところも少なくない。

 還元率100%などの幻想は捨て、還元率はせいぜい50%ぐらいと考えたほうが賢明だ。「何も検討しないというのはあり得ない」のだから、足りない部分をどう補うか、建て替えコンサルの腕の見せ所になるのではないか。

再生建築学の設置を 青木茂氏が三井不動産のセミナーで語る(2012/12/10)

 

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