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「銀仁朗さん、頑張ってください」京都平安高校の後輩・伊藤忠ハウジング川岸

 第28回RBA野球大会の開幕まであと約1カ月。水曜グループの強豪チームが5月18日、神宮外苑軟式野球場で調整を行った。

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 6月1日にエイブルと第27回大会の決勝戦を戦う旭化成ホームズは山本監督も参加して練習を行った。

 山本監督は、「当日は仕事の都合で出ることができないが、北寒寺に代理で監督をやってもらう。平居さん(正仁氏、旭化成取締役)も応援に来ていただく。相手チームとは戦ったことがないので何の情報もないが、うちの野球をやるのみ」と、普段着の野球をするという。エース今野も「今週と来週あれば仕上げられる」と落ち着いていた。

 期待の新人の補強もできたようだ。東経大出身の石島(32)だ。同大ではもっぱらDH、ベンチウォーマーだったそうだが、地元チームで戦った縁からか「北寒寺が引き抜いた。4番候補」(山本監督)ようだ。本人は「軟式には慣れている。今野さん? 打てます」と大物ぶりをアピールした。体重96キロの巨漢。

 もう一人は明大硬式野球部の倉富捕手(22)。チームには4番も打てる強肩の津久井がいるが、果たしてレギュラーの座を奪えるか。練習では同窓今野とバッテリーを組んだ。

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旭化成ホームズ石島(左)と倉富

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 東急リバブルと伊藤忠ハウジングが練習試合を行った。リバブルの先発は津田。伊藤忠は大出。ともに相手打者に痛打を浴びていた。仕上がりはまだまだと見た。打線はともに好調だが、守りのミスも目立った。

 リバブルの新戦力は北海道・北海学園大卒の太田。入社2年目で1塁手。1塁にはベテランの主将古屋がいるが、レギュラーの座を奪えるか。

 大槻監督には「昨日、伊藤忠都市開発のリバブルが販売する『つつじヶ丘』を見学した。素晴らしい物件。大槻さんは『久が原』担当でしょう」と話しかけたら、「そう、久が原の東急電鉄の物件」ということだったので、「久が原」を見学する約束をした。

 伊藤忠は立花義家氏の息子が異動で出られなくなったが、川岸が「(西武の)銀仁朗さんは4つ上の(京都平安の)先輩。僕?僕はプロを断って伊藤忠に入った」と大口を叩いた。つられて東海大相模出身の森田が「菅野と同級生」-と巨人菅野投手にあやかろうと自己主張した。(だから何なんだ)

 面高監督は「新戦力はなし。やる気は十分。」と意気込みをみせていた。(早期完売間違いなしの「つつじヶ丘」の販売をリバブルに奪われるようでは情けない)

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リバブル津田

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「菅野、俺もがんばるぞ」伊藤忠ハウジング森田(左)と「レギュラーの座を狙う」リバブル太田

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 三井不動産リアルティとリストが練習試合。三井リアルティ安西監督の姿は見えなかったが、リスト倉持監督が元気で采配を揮っていた。舟山と佐藤の2枚看板が健在のようだった。

 リアルティはエース松浦が登板。昨年よりストレートに威力がり、仕上がりは万全と見た。石谷も虎視眈々。2番手に意欲を見せていた。

 松浦の球歴を安西監督は全然教えてくれないが、本人は「静岡出身。サッカー少年」ととぼけた。ナインは「確かアメリカに留学しているはず。野球留学? いや経営学のようだ。だからアメリカ人のような顔をしている」

 以下、倉持監督と記者とのやり取り。

「倉持さん、今年はどうですか」

「ダメ、最悪」

「しかし、この前の娘さん(AKB48の倉持明日香さん)の始球式はよかったですよ(西武・秋山との勝負は避けたのかワンバウンドだったが、格好がよかった)」

「何? 野球と関係ない」

「倉持さんはまだ投げられるでしょ」

「100キロ」

「村田兆治さんはまだ135キロ投げるらしいですよね」

「わたしより4つ上。たいしたもんだ」

「西武、何とかならんですか」

「昨日、伊原さんと千葉マリン(ロッテ-西武戦)で一緒だった。わたしは千葉テレビ、伊原さんは文化放送ライオンズナイター。西武は投手陣が悪い」

「どうすればいいですか」

「土肥(コーチ)が嘆いていたよ。しかし、今更…、キャンプのときしっかりやらなきゃ」(倉持氏には西武の投手コーチになってほしい。いまの仲良しクラブのようなコーチじゃ西武は勝てない)

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「今年はやるぞ」三井不動産リアルティ松浦

 

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タウングループ野球部(同野球部提供)

 アパートやマンションの管理事業を主体とするアレップス、入居者の募集・仲介をメインとするタウンハウジング、売買仲介のタウン住宅販売、デザイン性の高いマンション建築を提案するアヴェントハウスの4社を核とするタウングループが第28回RBA野球大会水曜ブロックに参戦する。創部3年目のチームだが、予選を突破する力は十二分にありそうだ。アレップス賃貸管理部部長で野球部の部長でもある高坂忠司氏(41)と野球部キャプテン・柿添裕典氏(32)に話を聞いた。

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 創部は3年前。会社から全面的な支援を得て高坂氏らが中心となって立ち上げた。50名くらいが集まったという。

 最初に野球大会に参加したのは不動産健康保険野球大会。野球経験者中心のAチームと、〝野球を楽しみたい〟というメンバー中心のBチームに分けて戦った。結果はともに「2部」初戦で敗退。Aチームはハウスメイト相手にサドンデスの末5-6で惜敗し、Bチームはちばリハウスに乱戦の末9-14で敗れた。

 創部の目標に「健保大会で5年以内に優勝」を掲げていることから敗戦を糧に部員が奮起。翌年はAチームが5試合のうち4試合が逆転勝ちという粘りを発揮し見事初優勝。決勝戦のハウスメイト戦は8-7のサヨナラ勝ちという、まさにルーズヴェルト・ゲームを演じた。1部昇格も決めた。Bチームはタイセイ・ハウジー(弱いチームか)に敗れた。

 夢はふくらむ。「RBAに参加したかったが、推薦が必要ということだったので付き合いがあるミサワホーム東京の内村監督に頼んで練習試合をしてもらった」(高坂氏)。昨春だ。結果は0-23で惨敗。内村監督には「こんなチームじゃ推薦なんかできない」と断られたそうだ。

 〝ここであきらめてなるものか〟と昨秋には再戦を申し込み、その時も1-5と敗れはしたものの、失点は初回のみでその後は互角に戦った。「これだったら」とミサワホーム東京・内村監督のお墨付きを得てRBA野球大会に参加を決めた。

 部員は45名。マネージャーが2名。社長、副社長など役員クラスが名誉会長、会長、顧問を務める。

 高坂氏は「会社を上げて応援してもらっている。いろいろな部署の社員と交流もできるし、社員の定着率も高まってきた。AとBの総力チームで臨む。目標はベスト16。5年以内に東京ドームに行きたい」と高い目標を掲げた。柿添キャプテンは「レギュラークラスの平均年齢は28歳くらい。高校、大学の野球経験者も多い。投手力も豊富。20歳代のかわいい女性部員がいます。起用する予定です」と話した。

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高坂部長(左)と柿添主将

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 さて肝心の戦力分析。最初参戦をRBA事務局から聞いたとき、コスモスイニシアの「ガッツ」と練習試合を行い、記者もその試合を見ているとのことだったので、「ああ、あの南海ホークスのユニフォームそっくりのおじさんチームか。ガッツと互角じゃ多くは望めない」と取材に臨んだのだが、ガッツと闘ったのはBチームだったようで、昨秋の練習試合でミサワ東京と2回以降はいい試合を行っていることから判断して予選突破の力は十分あると見た。

 参加30数チームのうち少なくとも「ガッツ」を始め10チームくらいには難なく勝てそうだ。10チームくらいとは互角に戦えると見た。

 だだ、「健保大会の表彰式で、1部のチームの選手と肩を並べたとき体格の違いを見せつけられた」と高坂部長が話したように、あのタイセイの体重が100キロはありそうな千葉英(だんだん張りぼてになってきたが)や青山メインの怖そうな主砲・石井などに縮み上がったようで、だとすると、気配に圧倒されるようではまだまだ強豪クラスとは力量差がありそうで、ベスト8の壁は厚いとみた。よほどのくじ運がないと突破は難しいのではないか。

 しかし、かわいい女性選手が出場するというから、このチームを最優先して取材することに決めた。過去RBAには3~4名の女性選手が試合に出場している。

コスモスイニシア<ガッツ>頑張れ、大和ハウスには勝てる(2015/9/30)

 

 

 

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3盗を決めた原田(3塁手は平林)

 旭化成ホームズが先取点を挙げた2回表の攻撃。記者は、観客席で三井不動産リアルティの竹井会長などへインタビューしており、先取点を挙げた場面は見ていない。なので、以下は推測でしかないのだが、巧みな旭化成ベンチの采配を振り返ってみた。他チームは旭化成の戦略を知る上で参考になるはずだ。

 この回、先頭の7番原田が四球で出塁。次打者は曲者佐藤。これまでも佐藤は度々進塁打、適時打、チャンスメーカーとして活躍してきた。相手にとっては一番嫌な選手の一人だ。ここで、原田は2盗塁を決めた。もちろんサインだ。

 原田が2盗を決めた後、佐藤は送りバントの構えをした。無死2塁からバントというのはよくある戦法だ。初回の好機を逸し、その裏大ピンチをしのいだ後だけに、ここは何が何でも先取点を奪いたいところだ。

 ところが、ここで信じられない采配を山本監督は揮った。佐藤にバントの構えから、空振りするサインを送ったのだ。そんなことは露知らず、三井リアルの平林3塁手は猛然とダッシュして3盗を阻もうとした。この瞬間、3塁ベースはがら空きになった。原田はその隙を見逃さず、やすやす3盗を決めた。

 さて、この時の三井リアルの守備態勢はどうだったのか。平林が前進するのは当然だが、なぜショートを守っていた松田は3塁カバーに入らなかったのかが解せない。松田は岡山理大付属時代、甲子園に出場している。その時の守備位置はセカンド。進学した駒大ではどこを守っていたのか知らないが、三井リアルではファーストを守っていたのではなかったか。

 どうして松田がショートを守り、本来はショートの名手として名を馳せた早大卒の安田がセカンドを守ったのか。この当たりが不思議だ。安田は初回、走者と重なった不運もあったが平凡なゴロをはじきピンチを招いた。

 素人はセカンドだろうがショートだろうが同じと考える向きは多いだろうが、全然そうではない。記者は西武ファンで、常総出身の外野手大崎のファンでもある。2軍戦を観戦したとき、大崎は「生まれて初めて内野を守った」その試合で失策を犯した。守る選手がいなかったから守ったのか、大崎を内野にコンバートするつもりだったのかは知らないが、プロでも馴れない守備に付くとエラーをする見本だ。そんな例はたくさんある。

 松田も馴れないショートでカバーを忘れたということは十分想像がつく。旭化成のベンチは松田の動きをチェックしていたのは間違いない。北寒寺遊撃手あたりが監督に「松田の守備はぎこちない」などと進言したのではないのか。

 原田を3塁に進めた佐藤はこれまた定石どおり1塁へゴロを打ち、原田を本塁に迎え入れた。ノーヒットでも打者2人で1点を取る野球ができるのが旭化成の強みだ。

 試合後、三井リアル安西監督は「原田は足が速い。一番出してはいけなかった選手」と悔いた。安西監督は原田が俊足であることをどうして知ったのか不思議だが、三井リアルも敵をよく分析していたということか。一方の山本監督は「エヘへへ」とほくそ笑んだ。

 山本監督の笑みを顔面神経痛のように歪ませることができるチームの出現に期待したい。

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1塁ゴロを放ち原田を迎え入れた佐藤

 皆さんは昨夜の広島-巨人戦で、インフィールドフライを巨人の野手が落球して広島がサヨナラ勝ちした珍プレーをご覧になったか。記者は一部始終をテレビで観ていた。球審も巨人の野手も広島の走者もルールを理解していなかったことから起きたプレーだった。プロもその程度か、プロだから起きたのか、RBAでは起きるのか起こらないかを考えた。

 あの場面を振り返る。試合は2-2の9回の裏、広島の攻撃で無死満塁。代打の小窪がマウンドとホームベースの間に高いフライを打ち上げた。テレビ画面では球審も線審もインフィールドを宣告したかどうか分からなかったが、ビデオでは3塁線審が明らかにアウトを宣告していた。

 ここで事件が起きた。巨人の3塁手村田と1塁手フランシスコが飛球をお見合いして落球。慌てて拾ったフランシスコはホームベースを踏み、1塁へ投げる仕草を見せた。テレビ画面では球審が手を上げたのが見えた。フォースプレーと判断したのか、3塁走者をアウトとし、打者走者はセーフと判断したようだ。(球審も野手もタッチプレーであることを知らなかったということ)

 事件は重なる。何を勘違いしたのか、落球を見た3塁走者の野間は絶対間に合わないホームにゆっくりと巨人の選手の間をぬうように駆け込んだ。表情からしてアウトだろうと思っていたはずだ。(タッチされていたら併殺で延長戦になっていた。大暴走で罰金もの)

 ここで猛然と広島ベンチが抗議。数十秒後に球審も自分のミスに気がついたのか、両手を広げ(セーフ)、広島のサヨナラ勝ちが決定した。巨人・原監督の抗議は通るはずはなかった。

 この一連のプレーで判明したのは、インフィールドの規則を理解していたのは3塁線審と広島ベンチのみ(巨人のベンチは不明)。巨人の村田、フランシスコ、実松捕手も、肝心の球審もインフィールドのルールを分かっていなかったことだ。驕れる巨人とヘボ広島だから犯したミスか、わが西武はそんなミスをしないと信じたいが、子どもでもわかる基本的なルールをプロが知らないとは…情けない。

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 さて、わがRBAはどうか。まずこんな簡単なルールを知らないチームは皆無だろう。なぜか。インフィールドを落球することは年に1,2度はあり、記者はその都度記事にしており、読者の皆さんもきちんと学習しているはずだからだ。

 昨日のプレーでも、RBAの捕手の羽中田(ケンコーポ)や井上(タイセイ)なら目をつぶっていても取れただろうし、メタボの1塁手・千葉英(タイセイ)や前田(住友不販)は走れないから腕を組んで見ていたはずだ。間に合わない本塁に突っ込む選手はどんなヘボチームでもいないはずだ。

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 最近の記事をホームページでチェックしたら、インフィールドフライを落球したケースは3つ見つかった。ミスはするものだ。ルールを知らないのとでは月とすっぽんの差がある。

 【1】(ナイス-ミサワホーム東京神奈川) ナイスが2度の延長サドンデスを制した。7回表、1死満塁から野呂のセカンドインフィールドフライを相手が落球する間に2者か還った。正木が完投。

ナイス 2度の延長でミサワホーム神奈川を下す(2014/7/9)

【2】(オークラヤ住宅-積水ハウス) 2番丸山は平凡な2塁フライを打ち上げたが、塁審はインフィールドのコールをせず、堀田2塁手が落球する間に3塁走者が生還。丸山も敵失で出塁するという珍しいシーンも見られた。

積水ハウス 延長を制す田口がサヨナラ3点3塁打(2013/10/10)

【3】(ポラス-青山メイン) 1-1の同点に追いつかれ、なおも1死満塁のピンチ。8番打者の寺田の当たりは明らかなショートインフィールドフライ。ところが、何を思ったのか、塁審の宣告が一呼吸も二呼吸も遅れた。これにも吉井は怒った。怒るのも当然だ。インフィールドが宣告されなかったら走者はパニックに陥る。

青山メイン元プロ吉井判定に3度怒る(2013/7/26)

 【2】と【3】のケースは選手の責任というより審判のレベルの問題。インフィールドが宣告されなかったら、それこそ故意落球で併殺どころか三重殺だって可能になる。ここで注意。インフィールドを宣告する権限は選手にはない。あくまでも審判。コールがなければインプレー。気を抜いてはいけない。もうすぐ第27回RBA野球が始まる。

 

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投手は大槻監督、打者は河野、捕手は山田(すごい組み合わせだ)

 いきなり「両手!両手!」東急リバブル古屋主将の檄が飛んだ。ナインに緊張感が走った。すかさず大槻監督が「リバブルは基本に忠実ですから」と合いの手を入れた。檄の声の大半は天井を突き抜け、仲良し夫婦のハトに豆鉄砲を喰らわしたが、いくばくかは天井に跳ね返り、集まった10数人の肺腑をえぐった。

 中でも敏感に反応したのが入社3年目の中込だった。中込は大槻監督が投げる球を押し頂くように両手で取った。リバブルブルーか人工芝の青のせいか判断はつかなかったが、心なしか顔は青ざめていた。

 古屋主将の檄を聞いたのか聞かなかったのか、あるいは耳が遠くなったのか、チーム内でただ一人部長職の任についている山田悟・三鷹センター長は馬耳東風。横着にも片手ばかりで捕球した。

 部長がこんな体たらくで果たして大丈夫かと思ったが、チームの核弾頭・河野が不安を一挙に吹き払った。バッティングピッチャーを務めた大槻監督の球を鋭くはじき返し、屋根がなかったら、隣の神宮球場まで飛んだのではないかという会心の本塁打級の打球をポンポン飛ばした。完全に臨戦態勢が整っていると見た。

 山田も古屋も元気。39歳の山田は「もう座っているだけで疲れる。事務所は8階にあるが、エレベータを利用しないで階段を上り下りしている」と、レギュラーの捕手の座を死守するのに懸命だった。汗がしたたり落ちた。

 古屋もメタボ体型は相変わらずだが、「両手!両手!」などとナインを鼓舞するムードメーカーとしては今年も健在。なくてはならない存在感を示した。

 投手では猪股が絶好調。シートバッティングにもかかわらず、上下左右コーナーにきわどい球を投げ込み、40の半ばをとっくに過ぎたと思われる最年長の松本大樹をきりきり舞いさせた。年上だか上司だか委細構わず真っ向勝負する猪股本来の負けん気が復活した。

 課題を残したのは藤巻。相変わらずの制球難をさらけ出した。開幕は危ないと見た。ノーヒット・ノーランを達成したときの相手チームは最弱チームではなかったか。

 松井ゴジラと同じなのが河添。松井は現役時代、遅刻の常習犯としてよく知られているが、河添は、みんながユニフォーム姿ですでに集まっているのに、私服で詫びる様子もなく悠然と現れた。土下座か腕立て伏せか判然としなかったが、形ばかりのお詫びの姿勢は示したが、顔は笑っていた。態度だけは松井並みか、ひょっとしたら超えるかもしれない。只者ではないかもしれない。バッティングでも鋭い当たりを披露していた。

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ボス猿古屋に媚を売る3年目の中込

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謝るのも訓練のうちか(ただでは起きない河添)

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 RBA野球大会の裏街道「第5回Club-D cup」の東京ドーム決勝戦を2週間後に控えた東急リバブルは4月15日(水)、神宮外苑軟式野球場がグラウンド不良のため使えず、急きょ屋内練習場に場所を移して入念な練習を行った。

 大槻監督は「昨年の三井不動産リアルティさんとの決勝戦では、観客席をリハウスレッドに埋め尽くされた。今年は逆にリバブルブルーに染める。500人くらいのTシャツを発注した」と話し、チームを引っ張る山田も「住友さん? もちろん勝てる。負ける気がしない」と豪語した。

 チームは若返りを図りつつあるが、古屋主将、河野、松本らのベテラン・主軸も元気で、早くも臨戦態勢が整った。記者が期待する記者と同じ名前「司」の長谷川もいい動きを見せていた。

 決勝戦は5月1日(金)、東京ドームで行われる。対戦相手は同じ不動産流通会社の住友不動産販売。双方とも勝てば初優勝。当日はRBA日曜ブロック決勝戦、ケン・コーポレーション-タイセイ・ハウジーの試合も行われる。

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 戦力的には住友不販が上位だと記者は思うが、果たして戦力が整うか。エース伊藤は先発で投げるようだが、相手が格下だと判断すると手抜きをするクセがある。越前の先発もありそう。

 かつての強打者前田も市が尾営業センター長に昇格し、軸足は完全に「仕事」にかかっているとみた。「片手」「両手」どころか、大量失点につながる致命傷のバンザイをするのではないかと心配になってきた。

 応援団の差も歴然で、ここはリバブルの優勢とみた。

 

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5年ぶりに決勝T進出を決めた野村アーバン

 RBA野球水曜ブロックは決勝トーナメント進出16チームのうち15チームが決まった。残りの1チームはちばリハウス-エイブルの勝者。予選では住友不動産販売が王者旭化成ホームズを破る大波乱があり、強豪のリストが早々と予選敗退。住友林業、オープンハウスもシード権を失った。シード権を獲得したのは伊藤忠ハウジング、三井不動産リアルティ、住友不動産販売、ミサワホーム東京。前半戦を振り返るとともに後半戦を占った。

伊藤忠、住友不販、三井リアル、ミサワ東京がシード権

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住友不販 伊藤

 今年で26回目を迎えたRBA野球大会は、この10年間のうち8度の総合優勝を飾っている水曜ブロックの旭化成ホームズと、総合優勝1回と総合準優勝7回を誇る日曜ブロックのケン・コーポレーションが無類の強さを発揮しているが、あとは大混戦。野球大会が業界に認知されてきたこともあり、各チームの戦力が年々拮抗してきており、今年の予選トーナメントは波乱が続出した。

 過去10年間で勝利数が70に対して負けがわずか3試合の旭化成ホームズが初戦でいきなり住友不動産販売に敗れ、強豪のリストは不戦敗を含む2連敗でまさかの予選敗退。毎年優勝戦線に絡む住友林業、昨年準優勝のオープンハウス、一昨年優勝した積水ハウス京葉も予選で1敗し、無敗チームが決勝トーナメント初戦の4強対決が避けられるシード権を失った。

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伊藤忠ハウジング大倉

 この結果、無敗で勝ち上がったのは住友不販、三井不動産リアルティ、ミサワホーム東京、伊藤忠ハウジングの4チーム。

 住友不販は〝大物食い〟として知られたチームで、第10回大会では準優勝している。今年はエース伊藤が旭化成ホームズを2点に抑えた勢いが不気味。打線はやや迫力に欠けるのが課題。

 三井リアルは強さと弱さが同居しているチーム。強豪と互角に戦うと思えば、〝格下〟にもコロッと負けるチーム。今年はエース水野が好調で、打線も上下ムラがない。悲願の優勝を狙っている。勢いはこのチームか。

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三井リアル水野

 ミサワ東京は、酒田南-東洋大の高橋、明大中野-明大の米山、日大鶴ヶ丘-日大の谷屋、佼成-東農大の渋井など新人が大活躍。高橋は積水京葉の生田から快打を、米山はサヨナラ打を、谷屋はオープンハウス生田から先頭打者本塁打を放った。渋井は積水京葉を3安打に抑え完投勝ちした。内村監督は〝野球を通じて会社を盛り上げると〟燃えている。投打とも充実しており、旭化成を追うのはこのチームか。

 伊藤忠ハウジングは伏兵的な存在。脆さもあるが、今年は城西大カルテットが大活躍。マンション販売部隊の部長を務める杉山を筆頭に渡辺、大倉、神がチームを引っ張る。RBAの名物男・面高も〝絶口調〟。虎視眈々とドームを狙っている。

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左からミサワ東京の谷屋、高橋、米山、渋井

旭化成、オープンハウス、積水京葉も差はなし

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旭化成ホームズ今野

 この4チームにRBA屈指の好投手今野を擁す旭化成、快速投手川崎に強力新人が加入したオープンハウス、怪物生田投手がいる積水京葉などが迫る。4チームとはほとんど差はない。

 旭化成ホームズは初戦に新戦力の篠永を先発させ住友不販に敗れはしたが、その後は今野が登板、ほぼ完ぺきに抑えた。オークラヤ戦では打者3人を10球で三者三振に斬って取ったのは圧巻だった。打線も好調だ。主役はやはりこのチームか。

 オープンハウスはエース川崎に、京都成章-立命大-社会人の大島が加入。このほかにも大阪桐蔭-明大の謝敷、関大一-関大の隅田も加入した。佐藤監督も「揃えばすごいメンバーが組める」と自信をのぞかせている。

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オープンハウス川崎(左)と大島

 積水ハウス京葉ももちろん優勝が狙える。生田はしばしば打たれるシーンもあったが、後半戦に備えてくるはず。打線は生田と〝おにぎりくん〟佐藤が元気だ。

 これらに住友林業、野村不動産アーバンネット、ポラス、東急リバブルが追う展開か。住林には、新人の安房-中大の石井健が加入。安房では21世紀枠として甲子園にも出場している。ただ、エース石井厚が弱気なコメントを連発しているのが気になる材料。肩を痛めているのではないか。左腕宮田がどこまで復活するか。

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積水京葉 生田

 5年ぶりに決勝T進出を決めた野村アーバンは2年目茂木が好調。三根監督も短いイニングなら投げられる。打線が援護したい。

 ポラスはエース岩瀬が孤軍奮闘。どこと戦っても互角に投げる。打線は清水以外に安定した選手がいないのがどうか。

 東急リバブルは谷貝投手が安定しているが、三井リアルに完敗したように、強豪と戦ったときにどうか。

 積水ハウス、ミサワ神奈川、スミカ、パナホーム、エイブル、ちばリハウスは総合力でやや力不足とみたが、組み合わせ次第で8強はあるか。

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ポラス岩瀬

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ミサワ古市

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ケンコーポ小笠原

 第26回RBA野球大会日曜ブロックベスト8は4チームが決定し、残り4チームは8月31日に行われる試合で決定する。現段階では3連勝で予選を突破したケン・コーポレーションの強さが目立ち、あとはどんぐりの背比べ。どこがケンコーポへの挑戦権を獲得するか混とんとしている。前半戦を振り返り、後半を展望した。

2番手は三井、清水、青山メイン、タイセイ、ポラス

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三井不動産 相澤

 ケンコーポが今年も圧倒的な強さを発揮している。エース小笠原が好調を維持しているのと、打線も上下むらなく打てているからだ。

 小笠原は昨年、登板過多からこの時期に肉離れを発症した。RBAだけでなく、毎年7月に行われている不動産健保野球大会にも掛け持ちで参加しており、小笠原は1週間で3試合投げることもある。

 小笠原はもうすぐ29歳。さすがの怪物もこれだけ連投が続けば故障が発生するのは当然。

 今年も連戦が続けば危ないと思われたが、相手関係もあってここまでは無難に投げている。本塁打も放った。ストレートの威力が衰え変化球に頼るシーンもみられるが、どこと戦っても最少失点に抑える力がある。

 打線も小田を筆頭に羽中田、大原が好調。予選の最終戦では7番の土田が2発を放つなど抜け目がない。

 ケンコーポを追うチームはどこか。前半戦の戦いからしてその候補の一番手は三井不動産か清水建設か。

 三井不動産はまだサンフロンティア不動産との最終戦が残っているが、エース相澤が投げればまず勝ち上がりそうだ。肩痛は抱えているが、変化球のキレが抜群。さすが慶大時代6大学の公式戦で9勝した投手だ。44歳にしてようやく結婚にこぎつけた細井監督のためにも負けられない。

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清水 田村

 清水はエース田村が昨年ほどではないのが気がかりだが、総合力ではケンコーポに引けを取らない。主砲小寺も好調。元独立リーグの治下は病み上がりだが、2年目で真価が問われる。 

 強いのか弱いのか分からないのがタイセイ・ハウジーと青山メイン。

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タイセイ千葉英

 タイセイは投手力がカギだ。新戦力の貞池に注目したい。2年前、韓国で行われたろうあ者アジア大会のオールジャパンのメンバーとして同僚の野呂とともに出場。前試合で好投した。強豪と対決してどうか。打線は兄弟のような元ベイスターズの千葉英と、西武-ロッテの涌井の横浜高校時代の2番手だった千葉政が元気。投手を打線で援護できればドームも見えてくる。

 青山メインは毎年、あと一歩で敗退している。チームとして機能しないところがある。投手力は北野、君島、小松崎らに元ベイスターズ吉井もいる。打線は主砲の石井を中心に下位打線も力がある。

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ポラス折笠

 これらにポラスが迫る。31歳の左腕折笠は球威があり、コントロールも抜群。清水戦では田村と互角に投げ合った。相変わらずの貧打だが、打線が奮起すればドームも夢ではない。

 あとのチームはよほど運に恵まれないと勝ち残れないと見た。

 まず初陣の日本駐車場開発。まだ戦力が読めない部分があるが、千葉工大の新戦力大沼投手が不気味な存在だ。前試合の鹿島戦で6回をオール変化球で2失点(自責点ゼロ)に切り抜けた。ストレートは肩痛で投げられないようだが、後半戦は投げるのか。

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日駐 大沼 

 サンフロンティア不動産は三井不動産に勝てば決勝T進出するが、頼れる投手がいない。ただ、鹿児島工業-中大の内村は只者でないことを証明した。初戦では痛烈なサヨナラ打を放ち、前試合では初回、いきなり3ランを放った。相澤のスライダーを打てるか。中大では外野だったことから判断して投げられないと見た。

 三井不動産レジデンシャルはやや恵まれた。投手は長谷川、遠藤、内山ら数は揃っているが、絶対的なエースがいない。打線も核になる打者がいない。

 旭化成リフォーム、鹿島建設、東京建物、コスモスイニシアは予選を突破することができるか。

 旭化成リフォームは左腕結城の頑張り次第。打線が援護したい。鹿島は高島がよく投げているが、打線に迫力がない。東建は生出が東建不販から戻ったが、チームの総合力でやや劣る。久々復帰のコスモスイニシアはまだ1試合も戦っていない。

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サンフロンティア不動産内村

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ケンコーポの怪物小笠原

 怪物小笠原も人の子だ。昨年の今ごろ、連投の疲れで肉離れを発症した。決勝T初戦の青山メイン戦ではチームは5-4で薄氷のサヨナラ勝ちとなったが、小笠原は3発を浴びた。

 そして今年。登板過多が懸念された。この時期になると不動産健保大会との掛け持ちで1週間に3~4試合をこなし、小笠原も3試合くらい投げる。先週、小笠原はボソッとつぶやいた。「ぼくはマーくんより投げている」

 記者はドキッとした。これは、ひょっとしたら負けたときの予防線、言い訳を用意しているのではないかと。小笠原もマーくんのようについに戦線離脱かと。

 小笠原の投球はこの1、2年、変化球の割合が50%を超える試合も目立つようになってきた。ストレートと見せかけて変化球で討ち取れるのは直球に力があってこそで、まだまだ小笠原の直球は並みはずれた威力がある。しかし、直球だけでは抑えられないと本人が悟ったのか、リードする羽中田の知恵かよく分からないが、おそらく双方が合意した戦略なのだろう。

 それでも気になるのは登板過多だ。小笠原ももうすぐ29歳。〝お肌の曲がり角〟はとっくに過ぎている。このあたりで急速に衰える選手をたくさん見てきている。水曜ブロックの今野は30歳くらいから連投しなくなった。ケンコーポは、小笠原が負けたときの言い訳として「登板過多」と言わせないためにも若手の投手をもう一人育てることが急務だ。

 さて、ここからが本番、記者の誤字・脱字の言い訳だ。

 記者は誤字・脱字が少ない記者だと自負していた。過去形で書かざるを得ないのは悔しいが、校正には自信があった。誤字・脱字が〝わたしを見つけて〟と呼びかけてくる感覚の域まで達していた。10数年間も誰も気が付かなかったノーベル賞作家の大誤訳を記者は発見したことがある。

 まあ、こんな自慢話をしてもしようがないが、小笠原よ、記者も人の子。炎熱地獄の中、むき出しの手首を焼かれながら数時間立ちっ放しで、一度に数試合の試合を見て、写真を撮り、コメントを取り、帰って酒を飲みながら記事を書いてごらんなさい。記事を書き、写真の解像度を下げ、トリミングしてホームページにアップするまで1試合に付き1時間かかる。1日に16試合の日があった。ほかにも不動産の記事もあるから量にしたら原稿用紙200~300枚を1か月に書く。売れっ子作家でもこんなに書かないはずだ。

 これをぶっ続けるとどうなるか。疲労と加齢による視力の衰えと集中力不足、酒の威力が相乗効果となり、誰が打ったのやら生還したのかが分からなくなり、句読点も濁音や半濁音の区別がつかなくなり、おまけに西武が負けてごらんなさい。一挙に虚脱状態に転化し、生きている意味すら分からなくなる。

 それでも小笠原、貴殿は記者の誤字・脱字をなじるか。まあ、いい。ものはついでだ。これまでの記者の最大のミスを紹介しよう。

 あれはもう30年くらい昔か。年が改まる1月1日号の新聞で、1年遅れの新聞を刷ってしまったことがある。責任はチェックしなかった記者にあった。もちろんすべて刷り直しになった。馘首にはならなかった。詫び状の一つで済んだのは幸運だった。

 ミスとはそんなものだ。あの時もいい記事を書いたと浮かれていたのがミスを生んだ。有頂天と絶望、愛と憎しみ、ストライクとボールは紙一重、表裏一体だ。

 もう一つ、記者が経験した抱腹絶倒の誤字・脱字。記者が犯したのではなかったが、ある大手デベロッパーの社長交代の記事で、「新社長・○○」とすべきところを「新社長?○○」と名前の前に「?」を付けてしまった同僚の記者がいた。どうしてそうなったか。その記者はそれまで手書きで原稿用紙に書いていたのだが、パソコン入力に切り替えた。「?」と「・」と「/」が一つのキーボードにあるために起きた想定すべきミスだった。

 みんなで大笑いしたが、怒ったのは当然そのデベロッパー。新社長に就任するかどうかわからないという「?」マークをつけられて怒らないほうがおかしい。そのデベロッパーの広告が半年くらい出なかったのではなかったか。

 小笠原よ、先生と呼んでいい。頼むから誤字・脱字を見つけたらその都度、連絡していただきたい。記者はあるハウスメーカーの広報担当者にただで記事をチェックしてもらっている。ちゃんと「師匠」呼ばわりしている。小笠原がちゃっんと誤字・脱字を指摘してくれたら「小笠原師匠」と呼ぶことにいささかのためらいもない。〝怪物〟を〝師匠〟にできるなんてこんなうれしいことはない。

 ところで、今回のこの記事には誤字・脱字はあるのかないのか。

 ケン・コーポレーションが不動産健保野球大会で優勝-東京不動産業健康保険組合が主催する「第27回事業所対抗野球大会」の準決勝・決勝戦が7月30日、大宮健保グラウンドで行われ、RBA日曜ブロックの王者ケン・コーポレーションが優勝した。

 準決勝戦はハウスメイトハートナーズAを6-1で下した。小笠原が7回完投。引き続き行われた決勝戦のエフ・ジェー・ネクストは5-2で破った。大原が7回完投した。

◇       ◆     ◇

 ケンコーポは8月3日、日曜ブロックの決勝トーナメント進出をかけポラスと戦う。小笠原が先発するのは間違いないが、中3日で果たして大丈夫か。

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オープンハウス川崎から先頭打者本塁打を放ったミサワホーム東京の新人谷屋(球は肩口から入った甘いスライダー)

記者のレーティング予想はほぼパーフェクト的中

 シード権は伊藤忠ハウジング、三井不動産リアルティ、住友不動産販売、ミサワホーム東京-第26回RBA野球大会4日目が7月16日、神宮外苑軟式野球場で8試合が行われ、延長サドンデス野村不動産アーバンネットを下した伊藤忠ハウジング、東急リバブルに圧勝した三井不動産リアルティ、オークラヤ住宅を接戦で破った住友不動産販売、好投手川崎から先頭打者本塁打を放った谷屋のミサワホーム東京が無敗で決勝トーナメント進出を決め、シード権を獲得した。他の試合も記者のレーティング上位会社がほぼ勝利し、順当に決勝T進出を決めた。敗れた8チームは最後の決勝T進出を賭けて来週戦う。

※○は記者のレーティング予想上位チームの勝ち、●は負け試合。チームの( )内は記者のレーティング 記事は戦前の予想記事。

◇       ◆     ◇

 記者の「どっちも勝て記者の〝勝っ手〟予想」はほぼパーフェクト的中だった。両チームとも「85」のレーティングを付けたオープンハウス-ミサワホーム東京は、オープンハウスが9人しか選手が集まらず、エース川崎が不用意なスライダーをミサワの新人・谷屋に本塁打されたのは予想外だったが、このような結果もありうると見ていた。予想はイーブンだし、結果について記者の責任はない。

 唯一レーティング上位のチームが敗れたのは積水ハウス(74)-エイブル(77)1試合のみ。

 言い訳をさせていただくと、積水は抽選会で「応援に行く。ID野球で勝ち抜く」と豪語した中日ファンの小田部長がこれまで全試合を欠場していたので、モチベーションが下がっているとして評価を下げた。しかし、どういうわけかこの日は応援に駆け付けた。これは予想外だった。

 一方のエイブルはこの日、不動産健保大会の試合があるとかで、新人のエース斉藤ほか主力が欠場。投手は見たこともないような田口。その田口がどうも試合をぶち壊したようだ。これは記者の責任ではない。エイブルに勝つ気があったのか。相当相手を見くびったのか。采配を揮った堀内監督に責任がある。

 他の試合は順当。伊藤忠と野村の試合は伊藤忠が「やや優勢」とはしたが、野村の「逆転もある」としたように、結局延長サドンデスに持ち込まれた。記者のレーティング付与能力の高さをまざまざと見せつけた試合だった。

 東急リバブル-三井リアルの試合はここまで大差がつくとは思わなかったが、「2度あることは3度ある」が勝り、「3度目の正直」はならなかったということだ。三井リアルはきちんと調整してきた。

 大差で中央ビル管理を下したスミカは水準以上の力があるというのも読み通り。52歳の味戸社長もDHで出場。50歳の不破が勝利投手になったが、最年長勝利投手の記録は52歳。記録を破るにはあと3年かかる。

 住友不販は伊藤が自責点ゼロの好投。オークラヤは小森が2年ぶりに投げたのは予想外だが、好投した。最後に制球に難がある新人川上を登板させたのは疑問符がつく。オークラヤの次戦は旭化成ホームズ。

 住友林業の完封勝ちは納得だが、石井投手は本来のピッチングでなかった。決勝まで調整してくるか。

 ポラスは善戦したが、強豪の積水ハウス京葉にやはり勝てなかった。生田は打撃でも活躍。怪物だ。

 次の8試合のレーティング予想はまず99%的中するはずだ。しかし、エイブルのようなケースもあるので1試合くらいは予想を外すかもしれない。それにしてもレーティング上位の強豪の旭化成ホームズ、積水ハウス京葉、オープンハウス、住友林業がシード権を失った。決勝Tはどこも〝死のグループ〟になるのは必至だ。

◇      ◆     ◇

○伊藤忠ハウジング(78816-5野村不動産アーバンネット(78

(勝者は決勝トーナメント進出決定 敗者はセキスイハイム千葉と決勝賭け対決)

 好調伊藤忠のレーティングを78から81に引き上げる。渡辺が投げておらず、投手は神のみで不安があるが、打線は大倉が絶好調。中軸まで満遍なく打てる。守備は相変わらず不安があるが、打線を買ってやや優勢と見た。

 野村アーバンも2年目茂木が成長し、ベテラン三根もいる。しかし、三根は先週投げた。中1週間ではロングリリーフは無理と見た。レーティングは伊藤忠より低いが、打線は水もの。逆転があっても驚かない。

○東急リバブル(79801-7三井不動産リアルティ(82

(勝者は決勝トーナメント進出決定 敗者はナイスと決勝賭け対決)

 流通会社同士の対決。レーティングは三井リアルが上位と見たが、リバブル大槻監督は「同じチームに3度連続して負けるわけには行かない」と闘志満々。乱闘、決闘はないだろうが、それこそ死闘、激闘、激戦になるのは間違いない。神宮外苑に巣食うスズメもカラスもアシナガバチもここは沈黙して戦況を見つめるのではないか。

 リバブルの先発は谷貝。制球難が解消し、ここ2試合はほぼ完璧の投球をみせている。藤巻も復調しつつある。新戦力の小宮山もいるが経験がないだけにどうか。打線は河野を中心に完全に仕上がっている。

 三井はリバブルにD3カップを含めてリバブルに最近は負けていない。過去の戦績でもリバブル戦となるとやたらと燃える。ここも水野が先発。相手の手の内は知り尽くしているはず。持ち前のコントロールのよさを発揮すれば最少失点に抑えられる。打線も谷貝に対して自信を持っているはず。

 しかし、ここは逆転の目も考えたい。三井は3週間実践から遠ざかっている。これはマイナス。自信は過信になり、闘志は炎上することもある。しかし、負けても敗者復活があるので安西、大槻監督は意外と冷静かもしれない。戦う前からわくわくしているのは記者だけか。

●積水ハウス(7574 10-1 エイブル(7877

(勝者は決勝トーナメント進出決定 敗者はちばリハウスと決勝賭け対決)

 接戦だが、エイブルがやや優勢とみた。新人斉藤は伊藤忠戦で立ち上がりに連打を浴びたが、同じ過ちは繰り返さないはず。打線は相変わらずだが、必勝態勢で臨むはず。

 積水ハウスは買いかぶっていた。格下げ。小田部長は仕事にかこつけ一度も応援に駆けつけていない。新人横内は前試合では変化球のキレがよかったが、スピードがいまひとつ。エイブル打線なら封じる力があるが、ある程度の失点はありそう。坂本はやはり投げられないのか。

○スミカ(7576 17-2 中央ビル管理(7069

(勝者は決勝トーナメント進出決定 敗者はミサワ神奈川と決勝賭け対決)

 スミカが優勢。投打のバランスがいい。ここも楽に突破か。験を担ぐなら味戸社長には欠場を勧める。しかし、まあ、自分の目で勝利を確認したいだろうから出場するはず。代打出場もあるか。

 中央ビル管理は苦しい。抑えられそうな投手が見当たらない。20日〆を言い訳として用意しているか。

○住友不動産販売(79803-2オークラヤ住宅(77

(勝者は決勝トーナメント進出決定 敗者は旭化成ホームズと決勝賭け対決)

 住友不販・伊藤がいつになくやる気十分。ここも突破するか。結城も関東能力がある。月末までまだ2週間あるから選手も集まるはず。

 オークラヤ住宅は住友林業に完封勝ちした勢いがある。丸山の投球は見ていないが、住林を抑えたのだから住友不販を抑える力はあると見た。新人川上は制球に難があるがストレートは威力がある。住友不販がベストメンバーでなければ逆転もある。

△オープンハウス(86850-3ミサワホーム東京(85

(勝者は決勝トーナメント進出決定 敗者は大和ハウスと決勝賭け対決)

 大激戦。まったく優劣がつかない。オープンハウス川崎は旭化成ホームズ今野とタイプは異なるが、やはりスピードならRBAナンバー一投手。しかし、ミサワの新人トリオも相当の力がある。高橋、米山は積水京葉の生田を攻略した。

 川崎と米山は明大の先輩後輩。1年間は〝同じ窯の飯〟を食った仲か。この2人の対決は面白いし、川崎-高橋も見ものだ。高橋はあの生田の内角低めのストレートをものの見事にはじき返した。生田はあの1球で自信をなくした。川崎のストレートを打てるのは高橋くらいとみた。

 ミサワは前試合で好投した渋井もいるが、やはりエース古市か。どちらでもやや非力のオープンハウスなら完璧に抑える力がある。

○パナホーム(740-4住友林業(82

(勝者は決勝トーナメント進出決定 敗者は総合地所と決勝賭け対決)

 住友林業が優勢。チームがいまひとつピリッとしない原因は、鈴木監督の欠場にあるとみた。しかし、ここは格下。石井が本来の投球をすれば敵ではない。

 パナホームは当たって砕けろだ。失うものはない。相手は貧打。ここに付け入ればあわやのシーンもあるか。このチームには運もある。

○ポラス(78792-3積水ハウス京葉(8684

(勝者は決勝トーナメント進出決定 敗者は東京セキスイハイムと決勝賭け対決)

 積水ハウス京葉がやや優勢。ポラスは昨年の旭化成ホームズ戦でも前試合のオープンハウスでも大健闘したように、相手がどこでも互角に戦える力がある。レーティングを引き上げられないのは、力はあってもこの壁を突き抜ける力に欠けるからだ。岩瀬が先発だろうが、前試合の疲れが心配。積水京葉打線はオープンハウスより上だ。生田、佐藤をどう抑えるか。敬遠策も有効。

 積水京葉は生田の連投が続いている。年齢は30歳のはずだ。疲れが蓄積していると〝まさか〟のシーンもあるか。ここも生田-清水の対決が見もの。清水は川崎には敗れたが、生田にはどうか。生田はストレート勝負できるか。

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延長サドンデスで敗れたせいか、場外でも身内同士で大乱戦になったむ野村不動産アーバンネットの反省会(女性マネージャーと木内、赤堀)

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