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「ホテル ザ セレスティン銀座」

 三井不動産と三井不動産ホテルマネジメントは9月26日、滞在そのものが旅の目的となる「デスティネーション型ホテル」を目指す新ホテルブランドの「ホテル ザ セレスティン銀座」を10月5日にオープンすると発表。同日、メディア向けの見学会を行った。

 「ザ セレスティンホテルズ」は、アッパーミドルとラグジュアリーの中間層がメインターゲットで、ブランドコンセプトは①「ローカル エクスペリエンス(Local Experience)-その地域を象徴する文化・歴史性が深いロケーション②「プライベート スタイル(Private Style)-「第2の我が家」のように寛げるプライベート空間の創出③「パーソナライズド ホスピタリティ(Personalized Hospitality)-日本ならではのさりげないおもてなし-の3つ。9月7日に開業した「ホテル ザ セレスティン京都祇園」に続く第2号。

 施設は、JR新橋駅から徒歩3分、中央区銀座8丁目に位置する14階建て全104室。客室はスーペリアダブル(23.5㎡、65室)~セレスティンデラックス(47.5㎡、2室)。設計は日建設計。インテリア設計はHirsch Bedner Associates。敷地は元銀座日航ホテル。

 建物は免震構造で、館内は1階ロビーおよび客室階12層、14階レストランの計14フロアで構成。14階には青山・麻布十番のダイニングレストランCasitaによる「GINZA CASITA」が出店する。

 インテリアは、ロビーに配置された凹凸のあるガラスのアートウォールを中心に、シンプルなデザインの中にも光と影を演出し、上質で落ち着いた空間に仕上げている。天井高はロビーは6.5m、客室は約3.1m(窓側)を確保している。(地区計画で当地の建築物の高さ規制は57m=1層3mとして19階まで)

 アメニティは、ブルガリの最高級シリーズ「オ・パフメ」と資生堂の「ルモンドール」を用意。外国人宿泊者向けに銀座三越と連携したサービスも提供する。

 見学会に臨んだ三井不動産ホテル・リゾート本部ホテル事業部長・鴉田隆司氏は「外国人客数は今後も増加が見込まれるが、多様化しているニーズに応えるために今回、新たに『ザ セレスティンホテルズ』をラインアップに加えた。今後も案件は目白押しで、現在、23施設5,811室を2020年までに1万室にする」と話した。

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スーペリアツイン

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バスルーム

◇       ◆     ◇

 記者は「ホテル ザ セレスティン京都祇園」の記者発表・見学会を取材して次のように書いた。

 「一つだけ気になったのは客室の浴室とトイレだ。コンセプトの一つが〝第2のわが家〟で、スパがあるからいいのかもしれないが浴室は14×16サイズで、トイレは普通のマンションと変わらない。同社の〝パークホームズ〟のほうが豪華だと思った」

 この疑問をストレートに今回の見学会席上でぶつけた。鴉田氏は「おっしゃる通りでして、『京都』は高さ規制(15m)もあり、一番苦労した部分」と話した。

 その後、ホテル見学会が行われた。浴室、トイレも含めしっかりチェックした。「京都」の記事の取り消しはしないが、今回の「銀座」は〝パークホームズ〟レベルをクリアしており、〝パークマンション〟には程遠いが、〝パークタワー〟仕様に近いと判断した。同社の狙いもまさにそこにあるのだろうが、一般的なマンションに住んでいる多くの人はなるほど〝第2のわが家〟だと納得するはずだ。

 ルームチャージはスーペリアツインで2~3万円台だから、これもまたリーズナブルだと思う。ブルガリや資生堂のアメニティの価値は猫に小判、牛乳石鹸とどう違うのかまったくわからないが、水栓はグローエ、随所に御影石が使用されていた。女性客をかなり意識したアメニティだろう。

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ブルガリ「オ・パフメ」

三井不 「ホテル ザ セレスティン京都祇園」開業 〝日本一の朝食〟メニュー(2017/8/29)

三井不動産 宿泊型上級の新ブランドホテル「ザ セレスティンホテルズ」開発・開業(2017/2/3)

 

 

カテゴリ: 2017年度

 三井デザインテックは9月22日、職業能力開発総合大学校・橋本幸博教授とオフィス空間における植物配置の好ましさに関する共同研究を行い、その結果の概略を発表した。

 調査の結果、観葉植物を天井面や側面に配した空間が高い評価を売るなど、オフィスの閉鎖的な作業スペースでは観葉植物によって良好な心理的効果が得られる一方、人工植物や過剰な植物量、あるいは不具合な配置にすると、心理面以外に作業効率にも好ましくない影響を及ぼすことが確認されたとしている。

 また、「作業効率がよい」という評価を得るためには「集中できる」と「コミュニケーションが取れる」の両者が満足されている必要があることが分かったとしている。

 実験は今年1月、同社内オフィス内に7つの異なるグリーンを配置した空間を作り、オフィスワーカー延べ42名を対象に、評価グリッド法を用いて実施した。

◇       ◆     ◇

 調査研究の詳細は日本建築学会で発表されたので、興味のある方はそちらで確認していただきたい。プレス・リリースにはわが意を得た記述があった。「人工植物…作業効率にも好ましくない影響を及ぼす」という部分だ。

 マンションのモデルルームや戸建てのモデルハウスには、例外なくいろんなところに観葉植物が配置されている。本物の植物は少なく、人工植物、つまり偽物が圧倒的に多い。そんなまがいものを見るにつけ、〝せっかくの商品企画が台無しになるではないか。品格を落とすもの〟と担当者に口酸っぱく言い続けてきたが、みんな右に倣え、改善される気配は全くない。

 三井デザインテックの調査の「作業効率に好ましくない」文言はそのまま「販売促進に好ましくない」と言い換えられるはずだ。日に焼けて変色し、ほこりが被ったような食品サンプルが陳列されている店などに誰も入らないのと一緒だ。

 イミテーションの観葉植物は即刻やめるべきだ。売れるものも売れなくなる。記者なら今が旬の秋の七草(絶滅危惧種もあるが)を道端や空き地で摘んできて飾る。お客さんは感動するはずだ。

 蛇足ながらもう一つ。同社は「過剰な植物量」もまた「好ましくない影響を及ぼす」と言っている。吉永小百合さんが「フン、フン、フン」と歌えば鹿の糞も食べられそうに思えるが、三流役者がどんなに着飾っても道化師にしか見えないのと一緒だ。過ぎたるはなお及ばざるがごとし。これはマンションや戸建てのモデルルーム・モデルハウスにも該当する。

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木造耐力壁「紬~final~」 

 アキュラホームの「チーム匠 (アキュラホームグループ+東京大学木質材料学研究室+篠原商店)」が開発した木造耐力壁「紬~final~」が、9月16日(土)~18日(月)に行われた「第20回木造耐力壁ジャパンカップ」で総合優勝を果たすとともに、文化性・独創性、デザイン性が評価され「デザイン部門賞」も受賞した。

 「紬~final~」は、日本の伝統技法である継手・仕口で行う「設計」、手作業による「加工の技術」、正確に組み立てる「施工の技術」の3つの要素技術を高次元で結実させた耐力壁。金物や接着剤を一切使わず柱・桁・土台には国産針葉樹製材を用い、壁内部も全て国産材で構成されているのが特徴。東京大学木質材料学研究室、篠原商店と共同開発した。主材料は国産桧、赤松、白樫で、最大荷重は43.66kN(大会公式記録)約4.5t(1kN=0.102t)。

 同社は、「出場耐力壁の多くが強度を高めるために、ビスやボルトなどの金物を多用する中、あえて金物を一切使用しない耐力壁で総合優勝できたのは、東京大学木質材料学研究室(稲山教授)による、金物を使用せず初期剛性と終局耐力の両面で高耐力を引き出すことを目指したバランスのとれた設計、篠原商店による材料調達と全て職人の手による高度な加工技術、そしてアキュラホーム熟練大工たちによる寸分たがわぬ正確さで組み立てる施工技術」としている。

 木造耐力壁ジャパンカップは、阪神大震災後の平成10年、木造住宅の構造耐力向上、伝統工法の継承を目的として「NPO法人 木の建築フォラム」が主催しスタートした大会。大会はトーナメント戦を勝ち抜いたもっとも強度の高い耐力壁に贈られるトーナメント優勝と、強さ(耐震評点)に加えて環境負荷費、デザイン評点、材料費、加工費、施工費など総合的に優れた耐力壁に贈られる総合優勝(ジャパンカップ)の2つのタイトルがある。毎年、大学、専門学校、住宅関連企業、設計事務所などが参加している。

 今年は静岡県富士宮市の日本建築専門学校で開催され、13体の耐力壁が出場した。トーナメント戦はポラス暮し科学研究所の「SHINMEI」が優勝した。

 大会事務局によると、20年の節目の今回で大会は終了し、装いを新たにして再開するという。

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 この木造耐力壁ジャパンカップを10回近く取材してきた。素人には理解し辛いことがたくさんあるが、毎回、楽しませてもらった。今回は別の取材が入っており残念ながら取材できなかった。主催者や稲山正弘教授にこれまでの成果や課題、今後の予定などについて聞きたかったが、機会があればまた紹介したい。

 私見を言わせていただければ、競技の前提条件を明確にし、あとは創意工夫に任せて結果を問うのか、それともレギュレーションを取っ払って強いか、美しいか、安いかなどの総合力を競うようにしたらわかりやすいと思う。

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左から篠原商店・糸井剛夫、大工・並木隆明、東京大学大学院木質材料学研究室教授・稲山正弘、大工・武原勉、商品開発部課長・田村明、組子職人・和田伊弘の各氏

ポラスグループが準優勝と審査員特別賞 第19回木造耐力壁ジャパンカップ(2016/9/22)

 

 

 

 

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若林西武鉄道社長(右)と鳥居車両部長(六本木ヒルズ・アカデミーヒルズ49で)

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「S-TRAIN(Sトレイン)」

 キッズデザイン協議会の第11回「キッズデザイン賞」記者発表・表彰式が9月25日行われ、最優秀賞「内閣総理大臣賞」に西武鉄道・川崎重工業の「新型通勤車両40000系」が選ばれた。住宅・不動産業界からは、子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン一般部門の優秀賞経済産業大臣賞に積水ハウスの「分譲マンションにおける安全・安心のための取り組み」が、子どもたちを産み育てやすいデザイン男女共同参画部門の優秀賞男女共同参画担当大臣賞にミサワホーム「マミーズプロジェクト」などが選ばれた。

 キッズデザイン賞は、子どもの安全・安心と健やかな成長発達に役立つ優れた製品・空間・サービス・研究活動などを表彰するもので、今回は298点の受賞作品の中から最優秀賞・優秀賞・特別賞など優秀作品34点が発表された。

 冒頭にあいさつした同協議会会長・山本正巳氏(富士通取締役会長)は、「今年度で総受賞数は2,453点、応募総数は4,081点となった。今回の受賞作品は、子どもの安全・安心と健やかな成長発達に役立つアイデアに満ち溢れたものばかり。今年6月に発表した『キッズデザイン宣言』の冒頭にある『すべての子どもは社会の宝であり、未来そのもの』の核心・原点を具現化している」などと語った。

 また、安倍晋三内閣総理大臣から「安倍政権は、すべての子供たちが、それぞれの夢に向かって頑張ることができる社会を目指す」などとのメッセージが寄せられた。

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積水ハウスの展示コーナー

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ミサワホーム営業本部 分譲開発事業部 分譲営業部・梅田毎美氏(左)と大谷内裕美氏

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 個人的なことで申し訳ないが、わが西武ライオンズが勝ち、楽天が敗れたためにゲーム差は3に広がり、ほぼ2位を確定した翌日に西武鉄道が内閣総理大臣賞を受賞した。こんなうれしいことはない。

 西武線はマンションなどの取材で結構乗っているが、「新型通勤車両40000系」なるものに出くわしたことはない。授賞式に参加した同社代表取締役社長・若林久氏、取締役上席執行役員鉄道本部車両部長・鳥居武徳氏の話や資料などからしてなるほどこれはスグレモノだ。

 座席指定の車両を特急ではなく通勤電車に採用したのがみそで、名称は「S-TRAIN(Sトレイン)」。土休日は西武秩父-元町・中華街を、平日は所沢-豊洲間を今年3月25日から運行開始した。10両編成に2車両だけで、運行本数は限られているが、座席シートがロングシートと着座シートに変換できるほか、車いすやベビーカー利用者、大きな荷物を持っている乗客のためにパートナーゾーンを設置。大人や子どもも利用しやすい手すり、腰椅子、トイレもついている。

 鉄道会社には、乗り越し防止のために降りる駅に着くと眠っている客の肩をたたくとか尻をつつくシートの開発とか、すり防止のために本人以外の人が触ると警報が鳴るとか、女性または男性のお尻を触ると蛍光塗料が付着するとかそんなサービスを編み出してほしい。西武鉄道の杉山さんはその後どうなったのか。昇格してものが言えなくなったのか。

◇       ◆     ◇

 積水ハウス、ミサワホームの受賞は喜ばしい。ただ、積水ハウスの安全・安心アイテムはすでに各社が採用しているものが多い。同社の〝5本の樹計画〟の圧倒的な緑の確保やメーターモジュールの廊下幅、ドア把っ手の壁面までの後退などUDの取り組みが群を抜いていることは評価の対象にならなかったのか。

 ミサワホームの取り組みでは、分譲地での地域の子育てママとのコラボによって営業モデルをシステム化し、玉川上水の一戸建て1棟をわずか20日間で完売した事例が紹介されている。

 今後も子育てしながら活躍できる女性社員の働く環境の整備に力を入れていくそうなので、機会があったら取材したい。(どうでもいいことだが、配布された資料には『子どもたちを産み育てやすい』と〝たち〟の接尾語が付いていた。子ども以外に産み育てる〝もの〟はあるのかと考えてしまった)

 コスモスイニシアの「イニシア西新井」が何の特別賞ももらわなかったのは不可解。高木嘉幸社長が授賞式で破顔一笑した夢まで見たのに…。

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報道陣でごった返す会場

高いハードル越える 「東京都子育て支援住宅認定制度」第1号 「イニシア西新井」(2017/2/28)

 

 

 

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元谷外志雄代表(左)と元谷芙美子・アパホテル社長

 アパは9月15日、アパ赤坂見附本社ビル1階に「アパ情報館  INFORMATION CENTER」を開設した。セレモニーに出席した元谷外志雄・アパグループ代表は「現在開発中の物件も含め全国最大の433ホテル72,205室に拡大し、2016年11月期決算で売上高1,105億円、経常利益338億円まで成長した。2020年までに10万室をめざす。オリンピック後はオーバーホテル状況が予想されるが、当社は逆にチャンスととらえ、アジアを含め買収、パートナーホテルなどネットワーク拡大を進める」と話した。

 また、先の書籍問題について、「中国人宿泊客のシェアは問題になって以降、それまでの5.2%から現在1.9%に減少したが、〝アパ頑張れ〟の応援もいただいたし、知名度が世界的になった。全くマイナスにならなかった。今月の稼働率は93%、都心は100%」などと語った。

 過熱する用地争奪戦については「12年前と比べ用地は3~4倍、建築費は倍になった」とも話した。

 「アパ情報館」は、アパグループの情報を発信するとともに、ホテル投資を検討している顧客向けにフランチャイズシステムへの加盟、新築・リニューアル、用地の取得などの相談拠点にする。

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テープカットする左から衆議院議員 消費者問題特別委員長・原田義昭氏、元谷代表、元谷芙美子氏、ライフコーポレーション 代表取締役会長兼CEO・清水信次氏

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「アパ情報館  INFORMATION CENTER」

 

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「三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)船橋Ⅰ」

 三井不動産は9月12日、三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)船橋Ⅰに「MFLP  ICT  LABO」を開設し、ICT関連機器16種類を展示し、機器の導入コンサルも実施すると発表した。人材確保が喫緊の課題となっている物流業界で、業界に先駆けて様々な省力化・自動化へのニーズに対応していく。同日、報道陣向けに内覧会を行った。

 LABOには、岡村製作所が販売している「オートストア」などICT関連機器16種類を展示。同社施設の入居企業や入居検討企業に広く紹介するとともに、LABO内で実際に機器を稼働させ、その効果が体験できるようにしている。

 また、各メーカーと連携して購入サポート、貸出スキームを提供するほか、様々な課題解決へ向けたコンサルティングサービスも行っていく。

 内覧会で挨拶した同社ロジスティクス本部ロジスティクス事業部長・寺島道人氏は、「数年前から物流革命が起きると考え、プロジェクトチームを立ち上げ取り組んできた。2030年には人工知能により完全自動化の工程表も示されている。当社は〝ともにつなぐ、ともに生み出す〟をコンセプトに課題解決へ向け先駆的な役割を果たしていく」と語った。

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岡村製作所「オートストア」

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 同社は先に記者会見し、ロジスティクス事業は2012年の事業開始から稼働中の13棟を含め開発・運営施設数は28棟・総延床面積は約240万㎡、累計総投資額は約4,000億円に達する見込みと発表した。今後も年間4棟、400億円くらいを継続して投資していくとしている。

 今回のLABOは事業拡大の一環だと思う。ICTには疎い記者でも実際に16種(すべてではないが)の機器が稼働しているのを見て、間違いなく物流革命は起きると確信した。

 もっとも驚いたのは、デンソーウェーブの「ピッキング」機器だった。同社ロジスティクス本部 業務推進室 業務推進グループ統括・溝口賢治氏が実演したのだが、一瞬で50枚くらい重ねられていTシャツのバーコードを読み取った。距離が離れていても大丈夫だというから驚きだ。

 そんなことができるなら、女性の裸身まで見えるメガネが開発されたらいくらになるか、政治家には24時間365日行動を捕捉できるタグを身体に埋め込むことを条件づければだれも立候補する人がいなくなるだろうかなどと想像するだけで楽しくなった。

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デンソーウェーブ「ピッキング」

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 同社が7月に行った記者会見にもたくさんの記者が駆け付け、大和ハウスが先に行ったセミナーにも定員いっぱいの約300名が参加した。物流革命はすで始まっているのだろうし、モノはもちろんヒト、コトの動きを一挙に変える時代がそこまでやってきていることを実感した。

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〝もう我々の出番ない〟 三井不動産〝かつて〟の主力、溝口も福田もICTに脱帽((2017//12)

三井不動産 ロジスティクス事業拡大28棟、延床240万㎡、投資額4,000億円に(2017/7/20)

大和ハウス工業 企業向け物流セミナーに300名が参加(2017/8/3)

 

 

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純米焼酎「大手町」お披露目

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「三菱地所グループの森」フォトセッション

 三菱地所は9月8日、同社グループが〝都市と農山村がお互い元気になる社会〟の実現を目指し取り組んでいる山梨県北杜市のCSR活動「空と土プロジェクト」が10周年を迎えるのを記念して、純米酒「丸の内」」に加え純米焼酎「大手町」を販売開始するとともに、木材供給を行う「三菱地所グループの森」を始動させたと発表した。

 「空と土プロジェクト」は、同社グループが2008年度に「地域社会との共生」をテーマとした取り組みとして始動。山梨県北杜市で活動を行うNPO法人「えがおつなげて」と連携し、限界集落地域である増富地区を中心にともに支えあう持続可能な社会の実現を目指し活動を行っている。2011年には山梨県と「山梨県産材の利用拡大の推進に関する協定」を締結し、国産木材、山梨県産材の活用を積極的に行っている。

 これまでグループ社員や顧客などを対象とした体験ツアーを81回実施し、延べ参加者は2,331名に上っている。

 純米酒「丸の内」は、耕作放棄地を開墾し、棚田を復活させ、有機農法で酒米をつくり地元の蔵元で醸造。2011年から丸の内のレストランやショップで販売開始。2013年には約4,700本を販売したが、近年の天候不順や獣害により2016年は約3,000本に減少している。

 純米焼酎「大手町」は、食品ロス削減の観点に立ち、純米酒原料の使用基準に満たない酒米と東京農業大学が開発した天然酵母(花酵母)を使用して、地元の武の井酒造と共に開発。9月15日(金)、はせがわ酒店パレスホテル東京店で販売開始する。4合入り1,689円(税抜)。

 収益の一部はNPO法人「えがおつなげて」に寄付される予定(2015年は約36万円、2016年は約28万円)。

 「三菱地所グループの森」は、北杜市市内の管理が行き届いていない山林を再生し、三菱地所グループへの木材供給及び社員研修の場として利用するもの。

 会見に臨んだ三菱地所執行役社長・吉田淳一氏は、「私は小学生のころ、山口県下関の親戚の田んぼで田植えをしたことがある」と自らの体験を交え、「今年3月までCSRの担当役員をしていた関係で、6回ほど体験ツアーに参加し、田植えも経験した。田んぼの泥があたたかく包んでくれる感動を思い出させてくれた。今後も持続可能な社会の実現のため取り組みを強化する」と話した。

 また、純米焼酎「大手町」で乾杯の音頭を取った同社取締役会長・杉山博孝氏は、「10年前にプロジェクトを立ち上げたとき、私が担当役員を務めた。やるんだったらずっと継続し、事業に結びつけるような活動をしないといけないと考えてきた。このように活動が発展してきたのがとてもうれしい」と語り、「私どもは〝大・丸・有〟を掲げているので、〝有楽町〟が欠けているは残念」と参加者を笑わせた。

 NPO 法人えがおつなげて代表理事・曽根原久司氏は、「耕作放棄地、森林、空き家の資源を活用して10兆円市場にするのが私の夢。夢の実現のためさらに活動を強化する」と力を込めた。

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左から吉田氏、杉山氏、曽根原氏

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 記者は過去2回、田植えと稲刈りの体験ツアーを取材している。吉田氏が小さいころ、田んぼにある肥溜めに落ち糞尿まみれになったことまで聞き出し、感動的な記事を書いた。今回の発表会を楽しみにしていた。

 聞きたいことがたくさんあった。今回の空土プロジェクトも含めデベロッパーのCSR活動はどうあるべきか課題は何か、メディアは何を伝えるべきか、獣害をどう防ぐのか、北杜市の市花ヒマワリをテーマにした〝有楽町〟の商品を加えるべきではないかなどだ。残念ながら吉田社長も杉山会長も質疑応答の前に退席されたので聞けなかった。

 ヒマワリといえばあのソフィア・ローレンの「ひまわり」畑が目に浮かぶ。あれは悲恋物語だったか。〝有楽町で逢いましょう〟もまた古いか。

 曽根原氏にはシカ、イノシシなどの獣害のほか山ヒルについて聞きたかった。

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純米焼酎「大手町」

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 CSRを含めてデベロッパーの広報活動に参考になる記事をハウジングライター・藤原利彦氏が9月4日付「週刊住宅」のコラムで書かれている。

 メディアモニタリング業務や広報効果度分析を主業務とするデスクワンが、全国紙5紙に掲載された記事スペースを金額に換算してランキングとしてまとめたもので、デベロッパーでは昨年度は3億3,000万円の三菱地所がトップで、2億6,000万円の三井不動産、2億2,600万円の森ビルがベスト3。以下、住友不動産、東京建物、東急不動産、野村不動産、コスモスイニシア、大京、東急不動産ホールディングスの順だ。

 三菱地所、三井不動産が1、2位を争っているのは納得できる。しかし、記者は売上高に比して森ビルとコスモスイニシアが突出しているのに注目したい。何かと話題が多い森ビルはともかく、主力のマンションや戸建て以外にリノベーションやアパートメントホテル事業など話題を提供しているのが評価されているようだ。

 さらに言えば、上場企業のCSR活動に対する拠出金(お金では換算できないものも多いのは承知するが)はバブル崩壊後一貫して減少しているはずだ。経常利益のせめて1%、できれば3%くらい拠出してもいいのではないか。CSR活動が企業価値を計る重要な指標になる社会にしなければならないし、企業もまた、CSR活動が投資家やメディア、一般の人に正当に評価されるように広報活動を強化すべきだ。

三菱地所グループ 山梨県産FSC認証木材の企画提案コンペに当選(2015/12/11)

〝ケロ、ケロ、ケロ〟カエルも歓迎 三菱地所・空土プロジェクト田植えツアー(2015/6/3)

三菱地所グループ「空と土プロジェクト」体験ツアーに同行取材(2012/10/19)

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 港区の平成29年度行政資料集が公表された。課税標準額段階別納税義務者数などの数値を概観した。

 納税義務者数は138,285人で前年より約4,000人増加。課税標準額の段階別納税義務者数の区分では、課税標準額が1,000万円以上の層は20,745人で前年より962人増加。全納税者に占める割合は15.0%で前年より0.7ポイント上昇した。人数、構成比も過去最高を更新。

 総所得金額は1兆2,312億円で前年より約2,600億円減少。段階別区分では1,000万円超の層が前年の9,332億円から7,406億円へ、10万円以下の層が321億円から179億円へ大幅に減少している。

 所得割額は687億円で前年より12億円増加。段階別区分では、10万円以下の層が前年の8.6億円から22億円へ増加。構成比も前年の1.3%から3.2%へ大幅に増えた。1,000万円超の層の所得割額は442億円(前年452億円)で構成比は64.4%(同67.1%)とやや減少した。

 特別区税調定額799億円に対する収入済額は768億円で、収入歩合は平成19年の95.2%を上回る過去最高の96.1%となった。

◇       ◆     ◇

 納税者数が増加しているのは人口が増加している反映だが、年間4,000人も納税者が増えているのはすごい数字だ。

 課税標準額が1,000万円の層も毎年増加を続けている。年間1,000人近く増加しているのもこれまたすごい数字だ。

 課税標準額が10万円以下の層と1,000万円超の層が大幅に減少しているのは、平成28年から株式などの保有・譲渡した場合の税制が改正されたことによるものと思われる。申告が不要な源泉分離課税か累進税率の幅が大きい総合課税制度かを天秤にかけて税率が低いほうを納税者が選択したことがうかがわれる。課税標準額10万円以下の層の人の所得割額・構成比が激増しているのも、この分離課税の影響と思われる。

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 注目したいのは、特別区税の収入済額の増加と収入歩合の改善だ。

 特別区税には特別区民税、軽自動車税、特別区たばこ税、入湯税がある。区が課税することを決定した調定額と実際の収入済額、収入歩合を見ると、特別区民税の調定額は735億円(収入済額704億円、収入歩合95.7%)で、その他の税を含めた合計では調定額799億円(同768億円、同96.1%)となっている。

 過去10年の収入済額は平成23年の581億円をボトムに平成28年は768億円へ実に32.2%も増加している。収入歩合は平成23年の91.7%が最低だった。  

 港区では、未納に対する徴収の取り組みを強化しているのも収入歩合が改善している要因の一つと話している。(政府はアベノミクス効果と言うにきまっている)

 参考までに。総務省のデータによると、平成27年度の地方税の滞納額は現年分で3,123億円、繰越額は9,087億円となっている。税収100円当たりの徴税コストは大都市が2円台、地方が5円台と言われている。タバコ税は〝前払い〟(実際に税を納めるのは事業者だが)だからコストはほとんどかからないのではないか。これに課税を強化し、喫煙者を社会から排除しようとしているのは全く理解できない。

東京都港区 平成28年度 課税標準額1,000万円超が約2万人 過去最多を更新(2016/9/27)

全国90万人の「高所得層」のうち21%、19万人が東京23区に集中(2016/4/15)

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「東京ミッドタウン日比谷」

 三井不動産は9月4日、千代田区有楽町一丁目で開発を進めている複合開発「(仮称)新日比谷プロジェクト」の名称を「東京ミッドタウン日比谷」に決定したと発表した。

 「東京ミッドタウン日比谷」は、地上35階地下4階建て、延床面積約189,000㎡のオフィス・商業などから構成される大規模複合開発。日比谷公園を眼下に望むオフィスフロアは9・10階のロビー階から11~34階に位置。6階にはベンチャー企業や大企業、多種多様な人材が集結したコミュニティ拠点「(仮称)日比谷ビジネス連携拠点」を設置するほか、シネマコンプレックス「TOHOシネマズ日比谷」など全60店舗(店舗面積約18,000㎡)が地下1階から地上7階に出店する。開業は2018年3月29日。

カテゴリ: 2017年度

 リンナイが首都圏在住の約1,900名を対象に行った「キッチンスペースに関する意識調査」結果をまとめ発表。現在のキッチンに満足している人は半数に満たないことが分かった。

 現在のキッチンスタイルは、「独立型」が38.9%でもっとも多く、「オープン型」30.5%、「カウンター型」26.5%、「アイランド型」1.6%の順。

 現在のキッチンの満足度は、「そう思う」12.8%、「ややそう思う」32.7%と満足している人は半数に満たないことがわかった。

 キッチンを他人に見せることができるかどうかについては、「そう思う」13.7%、「ややそう思う」26.3%となり、他人に見せることができる人は4割しかいないことがわかった。

 住宅を購入・リフォームする際にキッチンにこだわりたいかどうかについては、「そう思う」44.7%、「ややそう思う」35.9%で約8割に達した。

 その際、重視するのは「使い勝手(便利な機能)」87.4%、「お手入れ・掃除のしやすさ」73.5%、「収納性」70.9%など。デザインについては、「シンプル」71.1%、「清潔感がある」66.8%となった。

 理想のキッチンスタイルは「カウンター型」35.0%「アイランド型」25.7%と対面キッチンが多数を占めた。

◇       ◆     ◇

 調査対象者の属性がいま一つよくわからないが、わが家のキッチンに満足している人は過半に達せず、理想のキッチンスタイルにほど遠いことが分かった。

 分譲マンションについていえば当然の結果だ。調査では不満の理由について聞いていないが、「他の家庭のキッチンを見たとき目についてしまう箇所」でもっとも多いのが「間取り・広さ」47%であることからも、広さに問題があることが推測される。現在、ファミリーマンションのキッチンの広さはせいぜい3.5畳大だ。記者の〝主夫〟の経験からいってもこれは狭い。4.5畳大はほしい。プロの料理家に聞いたことがあるが、理想は6畳大だった。

 理想のキッチンはカウンター型、アイランド型が多数を占めたが、個人的には独立型がいちばんいいと思う。料理に集中したら、子どもや家族と会話しながらなどというのはまず無理。火加減、味付けがおろそかになる。手を切る可能性もある。オープン型、カウンター型、アイランド型は水や油が飛び散り、掃除が大変だと思うし、あちこちに調理器、具材、ごみなどが散らかっているのをどう始末するのか。

 さらに言えば、ガスとIHの両方が使えるハイブリッド型がいいと思うが、どこも積極的に提案しない(リンナイが最初に提案したのではなかったか)。家庭料理の定番であるチャーハン、野菜炒めなどは絶対ガスがいい。

カテゴリ: 2017年度
 

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