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「デュオヒルズつくばセンチュリー」に隣接する公園
 

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小川氏

 フージャースホールディングスの2021年3月期業績予想は、売上高80,000百万円(前期比6.1%減)、営業利益4,200百万円(同37.2%減)、経常利益3,500万円(同36.5%減)、純利益2,400百万円(同766.5%増)で、新型コロナの影響を受けたCCRC事業、不動産投資事業、不動産関連サービス事業などがそのまま数値に反映されそうだが、主力事業であるマンション、戸建て、シニア向けなどの不動産分譲事業が堅調に推移している。第3四半期決算によると、今期引き渡し戸数1,632戸のうち契約済みは1,560戸となっており、進捗率は95.6%に達している。

 同社取締役で、分譲事業を担当するフージャースコーポレーション社長・小川栄一氏と同社営業推進部長・友野珠江氏に話を聞いた。テーマは「街の資源と接続」だ。

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友野氏

◇          ◆     ◇

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「デュオヒルズつくばセンチュリー」(手前が公園)

 -御社のマンションは、自社開発第一号の「デュオ南浦和サザンヒルズ」(2000年分譲)をはじめ、結構これまで見学しております。第一号では収納に工夫を凝らし、ドアノブを壁面まで後退さていたのを見て、リクルートコスモスのいいところを引き継いでいるなと思ったものです。

 小川 そうですか。第一号は創業から6年目。マンション販売代理で知見を貯め、廣岡が覚悟を決めて自社開発事業を始めたそうです。他との差別化を図るため、モノづくりや女性目線という特徴をアピールしました。これはきちんとこれからも伝えていかないといけない。

 友野 いまあちこちで『女性活躍』と言われておりますが、当社は男女差別などもともとなくフラット。それが当たり前の風土が脈々と引き継がれています。

 -その後、御社のマンションは結構見ているんですが、一昨年のシニア向け「デュオセーヌ豊田」の竣工見学会は別にして、2017年分譲のつくはEX柏たなか駅圏の「トレジャーランドプロジェクト(デュオヒルズ・ザ・グラン)」(253戸)を取材し、友野さんにもインタビューして以来、一つも見学していません。

 取材したとき、友野さんは「3年間で売る」と仰ったが、わたしは最低5年かかると予想していまして、やはり3年では売れず、友野さんは責任を取らされて異動になったのではないかと、それを聞くのが怖かったんです。ところが御社は昨年12月、分譲事業が極めて好調に推移していると発表し、「柏たなか」もとっくの前に売れたと聞きまして、もう嬉しくなって。それじゃということで、この前は「デュオアベニューつくば吾妻」も観てきました。素晴らしい戸建て住宅地でした。それにしても、苦戦必至の「柏たなか」をよくぞ早期完売されました。女性活躍は、友野さんにインタビューしたときの記事を添付します。全てのデベロッパーの社員に読んでいただきたい。

マンション企画、女性活躍の核心を語る フージャースコーポ・友野珠江部長(2017/4/10)

 小川 「柏たなか」は営業がよく頑張って売ったと思います。駅周辺に何もなかったですからね。最初は苦労しました。その後、ぽつぽつと居酒屋などが出来てきて売れましたが…。

 「柏たなか」の経験と反省を踏まえて考えたのは、「街の資源と接続」と「強いコンセプトによる差別化」でした。

 そのきっかけになったのが、現在分譲中の「デュオヒルズつくばセンチュリー」(229戸)です。土地を買ったとき、タカラレーベンさんが駅から6分の「レーベンつくばCORIS」(330戸)を分譲することになっていました。うちは駅から11分。普通の売り方では勝てない、どうやって販売するか、相当悩みました。

 ちょうど敷地の隣につくば市内で一番人気がない、地域の人が〝砂利公園〟と呼ぶ、誰も利用しない水が溜まり、樹木がうっそうと茂った公園があったんです。

 -公園隣接マンションはよく売れますが…。

 小川 ええ。パークサイドマンションとか。しかし、ここはそうではなかった。これを何とかしようと考えたのです。芝生を張り、樹木を剪定してマウンドと滑り台を造ろうと。市の公園管理課に「公園をいじらしていただきたい」と交渉しました。最初は「何を言っているんですか」と。門前払いでした。

 ところが、市の中心市街地の活性化や街づくりなど総合的な企画を考えている部門の方が取り合ってくれたんです。費用も民間が負担してくれるならいいではないかと。ただし、デベロッパーは開発に際して木を伐採してしまうという背景があって、樹木の伐採を一切行わないという条件と共に賛同を得られました。契約書には「市の所有物に芝生を付着することを許可する」と書かれていました。そここまで漕ぎつけるのに1年かかりました。

 そして、樹木伐採がだめだから、樹木医の力を借りて樹木剪定を行い、芝生を張り、明るい緑の公園が出来上がったんです。公園利用者のターゲットを小さい子どもを抱えるファミリーに絞り込み、キャッチボールなどをする大きな子どもは他の公園で遊んでくれるように滑り台などにも工夫を凝らしました。こうして行政とマンション居住者、地域の人たちのWin-Winの関係を実現しました。

 さらに、子どもが遊ぶのを見守り、休憩するための大人のカフェが必要だと、マンションの1階に市内で指折りの「パン工房クーロンヌ」さんを誘致しました。カフェでコーヒーを飲み、おいしいパンを食べながら、また在宅のパソコンも使える緑の空間を造ろうというストーリーを描きました。駅から11分ではあるが、ファミリーが住む価値をつくり出そうと考えました。

 マンション敷地と公園の垣根、フェンスもありません。デッキでつながっています。

 また、地域の方たちやNPOとも連携して公園の維持管理もみんなでやろうという現在進行形のingの仕掛けも考えています。芝生の管理を行う芝育チームもその一つで、そのためのユニフォームもつりました。

 -なるほど。わたしもつくば市のマンションを取材したとき、人っ子一人いない公園を観ています。利用されない公園はつくば市に限らずたくさんあります。行政は管理することを最優先にして、美しい公園にしようという考えはまったくないように見えます。

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「デュオヒルズつくばセンチュリー」に隣接する公園

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「デュオヒルズつくばセンチュリー」に隣接する公園

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「デュオヒルズつくばセンチュリー」に隣接する公園 

 小川 これから広島の標高70mの比治山に隣接する「デュオヒルズ比治山レジデンス」(110戸)を分譲するんですが、コンセプトは「比治山と暮らそう」です。

 この山は〝広島の守り神〟と呼ばれておりまして、現在は広島市現代美術館があり桜の名所にもなっている比治山公園になっています。

 これもingなんですが、地域不動産会社や地域NPOと一緒になって公園の維持活動を行おうと考えています。

 もう一つ。郊外部のプロジェクトで桜並木と川をコンセプトに組み込んで、休日は子どもとサイクリングしよう、自転車に乗ろうと、エントランスや共用施設に工夫を凝らしています。

 つくばの公園も広島の比治山も、郊外部の川もマンションの外ですが、この外にある街の資源とマンションの商品企画を接続して絡め合わせれば、そこにしかない価値を造れるんではないかと。これを今後全面展開しようと考えています。「柏たなか」の反省とはこれです。「柏たなか」は〝街が変わる〟をプロモーションに掲げましたが、街はなかなか変わってくれなかった。

 暗中模索で始め、もがいてもがいて積み上げてできた「つくば」を経験し、一山超えたような気がしています。

 -思い出しました。東京都には民設公園制度があり、東京建物と西武不動産が東村山市の萩山でその制度を利用した第1号マンションを10年以上前に建設しました。しかし、その後、この制度は全然使われていません。公園とマンションなど民有地との間のフェンスをなくした例というのは非常に珍しいケースだと思います。公園に柵が張り巡らされ、檻の中で子ども遊んでいるような現場も見ました。渋谷区はメディアが報道のために公園の写真を撮るのも許可が必要です。

都の民設公園第1号「萩山 四季の森公園」開園祭り(2009/10/5)

公園を所有するマンション 東建・西武「Brillia L-Sio 萩山」(2008/5/26)

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「デュオヒルズつくばセンチュリー」に隣接する公園

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「デュオヒルズつくばセンチュリー」に隣接する公園のデッキ

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「デュオヒルズつくばセンチュリー」に隣接する公園のデッキ 

 友野 街と接続することを可能にしたことは、デベロッパーの概念を変え、境界を広げることにつながるのではないかと。商品企画も仕入れも建築も一体となって取り組んでいこうと考えています。

 小川 マンションの広告も、建物や間取りではなく、公園や山や川などとつながった生活シーンが連想できるようなものにできないかと。

 -広告? 広告といえば、飯田グループホールディングスの「好立地」というタイトルの企業広告には、わたしか住む多摩センターの多摩中央公園が何のクレジットもキャプションもなく紹介されています。市役所に聞いたんです。どうして中央公園の写真を使わせるのかと。答えは、お金を出せば商業目的に使用できるというものでした。さっき話しましたが、渋谷区はかなり厳しいのに多摩市は簡単。バラバラです。ひどいもんです。

 小川 友野 …

 -ぜひ、やってください。〝当社は公園の維持管理に関わっています〟などのクレジットを付ければ可能じゃないですか。

 友野 デベロッパー各社は建物を大きく見せるとか、特定の季節感だけを強調したり、押しつけがましい広告がいまだに多いですが、人間の目線でこうした暮らしをしたいとか、自分がその中にいるような気持ちになれるシーンを伝えられないかと。共感力ですね。土地に敬意を払わないものは社会的な支持を得られなくなると思っています。これが課題ですね。

 -御社は売上的には分譲事業が5割くらいですが、今後はどう考えているのですか。

 小川 財閥系でもパワービルダーでもない当社の未来について廣岡と話し合ったんです。廣岡は学生のころ、森ビルのアークヒルズをみて感動し、そのような再開発を夢見たそうです。当社も現在の財政力なら大規模再開発を1つくらいできるかもしれないが、それって楽しいだろうかと。楽しくないんじゃないかと。アークヒルズと比べれば小規模かもしれないが、マンションをつくって、周辺の街の価値を少しでも向上させる、そのほうが俺らに向いているのではないかと。住宅をつくり街の価値を向上させることはSDGsにも結果的につながっていく。われわれの会社の立ち位置はここにあるんではないかと。

 いま新中計を策定中ですが、当社グループが目指している次のステージは本業回帰ではないかと考えています。これまでの5年間は、マンションは縮小産業だから次は何だとホテル、スポーツ、海外、生活関連事業などを模索しながら展開してきました。振り返ってみると当社の分譲事業はやはり強い、ボラティリティがないとわかったんです。〝分譲のフージャース〟というファクトは伝えやすいと。

 アメリカやアジアでの自社開発は見極めている段階ですが、戸建てやシニア向けも含めた分譲住宅事業で必要利益を出そうと考えています。分譲事業で一定利益を確保して、そのうえで+αとして他の事業を展開しようという方向です。

 「わたしの好きなものではなく、お客さまの好きなものを造ってくれ」と廣岡は言っています。社長の顔色を窺い、よくわからない社長の趣味に合うものなど誰もつれません。しかし、顧客のニーズは科学で解き明かすことができるんです。

 -ありがとうございました。「つくば」はぜひ見学させてください。

◇      ◆     ◇

 小川氏プロフィール 1964年生まれ。桐朋高-明治大学卒。1988年4月、コスモスイニシア(当時リクルートコスモス)入社。2001年7月、フージャースコーポレーション入社。2002年2月、同社取締役、2017年6月、同社社長(現職)、2019年5月、フージャースホールディングス取締役(現職)。

◇      ◆     ◇

 【編集後記】 小川社長と友野部長と1時間以上にわたり話しあった。「街の資源と接続」するコンセプトに同感だ。デベロッパーは〝ここに住めばこうした生活ができる〟ということを分かりやすく伝えないといけない。単に価格が安いとか駅に近いというだけではユーザーの心に響かない。

 つくば市の誰も利用しない公園を再生し、マンション居住者や地域とつなげる活動は刮目に値する。公園との柵を取っ払った事例などないはずだ。都市公園のあり方、指定管理者制度の方向性に示唆を与えるものだ。

 同社の販売力と商品企画について補足する。「柏たなか」を3年間で売り切った販売力は、2008年のリーマン・ショックのとき「グランドホライゾン・トーキョーベイ」686戸の販売を受託し、早期完売したことで証明されている。

 小川氏は「当社はコスモスイニシアと似て非なるもの」とも話した。〝頭脳〟も〝足腰〟も誰にも負けないことを言いたかったのだろう。

 「COCOSUMA」「COCO COMMU」を代表する商品企画では、記者が強烈な印象として残っているのは、京王線中河原駅からかなり遠い坪単価138万円の「デュオヒルズ府中多摩川」(187戸)に食洗機を標準装備したことだ。普通のデベロッパーなら価格を抑えるため真っ先に削るはずだ。「忙しい共働きの主婦(あるいは主夫)にとって食洗機は必需品」という認識は記者と一緒だった。

 冒頭に書いたように、同社は2021年3月期第3四半期決算の段階で、引き渡し戸数1,632戸のうち契約済みは1,560戸で、進捗率は95.6%に達したと発表した。駅近など売りやすい物件はほとんどないはずだ。むしろ逆だ。

 同じようなデベロッパーでは、大和地所レジデンスが2021年3月期完成マンション898戸を全て期末までに契約したと発表した-なぜそのような芸当ができるか、じっくり考える必要がある。小川社長は「顧客ニーズは科学」と話した。ここにヒントがあるような気がする。

フージャースHD シニア向け「デュオセーヌ豊田」竣工 半分強が契約済み(2019/8/7)

米・クレセント社の日本初「グランドホライゾン・トーキョーベイ」(2008/2/15)

駅から7分で敷地60坪 素晴らしい フージャース「つくば吾妻」82区画 完売(2021/3/25)

フージャースコーポ 女性・子どもに優しい「府中多摩川」(2013/9/19)

フージャース「デュオヒルズつくば竹園」1年間で207戸ほぼ完売(2008/2/20)

カテゴリ: 2021年度

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「イニシア日暮里アベニュー」

 コスモスイニシアが分譲中の「イニシア日暮里アベニュー」を見学した。同駅圏の「イニシア日暮里テラス」(54戸)と「イニシア日暮里プロジェクト」として同時に昨年6月から販売しているもので、前者は未分譲3戸を含め残りは9戸、後者は残り3戸と順調な売れ行きを見せている。

 「アベニュー」は、山手線鶯谷駅から徒歩6分、荒川区東日暮里四丁目の尾竹橋通りに面した商業地域立地の11階建て45戸。専有面積は33.09~55.6969㎡、先着順で販売中の住戸(6戸)の専有面積は33.09・55.69㎡、価格は3,748万~5,198万円。平均坪単価は350万円。建物は2021年1月に竣工済。施工はライト工業。

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土間側から引き戸を開け放した状態

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土間側蟹引き戸を閉めた状態

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リビング側から引き戸を開け放した状態

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 この物件については、昨年6月にモデルルームを見学しているのでそちらを参照していただきたい。

 今回注目したのは、約2.1畳大の「土間」を設けた33㎡1LDKのタイプだ。45戸のうち7戸に採用されているもので、記者はこれにほれ込んだ。もちろん好き嫌いはあるだろうが、引き戸を閉めれば室内を隠すこともできる。玄関窓もついている。多目的に利用できるのではないか。リビング・ダイニング・キッチンに床暖房付きだった。

 もう一つ、同じ広さの1LDKも見学したが、こちらは土間の代わりにシューズクローゼットやウォークインクローゼットを充実させたもので、女性はこちらを選ぶそうだ。

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満開のオオアマナ(花はハナニラに似ているが茎などに匂いがない)

「Doma(土間)」とLDK一体化 コスモスイニシア「日暮里テラス」企画秀逸(2020/6/26)

 

カテゴリ: 2021年度

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「クレヴィア両国 国技館通り」

 伊藤忠都市開発・東京建物が5月下旬に販売する「クレヴィア両国 国技館通り」のモデルルームを見学した。坪単価は両国駅圏最高値の450万円になる模様だが、立地条件のよさ、設備仕様レベルの高さからして当然の単価だと思う。これまで1,200件弱の問い合わせがあるという。

 物件は、JR総武線両国駅から徒歩2分、墨田区両国2丁目の商業地域に位置する14階建て全77戸(事業協力者住戸9戸含む)。専有面積は25.63~67.39㎡。価格は未定だが、坪単価は450万円。竣工予定は2022年4月下旬。設計・監理はIAO竹田設計。施工は佐藤工業。販売代理は伊藤忠ハウジング。

 現地は、両国駅からすぐの国技館通りに面しており、由緒ある回向院へは徒歩2分のほか、芥川龍之介が通った通学区の両国小学校へは徒歩6分、隅田川は徒歩4分、駅の北側には国技館、旧安田庭園、江戸東京博物館、両国中学校、横綱町公園などがある。

 建物は内廊下方式で、住戸は2階以上。5階まではワンルームタイプや事業協力者住戸が中心で、9階以上は40~60㎡台の2LDKと3LDKで1フロア4~5戸構成。

 主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、ディスポーザー、食洗器、御影石キッチン天板など。最上階(14階)には、カウンター席「スカイビューラウンジ」と、リモートワークや読書、勉強などにも利用できる個室ブース「+HANARE Common」を設置しているのも特徴。

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エントランスアプローチ

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共用施設「HANARE」

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モデルルーム

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 坪単価を聞いたときはびっくりしたが、さもありなんと思った。こんなことを書くと錦糸町住民に怒られるかもしれないが、雑多な錦糸町と比較にならないほど両国駅圏は歴史・文化の香りがする。格が違う。国技館通り沿いの物件としては約10年ぶりの供給であり、昨年末からの反響が1,200件近くに上っているのもよくわかる。

 記者はもう20年くらい前か、物件の対面にある「ちゃんこ巴潟」で2度食事をしたことがある。相撲甚句を聞きながらおいしいちゃんこ鍋をつつき、酒を飲めるのは格別だ。平幕クラスでも一人5,000円くらいだったはずで、決して安くはないが、坪450万円を検討するユーザーだったら痛くもかゆくもないはずだ。

 とはいえ、下町だから1億円を超えるニーズは多くないと見た。伊藤忠都市開発もその辺をよく弁えているのか、1億円超はそんなに多くないはずだ。

 単身者向けの「nanoni」にはトール型収納+全身ミラー、高機能シャワー、スクエア型キッチン+食器棚、ディスプレイウォール+床暖房、可動パーティション(半透明ガラス)などを採用しているのもいい。

 モデルルームがある「有楽町イトシア」の伊藤忠都市開発の常設販売ギャラリーは必見だ。買わない買います買えば買え…記者のような貧乏人は足がすくむかもしれないが、どんな人にもお菓子やコーヒーくらいは振舞ってもらえるはずだ。モデルルームで使用されていた食器類はDEDAR(デダール)製。目が飛び出るほど高価ではないが、安物でもないはずだ。

 これはついで。売主は伊藤忠都市開発と東京建物。メインは伊藤忠都市開発だが、この両者はいま分譲中の東建がメインの「聖蹟桜ヶ丘」もそうだが、これまで「有明」「磯子」「上野池之端」「上野」…よっぽど仲がいいんだろう。仲を裂く勇気のあるデベロッパーはいないのか。こんなことを書くから取材の声がかからなくなるのか…それでも記者は書く。

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スクエア型キッチン(これはスグレモノ)

これは凄い ホテルなら5つ星 伊藤忠都市 「ギャラリークレヴィア有楽町イトシア」(2020/9/10)

 


 

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「イニシア築地レジデンス」

 今年1月に竣工し、3月末から入居も始まったコスモスイニシア(事業比率60%)・大和ハウス工業(同40%)の「イニシア築地レジデンス」82戸を見学した。

 分譲開始の一昨年秋の段階では、この物件を含め6物件463戸が同じエリアで激突するもと思われたが、ワールドレジデンシャル「レジデンシャル築地」40戸と大成有楽不動産「オーベルアーバンツ銀座築地」55戸が分譲直前で1棟売りされたのか戦線を離脱したため、結局4物件368戸となった。今回の物件も竣工を前に売れ行きが加速し、未分譲6戸を含め残りは16戸。

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モデルルーム

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 物件概要、その他設備仕様などは一昨年書いた記事を参照していただきたい。水準以上であるのは間違いない。

 完成した建物を見てとてもいいと思ったのは、白と淡いグレーのカラーリングと突板フローリングだった。最近の床はほとんどシート張りになってしまったので余計に際立つ。

 価格が7,000万円台~7,500万円台の53~54㎡の住戸プランでは、間口を7100ミリ確保したCタイプの間取りがよくできており、他のAタイプは子ども部屋にもリビングにもなる間取り可変式提案がいい。

 上層階2層の専有面積が74~75㎡の1億円以上の住戸4戸(未分譲1戸含む)が残っているが、これをどう売るかだろう。

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ラグビーW杯級の大激戦・築地 イニシアは突板、全居室床暖、SOHO…で差別化(2019/10/30)

カテゴリ: 2021年度

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完成した洋光台南第一住宅管理組合管理事務棟

 築50年の全39棟696戸の中層マンションからなる洋光台南第一住宅管理組合は4月12日、管理事務棟開所式を行った。耐震性に問題のある40mを超える給水塔・集会所を取り壊し、新たに約448㎡の木造コミュニティ施設としたもので、この日は建築に関わった関係者同士で話し合い、その模様をメディアにも公開した。

 施設は、JR根岸線洋光台駅から徒歩3分(団地入口)、横浜市磯子区洋光台5丁目に位置する一団地敷地面積約81,561㎡に位置する建築面積約538㎡、地上1階建て延床面積約444㎡。最高高さは6.5m、木造45分準耐火構造。設計監理はスタジオ・クハラ・ヤギ+ team Timberize。施工はナイス。工事期間は2020年9月~2021年3月。総工費は解体費用を含め約6.5億円。

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関係者で記念写真

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 事前準備がいかに大事であるかを思い知らされた取材であった。

 この施設については昨年12月15日、木と住まい研究協会が主催(共催:スタジオ・クハラ・ヤギ、NPO法人team Timberize、ナイス)して工事中の構造見学会を行っている。記者は、新型コロナが猛威を振るっているときでもあり取材を見送った。

 そして今回の4月12日は、東京都にまん延防止等重点措置が取られた初日。出掛けるとき「小池さんが東京から出ないでと言っているわよ」などとかみさんから嫌みな一発を喰らい、1時間30分も掛けて見学取材した。

 現地に着き、建物の素晴らしさはすぐ理解できた。ところが、配布された資料は式次第のみで、施設の概要、経緯などは全然記載されていなかった。

 管理組合の方の司会に始まり、コンサル会社の都市環境研究所(2人)-給水塔の解体を担当したトライテック-施設設計者のスタジオ・クハラ・ヤギ-施工担当のナイス(3人)-施設を管理する神奈川保健事業者-団地を管理する日本総合住生活(2人)-居住者代表の村瀬安弘氏-管理組合理事長・古山伸一氏がリレー方式で1時間近くにわたりそれぞれコメントした。総計13人だ。

 予備知識が全くなく、難聴がひどくなり、マスク越しも加わってよく聞こえず、プロジェクターに映し出される文字もろくに読めない記者は面食らった。必死にメモを取った。

 全部は紹介しきれないが、発言者順に要点だけを以下に紹介する。間違っていたらごめんなさいと謝るほかない。

 都市環境研究所は、横浜市の団地再生事業により2016年から同団地の再生事業に関わってきた。最初にマイク(バトン)を握った同研究所・大野整氏は「(とてもそんなには見えなかったが)わたしはリレーのアンカーだった」と笑わし、「4街区全体のリビングのような楽しい空間が完成した。管理組合、自治会がぶれずにワンチームになれたのが成功の秘訣。次の50年先の素敵な場所になるようこれからもサポートしていく」と、また同所・實方理佐氏は「サンドベージュの壁と木の壁による明るい空間が誕生した。胸がわくわくしている」とそれぞれ語った。

 トライテック・加藤琢磨氏は「給水塔は高さが40m以上あり、基礎部分も広範囲に及んでおり工事は難航したが、安全・安心を最優先しスピーディに工事を完了することができた」と話した。

 スタジオ・クハラ・ヤギ代表取締役・久原裕氏は「施設はわたしの娘、分身のようなもの。施設引き渡しは嫁にやるようなもの。それまではスリッパだったのに、引き渡し時はみんな土足で上がったのに複雑な思いがした」と、記者をどきりとさせるフレーズでもって切り出し、「自由な使い方ができる、ここにしかない外観も内観も理にかなった唯一無二の木造準耐火建築物になったはず。しかし、全体を100とすれば建物の完成は30から40%。余白を残すように設計した。これからみなさんで使いこなし育てていただきたい」と述べた。

 ナイスのプロジェクトリーダー・遠藤雅宏氏は「わたしの誕生日は団地の入居が始まった昭和46年3月30日のちょうど1年前の昭和45年の1月15日。無事に工事が完了し、感謝、感謝」などと感謝を連発し、横浜市が推進する公共建築物の木質化を先導する事業であることも強調した。

 同社の営業担当・会田利知氏は「700世帯の熱い思いが込められている。表も裏も外も内も木。誇りに思っている」と喜びを表した。

 さらに同社の工事担当・平田裕治氏は「(設計の)高いハードルを越えようと燃えた。コロナ禍でも問題なく工事は完了した。小さい女の子が建物を見て〝やばい〟と歓声を上げた。新しい息吹が吹き込まれた」と作業着姿で語った。

 マンションを管理する日本総合住生活・高階徹氏と中村陽人氏は、この種の先進的な管理事務所は他に例がなく気が引き締まる思いがするなどと話した。

 昭和64年の入居開始時から住んでいる90歳の村瀬氏は「入居開始の2年目から組合役員をやっており、通算25年間役員をやってきた。従前の集会所は使いづらく、自治会館をつるのが夢だった。やっと住民の力が結実した」と感慨深げに語った。

 管理組合理事長の古山氏は「素敵な素晴らしい建物が完成した。3つのグループに感謝したい。一つは組合員、二つ目は理事の皆さん、三つ目はこれから先のすべての関係者」と締めくくった。

 同団地の規約では、理事長は立候補方式をとっており、任期は8年。73歳の古山氏は今年6月の総会で8年務めた理事長の職を退く。

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内観

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内観(サッシは木製)

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開所式

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 開所式を取材せず、プレスリリースを引き写すだけだったら高々444㎡の木造準耐火建築物ではないかとやり過ごしたかもしれないが、必死で取材した結果、切り口によってはいかようにも仕上げられる素晴らしいプロジェクトであることが分かった。

 一つひとつ紹介はしないが、例えば合意形成。築50年の696戸もある組合員をよくぞ結集させたものだ。案件は過半数でいい普通決議ではなく4分の3以上の賛成が必要な特別決議だが、2018年2月18日に行われた臨時総会では反対者は9人/696人(賛成率98.7%)しかいなかったそうだ。理事長(理事もか)が立候補方式というのも面白い。

 住宅の質も高い。記者が観た範囲では全て5階建てでエレベーターはなかったが、古山氏によると専有面積はもっとも多いのが南面3室の78㎡で、次が66㎡、それと60㎡だという。駅から3分で南面3室は価値がある。URは50年も前にこんな住宅を建設した。この価値に欠けていたコミュニティを創出したのは大きな意味を持つ。

 建物そのものも素晴らしい。木と住まい研究協会が作成したA3で4枚にわたる資料を見たが、出入り口は9か所もある。延べ床面積が444㎡の平屋建て集会所などどこにもないはずだ。フリースペースが中心なので、どのような使い方も可能だ。

 ギザギザの連続折れ屋根とやわらかな木の浮き屋根を組み合わせたデザインも面白く、かつ、屋根形状はルームの天井高(最大6m超)にもなっており、各ルームはつながっているようにも区切られているようにも見える。

 ベイマツの太い構造通し柱や、国産材のヒノキの燃えしろ設計による集成材柱、多摩産材のスギの羽目板も美しい。久原氏は「山小屋のような全て木にはしたくなかった」と語ったように、左官や塗装の外壁(サイディング下地)を組み合わせた外観も斬新だ。

 このほか、床を二重構造にし、二重床内に設置された空気式フィルムダクトシステムを通じて床から温風・ 冷風を送風する空調方式を採用しているのもいい。

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洋光台南第一住宅

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洋光台南第一住宅

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コロナのリスクは全くなく、喫煙も可能な隣接公園での記者の昼食(近くのスーパーで買ったおにぎり1個、神奈川県産のトマト、缶ビールで合計650円くらい)
 

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「ザ・パークハウス 自由が丘ディアナガーデン」

 三菱地所レジデンスとモリモトは4月9日、両社のJVマンション「ザ・パークハウス 自由が丘ディアナガーデン」に三菱地所レジデンスが実施している生物多様性保全の取り組み「BIO NET INITIATIVE」(ビオネット・イニシアチブ)を導入し、大規模緑化や既存樹木の保存などを実施すると発表した。

 物件は、東急東横線・大井町線自由が丘駅から徒歩9分、目黒区自由が丘3丁目の第一種低層住居専用地域の南傾斜地に位置する敷地面積約3,619㎡の地上3階地下1階建て全44戸(販売対象外11戸含む)。専有面積は74.72~175.46㎡。竣工予定は2022年6月下旬。設計・施工は東急建設。

 目黒区自由が丘アドレスの新規分譲マンションで敷地面積1,000 坪以上の物件は1993年以降では初で、敷地はイヌ・オオカミ研究の第一人者として知られる故・平岩米吉氏の「白日荘」と呼ばれたお屋敷跡地であることから、従前の植物や在来種を保全、敷地の25%を緑地化し、生物多様性に貢献する面積29%超を確保するほか、公益財団法人日本自然保護協会と連携し、着工前の環境調査(家屋・植生・生態系を対象)を実施し、東京都区部で絶滅危惧II類にも指定されている希少種「ウマノスズクサ」などを保存する。「ウマノスズクサ」を食草とする「ジャコウアゲハ」や、「ハギ」を食草とする「キタキチョウ」などの飛来が期待できるという。

 さらに、敷地の南側には最大390㎡以上の「ひとかたまりの緑地」を確保。「アラカシ」「スダジイ」「シラカシ」など260本(区基準の約2倍)、低木は「ムラサキシキブ」「アセビ」「ドウダンツツジ」など3,900株以上(都基準の約23倍)を植樹する。ABINC認証も取得済み。

 建物は、自由が丘初の「ヴィンテージマンション」を目指し、外観は水平ラインを意識した木調軒天仕上げの大庇や、一枚ずつ丁寧に窯で焼かれ、緑にあふれた環境に馴染むアースカラーの外壁タイルなどを採用。平均専有面積100㎡超。大型車も格納可能な地下循環パズル式機械式駐車場32区画を確保する。

 三菱地所レジデンスの「ザ・パークハウス」では、2015年2月以降、原則として全ての物件で「ビオネット・イニシアチブ」を導入している。

 日本自然保護協会 自然のちから推進部部長・岩橋大悟氏は、「『ビオネット・イニシアチブ』のアクションによる生物多様性の保全にとどまらず、計画地の植生・生態系を対象とした環境調査を事前に行ない、一部の既存樹木や絶滅危惧種にも配慮した取り組みにつなげることができたことは、価値のある大きな一歩だと思います。また、販売にあたっても生物多様性の保全や持続可能な地域づくりにつながるツールを積極的に取り入れたことも大切な取り組みです」とコメントしている。

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 この物件については、見学取材を申し込もうと思っていたが、両社は4月22日(木)、オンラインモデルルーム内覧会を行うのでこれ以上書かないが、自由が丘の1低層の地価公示は坪370万円くらいだと思う。今回の敷地は1,000坪以上で、1戸当たり土地持ち分は単純計算で約22坪。これに建物価格を足すといくらになるか。おおよその見当が立つ。記者の単価予想は的中するはずだ。

 三菱地所レジデンスの1低層のマンションは「ザ・パークハウス代々木上原」を見学している。モリモトの「ディアナガーデン」もたくさん見学している。両社のJVは2011年の「上目黒」以来2度目。

保護実践、教育普及、子ども・学生3部門構成もいい 「日本自然保護大賞2021」視聴(2021/3/13)

駅4分の1低層 息をのむほど美しいサペリの建具 三菱地所レジ「代々木上原」(2018/12/14)

モリモトが三菱地所レジデンスとJVが組める意味 「ザ・パークハウス 上目黒 ピアース」(2011/5/25)

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「ライオンズ岐阜プレ ミストタワー35」

 大京と大和ハウス工業は4月10日、岐阜県最大全335戸の官民一体の複合タワーマンション「ライオンズ岐阜プレ ミストタワー35」のマンションギャラリーをオープンする。

 物件は、名鉄名古屋本線・各務原線名鉄岐阜駅から徒歩11分(JR岐阜駅から徒歩13分)、岐阜県岐阜市徹明通二丁目に位置する35階建て全335戸(非分譲36戸含む)。専有面積は46.90~156.32㎡、竣工予定は2023年2月。施工は戸田建設。

 建物は、柳ケ瀬エリアのランドマークとして中心市街地活性化の実現を目指す高島屋南地区第一種市街地再開発事業(柳ケ瀬グラッスル35)の一環として建築中のもので、高さ約130m、制振構造を採用。1、2 階は商業施設、3、4階は岐阜市が整備する公益的施設となり、分譲マンションは5階以上。

 東・北側の上層階からは眼前に金華山を眺めることができ、西・南側は隣接建物がなく濃尾平野、名古屋方面見渡すことができる。間取りは1LDK、2LDK、3LDK、4LDK の全62タイプ。最上階35階には、スカイビューテラスを備えた100㎡超のトップグレード住戸を6 戸設けている。

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 このマンションのメディア向け見学会が4月7日に行われた。岐阜県は記者の故郷・三重県に隣接しているのだが、一度も訪れたことはなく、取材したかったのだが、コロナが心配で申し込まなかった。

 昨日(8日)の「NAGOYA the TOWER」見学の後にモデルルームを見せてもらえないか頼んだが駄目だった。

 デベロッパー各社にお願いだ。地方で見学会を行うときは、各社で話し合って2件、3件取材できるようにしていただきたい。そうすれば首都圏からの見学者も増えるのではないか。

「岐阜」を取材した方から聞いたのだが、坪単価は200万円台の前半だとか。県都・岐阜市の一等地でこの単価とは…複雑な気持ちだ。

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「NAGOYA the TOWER」

 総合地所は4月8日、同社をはじめとする名鉄不動産、京阪電鉄不動産、大和ハウス工業、三交不動産、住友商事の6社JVマンション「NAGOYA the TOWER」のモデルルームプレス向け内覧会を行った。名古屋駅から徒歩13分の名古屋駅圏最高層の42階建て全435戸で、「職住近接」「都心居住」のニーズに応える名古屋のランドマークを目指す。坪単価も〝どえりゃあ高い〟約400万円になる模様だ。内覧会には予定を上回る35人が参加した。

 物件は、JR名古屋駅から徒歩13分(名古屋駅ミヤコ地下街4番出入口から徒歩8分)、名古屋市中村区名駅南二丁目の敷地面積約5,898㎡、42階建て全435 戸。7月に分譲予定の第1期100戸の専有面積は54.25~135.45㎡、価格は未定だが坪単価は400万円になる模様。設計・施工は長谷工コーポレーション。竣工予定は2023年4月。デザイン監修は光井純&アソシエーツ建築設計事務所。販売代理は長谷工アーベスト。事業比率は非公表。

 現地は、長谷工コーポレーションが2018年、パナソニックから取得した全15,000㎡の敷地の一角に建設するもの。名駅南地区まちづくり協議会が発足してから約10年、再開発プロジェクトの第一弾となる。名古屋駅から徒歩圏で、広大な敷地と過去4棟しかない40階建て以上のタワーマンションとなることから、〝日本に誇れる名古屋のランドマーク〟を目指す。ABINC認証も取得している。

 建物は制震構造で、主な基本性能・設備仕様は、無勾配排水工法「サイホン排水システム」、ガス発電システム、ロボット掃除、地下駐車場、専用エレベーター、100㎡のラウンジ、二重床・二重天井、リビング天井高2.5~3.0m、ディスポーザー、Low-Eガラス、コーナーサッシなど。

 100㎡以上が98戸で、30階以上は顧客の要望に応えるフリープランとする予定。20~30戸ある35~50㎡プランは、投資用として不動産会社などに一括で分譲する可能性が高いそうだ。

 これまで1,500件を超える反響を集め、300組の来場があるという。

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空撮

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スカイラウンジ

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フラワーガーデン

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 記者は名古屋弁をまねて単刀直入に坪単価について質問した。「同じ名古屋駅から徒歩12分の三菱地所レジデンスは坪270万円げな。こっちはそれと比べるとどえりゃあ高いと聞いている。どれくらいするんか、教えてちょう」と。これに対して、総合地所名古屋支店部長・有本光男氏は坪単価400万円であることを明らかにした。

 記者は名古屋駅圏の将来性を考慮すれば、坪400万円は決して高くなく、三菱地所レジデンス、三菱商事都市開発、野村不動産の3社JV「ザ・パークハウス 名古屋」462戸の坪270万円が安すぎるから高く映るのだと思う。

 その影響も聞いたが、コンセプトが異なるためかほとんど競合はしていないという。地所レジのマンションはモデルルームを観ていないので何とも言えないが、仕様レベルも異なるようだ。

 3つのモデルルームのうちプレミアム住戸の150㎡タイプは鈴木ふじゑ氏がコーディネートしたもので間違いなく億ション仕様だ。価格はオプションを含めて4.5億円超というのも納得する。

 それより注目したいのが67㎡のタイプだ。ほぼ正方形で間口は8.5m以上あり、廊下幅もメーターモジュールを採用している。価格は7,000万円台に抑えられるというから人気になりそうだ。

 気になるのは、全体敷地約1.5haのうち今回のマンションの敷地を除く1ha近くの敷地の用途が未定ということだ。何になるのかユーザーも気になるのではないか。

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現地

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67㎡のモデルルーム

67㎡のプラン  H-8タイプ図面.pdf

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 コロナを避けるため、昼食は堀川沿いの公園で摂ることにした。スーパーで東京クラフトビール(これが実においしい)とハーフの白ワインを買い、三重県産とあったミニトマト(10個入りで550円だったか)と、これまた三重県産のミカンを自宅用に買った。

 記者は毎日のようにトマトを食べるが、このミニトマトは最高においしい。OSMICが生産しているもので、三交不動産も提携企業になっている。三重が誇れるトマトだと思う。記者ならこのミニトマトをモデルルーム来場者に配る。間違いなく販促につながるはずだ。

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堀川沿いのミニ公園(ここで食事)

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堀川

三菱地所レジ他 名古屋駅圏の複合「ノリタケの森地区」第1期200戸に2.1倍登録(2020/11/13)

総合地所など6社 名古屋駅徒歩圏で42階建てタワーマンション441戸着工(2020/8/17)

 

 

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完成予想図

 野村不動産と阪急阪神不動産は4月5日、JR総武線平井駅から徒歩2分の再開発「平井五丁目駅前地区第一種 市街地再開発事業」の新築工事を2021年3月23日に着工したと発表した。参加組合員として事業に参画しているもので、竣工は2024年度内を予定。

 事業は、JR平井駅北口駅前広場に面した約0.7haの規模で、本再開発組合は2014年12月に再開発準備組合が設立され、2017年9月に都市計画決定、2018年11月に再開発組合の設立認可を受けていた。計画では、計画地の北西側に広場を設けるとともに、大規模災害時にも対応できる防災設備を設置し、都市型住宅の供給、地域拠点としての街づくりを進める。施工は前田建設工業。

 建物は地上29階建て。1・2階は商業施設、3階は子育て支援施設(認可保育園)、5階以上に約370戸のマンションを配置する。

 マンションは、免震構造、長期優良住宅の認定(一部住戸除く)を取得し、分譲戸数はファミリータイプ(3LDK)中心に約270戸(地権者住戸除く)を予定。3階共用部には多様化するライフスタイルに合わせたライブラリーラウンジ、個別ワークスペースなどを導入する。2022年度中に販売を開始する。

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「平井」は好きな街だ。ただ、プレス・リリースからすると、マンションは「亀戸」のように「床快full(ゆかいふる)」とZEHを採用しないようだ。なので、予想単価は350万円から340万円に下方修正した。そんなに安くないか。

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共用部分ライブラリー


 

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4月1日写す

 記者の今春の最大の注目物件の一つ、東京建物・東栄住宅・京王電鉄・伊藤忠都市開発4社JVのZEH-M Oriented免震タワーマンション「ブリリアタワー聖蹟桜ヶ丘ブルーミングレジデンス」の第1期170戸の登録申し込みが4月3日から始まった。物件ホームページによると総来場数が延1,200組を突破したようだ。

 物件は、京王線聖蹟桜ヶ丘駅から徒歩4分、多摩市関戸一丁目の第二種住居地域(建ぺい率90%、容積率452%)に位置する敷地面積約8,556㎡、33階建て全520戸。第1期(170戸)の専有面積は54.93~124.14㎡、価格は3,998万~12,598万円(最多価格帯5,000万円台)。登録受付は4月3日~4月12日。抽選日は4月12日。竣工予定は2022年9月中旬。設計・施工は三井住友建設。デザイン監修は光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所。

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 取材をしていないので何とも言えないが、坪単価はずいぶん安いという印象を受ける。価格帯からして坪300万円には届かないようだ。駅周辺には生活利便施設が整っており、京王線初の免震でZEH、散歩に最適の多摩川がすぐそば…などを考慮すると、この値段は安い。

 聖蹟桜ヶ丘駅も含め、どうも京王線は他の沿線と比べ〝割り負け〟していると思わざるを得ない。新宿から15分の調布駅圏でも坪300万円台の中盤から後半が相場だ。小田急線には圧倒的に負けるし、北千住にも勝てない。

 記者は、多摩センターの住民だが、かつて、聖蹟桜ヶ丘駅の一駅先の百草園に住んでいたとき、聖蹟桜ヶ丘駅前の「ザ・スクエア」の中古や戸建ての購入も検討したことがある。交通利便性より子育て環境を重視したので多摩センターのマンションを選んだ。当時、調布は中古でも坪500万円を突破していた。

◇      ◆     ◇

 爛漫の春だ。聖蹟桜ヶ丘ではないが、わが多摩センターの「春」を写真で紹介する。多摩市に住むとこんな風景が日常にある。

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「旧富澤家」として多摩中央公園で公開されている江戸時代の名主富澤家の居宅

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多摩グリーンライブセンター(右はボレロ)

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ヤマブキ(左)とシャガ

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竹林と公園トイレ

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カモと遊歩道

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わが家の専用庭

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