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「イニシアテラス代々木上原」

 コスモスイニシアが分譲中の「イニシアテラス代々木上原」を見学した。代々木上原駅から徒歩6分、渋谷区元代々木の第一種低層住居専用地域のヒルトップに位置する全16戸で、昨年末から分譲されており7戸が商談中。順調な売れ行きを見せている。

 物件は、小田急線・千代田線代々木上原駅から徒歩6分(小田急線代々木八幡駅からり徒歩8分、京王線幡ヶ谷駅から徒歩12分)、渋谷区元代々木町の第一種低層住居専用地域に位置する地上3階地下1階建て16戸。現在分譲中の住戸(2戸)の価格は9,380万円・9,480万円、専有面積66.54㎡・68.80㎡。坪単価は500万円前後。建物は2020年10月に竣工済み。施工は大木建設。

 現地は、低層のマンションや戸建てが建ち並ぶ住宅街の一角。道路を挟んだ対面は代々木西原公園、代々木中学校。その先の渋谷区代々木スポーツセンターなどに近接。敷地はカナダ大使館のレジデンス跡地。

 昨年末から分譲を開始しており、資料請求約1,400件、来場約170件を集めている。

 住戸プランは全てメゾネットで、階段の下のスペース(約5.3畳大)を趣味空間や収納スペースとして利用できる「ステアホール」、ライフスタイルによって間取りを変更できる「可動クロゼット」や「スライドウォール」、スカイテラスを含めてトリプレット利用も可能な住戸(6戸)も提案しているのが特徴。

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モデルルーム

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可動棚

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「ステアホール」

◇       ◆     ◇

 同社は、メゾネット・タウンハウス型をこれまで「ザ・ロアハウス(THE ROW HOUSE)」として展開してきたが、昨年7月、新築分譲住宅とリノベーション事業を「INITIA (イニシア)」へ統合し、「ザ・ロアハウス」は「イニシア テラス(INITIA TERRACE)」に変更、今回の物件は変更後の第一弾。

 コンセプト・ターゲットが異なるので何とも言えないが、現地は、3年前、坪単価647万円の高額ながら人気になった三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス代々木上原」(47戸)や、現在分譲中の残り1戸(2億4,800万円、専有面積114.75㎡)の野村不動産「プラウド元代々木町」(19戸)に近接。住環境は申し分ない。

 専有面積圧縮型ではあるかプランはよく考慮されている。プライベートテラスやバルコニー、屋上テラスをテレワークスペースとして利用できるのではないか。

 RC造による都市型タウンハウスは、2007年に破綻したセボンが積極的に分譲しヒットした。いまでもメゾネット・トリプレットのニーズは根強いものがある。

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バルコニー

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エントランス

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近くで咲いていた梅(左)とスイセン

駅4分の1低層 息をのむほど美しいサペリの建具 三菱地所レジ「代々木上原」(2018/12/14)

コスモスイニシア タウンハウス「吉祥寺」好調/「字か小さい!」「あんたがアホ」(2019/3/18)

敷地の難点を逆手に取る手法ヒット コスモスイニシア「ザ・ロアハウス杉並高井戸」(2014/4/18)

コスモスイニシア タウンハウス「代々木初台」見学会(2013/7/31)

カテゴリ: 2020年度

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「パークタワー勝どきミッド/サウス」

 三井不動産レジデンシャル、鹿島建設、清水建設の3社は2月9日、勝どき駅直結の分譲マンション「パークタワー勝どきミッド/サウス」全2,786戸のうち第1期1次・2次333戸全戸に申し込みが入ったと発表した。

 第1期1次(237戸)の来場総数は約1,900組で、登録申し込み期間は2020年11月20日~2020年11月28日、登録申し込み総数は約650件、最高27倍、平均約2.7倍。価格は7,260万~3億3,980万円、専有面積は55.80~153.05㎡。

 第1期2次(96戸)の来場総数は約270組で、登録申し込み期間は2021年1月29日~2021年1月31日、登録申し込み総数は約310件、最高14倍、平均約3.2倍。価格は8,750万~2億3,310万円、専有面積は70.37~122.86㎡。

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コワーキングスペース

◇       ◆     ◇

 三井不動産レジデンシャルは同時に、「パークタワー勝どきミッド」第1期1次契約者(n=166)を対象にしたアンケート調査結果をまとめ発表した。

 これによると、契約者の94%が、成約の理由として「勝どき駅直結」と回答したほか、「商業施設の利便性(28.9%)」、「三井不動産レジデンシャル、鹿島建設、清水建設の信頼性(27.1%)」が続いている。

 契約世帯で働いている人のうち5割以上が引き続きリモートワークを実施するとしており、新型コロナウイルス感染拡大以前には契約者全体で合計9.0%だった「専有部内の書斎部屋等のワークスペース有無」、「共用施設内のワークスペースの有無」が、コロナ禍では合計30.1%に上昇していることも明らかになった。

 契約世帯の約2世帯に1世帯の割合で子どもがおり、商業併設の利便性が成約理由になっている。

 このほか、約8割がコワーキングスペースを始めとしたワークスペースを利用したいと回答。パーソナルユースに対応した共有設備に関しても約7割が利用したいと回答した。

三井不レジ・鹿島・清水「パークタワー勝どき」第1期1次は237戸 坪単価425万円(2020/11/18)

 


 

カテゴリ: 2020年度

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「ルピアシェリール三郷中央」(写真は現地以外すべて同社・塚本氏提供)

 ポラスグループ中央住宅が分譲中のコンパクトマンション「ルピアシェリール三郷中央」を見学した。三郷中央駅から徒歩4分の全57戸で、坪単価約280万円(同駅圏最高値のはず)ながらこれまで20戸を成約するなど好調なスタートを切った。きめ細かなプラン提案が評価されているようだ。

 物件は、つくばエクスプレス三郷中央駅から徒歩4分、三郷市中央三丁目の第1種住居地域に位置する12階建て全57戸。2月下旬に販売予定の第3期(戸数未定)の専有面積は32.03~38.41㎡、予定価格は2,400万円台~3,400万円台(最多価格帯3,000万円台)。坪単価は約280万円。竣工予定は2021年10月中旬。駐車場は平置き18台。施工は川村工営。販売代理は長谷工アーベスト。

 昨年12月から分譲を開始しており、これまでに20戸を成約している。

 現地は、敷地南側、東側、北側に接道。つくばエクスプレス線路に近接しているが、商業エリアから外れているので嫌悪施設や日照を疎外する建物などは周辺にない。

 住戸プランは全戸南向きで、1フロア5戸構成。すべて30㎡台だが、間口はコンパクトにしては広い4.3~4.8m確保されている。

 主な基本性能・設備仕様は二重床・二重天井、リビング天井高2400ミリ、備え付け食器棚、シューズインクローク(SC)換気窓、浴室窓(全住戸の約8割)、キッチンかくれんBOX、リモートワーク用「イコイノ」(Aタイプメニュープラン)、ホスクリーン、埋め込み引手、アーチウォール(一部のみ)、ソフトクローズ機能付き引き戸、どこでもスピーカー、玄関鏡など。

 同社マインドスクェア事業部マンションDv営業企画課・塚本雅美氏は、「三郷中央駅圏ではファミリータイプに次いで2棟目で、コンパクトマンションは3棟目です。コンパクトマンションでは初めてシューズインクロークに換気窓を設置したほか玄関鏡、キッチン食器棚、アーチウォール、どこでもスピーカーなどを設置し、リモートワーク用に約2帖台の『イコイノ』を提案するなど、より進化した設備仕様としたのが特徴です。来場者は30代から50代の女性が中心ですが、地縁のない方が多い。毎月約30組の来場がありますので、想定を上回る人気」と話している。

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モデルルーム

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リモートワーク用「イコイノ」

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「イコイノ」壁面収納フック

◇       ◆     ◇

 記者は三郷中央駅が開業した2005年から毎年10回くらい乗り降りしている。荒川の河川敷で行われるRBA野球の取材のためだ。戸建てやマンションの取材も結構してきた。戸建てはポラスが他社を圧倒している。これまで600棟くらい供給しているというから、マンション・戸建ての供給量ではポラスがナンバーワンではないか。マンションは、かつて人気になったマンションは駅前の大京「ザ・ライオンズ三郷中央」424戸などいくつかはあるが、苦戦する物件のほうがはるかに多い。

 なぜか。これまでの物件の坪単価は200万円以下で、価格の安いのは魅力なのだが、駅前の生活利便施設が貧弱(失礼)なのが難点だ。タバコが吸える飲食店は一つもないはずだ。

 なので、同社がコンパクトを分譲すると昨年聞いたときは、コンパクトなので単価は安くなるはずもなく苦戦は必至だとみていた。

 ところがどうだ。坪単価約280万円(これは想定内)で分譲開始約2カ月半で20戸を成約し、しかも毎月約30件の来場があるというではないか。予想は大外れだ。

 予想を外した理由は考えられなくもない。地縁のある人よりない人の方が多いということがすべてを物語っている。もともとコンパクトは、どこからお客さんが来場するか読めない部分がある。この物件はその典型例だ。

 東京駅へ30分圏内という利便性、価格の安さ(都内のコンパクトは軒並み坪400万円以上になりつつある)、広さを求める顧客ニーズを記者はうっかりしていたということだ。

 これだけではない。プランのよさだ。全住戸のシューズインクローク(SC)に換気窓と、8割の住戸の浴室に窓を設けたマンションなどファミリータイプも含めて記者は数えるほどしか知らない。コンパクトで5面、6面の採光・換気窓付きなどまずありえないプランだ。

 まだある。「イコイノ」だ。壁面にレール付きの棚が設置されており、いろいろな小物などが置けるようになっていた。セレクトメニューだが、これをオプションで設置しようとすれば50万円はするのではないか。これまでリモートワーク用のスペースはかなり見てきたが、コスト・機能性はどこにも負けないはずだ。

 このほか、塚本氏は浴室で音楽が聴けるどこでもスピーカーや電動歯ブラシが充電でき収納できる三面鏡をアピールしたが、これはよく分からない。評価を留保する。記者は風呂が好きではなく、入る前からとにかく早く出ることだけをいつも考えている。浴槽に入る習慣は冬場以外なく、浴槽に入ると眠ってしまい叩き起こされるまで気が付かない。記者にとってはスピーカーは無用の長物だ。電動歯ブラシも使ったことは一度もない。そんなにいいものか。

 以上、くだくだと書いてきたが、コンパクトに注力しているデベロッパーの皆さんもこの物件のプランは参考になるはず。

 ついでに問題提起を一つ。2021年の税制改正でローン控除対象を「50㎡以上」から「40㎡以上」に緩和したのはいいのだが、これは税の公平性から言って不公平だ。業界はなぜ40㎡で満足するのか、単身女性も男性もどうして立ち上がらないのか。記者はずっと前から居住用であれば30㎡に引き下げるべきだと主張してきた。Don’t Be Silent!

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シューズインクローク換気窓(左)とキッチン窓

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電動歯ブラシ置きスペース

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現地

ポラス中央住宅 コンパクトマンション「南浦和」 順調な売れ行き(2020/10/16)

驚異の6年間で500棟販売 ポラスグループ中央住宅 三郷中央駅圏の分譲戸建て(2019/9/28)

申込殺到も 大京「ザ・ライオンズ三郷中央」(2010/11/18)

カテゴリ: 2020年度

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三井不動産グラフ.png

 三井不動産の2021年3月期第3四半期決算は増収減益となったが、分譲セグメントでは、海外住宅を含む投資家向けの売上高が前年同期比3倍増の2,769億円となり、分譲住宅の2,495億円を上回った。通期でも投資向けが初めて(※)分譲を上回る可能性が強まった。

◇       ◆     ◇

 別表・グラフに過去14年度の同社の分譲住宅と投資向け物件の売上高推移を示した。分譲住宅は多少の変動はあるが、市場構造の変化を受け減少傾向にあるが、投資向けはここ数年増加傾向にある。2020年3月期は分譲住宅の2,686億円に対して、投資向けは2,554億円と132億円差に迫っている。

 そして今期第3四半期決算では海外物件や、賃貸オフィス、物量、賃貸マンションなど投資向けが分譲を上回った。残り3か月でどうなるかは不明だが、分譲住宅の計上予定の進捗率は97%に達しており、通期でも投資向け物件の売り上げが分譲住宅を初めて上回ることがほぼ確定した。

 ※2007年3月期以前の決算数字は調べていないが、バブル期も含めて分譲住宅が投資向けより低かったというのはまずありえない

◇      ◆     ◇

 記者は、最近のマンション市場は新型コロナの影響を受け供給量が激減し、低迷しているかのように伝えられているのは、表層的な一面でしかないと思っている。約6万戸の住宅着工戸数の半分しか供給されていないはずはない。

 残りの約3万戸はどこにいったのかは謎だが、今回の三井不動産の決算発表でもわかるようにも、当初分譲予定の少なくない戸数が賃貸やリート市場などへ流れていると推測する。海外住宅も数値の変化に大きな影響を与えているはずだ。

 一方で、三井不動産の投資向け物件はどのようなものか、取得する機関投資家などは何を基準に取得しているのか、外資はどう動くのか、活況を呈す株式市場との関連はあるのかどうか、新型コロナとの関連はどうなのか、リスクも少なくない分譲の質は置き去りにされるのか…誰か解明してほしい。

三井不2021年3月期3Q 増収減益 投資家向け分譲が前年同期比3倍増の2,769億円(2021/2/5)

首都圏マンション28年ぶり3万戸割れ それでも市場は低調ではない その逆だ(2021/1/31)


 

カテゴリ: 2020年度

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「グランドメゾン センター北フロント」

 積水ハウスが分譲中の「グランドメゾン センター北フロント」を見学した。先月1月16日に全45戸を一挙供給したところ、45件に登録が入り36戸に申し込みが入るなど好調なスタートを切った。首都圏では同社初のZEHに加え、駅から徒歩4分、全戸南向き、全戸70㎡以上という商品企画が評価された。レベルの高いマンションだ。

 物件は、横浜市ブルーラインセンター北駅から徒歩4分、横浜市都筑区中川中央1丁目の商業地域(建ぺい率100%、容積率600%)に位置する11階建て全45戸。専有面積は現在販売中の住戸(8戸)の専有面積は70.18~84.40㎡、価格は7,078万~8,298万円。坪単価は334万円。竣工予定は2021年12月中旬。設計・監理は宮川憲司建築事務所。施工は松尾工務店。

 現地は、オフィスやマンションなどが建ち並ぶ、建物の絶対高さが31メートルと定められている商業エリアの一角。東南西側に接道。敷地東側は2019年3月に竣工完売した野村不動産「プラウド港北センター北」(90戸)が隣接。

 建物は、内廊下方式で1フロア5戸構成。1・2階が店舗・共用施設。3階以上が住居。

 住戸プランは全戸70㎡以上、南向き、6.6メートル以上のワイドスパンが特徴。主な基本性能・設備仕様は、同社の首都圏初のZEHに加え、二重床・二重天井、リビング天井高2,470ミリ、ディスポーザー、食洗器、洗エールレンジフード、ミストサウナつきおそうじ浴槽、アラウーノトイレ、メーターモジュール廊下、Low-E複層ガラス(樹脂サッシ)、空気環境配慮「エアキス」、全戸トランクルームなど。

 販売センター店長で同社東京マンション事業部販売課の矢部達郎氏は、「私は2002年入社ですが、これまで担当した物件の初月契約率はだいたい3割くらいで、今回のように8割というのは初めて。来場者の6割の方は地元都筑区居住者で、他の方も地縁のある方が多い。持家の比率が25%と高いのが特徴。ZEHはもちろん、センター北で全戸南向き、駅から徒歩5分以内の物件は13年ぶり供給というのが評価されました」などと語った。

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モデルルーム

◇      ◆     ◇

 モデルルームを見学する前に現地を見た。現地の対面、道路を挟んだ南側に広大な空き地があった。商業地域であれば建物によっては日照・日影の影響を受けそうなので、坪単価は300万円をはるかに突破するが、坪350万円は難しいと予想した。

 矢部氏の話を聞いて納得した。矢部氏は「南側の空き地は横浜市が所有しており、文化センターと民間のオフィスビルが建設されることが決まっています。日影などの影響を受けそうなビルとの距離は20メートルあり、ビルは高さ規制に加え目線に配慮した計画になっていることをお客さんに話せたのが却ってよかった」とのことだった。マンションの質・設備仕様レベルを考えたら極めてレベルの高いマンションだ。同社は今後ZEHに力を入れていくとも聞いた。

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現地(背後が「プラウド港北センター北」)

◇       ◆     ◇

 入社20年という矢部氏からはこれまで担当した物件を聞いた。野村不動産などとのJV「若葉台」をはじめ「玉川上水」「東京テラス」「杉並シーズンズ」「東伏見」「千川」「千歳烏山」「神楽坂」「江古田」などだ。神奈川の物件を担当するのは初めてなので、即日完売した「大倉山」、抜群の住環境だった「東戸塚」「伊勢山」や、都内でも人気になった「白金台」「品川シーサイド」は経験しておらず、名古屋に異動したときも「御園座」「覚王山」も経験していないのだそうだ。

 記者は、矢部氏が担当した物件をほとんど見学している。担当しなかった物件もここに一挙再録する。(「大倉山」は見学しようと思ったら、その前に売れてしまっていた)みんな素晴らしかった。

 矢部さん、ものは考えようだ。室・設備仕様レベルの退化は目を覆うばかりで、〝価格ありき〟の物件が幅を利かしているいま、そのような〝売りやすい〟物件を担当するのもいいかもしれないが、販売に多少苦労しても、住宅の質・設備仕様レベルを向上・維持し、購入した人に〝買ってよかった〟と満足してもらえる物件を供給し続けるのが〝経年美化を〟掲げる御社の使命だと思う。それが従業員満足度にもつながる。記事は一般の方も少しは読まれると思う(「伊勢山」はアクセス数が1万件をはるかに突破した)ので、ブランド価値向上に貢献できていると思う。

 緊急事態宣言下でもあるにもかかわらず、取材をセットしていただいた同社広報にも感謝する。

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オプションの隠せるキッチン収納(値段は250万円とか)

植栽が見事「東京テラス」「玉川上水グランドメゾン」(2006/5/31)

積水「グランドメゾン杉並」で見た売主の〝良心〟(2006/9/1)

景観美に圧倒される積水ハウス他「グランドメゾン東戸塚」(2008/3/25)

億ションの歴史を変える積水ハウス「グランドメゾン伊勢山」(2011/5/13)

植栽が見事な積水ハウス「白金」タワーマンション(2013/8/30)

積水ハウス「グランドメゾン上原」坪単価480万円でも億ション人気(2014/5/19)

国分寺崖線の借景、「5本の樹計画」もいい 積水ハウス「グランドメゾン仙川」(2015/2/3)

積水ハウス サ高住と子育て賃貸共存型の「神楽坂」完成(2015/4/27)

呉越同舟効果「5本の樹計画」の本領発揮積水「品川シーサイド」1期207戸!(2017/3/24)

和の格式と伝統の継承を隈研吾氏監修の御園座タワー完成積水ハウス・御園座(2018/1/8)

積水ハウスわが国初全戸ZEH対応「グランドメゾン覚王山菊坂町」(2018/1/10)

緑の質量に圧倒エントランスに樹齢100年巨木「江古田の杜」街びらきに千数百人(2018/9/23)

稀有な駅近で大規模な1低層積水ハウス・清水総合開発「世田谷喜多見ザ・テラス」(2021/1/16)

カテゴリ: 2020年度

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【表・グラフの見方】着工戸数はA・青、このうち居住面積が40㎡以下がB・赤、供給戸数はc・緑で不動研調査による戸数。A-(b+c)は謎の数値

 昨年(2020年)の首都圏マンション供給量が激減したことを各紙が報じている。1月25日付の不動産流通研究所のWeb「R.E.port」は「首都圏マンションの新規供給戸数は2万7,228戸(前年比12.8%減)となり、1992年以来となる年間供給戸数3万戸割れとなった」と発信した。翌日、朝日新聞は「20年の発売戸数は、春の緊急事態宣言で販売を一時休止したことが響き、前年比12.8%減の2万7,228戸と、92年以来、28年ぶりに3万戸を下回った」と記事にした。

 双方とも不動産経済研究所(以下、不動研)のプレス・リリースをそのままコピペしたものだ。住宅新報も週刊住宅も2月1日発売号で同じような記事を発信するはずだ。(不動研のほかに工場市場研究所、東京カンテイも同様な調査を行っている)

 記者は、調査や記事に異論を挟むようなことはしたくないのだが、記事は半分当たっているかもしれないが、コロナ禍で市況が低迷しているかのように印象付けるのは明らかに間違いだと思うし、何よりも一般の人の誤解を招くのではないかと危惧するので、以下に「事実」を記す。

 別表とグラフを見ていただきたい。最近5年間の首都圏(一都三県)の分譲マンション着工戸数と、その戸数のうち居住面積が40㎡以下の戸数(非木造)、そして不動研が発表している年間の供給戸数を比較したものだ。

 これによると、不動研調べによる昨年の供給戸数は着工戸数の半数しかなく、この5年間の数値もほぼ同様だ。着工時期と供給時期はタイムラグがあるので一致はしないのだが、着工戸数の半分しか供給(成約)できなかったら、間違いなく事業は破綻する。それなのに、悲鳴などは聞こえてこない。

 なぜか。業界関係者ならお分かりだろう。不動研の調査対象は専有面積30㎡以下や投資用マンション、1棟売り、非分譲住戸などは含まれないはずだ。一方で、国交省の住宅着工戸数は確認申請の数字をそのままをデータ化したものだ。この溝を埋めない限り正確な分譲マンション市場を把握することはできない。

 双方の数値の違いに大きな影響を及ぼしているのが、ここ数年激増している単身・DINKS向けコンパクトマンションや投資家向けマンションだ。これらがいったいどれくらいの戸数に達するのか、どこも把握できていないはずだが、着工戸数と不動研の供給戸数の差からして年間1万数千戸に達するのではないかと推測できる。不動研は投資向けマンションの調査も行っているが、その数は6~7,000戸台だ。これでもまだ着工戸数に届かない。

 記者は、このほか賃貸への用途変更、リートへの売却、非分譲住戸(一般には分譲されないが「事業協力者住戸」などとして分譲される)なども数値を狂わしていると思う。「分譲マンション」市場はかつてないほど多様化している表れだ。

 この推測が当たっていれば、着工戸数と供給戸数の差は埋められる。それどころか、昨年4~6月はマンション販売の営業活動を自粛し、その後も来場を制限するなどして供給も抑制し、なおかつ価格を上げている(一方で室・設備仕様レベルの低下は甚だしいのに)ことなどを考慮すると、決して〝低迷〟などしていないことがわかる。むしろ逆ではないか。デベロッパー各社の直近の決算発表によると、マンション事業進捗率は信じられないほど好調だ。

 メディアには、表層的なデータばかりを見ていたら事実を見誤るといいたい。〝人のふんどし〟(下品でごめんなさい)で相撲を取ってはだめということだ。

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 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は1月22日、首都圏の2020年(2020年1~12月)の不動産流通市場の動向をまとめ発表した。

 中古マンションの成約件数は35,825件(前年比6.0%減)で2年ぶりに前年を下回った。

 成約物件の1㎡当たり単価は首都圏平均で55.17万円(前年比3.2%上昇)で、8年連続の上昇。この8年で44.5%上昇している。

 成約物件価格は3,599万円(前年比4.6%上昇)で、1㎡当たり単価と同様に8年連続で上昇。5,000万円超の各価格帯が成約件数、比率とも拡大している。

 成約物件の平均専有面積は65.24㎡(前年比1.3%拡大)と2年ぶりに拡大、平均築年数は21.99年(前年21.64年)で、経年化が進んでいる。

 中古戸建住宅の成約件数は13,348件(前年比2.4%増)と2年連続で前年を上回り、2016年(13,195件)以来4年ぶりに過去最高を更新している。

 成約物件価格は首都圏平均で3,110万円(前年比0.2%下落)と2年連続で前年を下回った。

 成約物件の平均土地面積は147.99㎡(前年比0.8%拡大)、建物面積は105.24㎡(同0.3%拡大)となっている。平均築年数は21.62年(前年21.38年)で、経年化が進んでいる。

 新築戸建住宅の成約件数は6,334件(前年比7.9%増)と、2年連続で前年を上回った。

 成約物件価格は首都圏平均で3,486万円(前年比0.7%下落)と、2年ぶりに前年を下回った。

 成約物件の土地面積は122.95㎡(前年比0.3%縮小)、建物面積は98.40㎡(同0.5%縮小)となっている。

 土地(100~200㎡)の成約件数は5,828件(前年比0.02%増)で、ほぼ横ばいながら前年を上回った。

 成約物件の1㎡当たり単価は首都圏平均で19.41万円(前年比2.8%下落)と、2年連続で前年を下回っている。

 成約物件価格は2,810万円(前年比3.0%下落)で、2年連続で前年を下回っている。


 

カテゴリ: 2020年度

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「プレミスト湘南辻堂」

 大和ハウス工業は1月22日、神奈川中央交通と長谷工コーポレーションと共同で開発を進めている神奈川県藤沢市の大型分譲マンション「プレミスト湘南辻堂」全街区が同日完成したと発表した。

 「プレミスト湘南辻堂」は、35 000㎡超の敷地に建設した総戸数914戸で、全16か所の多彩な共用施設を設けた湘南エリア最大級のマンション。2017年から分譲開始されている。

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◇       ◆     ◇

 この物件については、分譲開始時と第1街区が完成したときの記者見学会の模様を記事にしているので、こちらも参照していただきたい。

 一つだけ、プレス・リリースにもあるのだが、辻堂エリアがARUHI presentsの「本当に住みやすい街大賞2021」で3位にランクされたことについて触れておきたい。

 どこが「本当に住みやすい街大賞」として祭り上げるのは勝手だが、小生はどうして川口が2年連続でトップとなり、2位の大泉学園に次いで辻堂が3位になっているのか全然理解できない。どう読んでも根拠が希薄だ。

 川口は商住混在の雑多な街だ。マンション価格も駅近は坪300万円をはるかに突破する。大泉学園も、同じレベルの街なら100か所くらいあるのではないか。

 辻堂はどうか。〝海好き〟の記者は辻堂に限らず湘南の藤沢、茅ヶ崎、平塚、大磯…もいいと思うが、「住みやすいか」と問われても答えようがない。何をもって住みやすいか、それは人それぞれ〝住めば都〟だからだ。辻堂に住む人は、どうして川口や大泉学園に〝負ける〟のか理解できないのではないか。

 その一方で、「本当に住みやすい街大賞2021」のシニアランキングは1位が武蔵小山で、2位は南大沢、3位は平塚だ。これも根拠はまったく不明。少なくとも南大沢よりわが街・多摩センターのほうがはるかに住みやすいと思うし、平塚と辻堂はどちらのほうがシニア向けで上位か知りたいものだ。

 まあ、こんなことを書いてもARUHIの宣伝に加担するだけなのでこれくらいでやめる。

 辻堂のマンションについては、大京の「湘南 C-X」と関電不動産他の「シエリア湘南辻堂」の記事などを添付するので参照していただきたい。

 大和ハウス工業の大規模マンションでは「プレミスト船橋塚田」が素晴らしいので、こちらも記事を添付する。

実質10か月で300戸超の驚異的売れ行き 大和ハウス「プレミスト船橋塚田」(2020/10/20)

川口元郷-現地-川口 徒歩30分 街路樹は1本もなし 「本当に住みやすい街大賞」? (2020/2/25)

植栽計画がいい シニア層はもっと増やせるはず 大和ハウス「湘南辻堂」A敷地竣工(2019/3/20)

業界初の体力測定装置に狂喜 大和ハウス「プレミスト湘南辻堂」 同社は販売に自信(2017/9/11)

首都圏第1弾「シエリア湘南辻堂」第1~3期1次199戸が登録完売 関電不動産開発(2016/11/8)

大京「ライオンズ一条レジデンス 湘南C-X」1期100戸が即日完売 買い換え・買い増し58%!(2011/11/21)

人気必至 積和不・東建・陽栄「辻堂ザ・テラス」(2011/11/15)

カテゴリ: 2020年度

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壁面レール収納(左)と壁面デスク

 大京は1月22日、壁面レール収納や壁面デスクなどテレワーク機能付きの間取りを導入した新築賃貸マンション「ライオンズフォーシア秋葉原イースト」「ライオンズフォーシア築地ステーション」の入居を2021年1月下旬から開始すると発表した。

 「ライオンズフォーシア秋葉原イースト」は、東京メトロ日比谷線秋葉原駅から徒歩6分に位置する全38戸。専用面積25.82~52.34(1K~2LDK)、賃料は127,000円~250,000円。5戸にオリジナルの壁面レール収納を導入した。

 「ライオンズフォーシア築地ステーション」は、東京メトロ日比谷線築地駅から徒歩2分の全37戸。専用面積は25.89~57.51㎡(1K~2LDK)、賃料は156,000円~305,000円。10戸に壁面収納をアレンジしたデスクを標準装備しも上部にはプリンターなどを置ける2段の棚収納を設けている。

 壁面レール収納は、壁面に設置したレールにカウンターデスク、棚板、ハンガー棚を自由に組み合わせてワークスペースを作ることができる。

 壁面デスクは、幅86センチ、奥行き58センチ、高さ70センチ。部屋の畳数を損なわず、限られたスペースで集中できる環境づくりを目指している。上部に設けた棚板は高さを変更でき、プリンターや書類などデスク周りのものを収納可能。

 同社はまた、昨年5月に実施した一都三県(一部エリアを除く)の新築マンション購入予定者935人を対象としたアンケート調査結果によると、約8割が在宅勤務を実施しており、「ワークスペースがほしい」「生活と仕事の空間を分けたい」などの声が寄せられたとしている。

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◇       ◆     ◇

 壁面レール収納も壁面デスクもいい提案だ。それほどコストもかからないだろうから分譲マンションにも採用できる。

 アンケートで「ワークスペースがほしい」と答えた人が多かったのも当然だろう。この種のアンケート結果は出尽くした観があるが、総合住宅展示場ハウジングステージのアンケート調査では、「コロナ禍で今後の住まいや暮らしに欲しくなったもの」の男性1位は「自分専用の個室や間仕切りされたスペース」の52.6%で、女性1位は「遊べる広い庭・屋上・バルコニー」の52.2%となっている。戸建て志向の人は当然だろう。

 記者が注目しているのは、三井不動産レジデンシャルが行った「三井のすまいLOOP会員(n=6,169)」と「三井不動産レジデンシャル販売物件資料請求者・来場者(n=1,343)」を対象とした「アフターコロナのすまいやくらしに関する意識調査」の結果だ。

 この結果については「パークタワー勝どき」の記事でも書いたのだが、もう一度紹介する。

 アンケートによると、回答者(うち約70%が共働き世帯)の73.2%がテレワーク(出社/在宅の併用を含む)を経験したと答え、75.1%が収束後には「オフィスとテレワーク」の併用を希望。

 また、テレワークを経験した人に対して「今後のテレワーク場所の意向」を調査したところ、自宅内の「書斎」「自分の部屋」のニーズが高く、在宅勤務経験者の55.1%は「自宅・オフィス以外」のテレワークも希望していることが分かった。

 さらに、共働き比率の高い住宅検討層にとってもっとも譲れないのは「生活利便性の高さ」(68.5%)、「住環境が良いこと」(54.9%)が高い数値を示した。

 コロナ前後の住宅希望エリアの変化(2020年3月以前からの住宅検討者:n=1,590)を聞いたところ、「都心エリア希望で変わらず」は57.4%、「郊外エリア希望で変わらず」は16.5%、「都心エリア⇒郊外エリア希望に変化」は7.5%、「郊外エリア⇒都心エリア希望に変化」は1.3%だった。

 つまり、戸建て派であろうとマンション派であろうと、自宅内の「書斎」「自分の部屋」を希望している人が極めて多いという結果が出た。

 地価・建築費の高止まりで、デベロッパー各社はマンションの価格を抑制するためにダウンサイジングに懸命だが、専有面積の圧縮は当然居住性の低下につながる。現状の2LDKや3LDKにもう一部屋増やすのは容易ではない。

◇       ◆     ◇

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コモリワーク

 この難しい問題の解決のために各社は取り組んでおり、今回の大京もその一つだ。これまで記事にしたテレワークなどに対応した具体例を添付する。

 記者が〝スグレモノ〟だと思ったのは、コスモスイニシアのリコーと共同開発した「コモリワーク」だ。これは、「エド・コモン西早稲田」(東西線早稲田駅から徒歩13分)をリノベーションした1室(専有面積約67㎡)に採用したもので、床から1段30cm×3段=90cmの部分に1.2×2.0mのスペースを設けている。腰掛けることも寝転ぶこともできるので仕事や趣味室として最適だ。その下部は収納などに利用できる。

 大和地所レジデンス「ヴェレーナグラン赤羽北フロント」の提案もよかった。最上階8戸のリビング天井高3,050ミリとし、スキップフロアを採用。下段には約21畳大の床下収納を設置していた。収納部分の高さは740ミリなので仕事場にはならないだろうが、その上段部分は天井高が十分確保できる。

 この「コモリワーク」と「赤羽北フロント」をかけ合わせれば素敵なプランが完成する。

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「ヴェレーナグラン赤羽北フロント」モデルルーム(このスキップフロアの下部が床下収納)

 もう一つ、東急不動産のコクヨと共同開発したインテリアオプションにも注目している。「ブランズシティ世田谷中町」と「ブランズ浦和別所沼公園」に導入したもので、写真のように収納や家具の一部にワークスペースを組み込み、居住性を損なわずインテリア性の高いワークスペース空間を提案している。収納の一部に化すのに抵抗を感じる人もいるだろうが、ユーザーはどのような反応を示しているのだろうか。

 このほか、伊藤忠都市開発「クレヴィア小杉御殿町」の「離れ」、積水ハウス・清水総合開発「世田谷喜多見ザ・テラス」のメゾネットも時宜を得たプランだ。

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東急不動産の提案

稀有な駅近で大規模な1低層 積水ハウス・清水総合開発「世田谷喜多見ザ・テラス」(2021/1/16)

東急リバブル 検温機能付き顔認証システム 賃貸マンションに導入(2020/12/21)

三井不レジ・鹿島・清水「パークタワー勝どき」第1期1次は237戸 坪単価425万円(2020/11/18)

6か所に「ボイド」 専有・共用に9室の「離れ」付き 伊藤忠都市「小杉御殿町」(2020/10/28)

天晴れ!大和地所レジ 仕入れの妙 商品企画にも生かす「赤羽北フロント」(2020/9/9)

大和ハウス工業 テレワークを想定した空間 戸建て用に提案開始(2020/6/1)

野村不 多様なニーズに対応する「DOMA-STYLE」×「つながROOM」開発(2020/8/1)

東急不動産 在宅テレワークに対応したインテリアオプション マンションに導入(2020/7/15)

「Doma(土間)」とLDK一体化 コスモスイニシア「日暮里テラス」企画秀逸(2020/6/26)

Afterコロナ先取り ポラス「東京5LDK@練馬光が丘」テレワーク想定した企画ヒット(2020/6/19)

コスモスイニシアとリコー共創 住空間×働き方テーマに新提案 リノベに採用(2020/4/3)

三井不レジ家の中まで宅配物を届ける「ナカ配サービス」第一弾は「月島二丁目」(2020/1/23)

不在時の受け取り・受け渡し可能 トランクルームサービス 「日暮里」に採用 野村不(2019/12/7)

ダウンサイジング流行りにぴったり 三菱地所〝部屋の中の小屋〟「箱の間」発売(2019/8/27)

穴吹工務店 日本初のマンション入館&宅配ボックス顔認証システム導入(2017/10/4)

 


 

カテゴリ: 2020年度

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「世田谷喜多見ザ・テラス」

 積水ハウス(事業比率80%)と清水総合開発(同20%)の「世田谷喜多見ザ・テラス」を見学した。小田急線喜多見駅から徒歩3分の全134戸で、積水ハウスの〝5本の樹〟計画を採用し、光と風を取り込んだプランが優れている。昨年末から第1期58戸が販売開始されており、現在約40戸が成約済み。50歳以上の購入比率が4割を超えているのが特徴だ。

 物件は、小田急電鉄小田原線喜多見駅から徒歩3分、世田谷区喜多見9丁目の第一種低層住居専用地域に位置する敷地面積約6,300㎡、地上5階地下1階建て全134戸。専有面積は59.10~88.89㎡、現在分譲中の住戸(9戸)の価格は6,498万~8,798万円(61.90~84.64㎡)、坪単価は375万円。竣工予定は2022年1月中旬。設計・監理はINA新建築研究所。施工は東急建設。

 現地は社宅跡地で、三方に接道。用途地域は西側道路に面した敷地の一部は第一種中高層住居専用地域だが、ほとんどが第一種低層住居専用地域。

 建物は中庭を中央に配したロの字型で、三方に〝5本の樹〟計画による植栽を施し、住戸内に光と風を取り込むため吹き抜け(ボイド)を26か所に設置している。

 4階部分の住戸プランは、南向きが10戸、西向きが7戸、東向きが5戸、中庭に面した南向きが9戸。29戸が1・2階のメゾネットプラン。

 主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高は2450~2500ミリ、食洗器、ディスポーザー、御影石キッチン天板、メーターモジュール廊下幅など。共用施設としてコモン&ワークスペースを設置している。

 積水ハウス東京マンション事業部部長・伊藤啓一氏は、「駅近の1低層でこれほどの規模の用地は、世田谷区内では今後まず取得できないはずです。地元の人はよくご存じの土地で、いよいよ始まったかと待たれていた方がかなりいらっしゃる。50歳以上の購入比率が4割強というのも特徴です。プランにはワークスペースやこどもの遊びスペースを設けたメゾネットやユニバーサルデザイン、キッズデザインなども採用しています」などと語った。

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メゾネットタイプのテラス(奥行きは最大6m)

◇       ◆     ◇

 住戸内に光と風を取り込む吹き抜け(ボイド)をこれほどたくさん設けたマンションを久々に見た。昭和50年代後半から60年代にかけて各社が競って採用したが、最近はめったにお目にかかれなくなった。建築コストを抑えるためだ。

 メゾネットタイプが多いのも特徴の一つだ。コロナ禍で在宅勤務用の個室を求めるユーザーが激増しており、このプランはぴったりか。

 価格について。ここが成城学園アドレスだったら坪単価は600万円でも安いと思うが、喜多見のこの場所でこの計画であれば決して高くない。トータルとしての質は間違いなく高い。これを訴えきれるかどうか。

 記者は同社のマンションを結構見学しているので驚きはしないのだが、メーターモジュールの廊下幅、プッシュプル・壁面セットバックドア、指詰めストッパードアなどユニバーサルデザイン、キッズデザインをふんだんに盛り込んでいることを強調しておきたい。竣工したら〝5本の樹〟計画や出隅入隅を多用した外観は存在感を示すはずだ。

 参考までに、積水ハウス「グランドメゾン狛江」と「グランドメゾン江古田の杜」の記事を添付する。これも伊藤氏から説明を受けた物件だ。

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中庭

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現地

緑の質量に圧倒 エントランスに樹齢100年巨木「江古田の杜」街びらきに千数百人(2018/9/23)

里山を見るような見事な植栽 積水ハウス「グランドメゾン狛江」竣工(2013?9/12)

カテゴリ: 2020年度
 

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