積水ハウス 2019年度の戸建てZEH比率87% 2020年度目標の80%超える
積水ハウスは4月10日、同社の2019年度の新築⼾建住宅におけるZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の⽐率が87%となり、2020年度当社⽬標の80%を前倒しで達成したと発表した。
2013 年から供給を開始した同社ZEH「グリーンファースト ゼロ」の累積普及棟数は51,793 棟(2020年3 ⽉末現在)で、集合住宅でも2019年度に58棟のZEH-M、447⼾のZEH住⼾を供給し、累計103棟691⼾となった。
これらのZEH によるCO2 排出削減効果は、合計で約71万t-CO2となった。
政府は第5次エネルギー基本計画で「2020 年までにハウスメーカー等が新築する注⽂⼾建住宅の半数以上でZEHの実現を⽬指す」としている。
BELS★5つ獲得 多目的コミュニティ施設も整備 全160区画のリスト「ノココタウン」
リストが分譲中の「リストガーデンノココタウン」を見学した。2017年7月に分譲開始された全160区画の大規模住宅地で、全棟BELS★5つを獲得している。
物件は、JR東海道本線・横須賀線・湘南新宿ライン・横浜市営地下鉄ブルーライン戸塚駅からバス15分徒歩3~4分、横浜市戸塚区深谷町宇笹山の第ニ種中高層住居専用地域(A工区=建ぺい率60%・容積率150%)・第一種住居地域(B工区=建ぺい率60%・容積率200%)に位置する全160棟。現在分譲中の住棟(13棟)の土地面積は88.45~119.08㎡、建物面積は90.50~100.14㎡、価格は3,080万円~3,980万円。太陽光発電システムを搭載。建物は完成済み。構造は木造2階建て枠組壁工法(2×6)。月額管理費は3,500円。
現地は、日産自動車などの部品を製造している高田工業の工場跡地。分譲開始は2017年7月からで、現在までに100戸弱が竣工し、それらの8割以上が販売済。全棟BELS★5つを獲得。
居住者のコミュニティの拠点となる延べ床面積約162.5㎡の多目的スペース「ノココハウス」を整備。子育てサポートや横浜薬科大学による健康に関する出張講座などを行っているほか、住民主催の食事会やDIY工房として利用されている。
「ノココハウス」の隣接地には、住民に貸し出し、自由に使用可能な個人農園と、農園運営者が管理し作物を育てる共同農園の2種類を用意。共同農園で採れた野菜を使って料理を作る収穫イベントも定期的に行っている。
同社は、「購入者は地元中心の20~30歳代の子育てミレニアル世代が中心だが、年齢の高い層や広域からの購入も少なくない。コミュニティ形成に力を入れていることが評価されている」としている。
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記者は8年前、戸塚駅からバス便の日産自動車の野球場だった全127区画の大規模住宅地「リストガーデン ダイヤモンドパーク」を取材している。
今回の「ノココタウン」は「ダイヤモンドパーク」より規模も大きく、駅からの距離もあるが、価格はマンションよりはるかに安い。徒歩圏のマンションなら坪200万円以下はあり得ず、駅近なら坪300万円近くなるはずだ。BELS★5つを獲得しているのも評価されているのではないか。
「ノココハウス」は一度に数十人くらいが利用出そうな広さを確保しており、農園の提案もいい。
「八潮市らしい街並み景観・分譲住宅認定」制度第一号 ポラス「八潮」認定授与式
令和元年9月に創設された埼玉県八潮市「八潮らいし街並み景観・分譲住宅認定制度」第一号にポラスグループ中央住宅「マインドスクェア八潮 やすらぎの家」が認定され、その認定書授与式が2月14日行われた。大山忍市長から同社代表取締役社長・品川典久氏に認定書が手交された。
認定制度は、地域に根ざした八潮らしい街並みづくりを推奨するために創設されたもので、対象となるのは、道路に面した3戸以上、1戸の敷地面積が100㎡以上、用途地域が市街化調整区域や商業系、工業系でないこと、認定を受ける前に着工しないこと、法令違反がないことの5つの条件を満たした分譲住宅。
認定基準は、6項目の必須要件と16項目の努力目標からなる。必須要件は、①道路に面した部分の外壁の一部に自然素材(木、漆喰など)又は木目調の外壁材を採用すること②外壁の位置を道路境界から1m以上後退すること③道路境界部は開放的な設えにすること④屋根の形状は道路に面して山型となるよう寄棟や切妻形などとすること⑤道路に面して屋外照明設備を1個設けること⑥通りから見える位置に中高木を1本以上配置すること。この6つの必須要件に適合すれば★一つが付与される。
努力目標は、家族・地域、街並み・みどりとのつながりつながるよう玄関にゆったりとした庇や軒下空間を設けたり、屋内外をつなぐ箇所に縁側やテラスを設置したりすることが求められている。
5項目以上に適合すれば★2つ、10項目以上であれば★3つが付与され、市のホームページなどで認定マークが公開される。
授与式で大山市長は、「50年、100年先を見据えたより景観を重視した住みやすいナンバーワンの街づくりを民間と連携して進めていく」と述べた。
品川社長は、「認定制度の第一号に認定されてとても嬉しい。市の考えと当社の分譲住宅の取り組み姿勢は合致している」と話した。
同社取締役・金児正治氏は、「必須要件を満たし、限られたスペースに努力目標を盛り込むのは容易でなかったが、明かり協定などこれまで実践してきた経緯もあり、地域のランドマークになる」と語った。
「マインドスクェア八潮 やすらぎの家」は、東武スカイツリーライン草加駅からバス11分徒歩2分(つくばエクスプレス八潮駅からバス9分徒歩3分)、八潮市大字伊草に位置する全11棟。敷地面積は100~122㎡、建物面積は93~97㎡、価格は2,900万円台~3,900万円台。建物は木造2階建て。2月15日から販売される。認定制度で★3つを獲得している。建物は未完成のため、同社としては初めてVR画像で完成後の街並みを表現している。
左から同社マインドスクェア事業部 企画設計課主任・玉越啓資氏、大山市長、品川氏、金児氏(八潮市役所で)
アプローチは「ウルトラマン商店街」「IDEA20」盛り込む 小田急不「祖師ヶ谷大蔵」
小田急不動産「リーフィア狛江イデアカーサ」に続いて、同社が1月中旬に分譲開始した「リーフィア祖師ヶ谷大蔵」を紹介する。駅から徒歩16分とややあるが、いま人気の「ウルトラマン商店街」を利用できることから、第1期12戸のうち6戸が成約済み。
物件は、小田急小田原線祖師ヶ谷大蔵駅から徒歩16分、世田谷区千歳台二丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)に位置する全21区画。現在、先着順で分譲中の7戸の土地面積は89.68~98.24㎡、建物面積は86.94~94.52㎡、価格は7,698万~9,098万円。建物は2×4工法2階建てで、12戸が竣工済み。施工は津田産業。販売代理は野村不動産アーバンネット。
現地は、駅から北に向かう通称「ウルトラマン商店街」を通って少し入ったまだ畑地も残る住宅地の一角。スーパーにも近接している。
ランドスケープデザイン・建物は、インターロッキング舗装、パッドレス、タイル、擬石、出隅入隅、チムニーを多用して重厚で都会的なデザインを演出しているのが特徴。
「東京ガス都市生活研究所」とコラボし、小田急グループのアンケートサイト「Ideaパレット」を活用して生み出された新発想空間「IDEA20」を商品企画に取り込んでいるのが特徴で、共働き子育てファミリー向けの子どもの自立を促す動線を考慮した〝エントランスクローク〟家事をしながら子どもの様子を見守る〝家族コーナー〟リビングとお庭をつなぐアウトドア空間〝タイル貼りテラス〟などを採用している。
同社住宅事業本部住宅販売部販売計画グループサブリーダー・角田卓近氏は、「開発道路はインターロッキング舗装とし、外観、意匠などの造りこみは〝世田谷〟物件であることを強く意識した。販売は順調」と話した。
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祖師ヶ谷大蔵駅圏3つの商店街を「ウルトラマン商店街」と呼ぶのだそうだ。記者は駅北側の商店街を20分以上かけて歩いて現地にたどり着いたが、南側にも同じような商店街があるので、総延長は2,500mくらいあるのではないか。日本一長い商店街は高松市の高松中央商店街の総延長2.7キロメートルだそうだが、「ウルトラマン商店街」も全国区クラスの長さではないか。道路幅は狭く自転車利用の人が多く、車は駅から北方向は一方通行だった。
魅力的な店もあった。「食パン日本一」や「1斤1,080円」(買おうと思ったら売り切れ)のパン屋さんに、「こどもおとな歯科」(逆だと大変)があり、わが多摩センターから姿を消した寿司屋さんも2、3軒あった。横道に入ると呑み屋も多いそうだ。
物件は駅からやや距離があっても、商店街を通っていけるので遠いとは感じないのかもしれない。
建ぺい40%、容積80%の邸宅跡地に21区画 売れ行き好調の小田急不「狛江」
「リーフィア狛江 イデアカーサ」(物件ホームページから)
小田急不動産が分譲中の戸建て「リーフィア狛江 イデアカーサ」と「リーフィア祖師ヶ谷大蔵」を見学した。まず「狛江」から。小田急線狛江駅から徒歩6分の全21戸で、昨年10月から分譲開始し、現在、15戸が成約済み。順調な売れ行きを見せている。
物件は、小田急小田原線狛江駅から徒歩6分、狛江市東和泉二丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率40%、容積率80%)に位置する全21戸。現在分譲中の住戸(6戸)の土地面積は125.28~125.33㎡、建物面積は88.16~94.36㎡、価格は6,488万~7,168万円。建物は2×4工法2階建て竣工済み。施工は小田急ハウジング。昨年10月から販売されており、これまでに15戸が成約済み。
現地は、イチョウ並木が美しい世田谷通りから一歩入った低層住宅街の一角。敷地約3,400㎡は個人住宅跡地。
用途規制が厳しい分、建物はゆったり建てられており、街区の随所にバットレスを配置し、建物はデザイン角柱や石積み、連窓・段窓、コーナーツリーを多用して外構デザインに力を入れているのが特徴。
プランは、キッチンサイドに多目的に利用できるワークスペースやDEN、家事動線に配慮した2ドア1ルーム、2階リビングダイニングなど、300件以上のワークショップで得られた声を反映している。主な基本性能・設備仕様は、リビング天井高2400ミリ、階段ステップ14段、Low-Eガラス、食洗機など。
鶴川出身で中大法学部卒の入社1年目の住宅事業本部住宅販売部・金子秀太朗氏(23)は、「準急停車駅からこれほど近く、建ぺい率40%、容積率80%の住宅地は他にまずない。他物件との競合もない。収納が多いのも評価されている」と話している。
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狛江市は記者の好きな街の一つだ。市域面積は東京都でもっとも小さく、全国的にも蕨市に次いで小さいが、建ぺい率40%、容積率80%の低層住宅街が多く、イチョウ、ヒマラヤスギなどの街路樹が美しい。駅前には素晴らしい「狛江弁財天池特別緑地保全地区」もある。
その割にはマンション、戸建ての相場は低い。世田谷区の物件より1,000万円くらい安いのではないか。参考までに積水ハウス「グランドメゾン狛江」の記事を添付する。
新人の金子さんはこの物件が初めての担当だそうだが、いい物件を担当された。鶴川出身なのに、同社が開発した昭和の記念碑的住宅地でもある全422区画の「Ascot Hill 森の丘」をご存じないのはやむを得ないが、昭和はもはや歴史か。同姓の金子一郎社長はご存じか。
里山を見るような見事な植栽 積水ハウス「グランドメゾン狛江」竣工(2013/9/12)
積水ハウス 新会社「積水ハウス ノイエ」営業開始 木造軸組み戸建て強化へ
積水ハウスは1月24日、木造軸組構法による戸建住宅の販売・設計・施工を行う新会社「積水ハウス ノイエ」の営業を2月1日から開始すると発表した。
積水ハウス ノイエは積水ハウスの100%出資会社で、積和建設17社のうち13社の新築木造住宅事業を再編、10カ所に営業所を新設する。
共働き子育て世帯である一次取得者層向けの坪単価55万円~(消費税抜き)というコストパフォーマンスを実現した「PARTAGE(パルタージュ)」の販売を強化するのが狙い。
樹脂サッシやLow-E複層ガラスで高気密・高断熱。ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に対応可能な「PARTAGE 寄棟モデル」も2月1日から販売開始する。
長谷工コーポ 建売住宅の老舗・細田工務店をTOB 子会社化 一抹の寂しさぬぐえず
長谷工コーポレーションが、創業70余年の建売住宅の老舗・細田工務店を株式の公開買い付け(TOB)により完全子会社化することが確実となった。TOBは12月22日から2月4日まで行うもので、一株130円。細田工務店がジャスダック市場に上場している全株を取得することを目的としており、すでに主要株主(約664万株、所有割合35.45%)とのTOBに応じる契約を締結済み。買い付け予定数の下限は約1,249万株(所有割合66.67%)で、上限は設定していない。
TOBを市場も好感したのか、株価もすぐに反応した。TOBが発表された翌日20日は前日の終値117円から45円高の162円の高値を付けた。出来高もそれまでの数万からせいぜい28万株だったのが680万株と激増した。25日現在は130円台前半で推移している。
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記者は、同社が木下工務店と肩を並べ首都圏の建売住宅市場をリードしていた頃から応援してきた〝老舗〟であるので、世の習いとはいえ一抹の寂しさを感じる。
最近は取材する機会が少なくなったが、十数年前のあれは高井戸だったか素晴らしい戸建てを見学したのを思い出すし、もちろん同社が施工した他社の戸建てもたくさん見てきている。
しかし、肝心の業績はバブル崩壊後ほぼ一貫して低空飛行が続いている。一方の木下工務店はどうかというと、バブル崩壊後の紆余曲折を経て、旧木下工務店社長の故・木下長志氏とは何の血縁関係もない木下直哉氏が木下グループの社長兼グループCEOを務め、フィギュアスケートなどの番組スポンサーとして頻繁に露出している。
かみさんが好きなために否応なく見せつけられるフィギュアスケートの、年寄りには目に毒の若くて美しいまるでフラミンゴかツルのような、息もつけないほどの目まぐるしい動きの背景に「木下工務店」がこれ見よがしに映し出されるたびに、あまりにも対照的に過ぎる細田工務店の苦境に思いは至り、滑っては転ぶどうひいき目に見ても〝老兵〟としか思えぬかみさんが好きな髙橋大輔さんと同社がダブり、万感胸に迫るものがある。
馬鹿なことをまた書いてしまったが、どうして低空飛行を余儀なくされたか。同社の事業は、常に価格下げ圧力・利益圧縮のバイアスがかかる建設事業(他社施工)と利益の最大化が求められる分譲事業(自社施工)の2つしかない。二輪車に近いビジネスモデルだ。
用地取得段階で他社と競り合い、勝っても負けても自社分譲と他社施工現場が同じ土俵で戦うことになる。売上高比率では分譲:建設は2:1くらいだろうが、施工戸数比率も供給エリアもほぼ同じだからだ。
これは担当者にとってはつらいはずだし、経営者だって同じだろう。取材する記者だってかわいそうと同情している。
リフォームは伸びてはいるが、注文住宅は年間100棟もなく、リフォーム、注文を合わせても売上高は建設や分譲に遠く及ばず、いわば三輪車として安定した走行(経営)を困難としていた。
さて、長谷工グループとしての同社はどうなるのか。間違いなく効果を発揮するのは、「マンション分譲用地取得及び開発後に残余している一部戸建向き用地を、これまでは他業者に転売していたところ、本取引実施後は、対象者に分譲事業用地として提供し、対象者の分譲事業のノウハウを活かし、単なる土地の転売ではなく分譲事業を展開することで、価値を付加した商品として顧客に提供ができる」(長谷工コーポ)ことだろう。
これによって、大規模案件でのマンションと戸建て・商業施設などとの複合開発が容易になる。また、マンションのリノベーション工事の内製化も可能になる。
だが、しかし、長谷工グループには戸建て分譲で豊富な実績を持つ総合地所がある。シナジー効果を発揮できるかどうかは不明としておく。これまでと同じように分譲と建設の二兎を追うのは難しいのではないか。
まだまだスケートのシーズンが続くかと思うと嫌になってくる。他にスポンサーはいないのか。長谷工はどうか。〝頑張れホソダ! 飛べホソダ!〟
約1000区画の「成田はなのき台」 細田工 分譲開始8年で約9割完売(2014/4/21)
ポラス・アキュラ・高砂建設 「第7回プラチナ大賞」優秀賞 さいたま市表敬訪問
左から3人目が品川氏、次いで清水市長、風間氏、前田氏の順(市長室で)
「第7回プラチナ大賞」優秀賞・新しい時代のまちづくり賞を受賞した「浦和美園E-FOREST(フォレスト)」を共同で分譲しているポラス中央住宅、アキュラホーム、高砂建設の3社は12月23日、さいたま市を表敬訪問し、清水勇人市長から表彰状を受け取ると共に意見交換を行った。
清水市長は、「(審査発表会場で)もう少し短く喋れば大賞があったかもしれない。とにかくたくさんしゃべりたいことがあった。このプロジェクトはASEAN(東南アジア諸国連合)からも注目されている。プロジェクトは次の3期で終了するが、今後は『美園』をモデルに横展開を進め、国内外にアピールしていきたい」と述べた。
中央住宅・品川典久社長は「今後、入居者の皆さんとワークショップなどを開催し、認知度を高め、第3期以降もできればやっていきたい」と意欲を見せ、アキュラホーム埼玉中央・前田和弘社長は「他社と一緒に取り組む機会は少ないが、継続してやりたい」と応え、高砂建設・風間健社長も「普段はライバルだが、いいところを出しあえるのがいい」と語った。
「浦和美園E-FOREST(フォレスト)」の第1期は33戸で、第2期は45戸。最終期となる第3期は52戸の予定で、分譲開始は再来年になる模様。
「プラチナ大賞」は、イノベーションによる新産業の創出や、アイデア溢れる地域課題を解決する「プラチナ社会」を目指す全国の取り組みを顕彰するもので、主催はプラチナ構想ネットワーク(小宮山宏会長)とプラチナ大賞審査委員会(吉川弘之委員長)。後援は総務省、経済産業省、全国知事会、全国市長会、全国町村会、特別区長会。
11月7日に行われた第7回の審査発表会では、50作の応募があり、大賞に2作、優秀賞11作が選ばれた。
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「浦和美園E-FOREST(フォレスト)」については添付した記事を参照していただきたい。清水市長は「しゃべりすぎた」と反省したが、それだけ内容が豊富だったのだろう。審査発表会での各団体のプレゼン資料をみたら、大賞を受賞した青森県・弘前市などは4.70MB、リクルート・有田市は3.18MBで、他は2.0MB前後がほとんどだったのに対し、清水市長は6.28MBと他を圧していた。過ぎたるは…か。
しかし、このプロジェクトは、いま首都圏で分譲されている戸建て住宅では間違いなくトップレベルだと思う。第3期以降も継続して取り組んで頂きたい。
ついでにひと言。主体は埼玉県住まいづくり協議会で、「公民+学連携のまちづくり」とあるのに、実態はごく限られた企業しか参加していないと感じざるを得ない。「学」もさっぱり見えてこない。せっかく「翔んで埼玉」が大ヒットしているのに、この機会を捉えない手はない。
他の首都圏自治体では、横浜市がSDGsでヘゲモニーを握ろうとしているし、柏市がスマートシティの取り組みで独走中だ。都市間競争で負けたら未来はない。
ポラス 「浦和美園E-フォレスト」第2弾好発進 わが国初のDGRによる電力融通実験も(2019/2/9)
どこにも負けない先進の街づくり「浦和美園E-フォレスト」竣工 街びらき(2017/3/27)
三井ホーム リビング天井高6mの4層住宅「SCALA(スカーラ)」販売
三井ホームは12月19日、ミレニアル世代を中心とする共働き家族を意識した新商品「SCALA(スカーラ)」を開発、2020 年1月3日(金)から販売開始すると発表した。
2階建てながらスキップフロアを採用することで、変化に富んだ4層のフロア構成としているのが特徴。天井高約6mのリビング「スキップリビング」を1.5 階に配置。1階のダイニング・キッチンや2階ホールの 「パノラマカウンター」ともゆるやかにつながることで、家族がそれぞれの場所で思い思いの生活を愉しみながら、常に家族の気配を感じることができる空間構成としている。“テレワーク”に対応したワークスペース、家事ラク空間「ファミリーランドリー」「ファミリークローク」も盛り込んでいる。
家中の温度をコントロールする全館空調システムも装備し、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準をクリアしている。
参考価格(消費税抜き)は、プロトプラン本体工事価格(延床面積35.45坪)で26,852,000 円(坪単価75.7万円)。販売目標棟数は100 棟/月。沖縄を除く全国で販売する。
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この種の商品は他のハウスメーカーもデベロッパーも販売しているが、天井高6mのリビングは見たことがない。9月に見たアキュラホームの「モラージュ菖蒲ハウジングステージ」のリビング天井高は約5660ミリだった。
多層住宅では、今年見た三菱地所ホーム「オークラランドホームギャラリー」は7層もあり、三井不動産レジデンシャルの「調布」の都市型戸建ては5層に見えたのを記憶している。ポラスの分譲でも分譲でもあったような気がする。
男性諸君!必読!ポラス 家事代行サービス付き分譲戸建て「育実の丘」好調
ポラスグループのポラスマイホームプラザは12月16日、家事代行サービス(全6回)付きの共働き世帯を対象にした分譲戸建て「育実(はぐくみ)の丘 サウスブロック」(全13棟)の見学会を行った。JR東大宮駅からバス7分徒歩7分の全13棟で、分譲開始1カ月半で7棟に申し込みが入るなど、順調なスタートを切った。
物件は、JR東大宮駅からバス7分徒歩7分、さいたま市見沼区春岡2丁目に位置する全13棟。土地面積は107.25~132.72㎡、建物面積92.74~103.21㎡、価格3,180万~4,280万円。建物は木造2階建て。モデルハウス2棟が完成済み。埼玉県子育て応援住宅認定を取得している。10月26日から販売を開始し、これまでに7棟が成約済み。
東京ガス都市生活研究所の「共働き世帯の生活者の意識と暮らし 家事行為の実態調査」をベースに、①家事動線などの設計②設備の採用基準の工夫③カジタクによる家事代行サービスの利用を組み合わせたもの。
2棟のモデルハウスのうちの1棟は、洗濯ものを干して乾かしてそのまま収納できるよう、2階の洗濯機を中心にバルコニー-室内物干しスカイクリーンスペース-ウォークスルークローゼットを配置している。
もう一つは、家族で料理を楽しめるよう大きめのU字型キッチンを中心に据え、その周りにダイニング-スタディコーナー-リビングを設置している。最先端のガスコンロ(リンナイ DELICIA)やスマホ連動の自動調理機能付き。
イオングループの家事代行サービス会社「カジタク」からは、「掃除代行」「料理代行」のどちらかを月1回2時間を6回利用できる。7回目以降利用の場合も特別割引が受けられる。代行サービスは、1日2時間で交通費、税込みで約9,000円。
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外観デザイン、外構がやや貧弱に見えたが、住戸内商品企画はよく工夫されていた。竣工完売できるのではないか。ポラスマイホームプラザは年間180棟の販売を目標に掲げていると聞いたが、確かな商品企画を提供しているからできることなのだろう。
最初の説明会で、「カジタク」の料理代行サービスの動画に10品目の料理が映し出されたときは、いくら大食い家族でも食べきれないし、毎日頼んだら間違いなく肥満児になり、家計が破綻するのは必至だと思った。
同社営業担当に確認したら、3~4日くらい日持ちする料理が中心とのことだった。1日に換算すれば3,000円程度だから、まあそんなものかと得心した。
今後、代行サービスを利用しようと考えている人に、妻が死亡したあとの1年くらい家事代行サービスを利用したことがある先輩の記者から一言。
得意なのはカレーライスとラーメンくらいしかなかった記者は、小1と小6の息子に夕食くらいは美味しいものを食べさせたいという理由から家事代行サービスを頼んだ。お試し期間は市からいくらか補助金もでた。
家政婦さんが若い人だったら〝俺の世話もしてもらおうか〟という邪心もなかったわけではないが、こちらに選択権はなかった。写真付きのリストなどない。やり取りは電話のみ。相手が提示する条件を全て飲むしかなかった。
最初にお願いした人は全く色気のない一回りくらい年上のおばさんだった。淡い期待は一瞬にして雲散霧消した。
落胆の気配を読み取られないようにこらえ、「多少出費がかさんでもいいですから、とにかく美味しい家庭料理を作ってください」とお願いし、財布には大枚を何枚も入れた。
この虚勢がいけなかったか。家政婦さんは貧乏サラリーマンの懐を忖度したのか、あるいはまた彼女自身の日常の反映なのか、肉は安い鶏か豚の特売小間切ればかりで、スーパーの店頭に並んでいる唐揚、おでんなどをそのまま温めたようなものも少なくなかった。ほとんど食べた形跡がない冷え切った料理ともいえぬ料理を呆然と眺め、そのまま何度ゴミ箱に捨てたことか。
以心伝心。小生から〝首〟を宣告はしなかったが、毎日やり取りするノートから察したのか、その人はいくらも経過しないうちにやめた。3人くらい交代したか。結局、みんな長続きがしなかった。言っとくが、記者は潔癖、手すら触ったことはないのに、記者の下着をきちんと3つ折りにしてくれたのは決して〝愛〟の発露ではないことを弁えておくべきだった。
そうなったらもう自分がやるしかない。覚悟を決めて調理を学んだ。カレーライスとラーメンは専門店よりうまいと自画自賛できるほど上達し、和食はもちろん中華、イタリアンもこなせるようになった。できなかったのはてんぷら・フライ、とんかつ、ギョーザ、酢豚などの手間のかかる類の料理くらいだった。リンゴの季節になると、毎週のようにアップルパイをつくった。罪滅ぼしにたまには100グラム2,000円のステーキを買い、マスクメロンをデザートにした。子どもは作文に「好きな食べ物はサーロインステーキ」と書いた。小生は小躍りした。
もちろん、家事労働は料理だけではない。洗濯、子どもの世話などに10時ころまでは忙殺される。掃除などはどうでもいいというより、手が回らなかった。
翌日の子どもの学校へ持っていくもののチェックも大変だ。小さな息子にナプキン(小生はどんなものか見たことがない)とかトイレを持たせよと言われるとパニックになる。皆さんは信じられないだろうが、慌てるとナフキンを〝ナプキン〟と、トレイを〝トイレ〟と読み間違える。
子どもを寝かしつけ、飲めるのはそれからだ。つまみはめざしやチーズかチョコ。だれも止める者がいないのを幸いにウィスキーを煽るように飲んだ。タバコを肺いっぱいに吸い込んでは吐き出し、カランコロンと氷をグラスの中で転がしながら飲むスコッチは格別だ(赤丸=マールボロにバーボンが最高にうまいと聞いたが、小生はショートホープだった)。いっぺんに糖尿病に罹った。
もういい加減やめる。男性の読者の皆さん、とにかく早く家に帰り、家事労働を手伝っていただきたい。あっ、間違った。家事労働は手伝うのではなく、夫と妻はそれぞれ半分受け持つ義務があるはず。企業も労働時間短縮に必死で取り組まないと家庭は破綻する。「1家族=1住宅」も危機に瀕している。もう手遅れか。
後悔先に立たず。小生はすべてにおいて〝愛〟が欠如していたと自覚している。だから〝記事はラブレター〟なのだが…。