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「ファインコート玉川学園前スカイプレミア」

 三井不動産レジデンシャルが近く分譲開始する都市型戸建て「ファインコート玉川学園前スカイプレミア」と「ファインコート町田旭町一丁目」を見学した。

 まずは前者から。物件は、小田急小田原線玉川学園前駅から徒歩5分、町田市玉川学園7丁目の第一種低層住居専用地域(建蔽率40%、容積率80%)に位置する全11区画。土地面積は125.20~136.07㎡、建物面積は98.70~108.01㎡、価格は5,000万円台の後半から7,000万円台の前半の予定。建物は平成28年4月に竣工済み。構造は木造2×4工法。施工はエステーホーム。分譲は7月下旬の予定。

 現地は、駅から物件入り口まで比高差にして約20m、さらにヒルトップまで2~3層くらいある高台立地。この坂と高台であることを生かし、敷地を37坪以上にし、建物はお互いが見合いしないように配置、全体として開放感のある配棟計画にしているのが特徴。電動シャッター車庫付きとビューバルコニー付き住戸が各3戸。

 住戸プランは、「はぐくみプラン」を採用。外構にはハーブなどエディブルガーデンを設置、キッチンサイドの和室は置き畳式とすることで子どもの遊び場など多目的に使用できるようにしており、リビングin階段、フリーウォールを採用。

 同社地域開発事業部営業室主査・朝日奈隆氏は、「敷地は元個人のお宅。高級住宅街として知られている玉川学園の駅近では、当社も含めて供給がほとんどなく、しかも文教地区の高台立地。このような物件を待ち望んでいらっしゃった方を中心にかなり広域からの反響がある」と話している。

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玄関周りの植栽

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 マンションにすれば7~8層に当たる坂は気になるところではあるが、もともと玉川学園は坂の多い住宅地だし、これほど駅に近い分譲戸建てを見たことはない。ビューバルコニー付き住戸からは玉川大学のキャンパスが望める。

 外構が豊かなのは〝ファインコート〟の特徴でもあるが、感心したのは擁壁付きの住戸にハーブや低木を植えた植栽ゾーンを設けていることだ。まずこのような工夫・配慮は他のデベロッパーはあまりやらない。コンクリートの擁壁がむき出しになっている建物が多い。

 建物デザインは、フランク・ロイド・ライトに代表されるプレーリースタイルを採用。スリット窓を連続させたり、水平ラインを強調したモールディング、幅広の縦窓柱などを多用したりしているのが特徴。

 人気になるのは必至と見た。

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擁壁周りの植栽(左奥が電動シャッター付き車庫

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モデルハウスからの眺め(奥に見えるのが玉川大学の建物)

 

 

カテゴリ: 2016年度

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「デュオアベニュー東府中」

 フージャースアベニューが分譲中の一戸建て「デュオアベニュー東府中」を見学した。東府中駅からだと急な坂があり、周辺環境にやや難はあるが、ランドスケープデザインが優れており、一戸当たり敷地面積が120㎡以上のゆったりしたプランも優れている。

 物件は、京王線東府中駅から徒歩11分、または多磨霊園駅から徒歩9分、府中市是政一丁目に位置する全22区画。現在分譲中の住戸(6戸)の敷地面積は120.09~124.43㎡、建物面積は95.48~98.53㎡、価格は4,998万~5,998万円。構造は木造・2階建て(2×4工法)。施工はエステーホーム。竣工は平成28年2月・3月竣工済、8月下旬予定。

 現地は、東府中駅からだと住宅地を抜けて瀧神社を過ぎるあたりからかなり急な坂を下った戸建て・アパートが建ち並ぶ住宅街の一角。自転車だと車道と同じくらい広い舗道が整備されている道を抜けて10分くらいか。府中競馬場も徒歩圏。

 全22棟がゆったりと配置されており、駐車スペースを2台対応型にしたり、3戸分を1カ所に設けたりするなど街並みを整備しているのが特徴。

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 ランドスケープデザインと建物デザインが優れており、これまで同社が分譲してきた物件と比べても引けを取らない出来栄えだ。

 難点は、アクセスと周辺環境だ。アクセスは瀧神社から新小金井街道へ降りる坂はかなりきつい。多磨霊園からだと坂はなだらかで、東郷寺や隣接する是政第2公園の緑もあり、通勤・通学はこちらのほうが便利かもしれない。

 周辺の住環境は、新旧の戸建てやアパートが混在しており良好とは言えない。同社の街並みが際立っているのだが、却って周辺環境がプアなのを浮きだたせているのでこれは評価が難しい。

 価格はかなり割安感があると思う。野村不動産の駅前の再開発マンションなら10数坪の値段だ。アクセス・周辺環境の難点を克服できるかどうか。記者も悩んでしまう。

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カテゴリ: 2016年度

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「デュオアベニュー調布つつじヶ丘」

 フージャースホールディングスグループの戸建て分譲を展開しているフージャースアベニューの「デュオアベニュー調布つつじヶ丘」を見学した。つつじヶ丘駅圏では最近ほとんど供給がないと思われるフラットで、駅に近い希少性から人気になりそうだ。

 物件は、京王線つつじヶ丘駅から徒歩6分、調布市東つつじケ丘二丁目の第一種低層住居専用地域に位置する全12棟。土地面積は118.07~121.02㎡、建物面積は93.13~96.78㎡、予定価格は6,700万円台~8,000万円台。入居予定は平成28年7月中旬、9月中旬。構造は木造・2階建て(2×4工法)。施工はイトーピアホーム。販売は5月下旬。

 現地は、戸建て住宅が建ち並ぶ閑静な住宅街。武者小路実篤記念館まで徒歩5分。敷地は駐車場として使われていた空き地。

 建物は「オーセンティック」「エレガントシック」「ステイトリーシック」の3種。全体として付梁、付桁、窓柱、ボーダータイルなどを多用して重厚感を演出しているのが特徴。

 全グループ社員235名のうち女性社員が約40%という同社らしい「女性ものづくりチーム」が考え出した小物置き付ペーパーホルダーや奥行き13センチのLIXIL製のランドリー収納が標準装備。

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小物置き付ペーパーホルダー

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 同社の平成28年3月期の戸建て・アパートの売上高は7,635百万円で、売上戸数は183戸・2棟。全体の売上高35,943百万円の21.2%を占める。数年前まではほとんどゼロに近かったことからすればものすごい伸びだ。

 戸数183戸も大手デベロッパーの2強、三井不動産レジデンシャル、野村不動産には大きく引き離されているが、おそらく混戦の3位争いの一角にいるはずだ。商品企画は間違いなく三井や野村と互角に戦える。

 廣岡哲也社長も先の経営方針発表会で「戸建ては城南城西エリアでの事業をさらに強化する。価格が6,000万円から8,000万円くらいで大手との競合はあるが、きめの細かい対応を行えば戦える」と自信を見せた。

 今回の取材ではランドリー収納に驚いた。常識的には奥行きが13㎝しかなければタオルケットなどは置けないが、丸めて縦に収納するようになっている。タオルハンガーはバスタオルが確か5枚くらい掛けられるようになっていた。小物置き付ペーパーホルダーは理解できないが、社内の女性スタッフは「あったらいいな」と評価した。

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ランドリー収納

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「クレヴィアコートつつじヶ丘」(仙川駅からのアプローチ)

 伊藤忠都市開発が5月21日から販売を開始する分譲一戸建て「クレヴィアコートつつじヶ丘」を見学した。同社の戸建てを見学するのは久々だが、外構・デザインに力が入っており、早期完売は間違いない好物件だ。

 物件は、京王線つつじヶ丘駅から徒歩8分、または仙川駅から徒歩13分、三鷹市中原1丁目の第一種低層住居専用地域に位置する全12区画。建蔽率は40%、容積率は80%。敷地面積は104.75~120.30㎡、建物面積は83.39~95.49㎡、価格は6,900万円台~8,200万円台。建物は第1期7区画が竣工済み。施工はイトーピアホーム。構造は木造2階建(2×4工法)。販売代理は東急リバブル。

 現地は、つつじヶ丘駅からだと道路との比高差にして6mくらいの高台にあり、仙川駅からだとほぼフラット。敷地は元幼稚園。今回分譲の住戸からは遮るものがないことから富士山も眺望できる。

 コンセプトは「非日常と日常の融合」。「丘上立地ならではの恵まれた眺望、別荘を彷彿させる意匠設計等により、都心近接でありながらも高原リゾートを思わせる都市邸宅」となっている。

 最高価格の住戸がモデルハウスになっており、こちらは特別仕様でスカイバルコニー付き。

 4月16日から予約制事前案内会を開始し、これまで60組を超える来場があり、第1期はほぼ即日完売する見込みだ。

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つつじヶ丘駅からのアプローチ

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仙川駅からのアプローチ

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 イトーピアホームが施工した戸建てはたくさん見学しているが、伊藤忠都市開発が事業主の物件見学は数年ぶりだ。

 つつじヶ丘駅からだと、現地まではほぼフラットの道路だが、現地そのものは道路から比高差約6mの高台にある。これは難点といえば難点だが、一方では遮るものが一切ない利点もある。仙川駅だとほぼフラットだから、通勤・通学・買い物はこちらのほうが便利かもしれない。

 外構・外観がいい。造成にもコストがかかっていると思われるが、外観デザインには相当の力が入っている。他社物件でイトーピアホームが施工した物件と比べても最上級ではないか。大屋根や切妻屋根、装飾壁(バットレス)、壁モール、花台を巧みにあしらい、天然石やボーダータイルによって陰影のある「都市邸宅」を演出している。モデルハウスを見て「8,000万円でどうですか」と聞いたら、ほぼその通り(8,200万円台)だった。

 同社は商社系としては唯一戸建ての街づくりを行ってきたデベロッパーだ。その歴史と矜持を見る思いがした。

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スカイバルコニー

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モデルハウス リビングダイニング

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三井不動産レジデンシャル「ファインコート等々力桜景邸」

 野村不動産が三井不動産レジデンシャルを急追していた戸建て分譲合戦は、平成28年3月期は双方とも戸数を大幅に減らしながら三井不レジが首位をキープした。

 三井不動産の平成28年3月期決算によると、三井不レジの一戸建て売上戸数は前期の899戸より148戸減の751戸となった。一方、野村不動産ホールディングスの決算では、野村不動産の一戸建て売上戸数は前期の859戸から216戸減の643戸となった。その差は前期の40戸から108戸へ広がった。完成在庫は三井不レジが127戸、野村不が140戸だった。

 両社の戸建て分譲合戦は、別表のように野村不がここ数年戸数を伸ばし、平成27年3月期には859戸となり、三井不レジの899戸にあと40戸まで迫った。28年3月期には逆転するのではともいわれていた。

 両社の分譲合戦について、三井不動産はこれまでも「他社と競争しているわけではない」と繰り返しており、今回の数字についても「予定の800戸よりは減少したが、マーケットの反映」としている。

 一方の野村不動産ホールディングスは今回の決算数字について、「完成在庫(140戸)が増えたのは竣工売りの物件があったこと、価格の上昇局面において回転重視から収益性重視とした物件があったこと」としている。

 今期は三井不レジが700戸、野村不は650戸をそれぞれ予定している。

三井不動産レジデンシャルVS野村不動産 分譲戸建て計上戸数推移

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 一戸建て分譲市場はマンションとほぼ同じくらいの規模(平成27年度は約12.6万戸)があり、平成27年3月期の売上戸数が約3.9万戸もある飯田グループホールディングスのようなガリバー企業がある一方で、1棟、2棟の現場も少なくないことからどこも市場全体を把握しきれていない。

 大手デベロッパーでは、バブル崩壊後も一貫して都市型戸建てを供給してきた三井不動産レジデンシャルがトップを走り続けてきており、土地区画整理事業など比較的規模の大きい団地を手掛けてきた野村不動産が続いてきた。

 このほか、最近は東急不動産、住友不動産、三菱地所レジデンスなども力を入れだしたが、三井、野村に大きく水をあけられている。

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「緑住農一体型住宅地 春風台」

 茨城県つくば市の「緑住農一体型住宅地 春風台」(109区画)を見学した。昨年5月に取材したときは約60区画が販売済みだったが、今回は88区画まで進んでいた。事業は着実に進捗しており、隣接地ではほぼ同規模の造成も進められている。

 「春風台」については昨年紹介した記事も参照していただきたい。一言でいえば、定借により初期投資を抑え、区画整理事業法、固定資産税法、都市緑地保全法など縦割り行政の隘路(あいろ)を巧みな手法で切り抜けたわが国に例のない街づくりだ。

 物件はTXつくば駅から北東約2~4キロの開発面積189.9ha、計画人口8,000人の「中根・金田台特定土地区画整理事業」(施行期間平成16年~31年)地内の一角にあり、期間50~70年の長期定期借地権付き宅地分譲。1区画当たり平均200坪(660㎡)と広いのが特徴で、このうち100坪が宅地となり、60坪の景観緑地と40坪の果樹・菜園から構成されている。地代は月額5~6万円。契約期間満了時に返却される保証金は250万円。

 景観緑地には市の地上権を設定することで、その部分の地代は事実上非課税となる。緑地の整備・管理は地権者が行い、自治体は財政負担なしで市街地の緑地を確保できるのも大きな特徴の一つだ。

 地権者の一人で、街づくりの推進役を務めている「桜中部地区まちづくり協議会」会長・酒井泉氏(67)は、「隣接地でも同じ手法の同じ規模の開発を進めており、一部は今年から来年にかけて造成が完了する。新しい区画では、わが国の伝統工法である真壁を用いた現しの住宅や、ハウスメーカーとコラボした提案も行い、世に問いたい」と話している。

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景観緑地に植えられている樹木(ナラか)

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群生するマツバウンラン

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 風景は昨年訪れた時とほとんど変わらなかったが、葉の形が松葉、花がウンランに似ていることから「マツバウンラン」と名付けられた帰化植物が咲き誇り、〝ホーホケキョ、ケキョ、ケキョ、ケキョ〟とウグイスが記者を歓迎してくれた。

 見学会に顔を見せていた販売を担当する日本不動産(台東区浅草)の山下欽司社長によると、ここにはキジ、ヒヨドリ、セキレイ、ヒバリ、シジュウカラ、ホオジロ、オオタカが生息するそうだ。

 畑仕事に精を出していた居住者のAさん(69)に声を掛けた。「江戸っ子で農業には縁がなかったが、研究の仕事でつくばに10年間いたこともあり、2年前に引っ越してきた。旬のものが食べられ、季節の移り変わりが肌で感じられるのがなによりいい」と話した。

 畑にはネギ、ソラマメ、ジャガイモ、ホウレンソウ、トマト、ナス、キュウリ、アスパラ、カボチャなど20種くらいを育てるのだという。「完全無農薬。アブラムシは手でひねりつぶしている。やっとミミズが出てくる土壌になってきた」と真黒な顔をほころばせた。

 Aさんとは環境や食品ロス、バーチャルウォーターなどの問題についてしばし語り合った。

 ただ一つ心配なのは、奥さんが畑仕事には一切かかわらないということだった…だとすると、奥さんはただ食べる人なのか。ご主人の苦労に何の痛痒も感じないのか…個人的には奥さんの気持ちは分かりすぎるほどわかる。田舎育ちの記者も手間ばかりかかる畑仕事などまっぴらごめんだ。

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Aさん宅の畑

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 酒井氏は「分譲は4年前からで、希少性からいってもっと売れていい」と、販売スピードに不満のようだが、つくば駅から車で15分もかかる立地条件を考慮すれば、この1年間で28区画も売れたというのは驚異的な数字だと思う。販促のためハウスメーカーとコラボするというのも賛成だ。

 協議会は5月21日(土)と6月25日(土)、それぞれ13:00~16:00まで現地見学会を開催する。詳細は協議会のホームページhttp://harukazedai.com/へ。

平成の田園調布になるか、1区画200坪の街づくり つくば市の「春風台」(2015/5/26)

 

 

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モデルハウス イメージ図

 住友不動産は4月29日、注文住宅のモデルハウスを全国5カ所に同時オープンした。岡山県岡山市にオープンしたモデルハウスは中国地方での初出店となる。今年からの新規出店は11カ所目となり、これで全国118カ所となる。

 同社の平成27年3月期の請負事業は受注:2,455棟、計上:2,226棟、売上681億円で、2016年度から始まる中期経営計画では3カ年で累計受注1万棟を目指している。今回の新規出店はさらなる事業拡大を狙ったもの。

 一昨年から展開している「ウッドパネル工法」は構造部分を強化した軸組工法をベースにしたハイブリッド構造で、接合強度は一般木造軸組工法の約1.5倍の強度を実現した。

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「白岡ニュータウン リフレの杜“コミュニティガーデン街区”」

 総合地所が5月21日から販売開始する一戸建て「白岡ニュータウン リフレの杜“コミュニティガーデン街区”」のモデルハウスを見学した。同社が約30年間にわたって開発・分譲してきた全1,261区画の大規模戸建て住宅街の〝残地〟ではあるが、建築家・藤村龍至氏とコラボし、デザインにこだわり、居住者間の緩やかなつながりを醸成する庭の提案を行い、「SE構法」を採用することで1階の天井高約2.9mを実現するなど大胆な提案を行っている。

 物件は、JR宇都宮線新白岡駅から徒歩5分、埼玉県白岡市新白岡1丁目に位置する全5戸。敷地面積は170.57~246.79㎡、建物面積96.16~131.77㎡、販売予定価格は4,800万円台~5,400万円台(中心価格帯5,200万円台)。構造は木造2階建(SE構法)。施工はイトーピアホーム。建物は完成済み。

 現地は、2000年以降に分譲された新しい街区「リフレの杜」(240戸)に隣接。不整形な敷地を逆手にとり、建物の配置に工夫を凝らすことでコモンスペースのような空間を実現、表と裏の庭を設置するなどの工夫も行っており、これまでにない発想のランドスケープデザインになっているのが特徴。

 建物のプランもかなりデザインにこだわっているのが特徴。「SE構法」を採用することで大空間を実現。1階の天井高を約2.9m確保したほか、階段の蹴上を低くすることでステップを18段にし、ドアはほとんどを引き戸にし、サッシ窓は絵画の額縁のようにし、リビング天井はヒノキの現し仕上げとし、風と光を取り込む小窓を設け、雨どいは目立たないようにするなど、細部にわたって工夫が施されている。

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庭(ウッドデッキと菜園マスがある)

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現しの天井

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 床には塵一つなく、テーブルには必要なものしか置かず、窓の雨滴が気になり、本箱は大きさ順にきちんと揃え、額縁のゆがみや照明ペンダントの埃に我慢ができず、目に見えないようなアリの侵入にも気を配り、読み終わった新聞は耳を揃え1ページ目を表に4つ折りにしないと気が済まない、そんなきれい好きで几帳面な人が小躍りして喜びそうな住宅だ。

 戸建てのモデルハウスはたくさん見てきたが、これほど隙のない住宅はほとんど見たことがない。一部の隙もない。

 見たことがないものはほかにもある。前段でも書いたが、1階天井高が2.9m、2階は最大3m確保している分譲戸建てなどないはずだ。〝晴耕雨読〟がテーマにもなっており、位置・大きさが計算しつくされた窓から光と風を取り込み、ゆったりした気分で本が読めるような仕掛けもされている。建築家・藤村氏の企画意図がほとんどすべて盛り込まれているのではないか。

 一つ理解できなかったのは、洗面は小さなボウルと鏡しかないことだ。デザイン的には美しいが、数え切れないほどありそうな女性の化粧品や歯ブラシ、ドライヤー、タオル、石鹸などはどこに置くのか。これは賛否両論、評価が分かれそうだ。

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同じように見える外壁の色も使い分けている

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 ランドスケープデザインがまたいい。担当したのはランドスケープアーキテクトで慶大教授・石川初氏だが、シンボルツリーとして山桜を配し、四季折々の風景が楽しめる植栽計画になっている。建物はモノトーンのシンプルな外観であるので、樹木が成長したときどのような雰囲気を醸し出すか。

 物件について説明してもらった同社執行役員 分譲第一事業部副事業部長・井上理晴氏によると、同社は船橋で34区画の戸建てを今夏にも供給するそうだ。これも楽しみだ。添付した街路樹の記事と合わせて読んでいただきたい。

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分譲済みの街並み(街路樹はイチョウ)

樹齢30年以上 戸建てより低く〝伐採〟された「白岡ニュータウン」のケヤキの街路樹(2016/4/27)

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「家事と家計にやさしい-太陽が稼ぐ家PLUS」

 日本最大級の工務店ネットワーク「ジャーブネット」(主宰:アキュラホーム社長・宮沢俊哉氏)は、2016年4月29日(金)~7月31日(日)、マイホーム積極応援フェアを開催し、「家事と家計にやさしい-太陽が稼ぐ家PLUS」を期間限定で発売。「家計」「家事」「メンテナンス」の3つの〝ラク〟を盛り込み負担を軽減する。

 「家計ラク」では、太陽光発電システムは固定価格買取制度による20年間の全量買取制度が活用できるよう10.6kWを標準搭載。35年間に約844万円(税込)を稼ぎ出すとしている。

 「家事ラク」では、家事動線を短くするなど家事の効率をあげるよう設計提案する。手持ちの家具、家電、さらには市販の棚や収納を埋め込むなどの有効活用も行う。

 「メンテナンスラク」では、将来のメンテナンス費用が大幅に軽減できるよう高耐久屋根材、外装材などを標準採用する。30年間で約240万円のメンテ費用が軽減されるという。

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「世界に一つを極める。」

 三菱地所ホームは4月15日、都市型邸宅のフラッグシップモデルハウス「世界に一つを極める。」、全館空調システム搭載の3階建てゼロエネルギー住宅「WIZE-U(ワイズユー)」、戸建て向け新リフォームメニュー「三菱地所のリフォーム」をそれぞれ販売開始すると発表した。

 「世界に一つを極める。」は、アッパーミドル・富裕層向けの商品で、重厚な石張りのファサードデザイン、アウトドアリビング、トレーニングルームなどを備えた室内空間、全館空調システム「エアロテック」を搭載し、世界的ブランド商品のショールームなどを展開する企業グループ「LWL」との連携によるハイグレード設備・インテリアが特徴。

 構造・規模は2×NEXT構法、2階建て延べ床面積約246㎡。モデルハウスは4月23日、駒沢公園ハウジングギャラリー・ステージ2にオープンする。坪単価は120万円から。

 「WIZE-U(ワイズユー)」は、都市部の狭小宅地に対応する商品で、「全館空調・ZEH・3階建て」を実現したのは業界初。ガレージ上部のデッドスペースに「ポケットルーム」と呼ぶ収納を設けているほか、ライフスタイルの変化に対応するためあらかじめエレベータの設置が可能なプランとし、可動間仕切りの提案を行っているのが特徴。プロトタイプは敷地面積約56㎡、延べ床面積約123㎡。本体価格は3,290万円(税別)。販売目標は年間30棟。4月14日から発売する。

 「三菱地所のリフォーム」は、これまでのマンションリフォームに加え、戸建てのリフォームに対応する商品で、100棟を超える「エアロテック」採用実績を踏まえ、旧省エネ基準(昭和55年以前建築)は18万円~/坪、新省エネ基準(平成4年以降建築)は15万円~/坪、次世代省エネ(同11年以降建築)は11万円~/坪にするなど、パッケージ化して販売するのが特徴。4月14日から発売する。

 発表会で、同社社長・加藤博文氏は、「当社は年間500~600棟の受注しかないが、マーケットニーズに対応した先進的な商品を提供していく」と話した。

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「世界に一つを極める。」

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 同社のモデルハウスを見学するのは、一昨年の「渋谷ホームギャラリー」以来だ。

 先日、三井ホームが記者見学会を行ったモデルハウス「VENCE(ヴァンス)」とは同じアッパーミドル・富裕層がターゲットではあるが、商品コンセプトは真逆、対照的だ。

 今回の「世界に一つを極める。」は、いかにも〝三菱地所〟らしい重厚感がある骨太のファサードデザインで、周囲の他社のモデルハウスと比べてもそん色ないばかりか、威圧するような雰囲気を醸し出している。

 外壁には御影石の「バニラホワイト」と「白御影」を用いている。内装材にもウォールナットなどの自然無垢材をふんだんに用いている。

 1階の天井高は約3mで、カーブを描いた階段は18段。インナーバルコニーもなかなかいい。2階に設置されている浴室と隣り合わせのトレーニングルームは、外から裸を見られるわけにいかないから、第一種低層住居専用地域しか建てられないという難点があるが、これがいいという層もいるはずだ。モデルハウスは坪150万円で、総額は1億3,000万円だそうだ。

 「WIZE-U(ワイズユー)」も「三菱地所のリフォーム」も「エアロテック」を前面に押し出しているのはよく理解できた。

 それにしても、どうして同社の年間受注棟数が500~600棟なのか。同社のホームページトップには「三菱地所ホームが選ばれる『5つの理由』」の中に、「三菱地所グループの総合力」が5番目に示されているが、その結果としての棟数というのは、年間数千戸の業界トップクラスの分譲マンションとはどうしても釣り合わない。どこに行ったら「三菱地所ホームを、見に行こう。」が体験できるのか。体制さえ整えれば、1,000戸くらいはすぐに伸ばせるのではないか。

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「WIZE-U(ワイズユー)」

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「三菱地所のリフォーム」

三井ホーム 究極のエレガントを追求 新商品「VENCE(ヴァンス)」(2016/4/6)

三菱地所ホーム、木造制震賃貸住宅「エム・アセット」発売(2014/3/14)

 

 

 

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