ポラスグループ 戸建て初 自動録画機能付き宅配BOX 約180棟に採用
自動録画機能付き宅配BOX(ミライズ三郷中央で)
ポラスグループは5月17日、宅配BOXメーカー、インターホンメーカー、電設資材商社と共同で開発した「自動録画機能付き宅配BOX」を分譲戸建てでは初めて導入すると発表。実際に装備した分譲住宅「ママトコ三郷中央、ミライズ三郷中央」で報道陣向けに公開した。今後同社が分譲する戸建て179棟に採用するほか、メーカーが一般向けに17.9万円(工事費別)で一般向けに販売する予定。
今回の宅配BOXは、既存宅配BOXの難点である防犯面での不安解消と居住者の利便性向上を目指して、同社グループと宅配BOXメーカー・ナスタ、インターホンメーカー・アイホン、電設資材商社・因幡電機産業が共同で企画・開発したもの。
宅配ボックスの扉が開くと、室内の親機が玄関子機インターポンとは異なるボックスの開信号を受け取り、宅配ボックスの扉を開けた人物を自動で録画し、万が一、不審者が扉を開けても録画される。また、書留郵便の受け取りや荷物の発送もできる。玄関先の映像が親機に映り、録画が開始される。
門柱ユニットは、幅210ミリ、奥行き400ミリ、高さ1493ミリ。荷物は350ミリリットル缶24本入りビールケースが目安。電気を使用しないためランニングコストがかからないのも特徴。
ミライズ三郷中央
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結構な商品だ。採用を決めたのは、同社がこれまで採用してきた宅配ボックス580棟と比較しコストはほとんど同じで、利便性と防犯性が高まったからだという。難点と言えば容量だ。受け取れる荷物は、宅配便の50%くらいだそうで、大きくするのも技術的には可能だが、コストの問題があるという。
記者は、宅配ボックスより「ママトコ三郷中央、ミライズ三郷中央」の商品企画、売れ行きに興味があった。
同社関係者によると、三郷中央駅圏での戸建て供給は約600棟を計画しており、2013年からこれまで440棟を供給、今後も約150棟を供給するという。
今回の物件は、駅から徒歩12分の全37戸。土地面積は約120~132㎡、建物面積は約92~99㎡。価格は3,880万~4,480万円。今年2月から23戸を供給開始し、これまでに14戸が成約済みだ。
キッチンにタカラの新商品を採用しているのが特徴で、人造大理石製シンクのほか、収納扉・底、壁面などが全てホーロー製。このほか突板床、黒板クロス、SOHOスペースなどの提案もされている。
三郷中央駅圏は、マンションの供給がこのところ増えているが、どこも販売が長期化している。同社の戸建ては徒歩圏でこれだけの商品企画、設備仕様を備えているのだから、売れるのは当然だと思う。フェイクの観葉植物だけはやめたほうがいい。突板のフローリング採用などせっかくの商品企画の価値を押し下げるだけだ。
SOHOスペース
黒板クロス
小上がりから見たリビング・ダイニング
フェイクの観葉植物
コスモスイニシア 分譲戸建て「成城学園前」2億円前後の4戸完売
「グランフォーラム成城学園前」完成予想図
コスモスイニシアは5月10日、分譲戸建て「グランフォーラム成城学園前」(全4区画)の販売を4月に開始し、4月27日の登録締切をもって全戸登録完売、すべての契約を終了したと発表した。
物件は、小田急線成城学園前駅西口から徒歩5分、世田谷区成城三丁目に位置する全4区画。構造・工法は木造(枠組壁)2階建て。敷地面積は155.06~165.08㎡、建物面積122.42~122.59㎡、価格は16,800万~21,800万円。施工は東急建設。
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この物件は、4月に見学し、記事にもしているのでそちらも参照していただきたい。文句なしにいい物件だ。2階リビングの掃き出し窓をフラットにしたのは、分譲戸建てでは同社が初と思われる。同業他社が追随するのは必至だ。
一頭地を抜く コスモスイニシアの都市型戸建て「田園調布 桜坂」「成城」(2018/4/20)
和紙作家・堀木エリ子氏が初プロデュース アキュラホーム「変容する家」
「変容する家」
アキュラホームは4月28 日(土)、創業40周年記念事業の第1弾として、和紙作家・堀木エリ子氏が初プロデュースした住宅「変容する家」をアキュラホーム神戸展示場(ABC ハウジングコレクョン神戸東)内にオープンした。
日本独自の建築文化「建具仕様」と、日本を代表する工芸「和紙」を住空間に取り入れているのが特徴。
1階は、創作和紙による光壁により時間の経過とともに情景の変化を生み出し、全開放できるガラス戸によってテラスと室内を一体とし、風や光を取り込むことができる空間としている。
2階は、玄関から2階に直接上がることが出来る階段を配置。大空間のギャラリーやホールとしての使用、小さな子供部屋やゲストルームなど、建具によって自由な空間構成ができるように演出している。この通り建設すると価格は9,000万円くらいだという。
2階
光壁
和紙
三菱地所ホーム 多目的土間空間を設けたモデルハウス 市川にオープン
三菱地所ホームは4月28日、ライフシフトを視野に入れた住まい方を提案するモデルハウスを市川ホームギャラリー(千葉県市川市鬼高1-1-2 市川住宅公園内)に新規オープンする。
人生100年時代における複線的な働き方やライフステージにおけるその時々の「好き」や「興味」にあわせてアレンジできる多目的土間空間を設け、その活用例として店舗(グリーンショップ) 併用プランとして提案する。
エクステリアだけでなく、屋内にもふんだんにグリーンを取り入れ、 リビングの吹き抜けを通して緑が縦にも横にも外にもシームレスにつながり、自然の中で生活 しているかのような心地よく快適な住空間を演出した。
デザインコンセプトは、「和みモダン」。壮年世代にはモダニズム建築を感じさせ、若年世代には新鮮さを感じさせる佇まいを演出。
また、日々の生活を楽しく便利にする家事動線・家電配置・収納などを工夫した「シェア家事」、日々の食事を楽しむ空間として「マイホームカフェ」や「カフェキッチン」を盛り込んでいる。
モデルハウスは、木造(2×NEXT構法)、 地上2階建、建築面積143.67㎡(43.46坪)、延床面積214.47㎡(64.87坪)。
グリーンショップイメージ(左)とリビングイメージ
旭化成ホームズ アウトドアリビングと玄関アプローチに半屋外提案「のきのま」発売
「ヘーベルハウスのきのまent(エント)」イメージ
旭化成ホームズは4月26日、アウトドアリビングと玄関アプローチを兼ねた半屋外空間「のきのま」を提案する戸建住宅「ヘーベルハウスのきのまent(エント)」を5月1日から発売すると発表した。
「のきのま」とは、玄関を大きく引き込むことで創られる広いアプローチ空間を大きくせり出した深い軒で覆い、床をウッドデッキなどのテラスとして仕上げた新たな約4坪の空間の名称。大きな開口部で1階リビングと空間をつなげ、外構により道路側からの視線を適度に遮ることで、庭が取りにくい敷地でも子どもの遊び場、DIYの作業、レジャー用品の整備など家族が楽しむ「アウトドアリビング」として様々な用途に活用でき、近隣住民や来訪者を招き入れコミュニケーションを図る「エントランス」としても機能する。
商品の発売にあたり、「のきのま」の利便性を高めるアイテムとして、意匠性の高い「システム屋外デッキ」や「大判タイル」、ハンモックを吊り下げられる「ハンギングフック」などの外装アイテムを仕様化した。
1階のリビングには、大開口の「2.7m巾掃き出し窓」を設け、道路側には床から1.2mの高さで2.4m巾のワイドな引き違い窓を提案する。提案に伴い、浴室・ランドリーは2階に設定する。
発表会に臨んだ同社取締役兼常務執行役員兼マーケティング本部長・藤澤秀樹氏は、「当社の2階リビングタイプの採用率は年々高まっており、採用率は2割以上に達している。その2階リビングには『そらのま』などアウトドアリビングの提案を行ってきており、高い評価を得ている。今回の新商品は、圧倒的に多い1階リビングタイプでもアウトドアリビングを提案し、受注拡大につなげていきたい」と話した。
プロトタイプは1階が55.59㎡、2階が60.62㎡、延床面積116.21㎡。のきのま面積は13.4㎡(4.1坪)。価格は2,950万円(坪単価80万円)。道路(玄関)が東西南北いずれでも対応が可能。販売目標は年間250棟。
外観
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面白い提案だと思う。マンションも戸建ても〝アウトドアリビング〟が大きなテーマになっている。今回の新商品は間違いなく一定の需要層に受けるはずだ。2階に浴室やランドリーを移すのも大賛成。道路(玄関)が東西南北どこに位置しても対応が可能というのもいい。
記者は昨年、ポラスの分譲住宅「マインドスクェア南大泉Ⅰ」で、敷地延長を逆手に取ったプランに驚いたことがある。記事には「玄関を入ってすぐ右手(南側)にロードバイクとその備品などを配置した約3.1畳大のDEN(土間)を設置。それにつながる16.2畳大のリビング・ダイニングの南面は壁面を多くし、一体利用ができるように工夫」と書いた。
この「DEN(土間)」は閉じられた空間だが、旭化成ホームズは外と内を緩やかにつなぐ提案でもある。欲を言わせていただければ、「のきのま」はどこにでも設置できるはずで、例えば1方、2方に壁などを設置し、閉じたり開けたりできる空間は考えられないだろうか。壁を設けたら容積率に算入されることになるのだろうが、そのようなフレキシブルな空間提案があっていい。
もう一つ問題提起。「のきのま」は約8畳大だが、このスペースは容積算入されるかどうかという問題だ。関係者によると、この空間が「玄関ポーチ」と認定されれば容積には算入されないが、軒先から2mを超える部分は自治体によって容積に算入されるケースもあるという。プロトタイプも容積算入を前提にしているとのことだった。
マンションのバルコニーも同様だ。ほとんどの場合、バルコニーの奥行きは容積算入を避けるため2m以下だが、それを超えるケースもある。自治体の対応がまちまちだからだ。統一はできないのか。
一頭地を抜く コスモスイニシアの都市型戸建て「田園調布 桜坂」「成城」
「グランフォーラム田園調布本町 桜坂」
コスモスイニシアの都市型戸建て「グランフォーラム田園調布本町 桜坂」と「グランフォーラム成城学園前」を見学した。立地条件にふさわしくゆったりとした配棟とし、2階リビングの天井高を4m近く確保し、業界で初めて掃き出し窓をフラット化するなど商品企画が秀逸。価格が1億円台、2億円台であるにもかかわらず人気を呼んでおり、都市型戸建て分野では完全に一頭地を抜いた。ベンチマークになるのは間違いない。
「田園調布本町 桜坂」は、東横線多摩川駅から徒歩10分(東急多摩川線沼部駅から徒歩5分)、大田区田園調布本町の第1種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)に位置する全8区画。最終期1戸の土地面積は105.21㎡(一部私道負担あり)、建物面積は99.46㎡、価格は9,980万円。建物は平成29年11月竣工済。施工は東急建設。構造・工法は木造(在来壁)・2階建て。
敷地は料亭跡地。地名に「桜坂」が付いているように、切通しの上に位置し、南東側には見事な桜並木が眺望できる住宅街。この立地の魅力を最大限引き出すため、当初予定の9戸を敢えて8戸にし、電線類の地中化、オープン外構、インターロッキング舗装(私道)などでゆったりした景観を演出しているのが特徴。
全棟から桜並木が眺められるようリビングは2階に配し、在来工法とツーバイフォー工法を組み合わせたストローグ社のハイブリッド工法を採用しリビング間口を広くし、かつ天井高(最大約4.35m)を高くし、さらに分譲戸建てでは業界初の掃き出し窓のフラット化を実現、バルコニーにデッキなどを張ればフルフラットバルコニーにできるようにした。玄関・ホールをゆったり取り、床は大判の大理石、下足入れカウンターはフィオレストーン仕上げ。
桜坂 以上「グランフォーラム田園調布本町 桜坂」
「成城学園前」は、小田急線成城学園前駅から徒歩5分、世田谷区成城三丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率40%、容積率80%)に位置する全4戸。土地面積は全棟150㎡以上、建物面積は約120㎡。価格は2億円前後。建物は平成29年12月竣工済。施工は東急建設。構造・工法は木造(枠組壁)・2階建て。
ここも、駅から徒歩5分の恵まれた立地条件を最大限引き出すよう当初予定の7戸から4戸に減らし、富裕層のニーズを満たす配棟計画にしているのが特徴。
設備仕様レベルは「田園調布」とほぼ同じだが、ここも2階リビングの掃き出し窓をフラット化することで、最大天井高3.7mの空間と奥行き最大2.7mのバルコニーを一体利用できるようにしている。階段はメーターモジュールを採用。
2階リビングとバルコニーを一体化した床
敷地延長部分 以上「グランフォーラム成城学園前」
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最初に見学したのは「田園調布本町 桜坂」だった。玉川駅からの道を間違えたために、コイも泳ぐ六郷用水遊歩道と桜坂を歩くことになったのだが、切通しの上にかかる赤い欄干の桜橋と道路の両端に植わっている樹齢100年はありそうな桜並木を見た途端、取材を申し込んだ価値があると思った。
「成城学園前」と合わせこの高額戸建てを見学したのには特別の理由がある。記事にもしたが、同社のマンション、戸建ての商品企画を約30年間にわたって担当してきた同社の南光浩氏にインタビューした際、南氏が「今後は高額の戸建てが増えてくる」と話したので、それはどのような商品企画、レベルなのか確認したかったからだ。記者の頭の中にあったのは、これも記事にした「グランフォーラム石神井公園」と「グランフォーラム練馬田柄」だった。この2物件を超えられるのかどうか、あるいは新たなアイデアが盛り込まれているか、それを探るのが目的だった。
道を間違えたために春爛漫の緑陰を楽しんだ半面、15分も歩かされたので悪態もついたのだが、物件を見て〝これは売れる〟と確信した。
特徴などは前段で書いた。何に感動したかと言えば、2階リビングの掃き出し窓がフラットだったことだ。
記者は30年も前から、2階の居室やリビングとバルコニーはフラット化すべきだと主張してきた。これを指摘するたび、各社は〝技術的には可能だが、バルコニーからの浸水を防止するために床から12センチ以上立上がり防水面を施す必要があり、コストもかかる〟などとどこも取り合わなかった。その問題を解決してフルフラットサッシを大和ハウスや積水ハウスは採用した。注文住宅でできるのに分譲でできないはずはないとずっと思ってきた。
それをコスモスイニシアが実現したのが嬉しかった。階段のメーターモジュールもかつて各社が採用していた。ポラスはメーターモジュールどころか1.2m確保したこともあった。ところが最近はほとんどなくなってきた。これは明らかな退行だ。メーターモジュールを標準仕様としているのは積水ハウスくらいではないか。
このほか圧倒的な天井高、ゆったりした玄関・ホール、電線類の地中化、ハイブリッド工法、モデルハウスの本物の観葉植物…都市型戸建ての商品企画では同社が他社を一歩も二歩も先んじた。一つだけ注文を付けるとするならば、屋内空気環境、全館空調だ。
同業他社に一言。「田園調布本町 桜坂」は入札ではなく、ある大手の仲介会社を通じで直接地主から用地を取得したそうだ。なぜ他社がこんな魅力的な土地に触手を伸ばさなかったのか。効率的な区画割を最優先したためのようだが、似たようなものばかり供給していたら競争に疲れるだけだ。9区画を8区画にする、7区画を4区画にする、そんな自由な発想ができない想像力、リテラシーの欠如だ。
玄関・ホール
六郷用水遊歩道
波乱万丈30年の「仕事」を語る コスモスイニシア商品企画部部長兼一級建築士事務所所長・南光浩氏(2018/3/9)
パーク・コーポとコラボ 空間デザイン秀逸 コスモスイニシアの戸建て「練馬田柄」(2017/11/7)
価格に見合う価値あり コスモスイニシア「グランフォーラム石神井公園」(2016/12/3)
日本戸建管理、東宝ハウスHDと提携 首都圏での戸建て管理事業強化
創建グループの戸建て住宅の管理サービスを展開する日本戸建管理(本社:大阪市)は4月18日、東宝ハウスホールディングス(本社:新宿区)と提携し、日本戸建管理の「家ドック」システムを東宝ハウスホールディングスグループ各社に提供すると発表した。戸建住宅では少ない管理に関するサービスを首都圏でも提供するのが狙い。初年度入会者数1,000件を目指す。
「家ドック」は、月1,000円で、定期点検・サポート・メンテナンスなどのサービスが受けられるもの。入会すると自宅の約200カ所点検サービスが受けられ、写真付きの報告書が交付されるほか、適切なメンテナンスのアドバイスが受けられる。
じわり浸透 年間100区画供給 阪急阪神不動産の戸建て「ハピアガーデン」
「ハピアガーデン深沢六丁目」
阪急阪神不動産の戸建てブランド「ハピアガーデン」の「深沢六丁目」と「尾山台二丁目」を見学した。「長期優良住宅」認定と「住宅性能評価」の6項目すべてで最高等級を取得することで他社との差別化を図り、きめ細かな工夫を施すことでじわり首都圏で地歩を築きつつあるとみた。そこには強かな計算があると読んだ。
阪急阪神ホールディングスグループは今年4月、不動産事業の再編に伴い、不動産事業の中核会社として阪急阪神不動産(阪急不動産から商号変更)を設立した。記者はこれまで旧阪急不のマンション〝ジオ〟は首都圏に進出してからかなり取材しているが、戸建て事業を展開する旧阪神の〝ハピアガーデン〟は一度も見学したことがないので、お願いして実現した。
「ハピアガーデン深沢六丁目」は、東急田園都市線桜新町駅から徒歩13分、世田谷区深沢6丁目に位置する全2戸。土地面積96.22~97.98㎡、建物面積94.40~97.68㎡。価格は未定。建物は2×4工法2階建て。設計・施工・監理はイトーピアホーム。販売代理はライフステージ。
閑静な住宅街で、1階の北側階段部分に光が差し込む窓を設けているのが特徴。LDKの勾配天井はもっとも高いところで約3800ミリ。
「ハピアガーデン尾山台二丁目」は、東急大井町線尾山台駅から徒歩9分、世田谷区尾山台二丁目の風致地区(建ぺい率40%、容積率80%)に位置する全3戸。土地面積113.00~119.98㎡、建物面積89.84~94.52㎡。価格は未定。建物は在来工法2階建て。販売代理はライフステージ。
こちらは、風致地区であるため制約が多いが、アウトドアテラスなどと室内を結び、1階の天井高を2号棟のみだが2.7m確保し、かつ周辺に少ない4LDKとしているのが特徴だ。エントランスから主寝室、パティオなどの床はタイル張りで、キッチンカウンターはフィオレストーン。
双方とも「長期優良住宅」認定と「住宅性能評価」の最高等級を取得し、所在が人気が高い住宅地で、戸数が2~3戸、建物は2×4工法と在来、販売代理は大阪が本社のライフステージというところに〝ハピアガーデン〟の戦略が見え隠れする。
同社住宅事業本部 宅地戸建事業部 宅地・戸建事業グループ首都圏担当の平山真悟氏は、「首都圏に進出して6年が経過した。これまで宅地分譲を含めて500区画弱供給してきた。当初は関西と勝手が異なり苦労したが、最近は情報収集も販売も順調に推移している。新体制になりスタッフを増やし、戸数も年間100戸くらいを目指す。長期優良住宅と住宅性能評価は大きなセールスポイントになっている。デザインもマンションの設備仕様を参考に+アルファーしてグレード感を出すようにしている」と話した。
平山氏が話したように大手でも長期優良認定と住宅性能評価を取得しているところはむしろ少ない。同社の主力供給エリアの城西、城南では三井不動産レジデンシャルや野村不動産、その他と競合しそうだが、規模的には三井も野村も小規模はほとんどない。きちんと住み分けがができているように思う。エリアの特性に応じて臨機応変に対応しているようだ。
城西、城南エリアでは他のデベロッパーも虎視眈々、市場に割って入ろうとしているが、この6年間でしっかり地歩を築いてきた同社がそうやすやすと地位を譲るとも思えない。
「ハピアガーデン深沢六丁目」
「ハピアガーデン深沢六丁目」
「ハピアガーデン尾山台二丁目」の現場近くで群生していたハナニラ
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阪神と言えば子会社の阪神タイガースだ。記事とは関係ないが触れざるを得ない。以下は、西武ファン歴60年、アンチ巨人の記者の独断と偏見に満ちた私見だ。関係者は気を悪くなさらないで読んでいただきたい。
思い出すのは昭和60年(1985年)だ。バース、掛布、岡田が巨人・槙原投手からバックスクリーン3連発を放つなど圧倒的な打撃力で日本一(何と相手はわが西武。記者は戦う前から負けを覚悟していた)になった。
ところが、後にも先にも日本シリーズを制したのはこの1回のみ。これは全球団の最少優勝回数タイ記録(楽天も1回のみだが、楽天の歴史は14年。阪神は82年)だ。だいたいが「死のロード」に疲れ果て、失速し、優勝を逸すパターンがずっと続いている。
そればかりか、阪神は〝虎ウマ〟のごとく〝ダメ虎〟を象徴する嫌なニュース、出来事がメディアから執拗に繰り返し報道される。展覧試合で長嶋茂雄氏にサヨナラ本塁打を打たれたのがそうだし、「ベンチがアホやから野球がでけへん」と球史に残る名言を江本孟紀氏に吐かれたのが最たるものだ。
監督と言えば、知的で頭脳的な采配を揮って球界をリードしているわが西武とは真逆の、雑で大雑把な采配がいつも身内からもやり玉にあがる。選手も選手で、素晴らしい力を持ち実績を残しながら、マスコミの餌食になりスキャンダルなどで潰される。
ファンと言えば、負けることに価値を見出すような、マゾヒスト根性をむき出しにし、何かの間違いで優勝などをすると芥にまみれメタンガスが充満する、下手をすると死を差招くことにもなりかねない、もう畏怖するしかない道頓堀川ダイビングを挙行する。
阪神ファンで知られる国際日本文化研究センター教授・井上章一氏が「阪神はやめられない。もうこれは、麻薬だ。アヘンである。『宗教はアヘンだ』というマルクスのひそみにならえば、宗教なのかもしれない」(朝日文庫「関西人の正体」)と言った通りだ。
しかし、それでも本体はびくともしないのが不思議といえば不思議だ。同社の鉄道事業の売上高353億円(平成29年3月期)に対して球団は200億円を突破している模様で、きっちり利益も7億円確保している。いわばドル箱だ。
それはなぜか。東の「東京」に対抗する西の大阪(甲子園は兵庫だが)なのか、首都の「東京」に敵愾心を燃やす関西圏の象徴なのか、誰が名付けたか知らないが「伝統の一戦」なるプロパガンダ、デマゴーグを流布したのも奏功したのだろう。観客動員数は読売巨人軍に次ぐ多さだ。これだけは西武もかなわない。称賛に値する。なんとも羨ましい限りだ。
余談だが、販売代理のライフステージの会社概要を見てびっくりした。何と今年2月に東証一部へ上場変更を果たしたビーロットの子会社とあるではないか。ビーロット・宮内誠社長は、オリックスの元社長、会長でオリックス・バファローズのオーナー宮内義彦氏の息子さんだ。阪神とオリックスはどこかでつながっているのか。ビーロットの長谷川進一副社長からは「夢はプロ野球球団を持つこと」と10数年前に聞いたが、ひょっとしたら阪神かオリックスの球団オーナーになれるかもしれない。
「ハピアガーデン深沢六丁目」の現場近く
「ハピアガーデン深沢六丁目」の現場近くのハナミズキ
積水ハウス 2ブランド体制へ ミドル価格帯の木造新ブランド・新会社を立ち上げ
仲井社長
積水ハウスが高級ブランドの木造住宅「シャーウッド」とは別のミドル価格帯のブランド・新会社を立ち上げる。3月9日行われた2018年度経営計画説明会で同社・仲井嘉浩社長が明らかにした。同社と一般工務店の間のマーケットをカバーする狙いだ。
同社の戸建てを建設し、なおかつ全国の18社で戸建て事業を展開する積和建設の商品企画を統一し「積和の木の家」としてブランド化する。
仲井社長は「木造住宅が注目され、積和の工事力が高まってきたことが背景にあり、現在、営業100名、受注529棟(売上高123億円)をそれぞれ200名、1,000棟に拡大する。価格帯は当社の1棟単価が約3,800万円であるのに対し、新ブランドは2,200~2,300万円台。全社挙げて取り組んでいく」と語った。
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仲井社長の話を聞いていて、次の記事を思い出した。2014年、次のように書いた。
「『鉄』はやや頭打ちで、『木造』がものすごい勢いで『鉄』を追い上げている構図だ。このまま『鉄』が横ばいを続ければ、10年後には『木造』が逆転する可能性もある。
この話をすると同社関係者は笑って取り合わない。営業マンの配置構成は『鉄』が7に対し『木造』は3だという。ならばこの比率を変えたらどうなるのか、あるいはまた鉄と木造の垣根を取っ払ったらどうなるか。これは興味深い」と。
同社の戸建て事業は、高付加価値住宅の提案により1棟当たりの単価は2014年度が3,565万円だったのが2017年度は3,807万円へ、営業利益率も11.4%から12.9%へ伸びているが、売上棟数は木造の「シャーウッド」が健闘しているものの、主力の「鉄骨」は2014年度の9,111棟から2017年度の6,995棟へ23%減らしている。
分譲住宅も、「鉄骨」は2014年度の1,488戸、428億円から2017年度は1,661戸、515億円へそれぞれ11.6%、20.3%伸ばしているが、「シャーウッド」は2014年度の674戸、201億円から2017年度は990戸、297億円へそれぞれ33.5%、47.8%増と伸び率は「鉄骨」を大きく上回っている。
新会社はどのような商品を販売するのかいまひとつよくわからないが、金額的には「シャーウッド」の6掛けくらいになる。業界に大きな影響を与えるのは必至だ。三井ホームは先に坪単価60万円のミレニアル世代向けの新商品を投入した。
三井ホーム ミレニアル世代向けに坪単価60万円の新たな商品投入(2018/2/28)
三井ホーム 単価56万円の1次取得向け新商品「cafe+( カフェ・プラス)」(2013/4/11)
戸建ての落ち込み賃貸、ストックがカバー 木造も健闘 積水ハウス2Q決算(2014/9/5)
大和ハウス 堀節さく裂〝一石三鳥〟 賃貸居住者向けに賃貸併用分譲戸建て販売開始
「SEJOUR DD-1(セジュール ディーディー・ワン)」習志野モデルハウス
大和ハウス工業は3月9日、同社グループの大和リビングが管理する賃貸住宅の入居者向け犬小屋付き賃貸併用分譲住宅「SEJOUR DD-1(セジュール ディーディー・ワン)」の販売を開始した。販売に先立つ8日、メディア向け説明会&実棟内覧会を行った。マイホームが取得でき、賃貸することでローンの負担を軽くし、しかもペットが飼えるという一石二鳥どころか〝一石三鳥〟の企画商品だ。
同社はこれまで100万戸を超える賃貸住宅を建設しており、大和リビングが管理する約53万戸の「D-room」のうち年間約11万戸の入退去があり、退去理由に持家の購入をあげる顧客が約13%あることに着目し、退去後も同社の住宅に住んでもらおうという狙いで商品化したもの。
100㎡の住宅のほかに賃貸住宅40㎡を併設してセットで販売し、賃貸住宅は大和リビングが一括借り上げをするシステム。毎月の住宅ローン支払い額14万円から家賃収入7万円を差し引くと、居住中の「D-room」家賃9万円(60㎡)より安い7万円で済むようにしているのが特徴。さらに、最近のペットブームを受け犬小屋も提案し、賃貸も「ペット可」とする。
説明会と実棟内覧会に臨んだ同社取締役専務執行役員・堀福次郎氏は、「当社の賃貸セグメントは1兆円を超える。当社の賃貸を毎年退去される11万世帯のうちうち約1,500世帯は住宅を購入される。この資源はもったいないと考え、SEJOUR DD-1(セジュール ディーディー・ワン)を投入した。100㎡のマイホームを取得でき、しかも犬が飼えて、賃貸収入を差し引けば毎月のローン支払いはむしろ安くなる。頭金は双方の親御さんの支援があれば1,500万円くらい用意できる。最近の賃貸市場はシェアハウス問題、過剰融資に対する金融庁の監視強化などいいニュースがなく、住宅の庭は猫の額ほどもないが、明るい話題となるはずだ」と語った。
モデルプランは、京成大久保駅から徒歩7分、軽量鉄骨造2階建て敷地面積165.29㎡(50坪)、延床面積150.31㎡(45.56坪)、自宅面積107.97㎡(32.66坪)、賃貸面積42.34㎡(12.80坪)、参考価格5,240万円(税込)。年間販売目標は100棟。
堀氏
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土地持ちオーナー向けの賃貸併用住宅ではなく、賃貸居住者向けに販売するというのが味噌だし、面白い企画だと思う。他のハウスメーカーが取り組んでこなかったのが不思議なくらいだ。賃貸居住者だけでなく、分譲戸建ての購入を考えている人にも訴求するのではないかと思う。
分譲マンションでは同じような発想のものがある。2014年にグッドデザイン賞を受賞した横浜・リッチライフが展開する「リッチライフプラン」だ。
ファミリータイプのマンションにドアで繋がったワンルームを設置。ワンルームにはミニキッチン、バス、トイレなどが付いており、賃貸や趣味室、あるいは2世帯同居もできるようにしている。賃貸することでその収入をローン返済に充てることも可能というものだ。三井不動産レジデンシャルも2014年に二世帯隣居を想定した隣り合った2つの住戸を連結した「TSU-GU-IE〈ツグイエ〉」を「パークタワー新川崎」に採用した。
課題もありそうだ。京成大久保駅から徒歩7分で、土地が広く、賃貸収入が得られるとはいえ5,240万円という価格はやはり高い。親の援助がないと取得できないだろう。
もう一つは、設備仕様。自宅部分は明らかに賃貸仕様だ。2階のリビングの天井高は2400ミリだし、配管の関係か、洗面・浴室部分は20センチくらいの段差があった。設備仕様レベルは高くすべきだろう。
ドッグハウス
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堀氏の話はいつも面白い。今回も〝堀節〟がさく裂した。
前半の説明会では、冒頭に「明るい話題」を強調し、冗談を交えながら具体的な数値を根拠にして論理を展開した。マイホームが取得できて、賃料収入が得られて、無理なくローンが返せるなどという〝夢〟みたいな話ではあったが、説得力があった。
現場内覧会でも、「当社は過去28年間、賃貸に絡む訴訟はゼロ。家賃下げ提案はゼロではないが、建物が古くなっても、他社の新築と競合しても8対2くらいで勝てる。なぜか。金は出せないが、人を出し、エアコンやカーテン、LED照明などを提供して欠点を補う。農業や漁業のために山に木を植えるのと一緒」などと手の内まで明かした。リップサービスを忘れない。
先ほど指摘した課題も堀氏は百も承知だろう。販売目標も年間100棟と低めに設定し、反響をみながら徐々に拡大しようという戦略だと読んだ。