モデルルームインテリアが「経済産業大臣賞」受賞 大成有楽不「中野」
「グランツオーベル中野」モデルルーム
大成有楽不動産は2月13日、現在分譲中の「グランツオーベル中野」のモデルルームインテリアが、「令和元年度住まいのインテリアコーディネーションコンテスト」最高賞の「経済産業大臣賞」を受賞したと発表した。受賞したモデルルームは、コスモスモアがデザイン監修を行っている。
同社は「モデルルームのコンセプトは、働き方改革が進む昨今、これまで以上に自宅で過ごす時間が増えることを想定し、より自宅空間を最良のものにしたいという思いから始まりました。そして、見た目が煌びやかなだけではない、新しいラグジュアリースタイルの提案を行うべく、『New Luxury』をコンセプトとし、インテリアテイストとしては、上質で落ち着いた高級感を醸しながらも、大人の遊び心を刺激する、新しいアイデアが生まれるような空間デザインを創造しました」としている。
主催したインテリア産業協会の審査委員は「マンションはお客様によって『オフィス的に使う』場合や、『趣味の領域』、『ゆったりリラックスするくつろぎの領域』など多様な使い方がある。単に住まうというよりは、『居場所』としての質の向上をすることで多様な使い方に対応していると感じた。この状態が完成形ではなく、今後使いながら空間は変化を続け、より心地よくなっていくような余地を残している感覚がこれからの『住む』ではなく『時間を過ごす』という考えを感じ取ることができる空間表現となっている点が評価できる」としている。
モデルルーム
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記者は昨年10月、このマンションを取材しており「インテリアデザインにコスモスモアを起用した約79㎡のモデルルームが出色だ。家具・調度品、カラーリングなどは富裕層の心を捉えるのは間違いない」「リビングには瘤付き無垢材のテーブルが置かれていた。一流料亭でもあるかないか。このようなテーブルで食事をし、酒を飲みたい。デザイナーの方は女性のようだが、今後が楽しみだ」とストレートに書いた。これほどベタ褒めしたマンションはそうない。
売れ行きも好調のようで、昨年末までに第1期34戸が完売し、2LDKタイプはすべて成約済みとか。
同社にひと言。このように経済産業大臣賞を受賞する力があるのに、今後のマンション事業は抑制気味だと聞いた。良好な土地の仕入れが難しいのは分かるが、敢えて競争が激しいホテルなどに注力するのか。一括売りした「築地」も素晴らしかった。
モデルルーム
管理適正化、再生、情報公開など提言 マンション政策小委員会「とりまとめ(案)」
住宅宅地分科会マンション政策小委員会(国土交通省で)
国土交通省は2月10日、第4回社会資本整備審議会住宅宅地分科会マンション政策小委員会(委員長:齊藤広子・横浜市立大学教授)を開き「とりまとめ(案)」について論議し、ほぼ「案」通りとすることを了承した。
「とりまとめ(案)」は、全国のマンションのストック数は約655万戸、1,500万人超が居住し、都市部を中心に居住形態として定着しているものの、築40年超のマンションは現在81万戸に達し、今後、急速に建物の老朽化と居住者の高齢化という「二つの老い」を迎える中で、維持管理等に係る意思決定に時間がかかり、区分所有者の多くは必要な専門的知識や経験を持っておらず、役員の担い手不足なども深刻化しているとし、専門家の活用、地方公共団体の支援強化、流通市場で適正に評価される制度や改修・建て替え促進を促す法整備を求めている。
同省・眞鍋純住宅局長は、「委員の方々から『画期的』『一歩踏み込んだ内容』『網羅的』などと評価されて恐縮している。課題はあふれるほど山積しているが、できることから速やかに法制化作業を進める。専門家や地方自治体の協力を得ながら最大県の効果を発揮するものにしたい」と語った。
以下、各委員の意見・感想を紹介する。順不同
小林秀樹委員(千葉大学大学院教授) 重要事項説明書に盛り込む内容と一般に公開する情報は、誤解を招かないよう区別して考えるべき。案は現状を変える第一歩として評価したい。次の10年後先も考えないといけない
深尾精一委員長代理(首都大学東京名誉教授) わたしの専門はハード中心だが、非常に勉強になった。建て替えなとは分かるが、その前に道路計画を見直すべき。道路計画を(無視して)大量に団地を供給してきたことも問題
戎正晴委員(弁護士・明治学院大学客員教授) 充実したとりまとめ(案)だ。一歩踏み込んだ内容が盛り込まれている。団地の敷地分割を盛り込んだのは画期的。管理組合の義務も読み取れる内容だ
野口貴公美委員(一橋大学大学院教授) マンション管理には法律が多岐にわたり関係者・団体が多く、合意形成が難しいが、情報公開など管理の適正化に誘導することを期待したい
鎌野邦樹委員(早稲田大学法学学術院教授) 非常に踏み込んだ案となっており、全面的に賛成。法令の改正も必要だが、建て替えの後押しにも、修繕・改修の現実的な問題の解決にもつながる
栗谷川哲雄委員(東京都住宅政策本部民間住宅施策推進担当部長) 都は4月から届け出制をスタートさせる。自治体への国の支援策もお願いしたい
江守芙実委員(江守設計一級建築士事務所代表) 網羅的にまとまっている。より深堀りして好ましい管理の姿を示していただきたい
齊藤広子委員長(横浜市立大学教授) 適正化法は頑張る人にはいいが、管理不全に陥り頑張れない人をどうするかという課題がある。今回の案は新しい時代への第一歩、第一弾というのが感想
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具体的な法整備、取り組みはこれからだが、マンションの適正な維持管理、目指すべき市場形成などに関して網羅しており、「とりまとめ(案)」はとてもよくまとまっていると思う。各委員のコメントによく表れている。
一つだけ言わせていただければ、これほどマンションの管理が社会問題になっているのは、だれも加速度的に進む少子高齢社会の到来を読み切れなかったからだし、デベロッパーも消費者もマンション管理に関心を寄せなかったからでもある。デベロッパーはマンション管理については後ろ向きだった。環境性能表示と同様の管理性能表示を分譲の段階で行うのも一つだと思う。
喫緊の課題の一つでもある団地型のマンション再生について言えば、同じ間取りの同じ価格のマンションを同時に大量に分譲すればどのような事態を招くか容易に想像できたはずだ。深尾氏も指摘したように道路計画を含めてわが国の都市計画の是非、検証を行うべきだと思う。
管理不全マンションの公開は両刃の剣だ。一つかじ取りを間違えれば、世の中から管理が劣悪なマンションは〝抹殺〟されることになりかねない。とはいえ、絶対的排他的土地所有の原則がある限り、国や自治体が支援するのには限界がある。専門家の活用にもお金がかかる。どうするのだろうか。
管理費滞納、空き家・賃貸化公開の是非 神戸市 マンション管理支援制度で検討
神戸市の「マンション管理支援制度委員会」(会長:戎正晴弁護士、明治学院大学法学部客員教授)は2月7日、マンション管理組合に届け出を義務化し、行政がマンションの管理状況を把握する仕組みをつくり、適正に管理することが区分所有者のメリットとなるインセンティブを与え、同時に管理状況の表示により市場で適正に評価されるため、管理費滞納マンションなどを市のホームページで公開することを求める「とりまとめ(案)」を市に提出した。
「とりまとめ(案)」では、建物概要、設備・管理・修繕などのハード面のほか、滞納を含めた管理費徴収の状況、空き家・賃貸化戸数、バリアフリー・環境への取り組み、地域コミュニティへの参加の有無などソフト面でも具体的に記載して市に届け出るよう求めている。タワーマンションの持続可能性に関する事項も盛り込まれている。
届け出は管理組合総会または理事会議決を経た上で提出し、届け出のあったマンションはすべて公開し、管理不全の兆候のあるものには働きかけ型支援を行うことを市に求めている。
戎会長は「情報を市場で評価するには、何らかの形で公開する必要があるが、管理 不全だと マイナス評価を受ける前提では、情報を出さなかったり、公開に抵抗が生まれたりすると思う。どこまで公開するか、情報公開制度のあり方についても次回以降検討したい」(第1回検討会)と述べ、「適正管理を進めていくには、供給時の問題も非常に大事ではあると思う。今回のサイクル案は、適正管理の支援をメインとしているが、供給時の問題についての議論も必要になってくるだろう」(第4回検討会)と語っている。
また、藤岡亨委員(マンション管理業協会関西支部事務局長)は「管理会社によって自己評価や価値観の見出し方が違うと思うので、正直なところ何とも申し上げにくい。当協会では、管理評価研究会を設置して管理状況の評価について検討しており、今は中間とりまとめをしようとしているところであるが、評価はS、A、B、C というランク付けを予定している。管理会社のモチベーションとしては、どれだけB ランクであったものがA ランクに上がったかというようなところをモチベーションにして頂きたいという思いを含めて議論がなされている」と、管理協も管理状況の〝格付け〟を検討していることを明らかにした。
市は、検討会の取りまとめを受け、来年度から具体的な施策の取り組みを行っていくとしている。
マンションの届け出制は、豊島区、墨田区、板橋区、横浜市、名古屋市、大阪市などで行っており、東京都も4月1日付で「東京におけるマンションの適正な管理の促進に関する条例」を施行する。
しかし、管理費滞納の有無や空き家戸数、賃貸化戸数などを求める条例はなく、神戸市の取り組みやマンション管理協の〝格付け〟は波紋を呼びそうだ。第3回委員会の議事録を以下に紹介する。
長田康夫委員(マンション管理センター 大阪支部 支部長) 「支援」という言葉が気になる。支援が必要なところにどのような形で周知するのか。外から見ても管理不全に陥っているというところの区分所有者や管理者が、適正なマンション管理をしていこうという気になるかどうか。届出ができるマンションはどんどん管理状況が良くなっていくが、届出できないマンションはそのまま残っていく。二極化が進むのではないかと危惧している
髙野正浩委員(兵庫県宅地建物取引業協会 常任理事) 行政の認証を受けたからといって資産価値が上がるとは思わない。届出が義務化となれば届出しているマンションとしていないマンションの差がすごく出ると思う。届出のないマンションは売れなくなる。買い手もそこを聞く。従って届出は絶対に進んでいく。届出したいけど出来ないマンションは山ほどある。届出を推進することでマンションの格差が発生する。そのようなマンションに神戸市がどうやって支援出来るかを考えていただきたい
多田敏章委員(兵庫県不動産鑑定士協会会長) 良いマンションは少しの追加投資でより高く売れるマンションになるという方向に進み、マンションを取得しようとしている人には有用な情報を提供することになるが、逆にダメなマンションはより一層ダメになると思う。良いマンションの認証が増えるほど、ダメなマンションは売れなくなり、二極化は必ず拡大する
戎会長 管理組合で情報開示について承認された物件だけ開示するとなると、情報開示制度自体が価値のないものになるおそれがある。マイナス情報を承諾なく開示していいのかという問題は必ずある
小田急不動産「橋本」/大和ハウス工業「湘南辻堂」「第2 回ABINC賞 特別賞」受賞
「リーフィアレジデンス橋本」
小田急不動産は2月7日、町田市の分譲中マンション「リーフィアレジデンス橋本」(全425戸)が一般社団法人いきもの共生事業推進協議会の「第2回ABINCエイビンク賞 優秀賞」を受賞したと発表した。
評価者は「今回の取り組みは画期的と言える。開発とセットで既存の緑地を積極的に保全していく好事例として他の事業でも良い参考となる」としている。
物件は、横浜線 ・京王相模原線橋本駅から徒歩19分の全425戸。敷地のほぼ3分の1が里山。第1期99戸は好調なスタートを切った。
記者が選んだ 2019年「話題のマンション」 28物件(1~10)(2019/12/26)
「プレミスト湘南辻堂」
大和ハウス工業は2月7日、藤沢市で分譲中のマンション「プレミスト湘南辻堂」が一般社団法人いきもの共生事業推進協議会の「第2 回ABINC賞 特別賞」を受賞したと発表した。
評価者は「特筆すべきは、これら広大な緑地に樹林地をはじめ、屋上緑化や家庭菜園、流水・止水を有するビオトープ池などの多様な環境を複合的に配置するとともに、生息が期待される動物種に応じて生息環境や産卵環境を配置するなど、特にハード面で様々な工夫がなされている」としている。
物件は、JR 東海道本線辻堂駅から徒歩9 分の全914戸。
駅2分 南向き全55戸とも8m以上のワイドスパン ポラス中央住宅「東大宮」
「ルピアコート東大宮」
ポラスグループ中央住宅が分譲中の「ルピアコート東大宮」を見学した。駅から徒歩2分と近く、東西軸が長い敷地形状を生かしたワイドスパンのプランが最高に素晴らしい。〝マンションは商品企画〟の見本だ。
物件は、JR宇都宮線(東北本線)・湘南新宿ライン・上野東京ライン東大宮駅から徒歩2分、さいたま市見沼区東大宮5丁目の近隣商業地域に位置する12階建て全55戸。専有面積は56.29~72.92㎡、第2期(8戸)の価格は3,848万~5,348万円、坪単価は220万円。竣工予定は2020年10月下旬。売主は同社のほかアートランド。施工はファーストコーポレーション。販売代理はアートランド。設計事務所はアトリエ禅。
現地は駅から徒歩2分。道路を挟んで西側はJRの線路、敷地南側約12m先には同じ高さで幅は半分くらいのマンションが建っており、一部は日影の影響を受ける。
敷地は、東西軸が約45mの細長い形状で、住戸は1フロア5戸。プランは東南・東西向きの72㎡台がそれぞれ1スパン、他は56㎡台、61㎡台、64㎡台。スパンは最低で8m、最大は8.5m。全55戸のうち44戸は玄関・浴室・トイレいずれか、あるいは2か所に窓が付く。
主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2400mm、収納付きピアキッチン(22戸)、食器棚、食洗機、プッシュプルドア、両面ソフトクローズ機能付き引き戸、玄関ミラーなど。
同社マインドスクェア事業部マンションディビジョン主任・西牟田奈津子氏は、「敷地の従前は2つの駐車場。両方を取得できたのでこのようなプランにすることができました。全戸とも8~8.5mのワイドスパンは市内で当社だけ。昨年11月からモデルルームをオープンしまして、当初は〝価格が高い〟(「蓮田」は175万円)と感じていらっしゃったお客さまもいましたが、最近の相場(「大宮」は坪300万円をはるかに超える)を理解していただきました。来場予約は土曜、日曜はすべて満席。共用部分には不燃化を施した本物の『西川杉』を採用し、ソファーなども国産材。日影の影響は受けますが、前建との距離を確保していますので、日当たりはよい。玄関には初めて〝チラッ〟と見える鏡(幅5センチ)を付け、プッシュプル、〝ただいま動線〟の回遊動線、とどかない錠などのユニバーサルデザイン、コンセント付きL字型出窓、バルコニー水栓、3人乗り自転車が置ける駐輪場、こたつも置ける畳コーナーも採用しました。東南、南西角住戸が最もよく売れていますが、まんべんなく売れています」とよどみなく話した。
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販売事務所で図面集をみせてもらい、その非の打ちどころのないプランに絶句するしかなかった。記者の拙い記事を読むより間取りプランを見ていただきたい。南向き全55戸を8~8.5mスパンにしたマンションなど最近はほとんど見たことはない。設備仕様レベルもこれまでの同社の物件と同じだ。
価格について「坪220万円でどうですか」と聞いたら、西牟田氏は「どんぴしゃり」と答えた。これもまた嬉しいではないか。少しはデベロッパーの戦略、ユーザーの懐具合を理解しているから当たるのだ。この単価でこの設備仕様で坪220万円に抑えられるデベロッパーは皆無だろう。同社に拍手喝采。
ついでだが、同社の「ルピアグランデ浦和美園」(340戸)の建物が完成した。これほどの戸数があるとキャンセルは出るものだが、残りは数えるほどだという。3月末までに完売する可能性が高い。わずか2年間でこれほどの戸数の郊外マンションを売り切る自信があるデベロッパーもまた皆無ではないか。
モデルルーム
分譲マンション販売好調 今後はホテル、倉庫などに注力 大成有楽不「新川崎」
「オーベル新川崎ガーデンズ」
大成有楽不動産が分譲中の「オーベル新川崎ガーデンズ」を見学した。JR横須賀線・湘南新宿ライン新川崎駅から徒歩6分の公園に面した全36戸で、昨年12月に分譲開始し、これまでに21戸が成約するなど好調なスタートを切った。
物件は、JR横須賀線・湘南新宿ライン新川崎駅から徒歩6分(JR南武線鹿島田駅から徒歩6分)、川崎市幸区鹿島田二丁目の第一種住居地域に位置する6階建て全36戸。専有面積は58.27~71.81㎡、坪単価270万円。竣工予定は2020年7月上旬。設計・監理はジムス建築設計事務所。施工はライト工業。昨年12月に第1期26戸を供給、21戸が成約済み。
現地は、平間緑道緑地・FUSOグリーンガーデンに隣接。住戸はすべて南西向き。1フロア5~7戸。50㎡台と60㎡台がそれぞれ1スパン、あとは70㎡台。
主な基本性能・設備仕様は、「オレンジラボ」収納、直床、リビング天井高2400~2500mm、食洗機、フィオレストーンキッチン天板、洋室引き戸、扁平梁、換気機能付き玄関ドア、室内物干しポールなど。
同社マンション事業本部マンション事業部事業室主任・堀内文普氏は、「極めて順調。これまで分譲された物件は駅から距離があったり準工だったりしたが、ここは公園に隣接。品川へ13分、横浜も一駅という利便性も評価されている」と話している。
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「グランツオーベル中野」と「オーベルアーバンツ銀座築地」のレベルが高く、この物件も販売好調と聞いたので見学した。
確かに住環境はいい。「鹿島田」のイメージは〝準工〟だが、ここはマンション化が進んでいる住宅地。
価格は高いような気がしないわけでもないが、新川崎駅圏の同じ距離圏の物件が坪単価283万円で早期完売したとのことで、お客さんも納得の価格なのだろう。武蔵小杉とは坪100万円近く安い。
「オレンジラボ」収納について。他社が男性用の靴を互い違い、女性用を二段重ねにして工夫していると堀内氏に話したら、「従来の一般的な下足入れの幅は1.2mなのに対し、当社は1.5m。奥行きもきちんと確保しているので、従来型だと34足しか入らないが、当社は50足以上入る。そんなことする必要ない」と一蹴されてしまった。なるほど。
今後の予定物件についても聞いた。堀内氏は「新築分譲マンションに加えてこれからはホテル、倉庫などにも力を入れていく」とのことだった。
大成建設が施工した「国立競技場」の施設管理を同社が代表企業として受注したのには驚き、かつ納得もした。どのようにして盛り上げるのか、こちらも注目だ。
モデルルーム
来場者殺到 眼前に桜並木が美しい石神井川 コスモスイニシア「板橋 桜レジデンス」
「イニシア板橋 桜レジデンス」(建物は完成予想図)
コスモスイニシアが2月上旬に分譲する「イニシア板橋 桜レジデンス」を見学した。都営三田線板橋区役所前駅から徒歩9分の全152戸で、全戸南向き、桜並木が美しい石神井川に隣接していることから問い合わせ・来場が殺到しており、販売担当者は「この1、2日で新規、再来のお客さんは40件。メチャ忙しい」と確かな手応えを感じていた。
物件は、都営三田線板橋本町駅から徒歩8分、板橋区本町の商業地域に位置する15階建て全152戸(うち一般分譲対象外住戸36戸含む)。専有面積は43.65~70.28㎡、予定価格は3,800万円台~6,500万円台、坪単価は296万円。第1期販売を2月上旬に行う予定。竣工予定は2021年2月下旬。売主は同社のほかセコムホームライフ。施工は大豊建設。
現地は、従前戸建てなどが建ち並んでいた一角。駅からのアプローチは旧中山道の「中宿商店街」を通ることから、これも〝売り〟の一つになっている。敷地南側は桜並木が美しい石神井川。建物は全戸南向き。敷地内に「お花見テラス」を設置するほか、歩道には枯死したためか欠けている2本のサクラも補植する予定。
住戸プランは、40・50・60㎡台が中心で、最大は70㎡台の南東・南西向きプランがそれぞれ2スパン。全体的にグロスを抑えているのが特徴。
主な基本性能・設備仕様は、両面アウトポール設計、標準階のリビング天井高2450mm、食洗機、ミストサウナなど。
販売担当の同社分譲事業部分譲二部一課プロジェクトマネージャー・武田悠氏は、「昨年11月からの来場者数は約200件。この2月1、2日だけで新規・再来は、接客ブース6つ3回転全て満室の40件。すごい人気。(価格が高い)北区居住者の方は(板橋区は価格が低いので)すぐ決断される」と話していた。
玄関
モデルルーム
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特徴の一つである実用新案登録済みの「ウェルカムホール」について。同社は数年前からマンションも戸建ても〝魅せる玄関・ホール〟に力を入れており、これが人気を呼んでいるのだが、今回も一部の住戸を除き採用している。
玄関・ホールの幅は狭いもので1390mm、広いタイプだと2000mm以上もある。その分だけ居室面積が狭くなるが、実によくプランニングされている。モデルルームは63㎡だが、広く感じさせるのはこのプランニングがいいからだ。トイレドアノブを壁面までセットバックさせているのはいつもの通りだ。
〝玄関は住宅の顔〟だ。尺モジュールを良しとしているデベロッパーは考え直したほうがいい。
もう一つ、なかなかいい提案だと思ったのは「つむユニ」だ。約5.5畳大の子ども部屋に2段ベッドを設えている。
同じような提案は、伊藤忠都市開発、三菱地所レジデンス、日本土地建物「武蔵境」などでも見た。居住面積を狭くするのならこのような提案をするのは当たり前だと思う。意外と価格の高いのがネック(伊藤忠都市はポイント制だったか)だが…。
さらにもう一つ、面白い提案があった。板橋区は子どもも楽しめる、つまり記者も夢中になったあの力道山時代の、殴ったり蹴ったりの乱闘となり全身血みどろの凄惨なものではなく、笑いを誘うおじいちゃんプロレスラーが中心の「いたばしプロレスリング」が人気だそうだ。
ネットで調べた。「いたばしプロレスリング」は「地域密着の活動は区行政の目に入り公認されるまでに至った。実際に板橋グリーンホール大会に区長や区職員を招待して収益の一部を板橋区に寄付している」(ウィキペディア)とあった。
同社は地域活性化イベントとして2月24日(天皇誕生日振替休日)に行われるプロレス大会に〝協賛〟し、「イニシア板橋マン」を登場させる。
ついでに「中宿商店街」について。記者も往復で約1時間かけて観察した。「十条銀座」もそうだが、区内にはまだまだ昔を彷彿とさせる商店街が健在だ。米屋、総菜店、和菓子店、焼き鳥屋、居酒屋、時計屋、食堂…などがある。昼食を取っていなかったので、居酒屋に入りビールともつ煮を注文した。わが多摩センターにはこんなレトロな呑み屋はない。社に帰らなくてよければ酔いつぶれていたかもしれない。
エントランスアプローチ
いたばしプロレスリング ポスター
高層ZEH-M プラン秀逸 日本エスコン「レ・ジェイド大倉山」
「レ・ジェイド大倉山」
日本エスコンが2月に分譲する「レ・ジェイド大倉山」を見学した。環境省の「平成31年度 高層ZEH-M(ゼッチ・マンション)支援事業」に採択されたマンションで、断熱性、省エネ性に優れているのもさることながらプランが秀逸。価格次第では申し込みが殺到しそうだ。
物件は、東急東横線大倉山駅から徒歩12分、横浜市港北区大倉山五丁目の準工地域に位置する6階建て全25戸。専有面積は61.22~80.10㎡(防災倉庫面積含む)、価格は未定。竣工予定は2020年11月上旬。設計・監理はDAN総合設計。施工は大勝。
現地の用途地域は準工だが、マンション化が進んでいるエリアで嫌悪施設はほとんどない。敷地はスーパー成城石井の跡地で、桜並木が美しい太尾新道・太尾堤緑道に面し、対面に太尾小学校(徒歩3分)がある。
建物は、1フロア3~5戸。1部住戸を除き5~6面採光・開口。角住戸比率は80%。全住戸とも完全アウトフレームのワイドスパンが特徴で、中住戸は吹き抜け付き。
主な基本性能は、「ZEH-M Oriented」レベルをクリアしているほか、二重床・二重天井、リビング天井高2400ミリ、食洗機、吊戸棚、御影石キッチン・洗面室天板、Low-E樹脂ガラス、住戸前防災倉庫、スロップシンクなど。
1月11日にモデルルームをオープンし、2週間で約50組が来場。接客ブース3席はすべて満席だという。
リビング
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対応してもらったのは、昨年末に「豊田」を見学したときと同じかわいい女性のSさん。笑顔を絶やさず、記者の指摘することをすべてメモにする姿勢には感心した。
マンションの販売現場と言えば、慇懃無礼な来場者アンケートを半ば強制し、最近は価格に上乗せさせる〝来場者プレゼント商品券〟を無理やり押し付けるデベロッパーがほとんどだが、本来はお客さん(記者はお客さんではないが)の声をしっかり聴き、商品企画に反映させるのが仕事のはずだ。
Sさんには「樹脂サッシ枠を採用しているマンションは少ない。普通のアルミサッシ枠との熱の伝わり方をきちんと伝えられたら、お客さんは感動するはず」と伝えた。きっと実践してくれるはずだ。パンフレットだけではZEHのよさはなかなか伝えにくい。
「ZEH」について説明は省くが、居住性の高いマンションだ。プランがいい。角住戸比率が80%なので採光・開口部は多いのは当然だが、西向き中住戸(61㎡)の間口は7.8m。リビング・居室3室すべてに窓が付くほか、吹き抜けに面した玄関にも滑り出し窓が付く。窓枠はLow-E樹脂サッシなので断熱性能も高い。モデルルームのカラーリングもいい。
さて、価格。2月半ばには決定するそうだ。いったいいくらになるか。坪310万円で即日完売した野村不動産「プラウド大倉山サウスコート」40戸は見ていないが、居住性能を考えたら日本エスコンの物件は負けないはずだが…。
ベッドルーム
「二度とできない設備仕様レベル」長島部長 総合地所「横浜戸塚」第1期108戸成約
「ルネ横浜戸塚」
総合地所は1月29日、全439戸の大規模マンション「ルネ横浜戸塚」を昨年12月に販売開始し、第1期108戸が成約したと発表。同日、報道陣向け見学会を行った。同社分譲事業部営業一部部長・長島恵一氏は「長谷工コーポレーション施工で当社分譲では二度とできない設備仕様レベルの高さ」と胸を張った。
物件は、東海道本線戸塚駅から徒歩12分、横浜市戸塚区吉田町に位置する敷地面積約16,470㎡、7階建て全439戸。第2期(戸数未定)の専有面積は64.62~86.53㎡、予定価格は3,400万円台~6,200万円台、坪単価220万円。完成予定は2021年1月下旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。
昨年12月1日に第1期137戸を抽選分譲し、これまでに108戸を成約。来場者数は約600件。来場者の属性は、年代は30歳代が45%、40歳代が20%、現居住地は戸塚区が約50%、年収は500万円台約20%、600万円台約15%、700万円台約15%。
現地は、スーパー・ダイエーの跡地。道路を挟んだ西側は桜の名所である柏尾川。敷地に隣接して大型複合商業施設・イオンスタイル戸塚が建設される。
建物は5棟構成で、全体の約75%331戸が南向き、約25%108戸が西向き。共用部には「KOKUYO」が監修する木造建築のワーキングラウンジを設置。スマホアプリで荷物の受け取りが可能な戸別宅配ボックスを全住戸の玄関前に採用したほか、ルネオリジナルキッチンやユーズスタイルなど最新の仕様設備を採用しているのが特徴。
主な基本性能・設備仕様は、リビング天井高2400ミリ、直床、食洗機、ディスポーザー、バックカウンター、両面アウトフレーム、物干しポールなど。このほか、玄関通風窓、可動式間仕切り収納「UGOCLO-ウゴクロ-」、ホーローパネルのコミュニケーションボードを標準装備。
引き出し付きクローゼット
モデルルームに置かれていた本物のポトス(2週間に一度の水やりで十分)
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「長谷工コーポ施工で当社分譲では二度とできない設備仕様レベルの高さ」と同社分譲事業部営業一部部長・長島恵一氏が胸を張ったのに納得した。〝簡にして要〟とはこのことを言う。
確かに、戸塚駅からのアクセスはフラットで、敷地西側には魚も泳ぐという柏尾川が流れ、絶滅危惧種のミズキンバイが自生している環境はいいし、設備仕様レベルは高いと思う。
マンション見学会の責任者はいつもこうであってほしい。
柏尾川
屋敷林と公園に面した立地抜群 三井不レジ「パークホームズ中野本町」
「パークホームズ中野本町ザ レジデンス」
三井不動産レジデンシャルが分譲中の「パークホームズ中野本町ザ レジデンス」を見学した。敷地約1,844㎡の邸宅跡地の7階建て全46戸で、南側は臨家の屋敷林、東側は道路を挟んで公園という恵まれた立地条件にあり、早期完売は間違いない。
物件は、東京メトロ丸ノ内線中野坂上駅から徒歩8分(同中野新橋駅から徒歩5分)、中野区本町3丁目に位置する7階建て全46戸。専有面積は60.50~86.91㎡、現在分譲中の住戸(2戸)の価格は7,888万円・8,758万円(60.50㎡・68.98㎡)、坪単価は410万円。竣工予定は2020年9月上旬。設計は日建ハウジングシステム。事業主は同社のほか東レ建設。施工は松井建設。すでに第1期20戸が供給済み。
現地は一軒の邸宅跡地。敷地南側は臨家の屋敷林、東側は奥行き約105m、広さ約7,000㎡の本二東郷やすらぎ公園。歩いて1、2分の小学校は建築中。
建物は、「緑」「塀」「門」「奥」「軒」の日本建築の伝統美を承継したデザインが特徴で、石積みの擁壁を設け、深い軒裏のデザインは木調仕上げ。住戸は東向き。主な基本性能・設備仕様はリビング天井高2450mm、直床、食洗機、ディスポーザー、フィオレストーンキッチン天板、Low-Eガラスなど。
販売を担当する同社都市開発三部事業室レジデンシャルサロン所長・日髙裕喜氏は、「立地環境が評価され、地元以外の小田急線、京王線沿線などの広域居住者からの反響も多い」と語っている。
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公園に面した同社のマンションは、一昨年見学した「パークホームズ荻窪ザ レジデンス」以来だったが、今回の販売責任者もまた同じ日髙氏だった。日髙氏は笑って答えなかったが、これほど住環境に恵まれているのなら記者だって売る自信はある。
坪単価もぴったりだと思う。現地を見学したときは冷たい雨が降っており、他のマンション取材などで2万歩くらい歩いており、駅から7分の距離は遠く感じられ〝こんなに遠ければ坪単価350万円でも高い〟と感じたが、立地条件を確認して〝これなら坪400万円を突破しても間違いなく売れる〟に上方修正した。
近く2期の分譲も始まるが、完売するのは時間の問題だ。
東側の公園と新宿方面の眺望(左端はモリモトのマンション)
久々に1低層の〝パークホームズ〟 三井不レジ「荻窪」売れ行き好調(2018/12/9)