病院隣接 入居の年齢制限なし ミサワホーム初のシニア向け所有権付き「浦安舞浜」
「LUMISIA(ルミシア)浦安舞浜」完成予想図
ミサワホームは8月9日、同社初の所有権付きシニア向けマンション「LUMISIA(ルミシア)浦安舞浜」の見学会を行った。隣接する「スマートウェルネス拠点整備事業」として建設される医療・介護・子育て・住宅の複合施設「ASUMACI(アスマチ)」に隣接するもので、レベルの高いマンションだ。坪単価240万円は安いのではないか。
物件は、JR京葉線新浦安駅からバス9分、徒歩3分(運行予定のシャトルバスで約4分)、浦安市東野三丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率150%)に位置する4階建て全88戸。専有面積は42.39~90.76㎡、価格は3,580万~1億円。坪単価は240万円。管理費は27,600円~。生活支援業務費は30,910円/月。レストラン運営金は15,625円/月。竣工予定は2020年2月末。企画・販売代理はハイネスコーポレーション。設計・施工は大末建設。
現地は、国土交通省「スマートウェルネス拠点整備事業」にも認定されている、医療・介護・子育て・住宅からなる4階建て延床面積約3,232㎡の複合施設「ASUMACI(アスマチ)」に隣接。
同施設は開院から40年以上が経過し、耐震強化や機能更新などの課題を抱えていた地元の浦安中央病院の建て替え計画検討をきっかけに、地域包括ケアや子育て環境の整備を検討する浦安市、街の活性化を図る京葉銀行、国のスマートシティ構想に取り組んでいきたいというミサワホームの4社が合意に達し、2018年に着工された。2020年2月に竣工する。
今回の「LUMISIA(ルミシア)浦安舞浜」は、「ASUMACI(アスマチ)」に併設される賃貸住宅を自ら居住用(投資用とは聞かなかった)として購入したいという人が現れたのがきっかけで、そのようなニーズがあることが分かったため隣接地を買収して建設することを決定した。
建物はロの字型で、内廊下方式。建築基準法55条の2により敷地内の空地率を一定以上に確保することで高さを12mまで建てられる緩和を受けている。主な共用施設は24時間対応のコンシェルジュデスク、レストラン、大浴場、個浴室、AV・ホビールーム、図書カウンターなど。専有部の主な基本性能・設備仕様は、リビング天井高2400ミリ、サッシ高2100ミリ、二重床・二重天井、食洗機、玄関引き戸、メーターモジュールの廊下、セフィオンテクトのトイレなど。
入居者の健康長寿・未病を支援するため、豊田通商が開発した健康管理システム「からだステーション」が採用される。運動データを計測する専用ウェアラブル端末「Karamo(カラモ)」と血圧計・体組成計を提供し、入居者の健康データを一元管理する。そのデータをもとに、スタッフが健康指導やカウンセリング、運動プログラムの提供などを行う。
見学会で同社執行役員・佐藤徹氏は「医療・地域などとの連携を図り、自由で資産性が高く、いつまでも元気で暮らせる住宅を提供する。購入に際して旧自宅の買取再販、空き家対策も行っていく」と話した。
また、京葉銀行法人営業部長・古屋秀氏は「リバースモーゲージにも特別枠で対応する。今回の成功事例を県内の他の地域にも広げたい」と、医療法人社団やしの木会浦安中央病院院長・髙須雄一氏は「病院単独ではこのような事業は出来なかった。入居者の方々が長く健康でいられるよう手伝っていく」とそれぞれ語った。
同社は、完成後の9カ月後の2020年内完売を目指す。中期経営計画でも2023年までに3棟建設する計画で、首都圏・関西圏で数多くの相談が寄せられており、仕掛け中のものもあるという。
物件について説明する同社開発事業部都市開発課長・山崎将仁氏(左)と同部分譲・事業推進課長・富樫昌生氏(山崎氏が「どうぞお撮りください」と話したので撮りました)
◇ ◆ ◇
坪単価は一昨日見学したフージャースHDの「デュオセーヌ豊田」と同じ240万円と読んだが、がその通りだった。設備仕様レベルは考慮しないで立地条件のみで判断)。物件をたくさん見ると単価が見えてくる。
総合的に判断して「いいマンション」だと思った。何がいいかといえば、第一に、入居に年齢制限がなく、何人住んでも誰と住んでも痴呆になっても〝排除〟されないことだ。記者は「シニア向け」が分譲されたときからそうすべきと思っていた。
いまは「シニア向け」が圧倒的に少ないからそう呼ぶのかもしれないが、居住者の平均年齢が65歳を超えるマンションは激増する。そうなれば「シニア向け」という言葉は死滅する時代が来る。
記者などはどんなに年をとっても、若い女性が住む街・マンションに住みたいと思う。姥捨て山のように隔離されるのだけは嫌だ。若い人も年寄りも一緒に仲良く住めるのが本来のマンションではないか。
第二は、商品企画だ。約73㎡のモデルルームもシニアだけでなく普通のファミリーが入居してもいいように設定されていた。玄関引き戸、メーターモジュール廊下、幅広のトイレドアなどはお年寄りだけでなく万人に使いやすいものだ。年齢制限をなくしたことと合わせれば画期的な提案だと思った。
これまでのシニア向けの購入・入居者は圧倒的にお年寄りの単身女性が多いはずだが、このマンションは夫婦の入居比率が高くなるのではないか。
だが、しかし、ファミリーの入居を阻む問題が一つある。管理費などだ。一般的なマンションの3~4倍はする。高いのはレストランや大浴場などの維持・管理に費用がかかるので当然なのだが、月額4~7万円となるとファミリーは二の足を踏む。管理費を二本立てとし、若年層は利用ごとに課金されるようにしたらどうか。お金を払ってでもレストランや大浴場を利用しようと考える若年層はいるはずだが…これでは費用不足になるか…。難しい問題だ。
同社も他社も今後は「シニア向け」を企画するなら、賃貸-ファミリー-サ高住など多様な世代が住めるサスティナブルな街づくりを目指してほしい。
健康管理システム「からだステーション」の説明を聞く報道陣
◇ ◆ ◇
販売事務所や配布資料などに「ハイネスコーポレーション」の名が大きく出ていたので「ハイネス恒産」を思い出した。今の若い方はご存じないだろうが、バブル崩壊まで「ハイネス恒産」は住産協(現全住協)の中心メンバーだった。
関連はあるのかと聞いたら、同社ライフアドバイザー・東純二氏は「バブル崩壊後にハイネス恒産大阪支店から独立して設立された会社」と語った。
いまでは関西圏で供給されたシニア向けマンション約4,300戸のうち同社が分譲した7棟と他社物件の販売代理3棟を合わせると約1,700戸に上るトップシェアだという。首都圏での展開も検討しているそうだ。
大浴場
玄関引き戸
「HARUMI FLAG」の第1期600戸 平均2.6倍で即日完売
「HARUMI FLAG」全体像
三井不動産レジデンシャルを幹事とするデベロッパー10社は8月7日、「HARUMI FLAG」第1期600戸を8月5日に抽選分譲した結果、1,543組の申し込みがあり、最高71倍、平均2.57倍で即日完売したと発表した。これまでの見学者は5,100組超。
販売されたのは「SEA VILLAGE(A棟・B棟・D棟)」の211戸(最多価格帯8,600万円台)と「PARK VILLAGE(A棟・B棟・C棟・F棟)」の389戸(最多価格帯6,400万円台)。坪単価は302万円。
三方向を海に囲まれ、レインボーブリッジなどを見渡すことができる「眺望の良さ」、都心6区の平均専有面積より20㎡以上も広い「ゆとりあるプラン」、銀座へ約2.5㎞・中央区晴海という東京都心と湾岸エリアの結節点となる「利便性の高い立地」を中心に、「商業施設や保育施設、小中学校、公園等が揃うALL IN TOWN」であること、「子育て世代やシニア世代など誰もが住みやすいユニバーサルデザインの街」であることなどが評価されたという。
登録者の年代は30歳代31%、40歳代31%、50歳代18%、60歳代以上15%、居住地は中央・江東・港区で48%、家族数は2人32%、3人28%、4人27%、5人以上6%、職業は会社員58%、会社経営者・役員26%。
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2020東京オリンピック・パラリンピックの選手村として利用される〝レガシーマンション〟であり、メディアが〝格安〟などと大騒ぎしている割には、平均倍率が2.6倍という数字にはやや物足りなさを感じる。近年のマンションでいえば、規模を考えると「Tomihisa Cross」(1,093戸)や「SKYZ TOWER&GARDEN」(1,110戸)、「BAYZ TOWER&GARDEN」(550戸)のほうが盛り上がったような気がする。しかし、「HARUMI FLAG」の入居はずっと先だし、様子を見ようというユーザーが多いからではないかと考えると、妥当な数字にも思える。
参考までに紹介すると、昭和61年夏に分譲された民活第一号マンション「西戸山タワーホウムズ」(576戸)の来場者は約6万人に達し、申し込み倍率は実に44.2倍だった。
東建など6社共同「東京ワンダフルプロジェクト」第2弾「BAYZ」分譲へ(2014/5/28)
ハイブリッド免制震など初ものづくし、満艦飾マンション「東京ワンダフルプロジェクト SKYZ TOWER&GARDEN」(2013/6/13)
地揚げから30年 坪330万円のマンションに再生「Tomihisa Cross」(2013/9/5)
LDK空間を自由に変更・利用できる「コネクト スタイルキッチン」開発 大京
「Connect Style Kitchen(コネクト スタイルキッチン)」イメージ図
大京は8月6日、マンションのLDKをフレキシブルに使用できる「Connect Style Kitchen(コネクト スタイルキッチン)」空間を開発し、今後、分譲マンションやリフォーム・リノベーションマンションに採用していくと発表した。
ライフスタイルや価値観、家族形態が多様化し、ニーズも変化している中、用途が限定され、住宅の狭小化が進んでいることに対応するもの。
好きな時に好きなように動かせる「コネクトカウンター」をLDKの中心に配置。カウンター内部に収納スペースを設置することで調理家電の収納場所を確保しているほか、キャスターにより簡単に移動することができる。
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実物を見てみないと何とも言えないが、意図はよく分かる。建築費の高止まりで、最近のマンションはどんどん専有面積が狭くなっている。キッチンの広さもせいぜい3.1~3.5畳大しかない。ダイニングとリビングを合わせても15畳大あればいいほうだろう。各社はゆったりしたLDKを確保できないから、隣接の居室をスライドウォールを用いてフレキシブルに利用できるように提案しているのが現状だ。
一つ、よく分からないのは食卓との関係はどうなるのかだ。両方を置くことは難しいような気がするし、コネクト スタイルキッチンが小さいと物置になりかねない。首都圏マンションにも採用されるはずなので、しっかり確認したい。
同社によると、標準形の寸法は長さ:1,650mm、高さ:850mm、奥行き:750mm。なるほど、これくらいなら邪魔にならないか。
概念図(左は従来の、右は「Connect Style Kitchen(コネクト スタイルキッチン)」)
フージャースHD シニア向け「デュオセーヌ豊田」竣工 半分強が契約済み
「デュオセーヌ豊田」
フージャースホールディングスは8月7日、グループのフージャース ケアデザインのシニア向け分譲マンション「デュオセーヌ豊田」が完成したのに伴う「建物完成お披露目会」を行った。
物件は、JR中央線豊田駅から徒歩17分、日野市旭が丘三丁目に位置する8階建て全118戸。専有面積は42.00~70.07㎡、現在分譲中の住戸(37戸)の価格は3,148万~5,998万円(最多価格帯3,300万円台)、坪単価は240万円。有効率は約8割。建物は2019年7月竣工済。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。
これまで半分強が分譲済み。入居予定者の男女比率は3:7、入居時の年齢は74、5歳以上、夫婦での入居は約3割。
担当者によると、入居から5年が経過した「つくば」では死亡や要介護3以上の理由などから約1割に退去が発生しているが、中古市場では分譲時価格の約9割を維持しているという。
同社は今後、「国立」(228戸)、「相模原」(233戸)、「東戸塚」(186戸)、「船橋高根台」(207戸)、「大宮」(266戸)を竣工する予定で、年間2~3棟をコンスタントに供給していく。
ラウンジ
一般利用も可能なレストラン
百数十万円はしそうなエントランスのオブジェ
植栽
植栽
進化するシニア向け所有権付き「デュオセーヌ」 フージャース「国立」&「豊田」(2018/9/4)
フージャース シニア向け「ちはら台駅前」 入居前に6割が契約・申し込み済み(2018/1/22)
「HARUMI FLAG」「著しく利益増」の「著しく」とは当初売上計画の1%
7月30日付の住宅新報は「HARUMI FLAG」の第1期分譲戸数は「SEA VILLAGE」の一部211戸と、「PARK VILLAGE」の一部389戸の合計600戸で、平均の分譲坪単価は302万円であると報じた。記者が知る範囲で600戸の平均単価について報じたのは同紙だけだ。これはクリーンヒットだ。
ただ、この単価は同紙が全600戸の販売価格を全専有面積で割って算出したというより、工業市場研究所の美濃部康之取締役がコメントしているように、おそらく工業市場研究所が計算したものと思われる。(間違っていたらごめんなさい)
記者は、第1期の分譲戸数はこれくらいが適当だと思う。単価については、オリンピック選手村として一時利用される特殊要因を考慮しなければしごく妥当な価格だと思う。
今回分譲される日本設計が設計を担当し、長谷工コーポレーションが施工している運河に面した「SEA VILLAGE」はもっとも優れていると思っていたし、日建ハウジングシステムと三井住友建設が設計し、三井住友建設が施工を担当している公園に面する「PARK VILLAGE」も条件がいいので価格(単価)が高くなっても不思議ではないというのが率直な感想だ。
販売戦略として価格が高いほうから売るか低いほうから売るかは一概に何とも言えないが、価格の高いほうから売るというのは正解だと思う。〝ここに住みたい〟という人は一定数いるはずで、そうしたユーザーに最前席を用意するのは当然だ。
今後の市況はいまひとつ読めないが、第1期以降に分譲される住棟は単価が下がるのではないかと思うので、4月26日付で書いた坪単価280万円予想を現段階で修正する必要はないと考えている。
一つ、新しいことを付け加えるなら、都とデベロッパーとの間に当初交わされた譲渡契約で「著しく利益が上がった場合は、譲渡金額について協議する」条項について、「著しく」とはどの程度かということが明らかになった。
小池百合子都知事が7月26日の記者会見で、記者団の質問に次のように答えているので紹介する。
「この条項については、全ての住戸の引渡しが完了しまして、収益が確定した時点で分譲予定収入、1%を超える増収があった場合には、敷地譲渡金額の変更について協議することといたしておりまして、その増収分については、経費などを除いて折半するという確認書を今年の5月に事業者側と取り交わしたということで…」
つまり、全住戸の販売が完了・引き渡しが終了した時点で、当初提出された計画より売り上げ・利益が1%以上上回ったら、その利益を折半するということだ。
1%とはまた厳しいような気がするが、双方とも批判にさらされたくないということだろうし、透明性を高めるのもいいことだ。
では、いったいどれくらいの上昇が許容範囲かということだが、記者は当初予想の250万円の10~15%増の275~287.5万円くらいと考える。
これくらいなら都民も納得するはずで、都も収入増となりデベロッパーも潤う。結果として購入者にも利益が還元されるということだ。三方よしとはこのことを言う。いま係争中の裁判でもこの1%ルールは都側に有利に働くと見た。
仮にこれ以上の利益を出したら、それこそ〝適正〟に売却価格をはじき出した不動産鑑定士の顔に泥を塗ることになり、法の存立そのものが危うくなると思う。裁判の行方だって分からなくなる。
地所レジから専有卸受け分譲 タカラレーベン「上尾」1年で全183戸完売の勢い
「レーベン上尾GRAN MAJESTA」完成予想図
タカラレーベンの売れ行き好調マンション「レーベン上尾GRAN MAJESTA」を見学した。昨年12月、三菱地所レジデンスから専有卸を受け分譲開始。販売担当は「商品企画も販売事務所、モデルルームもほとんど地所レジさんが行ったもので、当社はほとんど手を付けていない。売れ行きがいいのは、地所レジさんのブランド力もある」と話している。
物件は、JR高崎線上尾駅から徒歩7分、上尾市上町2丁目に位置する11階建て全183戸。専有面積は63.36~94.35㎡、第5期(戸数未定)の価格は2,900万円台〜5,200万円台。坪単価は190万円。竣工予定は2019年12月下旬。設計・監理・施工は木内建設。デザイン監修はWe+Fvision石倉雅俊氏。
現地は、創業120余年の老舗「酒蔵 文楽」と蕎麦と一品料理店「東蔵」に隣接。敷地は二方道路の角地。三菱地所レジデンスが2007年に取得し、2018年年3月に建築確認済み。ホームページで資料請求を募り、販売事務所も完成した段階で、タカラレーベンが譲り受けたもの。
建物は南西向きが長辺で、南東向きが短辺のL字型。主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高2450~2550ミリ、ディスポーザー、食洗機、ミストサウナ、たからの水など。
同社第1営業グループ第1営業部1課係長・水嶋和也氏は次のように語った。
「用地は2007年、旧藤和不動産さんが取得。2018年着工したものを販売直前に当社が取得した物件で、上尾駅圏では3年ぶりの新規分譲です。これまでの来場者は800件弱。埼玉県では『シントシティ』に次ぐ多さ。営業は8人体制、1日3クールでも対応できないときもあり、朝の8時と夜の7時枠を追加するほどでした。地所レジさんのブランド力も売れ行き好調の一因だと考えています。完成までまだ5カ月あるので竣工完売が期待できそうです」
◇ ◆ ◇
上尾のマンション見学は、住友不動産が2012年に分譲し、人気になった「シティタワー上尾駅前」(全297戸)以来7年振りだ。
物件は、三菱地所レジデンスから専有卸で取得したものであるのは事前に知っていたが、まさか販売事務所やモデルルームの設営まで済んだものを取得したものだとは知らなかった。地所レジが標準装備にしている浴室の上下可動式フックス付きスライドバーまでそのままだった。
立地もなかなかいい。敷地の南側は老舗「酒蔵 文楽」とその店舗が隣接し、大きな駐車場もあるので前面が開けている。
設備仕様レベルを考慮すると、単価もリーズナブルなものだと思う。どうして地所レジが自ら売らなかったのが不思議だ。
モデルルーム
◇ ◆ ◇
上尾のマンション見学は、住友不動産が2012年に分譲し、人気になった「シティタワー上尾駅前」(全297戸)以来7年振りだ。
物件は、三菱地所レジデンスから専有卸で取得したものであるのは事前に知っていたが、まさか販売事務所やモデルルームの設営まで済んだものを取得したものだとは知らなかった。地所レジが標準装備にしている浴室の上下可動式フックス付きスライドバーまでそのままだった。
立地もなかなかいい。敷地の南側は老舗「酒蔵 文楽」とその店舗が隣接し、大きな駐車場もあるので前面が開けている。
設備仕様レベルを考慮すると、単価もリーズナブルなものだと思う。どうして地所レジが自ら売らなかったのが不思議だ。2007年の用地知湯得だから、リーマン・ショックの影響があったのかもしれない。
現地
大和ハウス工業 白金高輪駅1分のマンション共同建て替え284戸 着工
完成予想図
大和ハウス工業は7月29日、高輪一丁目の共同建替計画マンションの着工を8月に行うと発表した。
地下鉄東京メトロ南北線、都営三田線白金高輪駅から徒歩1分の2棟の分譲マンションと隣接の3敷地を計画敷地として建設される35階建て全284戸のタワーマンションとなる。同社が取得する保留床は分譲マンションとして2020年度にモデルルームを開設し、販売開始する予定。専有面積は29.73~117.15㎡。施工は西松建設。事業主体は高輪一丁目共同建替計画マンション建替組合。
従前のマンションは、1970年(昭和45年)に建設された「パシフィック高輪マンション」(63戸)と1979年(昭和54年)竣工の「トーア第二高輪マンション」(93戸)。
建物の老築化、耐震性への不安、居住者の高齢化、空き住戸の増加などの課題に対応するため、HOU一級建築士事務所立案による総合設計許可を適用して最大割増容積を取得し、2010年1月に近隣数棟による「共同建替検討委員会」を発足。その後検討を重ね、2016年5月に「建替え決議」を可決。2017年2月、円滑化法に基づく建替組合の設立認可(参加組合員:大和ハウス工業)。
坪単価は700万円を超えるかどうか 東京建物ほか 山手線内最大級「白金ザ・スカイ」
「SHIROKANE The SKY(白金ザ・スカイ)」完成予想図
東京建物は7月29日、同社を幹事会社とする長谷工コーポレーション、住友不動産、野村不動産、三井不動産レジデンシャル5社JVによる〝住・商・工・医〟再開発複合マンション「SHIROKANE The SKY(白金ザ・スカイ)」のプロジェクト発表会&モデルルーム内覧会を行った。1993年以降に分譲された山手線内のマンションの規模としては最大の1,247戸の規模で、モデルルームは8月24日にオープン、10月下旬に第一期の販売を開始する。これまでの資料請求は約4,500件。
物件は、東京メトロ南北線・都営三田線白金高輪駅から徒歩3分、港区白金一丁目に位置する45階建て東棟・19階建て西棟・4階建て低層棟の3棟の全1,247戸(非分譲477戸含む)。専有面積は23.94~147.10㎡、価格は未定。設計・監理は梓設計。デザイン監修は光井純アンドアソシエイツ建築設計事務所。施工は大林・長谷工建設共同企業体。完成予定は2022年12月下旬。
従前の現地は、住宅・工場・事務所・商業などが混在し、建物の老朽化、敷地北側に流れる古川の増水被害などの課題を抱えていたエリアで、2004年に「白金のまちを考える会」が発足し、2013年の都市計画決定、2015年の「白金一丁目東部北地区市街地再開発組合」設立を経て、今回着工に到ったもの。5社は参加組合として事業に参画している。
再開発によって、質の高い居住環境を整備するとともに、土地の集約化、周辺道路や歩行者空間等の整備や幹線道路沿道の電線類の地中化などを行い、あわせて事務所や工場など既存都市機能の維持と機能更新を図る。
分譲棟は45階建てと19階建ての分棟・分節構成とし、周囲の街並みと調和させながら、ランドマークとなる印象的なデザインとし、西棟には屋上庭園も設置する。
発表会に臨んだ東京建物執行役員プロジェクト開発部長・田代雅実氏は「『白金』は再開発の聖地であり、今後も発展が望めるポテンシャルの高いエリア。5社のノウハウを注いで賑わいの創出と歴史を継承して、コミュニティあふれる新しい街づくりを進める」と語った。
ランドスケープ入り口
中央広場
田代氏(左)と同社プロジェクト開発部事業推進グループ グループリーダー・櫻井晋氏
◇ ◆ ◇
最大の関心事である価格(坪単価)について。小生は、発表会会場である記者と単価の賭けをした。小生は「坪700万円以下はあり得ない。800万円と聞いても驚かない」というもので、その記者は「坪650万円。700万円台に載ったら食べ放題の焼き鳥を奢る」と話したので、小生は逆に「700万円を割ったらあなたが指定する店で食べ放題の焼き鳥を奢ってやる」と言い放った。
残念ながら坪単価については、箝口令が敷かれているのか、田代氏をはじめみんな口を閉ざした。今日の段階ではどちらが勝つか勝敗は不明だが、小生が勝つような気がする(負けたってこの記者の行きつけの店の焼き鳥はせいぜい1本100円ちょっとだろう。30本食べてもたかが知れている。小生はそんなに安い焼き鳥は好きではない)
断言するが、賭けに勝ちたいから書くのではない。言うまでもないことだが、品川-品川ゲートウェイ-高輪―白金-三田エリアは〝国際都市〟の中心部として生まれ変わる。小生は、仮に東京駅でマンションが分譲されたら坪3,000万円(ある大手デベロッパーの役員は5,000万円と話したが)だと考えているし、主要な山手線エリアは1,000円を超えると見ている。現段階で「白金」はさすがに1,000万円の値はつけられないが、今回の建物が完成する頃の相場は、よほどの世界を震撼させる出来事が起こらない限り800~1,000万円になると読んでいる。
仮に坪650万円で分譲されたら申し込みが殺到する。〝どうしてそんな安値で分譲するのか〟と、今回の売主に名を連ねていない高輪・三田で約580戸を予定している三菱地所レジデンスを筆頭に内外から批判が殺到するのではないか。
東京建物は坪単価600万円の「目黒」で、都心・準都心部のマンション相場を一挙に引き上げた実績もある。ここはデベロッパー代表として高値に挑戦すると見たし、坪700万円を割るようなら情けない。
肝心のモデルルームの出来はどうか。142㎡のタイプは天井高が3200~3500ミリあり最高に素晴らしい。坪2,000万円でも安いかもしれない。他の80㎡と92㎡のモデルルームもよくできている。天井高は2,550ミリ以上。バックカウンター・収納も標準装備。
光井氏のデザインはいつものように素晴らしいが、さすが梓設計だ。プランもいい。ワイドスパンの横入り玄関タイプが多く、モデルルームタイプは玄関・ホール・廊下スペース全体としては小さくし、その一方で玄関・ホールは〝魅せる〟工夫を凝らしている。サッシも天井までのハイサッシとしている。
東京都のマンション環境性能表示でも満点に★一つ欠ける14点を獲得している。最近の基準で満点の★15個を獲得しているのは三井不動産レジデンシャル「パークシティ武蔵小山ザ・タワー」1物件しかなく、14個も10物件あるかどうかだ。
27階ゲストルーム
27階スカイラウンジ
立地・環境に対する高い評価 大京・リゾン「ライオンズ朝霞ベルポートレジデンス」
「ライオンズ朝霞ベルポートレジデンス」完成予想図
売れ行き好調の大京・リゾン「ライオンズ朝霞ベルポートレジデンス」を見学した。駅から徒歩5分の商業地域立地だが、敷地南西方向には「朝霞の森」が広がる立地環境が評価され、全88戸のうち第1期として約30戸がモデルルームオープン前に売れている。
物件は、東武東上線朝霞駅から徒歩5分、朝霞市本町2丁目に位置する15階建て全88戸(非分譲16戸含む)。7月25日まで登録が受け付けられる第2期(23戸)の専有面積は56.46~72.25㎡、価格は4,272.2万5,598.3万円(最多価格帯5,000万円台・5,200万円台)。坪単価は240万円台の前半。竣工予定は2020年3月13日。設計は共同エンジニアリング。施工は東鉄工業。
現地は、商業施設のほかマンションなどが建ち並ぶ商業地域の二方道路の角地。徒歩5分には約30.3haの「朝霞の森」と「朝霞中央公園」。
建物は南西向きで、全てがファミリータイプ。主な基本性能・設備仕様は、1フロア6戸・3戸1エレベータ、1週間稼働の新防災システム、二重床・二重天井、リビング天井高2450ミリ、エコガラス、通風機能付き玄関ドア、食洗機、通気ルーバー付きドア、グリーンカーテン用フックなど。
モデルルームをオープンして5~6週間で来場者は100件を超えており、立地・環境に対する評価が高いという。
モデルルーム
住友不 複合開発「金町」の第二弾全610戸 第一期81戸 分譲開始
「シティテラス金町」(背後の高層が「シティタワー金町」)
住友不動産は7月23日、全610戸の住宅・商業複合大規模マンション「シティテラス金町」の第一期81戸の分譲を7月20日から開始したと発表した。
現地は、「葛飾区新宿(にいじゅく)六丁目地区」の三菱製紙工場跡地を含む周辺一体(約33.3万㎡)の土地利用転換により公園・大学・住宅・商業などが計画的に整備されているエリア。隣接地には、同社の「シティタワー金町」(16年竣工・840戸完売)が建っている。
今回の物件は、千代田・JR常磐線金町駅から徒歩10分、葛飾区新宿六丁目に位置する19階建て全610戸。第一期(81戸)の専有面積は70.35~86.95㎡、価格は4,280~6,480万円(最多価格帯4,800万円台)。(12戸)完成予定は2021年4月。設計・施工は長谷工コーポレーション。7月21日現在、問い合わせは約1,000件、来場は約500件。
◇ ◆ ◇
高いか安いかは人それぞれだろうが、記者はニュース・リリースを読んで〝これは安い〟と思った。2014年に分譲開始された「シティタワー金町」の第一期の坪単価は220万円だった。
あれから5年。マンション単価は相当上昇した。最大のモノサシは〝都心への距離〟になったため、城東エリアでも〝駅近〟は坪300万円をはるかに突破し、坪400万円に迫る勢いだ。
今回はひょっとしたら坪250万円くらいになるのではないかと予想していたが、第一期は坪230万円になる模様だ。単純比較はできないにしろ、前回とほとんど変わらない。城南エリアと比較すると坪50万円は安い。
しかし、記者はこのマンションの価値は他にあると思う。広大な公園が広がる住環境もそうだが、なによりもいいのは東京理科大をわが家の庭のように利用できることだ。小説などは少ないのは難点だが、一定の要件を満たせば立派な図書館も利用できる。
機会があったら取材してレポートしたい。