首都圏マンション 令和元年度の着工戸数 前年度比9.7%減の5.5万戸
令和元年度(平成31年4月~令和2年3月)の首都圏マンション着工戸数は約5.5万戸-国土交通省は4月30日、令和2年3月の住宅着工動向をまとめ発表。令和元年度の首都圏マンションは前年度比9.7%減の55,250戸となった。
都県別では、東京都が前年度比8.0%減の34,833戸、神奈川県が同18.8%減の11,204戸、埼玉県が同23.2%減の4,304戸、千葉県が同26.1%増の4,909戸。
三菱地所レジ・近鉄不 浦安市最大級 ZEH-M装備の「新浦安」528戸始動
「ザ・パークハウス新浦安マリンヴィラ」
三菱地所レジデンスと近鉄不動産は4月14日、千葉県浦安市で開発を進めている市内最大級の低層4階建て15棟(総戸数528戸)のプロジェクト名称を「ザ・パークハウス新浦安マリンヴィラ」と決定したと発表した。
物件は、JR京葉線・武蔵野線新浦安駅からバス13分徒歩1分、浦安市高洲6丁目の第一種住居地域、第一種低層住居専用地域 に位置する敷地面積約47,199㎡。4階建て15棟のマンションと木造平屋建てブックカフェ、2階建て共用棟で構成。専有面積は74.84~147.76㎡、価格は未定。建築デザイン総合監修はSKM設計計画事務所。共用部の一部のインテリア及びデザインはSAZABY LEAGUEが担当。施工は長谷工コーポレーション。
浦安市で過去10年以内に供給された物件で総戸数500戸以上の新築マンションはなく、浦安市最大級のスケールとなり、空地率は全体の54%、緑地面積は約7,800㎡。
リモートワークに対応したコ・ワーキングスペースの設置や平均96㎡のゆとりある暮らしを提案する。ザ・パークハウス初となるZEH-M(ゼッチ・マンション)Readyを採用し、エネルギー消費率50%以上の削減を実現する。
2020年9月にモデルルームをオープンし、12月に販売開始する予定。建物完成は2021年10月上旬~2022年11月上旬。
広告キャラクターに香取慎吾さんを起用し、テレビCMを4月20日から放送開始する。
香取慎吾さん
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新型コロナがなければ今すぐにでも取材に出かけたいが、モデルルームは9月。それまで我慢することにしよう。現地は、三井ガーデンホテルに隣接し、スターツのマンション・戸建て街区「QUWON(クオン)新浦安」に近接している。いったいいくらになるか。
新型コロナの影響は不透明だが…2020年着工戸数は分譲が持家を14年ぶり逆転か
持家と分譲住宅の着工戸数推移
マンションと建売住宅の着工戸数推移
新型コロナの感染拡大が住宅市場にどのような影響を与えるか現段階では何とも言えないが、最小限に収まっても2020年は2006年年以来14年ぶりに分譲住宅が持家戸数を上回る可能性が高くなった。
先に発表された2020年2月の分譲住宅の着工戸数は20,362戸(マンション9,353戸、建売住宅10,907戸)となり、持家19,557戸を上回り、令和元年9月に続いて分譲が持家を上回った。
2020年1~2月の住宅着工戸数でも、分譲住宅が38,218戸(前年同期比9.2%減)となり、持家の37,594戸(同12.4%減)を624戸上回っている。
カギを握るのは持家トップメーカーの積水ハウスと建売住宅トップの飯田グループホールディングスの動向だ。
積水ハウスの2020年1月期決算は過去最高の売上高・利益を更新し絶好調だが、戸建て住宅の1棟単価は3,993万円(坪95.8万円)で、2015年度比10%増加している一方で、消費増税、新型コロナの影響などからここ半年は受注が前年比マイナスになっている。今期売上高は前期比11.5%減を予想し、戸数でも前期の10,663戸から9,300戸へ減少する見込みだ。分譲住宅も前期2,589戸から2,350戸へ減少するとしている。
同社は、先に発表した2022年度を最終年度とする第5次中期経営計画でも、第一次取得層向けの戸建て事業を強化するとしているが、全体的には高級ブランド、CRE・PRE、ライフスタイル提案、新規事業、国際事業、フィービジネスなどを強化して戸建て住宅や分譲住宅の落ち込みをカバーする戦略を打ち出している。
一方の飯田グループホールディングスはどうか。同社の2019年3月期の分譲戸建て計上戸数は、積水ハウスの戸建て住宅の約4倍に当たる41,602戸だ。分譲戸建ての住宅着工に占めるシェアは全国で29.5%(首都圏は33.3%)に達する。
圧倒的なシェアを占めているのは、徹底した規格化によるローコスト住宅(同社は「好価格」と呼ぶ)を実現しているからだ。グループの1棟当たり平均分譲価格は約2,700万円で、大手ハウスメーカーやデベロッパーの物件と比べると半値以下だ。
このところの地価の上昇で利益率は下降気味で在庫も増加しているが、圧倒的な価格競争力を武器に戸数を伸ばそうとするのは間違いない。
もう一つ、分譲マンションはどうかだが、全国の着工戸数はここ6年間11万戸台で推移している。新型コロナの影響で10万戸を割り込むのではないかと思われるが、リーマン・ショック後の2009年の約7.7万戸までは減少しないのではないか。
居住形態が異なる分譲マンションと建売住宅を一括りにし、それを持家と比べるのもどうかと思うが、新型コロナの影響を最小限に見積もっても、2020年は持家も分譲住宅も20万戸台の前半にとどまり、僅差の差で分譲住宅が持家を上回るとみた。新型コロナ感染が収束しV字回復するのを期待したいが…。
三方よし オリンピック選手村 コロナ軽症者向けの一時滞在施設利用
NHKは4月7日、安倍総理大臣が新型コロナ感染拡大を防止する「緊急事態宣言」を行った後、「医療崩壊は何としても防がなければならない。宣言によって、例えばオリンピックの選手村や警備にあたる機動隊のための施設を、軽症者などを収容する医療施設とすることが可能になり、中等症以上の方々への医療提供に余裕が出てくる。しっかりとやっていきたいと述べた」と報じた。
同様の発言は小池都知事も3月27日に行っており、オリンピック選手村を軽症者の一時滞在施設として利用される可能性が強まった。
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選手村を軽症者受け入れ施設にすることについては、ネット上で賛否両論が飛び交っているが、記者は基本的に賛成だ。
購入者サイドや〝専門家〟からは「資産価値が下がる」「心理的瑕疵物件になる」などの声が聞かれるが、物件そのものの価値は変わらず、資産価値が上がるか下がるかはその時の市場動向であり、ある意味ではその価値を決定するのは購入者自身かもしれない。
そもそもオリンピック・パラリンピックの選手村として利用されることは当初から決まっており、その特殊要因を勘案して分譲価格も決定された。このマンション「晴海フラッグ」が世界的なアスリートの宿泊施設となるのは、〝レガシーマンション〟として人気を呼ぶ要因の一つになるのではないかと考えているくらいだ。
それが、新型コロナ患者の一時滞在施設に転用されるのを、ほとんどの購入者は歓迎しないのはよく分かる。だれだって嫌だろう。「心理的瑕疵」の主張も理解できる。
しかし、今回の事態は、医療崩壊が起きるのか、経済社会の崩壊を招くのか防げるのかの瀬戸際だ。ここで購入者が賛意を示せば全国民から賞賛される。欧米などでは、コロナと戦う医療関係者に向かって手を振る市民の姿が報道されているではないか。購入者が〝わたしの買った部屋を使用して〟などと表明したら大喝采を受ける。ひょっとしたら国や都が、協力してくれたお礼として固定資産税、都市計画税などの減免を行うかもしれない。
〝損して得取れ〟という言葉があるではないか。購入者の方には、目先の利益を追うより大局的な視点で考えていただきたい。国民を敵に回すのは得策ではない。
軽症患者も購入者に感謝するはずだ。どこかのホテルのように数坪の狭い部屋に閉じ込められるのと異なり、選手村の住戸の多くは80㎡台もある。多分、複数の人が同居する形にならないだろうからストレス解消にもなる。よって三方よしとなる。
コスモスイニシアとリコー共創 住空間×働き方テーマに新提案 リノベに採用
「コモリワーク」(左)と「ドマワーク」
コスモスイニシアとリコーは4月3日、両社の住空間×働き方をテーマとした価値創出プロジェクトで発案されたアイデア「コモリワーク」と「ドマワーク」をコスモスイニシアのリノベーションマンション2件に採用、3月に完成したと発表した。
コスモスイニシアのクリエイターとリコーのデザイナー共創したもので、「家の中で仕事に集中する」ことと「仕事以外の空気に触れ、気分転換や着想を得る」相反する要素を両立させているのが特徴。
「コモリワーク」は、リビング・ダイニングにつながる洋室に、家族と程よい距離感を保ちながら、集中して机に向かうことができるスペース。高い視点から室内や窓の外の様子を眺められるようにしているほか、超至近投影が可能なリコーの超短焦点プロジェクターを採用し、ガラスの両面に映像を映し出すことができるようになっている。
「ドマワーク」は、玄関と一体となる土間のような空間を設けたもの。リビングの扉を境に床の素材を切り変えることで「住まい」と「仕事場」の境界を演出。複数名でも作業しやすい広さを確保し、「ドマワーク」とキッチンの間に窓を設け、緩やかなつながりを持たせる工夫も凝らしている。「ドマワーク」に設置した「リコー インタラクティブホワイトボード(電子黒板)」は、ディスプレイに直接文字を書き込んだり、遠隔地に画面をリアルタイムに共有したりすることができる。
「コモリワーク」(左)と「ドマワーク」
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昨日の伊藤忠都市開発の「理想の新婚部屋」もよかったが、この日の「コモリワーク」や「ドマワーク」も、夫、または妻がリビングなどでパソコンを使い、相手から嫌がられるのを避けたいカップルにぴったりの提案だ。
専有面積約67㎡の「エド・コモン西早稲田」(東西線早稲田駅から徒歩13分)に設置された「コモリワーク」は1.2×2.0mくらいの2段になっているスペース。約30cmのステップを3段上がった床から90cmの上段が仕事や趣味室など多目的に利用できるようになっている。腰掛けることも、そのまま寝転がることもできる。下段は収納その他の利用も可能だ。
ステップの高さが高いのは気になるが、何段も設けると専有面積に含まれるので適当でないようだ。(後付けなら違法にならないのがみそか)
5.2畳大の「ドマワーク」は、この種のプランはモデルルームでも提案されているが、キッチンと窓でつながっているのが新しいアイデアだ。これも受けるに違いない。管理規約の〝専ら居住〟を改め、法人登記を可能にすれば人気を呼びそうだ。
「コモリワーク」中央が上段
「エド・コモン西早稲田」の神田川
住宅新報「『ハルミ』の竣工ずれ込み確定」報道 これはない 裏取りは取材のイロハ
3月31日付(3月30日発売)「住宅新報」の「コロナに揺れる住宅・不動産市場 五輪延期 業界に余波 『ハルミ』第2期は6月以降に」の記事を読んで驚愕した。次の文面だ。
「主要大手ディベロッパー10社が事業主となる『ハルミフラッグ』の第2期の販売開始時期が6月以降に延期されることが3月23日に発表された。五輪開催の1年延期で、竣工も22年秋からずれ込むことが確定した」
小生は「晴海フラッグ」の販売延期が「3月23日に発表」されたことも「竣工がずれ込むこと」も全く知らなかった。完全に出し抜かれたと思った。
記者という商売は、他社(他者)に〝抜かれる〟(先駆けを食らう)ことを耐え難い屈辱と感じる習性が身につき、もっとも嫌う。逆に他社を出し抜こうとするから勇み足もする。
しかし、ほとんど瞬時に、この記事はろくに取材もせず、あれやこれやの〝専門家〟のコメントで補強した合成酒ともいうべき〝フェイク〟ではないかという疑問が沸々と湧きあがった。「晴海」の販売延期は「発表」されたものではない「事実」を小生は握っていたからだ。
「晴海」の次回販売が延期されることを小生は3月23日(月)のホームページで確認した。すぐ記事にもした(記事参照)。幹事会社の三井不動産にも確認した。「現時点ではオリンピックの開催時期は決まっておらず、竣工、引き渡し時期について確定的なことは言えない」というのが同社広報の回答だった。
つまり、3月23日の時点で「晴海フラッグ」の販売延期は「発表」されていなかった。あくまでも物件ホームページ上での「告知」「お知らせ」の類だ。オリンピックの概ね1年延期が発表されたのは翌日の3月24日(火)で、開催日が7月23日に決まったのは3月30日(月)だ。
同紙の発行日は3月30日だが、編集作業は3月28日(金)までに終了しているはずだから、28日の段階で「オリンピック延期」=「竣工延期」と確定するのはあり得ないと考えた。
そこで、4月1日(水)、同紙と「晴海フラッグ」事務局に次のように問い合わせた。
「私(記者)は、『販売延期を3月23日に発表』ではなく、ホームページで『公開』だと理解していますし、その時点で『竣工も22年秋からずれこむことが確定』してはいなかったと思います。いかがでしょうか」と。
「晴海フラッグ」からは、三井不動産広報を通じて「『3月23日に発表』ではなく、ホームページで『公開』⇒ご指摘の通り」「『竣工も22年秋からずれこむことが確定』⇒こちらもご指摘の通りで、竣工時期については我々からコメントしておりません。現在五輪延期に伴う影響について確認中ですので、現時点では回答を控えさせていただいております」との回答を得た。
記者はこの三井不動産広報の回答を信じる。まだ竣工時期を決めかねているはずだ。
一方、同紙の営業本部からは「正確には、6月以降に延期が確定、竣工はずれ込む見通しとの内容にするべきでした。編集の段階で誤解を生む表現となってしまいました。申し訳ございませんでした」とメールが送られてきた。
しかし、「竣工はずれ込む見通しとの内容にするべきだった」という新報の回答には納得しかねる。仮に「見通し」などと分かったような分からないことを書けば、読者の混乱を招くだけだ。
小生は同紙の記事の「このほど」を止めろとしつこく書いてきた。ものごとを曖昧にするなという警告だ。今回の記事もこれと同根だと思う。日時を大事にしないから、確認もせず適当に「3月23日」と書いたとしか思えない。裏を取るのは取材のイロハだ。「ハルミ」などとカタカナ表記にしたのも理解できない。
百歩譲って、竣工がずれ込む確たる証拠を握っているのであれば、その通りに書くべきだった。
そうでなければ、事の重大性を全然理解していないということになる。何事もそうだが、約束を守ることは至上命令だ。マンションの竣工時期、引き渡し時期(入居開始)を守るのは至上命令であることは業界の常識だ(天変地異の特約はあるが)。事業者やゼネコンの都合で竣工、引き渡し時期が変更されたら、まずその会社は生き残れない。
セザールがいい例だ。同社は上場した後すぐ数物件のマンションの引き渡し時期を変更した。小生はその〝嘘〟を暴いた。それから同社は業績悪化の一途をたどり、結局、東証上場後13年で破綻した。
記事を書いた新報の記者の方にいいたい。過ちては改むるに憚ること勿れ。これを契機に日々生起する事象に真摯に向き合っていただきたい。
大和地所レジデンス 2020年3月期 計上870戸 期末まで全戸完売
大和地所レジデンスは4月2日、2020年3月期(2019年4月~2020年3月31日)完成マンション総戸数870戸を期末までに全戸完売したと発表した。物件は次の通り。物件名、戸数、竣工年月の順
・2019年4月1日の完成在庫 19戸
・ヴェレーナグラン大宮大門町 瑞景 45戸 2019年5月23日
・ヴェレーナ多摩永山ザ・シーズンズ 80戸 同年7月25日
・ヴェレーナ横浜三ツ沢 96戸 同年8月29日
・ヴェレーナグラン山手 116戸 同年9月26日
・ヴェレーナ上大岡ザ・ハウス 81戸 同年9月27日
・ヴェレーナ横浜反町駅前 38戸 同年11月26日
・ヴェレーナシティ横浜根岸ザ・フロント144戸 2020年2月27日
・横浜市神奈川区青木町プロジェクト 43戸 同年2月28日
・ヴェレーナグラン横濱上大岡 76戸 同年2月28日
・ヴェレーナシティ上大岡 132戸 同年3月27日
直近3ヵ年の状況は次のとおり。
・2020年3月期 完成 870戸 … 期中 全戸完売
・2019年3月期 完成 763戸 … 期中 744戸完売(97.5%)
・2018年3月期 完成 929戸 … 期中 全戸完売
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凄い数字だ。記者はこのうち3物件を取材している。
風致地区巧みに生かした住戸プラン・ランドスケープ秀逸 大和地所レジ「上大岡」(2019/4/24)
販売順調 大和地所レジデンス「多摩永山」多摩NTの魅力発信期待(2018/9/10)
景観風致地区の一角 大和地所レジデンス「ヴェレーナグラン山手」(2018/5/8)
伊藤忠都市開発 「ゼクシィ」と共同開発した「理想の新婚部屋」具現化
「猫っぽカップルの気まま暮らし」
伊藤忠都市開発は4月2日、結婚情報サービス「ゼクシィ」編集部と共同で考案した「理想の新婚部屋」2プランを賃貸マンション「クレヴィアリグゼ門前仲町」(2月竣工済、総戸数79戸)で具現化したと発表した。
具現化したのは、両社で考案した約50㎡の4プランの中から人気投票(総数2,614票)で1位になった「猫っぽカップルの気まま暮らし」と、2位になった「七夕カップルの愛ある家庭内週末婚」の2タイプ。
「猫っぽカップル」は、程よい距離感でさりげなくお互いを感じていたいというマインドを持ち、料理や掃除は協力し合って一緒にするが、持ち帰った仕事やスキルアップの勉強など1人で集中する時間も大切にしたい共働き夫婦を想定。
「七夕カップル」は、休日や就寝時間など2人の生活リズムがバラバラなため、普段は物音や気配で就寝中の相手を起こさぬようお互い気遣いながら、貴重な2人同時の休日は夫婦水入らず仲良くまったり過ごしたい共働き夫婦向け。
「猫っぽカップルの気まま暮らし」
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ニュース・リリースは6ページもあり、分譲だったら今すぐにでも見学に行きたいほど面白いプランだ。分譲に採用したら申し込みが殺到すること請け合いだ。
双方とも共働き夫婦を想定し、それぞれが自立し、相手の生活リズムや個性を尊重する考えはよく分かる。小生も最初結婚するときは、好き放題もしたいから平安時代の通い婚が理想と考えていた…一緒になると離れられなくなったが…。
「七夕カップルの愛ある家庭内週末婚」
住友不動産 中野駅南口の再開発「中野二丁目」着工 マンションは約400戸
「中野二丁目地区第一種市街地再開発事業」
住友不動産は3月30日、参加組合員として事業参画している「中野二丁目地区第一種市街地再開発事業」を2020年3月10日に権利変換計画認可を受け、起工式を行なったと発表した。
同事業は、市街地再開発事業と土地区画整理事業の一体的施行で施行するもので、駅前広場の拡張整備、駅周辺の回遊性を高める交通動線の整備、人々の憩いや交流の場となる広場空間を確保し、中野駅南口の賑わいの核となる整備を目指す。
現地は、中野駅南口の駅前に位置し、敷地北側に高さ約120m・20階建のオフィス棟(延床面積約15,000坪、総貸室面積約8,000坪)、南側に約150m・37階建の住宅棟(延床面積約14,900坪、約400戸)を建設し、両棟とも低層部に店舗等を配置する。
施行面積は約2.4ha、施設の敷地面積は約10,081㎡、建築面積は約7,850㎡、延床面積約99,000㎡(容積対象約71,060㎡)。容積率は約705%。業務代行者は西松建設。コンサルタント/基本・実施設計はアール・アイ・エー。竣工予定は2024年2月。
「9割がワイドスパン、最強の間取り」 全1,539戸の住友不「東京ベイ」入居開始
「シティタワーズ東京ベイ」
先月末から入居が始まった都内最大級トリプル免震タワーマンション住友不動産「シティタワーズ東京ベイ」を見学した。全1,539戸のうちこれまで1,230戸が分譲され、契約済みは837戸。販売担当の吉野秀邦氏は「これほどの大規模で9割がワイドスパンのマンションなど他にない。最強の間取り」と自信たっぷりだった。
物件は、東京臨海高速鉄道りんかい線国際展示場駅から徒歩4分、ゆりかもめ有明駅から徒歩3分、江東区有明二丁目に位置する敷地面積約32,628㎡の32階建てウエストタワー、33階建てセントラルタワー、33階建てイーストタワー3棟からなる全1,539戸。現在販売中の住戸(402戸)の専有面積は38.02~100.62㎡、価格は5,000万~16,000万円(最多価格帯6,100万円台)、坪単価は380万円。建物は完成済みで、入居開始は2020年2月27日。設計・施工は前田建設工業。
敷地は、2010年12月、都市再生機構と東京都港湾局及び都市整備局から取得した全110,188㎡のうちのマンション部分。敷地北側には、200店超の店舗が揃う商業施設、大規模ホール、劇場(劇団四季)、ハイグレードホテル、温浴施設などで構成する「有明ガーデン」が整備される。豊洲駅までのシャトルバスも運行する。
建物の特徴は、免震構造、白と黒のコントラストが印象的な3棟シンメトリー、内廊下方式、東西400m以上にわたる緑の回廊、マンションと商業棟をつなぐペデストリアンデッキ、ダイナミックパノラマウインドウ、ワイドスパンなど。プランは3LDKが約50%、1~2LDKが50%。
その他基本性能・設備仕様は、リビング天井高2600mm、ワイドスパン、二重サッシ、Low-Eガラス、御影石キッチンカウンター、ディスポーザー、食洗機、ミュージックリモコントイレ(LIXIL)など。
契約者の属性は、①30~40代の働き盛りの会社員世帯(ファミリー、プレファミリー)が約7割②江東区、中央区居住者が46%と多く、湾岸エリアからの買い替え層も多い③都心3区を中心とした都心勤務者が多数、全体の半分超-など。
吉野氏は、「社内での評価も高い。オリンピックの延期の影響はむしろプラスに働く。売り急ぐことなく、丁寧に販売していく」と語った。
パノラマウインドウからの眺望
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同社が2010年12月に用地を取得したときは、容積率1種当たり42万円だったのでずいぶん〝安値〟で取得したと思った。しかし、その直後、3.11に見舞われ、湾岸マンションも大きな液状化風評被害で打撃を受けた。
記者は震災直後、液状化の被害状況を見るため、豊洲-有明―東雲-辰巳を数時間かけて歩いた。都営辰巳団地は大きな被害を受けたが、その他は地盤改良がしっかり施されているためか〝軽微〟だったことを確認している。ただ、「有明」は何もなく、分譲は苦労するだろうと思った。
同社が2017年に販売開始したときの坪単価は320~330万円だったはずで、〝リーズナブル〟な価格だとおもった。ところが、「晴海市場」の開業間近になって移転問題が持ち上がった。同社のマンション販売も少なからず影響を受けたはずだ。
こうした紆余曲折を経て入居が始まった。販売開始から2年余りで800戸超の成約は、順調に販売が進んでいるとみていいのではないか。
取材して何よりも嬉しかったのは吉野氏の〝元気〟だった。ワイドスパンを端的に表現した「最強の間取り」をはじめ「千代田区のスーパーサラリーマンが買っている」「都心と比べたら価格は半値」「駅近で商業との複合は他の湾岸にはない」「北側は都心方面、南向きは海が一望できるリゾート」「社内でも記念碑的物件として評価されている」-など景気のいい言葉がポンポンと飛び出した。
現場取材が激減し、新型コロナの感染拡大に打ちのめされている記者を元気づけてくれた。
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同社のマンション販売状況、商業施設の開業、駅前の大和ハウス工業のホテルの開業などによって恩恵を受けそうなのが、東京建物「Brillia Tower 有明 MID CROSS」300戸だ。こちらも取材して紹介したい。
彼らに濃厚接触は関係ないのか(有明駅前で)
好スタート 第1期は330戸 住友不「シティタワーズ東京ベイ」 プラン秀(2017/8/1)
都営辰巳団地は軒並み20~30㎝地盤沈下 液状化被害 ~現地ルポ~(2011/4/7)