想定外の問い合わせ・来場予約 ホームライブラリーを標準装備 大成有楽不「松戸」
「オーベル松戸ヒルズ」
大成有楽不動産が9月中旬に分譲する「オーベル松戸ヒルズ」のモデルルームを見学した。先に見学した「八王子」と同様、リビング・ダイニングの一角に約1畳の「ホームライブラリー」を設置しているのが特徴で、集客は順調に進んでいるという。
物件は、常盤線・上野東京ライン・新京成線松戸駅から徒歩13分(松戸駅からバス7分・徒歩1分)の第一種中高層住居専用地域に位置する7階建て67戸。専有面積は67.58~83.59㎡、価格は未定だが坪単価は195万円の予定。竣工予定は2021年5月下旬。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。
Afterコロナの新しい生活様式に対応するため、約1畳台の「ホームライブラリー」をリビング・ダイニングの一角に設置しているのが特徴。カウンター・インターネット接続が可能なマルチメディアコンセント・ダウンライト照明を標準装備。テレワークやリモート学習などに対応可能。
同社マンション事業本部マンション事業部事業室(第一)主任・篠大智氏は「資料請求約400件、来場予約数約100件は想定外の多さです。新型コロナ対策として完全予約制で来場件数を制限していますが、1日のマックス9組はほぼ満席。競合物件もほとんどなく、販売は堅調に推移するとみています」と話した。
ホームライブラリー
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この日(8月5日)は暑く、記者の足では現地まで往復30分くらいかかるのではないと考えたら足がすくんだので現地は見ていない。篠氏によると現地は水害に強い高台に位置しており、前建などによる日影の影響もなさそうだ。
中心市街地に位置する「オーベルグランディオ八王子エアーズ」の坪単価が160万円で、こちらが195万円(予定)というのはやや高いような気がしないではないが、多摩エリアは全体的に割り負けしているのでこんなものだろうか。
「ホームライブラリー」は、テレワークに十分対応できるものだと思う。ハウスメーカーなどは3畳大くらいで数十万円もかかる立派な「個室」を提案しているが(それはそれで結構だが)。予算が限られている一般的なユーザーはそのようなぜいたくなテレワークスペースを確保できない。「ホームライブラリー」は標準装備だから負担増も感じなくて済む。
ここでも郊外マンションの〝復権〟を感じた。
モデルルーム
「シェアキッチン・シェアスペース」を地域にも開放 大成有楽不動産「八王子」(2020/7/23)
安すぎないか 中心市街地の一角で坪単価160万円 大成有楽不「八王子」(2020/7/14)
野村不 多様なニーズに対応する「DOMA-STYLE」×「つながROOM」開発
野村不動産は7月31日、多様なニーズに対応する間取り提案「DOMA-STYLE(ドマスタイル)」×「つながROOM」を開発、近く分譲する「プラウド湘南藤沢ガーデン」に導入すると発表した。
「DOMA-STYLE」×「つながROOM」は、同社の入居者向けアンケート調査から生まれたアイデア。「玄関まわりのスペースが狭くて不便」という悩みに対して、専有面積に占める玄関スペースの割合を通常よりも高めることで多用途に使用できる土間スペース「DOMA-STYLE」を実現。
また、「ライフスタイルや家族の成長に合わせた間取り」という希望に対して、その時々のニーズに合わせて「子供部屋コーディネート」「仕事部屋コーディネート」など自由自在に用途を変えられる空間「つながROOM」を開発した。
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この種の提案は、マンションも分譲戸建ても必須条件になる。最近取材した事例ではコスモスイニシア「日暮里テラス」の提案が秀逸だった。
野村不動産も10年前に分譲した「中野ツインマークタワー」で、「土間」スペースと「LDK」などを緩やかにつなぐ「ライフガレージスペース」を提案したことがある。
「Doma(土間)」とLDK一体化 コスモスイニシア「日暮里テラス」企画秀逸(2020/6/26)
地域との親和性重視したランドプラン優れる トーセイ「相模原」竣工完売
「THEパームス相模原パークブライティア」(大通りに面した北西側)
トーセイが竣工完売した「THEパームス相模原パークブライティア」を見学した。スーパーを併設したJR相模原駅圏最大級の全243戸で、地域との親和性に配慮したランドプランが優れている。
物件は、JR横浜線相模原駅から徒歩5分、相模原市中央区相模原三丁目の商業地域(建ぺい率80%、容積率500%)に位置する敷地面積約4,301㎡の15階建て243戸。専有面積は57.68~75.75㎡、坪単価は175万円。建物は2020年2月末に竣工済み。デザイン監修は南條設計室。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。
2018年秋から分譲開始し、キャンセル住戸は発生したがほぼ3月末までに完売。5月に引き渡しも完了した。来場者は約1,000組、歩留まり率は約25%にのぼった。市内の購入者属性は、市内居住者が約7割で、勤務先は市内が約5割、60歳以上の高齢者が2割強。キャッシュでの購入も目立ったという。
現地は、車道・歩道合わせ幅員25メートルのさがみ夢大通りに面したスーパーの跡地。建物は1~2階にスーパー・店舗を配置し、スーパーの利用者の利便性と、地域との親和性を高めるためメインストリート・スーパーに面したもっとも条件のいいエリアに約270㎡の提供公園を設置し、2層吹き抜けエントランス-ライブラリー・フォレストラウンジ-隣地の緑へとつなげる〝グリーンチェイン〟を実現した。
共用部にはゲストルーム、パーティルーム、ライブラリーラウンジ、キッズルーム、スタディルーム、エアリーテラスなどを設置。住戸プランは70㎡台の角住戸を除きすべて57~68㎡台の南東向き2LDK~3LDK。
プロジェクトを主導した同社アセットソリューション第3本部第1事業部サブマネージャー・上野裕二氏は、「戸数は当社物件では過去最大。他社マンションや戸建てとの差別化を図るため共用施設を充実させたのが、広域集客ができ、歩留まり率の高さ、60歳以上の購入比率、キャッシュで買われる方の多さにつながった。プランニングでは、これまで植栽が充実したマンションの販売を担当しており、今回もデザイン監修に南條洋雄氏を起用。隣地の緑の借景と敷地内の緑のつながりを重視したランドプランにした。生垣・中高木は雑木林をイメージし混植にした。高木は私自身が川口の造園業者さんに足を運んで選んだもの。機械式駐車場の外観は敢えてデザインに取り込んだ」と語った。
南東側
エントランス
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横浜線沿線には大企業の工場・研究所などが多く、以前からマンション需要が旺盛だが、他の沿線と連絡する新横浜、長津田、町田、橋本を除き戸建てとの競合もあり、単価的には坪200万円の壁が厚く、数年前には坪150万円を割る物件も分譲されるなどグロス志向の強い沿線だ。
同社のマンションはもう少し強気の価格設定も可能だと思ったが、当時、他社物件との競合もあり、冒険はしたくなかったのだろう。坪175万円はリーズナブルな価格ではないか。
優れているのはランドスケープデザインだ。隣地のソメイヨシノの大木などの借景と調和するよう敷地四囲に緑地帯(歩道状空地)を巡らせ、提供公園(公開空地)と合わせ緑をふんだんに盛り込んでいる。記者が見たところ、メインストリートにはイチョウの街路樹や植え込み以外、緑を配した建築物はほとんどないので、異彩を放っていた。
緑地帯、提供公園は市の建築基準条例に基づいて整備されたものだろうが、メインストリートに面して約270㎡の公園を配するなど、総合設計制度に適合した建築物以外ではまず常識的には考えられない。過去に事例がないか記憶を手繰り寄せたが、一つも思い浮かばなかった(住居系立地はかなりあるが)。
この点について、上野氏は「提供公園は市に譲地するから計画に不要な場所(建築計画の影響の少ない場所)を譲地するのがセオリー。最も良い場所を購入者が得るべきというのが業界の常識なので、社内でも賛否両論があった。施工の長谷工さん、南條設計室とも何度も検討を重ね実現した」と経緯を語った。
取材後、併設されているスーパーで昼食代わりに缶ビールを買い、提供公園のベンチに腰掛けて飲んだが、公園-2層吹き抜けのエントランスラウンジ-隣地まで数十メートルにわたる緑が見渡せた。商業エリアのマンションこそ、このような地域との親和性を重視すべきだとつくづく思った。市も「この公園はマンション事業者から提供されたものです」くらいの銘板を設置していいのではないか。
植栽
提供公園
「シェアキッチン・シェアスペース」を地域にも開放 大成有楽不動産「八王子」
イメージ図
大成有楽不動産は7月22日、分譲中のマンション「オーベルグランディオ八王子」の共用施設内に設置する店舗スペースをシェアキッチン・シェアスペースとして運営するためNPO法人ツナグバヅクリと協定書を締結したと発表した。
物件は、「八王子市中心市街地環境整備事業に関する指導要綱」が定める複合市街地ゾーンに立地。要綱の「中心拠点の魅力向上を推進する」という趣旨に沿ってマンション1階に店舗スペースを設置、「シェアキッチン&シェアスペース」の運営に関し、運営実績があるNPO法人ツナグバヅクリを事業パートナーとして選定したもの。
シェアキッチンは、保健所の許可を取得し、料理・パン・スイーツなど、メンバーが得意な「食」を提供する。シェアスペースはイベント・マルシェなど地域にも開放する予定。
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このマンションは取材したばかりだ。用途地域は商業地域で景観計画区域に指定されていることも確認した。
共用部を「シェアキッチン&シェアスペース」として地域にも開放する試みは大賛成。シェアキッチンは居住者だけでなく地域の多くの人が参加するのではないか。
NPO法人ツナグバヅクリの代表理事・鎌田菜穂子氏とはこれまで何回か取材でお会いしており、同法人が運営する「コーシャハイム千歳烏山」内のカフェ「ななつのこ」は利用したことがある。アットホームなとてもいいカフェだ。
地域にも開放する最近の事例では、東京建物が「上野」のマンションの1階部分の一部をシェアラウンジとして地域住民に開放する事例がある。ナイスは仲介店舗の一角を地域住民のコミュニティ活動の場として無償で提供している。
安すぎないか 中心市街地の一角で坪単価160万円 大成有楽不「八王子」(2020/7/14)
三菱地所レジ「西新宿タワー60」〝しいたけマンションにしよう〟曽根原氏が提案(2015/5/4)
悩ましい「HARUMI FLAG」との選択 三井不レジ・鹿島・清水「勝どき」1,679戸
「パークタワー勝どきミッド/サウス」
三井不動産レジデンシャル(幹事)、鹿島建設、清水建設の3社は7月21日、中央区勝どき二丁目・四丁目の「勝どき東地区第一種市街地再開発事業」内の勝どき駅直結・商住複合大規模再開発プロジェクト「パークタワー勝どきミッド/サウス」(総戸数2,786戸)を今秋に発売する予定と発表した。
物件は、中央区勝どき4丁目、都営大江戸線勝どき駅から徒歩1分45階地下2階建て「ミッド」1,121戸(販売戸数570戸、事業協力者住戸551戸)と、同駅から徒歩2分の58階地下3階建て「サウス」1,665戸(販売戸数1,109戸、事業協力者住戸556戸)の合計2,786戸(販売戸数1,679戸、事業協力者住戸1,107戸)。売主は「ミッド」が三井不動産レジデンシャル、清水建設。「サウス」が三井不動産レジデンシャル、鹿島建設。施工は「ミッド」が清水建設。「サウス」が鹿島建設。価格は未定。販売開始予定は2020年秋頃。竣工予定は2023年8月下旬、入居予定は2024年4月下旬。
〝人、街、地域、そして未来を結ぶ架け橋〟を目指し「BRIDGE TO THE NEXT」をコンセプトにwith/afterコロナを「ニューノーマル」と捉え、新たな商品プランを提案しているのが特徴。
専有部では、3LDK、2LDK の間取り変更メニューに書斎部屋プランを設定。共用部には個室ブース付きのリモートワークスペースや、ひとりでリラックスした時間を過ごすことができるプライベートサロン、オンラインフィットネスに対応したパーソナルスタジオなどを整備する。
800本を超える樹木に囲まれた外構エリアにはWi-Fi 環境を整備、ワークに適したアウトドアテーブルを複数設置。サウス棟の1階にあるカフェテリア、2階にあるテラスラウンジでは、水辺に面したサッシを解放し、内外一体の心地よい空間を創り出す。ミッド棟3階に約300㎡のコワーキングスペースを設置する。
書斎イメージ
テラスラウンジ
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with&afterコロナを見据えたいいプランだと思う。購入を検討する人にとって悩ましいのは「HARUMI FLAG」との選択だ。「勝どき」の価格は未定で、いくらになるかは現段階で書かないが、間違いなく坪単価は400万円を突破する。
一方の「HARUMI FLAG」は、次回以降の販売時期も引き渡し時期も「未定(2023年3月以降)」のままだ。こちらの坪単価は300万円として、交通便が異なり、坪当たり100万円の差があれば競合しないかもしれないが、マンションの価値は価格だけではない。坪100万円も安ければ「HARUMI FLAG」を選択する人も少なくないはずだ。
やはり「HARUMI FLAG」の引き渡し時期を早く決定すべきだ。そうでないと、売る側も買う側も結論が下せないのではないか。
外構エリア ビッグテーブル
「HARUMI FLUG」引き渡し時期延期 販売再開も「未定」(2020/6/23)
郊外復権の一つになるか 外構・壁面緑化が見事 アンビシャス「上尾」
「アンビシャス上尾」完成予想図
アンビシャスが分譲中の「アンビシャス上尾」を見学した。駅から徒歩9分の全102戸で坪単価は180万円。4月末から販売を開始しており、これまで30戸が成約済み。順調なスタートを切った。
物件は、JR高崎線(上野東京ライン)・湘南新宿ライン上尾駅から徒歩9分、上尾市西宮下一丁目の第二種住居地域に位置する9階建て全102戸。現在分譲中の住戸(8戸)の専有面積は51.96~76.14㎡、価格は2,980万~4,670万円、坪単価は180万円。竣工予定は令和2年8月25日。設計・監理はソシアル綜合設計。施工は吉原組。
現地は、戸建て住宅街の一角。徒歩12分にはイオンモール上尾が2020年秋開業予定。敷地の従前は賃貸マンションと畑。三方が道路で、もう一方の南側も幅員約1メートルの建築基準法による水路(暗渠)。建物はL字型で、四方に緑を巡らせ、ごみ置き場・受水槽も壁面緑化でくるむなど外構・植栽に力を入れているのが大きな特徴。
住戸プランは、標準階は南南東向き9戸と南南西向き5戸の構成で、60・63・65・66・68・70・73・76㎡台の2LDK~3LDKが中心。主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2400~2550ミリ、食洗機、開閉両面ソフトクローズ機能付き引き戸など。
取締役建設部長・奥谷邦夫氏は、「外構には力を入れました。建物を敷地境界線からセットバックさせて、そのスペースに中高木を植えました。受水槽は壁面緑化を施し、立体駐車場の壁面はルーバーを配するなど、地域との親和性も図りました」と力説した。
販売担当の同社営業部次長・川畑武士氏は、「住宅情報誌の湘南新宿ライン沿線の物件アクセスランキングで2カ月連続してトップになった物件。来場者は地元が中心ですが、かなり広域から集客できています。コロナ禍で接客などに制約を受けていますが、販売は順調に進んでいます。三密? わたし? 大丈夫。昼食も700円くらいの弁当を買って事務所で食べています」と話した。(記者のこの日の昼食も、コンビニでおにぎり2個とビールを買い、公園で食べた。500円くらい。川畑氏に勝ったぞ)
モデルルーム
外構
ゴミ置き場・受水槽の壁面緑化
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「上尾」のマンションは昨年の同じころ、タカラレーベン「レーベン上尾GRAN MAJESTA」を取材している。売れ行きのいいのに驚いた。
今回の物件は、タカラレーベンの物件とは反対の方角で、今秋に開業予定のイオンモール上尾まで徒歩12分という立地もさることながら、外構・植栽に力を入れているのも大きな特徴の一つだ。
同社は平成16年に創業してからこれまで100棟以上約4,000戸のマンションを分譲している。1棟平均は約40戸だ。100戸以上の物件は今回で4棟目というから、その大きさが分かるはずだ。
「環境共生」「戸建て感覚」に力を入れてきたが、これらは一定の規模が確保できてより生きる。奥谷氏が植栽に力を入れたと強調したのも、同社が掲げる「環境をつくる」「快適をつくる」「安心安全をつくる」を具現てきたからではないか。
敷地の四方に緑を張り巡らせているランドプランは同社の特徴であり、これまでもたくさん見学してきたので〝なるほど〟と納得したのだが、長さ約40m、高さ約3mのゴミ置き場・受水槽の四方を壁面緑化による緑で覆っているのには驚いた。これまでも壁面緑化を施したマンションはかなり見学してきたが、これほどの規模の物件は記憶にない。舗道も透水性のコンクリート。
記者はwith&afterコロナのテーマの一つに見据えているのが〝郊外復権〟だ。在宅ワークが一挙に拡大し、マンションなど住宅にも大きな影響を与えると思っている。
都内23区ではマンションの坪単価は300万円を超えている。20坪で6,000万円以上だ。埼玉県でも浦和、大宮、川口、所沢などの主要駅圏も坪300万円をはるかに突破しており、金科玉条のようにもてはやされてきた〝駅近〟は坪400万円もあるかもしれない。
テレワークになれば、〝駅近〟や〝交通便〟〝資産性〟の価値は減殺し、逆に住環境や居住性が重要視されることになる。かといって喧伝されている〝田舎暮らし〟が爆発的に増えることもあり得ない。隠遁生活によるストレスの増大はもちろん、仕事や余暇活動に伴う移動コストは家計を圧迫するはずだ。都心部とほどよい距離の住宅が脚光を浴びると見ている。このマンションもそのうちの一つだ。
北側からの外観
東急不動産 在宅テレワークに対応したインテリアオプション マンションに導入
東急不動産は7月15日、分譲マンションシリーズ「BRANZ(ブランズ)」を主な対象とした在宅ワークに対応したインテリアオプションの開発に着手したと発表した。
コクヨと連携し、インテリアの販売やリフォーム事業等を手掛ける東急Re・デザインが居住前に工事・搬入を行うインテリアオプションとして開発することにしたもの。収納や家具の一部にワークスペースを組み込み、居住性を損なわずインテリア性の高いワークスペースの空間を創出する。
インテリアオプションは首都圏の「ブランズシティ世田谷中町」と「ブランズ浦和別所沼公園」に導入する予定。
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イメージ図を見て、安部公房の小説「箱男」を思い浮かべた。ダンボール箱にすっぽり入って、世の中の動きをのぞき窓から見つめる男の物語だ。そしてまた、ダンボール箱に入ったり、押し入れに籠ったりして遊んだ小さいころを思い出した。間違いなく男性にはこの種の経験があるはずだ。
仕事をするために収納に収められ、収納の一部と化すのに抵抗を感じる人もいるかもしれないし、わたしも嫌だが、理解を示す人はいるのではないか。問題は価格だが、収納も含めて数十万円で済むのではないか。居住スペースが確保できない人に最適だ。転倒防止もするのだろう。
大和ハウス 同社の国内外最高額・単価マンション NYマンハッタン地区で165戸分譲
「100クレアモントアベニュープロジェクト」外観イメージ(右側高層建物)
大和ハウス工業は7月15日、米国ニューヨーク州マンハッタンの地上41階建て複合型超高層分譲マンション事業「100クレアモントアベニュープロジェクト」の概要を発表した。
同社の米国現地法人Daiwa House Texas .Inc.(ダイワハウス テキサス) を通じ、豪州シドニー に本社を置くLendlease Corporation Limited(レンドリース コーポレーション)の米国現地法人と行う事業。
「100クレアモントアベニュープロジェクト」は、 Union Theological Seminary(ユニオン神学校)のキャンパス内で開発するプロジェクトで、教育施設や文化施設が建ち並ぶ「モーニングサイドハイツ地区」に位置。
建物は、ユニオン神学校の教育施設や教職員住宅で構成される同地区で最大の超高層地上41階建て延床面積約33,000㎡。販売住戸は165戸で、居住面積は65~315㎡、中心価格帯は2億3,000万円台になる模様。販売開始は2021年8月。竣工予定は2023年3月。
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建設地は、「人種のルツボ」と言われるマンハッタンの教育施設が多いエリアというから、東京の3A(赤坂、麻布、青山)や六本木、銀座、新宿、渋谷でもなく、文京区本郷や御茶ノ水エリアに近いのか。
中心価格が2億3,000万円台と言われても、その中心価格帯の居住面積が分からないので高いのか安いのかさっぱりわからない。仮に25坪としたら坪単価は920万円くらいか。
同社のこれまでの国内最高単価マンションは「プレミスト六番町」の坪単価800万円超だ。これを上回る同社の最高単価・高額マンションになりそうだ。完成予想図を見る限りでは立派な建物だ。
「地価公示日本一」六番町にフェルメールを見た 大和ハウスが億ション(2016/3/14)
東大を睥睨する野村不動産「プラウドタワー本郷東大前」(2010/6/10)
安すぎないか 中心市街地の一角で坪単価160万円 大成有楽不「八王子」
「オーベルグランディオ八王子エアーズ」
大成有楽不動産が7月5日に分譲開始した「オーベルグランディオ八王子エアーズ」を見学した。JR八王子駅から徒歩17分とややあるが、坪単価は160万円。遠隔物件でもなさそうな〝安さ〟で、全168戸のうち第1期25戸と追加販売した住戸7戸を供給し、7月13日現在、20戸が成約・申し込み済み。順調なスタートを切った。
物件は、JR中央線・横浜線・八高線八王子駅から徒歩17分、京王線京王八王子駅から徒歩20分(バス利用の場合:八王子駅よりバス6分・徒歩1分)、八王子市八幡町の商業地域(景観計画区域)に位置する15階建て全168戸。先着順で分譲中の住戸(12戸)の専有面積は69.03~81.42㎡、価格は3,208万~4,388万円(最多価格帯3200万円台)、坪単価は160万円。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。竣工予定は2022年1月上旬。販売代理は長谷工アーベスト。
現地は、車道とタイル張りの歩道を合わせ幅員約21mの甲州街道(国道20号線)に面しており、周辺には商業施設、金融機関が並び、マンション化も進む中心市街地の一角。地元で人気の八百屋もすぐ近く、[*1] 対面には明治初期に建てられたタバコ屋(蔵)がある。敷地は元スーパー。
建物はT字型で、1階に様々な用途として利用できるシェアキッチン&シェアスペースのほかコミュニティテラス、500種の雑誌がwebで読めるコミュニティラウンジ、シェアツールストレージを配置。標準階は南向き72~81㎡の5戸と、西向き69~72㎡の7戸で構成。主な基本性能・設備仕様は、同社オリジナルの収納「オレンジラボ」、0.7~0.8畳大の「ホームライブラリー」(一部)、「壁内蔵梁工法」、リビング天井高2500~2600ミリ、直床、複層ガラス(一部Low-Eガラス)など。
同社マンション事業本部事業室(第二)係長・庄司憲史氏は、「現在分譲中の他社物件とは単価・コンセプトが異なり、これから分譲される物件とは単価が異なるのでそれほど競合はしていない。テレワークを見据えた『ホームライブラリー』も提案した。順調なスタートを切れた」と話している。
「ホームライブラリー」
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京王線沿線に住む記者は、京王八王子駅から徒歩でモデルルームのある販売事務所に向かったのだが、古い町並みが続きやはり遠い。業界紙の「住宅新報」が坪単価160万円と報じていたので(交通便は記載なし)、〝これは相当立地が悪い〟と思ったが、現地はそうではなかった。市内の中心市街地ではないか。
駅からの距離のみだったら坪単価160万円は納得できないわけではないが、多摩の中核都市である八王子の中心市街地の一角であることを考えると〝安すぎる〟というのが率直な感想だ。
同社だけではないが、どうもマンションデベロッパーはわが多摩エリアを見くびっているとしか思えない。Afterコロナで脚光を浴びるのは多摩エリアだ。
対面のタバコ屋さん
看板には「タバコは動くアクセサリー」とあった
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庄司氏から聞いたのだが、京成電鉄が八王子駅から徒歩6分の商業エリアで、施工は長谷工コーポレーションで、販売代理は長谷工アーベストの「サングランデ八王子」(56戸)を分譲しているのを知った。現地も確認した。モデルルームを見学させてもらおうと電話したら「当日では…」と断られた。坪単価250万円と読んだ。単価が異なるのでそれほど競合はないはずだ。
タカラレーベンも近く分譲するというから、同時に見学取材しよう。
右側が現地
〝タワマンに負けない〟商品企画光る 明和地所「クリオ レジダンス八王子」(2017/12/11)
野村不動産「オハナ八王子オークコート」上々のスタート(2014/6/2)
大京 瀬谷駅前の再開発マンションの名称決定 価格はいくらになるか
「ライオンズ横濱瀬谷ステーションスクエア」
大京は7月10日、相鉄線背湯駅前の「瀬谷駅南口第1地区第一種再開発事業」の施設「ライブゲート瀬谷」内に建設中の分譲マンション名称を「ライオンズ横濱瀬谷ステーションスクエア」に決定したと発表した。
同再開発事業は、同社が参画している瀬谷駅南口第1地区市街地再開発組合が開発を進めているもので、ペデストリアンデッキで駅に直結する再開発施設は、地下階の駐車場、建物南側部分1・2階の物販・飲食などの商業施設、3~10階の住宅144戸(分譲住戸128戸、権利者住戸16戸)、建物北側部分3・4階の公共施設・瀬谷区民文化センター(仮称で構成されている。
相鉄本線瀬谷駅は、2019年11月に相鉄・JR直通線が開通したことで、新宿・渋谷・池袋にダイレクトにアクセスすることが可能になり、2023年3月までに相鉄・東急直通線も開通する予定。
分譲マンションは全戸南向きの配棟計画で、南側には幅員約14mの道路が整備され、部屋内からの開放感や明るさを享受することができる立地環境。間取りは1LDK+S~4LDK、専有面積は52.39 ~81.06㎡。竣工予定は2021年9月8日。設計はアール・アイ・エー。施工は戸田建設。
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マンションの名称決定くらいで記事を書かざるを得ないのが情けない。分譲時期も「未定」だそうだ。
モデルルームがオープンされたら取材したい。価格がいくらになるかだが、相鉄不動産が4年前に分譲した二俣川の再開発マンションは坪280万円で圧倒的な人気を呼んだ。
「二俣川」より「瀬谷」のポテンシャルは低いが、相鉄線の都心への乗り入れも実現したので、相当な値段になるはずだ。坪300万円以下はないような気がする。坪320万円でどうか。同社は最近高値追求しないのでもっと低いか。新型コロナの影響でマンション見学がほとんど皆無なので自信はない。
記録的な一挙供給量380戸 相鉄不他「グレーシアタワー二俣川」は坪280万円(2016/8/22)