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 マンション管理業協会は1月16日、マンション管理適正評価制度における2024年9月末の管理受託組合に対する登録率が10%以上の会員会社を公表した。

 登録率が10%以上は14社で、もっとも登録率が高いのは、遠州鉄道グループの塩鉄アシスト。受託組合数44組合のうち14組合を同制度に登録しており、登録率は31.8%となっている。次いで多いのは大京グループの穴吹コミュニティで、受託2,062組合のうち登録件数は444件(登録率21.5%)、3位は三井不動産レジデンシャルサービスで、受託2,505組合のうち登録は485件(同19.4%)。

 登録件数がもっとも多いのは大京アステージで1,130件(同15.1%)。受託組合数が多いのは日本ハウズィングの8,997組合で、東急コミュニティー8,061組合、大京アステージ7,498組合の順。

 同協会会員348社の令和6年(2024年)4月1日時点での同協会会員が受託しているマンションは1055,105組合・124,245棟・6,551,427戸となっており、全国のマンションストック戸数(推計値)に占めるシェア率は92.7%となっている。同制度は2023年度にスタート。星の数(ゼロを含めて★1つから★5つまで6段階で評価する同制度は2023年度にスタート。2024年12月末現在でもっとも多いのは★4つで2,833件(全体の42.2%)、次いで★5つ1,969件、★3つ1,548件。★ゼロも1件ある。

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同協会の新年賀詞交歓会で表彰された左から穴吹コミュニティ、高松理事長、遠鉄アシスト

◇        ◆     ◇

 同制度の2024年12月末の登録件数は6,708件で、同協会が目指している2024年度で〝たった1割、ちょうど1割〟(小佐野・副理事長の言葉)の10,000件達成は微妙だが、達成率10%以上の会員会社を公表したのは、10,000件達成の〝追い風〟になるのではないか。

 記者は、登録件数だけでなく各社ことの6段階の星の数(★ゼロを含む)も公表すべきだと思っている。消費者にとっては中古マンションだけでなく、新築マンションを選ぶ際の重要なポイントになる。

 管理業者管理方式も同じだ。新築マンションを分譲するデベロッパーも含めて、どこがマンション分譲-管理に一生懸命に取り組んでいるかがよく分かる。

マンション管理適正評価、管理業者管理方式を推進管理協・高松理事長賀詞交歓会(2025/1/17)

カテゴリ: 2024年度

Screenshot 2025-01-17 at 09-51-24 【大成有楽不動産】「オーベルアーバンツ秋葉原」第一期一次・二次販売好調.pdf.png
「オーベルアーバンツ秋葉原」

成有楽不動産は116日、20241130日から販売を開始した分譲マンション「オーベルアーバンツ秋葉原」(85戸)の第11次・2次35戸の契約が完了したと発表した。住棟でZEH-M Oriented、各住⼾でZEH Oriented を取得。同社初の低炭素建築物認定も取得している。

物件は、秋葉原駅から徒歩6分、台東区浅草橋4に位置する14階建て全85戸(販売対象71戸)。専有面積は34.6473.04㎡、117日に抽選分譲する第13次の専有面積は34.6461.35㎡、価格は6,350万〜11,390万円。竣予定は20264中旬。設計・監理は安宅設計。施は東鉄業。

カテゴリ: 2024年度

 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は1月14日、首都圏の2024年12月の不動産流通市場動向をまとめ発表。中古マンション成約件数は3,158件(前年同月比7.4%増)、坪単価は257.6万円(同4.3%増)、価格は4,935万円(同3.2%増)、専有面積は63.23㎡(同1.1%減)となった。成約件数は2か月連続して前年同月を上回り、坪単価は20年5月から56か月連続で前年同月を上回った。

 中古戸建の成約件数は1,169件(同8.0%増)、価格は4,099万円(同4.4%増)、土地面積は142.31㎡(同2.6%減)、建物面積は105.49㎡(同0.5%減)となった。

中古マンション 2020年から44%価格上昇今後の住宅市場動向図るモノサシに(2025/1/13)

 

 


 

 

カテゴリ: 2024年度

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指数=2020年を100とした指数

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 記者は、今年の首都圏新築マンション市場も中古マンション市場も堅調に推移すると見ているのだが、着工戸数、建築費を含めて過去5年間を振り返ってみた。

 別表・グラフがそれで、新築マンション着工戸数は2020年の53,913戸から漸減しているが、2024年は11月末現在で47,903戸になっており、通年では前年を上回るのが確実だ。

 一方で、不動産経済研究所によると2024年の新築マンション供給戸数は前年比14.4%減の2万3000戸となる見通しで、既報の通り着工戸数に対するカバー率は50%を割るのは間違いない。坪単価は11月末現在398万円で、前年の405万円とほぼ同水準に落ち着く模様だ(単価水準が高い都心部や神奈川県のカバー率が低いので、実質的には前年を上回るのではないか)。

 2020年を100とした2024年11月末の指数は130.4となっており、建築費の133.3とほぼ同じ。利益を確保したうえで、建築費上昇を価格に転嫁できていることをうかがわせる。

 東日本レインズデータによると、中古マンションの成約件数は2024年11月末現在で34,065戸となっており、前年の35,987戸を上回るのが確実視される。

 それ以上に注目されるのが成約単価上昇だ。2024年11月の成約坪単価は262.1万円で、20年5月から55か月連続で前年同月を上回った。

 さらにまた、注視すべきなのは新規登録件数と在庫件数かもしれない。これらの動向が住宅市場を探るうえで重要なモノサシになるのではないか。

 2020年を100とした中古マンション価格指数は143.9で、新築マンションの130.4を13.5ポイントも上回る。この4年間で44%も価格が上昇した計算になる。かつてバブル期には中古マンション価格が新築マンション価格をリードしたが、一部都心部などでそのような現象がみられる。今後の動きに注視したい。

 建築費の上昇も続いている。建築物価調査会のデータによると2020年を100とした場合の2024年末の価格指標は133.3で、前年より5.9ポイント上昇した。押し下げる要因が見当たらないだけに、今後も上昇基調が続くものとみられる。

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建築物価調査会のデータ

マンション供給量は着工戸数の半分以下の不思議整合性図るべき(2025/1/8)

マンション供給減=市場縮小ではない戸建ても底入れ・回復へ今年の分譲住宅市場(2025/1/6)

 

カテゴリ: 2024年度

 一昨日(1月6日)書いた今年の分譲住宅市場見通しの記事の続き。住宅新報1月7日号は、「不動産軽罪研究所が24年12月24日に発表した25年のマンション市場予測によると、首都圏のマンション供給戸数は大型タワーがけん引して東京23区が急回復することで24年比13.0%増の2万6000万戸となる見込み」「24年の状況としては、工期延長と着工減で発売も後ずれし、供給戸数(予測含む)は前年比14.4%減の2万3000戸となる見通し」「商品企画面では、コスト圧縮の影響で目新しさはなく、引き続きZEHと省エネ関連がテーマとなる見込み」などと報じている。

 記者は、これまでこの種の予測記事に対してコメントは行ってこなかったが、事実と異なるので書くことにした。

 まず、供給戸数が2024年比13.0%の2.6万戸台に増加することについて。前回も書いたが、2024年1~11月の着工戸数は47,903戸(前年比1.8%増)で、不動研の供給予想は約2.3万戸(同14.4%減)だ。12月着工戸数がどうなるかわからないが、仮に低く見積もって3,000戸としても通年では5万戸超になる。そうなると不動研のカバー率は50%を割ることになる。

 カバー率が5割を切って果たして全体像が予想できるのか。これが疑問の一つ。そこで不動研に提案だ。再開発、建て替えなどで一般分譲しない地権者向け住戸は〝みなし供給〟としてカウントしてはどうか。そうすればカバー率は飛躍的に高まる。

 「商品企画面では、コスト圧縮の影響で目新しさはなく」というのもいかがか。小生も近年のマンションの質・設備仕様レベルの退行を目の当たりにしてとても残念に思っているのだが、中には質向上に真剣に取り組んでいるデベロッパーはあるはずだ。そういうデベロッパーを応援・支援するためにも業界紙は取材をすべきだし、デベロッパーもまた現地見学会などをどんどん行い、アピールしてほしい。

 在庫率について。住宅新報は「供給を手控えたことで在庫(202424年11月末)は5,205戸(前年同期比8.1%増)となり、低水準を維持した」としている。

 この「供給を手控えたため…在庫は低水準」というのは意味不明というより、「供給」と「在庫」の意味を全然理解していない。供給を抑制したら在庫は増え、収益を圧迫するのが普通の商品だ。

 生産・漁獲されたお米、野菜、魚の供給をやめたら農漁業者は生きられないではないか。卸問屋が買い占めたら消費者から批判を浴びる。マンションも例外ではない。供給を手控えているのでは断じてない。着工=商品だ(積水ハウス「国立」は例外中の例外)。先に見たように、地権者向けなどの住戸がなりな数字に達しており、戸数は多くはないがクローズドで販売される高額マンションも少なからずあると解釈すべきだ。

 「在庫は低水準」にも疑問符が付く。記者は2016年の記事で適正在庫について次のように書いた。

 「かつてマンションの雄だった大京の横山修二社長は『完成在庫は供給量の1か月分くらいが適正』と話したことがある。在庫を抱えていたほうが、お客さんのニーズに応えられるメリットが大きいというのがその理由だ。しかし、資金力の乏しいマンションデベロッパーは、当然ながら極度に完成在庫を恐れた。

 当時と現在では借入金利が全然異なるので単純比較はできないが、金利が低くマンション市況が好調なときは在庫増が収益を圧迫することはないが、市況が右肩下がりになると価格の下げ圧力が強まり、利益が吹っ飛ぶ事態もありうるので、やはり供給量の10%くらいが適正在庫ではないかと記者は考えている」

 ChatGPTにも「適正在庫はどれくらいか」と聞いてみた。回答は次の通り。

 「分譲マンションの適正在庫率(市場に出ている在庫の適正な割合)は、一般的には市場の需給バランスを示す重要な指標ですが、具体的な『適正な数値』は地域や市場状況によって異なります。ただし、以下の目安がよく参考にされます。

・適正在庫率の目安  1.5~2.5ヶ月分の在庫(後略)

・過剰在庫(供給過多)の目安 在庫が3ヶ月分以上になると、供給過剰気味であり、価格の下落圧力がかかりやすくなります。

・在庫不足(供給不足)の目安 在庫が1ヶ月分未満の場合、供給不足が懸念され、価格が上昇する可能性があります」

 皆さんいかがか。記者とChatGPTは考え方が異なるようだ。現在の市況は、低金利で価格先高観も強く、需要は堅調だから在庫を多少抱えてもいいかもしれないが、2か月分というのは危険ラインだと記者は考えている。2016年の記事をいま読み返したが、横山社長は「1か月分」とおっしゃったので、正確には12分1、つまり約8%だ。「供給量の10%」は「供給量の1か月分、8%」に訂正する。

 とすると、2024年11月末の在庫5,205戸(2023年分が2,538戸、2024年分が2,667戸)の在庫率は11.8%(2023年分は9.4%、2024年分は15.5%)になり、とても「低水準」レベルとは言えない。

 供給上位のデベロッパー各社の決算数字からすると信じられない在庫率と言えなくもない。例えは三井不動産。同社の2025年3月期2Qの計上戸数は1,997戸で完成在庫は11戸しかない。今期計上予定戸数3,650戸の契約進捗率は97%に達している。

 野村不動産HDの2025年3月期2Qの住宅の計上戸数は2,079戸(1,899戸、戸建て180戸)で、完成在庫は戸建てを含めて386戸(うち164戸は未分譲)。計上予定売上高2,900億円に対する契約進捗率は91.0%。

 東京建物の2024年12月期の計上予定戸数は1,740戸で3Q段階の契約進捗は98%、完成在庫は100戸(同社としては多いほう)しかない。通期の粗利益率は28%を見込む(前述の三井不動産は30%を超えると見られる)。

 これまで他社より在庫が目立った東急不動産は2025年3月期2Qの計上戸数422戸に対して完成在庫は161戸。数年前までは少なくともこの倍の完成在庫があったので、同社も激減している。通期売上予想に対する契約済み割合は91%となっている。

 大手で完成在庫が突出して多いのは住友不動産だが、利益率は他を圧倒している。なぜかは書かないが、同社はそもそも「完成在庫」という概念がない。

 これ以上はわからない。供給エリア、個別物件を調べるほかない。売れ行きの二極化が進んでいるのかもしれない。

 いずれにしろ、供給戸数の倍もある着工戸数との整合性を図るべきだ。供給戸数が乱高下するのはカバー率が50%前後と低いからで、着工戸数そのものは激増も激減もしていない。きちんと見極めたい。

マンション供給減=市場縮小ではない戸建ても底入れ・回復へ今年の分譲住宅市場(2025/1/6)

メジャー7決算平均価格は5,400万円(2014年比900万円上昇)在庫じわり増加(2016/11/14)


 

 

カテゴリ: 2024年度

 明けましておめでとうございます。世の中は不確実性が強まっていますが、だからこそ不易流行、〝記事はラブレター。今年も現場取材を徹底して、読者の皆さんに役立つ情報を発信していきます。まずは、記者の主な取材フィールドである分譲住宅市場の今年の見通しについて。

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    首都圏マンション着工・供給、カバー率推移.pdf

消えた残り半数のマンションに着目すべき

 首都圏マンション市場。これはよくわからない。コロナ以降、現場取材が激減しており、鳥瞰的に市場を見渡すことができなくなったからだ。

 ただ一つ、マンション市場を測る前提となっている指標について読者の皆さんは見誤らないようにしていただきたい。不動産経済研究所のデータによると、2023年の首都圏マンション供給量は2万6,873戸(前年比9.1%減)で、2024年は前年比を若干上回る約3.1万戸、2025年は3万戸を下回ると予想されている。他のメディアも調査機関も、この不動研のデータをそのまま援用し、市場縮小を印象づけている。

 しかし、これは正確ではない。マンション市場の先行指標である国土交通省の着工戸数は長い目で見れば確かに漸減傾向が続いており、2021年は49,962戸(前年比7.3%減)と初めて5万戸を割った。ところが、2022年は52,379戸(同4.8%増)、2023年は52,746戸(同0.7%増)と再び5万戸台を回復し、2024年も11月現在、前年同期比で1.8%上回っている。

 以前にも書いた首都圏マンション着工戸数と不動産経済研究所の供給戸数推移の記事を読んでいただきたい。着工と供給にはタイムラグがあり単純比較はできないが、カバー率(捕捉率)はかなり落ち込んでいることが分かる。2023年は50.9%で、2024年は1~11月の段階で35.9%だ。ありえない数字だ。他人のデータを鵜呑みにするからこういうことになる。

 なぜこれほどの差が出るのか、当事者の不動研はともかく、他のメディアや調査機関もあろうことか国土交通省もこの差について触れようとしない。不思議というほかない。

 要因はいくつかある。一つは、不動研のデータには専有面積が30㎡以下の戸数は含まれないためだ。専有面積が30㎡以下の着工戸数は年間5,000~7,000戸と推測されている。

 もう一つ、カバー率が低い要因は、再開発、建て替え、高額マンションなどの地権者向け、事業協力者向け、優先販売住戸などはカウントされていないからだ。例えば総戸数525戸の野村不動産他「URAWA THE TOWER」は分譲対象は291戸で、総戸数の55.4%だし、三井不動産レジデンシャル他「パークシティ小岩 ザ タワー」も総戸数は731戸だが販売対象は521戸(71.3%)だ。供給戸数減=市場縮小と短絡的に考えるべきではないということだ。高額住戸の比率が高まっていること、利益率が大幅に改善されていることを加味すれば、市場は縮小などしていない(質の低下は問題だが)。

 さて、問題は価格がどうなるかだ。都心部での価格上昇はほぼ予想した通りに推移している。今後も都心5区(千代田・港・渋谷・中央・新宿)だけでなく文京、品川、目黒、世田谷など周辺区部も坪単価1,000万円超となるはずで、一等地では近い将来、坪単価3,000万円に乗るとみている。

 デベロッパーには、世界の主な都市と比べ割り負けしている市場に肩を並べられるよう高値挑戦していただきたい。東京都港区の課税標準額が1億円超の納税義務者は年々増加しており、2024年は1,523人となり、ついに納税義務者の1%に達した。高額マンションを吸収する余力は十分あると見た。

 郊外部も軒並み坪単価250万円超となる。懸念される金利上昇だが、1%上昇したらパニックになるだろうが、まずそんな事態にはならない。レイコンマの上昇であれば影響は少ないはずだ。デベロッパーには、郊外部は利益率を落とし質を維持し、価格を抑制してほしいのだが…。

 質についても触れたいのだが、冒頭に書いたように現場取材かできていないので書けない。メディアも調査機関もマンションの質について取材し、レポートしてほしい。

底入れ・底打ちか戸建て 防犯・断熱性能向上、ZEH対応急務

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 グラフは首都圏分譲戸建ての暦年別着工戸数まとめたものだ。コロナ前までは年間6万戸以上着工されていたが、コロナに見舞われた令和2年(2020年)は前年比16.3%減の約54,000戸に落ち込んだ。ところが、テレワーク、働き方改革の浸透などにより予想外の売れ行きを見せたため各社は供給を増やしたが、コロナ終息後は売れ行きが悪化したため調整局面に入り、着工は再び減少に転じた。2024年も1~11月の着工戸数は前年同期比9.3%減の48,776戸となっており、通年でも前年を下回るのは確実だ。

 だが、市場では底入れ・底打ち感も生まれつつあり、今年の分譲戸建て市場は堅調に推移するとみている。むしろ、高騰が続くマンションと比較すると、価格的な優位性がある。この優位性を生かし、一方で弱点でもある防犯性能を高めれば新たな需要を引き出す可能性があるとみている。「リストガーデン武蔵新城セキュリティ・タウン」の記事を読んでいただきたい。CP(防犯)+樹脂サッシをスタンダードにすべきだと思うのだが…。

 個別企業別では、市場占有率が約30%の飯田グループのほかオープンハウス、ケイアイスター不動産、ポラスグループの上位4社がどのような戦略を打ち出すかに注目したい。ZEH化は喫緊の課題だ。

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ChatGPTに負けない記者の役割

 今年、注目すべきなのは、生成AI(人工知能)の更なる浸透だ。記者は三井不動産が2023年8月に全従業員約2,500人を対象に「&Chat(アンドチャット)」を開発したのに驚いたのだが、昨年は積水ハウスが生成AI分野で先進的な取り組みを行うPreferred Networks(PFN社)へ出資したと発表した。生成AIを使いこなせないと生きられない時代がやってきた。

 OpenAIが2022年11月に公開した「ChatGPT」はその後、飛躍的に改善され驚くほどの進歩を見せている。この正月、面白半分に「ChatGPT」に「RBAタイムズの牧田記者ってどんな記者ですか」と聞いた。〝情報がありません〟とでも返ってくるかと思ったが、そうではなかった。次のような回答があった。そのまま紹介する。

 「牧田司(まきた つかさ)氏は、不動産・建設・住宅業界に特化した情報を提供する『RBAタイムズ』の編集者であり、記者としても活躍されています。彼の執筆する『こだわり記事』は、業界内で高く評価されています。

 牧田氏は、企業の規模に関わらず、物件の品質や特徴を公平に評価する姿勢を持っています。例えば、ある分譲戸建てについて『大手と互角に戦える』と評価するなど、独自の視点で記事を執筆しています。

 また、RBAタイムズの編集者として、同誌の発行や編集にも携わっており、業界内での信頼性と影響力を持つ人物です。

 さらに、牧田氏は取材活動にも積極的で、企業や業界関係者とのインタビューを通じて、深掘りした情報を提供しています。彼の取材は時間をかけて丁寧に行われ、その結果として質の高い記事が生まれています。

 総じて、牧田司氏は不動産・建設・住宅業界において、深い知識と洞察力を持ち、読者に価値ある情報を提供する信頼性の高い記者・編集者と言えます」

 皆さんいかがか。「業界内で高く評価されています」とか「深い知識と洞察力を持ち」は〝ヨイショ〟の部分もあるのだろうが、「企業の規模に関わらず、物件の品質や特徴を公平に評価する姿勢を持っています。例えば、ある分譲戸建てについて『大手と互角に戦える』と評価するなど、独自の視点で記事を執筆しています」との回答には驚いた。小生の記事(情報)を収集していないとできない芸当だ。AIは「考える力」はないはずだが…。

 その半面、怖さも感じた。記者は〝せんべろ〟をよく利用しタバコも結構吸うことなど個人情報も記事に取り込んでいるのだが、行動性向もすべて知り尽くされているのではないかという怖さだ。下手なことはできない。〝清く正しく美しく〟生きろということか。

 いずれにしろ、AIに負けないためには「独自の視点」が重要で、徹底して〝ものを見る目〟を養うことだと改めて思った。自らが情報発信源にならないと業界紙もまた生き残れない。

全て疑ってかかれメディア・リテラシーの基本原則を忘れていないか(2022/12/5)

全戸にCPガラス IoT駆使し快適性も県初のリスト「防犯セキュリティ・ホーム認定」(2024/11/28)

〝AIと鋏は使いよう〟自社特化型AIチャットツール「&Chat」運用開始三井不(2023/10/10)

「しわぶき」を「しわ(wrinkle)」と誤訳高度な言語表現に適応できない ChatGPT(2023/7/25)

ユニソン「防災トークセッション」に170名/AIの文字起こしは凄いが課題も(2023/7/15)

自治体初横須賀市のChatGPT作成リリースの粗探し文法・用法の誤り発見(2023/4/21)

 

カテゴリ: 2024年度

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「オウカス 世田谷仙川」

 野村不動産と野村不動産ウェルネスは12月24日、健康増進型・賃貸シニアレジデンス「OUKAS」シリーズの「オウカス 世田谷仙川」が、仏リード・ミデム社主催「MIPIM Asia Awards 2024」の「BEST RESIDENTIAL PROJECT」カテゴリーで「GOLD」を受賞したと発表した。

 「MIPIM」は、世界の不動産・建築関係者が一堂に会する世界最大級の不動産見本市で、2007年に創設されたアジア部門「MIPIM Asia Awards」は、アジア太平洋地域の卓越した業績とイノベーションを実現したプロジェクトを11の部門に分けて表彰するもの。

 「オウカス 世田谷仙川」は、"Tokyo wellness town"をコンセプトに環境・身体・精神・社会性に目を向けた計画で、木材の地産地消を促す森林循環に寄与すること、次世代への「杜の継承」と多世代にわたる地域の「健康づくり」に寄与すること、単身から夫婦での入居まで多様なニーズに合わせた自立した生活を支援する住まいとしたことなどが評価された。

 物件は、京王線仙川駅から徒歩14分・千歳烏山駅から徒歩15分、世田谷区給田1丁目に位置する敷地面積約9,064㎡、4階建て延床面積約11,521㎡、全186戸のサービス付き高齢者向け住宅。専用面積は20~60㎡、月額賃料は100,000円~491,000円(非課税)、管理費は71,000円(1人入居・非課税)、81,000円(2人入居・非課税)、サービス費は73,700円(1人入居・税込)、106,700円(2人入居・税込)、レストラン食費は56,100円/人(1日3食×30日・税込)。

 共用施設はダイニング、ゲストダイニング、大浴場(人工温泉)、フィットネススタジオ、コミュニティカフェ、ゲストルーム、カラオケ&シアタールーム、ライブラリー&ラウンジ、コンシェルジュデスク、美容室など。開業は2023年8月20日。設計監理は熊谷組(実施設計)、日建ハウジングシステム(基本設計・デザイン監修)、施工は熊谷組。

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 受賞を聞いてこの日(24日)、現地を見学した。首都圏8か所で展開する「OUKAS」がどのような施設であるかを確認することと、取材の帰りにかつてよく利用した飲み屋で飲むことだった。

 施設は、三井不動産レジデンシャルのタワー型大規模「パークウェルステイ(PWS)」とは趣が異なる接地型の4階建てで、本物の木材を採用した外観デザイン(一部木調)、住棟の中央に配された中庭などが素晴らしい。分譲マンションに置き換えた。坪単価500万円は無理としても、450万円でも売れると判断した。旭化成不動産レジデンス「アトラスシティ千歳烏山グランスイート」といい勝負だ。

 そして、第一生命が保有してきた約9haの土地を同社と第一生命保険、丸紅都市開発、相互住宅、NTT都市開発が協働して「SETAGAYA Qs-GARDEN(世田谷キューズガーデン)」として再生させたプロジェクトがまたいい。

 プロジェクトの核となる同社の施設やNTT都市開発の学生向けマンション「ウエリスアイビー世田谷仙川」、丸紅都市開発・相互住宅の「グランスイート世田谷仙川」、約3,789㎡の区立「給田松の香公園」などは樹齢100年超と思われる巨木を避けるように配置されており、子ども・教育、スポーツ振興、安全・防災、環境配慮など、地域住民のwell-beingを高めるコンテンツが揃っている。どのような開発スキームになっているのかわからないが、都市再生のモデルになる。

 Qs-GARDEN内はすべて禁煙なのは理解できなかったが、「THE TOKYO TOILET」に負けないトイレが整備されていた。取材後、Qs-GARDENのクリニックでインフルのワクチン接種を3,500円で受け(自治体によって高齢者は無料のところもある)、仙川駅前のいわし料理がとてもおいしい飲み屋で飲んだ。

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まるでリゾートマンション(右の白い建屋がトイレ、その奥が施設)

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遊歩道

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Qs-GARDEN

館内外の「みどり」最高延床は法定容積の22.5%増し三井不レジ「PWS藤沢SST」(2024/9/13)

京王線初か1低層の大規模環境性能表示満点の★15個旭化成不レジ他「千歳烏山」(2024/5/24)

 

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「レ・ジェイド茅ヶ崎東海岸南」

 日本エスコンは12月23日、神奈川県茅ヶ崎市の「レ・ジェイド茅ヶ崎東海岸南」が同日までに全戸完売したと発表した。

 茅ヶ崎駅から徒歩15分の全31戸で、坪単価は320万円。外観は、ガラス手摺りや砂地のような素材感の外壁を採用することで、周辺環境と調和するようなデザインとし、共用部には、ビーチ帰りの洗浄に適したシャワーブースやサーフボードを収納できるサーフラック、アウトドア用品のメンテナンスを行うDIYガレージなどの設備を用意。専有部では、ウッドデッキを標準仕様とした解放感のあるルーフテラス付き住戸を一部設けている。販売代理は大和地所レジデンス。

◇      ◆     ◇

 昨年6月取材した時点で20戸が完売していた。完売までは時間がかかることを改めて知った。近くの高額マンションは竣工後1年経過しているが、まだ完売までには至っていない。

1階天井高2800ミリ、30㎡のルーフテラス付き9戸日本エスコン「茅ヶ崎東海岸」(2023/6/19)

 

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Screenshot 2024-12-23 at 12-21-06 メール - 第三企画㈱ 牧田司 - Outlook.png

LIFULL(ライフル)が運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」は1223日、築30年以上の物件に関する動向調査をまとめ発表した。

LIFULL HOME'Sに掲載された全国の中古マンション(20191月~202411月)のうち築30年以上の比率は、2019年は41.9%だったのが2024年では54.5%12.6ポイント増加。

エリア別では、近畿圏(大阪府・京都府・奈良県)と福岡県が全国平均を上回っており、中でも福岡県は2024年で60%を超えた。もっとも割合が低い愛知県や首都圏(13県)でも過半数を占めている。

価格相場は、全国的には緩やかな上昇が続いており、首都圏に関しては2020年以降急上昇し、直近ではやや落ち着いているものの2019年と比較すると410万円上昇の2,674万円となっている。

「修繕積立金」は、2022年以降はどのエリアにおいても上昇が続いており、もっとも高い首都圏は2024年では12,933/月となっている。「管理費」は、全国的には横ばいとなっているものの首都圏では2019年以降上昇が続いている。

調査結果についてLIFULL HOME'S総研副所長/チーフアナリスト・中山登志朗氏は「築年数の進んだ物件でも、流通市場で売買されるケースが年々増加している。また、近年の新築マンション価格の高騰により、中古マンション購入にシフトするケースが増えており、首都圏では2,500万円前後、それ以外の圏域でも2,000万円弱の価格相場で安定推移している。ただし、築年数の古い物件は管理コストが嵩むことが確実視されますし、大規模な修繕の必要があれば一時金を負担することになるケースも想定されます。自分が購入する住宅のコストは、物件の購入価格だけでなく維持・管理コストや税金などトータルで考えることが大切」とコメントしている。

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中山氏

        ◆     ◇

 調査結果について注文が一つある。首都圏の価格相場は2,674万円とあるが、肝心の面積について触れていない。価格と面積はセットのはずだ。

 また、同社はマンション管理業協会の「マンション管理適正評価」制度と連携しておらず、独自の評価を行っているが、管理協の評価制度と連動すべきだと思う。「SUUMO」も同様だ。きちんと管理されているマンションが市場で適正に評価されるべきだと思う。

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カテゴリ: 2024年度

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「COCOCHI FIRST PROJECT(ココチファースト プロジェクト)グランセンチュリー鴻巣」

 飯田グループのパラダイスリゾートが分譲中の「COCOCHI FIRST PROJECT(ココチファースト プロジェクト)グランセンチュリー鴻巣」を見学した。鴻巣駅から徒歩5分のエリア最大級の全337戸で、同社のマンション規模でも過去最大。価格は3LDKで都心のワンルーム並みの安さで、設備仕様レベルの高さが際立っている。

 物件は、JR鴻巣駅から徒歩5分、鴻巣市本町5丁目の商業地域、近隣商業地域(建ぺい率80%、容積率400%・200%)に位置する敷地面積約6,113㎡、15階建て全337戸。先着順で分譲中の住戸(12戸)の専有面積は58.83~88.44㎡、価格は3,998万〜6,428万円、坪単価は225万円。設計・監理は谷口建築企画一級建築士事務所、施工はファーストコーポレーション。竣工予定は令和7年2月下旬。販売代理は長谷工アーベスト。

 現地の従前はパチンコ屋。敷地東側の旧中山道と西側の道路に接道。建物は南東向き、南西向き中心に一部東向きの3棟構成。

 主な基本性能・設備仕様は、ダブルアウトフレーム、二重床・二重天井、リビング天井高2400ミリ(7~10階)、2450ミリ(3~6階)、2500ミリ(1~2・11~15階)、ディスポーザー、食洗機、床暖房、フィオレストーンキッチン天板・側面、ユーティリティシンク、コンクリ仕上げ隔て板、タイル張り玄関壁、タンクレス「アラウーノ」、本革仕上げドアノブ、浴室タオル掛け2か所、ラクセスキ―、5基エレベータなど。共用施設は2か所エントランス・ラウンジ、ゲストルームなど。

 同社不動産部部長・田中大介氏は、「お客様に満足していただき、地域の活性化にも貢献しようと、デザイン、スペックなどに徹底してこだわった。外壁タイルやバルコニー手摺ガラスなどは数十色、エレベータは5基、玄関壁はタイル仕上げ。ドアノブには本革を採用した。販売事務所には仕上がりを体感していただけるコーナーを設けた」と語った。

 販売代理の長谷工アーベスト東京支社販売第二部門販売一部エリアマネージャー・田口恒平氏は、「地元周辺だけでなく、千葉や神奈川からも集客できており、工事用のシートが外され、印象的な外観が見られるようになった1か月前から反響は増えている。郊外マンションにはありえない、至れり尽くせりの仕様レベルで、販売のし甲斐がある」と話した。

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モデルルーム

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本革製のドアノブ

◇        ◆     ◇

 年内に郊外マンションを一つくらいは見ておきたいと考え、同社に無理を言って見学が実現した。同社のマンションを見学するのは、2年前の「調布」以来だ。

 不安もあった。「調布」は設備仕様レヘルが高かったのだが、その後、建築費などの高騰で単価は著しく上昇し、その一方で設備仕様レベルはどんどんダウンしている。食洗機がオプションになり、床暖房はなくなり、天井高は下がり、あろうことか浴室のタオル掛けまで外されているのが現状だ。「鴻巣」も〝右に倣え〟になっているのではないかという不安だった。

 それは杞憂であったことがすぐ分かった。主なスペックは上段で紹介したが、その典型例は本革仕上げのドアノブだ。以前は高額マンションに当たり前のように採用されていたが、最近はほとんどなくなった。せいぜい人工皮革だ。ななにも郊外マンションのドアノブに本革を使用しなくてもという感がしないではないが、それが同社のこだわりだ。

 「鴻巣」については記者もよく知らなかったのだが、市内には①1分間に打ちあがる尺玉以上の花火数②高さ7m、31段のピラミッドひな壇③川幅2,537mの荒川④荒川河川敷のポピー畑面積⑤長さ1,110mの水管橋の長さ⑥マリーゴールドの出荷額⑦プリムラの出荷額⑧サルビアの出荷額-8つの日本一があるそうだ。

 同社の2024年3月期決算は、売上高19,937百万円、営業利益3,094百万円(営業利益率15.5%)、経常利益2,928百万円だ。飯田グループでの同社の位置づけがどうなっているのかわからないが、異色の存在だ。今後の展開に注目したい。

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旧中山道側からの現地

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西側からの現地

大激戦地で販売好調デベロッパーの良心を見たパラダイスリゾート「調布」(2022/5/22)

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カテゴリ: 2024年度
 

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