「野球の経験が仕事に生きる」 横浜高校・松坂氏の1歳上 リスト杉山投資営業部長
杉山氏(いい顔だ。松坂さんよりずっと素晴らしい。これは外見差別か)
リストはアセットマネジメント事業を積極化させる。子会社のリストアセットマネジメント(LAM)が設立したSPC(特別目的会社)を通じて本拠の横浜エリアを中心に投資物件の取得を加速し、2025年までに資産規模1,000億円をまでに拡大。私募&上場リート市場に参入する意向を打ち出した。
LAMは2020年11月、港北ニュータウンのセンター南駅から徒歩2分のオフィスビル「サウス・コア」(7階建て延べ床面積約11,781㎡)を取得したのを皮切りに、2021年1月には関内駅から徒歩7分のオフィスビル「横浜エクセレントⅢ」(10階建て延べ床面積約5,747㎡)を取得。
2021年9月には、関内駅から徒歩1分の事務所・店舗ビル「横浜上町ビルディング」(11階建て延べ床面積約7,742㎡)と、新横浜駅から徒歩6分の事務所・店舗ビル「プラスタリアビル」(9階建て延べ床面積約6,204㎡)を取得。合計4物件でAUM(運用資産)は150億円に達した。
同社は、今後も投資物件の取得を積極化し、2025年までに資産規模を1,000億円まで拡大する。私募リートのほか上場リートの立ち上げも視野に入れている。
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LAM投資営業部長を務めるのは、横浜高校時代の1年後輩だった松坂大輔氏にエースの座を奪われた〝悲劇のエース〟杉山正樹氏(41)だ。
横浜高校2年生のとき、春の甲子園に背番号10で出場。登板機会はなかった。3年生のときは春の県大会までは背番号1を付け出場していたが、関東大会では1番を後輩の松坂に奪われ、その関東大会は松坂の活躍もありチームは見事に優勝した。
夏は優勝候補に名を連ねながらも、今も語り草である【横浜商業高校戦の松坂の暴投】で、甲子園出場を逃した。その翌年、松坂投手が獅子奮迅の活躍をし〝平成の怪物〟と呼ばれたことはよく知られている。
当時を杉山氏は次のように振り返った。
「野球漬けの毎日でした。寮生活で起床は7:00。8:30から学校の授業があり、授業が終わってから夜は19:00くらいまで練習。帰寮してからは、お風呂と食事を取って、21:00から夜練習その後は22:00から45分間野球の勉強会や対戦相手のデータ解析などがあり就寝は23:00。勉強? 授業以外は勉強する時間はなかったですね。練習では平日1日だいたい5㎞くらいは全力で走り、長距離走はまた別で走らされました。
投げ込みは基本毎日で、ノースローは基本無いです。土曜・日曜は合計で300球以上は投げていました。
当時のコーチが良く言っていた口癖は『野球は馬鹿じゃできない』でした。走攻守すべて、いかに確率が高い戦法を取るかを徹底して叩き込まれました。頭を使えば打率は1割(10%)アップするとか、バントはどこに転がせば一番効率が良いとか、スクイズは投手が球を放す瞬間に敢行するか見送るかなど、今考えると、野村克也さんのお考えに非常に近かったのかな?と思いますし、それを実践で行って戦っていたのが当時の横浜高校でした」
進学した横浜商大では肩痛を発症。「3、4年生のときは寝返りするたびに激痛が走った。地獄でしたね。投げられなくなり4年生から1塁手に転向しました」
この段階でプロの道はあきらめたようだが、この経験が入社したリストでの仕事で生きてくる。
今の投資事業も同じだと思います。「AUMを2025年の目標である1,000億円まで伸ばすためにどうすればいいか、その為に何が必要か?ゴールをまず定める事がスタートで、その為に行動や考えることが当時行っていた練習なんだと今は思えます。仕事は正直かなりハードですが、一から学べるということは楽しいもんです」と語った。
リスト杉山Asset Management投資営業部長にNYと横浜で2週連続フルマラソン挑戦(2019/10/18)
「柳屋」に勝てるか 旅館業&トレーラーがミソ 三井不「HUBHUB 日本橋人形町」
「HUBHUB 日本橋人形町」
三井不動産とグループ会社のShareTomorrowは11月18日、移動式ユニットを活用した「HUBHUB(ハブハブ)プロジェクト」を始動し、その実証実験施設「HUBHUB 日本橋人形町」を11月22日(月)から運用開始すると発表した。
遊休不動産をリアルに集う場所として有効活用する新規ビジネスを指向したもので、宿泊ユニットのほか、パーティールームユニット、プールユニットの3種類のユニットを組み合わせた「泊まるだけ」ではない「遊べる宿泊施設」をコンセプトとしているのが特徴。
施設は、都営浅草線・東京メトロ日比谷線人形町駅から徒歩3分、中央区日本橋堀留町1丁目の水天宮通りに面した敷地面積約178㎡(約53.95坪)、延べ床面積約85㎡(約25.95坪)。トレーラー6台で構成されている。東京都23区内で車両を使った工作物による旅館業営業許可を取得している事例は今回が初という。
同日行われた記者内覧会でShareTomorrow新規事業部プロジェクトリーダー・佐藤貴幸氏は「2019年から始めた社内事業提案制度(「MAG!C」)から生まれたプロジェクトの一つで、期限付きのアセットを有効活用するのが目的。旅行客などではなく、近隣にお住まいの方などに利用していただけるよう宿泊できるようにしたほか、ホームパーティを開いたり、サウナを利用していただけるようにした。地型にもよるが、トレーラーハウスなので設置するのが容易で移動も簡単。用途の入れ替えも可能。しかも、建築物ではないので、建基法の制約も受けない。新しい生活スタイルを提案できる」と語った。
HUBHUB 公式 LINEは次の通り。(https://liff.line.me/1645278921-kWRPP32q/?accountId=hubhub)
宿泊ユニット
パーティルームユニット
プールユニット(ヒーティングルーム)
全体像(右から「RECEPTION / BBQ KITCHEN」「BADE POOL」「GUEST ROOM」)
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人形町界隈はこの10年間で様変わりした。マンションもたくさん分譲され、坪単価は瞬く間に400万円を突破し、立地が良ければ坪600万円はするはずだ。一方で、昔からの商店も多く、お金持ちとそうでない人が混在する街だ。人口増加率はとびぬけて高い。
取材の案内が届いたとき、売上高が2兆円もある三井不動産ともあろうものがなんだか訳が分からないものを造るものだと、スルーしようと思ったが、ほかに取材もないので申し込んだ。
それでも、コロナ禍でわざわざ記者内覧会をやるのだから、さぞかし立派な施設なのだろうと想像したのだが、何と敷地は間口2.5m(奥行き71.35m)しかなく、しかも2階建てのプレハブのようなものだった。容積(ここはいくつか知らないが)を余すどころかほとんど使っていないではないか。こんな敷地ではマンションもビルも建たない。周辺の土地をまとめるための一時しのぎの施設だと決めつけた。
ところが、どうだ。佐藤氏の説明を聞いたとたん、胡乱な記者の頭がフル回転した。〝これは凄いビジネスになる〟と。
何が凄いか。これは建築物ではなく、工作物であることだ。建基法の基準はよくわからないが、この法律に縛られないメリットは数えきれないほどあるはずだ。遊休不動産の活用にはもってこいだ。
もう一つは、施設はトレーラーということだ。佐藤氏は「中国・大連で製造したもので、当社が購入して輸入した。6台で4,000~5,000万円。横浜港から現地に運び組み立てるまで2週間。ユニットはターゲットに合わせて自由自在に入れ替えることができる」と話したではないか。
肝心の利用料金だが、宿泊ユニットは施設全て貸し切りで1泊60,000円(税込み、宿泊は4名まで)。ここから徒歩で10分くらいの1泊数万円はする「マンダリンホテル」と比較はできないが、仲間(8人まで可能)を呼んだら一人当たり1万円以下だ。べらぼうに安い。
「客室」は広くはないが、ベッドはシモンズ製で大型テレビが備え付けられており、シャワー室、洗面・トイレ付き。同社の「ガーデンホテル」には勝てないが、安普請のビジネスホテルをはるかにしのぐ。
佐藤氏
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だが、しかし、この種の施設は同社の専売特許ではない。記者は昨日(11月17日)、取材の帰りに三菱地所が昨年に開設した新宿三丁目の「バスあいのり3丁目テラス」に行った。いま「福井美食フェア」を開催中で、抜群においしい「若狭ぐじゆず塩ラーメン」を食べるのが目的だった。着いたときは午後3時ころか。人気があるようで売り切れだった。
何が言いたいか。ラーメンをほめるためだけではない。皆さん、三菱地所が伊勢丹の駐車場ビルに隣接した道路付けが悪く、わずか70坪しかない敷地で未来永劫、この種の施設を運営するはずがないではないか。施設は、今回の三井不動産と同じ移動式なので建基法の規制を受けていない。
これがヒントだ。三井不動産も三菱地所も目先の利益だけでなく、もっと先のことを考えているに違いない。儲かることはないかもしれないが、運用を通じて得る知見はあらゆるビジネスに生かせるはずだ。
ついでにもう一つ。東京建物は本社ビルの再開発工事を行っている。その一角に今年10月、野外フードコート「Beeat!!八重洲」をオープンした。タバコも吸える。これはいいのだが、周囲の工事の音がものすごく、耳が遠くなった記者でもより遠くなりそうだ。AIの時代だ。音を遮断するか共鳴させて静かに飲食できるようにすべきだ。
言いたいことはまだある。三井不動産の取材が終わり、かみさんに言われた柳屋のたい焼きを買いに行った。12:05だった。お昼休み中で12:30からとあったので、仕方なく、たばこも吸いたかったので記者が大好きな三菱地所の「ロイヤルパーク」に向かった。驚いたことに1階のレストラン・バーは満席だった。カウンター席が空いていたので白のグラスワイン・シャルドネを1杯飲んだ。とてもおいしかった。そのあと、2階の喫煙室でタバコを吸ったのだが、ここも満室だった。
そして、柳屋に戻った。間口は「HUBHUB 日本橋人形町」といい勝負か、むしろ柳屋のほうが狭い。とぐろをまくスペースもないので、20人くらいのお客さんは肩を寄せ合い2列(U字型)になって並んでいた。
記者も並ぶことにしたが、ただでは起きないのが記者だ。時は金なり。計算した。記者は5個で900円(1個180円)。買うのに15分かかった。お客さんは1個買う人もいれば10個買う人もいた。一人平均5個として、180(円)×5(個)×15(分)=13,500円(税込み)。皆さんも計算していただきたい。年間にしたらいくらの売り上げになるか。
さらに計算した。このたい焼き5個とシャルドネ1杯(1,500円)はどっちが安いか高いか価値があるか。カロリーはワインが100 kcalくらいで、たい焼きは200kcalか。糖尿の記者にとってワインは2倍の価値がある。この価値観は間違っていないはずだ。たい焼きは小さいころよく食べたが、ここ数十年来1個食べた記憶はない。食べられない。
いい1日だった。コロナ感染者が激減したのでこんな行動がとれる。読者の皆さんには参考になる記事になったのかどうか。
「バスあいのり3丁目テラス」
「Beeat!!八重洲」
甘酒横丁(「柳屋」さんは右から2軒目)
坪単価400万円に納得 駅直結・再開発の力まざまざ 東急「新綱島」1期66戸即完へ
「ドレッセタワー新綱島」
東急新横浜線・新綱島駅直結の商・住・公の東急「ドレッセタワー新綱島」の第1期66戸が即日完売する見通しだ。「新駅直結」「再開発」が大きな支持を集めている。11月17日にモデルルームが報道陣に公開された。抽選分譲は11月19日(金)。
物件は、2022年度下期開業予定の東急新横浜線新綱島駅に直結、東急東横線綱島駅から徒歩3分、新綱島駅前地区第一種市街地再開発事業地内に位置する地上29階地下1階建て全252戸(非分譲住戸73戸含む)。専有面積は44.88~113.45㎡、第1期(66戸)の価格は5,360万~1億8,290万円(最多価格帯6,500万円台・7,800万円台各4戸)。第1期の坪単価は400万円。竣工予定は2023年10月下旬。設計・監理は東急設計コンサルタント。施工は東急建設。販売代理は東急リバブル、東急ライフィア。
第1期の登録申し込みは11月13日(土)からで、抽選日は11月19日。2021年4月のホームページ開設以来、物件エントリー数は4,500件超に達している。
現地は、約4.4haのA~F地区のソーンに分けられている綱島東一丁目地区地区計画地内の施行面積約0.6haのB地区に立地。建物は制震構造で、マンションと7階建て商業棟で構成され、商業棟の4~5階には港北区の区民センターが併設される。
住戸は3階以上で、27階までの標準階は1フロア9~10戸。28・29階は1フロア7戸。主な基本性能・設備仕様は、リビング天井高2480ミリ、二重床・二重天井、ディスポーザー、深型食洗機、フィオレストーンキッチン天板のほか、全自動おそうじ浴槽、Google Home、ウルトラファインバブル水栓などのほか、「イエナカ+α」によるマイスタジオを標準装備。共用施設はコモンラウンジ、ゲストルーム、スカイラウンジなど。
同社沿線開発事業部住宅開発グループ分譲推進(2)担当課長補佐・田中翔太氏は、「購入要望の75%は横浜市内で、港北区が約5割。都内は20~25%。武蔵小杉や日吉など川崎市中原区の居住者の反響はいま一つ。競合物件はほとんどなく、『勝どき』や『HARUMI FLAG』を検討されている方は結構います。第1期の申し込み状況は、コンパクトに4倍の倍率が付いており、100㎡超のプレミアム住戸も2倍くらいで、抽選の時点でほぼ完売の見通し」と語っている。
地区計画内のA・D・F地区の詳細は未定だが、区画整理事業方式により駅前広場、バス・タクシー乗り場なども整備される予定で、E地区は歴史的資産・緑地・農地として保存される。
建設現場
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坪単価を聞いたときはずいぶん高いと思ったが、横浜は500万円を突破し、武蔵小杉も400万円をはるかに超える勢いだ。他のエリアも信じられないほど価格・単価は上昇しているので〝こんなものか〟と納得した。若い読者の方は信じられないだろうが、かつてバブルのころ、「綱島」のマンション相場は坪単価500万円だった。それと比べれば(比べるのがおかしいが)安い。参考までに10年前の野村不動産「プラウド綱島」の記事も添付する。坪単価は200万円だった。
76㎡の東南角のモデルルームはよくできていた。無償の窓付きの2.5畳大のマイスタジオの評価は高いようで、5.2畳大のキッチン、全自動おそうじ浴槽(有償で床掃除も可)など、全体の設備仕様レベルは他が低くなっている分相対的に高いと思う。このタイプは1期に用意した14戸に申し込みが入っているようだ。
それにしても、鉄道会社のやることは凄い。新駅をつくってマンションなどと直結させるのだから。
戸田建設 気候緊急事態宣言発出の準備へ 今井雅則会長が発言
エコ・ファースト推進協議会議長で戸田建設代表取締役会長・今井雅則氏は11月16日、気候緊急事態宣言を発出する準備を始めると語った。「機関決定が必要なのでいつかは申し上げられないが、早期に宣言できるよう努力する」と、具体的な時期については明言を避けた。
気候緊急事態宣言(Climate Emergency Declaration)は、2016年12月5日に、オーストラリア・メルボルンにあるデアビン市が2016年12月に世界で初めて気候非常事態を宣言したのをきっかけに全世界に広がり、わが国も昨年11月19日、「私たちは『もはや地球温暖化問題は気候変動の域を超えて気候危機の状況に立ち至っている』との認識を世界と共有する。そしてこの危機を克服すべく、一日も早い脱炭素社会の実現に向けて、我が国の経済社会の再設計・取組の抜本的強化を行い、国際社会の名誉ある一員として、それに相応しい取組を、国を挙げて実践していくことを決意する。その第一歩として、ここに国民を代表する国会の総意として気候非常事態を宣言する」と衆議院本会議で決議されている。
このほか、わが国では100に近い自治体、大学などが宣言を行っている。
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今井会長の発言は、同日行われた「第6回エコ・ファーストシンポジウム」で、国内の国公立大学としては初めて気候非常事態宣言を今年7月に発出した東京都公立大学法人の理事長・山本良一氏の講演後の休憩時に「うちもやるか」と独白したのを記者が捉えたものだ。山本氏は講演の中で「戸田建設さんも建設業界の先陣を切っていただきたい」と促した。
「努力する」という言葉は、先にCOP26で議決された「世界の平均気温の上昇を産業革命前から1.5度に抑える努力を追求し、石炭火力発電を『段階的削減』するなどの表現に合意した」のと同じだったので、いつなのか食い下がろうとしたがかわされた。
会長!努力目標ならだれでもいえます。住宅・不動産、建設業で先陣を切っていただきたい。
美人を美人と褒めてどこが悪いのか/居直り記者が男女差別を考える
喜多川歌麿「寛政三美人」
全国市長会長を務める福島県相馬市の立谷秀清市長(70)が連合初の女性会長に就任した芳野友子会長を「美人会長」と発言したことに対し、容姿に着目したセクハラ発言であると批判が相次ぎ、立谷市長は「軽率だった。配慮が足りなかった」と謝罪した問題に、記者はショックを受けた。
「美人」「きれい」「美しい」を連発してきたからだし、もうセクハラの権化だ。RBA野球記事では「それでも男か」と罵り、「メタボ」「相撲取り」「片玉」「美女と野獣」などと貶めてきたし、醜悪な顔をアップで写真にしてきた。さらに封殺、三重殺、刺殺、憤死、死球、挟殺、盗塁…殺し合いや戦争を唆してきた。犯罪者そのものだ。訴えられたら、体がいくつあっても足りない。これからは、おててつないで仲良しこよしの記事を書かないとだめなのか。
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立谷氏は、「福島市での連合福島定期大会での挨拶で、少子化対策について『労働分配率を上げて、男性の所得、女性に悪いけど、男性の所得を上げていかないと人口問題は解消しない』と主張」(10月30日付朝日新聞)した後で「今度の美人会長も楽しみにしている。色々と協議しながら、日本にとっての問題は何なのかを連合と共通の立場で考えていきたい」(同)と、男性の所得や人口問題に絡めて「美人会長」と語ったのが批判を浴びたようだ。
確かに文脈からして不適切だとは思う。しかし、深読みかもしれないが、立谷氏は芳野会長の外見ではなく、「共産党との閣外協力はありえない」と野党共闘に牽制球を投げた芳野会長の政治姿勢を「楽しみにしている」と語ったのではないか。自らの6期目を狙う政治的な発言だと思う。
それはともかく、「美人会長」の言葉はどこがセクハラなのか。謝ったのでなかったことにしたのは是なのか。
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記者は、マンションなどを見学するとき、基本性能や設備仕様を重視するが、意匠デザインの美しさも必ずチェックする。〝見た目〟はとても重要だ。〝美しいか美しくないか〟-この審美眼こそ記者の生命線だと思う。それを養うのはただひたすらに観る以外に方法はないと断言できる。
ただ、人間を観るときは、〝見た目〟よりは何を話すか、何を行うか、心の奥底まで観るよう心がけている。心の美しさはしぐさや言動ににじみ出るからだ。女性を「美人」「きれい」「かわいい」などと表現するときも、ただ外見だけで評価しているわけではない。ただの見てくれの美しい人は間違いなく化けの皮がはがれる。
「美人」に関して、熱烈な阪神ファンで知られる風俗史、風俗評論が専門の、記者か好きな井上章一氏は「日本の女が好きである。」(PHP研究所)という身もふたもない著書で次のように述べている。少し長いが引用する。
「『美人』かそうでないかは、顔以外の部分できまる。性格や知性こそが、その判断材料になる。もし、人々が本気でそう思っていれば、顔の悪い『美人』もイメージできるはずだ。しかし、そういう人のことは、とうてい脳裏に思い描けない。
やはり、『美人』か否かは、顔で決まると、みんなそう思っているせいだろう。たてまえはともかく、たいていの人、日本語を話すほどの人は、そう思っているはずである。すくなくとも、心の奥底では。」
井上氏はまた「あとがき」で、現在の男社会の職場は以前とくらべ男をまどわすチャラチャラした女性を排除する力が弱まり、受容的になってきたとし、「私は、こういうところにも女権の成長=フェミニズムのいきおいを、かいま見る。
今のファッション雑誌には、セクシーな女の衣装が、数多く紹介されている。フェミニズムの先頭的な論客は、そこに男の権力を読みとろう、男たちがメディアを支配し、女を性的な奴隷にしむけている。女を性的な奉仕者、それこそメイドにしたがっているのだ、と。
しかし、わたしはそこから逆の趨勢が、見えてくる。女たちは、目に見えぬチャドルから、ときはなたれてきた。男をそそってあやつる、いわばエロ力の発揮を、社会へみとめさるようになっている。それをおしとどめようとするおっさんの壁は、つきくずされてきた。つまりは、女権がのし上がってきたのである。」と述べている。
記者は、この前半の部分については賛成しかねるのだが、後半の部分はその通りだと考えている。女性議員や会社役員が増えないのは「女性差別」が最大の理由だとは思うが、男をおだてあげ担ぎ上げ、利用したほうが賢明と考える賢い女性が増えてきたような気がしてならない。
選択制夫婦別姓は今回の衆院選で争点になるかと思ったが、そうはならなかった。姓だけ差別がなくなっても世の中は変わらないと考える強かな女性の計算が働いたのではないか。それとも〝男による男のための男の選挙〟に絶望して選挙そのものを拒否したか、あるいは男を見限った判断かもしれない。
前半の部分は賛成しかねると書いたのは、小生は女性の外見だけで美人か非美人であるかを判断していないからだ。マンションに十全がないように、男も女も同じだ。たかが外見だけで判断したら、誰もが生きていけない。しかし、だからといって「美人」を封印したら世の中は真っ暗闇になる。
これは記者の〝特技〟だと思っているのだが、たとえ外見が美しくなくても、その人の美しいところだけを見て褒めるようにしている。例えば「心が美しい」「声が美しい」のほか髪、目、口…もうこれだけで人生がばら色に輝いて見えてくる。女は全て美しいと。
外見だけで美人だとか非美人だとかで判断したら、小説、歌謡、絵画など芸術は成り立たない。芸術は人間の醜さ弱さ、生きる世界の理不尽さ、差別社会、わいせつ性を暴き出すから人々に感動を与える。
そういえば、埼玉県戸田市には全然美しくないのに「美女木(びじょぎ)」という地名がある。「美魔女」という言葉もあるではないか。将棋には「女流名人戦」があるし、わが国のメディアは北朝鮮の「美女軍団」を大々的に報じたではないか。ミス・ユニバースを筆頭とするミス・コンは知性や・人間性も重視されるというが、水着審査(ミス日本は今年から廃止したそうだが)もあるではないか。
これらに目をつぶり、ちょっと「美人」だとか「美しい」と書いただけでセクハラだと批判される。直截的に褒めるのが差別というなら、比喩的に褒めるのは許されるのか。立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花はいいのだろうか。散り際のサクラとか、日陰のドクダミのようなたたずまい、イヌノフグリのような可憐さ、女郎花のような妖しさ…と書けばいのだろうか。この前、「若い女性担当者」と記事に書こうとしたら、広報担当者からは「『若い』と『女性』をくっつけないで頂きたい。『若い担当者』か『女性担当者』にしていただきたい」とやんわりNOといわれた。
そんなことより、「女性蔑視」そのものの言葉のほうが問題ではないのか。鹿児島大学教授・小寺初世子氏は「女性差別をなくすために」(明石書店)で、「『女偏漢字』が、われわれの意識内の女性にたいする偏見、女性蔑視を植えつける原因のひとつになっていないか」とし、「なくしたい女偏漢字」として「汝」「奴」「奸」「妄」「妨」「妖」「嫉」「妬」「姦」「媚」「嫌」「委」「嬲」などを挙げている。
なるほど。その通りだろう。漢字は中国由来の儒教思想に基づいた男尊女卑の言葉であるならば当然だ。
女偏の漢字で言えば、記者は「努」は「女」の「又」(股)の「力」は凄いと覚えた。大人になってそれは事実であることを知った。ところが、「努」は形声文字で、「女」は「奴婢」(奴隷)を意味し、「又」は股ではなく手の形で、「力」は農奴が農耕に勤労する意味と、白川静「字統」(平凡社)にはある。同著の象形文字「美」は、羊の角から後脚までの全形を写した形で、成熟した羊の肥美を示すとある。
つまり、昔の儒教思想に凝り固まった男は、「女」とは奴隷であって、「美」は雄か雌かは不明だが羊だと認識していたようだ。
そのあからさまな儒教思想による性差別を改めようとする意図があったのかなかったのか、わが国は万葉仮名-平仮名を開発した。
考えてみれば、そもそもわが国にはそのような男尊女卑の思想はなかったのではないか。神道における「神」とは自然そのものだ。だから八百万の神と崇めた。わが伊勢神宮が奉る天照大神は女帝・女神だ。平塚らいてうが「元始、女性は太陽であった」(「青鞜」発刊の辞)と書いた通りだと思う。
話は横道にそれる。記者は、誰が誰と結婚しようがまったく興味はないのだが、眞子内親王殿下と小室圭氏の婚約内定会見で、眞子内親王殿下が「最初に惹かれたのは、太陽のような明るい笑顔であったと思います」と述べられ、小室圭氏は「宮様は私のことを月のように静かに見守ってくださる存在でございます」と返したのに、えっと思った。若い二人がこんな時代遅れの言葉を吐いたのに絶句した。
世間はどうであれ、結婚する二人にとって一方が太陽で他方が月というのはありえないはずだ。ともに太陽であり月だ。私事で恐縮だが、小生は結婚するときの案内状に「彼女をいつまでも太陽のように輝くように」と書いた。これが相手の親戚から「ふざけている」との顰蹙を買い、改めて普通の案内状を送った。結婚式の案内状を2種類作ったのはそうないはずだ。
もう一つ私事。記者の母系は美形が多い。母親はろくに文字も書けない「土偶」そのものであったが、風呂上がりの全身からゆらゆらと湯気が立ち上るすっぽんぽんの姿は美しいと思った。母親の妹は真逆で、病弱だったため農耕作業はあまり行わなかったという。色が白く〝ミス〇〇〟と呼ばれたそうで、百人一首をそらんじていえた。記者のいとこは「ミス〇〇」に選ばれた。
しかし、そんな外見だけで男女を差別する思想・風土は田舎にはなかった。貧しい農家は老若男女、牛も含めてみんな貴重な労働力だった。差別する余裕などなかった。とはいえ、記者は、家父長的社会・経済体制の中で生まれ育った。「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」で女性を見ていることは否定できない。しかし、その一方で、自らの劣等性もしっかり自覚している。この劣等意識が差別を買い使用するヒントだとも考えている。
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ここまで取り留めなく書いてきた。堂々巡りでさっぱり先が見通せない。このあたりでやめる。結論などない。
一つだけ言えるのは、「差別」の最たるものは、女性(あるいは男性)の家事や育児、介護、夫の世話(妻の世話もあるからfifty-fiftyか)などの無償労働だと思う。この労働の価値を可視化すれば世の中はひっくり返る。女偏は男偏(一つもない)に変換される。
興味深い例を示す。厚労省「厚生労働白書」の「専業主婦世帯」とは「夫が非農林業雇用者で妻が非就業者(非労働力人口及び完全失業者)」とある。これを逆読みすれば、農林業に従事する世帯には「専業主婦(夫)」はおらず、「兼業農家」という概念はあるのに「兼業主婦(夫)」という言葉はない。
「目指すは企業価値の向上」タカラレーベン・髙荒美香氏 女性活躍の視点から注目(2021/11/4)
「202030は可能か」 日本学術会議 ジェンダー研究分科会セミナーに参加して(2016/10/25)
涌井・都市大特別教授 「わが国の自然はかみさんと一緒。美しいが扱いも難しい」(2016/12/11)
大成有楽・三井レジ 狭山ヶ丘でママ支援「ママココロPROJECT」(2015/7/30)
日本建築学会 「もうひとつの居場所(サードプレイス)をどこに持つ」(2014/3/18)
沿線人気くっきり 坪単価307万円でも販売好調 大和ハウス「和光丸山台」
「プレミスト和光丸山台」
大和ハウス工業が分譲中の「プレミスト和光丸山台」を見学した。最近の東上線・有楽町線沿線の人気化・価格上昇を受け、坪単価は307万円と300万円を突破しているが、販売は順調に進んでいる。
物件は、東京メトロ有楽町線・副都心線和光市駅から徒歩10分、和光市丸山台ニ丁目の第一種住居地域、第一種中高層住居専用地域に位置する5階建て全36戸。先着順で分譲中の住戸(10戸)の専有面積は55.22~72.33㎡、価格は5,070万~6,650万円(最多価格帯6,100万円台・6,300万円台)、坪単価は307万円。施工は新日本建設。竣工予定は令和4年2月。売主は同社のほか三信住建。
同社東日本初の抗ウイルス・抗菌加工の建材を採用しているほか、在宅ワークスペースを確保し、同社初の「埼玉県子育て応援マンション」に認定されているのが特徴。販売開始は9月11日からで、11月12日現在、半数強が成約・申し込み済み。
現地は、東側と北側に接道。東側の道路は幅員16mあり、北側は幅員6mを挟んで東武線の線路。敷地の西側は中学校に隣接。建物は全戸東南向き。27戸が65~66㎡の3LDK。他は72㎡が4戸、55㎡が5戸。
主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、ディスポーザー、食洗機、リビング天井高2450~2500ミリなど。トイレドアを壁面までセットバックさせている。
販売担当の同社東京本店統括マンション事業部東京マンション事業部第三課・大原正義氏は、「和光市は、埼玉県下で浦和、大宮に次ぐ都心に近くてポテンシャルの高い街。しかも始発駅。駅北口には5年後くらいに34階建ての再開発タワーマンションが予定されているなど将来性も期待されている。65㎡中心だが、アウトポールを採用し収納に工夫を凝らしているので70㎡と遜色ない。RBA野球? 春日部共栄時代の甲子園組で東海大卒の新人が入社した。わたし? 4番は無理だが代打、DHならいける。トミー? 冨長さんは50歳を超えだが、投げられるよう調整している。来年、グラウンドで会いましょう」と語った。
建築中の建物
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大原氏(45)とは、RBA野球大会で20年来のお付き合いだ。若いときは主砲として活躍し、チームの高齢化で勝てなくなったときはプレーイングマネージャーとしてチームを引っ張ってきた。口達者で、決して弱音を吐かず、選手をけなすこともなかった。
今回、大原氏がこの「和光」を担当しているということを聞いて取材を申し込んだ。注文住宅の戸建てを20年担当し、マンション担当になってから2年目とのことだった。
饒舌は野球と一緒。坪単価307万円は決して安くないが、同じ沿線の「大山」は坪単価350万円で、3年前に坪単価265万円で分譲された近接物件はそれより高い値段で取引されていることなどを説明した。この物件についても「65㎡でも70㎡の機能がある」と自信たっぷりに話したのには口をあんぐりさせるほかなかった。
「トミー」とは、和歌山の名門・箕島高校から立命大に進み、抑えのエースとして活躍した冨長氏だ。50歳を超えてまだ投げる気力があるのか。ストレートは100キロか。投げたらつるべ打ちにあうのではないか。それでも必死に投げる姿を見たい。
大原氏
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現地を見学するため舗道を歩いていたら、元素番号が付されたプレートが7~8メートル置きに埋設されていた。元素は100くらいあったはずで、学校で暗記させられたものだと思った。
後で確認したら、これは理化学研究所和光研究所(理研)の森田浩介博士を中心とした研究グループが原子番号113番の新元素の合成に成功し、平成28年11月30日に国際純正応用科学連合(IUPAC)がこの新元素の名称を「ニホニウム」とすることを認定したことを受け、その偉業を記念するため、和光市駅から理研までの道を「ニホニウム通り」と命名。元素記号1番から118番までのプレートを路面に埋設し、駅南口に記念碑、外環上部にモニュメント、市道113号線に通り名表示板などを設置したとある。
いい取り組みだ。市によると「ニホニウム通り」の総延長は約1,070m。一方で、街路樹には名前は付けられておらず、市のホームページには街路樹の本数、樹種などは記載されていない。緑被率は33.8%。これは埼玉県の各市と比較して高いほうではないか。
和光市駅南口の原子番号1「水素」のプレート
駅前の記念碑
1200㎡の調整池に蓋 上部を公園化 半年で全62戸をほぼ完売 ポラス「船橋 二和向台」
「グランマーレ船橋二和向台 カームライフ」
ポラスグループの中央グリーン開発は11月12日、千葉県船橋市で開発中の大規模分譲戸建て「グランマーレ船橋二和向台 カームライフ」(62区画)の販売が好調で、分譲開始から約半年で59戸残り3戸と発表した。同日、メディア向け見学会を行った。
物件は、新京成電鉄二和向台駅から徒歩8分、船橋市咲が丘3丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)に位置する全62区画。土地面積は115.71~198.73㎡、建物面積は88.19~109.30㎡、価格は3,280万~4,880万円(平均は4,000万円前後)。建物は木造在来工法2階建て。施工はポラテック。
4月30日から販売を開始し、11月4日現在、751組の来場を集め、59戸を成約。残りは3戸となっている。立地と価格のバランスの良さが評価され、インスタグラムの反響が効果的だったという。
契約者は、船橋市居住者が29%、都内が14%、松戸市が12%。平均年齢は34.1歳の第一次取得層。53%が都内勤務。
場所・モノ・楽しみをシェアできるコミュニティタウンを目指し、約1,200㎡の調整池を地下化し、上部を公園として利用できるように整備したほか、幅9m×長さ約73m(657㎡)の施設緑地にはヤシの木などの緑を配し、石畳の散策路には3か所にベンチ(うち1か所は防災ベンチ)を設置。分譲戸建てでは珍しいカーシェア(1台)を導入しているのも特徴の一つ。調整池の地下化は2021年グッドデザイン賞を受賞した。
階段の上が調整池を地下化した公園&緑地
街並み
モデルハウス
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同業の記者の方が「これはため池か」と担当者に聞いた。記者は「ため息」をつくほかなかった。大規模開発が少なくなった今は「調整池」などは死語に近いのだろうが、「ため池」とは似て非なるものだ。戸建て住宅街を取材するとき、いつも考えたのは「調整池」の活用だった。柵・フェンスを取っ払って、子どもの遊び場などにできないかと。皆無ではないが、調整池に蓋をし、地域住民に開放した事例は全国的にも珍しいはずで、整備費には数千万円かかっているのではないか。
グッドデザイン賞審査員が「公園としての居心地や環境整備については今後少しずつ改善していくことが望まれます」と述べているように、管理する行政と利用する地域住民が話しあって、いろいろなイベントを行えるように公園利用のあり方を検討すべきだと思う。同社は管理組合を通じ、地域とのつながり・コミュニティ醸成に取り組んでいくとしている。
緑道(この手前に調整池を地下化した公園がある)
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記者が驚いたのは、1本数十万円はするはずのヤシの木やドラテナなどの樹木を緑地だけでなく敷地内5カ所に惜しげもなく配していることで、ベンチは草花の手入れ用具が入れられるようになっていた。環境にやさしいガビオンが全戸に採用されており、隣り合う数戸で構成されるコモンスペース(コースタルウォークパーク)もいい。
住戸プランでは、2戸だが平屋の提案がいい。個人情報もあるので詳細は書けないが、ニーズは間違いなくある。公開された1戸のリビング天井高は最大3.5mあった。1階住戸は防犯合わせガラスが採用されていた。
担当者によると、エリアの相場は2,000万円台の半ばから3,000万円台の半ばだそうだが、この価格帯では今回のようなランドスケープデザインや設備仕様レベルは絶対確保できない。都民にはなじみのない「二和向台」でも契約比率が14%(8戸か)というのもよく分かる。別掲の「怒り心頭 イチョウは殺していいのか 船橋・二和向台の無残な街路樹」の記事と合わせて読んでいただきたい。
販売センター所長の上津原祐樹氏(上津原氏はRBA野球大会で活躍しているポラスグループ野球部の主力の一人。お会いできてとても嬉しかった。商品企画がいいので販売には苦労しなかったと思うが、地元相場の3,500万円の壁を打ち破ったのはさすがだ)
怒り心頭 イチョウは殺していいのか 船橋・二和向台の無残な街路樹
二和向台駅前の商店街(イチョウの存在感はまったくない)
二和向台駅前の商店街の無残な姿をさらけ出すイチョウ
名前は知っていたが、京成線「二和向台」駅に降り立ったのは初めてだった。ポラスグループ中央グリーン開発の好調な分譲戸建て「グランマーレ船橋二和向台 カームライフ」(62区画)を取材するためだ。
駅北口には商店街があった。郊外住宅地によくある光景だ。ぎょとしたのは街路樹のイチョウだった。幹の太さからいって樹齢は数十年、自然に育てば樹高は少なくとも10mはあるはずなのに、何と2階建て商店街と同じ、6mに届くか届かないくらいの高さにぶった切られていた。すべての枝も数十センチ以下に強剪定されていた。
紅葉が終わった後なら分からないではないが、瘤だらけの姿は、長年にわたってそうされてきたのが一目瞭然だった。幹にへばりつくように必死で生き延びようとする未成熟の若葉が痛々しかった。それが延々と200~300m、本数にして数十本はあった。イチョウ並木の墓標、葬列だ。
怒り心頭、かっと頭に血が上った。私は知らない。どうしてイチョウは雄株と雌株があるのか。葉っぱは扇形になり、切り込みは何の意味があるのか。実はどうして異臭を放つのか。俎板に重宝されるのか。東大のマークになったのか。
おそらく、樹齢数百年という巨木も珍しくないというから、成長力が強く、劣悪な環境でも生き延びられるからだろうと思う。だからこそ神社やお寺などのシンボルツリーになったのだろう。
そんな畏怖・敬愛すべきイチョウが、雄と雌が交わり、次の世代に子孫を残す目的を達した後に黄色く染まることさえ許されない-人間でいえば男は陰部や脇の下、鼻の下に髭か生え、女は初潮を迎えるころに、声帯を切除され、割礼の儀式を受けるのと一緒ではないか。
怒りの矛先は行政に向かった。どうしてこんな乱暴なことをする権利があるのかと。〝落ち葉の処理に困る〟とか何とかの〝住民〟の苦情を受けないための事なかれ主義がそうさせているのだろうが、角を矯めて牛を殺すのと一緒だ。街のポテンシャルを引き下げることを行政が先頭に立って推し進めている。許せない。
しかし、これは行政だけの責任ではない。生きるため金を稼ぐためとはいえ、イチョウにとって「死」を意味することが分かっていながら、目をつぶり、唯々諾々と受け入れる造園業者がいる。どうしてプロとして〝NO〟と言えないのか。情けない。
さらに考えた。これは行政や造園業者だけに責任があるのではない。そんな暴挙を容認する市民のほうがずっと罪が重いのではないか。試しに駅近くで、買い物帰りの若くもない市民らしき女性(これは差別だという人もいるかもしれないが)に聞いてみた。「これはあんまりではないか」と。その女性は「イチョウ? 言われればそうかもしれない」と答えた。
ここに問題のすべてがある。普通の男も女もイチョウくらいは認識できるはずなのに、この街路樹がイチョウであることを市民は認識していない。いかに異形であり、葉っぱは蘖(ひこばえ=大人になり切っていない若い芽)であるかを物語っている。
言いたいことはまだある。こちらのほうが問題かもしれない。ポラスの担当者によると、地元の住宅購入検討者は「2,000万円台の後半から3,000万円台の後半が相場だと思っている人が多い」そうだ。
なるほど。イチョウが成長しないまま電柱のようにぶった切られてもなんの痛痒も感じない、緑を愛でるゆとりもない所詮その程度の人たちが住むところかと納得もした。
「グランマーレ船橋二和向台 カームライフ」の記事は明日以降に書く。こんなひどい地域でよくぞ売ったと思う。商品企画が素晴らしい。都内居住者からも支持を得たのは当然だ。
取材の帰り。駅前の飲食店で390円と790円の白ワインを飲み比べた。どっちがおいしかまずいかわからなかった。私も船橋市民と一緒か。
高さ4mくらいにぶった切られているイチョウ
このように〝お花〟を添える人もいる
これが都内でいま見られるイチョウ
またまた「街路樹が泣いている」 千代田区 街路樹伐採で賛否両論(2016/9/8)
三菱地所 2022年3月期2Q 売上高、営業・経常利益は過去最高 ビル・物流売却が増加
22/3は予想
三菱地所は11月10日、2022年3月期第2四半期決算を発表。売上高5,790億円(前年同期比9.8%増)、営業利益1,116億円(同13.9%増)、経常利益946億円(同3.3%増)、純利益552億円(同8.5%増)となり、売上高・営業利益・経常利益は2Qとして過去最高。コマーシャル不動産事業や海外事業におけるキャピタルゲインの増加が要因。
セグメント別では、「コマーシャル不動産事業」はオフィスビル・物流施設等の売却632億円(前年同期は192億円)によるキャピタルゲインの増加により前年同期比増収増益。オフィスビルの空室率は3.18%(同1.12%)。
「住宅事業」は、国内分譲マンションの売上計上戸数の減少、賃貸マンションの売却棟数の減少などにより減収減益。マンション販売状況は好調で、今期計上予定に対する進捗率は約97%。利益率も21.5%(前年同期は19.5%)と向上した。
「アウトレットモール等商業施設」「ホテル」は、新型コロナの影響を受けたが、期間を通した収益は前年同期比改善した。
「海外事業」は、物流施設等の売却によるキャピタルゲインの増加により前年同期比増収増益。
〝めっちゃいい〟デザイン コスモスイニシア レンタルオフィス「MID POINT川崎」
「MID POINT(ミッドポイント)川崎」個室フロア
今年4月に開設したコスモスイニシアのレンタルオフィス「MID POINT(ミッドポイント)」の第5弾「MID POINT川崎」を見学した。設計を担当したケミカルデザイン一級建築士事務所のデザインが〝めっちゃ、いい〟と思った。
物件は、JR川崎駅から徒歩3分、川崎市幸区中幸町3丁目のLoc’s KAWASAKI BLDGの7~9Fの総区画77区画。区画面積は2.55~14.26㎡。設計はケミカルデザイン一級建築士事務所。施工はハヤカワ。
入居者が利用できるラウンジにはコミュニティマネージャーが常駐し、食器や調理器具を常備したキッチンを備えており、多様な使い方を想定した個室を提案しているのが特徴。
ラウンジ
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立地がいい。道路を挟んだ対面は「ラゾーナ川崎」「東芝未来科学館」で、いま分譲マンションが分譲されたら坪単価は400万円以上するのではないか。若い方は信じられないだろうが、三井不動産レジデンシャルが2004年に分譲した「ラゾーナ川崎レジデンス」(667戸)を分譲したときの平均坪単価は180万円台だった。
それとデザイン・意匠だ。9階のコワーキングスぺース・ラウンジの天井にランダムに吊るされた丸い照明は調光機能付きで美しい。個室ブースのうちも外もミッドナイトブルー(濃紺)が基調で、落ち着いて仕事をするのにぴったりだ。コーティングされたガラス扉もいい。
8階も基調は同じだが、こちらはライトグレー。微妙に異なる。さらに個室ブースの外と内の天井には格子デザインがあしらわれている。
記者は、「ケミカルデザイン」を初めて聞いたが、ネットで調べたら奥村俊慈氏と奥村靖子氏が共同で2001年に設立した会社のようだ。格子デザインを多用し、照明デザインにもこだわっている建築家だと思う。
こだわりといえば、コスモスイニシアの担当者である賃貸事業部運営二部MID POINT推進課の白崎雄太氏はコーヒーに相当こだわっている方のようで、キッチン・カウンタースペースには、だれでも自由に利用できるコーヒーミルがセットされていた。かなり高価なもののようだ(記者も欲しい。豆から挽いて淹れたコーヒーは味が全然異なる)。入居者にも評価が高いのだろう。写真を撮るため空くのを待ったが、なかなか空かなかった。
キッチンカウンターコーナー
初期投資抑え安定賃料保証 コスモスイニシア 駐車場上空活用ソリューション第一弾(2020/7/20)
レベル高い 天井高は3.5m コスモスイニシア レンタルオフィス第三弾「武蔵小杉」(2020/7/21)