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UN/BUILT(アンビルト)GALLERY」

 三井不動産が6月19日まで開催中のアーティスト13名の作品をリアル・デジタル・デジタルオンリアル(AR)の3つのギャラリーで展示するイベント「UN/BUILT(アンビルト)GALLERY」を見学した。

 「リアル」展示は、中央区日本橋室町1-5-3の福島ビル1階((11時~18時、火曜日定休)で開催されており、未だ建てられていない実現以前の想像建築を広く指す“UN/BUILT”のコンセプトに基づき製作されたデジタルアートが展示されている。作品はリアル/オンライン双方からアクセス可能。

 「デジタル」展示は、“UN/BUILT”ギャラリー空間を撮影したデータを基に、デジタルによって表現された空想の世界、“UN/BUILT”バーチャルギャラリーをオンライン上に開設する。アクセス方法はhttps://3d.discoverfeed.net/scene.php?sid=4fdYd

 「デジタルオンリアル(AR)」展示は、日本橋の仲通りおよび福徳の森を舞台に、川田十夢氏が率いる開発ユニット、AR三兄弟が制作するARアート作品を展示するもので、「AR三兄弟の社会実験」アプリ(無料)をDLし、アプリ上でリアル空間上に浮かび上がるアートを鑑賞できる。

 同社は、創立80周年事業の一環として既存の枠組みや既成概念を越えて、新しい未来を実装する「生存特区」「コミュニケーション特区」「クリエイター特区」の3つの「未来特区プロジェクト」を推進しており、今回のイベントは「クリエイター特区」の取り組みを発信するもの。

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「UN/BUILT(アンビルト)GALLERY」内観

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 記者は「アプリ」やらQRコードなるものをダウンロードしたことなどなく、リアル展示しか見学することができなかったが、自ら油絵を趣味にしてきたので多少の審美眼はあると思っている。国内外の画家の作品展などもよく見学してきた。

 今回展示されているのはイラスト作品ばかりなのでよく分からないのだが、画家のコメントがそれぞれ面白い。全部紹介できないが、「ロバート・A・ハインラインのSF小説『宇宙の戦士』に提供したパワードスーツのイラストは、日本のアニメ史上に大きな影響を与えた」SFイラストレーター画家・加藤直之氏の作品「槍試合ウィトルウィウス的強化服」には次のようなコメントが紹介されている。

 「ギャラリーに展示するための作品である。前もって決められたテーマは存在しない。決められた大きさもなく、決められた縦横比もない。いつも描いている書籍のカバーイラストと異なり、すべてが自由なのだ。コンピュータのハードディスクに、仕事の合間に好きに自由に描いている絵があった。それを今回の絵の中心に据え、上下左右、手前や地平線に向かって世界を広げていった」

 記者はSF小説をほとんど読まない(筒井康隆氏は大好きだが)のだが、加藤氏ファンにはたまらないはずだ。写真撮影はOKだったが、さすがに著作権を考えると撮るのはためらわれた。興味のある方はぜひ見学を。

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福徳神社

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福徳神社の緑陰

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 同社の「未来特区プロジェクト」や「Collaboration Magazine Bridgine(ブリジン)」ホームページには興味深い情報や記事がたくさん掲載されている。これもお勧めだ。

 記者がファンの、4月1日付で東京ドーム会長CEOに就任した同社取締役・北原義一氏は、日本橋の街づくりについて、2年前の社内インタビューで「400年を超える歴史を持つ日本橋の矜持として、互助の精神、大人の色気というものは失ってほしくないですね」「江戸の下町で培われてきた粋の文化、互助の精神に未来へのヒントを見出せるような気がします」と語っている。

 もう二つ、これからの街づくりや生き方に参考になる示唆に富んだ記事を紹介する。

 一つは、東京工業大学・柳瀬博一教授が同社の光村圭一郎氏との対談で語った次の言葉だ。

 「都市開発においては『1階の設計』がいちばん大切です。1階が街になっているかどうか。街は1階が全てです。あとはおまけに過ぎません。1階部分、ストリートに街がなかったら、どんなに立派なビルが並んでいようとも、そこは街としてはゴーストタウンです。ところが、多くのデベロッパーも、行政担当者も、この当たり前が常識になっていなかったりします。立派なビルが立ち並んでいて、平日はたくさんの人が出入りしているけれど、休日になるとだれもいない。そんな『平日は勤め人の街、休日はゴーストタウン』という街が、東京にもたくさんありますよね。あれ、1階部分という公共空間の設計としては、全部失格、大失敗だと思います。現在の『休日ゴーストタウン』の高層ビル群は、これからの時代、1階を街にしていかない限り、不動産価値の下がってしまうのではないでしょうか」

 記者も同感だ。法規制などやむを得ない部分はあるが、公開空地や緑地を確保したビルは少なくはないが、そこにとどまり、飲食したり語り合ったりするような空間にはなっていない。日本橋のビルも日本橋川に背を向けて建っている。耳が痛いデベロッパーは多いはずだ。

 もう一つは、デザイン・イノベーション・ファームのTakramの緒方壽人氏がやはり光村氏の対談で次のように語った言葉だ。ロシアのウクライナ侵攻も、こうした視点があれば起きなかったはずだ。

 「人間は『わかり合えるWe』と『わかり合えないWe』の両方が必要なんですね」「どのように『足りない』と『行き過ぎ』を測る物差しを持てるかが大事だと思います。『イノベーションをいかに起こせるか』という物差しだけだと、起こすことだけがゴールになってしまう。あるいは『利益が出る』をゴールに設定しても、現代は最低限のルールだけを守れば何をしてもいい、といった環境ではなくなってきているでしょう」

これでいいのか 川に背を向ける日本橋の街(2008/5/19)

 


 

 

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XR HOUSE(エックスアールハウス)北品川 長屋 1930

大和ハウス工業、バンダイナムコ研究所、ノイズは62日、築90年以上の古民家を改装した「XR HOUSE(エックスアールハウス)北品川 長屋 1930」(東京都品川区)で63日から831日まで、「リアルとデジタルの融合」をテーマにした共同実証実験を行うと発表。同日、メディアに「長屋」を公開した。

建築を専門とする大和ハウス工業、エンターテインメントに強みがあるバンダイナムコ研究所、デジタル技術に詳しいnoiz3社がプロジェクトを立ち上げたのは202012月。コロナ禍で人々の価値観や生活習慣が大きく変化する中で、3社は「未来の暮らし」について検討を開始。家で過ごす時間が長くなる中、巣ごもりの閉塞感を軽減しながら、暮らしをより楽しくするために、一瞬で空間イメージを変えるデジタル技術「XR 技術」に着目し、「建物価値の拡張」と「建物サイクルの拡張」によるパラダイムシフトを企図したのがきっかけ。

1階のプロジェクトでは、AI技術のほかセンシング技術を組み込むことで、リアルとバーチャルの相互作用を生み出すことを可能にした。学習能力があり、「人」が古民家の中にあるLED電球に触れると、事前に決められた機械的な反応ではなく、その時々の「人」の位置などによって多種多様に変化する反応を示し、空間に置かれたタイルへの映像投影とサウンドで表現する。

2階の各10畳大の「障子+デジタル」と「襖+デジタル」には不定形の「ボロノイ畳」にLED 技術を組み込み、「障子+デジタル」では、バーチャル世界を「日常」から覗いているかのようなモノクロの屋外空間を演出。立体音響効果により、障子の奥に外とつながっているような空間を作っている。「襖+デジタル」では、「襖」を開けると囲炉裏、坪庭などの屋内空間が広がり、将棋を指す音、炭火のはぜる音、山鳩の鳴き声なども聞こえるようにしている。

実証期間中に有識者や業界関係者、学生などに「リアルとデジタルの融合」を体感してもらい、ワークショップを開催し、今後の住宅・建築業界の新しい価値の創出につなげる。

XR HOUSE 北品川長屋 1930」は、JR品川駅から徒歩10分、品川区北品川 1丁目に位置する木造2階建て全5棟の古民家のうちの1棟改修したもので、延床面積は約97㎡。

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「障子+デジタル」(左)と「襖+デジタル」(左の画像には、雨傘をさした〝永遠の処女〟原節子さんか、竹久夢二の美人画をカラーで写したら最高。右は意味不明のLEDの稲妻)

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1階のプロジェクト

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 この種のVRやらARAIをテーマにした見学会を数十回は経験している。その都度感じるのは、リアル(実物)には絶対にかなわないということだ。商品を購入することを決断させるための一つのツールに過ぎない。当事者だってそんなことは百も承知のはずで、いかにシズル(sizzle)感を演出するか四苦八苦しているに違いない。

 今回も見学する前までは、これまで見たものと似たり寄ったりだろうと高を括っていた。ところが、「障子の間」「襖の間」を見学して驚愕した。五感のうち嗅覚、触覚、味覚は味わえないのはこれまで見学したものと同じだが、〝これはいい〟と第六感に訴えるものがあった。黒澤明や小津安二郎の映画シーンを見るようで、酒でも飲みたくなる気分にさせられた。

 とにかく芸が細かい。部屋内は改修に用いられた黒松やイグサの香りがし、中央には卓袱台が備えられていた。障子には雨だれの文様が映し出され、開けると郷愁を誘う田舎の街並みが白黒で展開し、雨の音、風の音、小鳥の鳴き声が聞こえ、人の気配を感じさせる将棋を指す音、除夜の鐘、囲炉裏の炭火のはぜる音や火花が灰になって舞う仕掛けも施されていた。

 この種の演出はゲーム大手のバンダイナムコにとってはもっとも得意とする技なのだろう。バンダイナムコ研究所イノベーション戦略本部プロデュース部・本山博文氏は「襖の開け閉めの所作はミリ単位で計算している」と話した。

 肝心の価格について質問したが、「現段階では未定」とのことだ。価格によっては住宅だけでなくあらゆる施設にも導入できそうで、パラダイムシフトを起こす可能性が大とみた。

 重箱の隅をつつくようで申しわけないのだが、一つだけ課題。本山氏も「没入・熱中しすぎない、目が疲れない工夫」と話したように、やりすぎると全てぶち壊すことにつながりかねない。

 そんなシーンがあった。不定形の「ボロノイ畳」に稲妻のようにLEDの光が走り、床から灰が舞い上がった。薪も炭火も安物は爆ぜて火花を散らすことは確かにある。しかし、床を雷のように駆けずり回ることは絶対にないし、灰は空中をさまようが、床から蛍のように湧き上がることはない。本山さん、いかがか。過ぎたるはなお及ばざるがごとし。

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昔懐かしい日常の風景を風情など全くない本山氏や記者の方が寝転んで鑑賞していた(これも一興か)

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建物

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「東急リバブル・銀座サロン」

 東急リバブルは6月1日、先にオープンした新築マンション・戸建ての販売拠点「東急リバブル・銀座サロン」をメディアに公開した。デジタル技術を活用した原寸大の室内空間の再現や3D建物模型、間取りプランのVR化などにより、一つの拠点で継続的に複数物件のリアルな体感を提供でき、販売事務所・モデルルームの設置に伴う経費を大幅に削減できるのが特徴。

 「銀座サロン」は、東京メトロ銀座一丁目駅から徒歩2分、京橋駅から徒歩5分、銀座駅から徒歩5分、JR有楽町駅から徒歩7分、中央区銀座1丁目8-19に位置するキラリトギンザ8Fの135坪。営業時間は10:00~18:00(予約制)。定休日は水・木・第3火曜日(祝祭日除く)。

 今後、同社の分譲マンション「L’GENTE」シリーズ「ルジェンテ駒込六義園リビオレゾン」(51戸)をはじめ、販売受託物件の紹介やイベント、WEBセミナーなどを行っていく。

 特徴の一つである「バーチャルシアター」は、3方向の壁面と床に投影されたVR内覧システム「ROOV」による3DCGの室内空間で、各階・各住戸からの眺望を投影でき、入居後のイメージがリアルに体感できる。

 AIアバターはウェルヴィルと共同開発したもので、顧客の受け付け、物件説明を行う。物件説明は同社の新規物件「ルジェンテ池袋立教通り」から採用する。

 このほか、VR&物件検索スペースでは、顧客が操作して室内空間を体感でき、同社が販売する物件情報をタッチ式モニターで閲覧できる。

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受け付け

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VR&物件検索スペース

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「バーチャルシアター」 

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 AIアバターの能力について。4月4日付で書いた記者の記事を参照していただきたい。AIは利発そうな若い女性で、目つきはやや険しく口元もぎこちなく、さげすまされているのではないかという印象を受けたので、記者は好きになれなかったのだが、質問などの言葉は完全に理解し、瞬時に文書に変換できる。物件説明もよどみがない。かなり能力は高い。割り算や掛け算、円周率の小数点以下や素数など数学や科学に関することはすらすらと答えられるのではないか。日本語だけでなくあらゆる国の言葉も理解できるかもしれない。

 しかし、宅建士にははるかに及ばないと断言できる。記者は坪単価について質問したが〝お答えできません〟と返ってきた。天井高が高いのか低いのか、浴室のタオル掛けが1本なのか2本なのかなども答えられないと見た。同社の宅建士がAIアバターに職を奪われるようなことは少なくとも現状ではない。学習能力もないのは致命傷だ。

 全フロア・全住戸からの眺望が体感できる「バーチャルシアター」はいい。ここまでやれるのは同社だけかもしれない。技術的には問題なくできるはずだが、コストはかかる。

 課題もある。AIやVR、ARをいくら駆使してもリアルにはかなわない。どれだけリアルに近づけられるか。例えば、シート張りの建具・家具と木や石などの本物のそれとの違いを具体的に説明でき、納得させることができるかだ。

 もう一つ。同社に販売を委託するデベロッパーにとっては販売事務所・モデルルーム設営の経費・運営費が大幅に削減できるメリットは大きいのは確かだが、記者は同社の「L’GENTE」は結構見学してきた。完成在庫などはほとんどないはずだ。いっそのこと全て竣工販売に切り替えたらどうか。AIもVRも必要ないのではないか。近く分譲開始する坪単価500万円前後の「ルジェンテ駒込六義園リビオレゾン」はすでに予約が50件入っているそうだ。

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「東急リバブル・銀座サロン」

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AIアバター

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「14階からはこのような眺望が得られます」(女性はAIアバターではなくリアルの美しくとても機知に富む同社広報担当者)

約300の質問に瞬時に回答AIアバター(♀)開発 東急リバブル+ウェルヴィル(2022/4/4)

「L'and+」企画ヒット 残り僅か〝そうなの!〟 東急リバブル「ルジェンテ日暮里」(2022/2/1)

 

 プレハブ建築協会は5月31日、定時総会・理事会後に記者発表会を行い、会長に堀内容介氏(積水ハウス代表取締役副会長執行役員)、副会長に川畑文俊氏(旭化成ホームズ代表取締役社長)、芳井敬一氏(大和ハウス工業代表取締役社長)、井上二郎氏(パナソニック ホームズ代表取締役社長)がそれぞれ再任され、前副会長の竹中宣雄氏(今年6月のミサワホーム総会で取締役会長を退任する予定)に代わって、作尾徹也氏(ミサワホーム専務執行役員、6月の同社総会で代表取締役社長執行役員に就任予定)を選任したと発表した。

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 堀内会長は冒頭、「2年前にコロナ拡大に見舞われ、かつてない大きな打撃を受けた。その後、住宅着工は回復したが、持家は昨年12月以降マイナスに転じ、ウクライナ問題、資材高騰など引き続き厳しい環境が継続すると思われる。その一方で、WEBスタイルの浸透やニーズの変化など環境が一変し、昨年11月に閣議決定されたこどもみらい住宅支援事業、改正住宅ローン控除制度などのインセンティブ、DXを活用して業界の活性化に取り組んでいく」などと語った。

 また、2050年のカーボンニュートラルに向け、昨年10月策定した新たな5か年計画「住生活向上推進プラン2025」の推進、激甚化する災害対策として取り組んでいる応急仮設住宅では各自治体との連携を強化し、スピード感を持って対応していくと述べた。

 PC建築部会長・加藤茂裕氏(トヨタT&S建設代表取締役社長)は、「品質と生産性の向上とともに働き方改革にも努力し、『場』と『人づくり』で優位性のあるPCの需要拡大に応えていく」と話した。

 住宅部会長・後藤裕司氏(トヨタホーム代表取締役社)は、「『住生活向上推進プラン2025』では、それまでの『住生活向上推進プラン』と『エコアクション』を一本化し、カーボンニュートラルの先導的役割を担っていく。ZEH、省エネ改修、賃貸共同住宅の長期優良住宅の取り組みを強化する」と述べた。

 規格建築部会長・森田俊作氏(大和リース社長)は、「今年半年間で震度5以上の地震は7回あり、昨年を上回っているなど予断を許さない状況にある。GPSやバーチャルトレーニングなどで災害に強い体制を強化する」と語った。

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 メディアからは資材の高騰に関する質問が相次いだ。堀内会長は「コスト削減には限界もある。各社とも対応に苦慮している。価格への転嫁を検討している段階」と述べた。

 

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「鹿児島湧水工場」

 MEC Industryは5月30日、「木」の製材-製造-加工-販売まで一気通貫を可能にした鹿児島県姶良郡湧水町の「鹿児島湧水工場」が完成・本格稼働を6月から開始すると発表した。

 「鹿児島湧水工場」は、2021年8月に完成した製造棟と、今回完成した「鹿児島湧水素材センター」からなり、敷地面積約90,845㎡、建築面積約26,864㎡、延床面積約26,981㎡。・製材棟は年間消費原木量55,000㎥/シフト(1シフトは360分、稼働日数250日/年)。製造棟は、2×4材(JAS 認定材)、CLT、幅はぎ板、MOKUWELL HOUSE、MI デッキなどを製造する。

 工場では原木の調達を行い、製材してCLTや2×4パネルなど木質材料を製造、それらの建材を活用して木質建材やプレファブリケーション化した戸建住宅「MOKUWEL HOUSE」の製造までを一気通貫で行っていく。

 おが粉やバーク(樹皮)などの廃棄物を自社ボイラーの燃料として再利用するほか、製材棟・オフィス棟・食堂棟の建屋の一部に国産材を使用。地元雇用も創出。食堂棟は地域に開放する。

 MEC Industryは2020年1月、三菱地所、竹中工務店、大豊建設、松尾建設、南国殖産、ケンテック、山佐木材の7社の出資により、木材製品の生産から流通、施工、販売まで、川上から川下までを一社で担う「統合型最適化モデル」会社として設立された。

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左からケンテック・矢口社長、松尾建設・松尾社長、竹中工務店・佐々木社長、池上湧水町長、MEC Industry・小野社長、須藤鹿児島県副知事、三菱地所・吉田社長、大豊建設・大隅社長、南国殖産・永山社長、山佐木材・有馬社長

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オフィス棟

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食堂

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CLTプレスライン

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MOKUWELL HOUSEユニット

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 年間消費原木量55,000㎥/シフトと言われても素人の記者にはさっぱり分からないのだが、日本一の木材加工会社ポラスグループのポラテックは月産75,000㎥の木材加工能力を有するというから桁が異なる。

 しかし、新会社設立の記者発表会同様、今回も7社のトップが参加して竣工を祝ったようだ。その意気込みが伝わってくる。わが国の森林・林業は危機に瀕しており、林業はもはや「業」と呼べないほどの売上高のようだ。7社が結集して森林・林業の再生・活性化の起爆剤になってほしい。機会があったら工場も見学したい。

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製材棟

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MI デッキ

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MOKUWELL HOUSEモデルハウス

型枠を内装デザイン化30坪の平屋が1000万円 三菱地所 総合林業会社設立(2020/7/28)

 


 

 

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完成した「清(せいの)神社」

 創建は5月30日、同社が無償で建築し寄贈する「災害被災神社再建・復興プロジェクト」第4弾の「清(せいの)神社」の竣功祭を5月27日(金)に行ったと発表した。

 「清神社」は、福島県双葉郡楢葉町大字前原に位置する敷地面積約1,033㎡(313坪)、本殿建築面積は約53㎡(16坪)、延床面積は約45(13坪)、構造/様式は神明造。2021年7月に地鎮祭が行われ、2021年12月に完成した。再建の経緯は次の通り。

 震災時に100戸あった氏子は、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で大半の方が別の場所に移転したため、現在は10戸に減少。残った総代、氏子はこの神社が子どもの頃からの心のよりどころであったので、神社が再建しない限りは心も復興しないと震災から4年半後に再建を決意し解体したものの、予算が合わず3年半の時間が流れた。このことを福島神社庁に相談したことをきっかけに、同社が無償で再建することになったもの。

 当日は、氏子や同社代表取締役会長・吉村孝文氏をはじめ福島県神社庁長庁長代理(同理事)・西山典久氏、楢葉町議会議長・清神社宮司・宇佐神正道氏など約30名が参加し、清神社の再建を祝った。

 同社は、これまで熊本地震で倒壊した熊本県西原村の白山姫神社(2018年)、東日本大震災で被災した福島県浪江町の諏訪神社(2019年)、東日本大震災で被災した宮城県名取市の閖上湊神社(2020年)の無償再建を行っている。

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感謝状を受ける吉村会長

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 いい取り組みではないか。神社再建などというと、同社は宗教団体ではないかと考える人もいるかもしれないが、同社・吉村会長は「『神社復興』などというと、裏に何かあると勘繰る人もいるが、私利私欲、政治的な思惑は全くない。たくさんの命を救いたいだけだ」(2019/3/7)と語ったように、少しでも被災者に寄り添い、伝統技術を継承することしか考えていないはずだ。 

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竣功祭

「深く感謝」声詰まらせた閖上湊神社宮司 神社再建プロジェクト 第三弾発表 創建(2020/2/28)

 

 


 

 

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「ヴェレーナ練馬ぬくいの森」

 大和地所レジデンスが6月中旬に分譲する「ヴェレーナ練馬ぬくいの森」のモデルルームを見学した。西武池袋線富士見台駅から徒歩13分の全61戸で、敷地南側は「ぬくいの森緑地」に隣接。同社初の国土交通省「こどもみらい住宅支援事業」にも認定されている。

 物件は、西武池袋線富士見台駅から徒歩13分・同線中村橋駅から徒歩16分、都営大江戸線練馬春日町駅から徒歩18分、練馬区貫井四丁目の準工業地域に位置する5階建て61戸。第1期1次(9戸)の予定価格は4,600万円台〜7,500万円台、専有面積は61.80~86.82㎡。竣工予定は2023年7月中旬。設計・監理はプラスデコ 一級建築士事務所。施工は大洋建設。デザイン監修は小寺源太郎氏。

 現地は、環八と目白通りの交差点から一歩入った準工エリア。南側、東側、北側にそれぞれ接道。敷地南側は歩道3mを挟んで3層分くらいある傾斜地の「ぬくいの森緑地」に隣接。敷地東側は5m道路を挟んで一戸建て、西側は低層倉庫など。

 主な基本性能・設備仕様は、逆梁ハイサッシ(東向き)、二重床・二重天井、リビング天井高2400ミリ、食洗機、浴室タオル掛け2か所、ミストサウナ、天然御影石・フィオレストーンキッチン天板、メーターモジュール廊下(一部)など。オープンエアリビング&プライベートガーデン付きは12戸。

 「こどもみらい住宅支援事業」認定(省エネ性能)を受けていることから、60万円/戸の補助が受けられる。

 同社営業マネージャーは、「沿線の大規模物件とは一部競合していますが、当社の物件は設備仕様が高く評価されています」と語った。

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◇        ◆     ◇

 予定価格について。この前書いたパラダイスリゾート「調布ワンダーランドプロジェクト」と比較していただきたい。調布市と練馬区・富士見台の街のポテンシャルはどちらが高いか。記者は調布市だと思うが、選ぶのはお客さんだ。これ以上書かない。

 モデルルームを見た印象(この日は大雨が予想されており、現地は確認していない)では、小寺源太郎氏のデザインもそうだが、何といっても「ぬくいの森緑地」に隣接しているのがいい。この緑地を享受できるのは25戸だが、計り知れない価値がある。

 少し長くなるが、練馬区の緑被率と「ぬくいの森緑地」について。同区の緑被地は約1,160ha、緑被率は24.1%で23区内トップ。一方、23区のみどり率は平均19.8%(練馬区は不明)だ。みどり率とは、緑被率に「河川等の水面が占める割合」と「公園内で樹木 等の緑で覆われていない面積の割合」を加えたもので、緑被率より高い数値を示す。都は今後、みどり率を緑化指標にする予定だ(このほか、緑視率という指標もある)。

 米国などでは緑の価値を貨幣価値に置き換える手法が普及しているというのに、情けないかな、わが国は緑の価値を分かりやすく伝える指標がない。

 同区は平成23年5月、練馬区景観条例を施行した。目的は「区の自然、歴史、文化等の地域特性を反映した景観の形成を図り、もって区民が誇りと愛着を持って住み続けられる、魅力あるまちの実現に寄与すること」となっており、基本理念に「ア 良好な景観は、区の個性であるみどり豊かな自然、歴史、文化および地域の特性に応じたまちなみの調和により形成されなければならない。イ 良好な景観は、現に存する良好な景観を保全することのみならず、まちづくりを通じて良好な景観を新たに創出し、区民共通の資産として次世代に引き継いでいくことを旨として形成されなければならない」と掲げている。

 素晴らしい。ところが、「ぬくいの森緑地」についての情報はほとんどない。面積は1,404 ㎡と分かったのだが、どのような地形・形状で、どのような樹木、草花が鑑賞できるかの資料・データは公表されていない。区民に豊かな緑の実相を伝えないで、どうして次世代に引き継ぐことができるのか。

 わが多摩市は市内の全公園リストを公表しており、公園にどのような樹木があるか分かるサイト「木を知ろう」にたどりつけるようにしている。ここが違う。

 その「木を知ろう」には「ぬくいの森緑地」の樹木の情報がきちんと提供されている。コブシ、サクラ、コナラ、エゴノキ、クヌギ、マユミ、ゴンズイ、ツバキ類、アブラチャン、ムラサキシキブ、クルメツツジ/キリシマツツジ、ハナミズキ、ナンテン、カエデ類、ヤツデ、アジサイ、イヌガヤ、キョウチクトウ、オオムラサキツツジ、ヤツデ、ネズミモチ、チョウセンアサガオ他があると記されている。

 小さい公園だが樹種は豊富だ。記者は「マユミ」を初めて知った。昔はこの木から弓を作ったそうで、将棋の駒の材料になるとある。なるほど。

 そこでマンションデベロッパーに提案。デベロッパーはマンションを通じて〝幸せを売る〟のが商売だ。制度はつくっても魂を入れない自治体任せではよくならない。

 敷地内に植樹する草木はパンフレットなどに記載しているが、周辺の公園や街路樹にはどのような樹木があるか詳しく書かないし、販売担当者も木の名前など知らないから詳しい説明をしない。これではだめで、しっかり調べて環境価値を可視化することだ。そうすれば、来場者に〝ここに住めば、心が豊かになりますよ〟といえる。歩留まり率は間違いなくアップ(ダウンする街もあるが)するはずだ。

 書き忘れた。同社は完成在庫を残さないデベロッパーだが、前期末で4戸が残ったそうだ。それでも4月までに全戸完売したという。同社には大手に負けない、互角以上に戦える商品企画の武器がある。

大激戦地で販売好調 デベロッパーの良心を見た パラダイスリゾート「調布」(2022/5/25)

 

 

  アキュラホームグループとスマートアライアンスビルダー(SABM)は5月28 日(土)、新商品「超発電の家」の販売を開始した。東京都が年間2万㎡以上を都内で供給するハウスメーカーに太陽光パネル設置を義務付ける方針を打ち出したのに対応するもので、太陽光発電7.5kWを環境貢献価格1,810万円(税抜)~に設定。光熱費の大幅削減を可能にする。

 「超発電の家」は、太陽光発電の発電能力を最大限に発揮できる屋根勾配の設計を実施し、太陽光発電7.5kW を環境貢献価格で設定。35年で828万円(延床面積30坪、4人家族、オール電化仕様を想定)の光熱費を抑えることで、初期投資を約7年で回収することができるのが特徴。

 直近では、同社の半数の販売拠点が搭載率100%を達成している(全体の太陽光発電採用率は89.8%)。

 

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「リステージ三浦海岸」

 リストグループのリストプロパティーズが分譲中のコンバージョンマンション「リステージ三浦海岸」を見学した。1992年(平成4年)に竣工したリゾートホテル「マホロバマインズ」別館全106戸を取得し、大規模修繕・内装工事を施し、セミオーダー方式も導入し今年4月27日から分譲開始しているもので、これまでに20戸を成約するなど、順調なスタートを切った。海好きにはたまらないマンションだ。

 物件は、京急久里浜線三浦海岸駅から徒歩7分、三浦市南下浦町上宮田の第二種住居地域の高台に位置する10階建て全106戸。現在分譲中の住戸(30戸)の専有面積は57.86~100.86㎡、価格は1,898万~5,098万円(最多価格帯2,600万円台)。リフォーム済みの平均坪単価は約150万円。既存建物施工は日成工事。既存建物竣工は平成4年6月。大規模修繕工事完了は令和4年2月下旬。売主はリストプロパティーズ。販売(仲介)は成和建物。

 「マホロバマインズ三浦」は、四季の自然舎(綱川髙司社長)が経営するリゾートホテルで、バブル期に当時のダイカンホームが分譲マンションとして企画したが、バブル崩壊によって分譲からホテルに用途変更したため、マンションのような客室が多いのが特徴。本館の客室数は200室で、今回、同社が取得した「別館は」全106戸。1階の食堂などの共用部分や客室のエントランス部分なども一部専有化している。

 建物はL字型で、ライトウェル(ボイド)付きで、玄関窓付き。全体の8割を占める東南向きと南西向き角住戸からは三浦海岸が一望できる。海岸までは徒歩7分。二重床・二重天井、天井高は2400ミリ。トイレ・浴室は段差があるが、サッシ高は2000ミリくらいあり、ワイドスパンの親子リビングドア付き住戸もある。

 大規模修繕、内装工事を施したうえ、要望に合わせ3パターンのセミオーダープランを選択できるようにし、最上階の約260㎡はフルオーダーで分譲することを想定している。モデルルームのリフォーム代は約800万円。これまで20戸を成約しており、うち3分の2は居住用、残りはセカンドユースという。

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上層階からの眺望(右側の建物が「マホロバマインズ三浦」ホテル)

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ボイド

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スケルトン状態(260㎡)

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モデルルーム

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専有面積 88.73m²(約26.84坪)

◇        ◆     ◇

 確かにバブル期、ダイカンホームが三浦海岸で分譲マンションを企画していたのは知っている。価格は思い出せないが、当時の相場からして坪単価は最低250万円はしていたはずだ。

 見学した印象では、もともとファミリーマンションとして企画されたため豪華なリゾートホテルの雰囲気はないが、坪単価は納得だ。従前のホテル仕様のままなら坪100万円くらいだろうが、リフォーム代に20坪で1,000万円とすれば坪150万円だ。

 同じようにリゾートマンションがバブル崩壊でホテルに転用されたのは、現在「ウェルネスの森 伊東」ホテルとなっている三武が伊東市で分譲した事例がある。記憶に間違いがなければ全300戸とも専有面積は120㎡で、価格は全て1億2,000万円、坪単価300万円だった。

 バブル期のレベルの高い社宅をコンバージョンし、圧倒的な人気を呼んだ代表的なマンションは、タカラレーベンが2009年に分譲した「ル・アール蘇我」がある。

 新築で海に近いマンションは、経済設計の相鉄不動産「グレーシア湘南平塚海岸」を見学したが、坪単価は175万円だった。

床暖房もタオル掛けもなし 経済設計の極み それでも海好き惹きつける 相鉄不「平塚」(2022/4/13)

タカラレーベン 好調リニューアルマンション 「ル・アール蘇我」は4日間で120組超(2005/5/25)

 

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有楽町 SLIT PARK(スリット パーク)(樹木はアジサイ、アオダモ、ソヨゴ、シモツケ、ソヨゴ、ヤマブキ、ヤマボウシ、アケビなど)

 三菱地所は5月25日、有楽町再構築を体現する既存ストックの活用プロジェクト第1弾として「有楽町『SLIT PARK(スリット パーク)』」を6月1日にオープンすると発表した。同日、オープンに先駆け行ったイベントをメディアに公開した。

 「スリットパーク」は、従前は薄暗く自転車置き場などになっていた、同社が保有する丸の内3丁目の新国際ビルと新日石ビルの幅6mのL字型路地裏スペース約501㎡(151坪)を多目的空間にコンバージョンしたもの。8月中旬までに新国際ビルの丸の内仲通り側エントランスとオフィスロビーの改修を行い、「スリットパーク」の突き当りの区画を貫通させ、大名通りと丸ノ内仲通りをつなぐ動線としての機能も持たせる。

 空間には「森」をイメージした植栽を施し、休憩スポットやキッチンカー、屋台、カートショップなどの飲食・物販サービスを提供し、アート展示やイベントを実施することで出会いや交流を促進し、街の魅力向上を目指す。Wifiと電源を各所に完備し、執務空間としても常時利用可能としている。設計・監理はオープン・エー、三菱地所設計。運営は東邦レオ。

 同社は、大手町・丸の内・有楽町エリアの街づくりを「丸の内NEXT ステージ」と位置づけ、それを加速させるため①多様な場の提供②多様なテーマ・コミュニティ③面でのつながり・発信④クリエイティブな活動を引き起こす⑤デジタルビジョン・スマートシティの実現-の5つの戦略を掲げている。今回はその一環。

 また、同社の「長期経営計画2030年」では、有楽町エリアを重点更新エリアの1つと定め、これまでもエリアでは「Micro STARs Dev.」「CADAN有楽町」「有楽町アートサイトプロジェクト」「ソノ アイダ#有楽町・ソノ アイダ#新有楽町」「有楽町アートアーバニズムプログラム YAU」など様々な企画・イベントなどを行っている。

 有楽町ビル・新有楽町ビルの建て替えに着手したほか、稼働中ビルも順次リニューアルを行い、有楽町エリア全体の再構築を目指している。

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リニューアル前(左)とリニューアル後の大名小路「スリットパーク」入口

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「スリットパーク」完成予想図

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25日のイベント

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屋台(左)

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 同社は前日24日、築64年の延べ床面積約111,272㎡の「大手町ビル」の大規模リニューアル工事が完了したのにともなうメディア向け内覧会を行った。今回はわずか501㎡の路地裏空間のリノベーションだ。

 些細な取り組みとして軽視してはいけない。設計・監理を担当したオープン・エー代表取締役・馬場正尊氏が「小さいけれど、大きな変化の予兆になって欲しい」と、運営する東邦レオ代表取締役社長・吉川稔氏が「緑とアート、音(DJ)やアペリティフを触媒に、シェアスペース、コワーキングでは生み出せない、偶発的な出逢い(セレンディピティ)から想定外のイノベーションが起こる場をソーシャルに創造していく」とそれぞれコメントしているように、記者も100年先を見据えた「大丸有」の壮大な街づくりの一環だと思う。

 いま、山手線内では「大丸有」のほか日本橋、八重洲、新橋、浜松町、泉岳寺・高輪ゲートウェイ、品川、渋谷、新宿、赤坂、虎ノ門・赤坂などで大規模再開発が進行中だ。都市間・エリア間競争は益々激化する。「滞在の快適性等の向上」(都市再生特別措置法)を図らないと、気が付いたときは手遅れになる。

 路地裏空間のリノベは他にもありそうだが、記者は「バスあいのり3丁目テラス」をすぐ思い出した。三菱地所が所有する土地に東邦レオが植栽などを担当した施設で、今回の「スリットパーク」と同様、施設内の樹木、その他の全てが移動可能で建築物でないことがみそだ。

 今後、区市町村道を活用した取り組みは加速度的に進むはずだ。今回の施設はその参考になる。

 一つ、課題をあげる。25日のトークセッション&DJイベントで梅澤高明氏(A.T.カーニー日本法人会長/ナイトタイムエコノミー推進協議会理事)は、「このような路地裏空間には空調の音がある」と語った。〝うるさい〟とは言わなかったが、そのような意味が込められていると記者は受け取った。

 音楽と異なり、これが意外と気になる。気になりだすといたたまれなくなる。車や建築工事の音もそうだ。音を消す技術は開発されないのか。どことは言わないが、工事現場の空きスペースに飲食施設を設置したデベロッパーがあるが、閑古鳥が鳴いている。それともう一つ。喫煙スペースは必須だと思うがいかがか。

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梅澤氏

消化不良なのが残念だが素晴らしい農園 三菱地所「大手町ビル」リノベ完成見学会(2022/5/26)

三菱地所「バスあいのり3丁目テラス」の課題/コンクリ打設工事 初めて見学(2021/3/27)

三菱地所 生産者-産地-消費者つなげる屋外空間「バスあいのり3丁目テラス」開業(2020/9/5)

 

 

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