目を見張る 710坪のマンションギャラリー 住友不「汐留」開設/第一弾は「虎ノ門」
「総合マンションギャラリー新橋館」
住友不動産は1月15日、同社はもちろん同業他社の同様のマンションギャラリーとしても最大と思われる「総合マンションギャラリー新橋館」をオープンし、第一弾の「シティタワー虎ノ門」のモデルルームを公開する。開業の前日14日、同社はメディア向けに施設・モデルルームを公開した。
「新橋館」は、JR新橋駅から徒歩6分・ゆりかもめ汐留駅から徒歩1分の汐留住友ビルB2階と21階に設けたもので、広さは同社の総合マンションギャラリーとしては最大の710坪。21階にはエントランスウェイティング、ラウンジ、カフェカウンター、カフェエリア(20席予定)、コンセプトシアター(2か所)、ギャラリーコーナー、接客コーナー、個室、キッズルーム、眺望コーナー(シティタワー虎ノ門周辺)、展示コーナー(ミストサウナ体験、セキュリティなど)を備える。
同社は2011年、マンション販売に関する相談・体感・物件選択ができる「総合マンションギャラリー」を業界に先駆けて都内5か所に同時オープンし、現在、都内7か所、大阪2か所、名古屋1か所、仙台1か所の計11施設を展開している。これまでの来館者は約3万組、新橋館は港・中央・江東・品川区エリアを中心に物件情報約80物件を紹介するほか、現地案内を進めていく。
「シティタワー虎ノ門」は、東京メトロ日比谷線神谷町駅から徒歩2分、港区虎ノ門三丁目に位置する28階建て普通借地権付き144戸(非分譲住戸2戸、その他住戸14戸含む)。専有面積は60.06~75.13㎡、価格は未定。竣工予定は2024年6月中旬。設計・施工は西松建設。住戸部分は5階からで、1フロア6戸構成。販売開始は2月。
生花
カフェカウンター
◇ ◆ ◇
地下2階のエレベータに乗り、施設に着いたとたん、その圧倒的な広さに目がくらみ足がすくんだ。総合マンションギャラリーは同業他社も含めてかなり体験しているが、これほど広いギャラリーはおそらく他社にもないはずだ。同社に賃料相場を聞いたら「3万円台/坪」ということだった。年間賃料は710坪×3万円×12か月=2億5,560万円だ。
建具・家具、什器などは〝5つ星〟並みの伊藤忠都市開発「ギャラリークレヴィア有楽町イトシア」や汐留エリアにある「コンラッド東京」などのホテルを意識したのか、床には大きな生花が2つ活けられていた。
カフェカウンターには白と赤のワインとグラスが置かれていた。振舞ってくれるのかと思ったが、これは〝飾り〟(伊藤忠都市開発も同様)、で、顧客に提供することはないという。
「虎ノ門」の価格は未定だが、どれくらいになるか。立地は最高。1フロア6戸のうち半分の3戸は敷地南側に広がる東京タワーや芝公園の緑が眺望できそうだ。建物の設備仕様水準も水準以上だ。リビング天井高は2650ミリ、サッシは一般的な複層ガラスサッシの2倍の断熱性能を有するとされる真空ガラスサッシを採用している。
同業の記者の中には1,000万円と予想した人もいるが、記者は借地権でもあり1,000万円はありえないと思う。近隣の供給物件と比較して坪単価は800万円くらいが妥当と読んだがどうだろう。
「シティタワー虎ノ門」モデルルーム
これは凄い ホテルなら5つ星 伊藤忠都市 「ギャラリークレヴィア有楽町イトシア」(2020/9/10)
2030年までにCO2排出量50%削減 三菱地所レジ 建設と入居後双方で〝見える化〟
宮島社長
三菱地所レジデンスは1月12日、マンションの建設時から入居後50年にわたるサプライチェーンでのCO₂排出量を2030年までに2019年比で50%削減すと発表した。同日、並行して行われたメディア向け「ザ・パークハウス新浦安マリンヴィラ」第一工区竣工見学会で同社・宮島正治社長が宣言した。三菱地所グループは2030年までにCO2排出量を2017年度比で35%削減する目標を掲げているが、三菱地所レジデンスはそれを加速させる先導役となる。
業界で初めてSBTの認証を取得し、マンション建設時でのCO2排出量100t/戸と、入居後ランニングの排出量135t/戸を見える化し、建設時では省CO2現場造成杭の高炉セメントなどを採用し、入居後では「マンション家計簿」を改訂し、電力の非化石化、ZEH化、太陽光発電の搭載、EV対応を加速化させる。
具体的には、屋上に搭載する太陽光発電パネルで発電した電力を共用部分で使用し、マンションで使われるエネルギーの6割を占める電力を非化石化証明付電力とする。
さらに、断熱性の向上と高効率機器を採用することで2025年以降の全ての分譲・賃貸マンションをZEH-M Oriented以上とする。同社はZEH-M Oriented 以上とすることで、使用エネルギーを2割程度削減することが可能としている。
そのため、2010年から導入してきた高圧一括受電と太陽光パネルを組み合わせた創エネシステム「soleco(ソレッコ)」ではカバーしきれなかった賃貸マンションもカーボンオフセットする仕組みを構築することで、40戸未満の物件にも太陽光パネルを設置する。
その他のCO2排出量削減への取り組みとして、レジデンスギャラリーで使用する電力を再生可能エネルギー由来の電力に切り替え、CO2排出量をオフセットするほか、オンライン接客・バーチャルモデルルーム、ペーパーレス(電子契約)などの採用により人の移動、紙製造や印刷、郵送などに係わるCO2排出量を削減し、顧客に提供する飲料の一部をペットボトルから紙製容器の「カートカン」に変更、クリアファイルの一部をFSC認証の「紙ファイル」に変更する。
発表会に臨んだ宮島社長は「マンション市場はタワーマンションや再開発が注目されているが、コロナ禍で郊外の広い住宅も再認識されており、『環境配慮』がキーワードにもなっている。CO2削減は待ったなし。新たなチャレンジとして2030年までに50%削減を宣言し、建設時と入居後のCO2排出量の見える化を実践していく」と語った。
「ザ・パークハウス新浦安マリンヴィラ」に設置した太陽光パネル
三菱地所レジ 賃貸の空間創出第二弾 浴槽なしのシャワー室開発 「亀戸」に導入
「Roomot(ルーモット)」イメージ図
三菱地所レジデンスは1月11日、賃貸マンション「ザ・パークハビオ」の空間創出プロジェクト「Roomot(ルーモット)」の第二弾として浴槽をなくしたシャワーユニット「Roomot Shower」を開発、「ザ・パークハビオ亀戸」に導入すると発表した。
同社は昨年6月、洗面化粧台にキッチンを合体させた「Roomot MIXING」の第一弾「ザ・パークハビオ(品川区西五反田二丁目計画)」61戸に採用しており、今回はShower」」と「MIXING」と併せて採用することでより大きな空間を創出したという。導入例では、居室スペース7.0畳大から9.3畳大に拡大し、拡大したスペースはワークスペース(デスク、机、書類棚)やダブルベッドなどの大型家具を設置できる空間に変えた。
また、トイレなどの水回り設備をコの字型に配置し、囲まれた中央部分を「マルチスペース」として提案している。
同社は「MIXING」と「Shower」を採用することで、合わせて259.7㎏のCO2削減を可能にするなどSDGsにも貢献できるとしている。
「ザ・パークハビオ亀戸」は、JR亀戸駅から徒歩8分、江東区大島3丁目に位置する14階建て52戸。専用面積は25.24~35.47㎡。引き渡し予定は2023年9月30日。
◇ ◆ ◇
風呂が大嫌いな記者も大賛成だ。さすがに真冬には浴槽に湯を張り、そのまま30分くらい眠ってしまうこともあるが、ほかの季節ではシャワーだけで済ます。これで十分だ。最近は宿泊特化型のホテルでも浴槽なしは増えているし、伊藤忠都市開発は分譲マンションでもシャワー室のみの物件を供給している。昨年見学したコスモスイニシアのシェアレジデンス「nears(二アーズ)川崎」もシャワー室のみだった。
ただしかし、キッチンとシャワー室とトイレをコの字型に配し、その中央部分を「マルチスペース」にしたら、毎日クサヤのような匂いをかぎながらコーヒーを飲み、朝食を済ますことができるのか。公衆トイレアンケートではトイレ内で食事をする人もいるらしいが…。
いっそのことシャワー室とトイレを一緒にしたらどうだろう。用を足しながらシャワーを浴び、シャワーを浴びながら用を足せばすべてを水に流せるではないか。もう一つ提案。冷え性の人には足湯がいい。シャワー室は足湯も可能な仕様にしてはどうか。
「Roomot(ルーモット)」イメージ図
真新しい中身なし 質疑応答も5分で打ち切り 「HARUMI FLAG」概要説明会
古谷氏
「HARUMI FLAG」広報事務局は1月11日、オンラインによる「HARUMI FLAG SUN VILLAGE第1期2次/PARK VILLAGE 第2期 販売概要説明会」を行った。
幹事会社の三井不動産レジデンシャル 東京オリンピック・パラリンピック選手村事業部推進室・古谷歩氏が販売概要や人気の要因などについて説明したほか、販売当初から担当している同推進室・中塚純太氏、不動産コンサルタント・岡本郁雄氏、立命館大学産業社会学部教授・筒井淳也氏、ワーク・ライフバランス ワーク・ライフバランスコンサルタント・浜田紗織氏の4氏による「有識者と考えるこれからの住宅・暮らし ~HARUMI FLAGをモデルに~」と題したトークセッションが行われた。
古谷氏からはパビリオン見学会開始は2022年1月14日(金)からで、販売開始は2022年3月下旬になることが報告された。「SUN VILLAGE(A棟・B棟・C棟・D棟・F棟)」第1期2次(戸数未定)の専有面積は61.06~106.57㎡、予定価格は4,900万円台~10,700万円台(最多価格帯6,400万円台)。「PARK VILLAGE(A棟・B棟・C棟・E棟・F棟)」2期(戸数未定)専有面積は66.85~91.73㎡、予定価格は6,000万円台~10,400万円台(最多価格帯7,900万円台)。
入居開始はいずれも2024年3月下旬。
左から中塚氏、岡本氏、筒井氏、浜田氏
◇ ◆ ◇
どのようなものになるか期待していた。受信環境は良好で、古谷氏ほか皆さんの声はとてもよく聞こえた。
しかし、概要や購入者属性、人気の要因など中身はこれまで発表されたこと以外は真新しいものはなく、トークセッションも時間が限られていたためか、テーマであるコロナ禍で変化した①働き方②コミュニケーション・人とのかかわり方③環境意識④住まい機能について話し合われたが、一般論に終始し深まることがなかった。中塚氏が「時間が短かった」と感想を述べたように、テーマを絞り各氏が持論を展開すれば面白いトークセッションになったのではないか。この物件はいろんな切り口で論じることが可能だと思う。
「今回の説明会に関することに限って」質疑応答時間も10分間用意されていた。
他のメディア関係者(4氏)からは坪単価や販売戸数などの質問が飛んだが、同社は「未定」として明言を避けた。(「SUN VILLAGE第1期1次の坪単価は300万円と同社は答えているので、第2次も同じくらいだろうと記者は予想しているが…答えが返ってきそうもない質問をするべきではない)。
記者も質問しないのは失礼だと考え、「現在の現地は都が管理しており、見学を申し込んだが『工事中なので』と断られた。工事が休みの日曜日を利用して、現場見学会を行っていただきたい。建物デザイン・街区・道路・緑化計画にとても興味がある。BRTの停留所は街区内に何か所予定されているのか」との主旨の質問をしたが、回答は得られなかった。結局、質疑応答は5分で打ち切られた。
リアルであろうとオンラインであろうと、主催者はメディアの質問にはきちんと答えるべきだと思うがどうだろう。答えない・答えたくないのならそのような時間を設けないほうがいい。
期待が大きかっただけに、何だか肩透かしを食らった説明会だった。
「HARUMI FLAG」「SUN」1期465戸・「SEA」2期166戸 平均8.7倍で即日完売(2021/12/2)
三井不動産 オーストラリアでの初の開発案件 シドニー近郊の大規模開発に参画
三井不動産は1月11日、オーストラリアでの初の開発案件となるシドニー近郊マッコーリーパーク地区での分譲住宅開発事業「MAC」に、「MITSUI FUDOSAN AUSTRALIA PTY. LTD.」がオーストラリアのデベロッパー「Frasers Property Australia Pty. Ltd.」と参画すると発表した。
同プロジェクトは、分譲住宅約2,200戸、公営住宅約1,100戸のほか学校などの各種施設を一体整備するMidtown開発計画の第一期分譲事業で、地上24階建て総戸数269戸。竣工予定は2023年。
タカラレーベン タイ・バンコクで1,101戸の分譲事業に参画 ベトナムに次ぐ海外2例目
「ATMOZ BANGNA」
タカラレーベンは1月11日、タイ・バンコクのデベロッパーASSETWISE PUBLIC COMPANY LIMITEDと共同でコンドミニアム事業「ATMOZ BANGNA」に参画すると発表した。
同プロジェクトは、バンコク中心部から南東に約15kmの新興開発地区「バンナーエリア」に位置する敷地面積16,748㎡、8階建て5棟からなる住居1,101戸と商業施設2戸。竣工予定は20123年3月。
同社の海外事業としてはベトナム・ハイフォンでの「THE MINATO RESIDENCE」に次ぐ2例目。
突出するコロナ感染率 沖縄の最多職業は「無職」/東京都との差は何か
NHKの調査によると、2022年1月8日現在の全国都道府県別人口10万人当たり新型コロナ感染者は沖縄県の356.71人が断トツで、2位・山口県の57.00人の約6.3倍、5位・東京都の25.25人の約14.1倍に達している。
どうして沖縄県の感染者が突出して多いのか。その理由・原因を探ろうと、県の公表データからこれまでの感染者約5.6万人の職業を別表にまとめた。
感染者の職業でもっとも多いのは「確認中」で、全体の24.6%に当たる13,762人となっている。
「確認中」を除いた職業のなかでもっとも多いのは「無職」の6,403人で、以下、「会社員」5,670人、「飲食業」2,920人、「建設業」2,886人、「サービス業」2,709人、「学生」2,351人、「小学生」2,165人「事務職」1,685人、「接客業」1,599人、「自営業」1,555人の順。医療・介護・施設職員合計では3,000人で、全体の7.1%を占めている。
このほか「基地従業員」237人、「農業」243人、「漁業」203人、「畜産業」20人などの職業も目立つ。「不動産業」は101人となっている。
データからは職業は40種にのぼり、老若男女、職業の別なく〝公平・平等〟に襲い掛かるコロナの本性が浮き彫りになっている。
◇ ◆ ◇
東京都のコロナ感染者の職業も調べた。都が感染者の職業を公表しだしたのは2020年10月1日以降で、2022年1月2日現在の判明者357,508人のうち、「-」は全体の50.2%に該当する179,560人となっている。「-」は何を意味するか不明だが、2人に1人の割合に達している。
「-」を除いた職業でもっとも多いのは「会社員」の70,541人。判明者の全体の39.6%を占めている。以下、「学生」21,086人、「無職」14,909人、「その他」10,012人、「飲食業」7,778人、「自営業」7,331人、「接客業」5,817人、「主婦」4,995人、「医療従事者」4,992人、「施設職員」4,887人の順。
◇ ◆ ◇
都と沖縄県のデータを比較してみた。沖縄県の「確認中」が24.6%であるのに対し、都の「-」は50.2%に達しているように、捕そく率が全く異なることに注視する必要がある。
例えば「無職」。沖縄県は職業が判明している感染者に占める「無職」の割合は15.2%に達しているが、東京都は8.4%だ。「会社員」も同様だ。沖縄の13.4%に対して東京都は39.6%…いったいこれは何を意味するのか。沖縄県の社会経済状況はこれで説明がつくのか。
不思議なのはほかにもある。沖縄は小学生、中学生、高校生、学生の区別をしていると思われるが、東京都は「幼児」「小学生」があるのに「中学生」「高校生」はない(「学生」としてカウントしている可能性が高い)。「その他運転手」と「タクシー運転手」を区別するのはなぜか、「無職」と「主婦」は同じなのか、職業ではない「アルバイト」と「パート職員」を区別する意味はどこにあるのか…。
不可解なのはこれだけではない。都は「公務員」(2,025人)「教師」(1,134人)「医師」(822人)などをカウントしているのに、約1万人の感染者を「その他」として一括りにしている。この意図は何か。
職業「-」47% 「その他」も学生5%に次ぐ3% 東京都のコロナ感染者(2021/7/17)
〝家に帰りたくない〟宿泊体験した社員 ポラス「体感すまいパーク越谷」出足上々
左から「PO HAUS 和美庵」「北辰工務店」
左から「HaS casa」「PO HAUS ARZILL」
ポラスグループは1月7日、今年1月3日にオープンした宅建機能を持つ宿泊体験も可能な「体感すまいパーク越谷」のメディア向け見学会を行った。3~5日の3日間の来場者は144組で、想定の1.4倍とかで上々のスタートを切った模様。年間120棟の受注を目指す。
「体感すまいパーク」は、土地探しや様々な不動産に関する相談にもワンストップで応じる同社グループの単独展示場で、2018年に開設した「船橋」と「柏」、2021年オープンの「東浦和」に次いで4か所目。
開設したのは、東武スカイツリーライン蒲生駅から徒歩19分(車で8分)、越谷市南町2丁目に位置する総敷地面積約2,418㎡。モデルハウスは注文住宅ブランド「PO HAUS 和美庵」「PO HAUS ARZILL」「北辰工務店」「HaS casa」の4棟で、延べ床面積は102~126㎡。ZEH仕様(和美庵)のほかオリジナルの高性能耐力壁「Endure Wall」などの構造材や部材を多用、リアルサイズとしているのが特徴。
見学会に臨んだポラテック木造建築事業部事業部長・橋本裕一氏は、「来場者は昨年オープンした『東浦和』と比べ1.4倍。まだ一般の方の宿泊体験の予約は受け付けていないが、宿泊体験したグループ社員からは『自宅に帰りたくなくなるほど快適』という声が上がっている。4棟とも〝買える住宅〟をコンセプトに省エネ機能を充実させた。展示場機能と宅建機能の相乗効果を期待している」と語った。
別棟の宅建業課の「センターハウス」は営業スタッフ14名、その他6名含め総勢20名。年間受注目標は120棟。
「センターハウス」
橋本氏
◇ ◆ ◇
同社の「体感すまいパーク」を取材するのは3回目。以下の評点は記者の独断と偏見によるものであって、人によって好みは異なることを最初に断っておく。第一弾の「船橋」、第三弾の「東浦和」の記事も併せて読んでいただきたい。
13:30から始まった見学会会場のテントにはストーブが用意されていたが、とても寒く、説明が行われた30分間というもの震え上がった。外気温は5度もなかったはずだ。
ところが、モデルハウス内はどこも暖かく、宿泊体験をした同社グループ社員が「自宅に帰りたくなくなるほど快適」と感嘆の声を上げたのも納得できた。「家に帰れば」は積水ハウスの歌だが、「家に帰りたくない」という声はわが国の断熱性能の低さを的確に表している。
階段から暖かい空気が立ち上る工夫(北辰工務店)
掃除が楽なトイレ(北辰工務店)
記者がもっとも高く評価したのは「北辰工務店」と「和美庵」だ。「北辰工務店」は、共働きの夫婦と子供2人の家族を想定したもの。夫はテレワークが増え、趣味の時間も確保できるよう多目的スペースを1階に設け、パート勤務の妻は〝洗う・干す・たたむ〟をスムーズに行えるように2階に広いサニタリーを確保、浴室はスイッチ一つで洗浄と除菌ができる浴槽、トイレは掃除が楽なものにするなど細かい配慮を行っている。同社グループ独自の壁や床材をふんだんに採用しているのも特徴。
1階と2階にそれぞれ2基のエアコンが作動していたためでもあるが、室内はとても暖かく23度に保たれていた。エアコンを切っても18度以下には下がらないということにも蓄熱暖房の効果がよく表れている。坪単価は50万円(モデルハウス仕様はもっと高いはず)からなので、コストパフォーマンスも高い。評点は100点満点にしたいところだが、ほめ過ぎるのもどうかと思い95点にした。1階天井高2900ミリも評価した。
数十万円しそうなクスの無垢板キッチンテーブル(和美庵)
夫は趣味のゴルフや釣り、妻は料理が得意な共働き夫婦を想定したZEH仕様の「和美庵」は、クスの無垢材の玄関框ベンチ・ダイニングテーブル、ヒノキの無垢の床、網代天井などまるで料亭のような仕様に仕上げているのが特徴。1階の土間玄関、書斎、ホールなどもよくできていた。坪単価は80万円からで、TOTOの高級トイレと檜風呂を装備したモデルハウス仕様は坪100万円とか。
意匠・デザインも非の打ちどころがなく、これを一番とするのが妥当と思ったが、「北辰工務店」とのコストの差を考慮して同じ95点にした。
シンボルツリー(HaS casa)
2階からシンボルツリーを見下ろす(HaS casa)
3番目は「HaS casa」。他のモデルハウスの構造が在来木造なのに対し、構造材に2×6を採用し、屋根に南欧風のオレンジの瓦を配し、外観・内装デザインにアール形状を多用。大容量の太陽光発電と蓄電池を搭載したニアリーオフグリッド住宅だ。
リビング中央にシンボルツリー(シマトネリコ)を植え、仕事や趣味、家族との時間を両立できるようにしたという設計の意図がよく具現化されていた。坪単価は70万円から。
エアコンは切ったままだったが、室温はどこでも23度に保たれていたように、基本性能・設備仕様レベルは4棟の中で一番かとも思ったが、100円ショップで買ってきたような緑のフェイクがいたるところに配されていたのに興ざめ。その分減点し90点とした。
インナーガーデン(ARZILL)
土間の正面の手洗いボウルとキッチン(ARZILL)
評価が難しいのは「ARZILL」だ。他の記者の方も同様ではないか。共働き夫婦と小学生2人の4人家族を想定したモデルハウスで、玄関(門)を開けると15帖くらいのインナーガーデン「ウチノニワ」が広がっていた。京都・建仁寺の庭のようなどこか近寄りがたい雰囲気に記者はたじろいた。
その先に何があるのだろうと、胸をときめかせながら庭の四方に敷き詰められているタイルをそろりと渡り、土間を開けたとたん、今度は目の前に手洗いのボウルと隣り合わせのキッチンが目に飛び込んできた。豪華な日本庭園と手洗いボウル・キッチン――この度肝を抜く演出に思考が停止した。
坪単価は60~70万円だそうだが、庭は手抜きをしたら雑草に占領されるのは必至で、誰が維持管理するのだろうかと疑問がわき、広くもない土間(1帖くらいか)の目の前の手洗いボウル・キッチンは理解ができず85点とした。
建物をコの字型にして、手入れが簡単な中庭をどこからでも眺められるようにしていたら満点評価していたかもしれない…惜しい。敷地の制約もあったのだろう。
感染比率 20代が突出 全体の39% 70歳以上は3.6% 都の5日のコロナ感染者
1月5日の東京都の新型コロナ感染者は、昨年9月25日の382人とほぼ同数の390人となったが、年代別では20代が153人で、全体に占める割合は昨年9月25日の24.6%から39.2%へ増加している。
他の年代では、昨年9月25日では63人(16.5%)だった10歳未満・10代が38人(9.7%)に減少し、70歳以上の高齢者も31人(8.1%)から14人(3.6%)に減少しているのが目立っている。
30~60代は185人(47.4%)で、9月25日の194人(50.8%)と比べほぼ横ばいとなっている。
都の4日のコロナ感染者151人 20~30代で64% 3か月前の47%から大幅増
1月4日の東京都の新型コロナ感染者は昨年10月6日の149人とほぼ同数の151人となった。ワクチン接種状況では2回接種が86人、1回接種が1人、接種なしが36人、不明が28人。
3か月前と比べて変化があるのかどうか。性別・年代別分布をみたのが別表・グラフだ。
明らかに異なるのは、年代別では20代・30代の比率が昨年10月6日は47.0%の70人だったのが、今年1月4日は63.6%の96人に増加している点だ。ほかでは、10歳未満・10代が30人から18人へ減少し、60代以上の高齢者も14人から6人へと減少している。
性別では、20代の女性が20人から30人へ増加しているのが目立つ。