ネガティブにならざるをえない 無残な街路樹 ネイチャー・ポジティブを考える
「都市の生物多様性フォーラム~『5本の樹』で実現する豊かな暮らし~」
11月26日行われた「都市の生物多様性フォーラム~『5本の樹』で実現する豊かな暮らし~」で積水ハウスESG経営推進本部環境推進部部長・佐々木正顕氏は「今回のフォーラムは当社の自慢話をするために開いたのではありません。生物多様性を客観的、具体的に評価する方法が見つかったので、これを皆さんと共有し実践していくことが狙いです」と感極まった様子で語った。
その通りだと思う。各氏もその姿勢を絶賛した。一つ気になったのは、オンライン参加の東北大学大学院生命科学研究所教授・藤田香氏が「もう1、2年の間にカーボン・ニュートラルと同じようにネイチャー・ポジティブという言葉は定着すると思います」と述べたように、皆さんは生物多様性の未来をポジティブにとらえていることだった。農学者は普段自然と接しているためか、大らかな人が多い。
だが、しかし、日ごろマンションや分譲戸建ての現地取材を行い、街並みを眺めまわしていると、生物多様性は一顧だにされず、ただひたすらに自滅の道を突き進むのではないかとネガティブに考えざるを得ない。
ついこの前だ。船橋市・二和向台の駅前商店街の樹齢数十年と思われるイチョウの街路樹が高さ6mくらいに強剪定されており、枝は瘤だらけ、葉っぱを広げることもできず、黄色く染まることも許されない無残な姿を見て、涙が出るほど悲しかった。行政と造園業者の暴挙愚行ではあるが、問題はそれを容認する住民がいるということだ。
藤田氏が勤務する仙台は何度か取材したが、二和向台とは対照的に実に緑が豊富で美しい。だからこそ「ネイチャー・ポジティブは当たり前」などと言えないのではないか。写真を載せた。藤田氏にもぜひ見ていただきたい。人への誹謗中傷は厳しく糾弾されるのに、樹木虐待はどうして許されるのか。さっぱり分からない。
二和向台のイチョウ(左)と墨田区向島のスズカケ
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前段に関連することだが、記者は今から10年くらい前、危機的な状況にある森林・林業や、電信柱のように強剪定される街路樹を何とかしないと考え、取材対象に加えることにした。手始めに2012年5月から「街路樹が泣いている ~街路樹と街を考える~」記事を8回にわたり書いた。手ごたえはあった。アクセスは軒並み3,000件を超えた。その後、ことあるごとに自治体の対応を批判する記事を書いてきた。記録に残っている2012年以降の「街路樹」に関する「RBAこだわり記事」は111件ヒットした。
記者の守備範囲であるマンションや分譲戸建ての取材では、積水ハウスの「5本の樹」の植栽計画は他を圧するのを目の当たりにしてきた。「5本の樹」「生物多様性」「緑被率」「緑環境」で記事を検索したらそれぞれ40本、34本、20本、19本ヒットした。合計で224本だ。
記者は年間、RBA野球記事を除き住宅・不動産などに関する記事を400~500本書いている。8年間で3,200~4,000本だ。「街路樹」「5本の樹」「生物多様性」「緑被率」「緑環境」の記事の比率は5.6~7.0%だ。これが多いのか少ないのか判断する材料はないが、一定の読者の方の心を捉えたのではないかと思っている。主な記事を添付したので読んでいただきたい。
どれくらい読まれているか少しチェックしてみた。もっとも多いのは「またまた『街路樹が泣いている』千代田区 街路樹伐採で賛否両論」(2017/9/8)の約9,400件だ。積水ハウス関連では「スマートコモンシティちはら台」「グランドメゾン狛江」「グランドメゾン仙川」などが5,000件を突破している。
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もう一つ、データが異なるといえばそれまでだが、わが国の住宅着工統計には「敷地面積」「緑環境」の視点が欠落している。あるのは都道府県別の総戸数、総延べ床面積、総敷地面積だけだ。追っていけばどれだけ狭小敷地化が進んでいるか大雑把に捉えることはできるだろうが、どこがどのように変化しているか把握できないはずだ。
都市計画法、建築基準法も考えたら不思議な法律だ。商業地域は一応建ぺい率は定められているが、耐火建築物にすれば建ぺい率は100%だ。ここにも緑環境の視点はまったくない。(自治体によっては建物をセットバックすることを求めているほか、地区計画や総合設計制度などはあるが)
そして、何よりも記者が懸念するのは、1977年の三大都市圏の樹木・鳥・蝶の種数、多様度指数、個体数を100%とし、今後日本で新築される物件の30%に「5本の樹」計画が採用された場合、その回復効果は84.6%まで上昇する予測データ通りに推移するかどうかだ。植栽など全くない分譲戸建てが主流の現状のままだと、「5本の樹」に賛同しそうな同社を含めた大手ハウスメーカー・デベロッパーが束になってかかっても30%に届かないのではないか。
これを何とかしないといけない。先に住宅着工統計には住宅の敷地面積に関するデータはないと書いたが、敷地が20坪以下の狭小敷地では「5本の樹」を植えるのは難しい。これを排除するために、金融機関や投資家にそのような住宅を供給する会社への投資・融資を控えるよう呼びかけることはできるのか、あるいはまたそのような住宅購入を考える消費者に対してどのような姿勢を取るのか、極めて難しい問題が立ちはだかっている。気候非常事態宣言や女性活躍も同様だ。強制力を持たせたりクオータ制を採用したりすることの是非は難しい。藤田氏が語ったようなポイント制、クレジットは可能なのか。
この問題をクリアしないと、1977年に戻るのは難しいのではないかと思うがどうだろう。
画期的 世界初の生物多様性定量化システム公開 積水ハウス&琉球大学(2021/11/27)
怒り心頭 イチョウは殺していいのか 船橋・二和向台の無残な街路樹(2021/11/12)
緑の質量に圧倒 エントランスに樹齢100年巨木「江古田の杜」街びらき(2018/9/23)
またまた「街路樹が泣いている」 千代田区 街路樹伐採で賛否両論(2017/9/8)
いい加減にしてほしい モデルルームのケミカル製品・造花の氾濫(2017/5/23)
続「街路樹が泣いている~街路樹と街を考える」流山と越谷、三郷の差(2014/10/17)
異形のスカイツリーに怒れるスズカケ 押上の街路樹「街路樹が泣いている」(2017/3/20)
呉越同舟効果 「5本の樹」の本領発揮 積水「品川シーサイド」1期207戸!(2017/3/24)
農学、環境、家政学者の会合はおおらか 国交省「都市公園あり方検討会」(2015/3/17)
国分寺崖線の借景、「5本の樹」もいい 積水ハウス「グランドメゾン仙川」(2015/2/3)
積水ハウス「スマートコモンシティちはら台」に見た街づくりへの覚悟(2014/9/13)
積水ハウス 安藤忠雄氏発案の巨大緑化モニュメント『新梅田シティ』完成(2013/11/5)
〝宮脇檀さんにまた会えた〟 積水ハウス「コモアしおつ」(2013/9/14)
「里山を見るような見事な植栽 積水ハウス『グランドメゾン狛江』竣工(2013/9/12)
植栽が見事な積水ハウス「白金」タワーマンション(2013/8/20)
街路樹が泣いている(8) 奇形ばかり海浜幕張・電柱そのもの府中街道の街路樹(2012/6/5)
街路樹が泣いている ~街路樹と街を考える~ ①(2012/5/1)
画期的 世界初の生物多様性定量化システム公開 積水ハウス&琉球大学
左から司会者の方か、佐々木氏、久保田氏、河口氏、仲井氏、道家氏、原口氏、オンライン参加の東北大学大学院生命科学研究所教授・藤田香氏
積水ハウスは11月26日、同社の「5本の樹」計画の成果と琉球大学が研究・開発したビッグデータシステムを共同検証し、世界初の都市の生物多様性の定量評価の仕組みとして構築した「ネイチャー・ポジティブ方法論」を誰もが取り組めるよう公開したと発表した。
「5本の樹」計画は、〝3本は鳥のために、2本は蝶のために、地域の在来樹種を〟という思いを込め、その地域の気候風土・鳥や蝶などと相性の良い在来樹種を中心とした植栽にこだわった庭づくり・まちづくりの提案で、2001年に開始して以来累計で100万世帯、樹木数にして東京都の街路樹100万本の17倍に該当する1,700万本超に達している。
「ネイチャー・ポジティブ方法論」は、同社と琉球大学理学部久保田研究室・シンクネイチャーとの共同検証によって実現したもの。同大・久保田康裕教授が立ち上げ、シンクネイチャーが管理運営する「日本の生物多様性地図化プロジェクト:J-BMP」を基に、同社が20年間に植栽した樹木本数・樹種・位置情報の蓄積データを分析し、定量的な実効性評価を可能にした。この種の成果は世界初という。
共同検証の結果、生物多様性の劣化が著しい三大都市圏の在来種は約10倍に、鳥の種類は約2倍に、蝶の種類は約5倍に増加したことが確認できたという。
また、1977年の三大都市圏の樹木・鳥・蝶の種数、多様度指数、個体数を100%とし、2070年までの変動をシミュレーションした結果、「5本の樹」の効果は41.9%まで回復し、今後日本で新築される物件の30%について「5本の樹」計画が採用された場合、その回復効果は84.6%まで上昇する予測データを発表した。
同日行われた「都市の生物多様性フォーラム~『5本の樹』で実現する豊かな暮らし~」で基調講演を行った同社代表取締役社長執行役員兼CEO・仲井嘉浩氏は、「私事だが、家の庭に枝垂れウメを植えたらウグイスではなくメジロが飛んできた。梅に鶯は嘘であることが分かった」などと紹介しながら、「(ネイチャー・ポジティブ方法論を実現できたのは)久保田先生との出会いが転機になった。その検証効果に大変驚かされた。ここまで成果を生むとは思っていなかった。コツコツやってきたことが実を結んだ。生物多様性を定量化、数値化できた世界初のイノベーション。大変意義深い。これを公開し、みなさんと一緒に共有したい」と語った。
仲井氏
その後行われたパネルディスカッションには、出席者が次のエンドースメントコメントを寄せた。(順不同)
立教大学特任教授/不二製油グループ本社CEO補佐・河口眞理子氏 生物多様性の定量化・数値化は、生物多様性の保全にむけて社会を動かすためのカギを握っています。「5本の樹の実効性評価」は、個人レベルの庭木植栽を国レベルの生物多様性の定量評価は待ち望まれてきた生物多様性の定量化に成功した画期的な取り組みです
河口氏
国際自然保護連合日本委員会事務局長・道家哲平氏 「5本の樹」というアプローチは、都市開発から、個人住宅という多くの人々に生物多様性 のための行動の選択肢を提供する手段であるということも、注目すべき点と考えています
道家氏
MS&ADインターリスク総研フェロー/MS&ADインシュアランスグループホールディングスサステナビリティ推進室TNFD専任SVP・原口真氏 住宅の省エネルギー基準の適合義務化、市民が生活実感を持って消費も含む生活様式を変えていければ、日本の都市はレジリエントでサステナブルな社会への移行に大きく貢献することになります。また、ESG投資家に対して情報開示義務を負う、都市開発、建設の事業セク ターにとっても希望をもたらすツールとなることでしょう
原口氏
琉球大学理学部教授/シンクネイチャー代表取締役・久保田康裕氏 生き物の分布、生き物の遺伝子、生き物の機能、生き物の食う食われる関係を網羅した生物多様性ビッグデータは、積水ハウスの事例のように、ビジネス活動がダイレクトに自然資本の保全再生に貢献することを科学的に証明します。相反するように見える経済収益活動と生物多様性の保全再生活動は、お互い科学的に調和され、ビジネスを通じたネイチャー・ポジティブ、すなわち社会変革を推進します
久保田氏
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同社の「5本の樹」計画をずっと応援してきた記者もとても嬉しい。何が嬉しいかといえば、「ネイチャー・ポジティブ方法論」を独り占めしないで一般に公開したことだ。「5本の樹」計画は商標登録されているはずだが、その思想・取り組みは全てのハウスメーカー・デベロッパーに通用することだから、なんとか一緒に実践できないものかとずっと考えてきた。
それが今回実現した。佐々木氏は、「これは知的財産でもあるので『それ公開していいのか』という論議が社内であり、社長にその話をしたら、『何せこいことを言っているんだ。これはうちだけがやってもイノベーティブに日本を変えることはできないではないか。であれば、これを広く公開してうちがやってきたことを一緒に取り組んでいくことが大事なんだ』としかられました」と舞台裏を明かした。仲井社長の英断にも拍手喝采だ。
そして忘れてはならないのは、〝安かろう悪かろう〟のぺんぺん草も生えない住宅が蔓延している中で、高いものは1本数万円(もっと高いのもあるか)する在来種の樹木をお客さんに勧めてきた同社営業マンの苦労だ。
その苦労を報いるため、20年間、1本1本、植えた樹木を緯度、経度に落とし込んでデータ化する作業を同社はずっと続けてきた。これまた凄い。
今回の「ネイチャー・ポジティブ方法論」を編み出すのに久保田教授は10年かかったそうだが、それを実効あるものにしたのは同社の地道な取り組みだ。
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どことは言わないが、心当たりのあるシンポジウム・フォーラム関係者は多いはずなので余談だが書く。スピーチ・プレゼンの話すスビートは1分間に300字が適切とされている。早口でまくし立てるとその瞬間は理解できても、心に残らない。右から左へ左から右へと頭の中を素通りしていく。
先日、あまりにもひどい講演を経験した。ある講演者は20分間に70~80枚の文章・画像をプロジェクターに映しながら話した。1分間に3.5~4.0枚だ。記者は必至でメモを取り、読もうと思ったがあきらめた。そんな芸当誰ができるというのだ。前に座っていたメディア関係者2人は講演中ずっと眠っていた。
これは例外ではない。1分間に300字のスピードで話す講演者・プレゼンテーターは10人に一人か二人くらいではないか。
今回の仲井社長、久保田教授&積水ハウスESG経営推進本部環境推進部部長・佐々木正顕氏の講演は、計ったわけではないが、メモを取れるほどのスピードだった(NHKの講座なみ)。一語一語が理解できた。重要と思われるフレーズを何度も繰り返したので理解度はより高まった。「5本の樹」だけでなく、各社広報担当は今回の同社を見習ってほしい。(パネルディスカッションの各氏の話は省略した。1時間の話し言葉を書き言葉に変換するのは大変)
もう一つ。佐々木部長は、同社には40人もの樹木医がいることを紹介した。記者は、同社の社外取締役を務めていた涌井史郎氏が語った「木の名前、虫の名前、鳥の名前を覚えると、一歩歩くごとに人生3倍楽しくなる」という言葉を思い出した。樹木医とはそんな人ではないか。機会があったら同社の樹木医にインタビューしてみたい。資格を取得すると医者や弁護士のような高収入を得られるのか、高額な手当はつくのか。記者は樹木や草花の図鑑を眺めるのだが、すぐ名前を忘れる。どうしたら覚えられるかも教わりたい。
フォーラムで紹介された、239ページ、発行部数40万冊という同社の隠れたベストセラ―「庭木セレクトブック」はいい。木の名前と鳥の名前が一緒に覚えられるかもしれない。こんな本は他にないはずだ。注文を付けるなら実寸の葉っぱや実を載せてほしい。
佐々木氏
〝どう見ても美しい〟大阪の市場を変える 東京建物「堂島」は坪単価650万円
「Brillia Tower 堂島」
東京建物が分譲中の大阪市内初の「Four Seasons Hotel」とコラボした複合タワーマンション「Brillia Tower 堂島」を見学した。コンセプトの〝旅とアート〟が具現化されており、日建設計による外観デザインとピエト・ブーン氏による236㎡の「白」を基調としたモデルルームの美しさに仰天、魅了された。坪単価は大阪市のこれまでの最高値400万円をはるかに超える650万円ながら、第1期1次130戸は約540件の登録を集め4.2倍で即日完売した。価格は東京のほぼ半値で、基本性能・設備仕様レベルも劣る大阪のマンション市場を変える衝撃的な物件だ。
物件は、JR大阪駅から徒歩9分、大阪市北区堂島二丁目の商業地域に位置する敷地面積約4,828㎡、49階建て全463戸(募集対象外住戸53戸含む。住宅フロア4~27階、38~49階、ホテルフロア28~37階)。11月15日に抽選分譲した上層階が対象の第1期1次130戸の価格は5,280万~108,000万円(最多価格帯11,000万円台)、専有面積は38.71~236.06㎡、坪単価650万円。竣工予定は2024年1月下旬。施工は竹中工務店。設計は日建設計。デザイン監修はSTUDIO PIET BOON。
現地は、竹中工務店本社-電通大阪支社跡地。〝旅とアート〟をコンセプトに、国際水準の機能を備えた住宅とラグジュアリーホテルブランド「Four Seasons Hotel」と共同開発した超高層複合タワーで、設計を担当する日建設計のチーフデザインオフィサー・大谷弘明氏による「帆」をイメージさせる優美な外観デザインが特徴。また、大阪で初めて「宿泊施設の整備に着目した容積率緩和制度」の適用による特定街区の都市計画決定を受けており、法定容積率480%から1200%へ大幅に緩和されている。
主な基本性能・設備仕様は、木製玄関ドア、二重床・二重天井、リビング天井高2.7~4.0m、ディスポーザー、食洗機、Low-Eガラス、ジーマティックキッチン、VOLA社・ドンブラハ社製水栓、JAXSON社製浴槽など。2階と43階にコンシェルジュを配置し、エントランス部分に警備員が常駐。最上階にはラウンジ・パーティルームをはじめとした共用施設を設置するほか、アート監修の南條史生氏のキュレーションにより7氏のアート50点超が共用部分に配置される。
物件の統括所長・加覧憲一氏は、「反響は大阪が7割、東京と兵庫、その他がそれぞれ1割。立地条件をカバーするホテルと一体とした意匠・デザイン、商品企画が高い評価を得ています。第1期1次130戸の登録件数は約540件。12月上旬に予定している第1期2次50戸と合わせ即日完売する可能性が高い」と語っている。
完成予想図(合成)
ギャラリーラウンジ
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最初に断っておく。記者は関西圏のマンションは数えるほどしか見学していない。トータルで20件あるかどうかだろう。大阪の市場もまったく分からない。以下は、あくまでの記者の独断と偏見に満ちた記事だ。
見学したのは11月23日(火)の祝日だった。取材を許可して頂いた同社広報と、顧客対応に忙しいはずなのに快く対応していただいた統括部長の加覧氏にお礼申し上げる。加覧氏とはRBA野球大会を通じて以前からお付き合いしていただいており、久々にお会いできるのを楽しみにしていた。昨年4月から単身赴任されているようで、持病の痛風も治まりつつあると聞いた。何よりだ。
販売事務所を訪れる前に現地を見た。用途地域は商業地域だが、大小のビル、マンション、店舗などが混在しており、準工ではないのかと思った。「堂島」は小説の舞台にもなっているのでよく知ってはいたが、街並みはイメージしていた「銀座」とは全く異なっていた。
販売事務所は、それぞれ2層はありそうなシアター、模型コーナー(模型は35分の1)などはこれまで観た大阪の好調物件と同等ではないか。
75㎡と127㎡のモデルルームはシンプルなデザインで、都内のこのクラスの物件と比較してそん色ないと思った(大阪市内ではトップクラスなのだろう)。
驚いたのは、ピエト・ブーン氏が手掛けた236㎡のモデルルームだった。木製でナグリ仕上げの玄関扉は、単価を考えたらこれもありだと判断したが、扉を開けたとたん6畳大はありそうな白が基調のホワイエが目の前に飛び込んできた。昭和57年に見学した「広尾ガーデンヒルズ」のモデルルームがまざまざと蘇った。そこも玄関ホールは6畳大あった。
次に66.8畳大のLDK、32.7畳大の主寝室、ドレッシングルーム、浴室、トイレなどを見て回ったのだが、今度は「これほど〝美しい〟マンション見たことない」という見出しを付けた平成19年の鹿島建設「加賀レジデンス」が思い出された。
一分の隙もない端正なきりりとした美しさが際立った「加賀」とは異なる、曲線を多用した優美な白の美しさに言葉を失った。シアターに映し出された〝どうみても美しく、どう考えてもおもしろい〟というキャッチコピーに嘘はないと思った。このコピーライターもただものではないと。
そこで考えた。この美しさを何に例えたらいいか。しんと静まった雪原に舞い降りた一羽のツルか、それとも空の青にも海の青にも染まず漂う大海原の白鳥か、あるいは立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花の女性か。女性でいえば、きらきら輝く光沢があるシルクもいいが、記者などは木綿の白襦袢に白足袋の女性に背筋がゾクッとする。そんな白だった。
モデルルームに使用されている什器・食器類も、釉薬を掛けていない素焼(テラコッタ)が多かったのではないか(よく観察すべきだった)。そこにも抑制された白の美しさがあった。
さらにまた考えた。70歳を超えボケも始まったのではないかと自覚する記者の39年前、14年前のマンションの記憶を蘇らせるピエト・ブーン氏は何者なのか、どのような感性の持ち主なのかと。
白が基調の販売事務所、モデルルームはたくさん見てきた。白はどのような家具とも調和する。無難な色ではある。しかし、安物のケミカル製品だと雰囲気をぶち壊すこともある。光の乱反射、跳ね返りによって目がくらみ、疲れることもある危険性もはらむ。ピエト・ブーン氏の白はそれがない。すべてを受け入れる優しい白だった。
東京建物のプレス・リリースには、同氏は「オランダ生まれのデザイナー。そのものづくりや天然素材への情熱、インスピレーションは育ってきた母国や家族環境の中で培った伝統に基づく創造と彼自身の挑戦的な精神によるものである」とあり、別のネットには「彼のデザインスタイルは、クラシックでエレガントです。天然材とくすんだ色の組み合わせ、本格的なスタイル」とあった。63歳のようだ。
なるほど、ヒントは「天然材とくすんだ色の組み合わせ」だ。同氏を起用したのは日建設計か東京建物かFour Seasons Hotelか分からないが、これもコラボの大きな成果だろう。
東京建物は、メジャーセブンの中で唯一大阪ではマンションの供給実績は少ないはずで、だからこそ〝負けないぞ〟という意地が働いたのか、あるいはまた、価格は東京の2分の1で、基本性能・設備仕様レベルも落ちる大阪の市場を知らなかったのが幸いしたのか。いずれにしろ、大阪のマンション市場に一石も二石も投じたのは間違いない。歴史を変える物件だ。これがメルクマールになるはずだ。
「うめきた2期」が楽しみになってきた。〝安かろう悪かろう〟という市場から脱却していただきたい。「近畿」はもともとわが国の中心地だったのだから。天童よしみさんは〝負けたらあかん 負けたらあかんで東京に〟と熱唱しているではないか。
ピエト・ブーン氏
ナグリ仕上げの木製玄関扉
236㎡のモデルルーム
同上
同上
負けへんぞ横浜北仲に ここは〝北浜〟の一等地 三井レジ他「北浜ミッドタワー」(2018/2/20)
〝首都圏に負けない〟レベル 販売好調 野村不・大林新星和不「プラウドタワー北浜」(2018/9/1)
首都圏の億ションに負けない 関西最高峰の坪610万円 東急不「芦屋」(2018/7/23)
さすが三菱 神戸の歴史的建物保存・復元「神戸タワー」 過去最高峰の坪単価266万円(2018/3/15)
三菱地所レジ 「京都鴨川御所東」 坪単価はいくらになるか(2015/10/8)
これほど〝美しい〟マンション見たことない 鹿島建設「加賀レジデンス」(2007/5/18)
集合住宅の最高傑作の一つ 鹿島建設「加賀レジデンス」が完成(2008/9/16)
往年のRBAスター選手結集 株式会社コジマ創業50周年記念パーティーに200人超
コジマ 創業50周年を祝うパーティー(サンケイホールで)
小島会長(左)と小島社長
埼玉県三郷市で不動産業、建設業、屋外広告業などを展開する株式会社コジマは11月14日、創業50周年を祝うパーティーを千代田区大手町の大手町サンケイプラザホールで開催。会場となったサンケイプラザホールにはお祝いの胡蝶蘭123鉢が芳香を放つ中、関係者ら200人超が集まり、「真心・感謝」をテーマとしたパーティーに同社の更なる発展を祈念した。RBA野球関係者も、同社社長・小島一茂氏(53)とほぼ同期の〝往年〟のスター選手が結集。昔話に花を咲かせた。
冒頭、同社取締役会長・小島勲氏(78)は「昭和46年に会社を設立して半世紀が経過しました。これからも精進努力していきますので、どうぞよろしくお願いいたします」とあいさつ。
息子で同社代表取締役社長・小島一茂氏(53)は謝辞で『野球というスポーツは人生そのものだ』という長嶋茂雄さんの名セリフと、『ピンチのあとにチャンスあり』という野球のセオリーを自分の人生にたとえ、長男が生まれた後に母が亡くなり、その翌月に会社を辞め、自分自身も家族も会社も世の中もそして業界もバブルの崩壊後長引くデフレで、野球で例えると無死満塁の大ピンチの状況。このピンチの状況の中支えてくれたのが親戚、先輩たち、同期生でした。そしてなんとかピンチを乗り越え、その後、お客様から様々なチャンスを頂戴し、教えられ、育てられ今日このようなパーティーを開催することができました。これからもお客様ファーストで真心と感謝を持って皆様と共に邁進していく所存でございます。と決意を表明。また、長男の隆寛氏を登壇させ、昨年立教大学を卒業し、現在六本木のケンコーポレーションで頑張っています。以後お見知りおきの上宜しくお願い致します。と次世代の紹介で締めくくった。
来賓として登壇し乾杯の挨拶をした三井不動産リアルティ札幌代表取締役社長・江川尚志氏(54)は、「第3回RBA野球大会で一茂社長がサンケイビルのエースとして東京ドームの決勝戦で戦いました。7回終了して同点、2度の延長戦を行っても決着がつかず、時間切れでジャンケンをやってサンケイビルが優勝したんです」とエピソードを明かした。その他早大野球部出身者が2名参加していた。
帝京高校時代、小島氏と二遊間コンビを組んだ楽天コーチ・奈良原氏の名前も
長嶋茂雄氏直筆の色紙(左)と小島親子の大垣された書
立教大学チアガールも応援に駆け付けた
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この日出席したRBA野球関係者は前段の江川氏のほか、三菱地所ホームソリューション事業部長・鈴木正人氏(52)、サンケイビル事業本部関西営業部次長・三枝智氏(54)、ザイマックス防災テクニカ常務取締役・田村憲司氏(54)、テーオーシーTOC事業部課長・土屋彰氏(51)、元ケンコーポレーション藤田和茂氏(55)の6氏(順不同)。
各氏は33年の歴史(一昨年と今年はコロナの影響で中止)を誇るRBA野球大会にどれほどの実績を残したか、ざっと紹介する。江川氏は早大野球部出身で、三井不動産販売の捕手として活躍。詳しいデータはないが、毎年60チーム、1チーム15人が出場したと計算すると、参加者は延べ28,000人に上るが、三冠王を獲得したのはこの江川氏のほかに〝ミスターRBA〟こと東急リバブルの岡住まさる氏、旭化成ホームズの現役・北寒寺氏しかいない。江川氏は長距離ヒッターではなかったが、シュアなバッティングは一級品だった。
江川氏
鈴木氏は上宮高校で一茂社長と同じ大会の甲子園に出場し、青山学院大-三菱地所ホームの主砲兼投手兼監督として活躍。チームの通算成績は26勝62敗、勝率0.295という数字が示す通り好成績を残せなかったが、「ハエが止まる60キロの速球」を開発した。本業では「うちはミリ単位で顧客対応ができる」と語ったのは今でも印象に残っている。記者はいつも鈴木氏を挑発したが、そのお詫びに別掲の記事を添付した。みなさんもぜひ読んでいただきたい。
鈴木氏
三枝氏はサンケイビルの捕手-監督としてチームを引っ張った。一茂社長の球を受けていたのも三枝氏だ。一茂社長が退社したあとはじり貧となり、やがて参加しなくなった。三枝氏は「野球好きもいる。声を掛ける」と復活に意欲を見せた。
三枝氏
田村氏は、同志社大-コスモスイニシア-ザイマックスの名遊撃手。守備力は現役の北寒寺氏と互角のプロ級で、西武・源田選手クラスだ。美しいのは守備だけでなく、記者はその美顔にほれぼれした(その手の趣味はない。念のため)。いまはしもぶくれが甚だしく往時の見る影もないが…。
田村氏
土屋氏は、RBA野球大会の1試合最多奪三振記録保持者だ。第10回大会の対安田不動産戦で、7回を投げ実に16個の三振を奪った。この試合を記者は取材していた。大会は7回または1時間半だから、双方とも強くても弱くても7回まで進むのは難しく、実力が拮抗していないとこの大記録は達成できなかったはずだ。運も味方した。土屋は屈指の好投手ではあったが、スピード一本で抑えるタイプではなかった。この日の三郷の河川敷のグラウンドは風が強く、投手に向かい風だった。変化球が面白いように決まった。
土屋氏
藤田氏は、日大三-日大-ケンコーポレーションで、第3回RBA日豪親善野球大会の遠征に日本代表として一茂社長と共に参加、この大会一茂社長がMVP、藤田氏が日本代表のキャプテン。豪遠征後、長崎慶一氏(元阪神)当時大京コーチの野球チームに二人はスカウトされ参加したこともある。この6氏と一茂社長を交えて歓談したかったのだが、一茂社長は200名を超える参加者にあいさつするのが忙しく、その機会はなかった。一茂社長は自らのプロフィールを同社ホームページで紹介しているので、そのまま転載する。
「幼少期から高校野球の経験者で少年野球三郷ヤンガース創設監督の父に野球の教育を受け、帝京高校時代には現在東北楽天ゴールデンイーグルスの奈良原浩内野守備走塁コーチ(元侍ジャパンヘッドコーチ)と二遊間を組み甲子園に出場(1準優勝)。大学卒業後の91年、フジサンケイグループの不動産建設会社に入社。同年オーストラリアゴールドコーストで行われたRBA日本不動産野球連盟 第3回日豪親善野球大会に日本代表として出場しMVPを受賞。7年勤務後の98年、父の経営する株式会社コジマに入社。『Challenge for Change』『お客様ファースト』『スピード』をスローガンに『コジマにお願いして良かった』とお客様に思っていただき、喜んでいただける仕事をするのが生きがいです」
一茂社長は、サンケイビルでは主に投手として活躍したが、本来は内野手だ。前出の田村氏と守備力は互角で、RBAでこの2人の守備は特別華麗だった。
一茂社長は現在帝京高等学校野球のOB会会長を務める。
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一茂社長の父・勲会長に話を聞いた。勲会長は小学3年のときから巨人ファンで、長嶋茂雄氏が好きだったという。茂雄氏の長男・一茂氏が誕生した3年後に長男が生まれた。「子どもをプロ野球選手にしたく、長嶋に負けるなと『一茂』と名付けた。1歳8か月から特注の巨人のユニフォームを着せていた。9連覇の最後の年の神宮球場の大学とプロの入れ変え時に当時の川上監督のサインが一茂氏のユニホームの左袖に書いてもらって」現在でもこのユニホームはあり、読売ジャイアンツ50周年記念特番でこのユニホームはテレビに映ったと語った。ご本人も元高校球児で二塁手だったそうで、「会長と一茂社長とどちらが守備うまいですか」と聞いたら「もちろん一茂」と返ってきた。
小島会長は現在の球界について「ドラフトがバラバラにした」と話し、「歌は演歌が好きなのだが、女性が踏み台になっている。(男女平等を実現するため)法律を変えないといけない。『令和』の『令』は『冷たい』とも読める」と社会問題にまで踏み込んだ。
会場に大書きされていた「真心」は自らが認めたもので、翠風という雅号で日展に入賞したこともあると話した。
司会を務めたフリーアナウンサー・宇賀なつみさん
左の小島氏の息子・隆寛氏はケン・コーポレーションの野球部員
顧客のミリ単位の要望にこたえる三菱地所ホーム(2009/5/26)
「うめきた2期」の3つのホテル運営会社 ヒルトン、阪急阪神ホテルズに決定
「うめきた2期」開発現場
大阪駅北口の開発面積約91,150㎡の再開発を進めている三菱地所を代表企業とする「うめきた2期」の開発事業者JV9社は11月24日、事業地内で計画しているスーパーラグジュアリーホテル(SLホテル)、ライフスタイルホテル(LS ホテル)、アップスケールホテル(USホテル」)のオペレーターについて、SLホテル、LSホテルをヒルトンに、USホテルを阪急阪神ホテルズにそれぞれ決定し、再開発のホテル事業の幹事社であるオリックス不動産はヒルトンと運営委託契約を締結し、SLホテルの名称を「ウォルドーフ・アストリア大阪」に、LSホテルの名称を「キャノピーby ヒルトン大阪梅田」に決定したと発表した。
「ウォルドーフ・アストリア」はヒルトンの最上級ラグジュアリーブランドで、現在、30か所以上でアイコニックなホテルを展開しており、今後数年間の間に15か所で開業予定。「ウォルドーフ・アストリア大阪」は、同ブランドとしてはわが国では先に事業決定を発表した2026年度開業予定の「ウォルドーフ・アストリア東京日本橋」に次ぐ第2弾で、開業は「東京日本橋」より先の2025年度上期の予定。南街区賃貸棟・西棟の2階、28~38階に位置し、50㎡を中心とする252室の客室のほかラウンジ&バー、レストラン、フィットネス、スパ、屋内プール、チャペル、ライブラリー・ラウンジ、宴会場、会議室などを設置する予定。
ライフスタイルブランド「キャノピーby ヒルトン」は日本初進出。「キャノピーby ヒルトン大阪梅田」は、北街区賃貸棟の10~25階に位置し、客室は32㎡を中心とする308室で構成。ラウンジ、フィットネス、会議室を設置予定。開業は2024年度上期の予定。
USホテルは南街区賃貸棟・東棟の5~28階に位置し、客室は23 ㎡を中心とする482室で、レストラン、バー、フィットネスを設置予定。2024年度下期の開業を目指す。
同日、ヒルトン大阪で行われた記者発表会には三菱地所執行役常務・木村透氏、オリックス不動産専務執行役員・高橋豊典氏、ヒルトン 日本・韓国・ミクロネシア地区代表・ティモシー・ソーパー氏が出席し、ヒルトン取締役社長兼最高経営責任者・クリストファJ.ナセッタ氏、 大阪府知事・吉村洋文氏、大阪市長・松井一郎氏などのビデオメッセージも披露された。
「うめきた2期」の玄関口には現在のJRの「大阪駅」と直結する新駅が2023年に開業し、2025年4月から10月まで、「大阪・関西万博」が大阪市で開催されることから、関係者はホテルの開業に大きな期待を寄せた。
ティモシー・ソーパー氏は、記者団からの「大阪のホテルは供給過多ではないか」という質問に対し、「供給過剰では全くない。それぞれが共存できる。ホテル市場は224年には回復に向かい、2030年までに訪日外国人6,000万人という政府の目標は達成できる。ファンダメンタルが伸びるのは間違いない」と否定的な見解を示した。
左から木村氏、ティモシー・ソーパー氏、高橋氏
「USホテル」完成予想図(提供:うめきた2期地区開発事業者)
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記者は発表会の前日、東京建物が分譲中の「Four Seasons Hotel」との複合「Brillia Tower堂島(ONE DOJIMA PROJECT)」(463戸、うち一般分譲対象外住戸53戸含む)を取材した。第1期130戸は、これまでの市内の最高坪単価400万円をはるかに超える坪650万円だったにも関わらず平均4.2倍の競争倍率で即日完売した。
「うめきた2期」の立地条件は「堂島」をはるかに超える。発表会で分譲棟について何らかのメッセージが発せられるのではないかと期待したが、まったくなかった。「堂島」の記事は稿を改めて紹介する。
開発現場
丸の内で森林浴ができる「♯チル休み」 三菱地所など11/26まで新丸ビルで実施
「CHILL CUBE(チルキューブ)」イメージ(実物のブースの外は本物の観葉植物)
合同会社Endian、テレキューブサービス、三菱地所の3社は11月22日(月)~11月26日(金)、毎日忙しく働くビジネスパーソン向けにワークブースではなく休憩専用ブース「CHILL CUBE(チルキューブ)」を東京・新丸ビル地下1階に設置する。
「CHILL CUBE(チルキューブ)」は、仕事の合間にほっと一息「チルする」=「♯チル休み」する習慣を身につければ仕事の生産性も上がるのではないかというEndianが展開するリラクゼーションドリンクブランド「CHILL OUT(チルアウト)」の想いから企画されたもので、これに賛同したテレキューブサービスと三菱地所がコラボし、「勤労感謝の日」を含めて期間設定した。
Endianは「CHILL OUT」の提供のほか軽井沢の森林浴を楽しんでいるような気分に浸れる演出を行い、テレキューブサービスと三菱地所は休憩ブースのほか自主学習など新しい用途の可能性なども今後検討するとしている。
ブースの寸法は、幅2254ミリ×奥行1067ミリ×高さ2009ミリ。ブース内は軽井沢ゆかりのシダ・コケ類、クレマチスなどのフェイクの植物が壁全面に貼られており、コブシの香りとコオロギなどの虫の声が聞こえ、明かりを消すと星空が浮かび上がり月光浴に耽っているような仕掛けが施されている。
11月22日行われたメディア向け取材会でEndian共同代表職務執行者・渡邉憲氏は開口一番「地球と人からストレスをなくしたい。わが国のビジネスパーソンは働き過ぎ。パフォーマンスを上げるには休憩の重要性が指摘されている」と語った。
三菱地所営業企画部・岡本拓仁氏は「多様な用途への可能性を探り、28万人が就業している丸の内エリアのビルと街の価値向上につなげたい」と話した。
テレキューブサービス代表取締役社長・小山田佳裕氏は「ターゲットはストレッシブルな30代から40代の仕事で忙しい人。一息付けるオフの提案を行うことで設置個所を現在の200台から500台、1,000台へ普及させたい」と抱負を述べた。
実施するのは2021年11月22日(月)~11月26日(金)、11:00~19:00 (体験時間は20分間)。新丸ビルB1F 個室型ワークブース「テレキューブ」(千代田区丸の内1丁目5−1)。
人気は高く、すでに空きは6枠のみという。期間中体験した人限定のプレゼントキャンペーンを開催。「#オフィスで森林浴はじめました 」を付けてCHILL CUBEをSNS 投稿すると、その場でCHILLOUT6缶BOXがプレゼントされる。CHILL OUTはAI が開発したオリジナルのリラクゼーションフレーバーを採用している。値段は185ml缶で199円(税込)。
予約サイト:https://reserva.be/chillcube2021
森林浴イメージ
左から岡本氏、渡邊氏、小山田氏
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2年くらい前か、「テレキューブ」なるものを駅構内などで見かけるようになったのは。どのような人が利用するのか不思議でならなかった。
各氏の話を聞いて、働き盛りの人が利用するのはよくわかった。料金は個人会員で275円/15分だから、1時間で1,100円。空間を独り占めできるからこんなものか。軽井沢の森林浴は文句なしにいい。記者はずっと前からマンションに採用したらヒットすると思っていた。いろんなシーンが提案できる。天国だって地獄だって可能だろう。
よく分からないのは、今回はストレスを発散するための企画ということだ。30分、1時間、フェイクの植物だらけのブースに入って仕事のストレスが消えるものなのか。ストレスを強いる経営の問題だろうが、ビジネスパーソンのストレスなんて所詮はその程度のものなのか。もっと深刻な生き死にの問題を抱えているのではないのか。
三菱地所の岡本氏には意地悪な質問もぶつけた。同社の本社ビルには仮眠室も休憩室も、確かシャワー室もあった。わざわざお金を払ってまでそのようなブースに入る価値はあるのか、ブースに入って休憩する時間は勤務時間に含まれるのかどうかと。
岡本氏は何のためらいもなく「当社の就業規則では休憩は勤務時間に含まれない。私は休憩申請をして利用したい」と答えた。
記者は、出社しているときも自宅でもだいたい1時間くらい記事を書いて、息継ぎのためのタバコを吸う。時間にして3~4分くらいか。8時間労働として約30分だ。会社にタバコ休憩を申請したことなどない。タバコを吸いながら記事の推敲を行っており、これも仕事のうちだと思う。ビールやワインを飲むこともあるが、一杯飲んだからといって仕事に支障をきたすことはない。多くの人が甘いお菓子などを食べながら仕事をするのと一緒だ。
取材・記事のことが気になって飛び起きたり、一睡もしなかったりすることも少なくない。だからといって〝これは仕事〟などと申請するほど厚かましくない。
「CHILL OUT(チルアウト)」
タカラレーベン東北 医療従事者応援 私募債発行・贈呈式
タカラレーベン東北代表取締役・原忠行氏(左)と社会医療法人明和会 中通総合病院院長・奥山慎氏
タカラレーベンのグループ会社・タカラレーベン東北は11月19日、「<あきぎん>医療従事者応援私募債」寄贈式を11月12日に行い、秋田銀行を通じて医療法人明和会 中通総合病院に贈呈したと発表した。
同私募債は、新型コロナウイルス感染症対策に取り組んでいる医療従事者を応援するのが目的に2021年6月、秋田銀行が取り扱いを開始。私募債を発行する顧客から受け取る手数料の一部(発行額の0.2%相当額)を医療関連機関に寄付するもの。
同行は2021年9月24日、発行額50百万円(期間3年)の同社私募債を第一号案件として受託。今回の寄贈式となった。
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どこかで名前を聞いたことがあるような気がしたので検索した。原忠行氏は、10年前に取材したタカラレーベン「レーベンリヴァーレ南大沢」の担当者(当時、同社第1営業部部長)だった。間違いなく同社の〝エース〟(野球じゃなく本業の)になると思ったものだ。
アキュラホーム コロナで職を奪われた新卒採用 100名追加決定
アキュラホームは11月19日、新型コロナなど経済的な理由で高校、専門学校、短大、大学を中途退学せざるを得なくなった、あるいは企業側の事情により内定取り消しや入社辞退に追い込まれた生徒・学生を対象に、追加で100 名を特別採用することを決定したと発表した。
同社は、「コロナ禍以降、新卒者の採用活動を縮小、中止している企業が4 割近く存在」するとし、「当社は2020年の1度目の宣言以降、16か月連続で昨年の販売実績を上回り、業績が堅調に推移していること、今後のさらなる事業領域の拡大を見据え、就職の機会をコロナによって奪われた人材を積極的に採用する」としている。
大学の中退を余儀なくされた学生は大卒程度の給与条件、短大や専門学校の中退を余儀なくされた学生は、短大・専門学校卒程度の給与条件で採用するほか、職務経験のない中退者は「新卒」で採用する。この支援は在留外国人などの多国籍人材にも適用する。
東京オリンピック・パラリンピック選手村裁判 12月23日に判決
東京2020オリンピック・パラリンピック選手村となった用地を東京都が事業者に公示地価の10分の1の価格で売却したことの是非を問う裁判【事件番号 平成29年(行ウ)第388号】の判決が12月23日(木)15:00、東京地裁103号法廷で言い渡されることが決まった。2021年8月31日に結審していた。
現在、「HARUMI FLAG」では、「SUN VILLAGE第一工区」1,089戸(A棟102戸、B棟277戸、C棟236戸、D棟130戸、E棟150戸、F棟194戸)の第1期465戸(価格:4,990万〜22,920万円、専有面積61.06~116.58㎡)と、「SEA VILLAGE」686戸(A棟179戸、B棟78戸、C棟78戸、D棟177戸、E棟174戸)の第2期166戸(価格:7,530万〜17,590万円、専有面積85.37~123.01㎡)の登録申し込みが行われており、抽選日は11月22日。
選手村裁判 不可解な調査報告書は2つ&掘削工事の事実ない 原告の準備書面(2021/9/19)
選手村裁判が結審 「HARUMI FLAG」利益は消費者(購入者)に還元すべき(2021/9/9)
三菱地所 「第20回キラキラっとアートコンクール優秀賞作品展」開催
私の顔
三菱地所は11月19日(金)から来年2月にかけて、全国9会場で「第20回キラキラっとアートコンクール優秀賞作品展」を開催する。
同コンクールは、障がい者アートライブラリー アートビリティの協力を得て、2002年から実施しているもので、現在、歴代応募者の中からアートビリティの登録作家として27名が活躍している。
今回は、全応募作品1,147作品(38都道府県)の中から選ばれた優秀賞50作品を札幌から福岡まで全国9会場で展示する。日程は次の通り。
【横浜 ランドマークプラザ3階】2021年11月19日(金)~11月21日(日)11:00~18:00 横浜市西区みなとみらい2-2-1
【大阪OAPタワー1階エントランス】2021年12月3日(金)~12月5日(日)10:00~18:00 大阪市北区天満橋1-8-30
【札幌 マルヤマクラス2階イベントスペース】2021年12月10日(金)~12月12日(日)10:00~20:00 札幌市中央区南1条西27丁目1-1
【仙台 泉パークタウン タピオ 南館1階センターコート】2022年1月8日(土)~1月10日(月祝)10:00~20:00 仙台市泉区寺岡6-5-1
【東京 丸ビル1階マルキューブ】2022年1月21日(金)~1月23日(日)11:00~19:00 千代田区丸の内2-4-1
【広島 ひろしま美術館 地下1階講堂 】2022年1月28日(金)~1月30 日(日)9:00~17:00 広島市中区基町3-2
【高松 高松空港2 階国内線出発ロビー】2022年2月2日(水)~2月7日(月)10:00~18:00 高松市香南町岡1312-7
【福岡MARK IS 福岡ももち2階ももステ】2022年2月11日(金祝)~2 月13日(日)10:00~21:00 福岡市中央区地行浜2-2-1
【名古屋 大名古屋ビルヂング 地下1階アトリウム】2022年2月18日(金)~2月20日(日)11:00~21:00 名古屋市中村区名駅3-28-12
夢の中のまち
わらうといいよ。
試合前
元気なかなへび
審査風景