タカラレーベン ホテル事業に参入 第一弾「HOTEL THE LEBEN OSAKA」来春開業
「HOTEL THE LEBEN OSAKA」
タカラレーベンは11月4日、ホテルブランド「HOTEL THE LEBEN」を立ち上げ、ホテル運営事業に参入すると発表。2022年に迎える創業50周年記念として第一弾「HOTEL THE LEBEN OSAKA」を2022年3月に開業する。レーベンホテルズを設立した。
コンセプト・ビジョンは「幸せを考える。幸せをつくる。」華美でなく、奇をてらわず、誰もが手に入れることができることを目指した、 何気ない「くつろぎ」を実現するとしている。
「HOTEL THE LEBEN OSAKA」は、大阪市中央区南船場2丁目に位置する鉄骨造地下1階地上15階建て107室。
千葉NTの分譲戸建て全274戸が完売 大和地所レジデンス
「ヴェレーナガーデン千葉ニュータウン中央」
大和地所レジデンスは11月4日、千葉ニュータウンの戸建て住宅「ヴェレーナガーデン千葉ニュータウン中央」全274戸が販売開始の2016年12月以来4年9カ月で完売したと発表した。
開発総面積6万㎡超、総区画数274区画の建ぺい率50%、容積率100%の分譲戸建てで、販売開始は2016年12月。ユーロデザインの街並みに、大型公園、共用棟(カーサユニオン)、歩行者専用道路(グリーンプロムナード)を設置。
購入者の居住地はⅠ街区が印西市34%、印西市以外の千葉県31%、東京都21%、Ⅱ街区が印西市28%、印西市以外の千葉県29%、東京都28%。敷地面積170.10~314.62㎡(51.5坪~95.3坪)、建物面積100.81~147.14㎡(30.5坪~44.5坪)、販売価格3,400万円台~5,300万円台。総来場数は1,645件(Ⅰ街区:844件、Ⅱ街区:801件)。
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この住宅地は2~3度、見学している。今回のプレス・リリースでは4年9か月で完売とあるが、実質的には3年で完売となっているはずだ。
大和地所レジデンス 千葉NT中央でユーロデザインの戸建て全275区画分譲へ(2016/11/2)
スマホ一つで住設機器・家電など操作・ 管理 三菱地所 スマートホームサービス開始
「ザ・パークハビオ 麻布十番」
三菱地所は11月4日、スマホ一つで住設機器・家電などのIoT機器をまとめて操作・ 管理できる総合スマートホームサービス「HOMETACT(ホームタクト)」を開発し、2021年11月5日から入居を開始する三菱地所レジデンスの賃貸マンション「ザ・パークハビオ 麻布十番」(106戸)へ導入すると発表した。同日、メディア向け発表会・見学会を行った。
「HOMETACT」は、集合住宅のエントランス解錠や玄関ドアの施解錠、居室内照明・空調・ロボット掃除機などの遠隔操作が特定のブランドやメーカーに依存しなくても可能なだけでなく、住空間に居ながらスマートスピーカーによる音声操作で複数メーカーのIoT機器を横断的かつ一括制御できるのが特徴。
開発に至った背景について、同社は①メーカーごとに機能やアプリが細分化されており、統合的なサービスがない②設置・設定が難しい上に、利用開始までのフローがユーザー任せになってしまっている③アフターケアやトラブル時の緊急対応などエンドユーザーをサポートする機能が充実していないなどわが国の後進性(導入障壁)を挙げ、これらの問題を一挙に解決し、2030年には現在の10倍の市場規模に成長すると予測されるスマートホームの〝旗振り役〟を果たすべく総力を結集して開発したと説明した。
同社は今後、順次「ザ・パークハビオ」シリーズに導入するほか、HOMETACTの標準仕様化や分譲マンションへの導入を目指し、将来的には他社デベロッパーや賃貸管理会社へのシステム提供も視野に入れているという。宅配サービス、ベビーシッター、家事代行、買い物代行など「家ナカサービス」にも広げることが可能となる。
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前段は、ほとんどプレス・リリースをコピペしたものだ。スマホは、頼みもしないのに勝手に映し出されるニュースを観ることはあるが、使い方がよく分からないので電話・メール機能くらいしか利用しない記者にとって〝猫に小判〟だし、〝アプリ〟なるものが何者なのかよく分からないからだ。
液晶画面に向かって指をせわしなく走らせ、叩いたり凝視したりしている人たちを観ると、狂っているのは小生ではなく、世の中だとつくづく思う。
しかし、今回の同社の開発に掛けた熱意だけはよく伝わってきた。発表会に臨んだ同社住宅業務企画部長・細谷惣一郎氏と同部主事・橘嘉宏氏は、世界から「ガラパゴス」などと揶揄されるわが国の後進性を指摘したうえで、マスク越しなのでくぐもってはいたが、「総力を挙げた」「画期的」「新規ビジネス」「デベロッパーの役割」「日本メーカーを束ねる」「導入の前例は少ない」「自由自在」「指揮する」「旗振り」などの魅惑的な言葉が湯水のようにほとばしり出た。記者はあんぐりと口を開けることもできず、聞き入るほかなかった。
「HOMETACT」の開発には二けたのスタッフが関わっており、アメリカのIoTプラットホーム会社の技術とわが国メーカーをつなぎ合わせるため東奔西走し、通常なら2~3年かかるのにわずか1年で実用化にこぎつけたという。
新型コロナが猛威を振るっていた時期と重なることを想像すると、「総力を結集した」という言葉の重みがズンと胸を衝いた。
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マンションモデルルームではデモンストレーションも行われた。この種の取材はこれまで何回もあるが、それぞれ製造したメーカーの機器・サービスしか使えず、汎用性がないのは欠点・致命的だとずっと思ってきた。質問してもまともに答えたメーカーはない。それを解決した今回のスマートホームは「画期的」なのだろう。
ただ、ロボットに話しかけることだけは全く理解できない。記者は〝OK Google〟に直接年齢と性別を聞いたことがある。確か「申年」と答えたので5歳の女の子だと思う。そんなロボットに〝行ってきます〟〝ただいま〟と話し掛け〝行ってらっしゃい〟〝お帰りなさい〟と返されて、どこが楽しいのか、侘しくないか。
起床の効果を狙うなら、在籍する会社の社長の声に勝るものはない。〝〇〇くん、朝だよ〟と呼び掛けられたら飛び起きるはずだし、起こされる前に目が覚めるのは間違いない。寝る前は、捨てられた女性がいい。耳元で〝〇〇さん、おやすみなさい〟と囁かれたたら、絶対朝まで眠れなくなる。
デモンストレーション
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記者が驚いたのは他にもある。三菱地所レジデンスの賃貸マンション事業「パークハビオ」は2004年の第一号から2021年9月末までの供給実績は94棟7,741戸に上るということだった。同業他社では三井不動産や東京建物の実績も凄いが、よくぞここまで積み上げてきたものだ。
「目指すは企業価値の向上」タカラレーベン・髙荒美香氏 女性活躍の視点から注目
髙荒氏
企業価値の向上-タカラレーベンは今年4月1日付で従来の機能別組織体制を事業別組織体制へ変更し、新たに事業開発推進室を設置し、室長には同社取締役兼執行役員の髙荒美香氏が就任した。髙荒氏は、「中長期的な視点に立ち、マンション購入者のほか社員とその家族、株主などすべてのステークホルダーの『幸せ』を追求し、企業価値を向上させるのが私のミッション」と語った。
同社の組織改編の目的は、1972年9月に板橋区に「宝工務店」を設立してから来年で創業50周年を迎えるにあたり、次の50年、100年先を志向した組織体制を構築するため。従来の営業本部・開発本部・建築本部・投資開発本部・総合企画本部の5本部体制から、4月1日付でマンション事業本部・投資開発事業本部・エネルギー事業部・管理本部・事業開発推進室・経営企画本部の6事業本部体制へ移行した。
髙荒氏にインタビューを申し込んだのは、これまでマンション営業本部副本部長として活躍されてきた同氏が何を語るかに興味があったからだ。
髙荒氏の答えは簡潔明瞭。「企業価値の向上」だった。部署が新設されてからまだ半年しか経過していないが、「これまでマンションの営業、広告、インテリアなどを手掛けてきた経験を生かし、各部署とのつなぎ役としてブランディング、グッドデザイン賞の獲得など社会的評価を向上させるクリエイティブな提案をしていく」と語った。
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答えは想定内だった。ひょっとしたら新規事業を立ち上げるのかもしれないと思ったが、それも含めて検討しているようだ。
当面は、グッドデザイン賞の獲得を目指し積極的に動くようだ。同社が同賞を受賞したのは2013年の太陽光発電「ソラパワ」が初で、その後2021年までに19件受賞しているが、全て髙荒氏が関わったものだ。2021年の「レーベン検見川浜GRANVARDI」もその一つだ。この物件は記者も取材している。大激戦の総武線・京葉線の中で圧倒的な売れ行きを示した物件で、モデルルームデザインが秀逸だった。
記者は、髙荒氏こそが同社のマンション商品企画とブランディング、広告・インテリアを一変させた最大の功労者だと思っている。その軌跡を読者の方にもたどっていただきたく、関連する記事を添付した。ぜひ読んでいただきたい。
最初にお会いしたのは10年前の驚天動地、疾風怒濤の「非日常」を演出した「レーベンリヴァーレシュアレジデンス駒込」(記事は「ディプティエレメンツproject(仮称)」)だった。
これを「髙荒モデル」とするなら、あれから10年、同社のすべてのマンションがそうなった。インテリアだけでなくパンフレットに英語(アルファベッド)を取り込んでデザイン化したのも同社だ。
記者はそのデザイン力、情報発信力の凄さや髙荒氏のファション・身なりなどから「女性活躍」の旗手としての期待を込め〝業界のレディ・ガガ〟と紹介した。アクセスが殺到した。髙荒氏関連の記事は全て3~4千件に達している。
その後「女性活躍」では、野村不動産・宇佐美直子氏、コスモスイニシア・岡村さゆり氏、フージャースコーポ・友野珠江氏、東京建物の女性社員からなるプロジェクト「Bloomoi(ブルーモワ)」、サンケイビル・佐々木ゆかり氏、積水ハウス・河崎由美子氏などを紹介したが、これらの記事も全て数千件の反響があった。
それだけ「女性活躍」は関心が高いからだろうが、記者はこの言葉にずっと腑に落ちないものを感じている。なぜか。「女性活躍」に続く動詞は自動詞の「する」なのか、それとも助動詞の「させる」なのか。自動詞なら女性自身が自らを叱咤激励する意味で「活躍する」「活躍しろ」という用法もあるだろうが、どちらかといえば男性の側からの「活躍させない」「活躍させろ」などという用法が圧倒的に多いのではないか。
これは、男性社会だから当然といえば当然だが、女性の側から見れば、「活躍する」「活躍しない」は自分の勝手で、十分活躍している女性にとっては「活躍しろ」などと言われるのは大きなお世話で、男性に向かって言いたい言葉ではないか。
「女性活躍」を「男性活躍」に置き換えればよく分かる。男性も必ずしも活躍できる社会・職場環境ではないが、多くの男性は〝これ以上働けというのか〟〝俺は十分活躍している〟などと怒り出すのではないか。
記者のように「女性活躍」に違和感を覚える人はいるようだ。ネットで調べた。すぐ「女性活躍と聞いたとたん、気持ち悪いって思う。その前は『女性が輝く』だったでしょう。こちらも気持ち悪い。女性を男性に置き換えてみるとわかる。『男性活躍』『男性が輝く社会』って言葉って、どうか。気持ち悪いでしょう」(MASHING UP Equality 2020/6/29)という発言がヒットした。社会学者の上野千鶴子氏だ。「女性活躍」「男性活躍」とも気持ち悪いと感じる女性は少なくないようだ。
ではどのような言葉が適当か。記者は、今も昔も女性は活躍しているのだから、改めなければならないのは男女差別・格差だと考える。「機会均等」「共同参画」というのも何だか変だ。ストレートに「(女性との)差別をやめよ」といえばいい。さらに言うならば「(女性に対して)虚勢を張るな」「(女性に)負けるな」「それでも男か」という言葉がぴったりのような気がする。
しかし、かくいう記者も女性蔑視の考えが身に染みている。戒めているつもりでもそれは行動や言葉に現れる。
髙荒氏のインタビューでも出た。記者は「ある女性が役員になった途端老けた」と喋ってしまった。髙荒氏はすぐ反応した。「そうでしょ。男性は老けても〝貫禄がついた〟と言われるのに、女性はそれが許されない。あなたたちの年齢の男性はいつまでも吉永小百合さんを追い求めるし、もう少し低い年代の男性は黒木瞳さんを理想形にする」と。
これには返す言葉がなかったのだが、「失敗しない女? 誰でしたっけ。彼女は好かれているんじゃないですか」と聞いたら、「米倉涼子? あれだと相当嫌われてしまいますよ」と言い返された。「…」
脱線ついでだ。記者は髙荒氏が担当した最初の「巣鴨」を取材したとき、〝若い女性に同社初の高額マンションのモデルルームを任せていいのか、村山さんも島田さんもよくぞ認めたものだ〟と正直思った。
これは誤っていたら謝るほかないのだが、記者の見立て。例えが適当かどうか分からないが、髙荒氏は野球の投手で言えば、剛速球できりきり舞いさせるタイプではない。足りないストレートの力を補う変化球やブラッシングボールを交え、丹念にコーナーに投げ分けるタイプだ。柔道なら寝技に持ち込み、相手が〝参った〟というまでぐいぐいと締め上げるのではなくて、相手の力を利用し鋭い切れ味で投げ飛ばすタイプだ。
柔よく剛を制す-こんな言葉がぴったりだ。記者は髙荒氏にぜひとも男社会の縦社会の同社の組織に横串を刺していただきたい。試されるのは全ての社員だし、島田社長の舵取りだ。危険球をよけ切れず昏倒するのか、受けを間違い骨の一つや二つを折るのか。成否は全てのデベロッパーにも影響を及ぼすはずだ。それくらい今回の同社の機構改革・人事異動の意味は大きいと思う。3年後くらいにまた取材したい。
髙荒氏は2000年1月、同社入社。2014年4月、同社営業本部営業統括グループ長兼営業推進部長兼営業企画室長。2015年4月、同社執行役員 営業本部 営業統括グループ統括部長兼営業推進部長兼業務部長、2016年6月、同社取締役兼執行役員営業本部 営業統括グループ統括部長兼営業推進部長 兼 業務部長、2018年4月、同社取締役兼執行役員 営業本部 営業統括グループ統括部長を歴任 。2021年4月、同社取締役兼執行役員 事業開発推進室室長兼事業開発推進部部長に就任。
「女性活躍」は待ったなし コスモスイニシア執行役員・岡村さゆり氏に聞く(2015/8/27)
〝幸せ(人間愛)〟のさらなる追求に期待 積水ハウス がわが国初の「幸せ」研究所(2018/7/27)
女性役員の〝こだわり〟盛り込む サンケイビル「ルフォン柏 ザ・レジデンス」(2015/2/3)
「女性活躍」待ったなし 不動産業界の取り組み/野村不HD・宇佐美広報部長に聞く(2015/8/1)
東京建物 働く女性の「Bloomoi /ブルーモワ」に期待(2012/11/5)
元ベイ13勝の小林は登板不可? レディ・ガガの応援あるか タカラレーベン(2018/5/29)
「女性には体内マーケがある」〝業界のレディ・ガガ〟タカラレーベン髙荒氏(2018/2/22)
タカラレーベン コンパクトに参入 業界の革命児 髙荒美香氏がコーディネート(2018/1/13)
したたか タカラレーベン 日本最大級の「太陽光」に全192戸が100㎡以上「汐見台」(2014/1/16)
タカラレーベン新ブランド「THE LEBEN」第一弾「G/CLASSIC 山の手PJ」(2014/3/28)
タカラレーベン 小金井CCに隣接 「レーベンリヴァーレ サレムヴィスタ」(2012/2/24)
タカラレーベン 驚嘆の〝非日常〟を演出「浅草」(2011/8/16)
タカラレーベン「巣鴨」で同社初の高単価マンション(2011/2/7)
駅距離の起点を明文化 もっとも遠い住戸の時間表示も義務化 不動産公取協
不動産公正取引協議会連合会(不動産公取協)は10月27日、「不動産の表示に関する公正競争規約及び施行規則」の改正が10月22日に行われた同連合会の総会で承認されたと発表した。改正案は消費者庁と公正取引委員会の認定を経て概ね半年程度の周知期間を設けて施行される予定。
主な改正点は、物件から駅や商業施設等までの所要時間や道路距離を記載する場合は、建物の出入り口を起点とすることを明文化するとともに、販売戸数(区画数)が2以上の分譲物件においては、最も近い区画までの表示のみで可としていたが、最も遠い住戸(区画)までの所要時間等を併記することとすることを盛り込んだ。
また、物件の名称の使用基準について、物件から直線距離で300メートル以内の公園、庭園、旧跡その他の施設のほか、新たに海(海岸)、湖沼又は河川の使用が認められた。
改正点のうち、徒歩所要時間の表示は改正の内容を先取りして広告表示することは差支えないとしている。
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結構な改正だ。徒歩時間は80mを1分として計算し、起点となる駅は出入口(改札口ではない)というのはよく分かるが、マンション・分譲戸建てなどは物件エントランス・入口なのか、それとももっとも裏口なのかよく分からなかった。戸建ては言うまでもなく、マンションでも端から端までだと2~3分かかる物件も少なくない。駅からもっとも遠い住戸の徒歩時間を併記しなければならないのは、供給サイドにとっては大きな負担になるかもしれない。
物件名称を従来の公園、庭園、旧跡その他の施設のほか、新たに海(海岸)、湖沼又は河川の使用が認められたのも歓迎したい。「片瀬江ノ島海岸」「目黒川」「石神井川」「神田川」などを付したマンションが増えそうだ。
〝スカイツリーが目の前〟〝隅田川花火が見える〟〝富士山が眺望できる〟というのは不可なのか。〝富士山が眺望できる片瀬江ノ島海岸マンション〟(明和地所の分譲中のマンションがそうだ)などは最高ではないか。
さらに言えば、歴史的人物が住んでいたところやゆかりの店舗などをそのまま使用してもいいのではないかと思う。〝文豪がこよなく愛した神谷バーまで徒歩5分のマンション〟〝水上勉の邸宅跡地マンション〟(これは実際にある)などと付ければ飛ぶように売れるのではないか。〝西武ハウス 栗山巧の家〟だってある。
平均74㎡、競合物件意識した商品企画 マリモ・小田急不の駅前再開発「厚木」
「ファーストリンクレジデンス」
マリモと小田急不動産の市街地再開発マンション「ファーストリンクレジデンス」を見学した。小田急線厚木駅圏では15年ぶりのマンション供給で、競合するとみられる隣駅・海老名の物件を意識した価格の安さ(広さ)と仕様レベルが特徴だ。分譲開始は12月上旬。
物件は、小田急小田原線・JR相模線厚木駅から徒歩1分、海老名市河原口一丁目の厚木駅南地区第一種市街地再開発事業地内の近隣商業地域(建ぺい率70%、容積率300%)に位置する敷地面積約6,191㎡、14階建で全201戸(販売戸数193戸)。専有面積は58.53~87.47㎡、価格は未定だが、坪単価は200万円を切る可能性が高いと見た。設計・監理は長谷工コーポレーション。施工は長谷工・馬淵建設共同企業体。完成予定は2023年4月末日。
現地は、一戸建てや低層店舗などが混在していたエリアで、平成26年10月に準備組合が発足、令和元年6月、「厚木駅南地区市街地再開発組合」が認可された。両社は事業協力者として事業に参画している。 事業地内にはマンションのほか、商業棟、広場、ワーク・スペースラウンジなどが整備され、自走式駐車場は163台(うちマンション居住者用は144台)。
マンションは2棟構成で、南向きと東南向き。住戸プランは平均74㎡で、主な基本性能・設備仕様はリビング天井高2500~2600ミリ、直床、ディスポーザー、食洗機、ハンズフリー玄関キーなど。共用施設にゲストルーム、ラウンジなど。
販売を担当するマリモの販売事務所長・目崎真美氏は、「反響は約500件で順調に集客できています。仕事、家事、趣味、読書など目的によって間取りが変えられる当社独自の選べる『コモラボ』のほか、食洗機、ハンズフリー玄関ドアキーなどを装備しており、自走式駐車場もセールスポイントになるはずで、競合物件には負けません」と自信をみせている。
ゲストルーム
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記者は今年1月、「ポレスター昭和記念公園」168戸を見学しており、その商品企画レベルの高さに驚いた。分譲開始は昨年9月で、今年8月までに完売したというのも頷ける。
今回は、それを上回るのではないかと期待していたのだが、はっきり言えば、やや物足りなさを感じた。87㎡の角住戸のモデルルームは、6800ミリのワイドスパンで、1.5畳大ワークスペースの提案がよく、いかにもマリモらしいプランだ。
ところが、浴室ドアにはタオル掛けがなく、トイレはタンク付きで、洗濯機置き場には棚もついていなかった。どうしてか、目崎氏に聞いたら「設備仕様レベルはうちのほうが上」という答えが返ってきた。
なるほど。最近のマンション市場は、価格のみがウナギ上りで、中身はサンマのように細る一方だ。商品企画はどんどん退行している。競合物件に合わせる戦略もありか。200戸規模でゲストルームがついている物件は少ないはずだ。
競合物件の専有面積は平均70㎡で、食洗機はオプション、キッチン収納もソフトクローズ機能はついていないようだから、同社は1坪(3.3㎡)以上広くし、設備仕様レベルを競合物件に負けないようにし、しかもグロスは競合物件と同じくらいに設定して勝負する戦略だと読んだ。したがって、坪単価は競合物件の坪220万円より低い坪200万円を切る可能性もあると読んだ。
追記。マリモがこれまで埼玉県鴻巣市、神奈川県秦野市など全国で20か所の再開発事業実績と、今回の物件を含めて5つの再開発事業に関わっていることを知らなかった。首都圏では千葉市の案件も近く始動するという。千葉市の物件に期待しよう。
建設現場
現場近くの相模川
平均75㎡ レベル高いマリモ「昭和記念公園」4カ月で半分以上の90戸超成約済み(2021/1/13)
カット野菜冷蔵加工工場が稼働10 t/1日の生産可能 三井不動産「スマート農業事業」
加工工場
三井不動産と三井不動産ワールドファーム(MFWF)」は11月1日、日本の農業振興と近郊地域における雇用創出を目指す「持続可能なスマート農業事業」のカット野菜の冷蔵加工工場の稼働を2021年10月1日から茨城県筑西市で開始したと発表した。
総床面積約300坪の工場では、自社圃場で生産したキャベツの冷蔵・加工を行い、加工工場としては大規模となる最大10t/日の生産力を見込んでおり、生産加工の一気通貫が実現し、さらなる圃場の拡大も可能となり、三井不動産ベンチャー共創事業部が所管するCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)を通じて出資しているスタートアップなどのソリューションを導入。工場製品の品質・安全管理や生産性向上に努めていく。
工場内にはテレワークで使えるワークスペースも併設。多様な働き方に対応し、農業を基点とした多様なライフスタイルの実現の足掛かりとする。
MFWFは現在、茨城県筑西市と栃木県宇都宮市、栃木県芳賀町で計約20haの圃場(2021年10月現在)を運営しており、今回の工場の稼働により圃場の拡大に弾みをつけ、耕作放棄地問題にも取り組んでいくとしている。
工場内
コワーキングスペース(左)と執務スペース
2年待たずに全425戸完売 小田急不動産ほか「リーフィアレジデンス橋本」
「リーフィアレジデンス橋本」(今年6月写す)
小田急不動産、積水ハウス、神鋼不動産は11月1日、町田市橋本の大規模マンション「リーフィアレジデンス橋本」(425戸)を2019年12月に販売を開始して以来、2年を待たずに2021年10月までに完売したと発表した。累計問い合わせ数は約2,200件、来場者は約1,280件で、予定を前倒しして全戸を契約完売したとしている。竣工は2021年4月。
絶品「若狭ぐじゆず塩ラーメン」 福井美食フェア 11/1~11/30 首都圏76店舗
甘エビ(左)と若狭ぐじ
福井県と福井市は令和3年11月1日(月)~11月30日(火)、首都圏の飲食店76店舗で「福井美食フェア~#福井ご縁の店で味わう~」を開催する。初日の1日、新宿「バスあいのり3丁目テラス」で報道陣向けの試食会を行った
「福井美食フェア」は、福井県が誇るそばや越前がれい、若狭ぐじ、甘えび、ブランド米「いちほまれ」、新しく開発された酒米「さかほまれ」で作られた地酒など多様な福井県産食材の魅力をアピールするもの。この日、報道陣には「若狭ぐじゆず塩ラーメン」(950円)、「越前がれいフィッシュバーガー」(950円)、「甘えびシーフードカレー」(1,000円)、「甘エビユッケ丼」(1,100円)、「福井のそばガレットバニラアイス添え」(660円)、「さかほまれ地酒」(大吟醸1合1,000円)の小皿が振舞われた。
冒頭、同県農林水産部部長・池田禎孝氏は、「コロナ感染者が減り、都内で久々にイベントを開くことができてとても嬉しい。福井県には越前がにをはじめ海の幸、山の幸、ブランド米などがたくさんありも、特にお米は某ブランドよりおいしい。ソバも全国1位と評価されている。2024年春には北陸新幹線が敦賀まで延伸される。これまで福井県は美食をPRするのが不足していたが、今回のイベントを通じて魅力をアピールしたい」とあいさつした。
新宿「バスあいのり3丁目テラス」
「若狭ぐじゆず塩ラーメン」
左から「甘エビユッケ丼」「甘えびシーフードカレー」「越前がれいフィッシュバーガー」
◇ ◆ ◇
三重県出身の記者にとって、福井は近くて縁遠い県だ。三重も福井も学校の教科書では近畿圏に取り込まれている。しかし、文化圏では三重は県北の亀山・伊賀地方を除きどちらかといえば名古屋・東海圏だし、福井も「鯖街道」という言葉があるように京都の食文化と密接な関係があるが、富山、石川と共に北陸三県の文化圏を形成している。
どうしてこのように分断されているのか、違和感はないかと、関係者に聞いた。
やはり、それはあるようで福井県農林水産部流通販売課課長・吉澤真氏は、同県と中京圏を結ぶ「福井県名古屋事務所」を今年9月1日に開設したと話した。東京圏や名古屋圏へのPRを強化するようだ。
これはさておき、高校野球では三重代表は敦賀気比や福井商業に勝ったことがないので憎たらしいのだが、好きな作家の水上勉さんは福井県出身で、わが家の宗派は曹洞宗(永平寺)なので応援したい県ではある。
そして、「バスあいのり3丁目テラス」はオープン時のほか2、3度利用している。屋外のオープン形式なのでコロナ禍でも安心だし、何より低中木の樹木をふんだんに配したつくりがいいのでイベントを取材した。
試食会では、朝食を終えたばかりだったので、「若狭ぐじゆず塩ラーメン」と「福井のそばガレットバニラアイス添え」は頂いたが、あとは家に持って帰った。
「ラーメン」は絶品。オリジナル商品でフェアでしか食べられないものだった。スープがとてもおいしく、これまで食べたことのない和風味だ。レシピを聞いたら、ベースは若狭ぐじ、アサリのスープに醤油、塩、ユズ果汁を加えたもので、具には青のり、糸唐辛子、水菜が添えられている。
大吟醸は、辛口であるのは分かったが、量は雀の涙ほどもなく味わえるまでには至らなかった。お代わりするのも失礼かと思い自重した。
機会を改めて利用することにする。読者の皆さんにもお勧めだ。他県の料理もとてもおいしい
フェアのURL:https://cuisine-kingdom.com/fukuibishoku
イチョウ並木と緑道に隣接 徒歩10分圏に11公園 アンビシャス「府中武蔵野台」
「アンビシャス府中武蔵野台」
アンビシャスが竣工販売を開始した「アンビシャス府中武蔵野台」を見学した。駅から徒歩12分の全35戸で、京王線沿線の調布駅から府中駅まで物件の数にして十数物件、戸数にして1,000戸くらいが供給されている大激戦地で、坪単価250万円の安さと、他にはない住環境を〝売り〟に挑戦する。
物件は、京王線武蔵野台駅から徒歩12分、府中市押立町三丁目の第1種中高層住居専用地域に位置する6階建て全35戸。第1期(9戸)の専有面積は66.00~69.57㎡、価格は4,390万円~5,840万円、坪単価は250万円。竣工は10月29日。設計・監理は谷口建築企画一級建築士事務所。施工は菊池建設。
現地は、イチョウ並木が美しい白糸台通りと緑道に面した二方角地。徒歩10分圏内に大小11の公園があり、保育園・幼稚園、小・中学校、商業施設も近接。多摩川へは徒歩15分。
主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2400~2500ミリ、ホーローキッチンパネル、食洗機、浴室ボーダーフルミラー・調光LED照明など。
販売を担当する同社事業部兼営業推進部次長・鈴木好美氏は「反響は100件弱。大激戦のエリアですが、どこにも負けない自信があります。お客さんから『他のマンションと比べ、ものが違う』と仰っていただいています」と話している。
白糸台通り
エントランス
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住民自身がそう思っていないのに、商・住・工混在の街を「本当に住みやすい」と祭り上げ、根拠などまるでないのに〝マンションは駅から7分以内は買うな〟と売らんがための本を出版しようと勝手だが、それに対して異を唱えるのも記者の勝手だ。雨垂れ石を穿つ-そんな流言飛語が通用しなくなるまで小生は徹底して批判し続けるつもりだ。
なぜか。私事だが、バブルが発生する前、上の子どもが小学校1年生、下が1歳のときだ。賃貸住宅が手狭になったので、都内の郊外マンションを〝購入〟した。かなりの倍率だった。建物が完成し、内覧会も済ませ鍵ももらった。
入居まで1か月の夜中。いつものように酒を飲んでいた。突然上の子が起きだし〝お父さん、友だちと別れるのは嫌だ〟と泣きじゃくった。夢でも見たのだろうと思ったが、これには堪えた。購入をキャンセルした。もちろん手付金も放棄した。
あのときの選択が正しかったのかどうかよく分からないが、子どもの通学のことを最優先に考えるのはどこの家庭でもそうではないか。多摩センターを選択したのも、歩車が完全に分離されており、学校の行き帰りに交通事故に遭う心配が全くなく、緑環境が素晴らしいのを知っていたからだ。
さて、今回の「武蔵野台」。現地は、これまで何度か取材しているのでよく知っていた。駅から少し坂はあるが、白糸台通りの道幅・歩道は広く、樹齢数十年のカエデ、イチヨウ並木が延々と続いている。
現地は、その美しいイチョウ並木と緑道に面した角地だった。販売担当の鈴木氏と通学区である小学校と中学校方面に向かって歩いた。ここにも素晴らしいケヤキ、ヤマモモ(雄株か雌株か不明)、コブシ、その他の高木が植わっており、舗道はインターロッキング舗装。車は少なく、信号は1、2か所あっただろうか。真夏でも木陰の中を通って通学できるはずだ。畑もあった。子育て環境はこれ以上望めないほど整っていた。徒歩10分圏に大小11の公園があるのにはさすがに驚いた。多摩川にも徒歩15分だ。
いまマンション業界は「駅近」「賑わい」の〝カエル(買える)〟の大合唱だ。デベロッパーはどこも都心への交通便、生活利便施設の充実度を物件広告でアピールする。同社も今回「行政サービス水準総合1位」、隣接他市との比較において「公園数1位」「保育園数1位」「図書館数1位」「病院数1位」などと謳っている。
これはこれで必要なことだと思うが、マンション選好基準にもう一つ「緑被率」「みどり率」(緑環境)を加えていただきたい。「みどり率」とは、地域全体に占める緑が地表を覆う部分に公園区域・水面を加えた面積割合のことで、東京都全体では52.5%で、区部に限ると24.2%だ。府中市のみどり率は39.8%(多摩市は53.9%)と高い数値を示している。
冒頭に書いた「本当に住みやすい街」ナンバーワンの街の緑被率は13.8%だ。1人当たりの公園面積は3.2㎡で、府中市の7.1㎡(多摩市は16.2㎡)の半分以下だ。「緑被率」「みどり率」の視点からみれば最悪の街ということになる。つまり、ものごとは裏返して観ることが必要で、メディアが無批判にこの種のフェイクニュースを鵜呑みにするのは自殺行為だ。
かなり脱線した。「武蔵野台」の話に戻す。基本性能・住戸プランは、当然でもあるが、全部で7タイプあるうち角住戸の4タイプが優れている。68㎡のEタイプはワイドスパンで7面採光、69㎡のFタイプは8面採光だ。
共用部では、エントランスラウンジの坪庭付き群青色デザインタイル、エレベータ基内の布張りが印象的だ。
敷地南側前方に走っている中央自動車道の騒音が心配だったが、防音壁があるためか、窓を開けても気になるほどでもなく、窓を閉めれば全く聞こえない。住戸によっては富士山も展望できるという。
冒頭にも書いたが、成否のカギを握るのは買えない・買います・買う・買うとき・買えば・買えのカエルの大合唱に抗して、「緑被率」「みどり率」(緑環境)の価値をどれだけユーザーに訴えられるかだろう。
現地近くの緑道
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