1月時点との差くっきり 20歳未満が2割近くに 直近1週間の都のコロナ感染者
東京都の新型コロナ感染者に占める年少者の割合が激増していることはこれまでも指摘してきたが、直近の9月5日から11日までの1週間の感染者10,474人と1月17日から23日までの1週間の感染者9,099人の年代別感染者数・比率を比較してみた。
20歳未満の感染者と全体に占める割合は、直近1週間は1,981人で18.9%に達しているのに対し、1月時点の感染者は763人で8.4%だった。10ポイント以上も上昇している。
一方、ワクチン接種が進んでいる70歳以上の感染者は、1月では1,380人、15.0%だったのが、直近1週間は496人、4.7%となっている。60代も直近1週間の感染者は1月よりほぼ半減し、比率も1月の9.0%から4.3%へ減少している。
感染者がもっとも多い20代の直近の感染者は1月より人数も比率も増加しているほか、30代も同様の傾向を示している。
20歳未満・高齢者の比率増加20代は減少 グラフで見る東京都のコロナ感染者(2021/9/4)
ひっ迫の度合い強める中古マンション・戸建て市場 東日本レインズ 8月の動向
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は9月10日、首都圏の2021年8月度の不動産流通市場の動向を発表した。中古マンション、中古戸建ても新規登録、在庫が減少し、価格は上昇傾向を示す一方で、土地面積、専有面積は縮小傾向にあるなど、市場はひっ迫の度合いを強めている。かつてのバブル発生時は中古市場が新築市場をけん引したが、今回は双方が影響を与え合う様相を呈してきた。
中古マンション 新規登録、在庫減少し成約単価は16か月連続上昇
中古マンションの成約件数は前年比で14.3%減となり、7月に続いて前年同月を下回った。成約㎡単価は前年比7.9%上昇し20年5月から16か月連続、成約価格は同3.5%上昇し、20年6月から15か月連続で前年同月を上回った。専有面積は同4.1%縮小した。
新規登録件数は前年比12.4%減の12,319件で、在庫は同19.0%減の34,594戸となっている。
地域別では、成約件数は7月に続いてすべての地域が前年比で減少し、東京都区部と多摩は3か月連続、他の地域は7月に続いて前年同月を下回った。成約㎡単価はすべての地域が前年比で上昇し、東京都区部は16か月連続、横浜・川崎市と埼玉県は15か月連続、千葉県は13か月連続で前年同月を上回った。
中古戸建て 新規登録21%、在庫31%減 価格は10か月連続上昇
中古戸建ての成約件数は前年比で9.9%減少し、20年6月以来14か月ぶりに前年同月を下回った。成約価格は前年比で6.1%上昇し、10か月連続で前年同月を上回った。土地面積は前年比で6.2%縮小、建物面積は同1.4%縮小した。
新規登録件数は前年比20.6%減の3,689件で、在庫件数は同30.7%減の13,690件となっている。
地域別では、成約件数は東京都区部以外の地域が前年比で減少し、横浜・川崎市と埼玉県は13か月ぶり、神奈川県他は11か月ぶりに前年同月を下回った。成約価格は東京都区部以外の地域が前年比で上昇し、埼玉県は9か月連続、横浜・川崎市と千葉県は6か月連続で前年同月を上回った。
新築戸建ての成約件数は前年比34.7%減、成約価格は同4.3%減、新規登録は同38.3%減、在庫は同45.9%減となっている。
積水ハウス ウッド・アイアンショックの損失額は70億円 顧客に転嫁せず
積水ハウスの「ウッドショック」による損失額は2022年1月期第2四半期決算段階で50億円となり、「鋼材値上がり」(アイアンショック)による損失額20億円と合わせ70億円を顧客負担に転嫁せず、自社で負担したことが分かった。代表取締役社長執行役員兼CEO・仲井嘉浩氏が9月10日行われたオンラインによる経営計画説明会で明らかにした。
同社の2022年1月期第2四半期決算は、戸建て住宅や賃貸住宅事業が堅調に推移し、増収増益となり、通期でも3月4日に公表した業績予想を上方修正。通期で2円の増配も予想している。
「士」の矜持を見た 添え物のヒノキも本物 菊池建設のモデルハウス「檜の家」
「現代数寄屋『檜の家』」
別掲のナイスが9月18日にオープンする注文住宅モデルハウス「tvkハウジングプラザ横浜」とともに、隣接する同社グループ菊池建設のモデルハウス「現代数寄屋『檜の家』」を見学した。木造ファンの記者は「tvk横浜」にある50以上のモデルハウスのうちどこが好きかと聞かれたら、ここを真っ先に挙げる。モデルハウスは、木造2階建て延べ床面積約224㎡(68坪)。
宮大工・菊池安治が1955年に創業した同社ならではのモデルハウスだ。社寺・仏閣の工事事例が豊富な、その匠の技がいたるところに施されていた。
玄関
「広間茶室」
「群青の間」
外観-アプローチ-玄関は高級料亭そのもので、そのまま酒席に案内されるのではないかという錯覚を覚えた。
最初に案内されたのは、8帖の「広間茶室」と6帖の「群青の間」だった。見たとたん記者が育った昔の住宅がよみがえった。昔の住宅の欄間には贅を尽くした装飾が施され、その奢侈のほどが家の格にもなった。
今回の「檜の家」の欄間は端正な格子模様で奢侈に流れる嫌みは全くなく、見えないところに匠の技が注ぎ込まれていた。
説明を行ったのは同社代表取締役社長・松本敏氏で、わが国には天然針葉樹で建材に用いられるのは木曽ヒノキ、秋田スギ、青森ヒバの3種しかなく、「広間茶室」に使用されている化粧柱は伊勢神宮に用いられている木曽ヒノキそのものと松本社長は話した。
それだけではない。柱は樹齢300年、差し渡し1mもある巨木のうち、芯を外した部分を使用することで、柱の4面には板目がまったく出ない、分かりやすく言えばバームクーヘンのような切り口にはならないものを使用しているとのことだった。
柾目と板目の区別は記者もできるが、4面とも均一の表情になるのか説明はさっぱり理解できなかったので値段を聞いたら、松本社長は「市場には出回らないから値はつけられない。普通の柱との比較? これくらい(長押まで手を伸ばした)」と語った。
記者は、同社の「ハウジングプラザ松戸」モデルハウスに使用されていた古木の「神代欅」を見ているがそれと同じような希少なもののようだ。
その柱をしげしげと眺め、触ってみた。樹齢300年、築30年ものなら、記者のような醜い老人斑だらけになっておかしくないのに、木肌にはシミなど一つもなく、肌触りは例えていえば芳紀まさに十八か、あるいは鬼も十八番茶も出花というべきか、薄絹のようなきめの細かさだった。その美しさにほおずりしたくなったが、あの金メダルをかじって顰蹙を買った市長さんが目の前にちらつき思いとどまった。
この柱に舞い上がり、香気に酔った記者は、もう充分、早く帰って記事を書こうと決めたのだが、それだけでは済まなかった、次に紹介された「和厨・茶の間」にとどめを刺された。
主人(料理人)と家族、友人知人などが食を通じて語り合う空間デザインにほれ込んだ。目線を近づけるように「和厨」は「茶の間」より20cm下げ、床はケヤキのナグリ仕上げだった。
説明をした方は、まるで高級料亭のシェフかデパートの催事のトップセールスマンかと見まがうほどの巧みな話術でもってまくし立てた。記者は、どこかから借りてきた講釈師ではないかといぶかり、名刺交換をした。「菊池建設 取締役営業本部本部長・二瓶正裕」とあり、松本社長と同じ「一級建築士」だった。
松本氏や二瓶氏の凄いのは、口八丁手八丁の手練手管で客を丸め込むタイプとは真逆の本物の「士」であり、手抜きをしそうな添え物にまで細やかな気配りをしていることにもそれが現れていることだ。
添付した和食を擬した写真を見ていただきたい。住宅展示場は火気厳禁なので料理を作り、供することは不可能なので、削り節に似せたものは鉋屑であることはすぐわかった。和食料理の添え物としてよく利用されるヒノキも添えられていた。てっきりフェイクだろうと思ったが、本物だった。鉢物にはこれまた本物の杉の種子が使われており、鰹節もまたスーパーなどで売っているような安価な代物ではなく、最高級の土佐の鰹節だったし、玄関正面の飾り床にも本物のヒノキが飾られていた。
記者は、これまで何度もモデルルーム・モデルハウスのフェイクの観葉植物はやめよと書いてきた。フェイクはおもてなしの心の欠片もない、「画竜点睛を欠く」そのものだ。せっかくの立派な設備を台無しにする。菊池建設はそんな愚を犯していなかった。ここに匠のこだわり、矜持を見た。
ナイスは有線テレビ事業も行っている。「檜の家」の販促のテレビショッピングを立ち上げ、「茶室・群青の間」には松本社長を、「和厨・茶の間」には二瓶氏をそれぞれギャラなしの講釈師に起用して宣伝すれば、ジャパネットたかたも真っ青の売り上げを達成するのではないか。お二人には成果報酬としてストックオプション制度を導入すれば文句は言わないだろうし、費用も最小限に抑えられるではないか。
広縁-書院-広間茶室の床の間
左が築30年の和室柱、右が新しい木曽ヒノキの板
「和厨」のケヤキのナグリ床
菊池安治が開校した日本建築専門学校キャンパス(トイレは出たくなくなるほど気持ちがいい空間だ)
ナイス 46種の「木」を使用した注文住宅モデルハウス 「tvk横浜」にオープン
「tvkハウジングプラザ横浜」モデルハウス(予想図)
ナイスは9月18日、横浜の総合住宅展示場「tvkハウジングプラザ横浜」に木造一戸建注文住宅モデルハウスをオープンする。構造材だけでなく内外装の仕上げ材に「木」を多用しているのが特徴。オープン前の9月10日、報道陣向けの概要説明会を行い、隣接する同社グループの菊池建設のモデルハウス「現代数寄屋『檜の家』」とともに公開した。
モデルハウスは、コロナ禍における居住ニーズの多様化に対応するため、ワークスペースやスキップフロアのほか、内と外とをつなぐ広い土間スペースやロフト空間、ルーフバルコニーなどを設け、家族の時間をはぐくむ「おうち時間」を提案。
施工にあたっては、同社グループオリジナル金物工法「パワービルド工法」を採用。断熱材には地球にも人にも優しい木質繊維断熱材「ウッドファイバー」や全館空調システムを装備。構造材から断熱材、内外装材まで46種類の木を取り入れている。
概要説明会で同社上席執行役員 住宅事業本部本部長・原口洋一氏は、「注文住宅事業は創業70周年を機に『新創造』として位置づけ、変わらない価値をベースに適材適所の木づかいを推進し、事業の拡大を図っていく」と語った。
同社は昨年、創業70周年を迎えたのを機に、すてきナイスグループがナイスを吸収合併し、社名をナイスに変更。組織再編成と構造改革を実施。今年4月からは住宅事業本部は情報館事業部、マンション事業部、戸建分譲事業部、注文住宅事業部の4部制としてスタートさせた。
構造改革を実施したのに伴い、2015年に開業した「tvkハウジングプラザ横浜」内の土地なし顧客向けのモデルハウスは昨年5月に閉店したが、菊池建設のモデルハウスに隣接する区画が昨夏空いたために出店を申し込み抽選に当たり、衣替えしたモデルハウスの建設を進めてきたもの。
モデルハウスは、木造2階建て延べ床面積約288㎡。プロトタイプの坪単価は80~100万円。耐震性能は住宅性能表示の最高等級3、省エネ性能はZEH標準とし、LCCMやHEAT20のG2への対応が可能。
土間
2層吹き抜けのリビング空間
菊池建設がデザインした和室
◇ ◆ ◇
モデルハウスはコンセプトに掲げた「木をつかった上質空間」を具現化したものだ。外観はレッドシダーや深い軒庇、ガラス、石、タイルなどが印象的で、仕上げ材に46種の木を使っているように、飫肥スギのウッドデッキ、徳島スギ、ウォールナット、ミズナラ、北山杉、オニクルミ材などがふんだんに用いられていた。
8.6畳大のDOMA、天井高5000ミリのスキップフロアのリビング、セラミックのキッチン天板、菊池建設がデザインした和室の北山杉の框や床柱、板材を圧縮して強度を高めた「Gywood(ギュッド)」、漆塗りのテーブル、(養生中で見ることはできなかったが)新国立競技場にも採用された岩手県、宮城県、山梨県、岐阜県、三重県、兵庫県、高知県、宮崎県の8県産材のスギの濡れ縁など見どころは多い。
ほぼ完成したモデルハウス
概要説明会で頂いたナイスオリジナルの食用オリーブ油「小豆島の恵み」(左)と富士山の天然水(徳利にも利用できそう)
やった!2000本安打「栗山巧の家」発売 西武ライオンズ&西武建設 価格高くないか
外観(ちょっとシンプルすぎないか)
一昨日(9月8日)のソフトバンク戦で、わが西武ライオンズのニール投手は2回3分の2までに3ランを含む被安打11、2与四球で9失点し降板。試合は千賀投手に7回まで4安打に抑えられ0-9で惨敗。普段は温厚な辻監督も「話にならないよ」(毎日新聞)と匙を投げた。これでチームは12カード連続勝ち越しがなく、借金10。Aクラスどころか、中田選手が去ってからがぜん強くなった最下位の日ハムにもその差2.5まで迫られた。
皆さんはご存じないかもしれないが、12カード連続して勝ち越しがないというのは、7月1日に勝利して以来2カ月半近く勝ち越しがないということだ。都のコロナの4回目の緊急事態宣言期間を上回っている。プロ野球の連敗記録は1998年の千葉ロッテマリーンズの18連敗があり、西武も2015年の13連敗があり、RBA野球大会では東京建物不動産販売は7年間勝ち星がなかったことと比べればどういうこともないが、ファンとしては相当堪える。
そして今日(9月10日)、オリックスの山本投手が相手だからコテンパンにやられるのだろうとあきらめていた矢先、いつも貴重な情報を提供してくれる同業の記者の方から「栗山巧選手がまさかの『家』をプロデュース!企画型住宅『西武ハウス 栗山巧の家』本日より5棟限定で受付開始」という西武ライオンズが発信したプレス・リリースが届いていた。以下は、その概略。
サブタイトルには「プロスポーツ界では異例!ご成約先着1邸限定でご自宅に栗山選手が訪問!」とあり、西武ライオンズと西武建設が、栗山巧選手が通算2000安打を達成したことを記念して、両社の協同による同選手プロデュース企画型住宅「西武ハウス 栗山巧の家」を、限定5棟、建築本体価格2,695万円(税込)で、本日(10日)から受付を開始するというものだ。
「栗山巧の家」は、栗山選手の「オンとオフの切り替えや全てをリセットしてスタートさせる重要な存在」である「家」を西武建設の「匠」が作り上げたプランという。
リビング・ダイニングは、陽当たりや風通しが良く、リラックスできるよう人目につきにくい2階に設計。さらに、リビングの中に段差を設けて緩やかに仕切られたステップダウンリビングを設置することで、子どもと遊んだり寝転んで読書できたりする工夫を凝らしている。
外壁には栗山選手の地元・神戸市のレンガ倉庫をモチーフとしたレンガ風タイルを使用して通算2000安打達成までの「積み重ねる」を表現。高さ約2,000mmの位置だけタイルの色を変えるなど細部にまでこだわっている。
玄関には栗山選手の写真、直筆メッセージや、スパイクの足形を設置する。特典として、先着で1棟目を成約した人の自宅に栗山選手本人が訪問する予定という。
栗山巧選手は、「家というのは皆さんの生活にとっても非常に大事な場所だと思っています。良いコンディションで戦い続けるために僕がこだわっていることをお伝えし、その話をもとに西武建設の『匠』の皆さんが、素敵な家に仕上げてくださいました。一生に一度の買い物であると思いますが、私にとっても「栗山巧の家」というのは、思い入れがありますし、これからも活躍し続けなければならないなと非常に気合いが入っています。ご購入いただいた方のご自宅にぜひ遊びにいきたいと思いますので、その日が来ることを楽しみにしています」とのコメントを寄せている。
また、西武建設の企画部・野村卓司氏は、「栗山選手への家というものに対するアンケートをとらせていただき、その内容を元にインタビューをさせていただきました。栗山選手が戦いつづけるために必要と思われている話、家というものへの考え方をお聞きし、それを企画型住宅という形で表現しました。
この住宅は、なぜこの空間なのか、なぜこの色なのか。栗山選手が戦いつづけ、積み重ねていくことへの私たちの一つの答えとしました。栗山選手と一緒に家づくりをするようなイメージが感じられ、建てるときも住んでからも夢があふれ、家族のほほえみがあふれる仕掛けを施しています」とコメントしている。
商品は、建築本体価格2,695万円(税込)。構造は木造(枠組壁工法) 2階建て。建築面積は50.30㎡(15.21坪)、延床面積100.29㎡(30.33坪)。施工エリアは埼玉県の各市部、東京都は多摩エリアだが、東京都、埼玉県内の市区町で検討する人は西武建設に問い合わせれば対応するようだ。申込み期間は2021年9月10日~2022年1月末まで。建築請負契約締結期間は2022年3月末まで。問合せは西武建設 企画部 MAIL:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 TEL:04-2926-3334 受付時間 10:00~17:00(土日祝定休)
この玄関はいい(ライオンズブルーなのか)
足型
◇ ◆ ◇
さすが、西武だ。素晴らしい企画だ。記者はこの日(10日)、書かなければならない記事が3本あったのだが、そんなのは二の次三の次、この西武・栗山さんの記事のほうが書く価値ははるかに高い(ナイスさん、菊池建設の二瓶さん、積水ハウスさんごめんなさい)。
記者はもう30年以上も昔から、同社が施工した分譲戸建て現場を見学してきた。分譲戸建てのデザインは昔も今も最高に素晴らしいと思う。デベロッパーが分譲する分譲戸建てに占める施工シェアもかなり高いはずだ。
プレス・リリースを読むのを後回しにして、添付されている外観デザインを真っ先に見た。ン…出隅入隅などまったくない総2階建てではないか。坪単価をはじいた。坪88.7万円だ。西武ファン歴60余年の判官びいきも甚だしい記者ではあるが、さすがにこの値段には〝これは高い〟と判定せざるを得ないと思った。
きっと、これは栗山さんのプレミアム価格を含むのだろうと推測したのだが、小生の一存では決められないので、西武不動産の広報を長年務められ知己の方に助け舟を求めた。「確かにちょっと高いかも。プレミアム価格? まあ1割くらいは価格にオンされているかも。それにしてもいい企画だ」と元広報マンは話した。
施工する西武建設にもストレートに「坪88.7万円はやや高いのではないか」と質問した。同社からは「2,695万円は税込でして、税抜きだと2,450万円、坪単価80万円になります」とのことだ。
高いか安いか、これは検討する方が決めることなので、これ以上書かない。繰り返す。栗山さんのサインやスパイクの足型を設置するのは素晴らしい!記者は、東京オリンピック・パラリンピックの選手村になった「HARUMI FLAG」にもアスリートの手型、足型、人型(魚拓のようなもの)をそのまま壁や床などに残して、オークション方式で分譲すれば少なくとも数十万円、金メダリストなどは数百万円、数千万円の値が付くはずと書いた。
誰も取り合ってくれなかったが、大谷選手のサイン入りユニフォームはオークションで13万210ドル(約1,434万円)の値段で落札されたというではないか。エペ団体の見延和靖選手や車いすテニスの国枝慎吾選手には1億円の報奨金が出たではないか。
球団にお願いだ。栗山さんの第2弾、第3弾もやっていただきたい。中村さんなら3,000万円の価値(栗山さんごめんなさい)はあるはずだ。そういえば吉永小百合さんも西武ファンだ。5,000万円どころか1億円でどうか。
オークションといえば、住友不動産販売がステップオークションを始めた。賛否両論があるようだが、記者は時代の流れに沿っていると思う。
記事を書き終えたとき、西武の攻撃終了。1-7で大敗した。得点は外崎の本塁打のみ、3安打に抑えられた。こうなったらやけくそだ。とことん負けてやれ。何? 虚人も5連敗だと…ギャハハハハ…。
言い忘れた。住宅事業は〝マネーゲーム〟だ。きっと三井不動産(巨人)、大京(オリックス)、リスト・大和地所レジデンス(DeNA)、阪急阪神不動産(阪神)、ポラス(浦和レッズ)、三菱地所(体操・ラグビー)、スターツ(マラソン・卓球)、旭化成ホームズ(柔道)、木下工務店(スケート)、長谷工コーポレーション(大学駅伝)、ヒューリック(将棋)…も同じようなことをするはずだ。西武さんよ、実用新案登録をしたほうがいい。
西武建設が施工した三井不動産レジデンシャル・三菱地所レジデンス「稲毛海岸 美浜の杜シティ」
慰撫建設が施工したコスモスイニシア「グランフォーラム国立 松景の邸」
開幕前に西武〝日本一〟 素晴らしいボールパーク化工事完了 人材流失に終止符(2021/3/9)
三井不レジ&三菱地所レジ 初の戸建て〝共演〟 全253区画の「稲毛海岸」分譲(2019/10/8)
既存の赤松を残し、街を創る 必見の3部作の一つ コスモスイニシアの戸建て「国立」(2018/5/30)
積水ハウス 2022年1月期2Q 戸建て・賃貸事業好調で増収増益 通期予想も上方修正
積水ハウスは9月9日、2022年1月期第2四半期決算を発表。売上高1兆2,236億円(前年同期比4.8%増)、営業利益1,096億円(同18.4%増)、経常利益1,113億円(同22.8%増)、純利益725億円(同22.1%増)と大幅増益となった。国内外の戸建住宅・賃貸住宅関連事業が好調に推移した。
セグメント別では、請負型ビジネスの戸建住宅事業では、コロナ禍の生活提案「ファミリースイート おうちプレミアム」の採用率が91%となるなど好調に推移したほか、賃貸住宅事業が伸長した。
ストック型ビジネスでは、提案型リフォームや省エネリノベーションなどの環境型リフォームが好調に推移した。
通期業績予想は、2021年3月4日に発表した計画から上方修正。売上高2億5,530億円(前回予想比0.0%)、営業利益2,200億円(同10.0%増)、経常利益2,180億円(同9.0%増)、純利益1,480億円(同9.6%増)を見込む。
配当予測は、第2四半期末の配当予想43円から2円増配の43円を予想。通期では前期予想の86円から88円(前期実績84円)を予想。
三菱地所レジ 「マンション家計簿」リニューアル 業界初の住戸ごとCO2排出量記載
三菱地所レジデンスは9月9日、マンションのランニングコストの見える化を図った「マンション家計簿」をリニューアルし、業界初の1住戸ごとのCO2削減量を記載することを決定し、第一弾として「ザ・パークハウス石神井公園テラス」に導入すると発表した。
「マンション家計簿」は、マンションの環境性能を伝えるとともに省エネ活動を喚起するため、2013年から同社が制作。マンション購入検討者を対象にこれまで200物件以上に配布している。2015年のグッドデザイン賞「グッドデザイン・ベスト100」「未来づくりデザイン賞」を受賞している。
リニューアルした「マンション家計簿」は、入居後の水道光熱費のランニングコスト提示に加え、1住戸ごとのCO2削減量を記載するほか、ザ・パークハウスのCO2排出削減への工夫、CO2やエネルギーを削減するエコでかしこい暮らしの提案などを盛り込んでいる。
住戸ごとの光熱費表示、CO2排出量の記載はともに業界初。
「ザ・パークハウス石神井公園テラス」は、西武池袋線石神井公園駅から徒歩8分の練馬区石神井町2丁目に位置する3階地下1階建て全86戸。専有面積67.45~81.56㎡。竣工予定は2022年6月下旬。売主は同社のほか大栄不動産。
選手村裁判が結審 「HARUMI FLAG」利益は消費者(購入者)に還元すべき
「HARUMI FLAG」全体像
東京2020オリンピック・パラリンピック選手村となった用地を東京都が事業者に公示地価の10分の1の価格で売却したことの是非を問う裁判【事件番号 平成29年(行ウ)第388号】が2021年8月31日に結審した。判決日は未定だが、今年末までには出る模様だ。
記者は都が2016年7月31日に「晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業」の特定建築予定者として三井不動産レジデンシャルを代表とする11社を選定したときからずっと取材してきた。
その第一弾として書いた「東京2020オリ・パラ選手村 敷地売却価格は地価公示の10分の1以下の〝怪〟」(2016/8/4)という見出しの「こだわり記事」にはアクセスが殺到した。当時、記事は日経新聞が発行していた住宅購入予定者向けのWeb「住宅サーチ」に全文が転載されていたので、「こだわり記事」と合わせるとその数は数万件(もっと多いか)に達したはずだ。
反響の多さに驚いた記者は、書いた責任として継続して書き続けようと決意した。その後の経緯について若干紹介する。
第一弾の記事を書いたその翌年の平成29年5月19日、住民らは選手村敷地の売却価格約130億円は不当、違法であるとし、損害の回避または補填をするために必要な措置を講じることを都知事に求めた住民監査請求を行った。
これに対して同年7月19日、監査委員は「都市再開発制度を濫用した違法、不当なものであるとする請求人の主張には理由がない」として棄却した。その際、「本件事業の今後の実施に際しては、重要な決定に当たり、専門家の意見を十分に聞く等の内部牽制体制を強化することや、意思決定過程及び決定内容についてきめ細かな対外説明を行うことなどにより、これまで以上に透明性の確保に努められたい」との意見が付された。
この決定を不服とした住民側は同年8月17日、不当に売却されたことによる損害額約1,000億円(当時)を事業者に請求すべきと東京都知事に求める訴訟を提起した。原告側はその後、桝本行雄・不動産鑑定士による適正売却価格は約1,653億円とし、損害額は約1,500億円と上方修正している。
提訴から4年。原告側の住民らが勝訴するのか、被告の東京都知事が敗訴するのか、それともその逆になるかはわからないが、敗訴した側がそのまま判決を受け入れるはずはなく、控訴するのは間違いない。以下は記者のこれまでの記事のまとめとして、明らかになった問題点を紹介する。
まず、選手村の売却価格を決定するに当たって採用された不動産鑑定手法の一つである「開発法」について。
不動産鑑定手法は「三手法」と呼ばれる原価法、収益還元法、取引事例比較法が一般的に知られているが、このほかに「開発法」として「一体利用をすることが合理的と認められるときは、価格時点において、当該 更地に最有効使用の建物が建築されることを想定し、販売総額から通常の建物建築費相当額及び発注者が直接負担すべき通常の付帯費用を控除して得た価格」(国土交通省 不動産鑑定評価基準)を求めることができるとしている。
記者は専門でないのでよくわからないが、価格時点(将来価格ではなく都が事業者に売却した2016年時点)の販売総額から建築費その他の費用を差し引いた価格が「開発法」による土地価格となるということだ。つまり、都が売却する際に日本不動産研究所に依頼して作成した「調査報告書」では、売れる価格として坪単価250万円(記者の推定)とし、それから諸々の経費や減価要因を差し引いた結果、土地の値段は坪32万円(容積率を平均400%として1種当たり8万円)とはじき出したわけだ。是非はともかくとして、地価公示価格は参考程度としか考慮されていなかったようだ。
この坪単価250万円というのは記者も納得する。当時、晴海エリアでは2012年春、三菱地所レジデンス・鹿島建設「ザ・パークハウス 晴海タワーズ」の第一弾として「ザ・パークハウス 晴海タワーズ クロノレジデンス」が分譲開始された。スタート時点の坪単価は275万円だった。その後2016年3月、「ザ・パークハウス 晴海タワーズ」(全1,744戸)の全体が竣工。最終分譲の坪単価は坪330万円くらいだった
当時の最高峰のマンションですら坪330万円だった。〝陸の孤島〟の選手村に4,500戸もの分譲マンションを建てたら、坪単価250万円がアッパーと考えるのは妥当で、「開発法」による売却価格決定に瑕疵はないと考える。
一方で、原告側の桝本鑑定士による鑑定価格はどうか。被告側は「桝本鑑定士の意見書は証拠能力なし」とし、原告側は「善意の第三者である事業者」に対する「重大な名誉棄損」と批判した。
記者も桝本鑑定士の鑑定評価額には減価要因がほとんど盛り込まれていないのは気になるが、かといって桝本氏の「鑑定評価」にも違法性・瑕疵はないと思う。
そこでわかるのは、世の中に真実・真理は星の数ほどあるのと一緒だ。ものの見方、考え方、前提条件次第で不動産鑑定価格はいかような金額になるということだ。今回の裁判はこのことを改めて白日の下にさらけ出した。
さらにまた、いかような金額でもはじき出せる不動産鑑定士とは何かという問題が浮上する。不動産鑑定士の資格試験の難しいのはよく知られている。記者も問題にチャレンジしたことがあるが、全然解けなかった。司法試験合格者の平均年齢は30歳を切っているのに、不動産鑑定士は30歳を超えていることにも試験の難しさがうかがい知れる。
合格に要する費用を金額に置き換えてみた。時間給1,500円(もっと高いか)で、合格するには1日5時間×10年間勉強する必要があるとすると、約2,740万円も掛かる計算になる。しかし、鑑定士の資格を取得したからといって、会社からは手当てなど支給されないのが普通で、報酬額(給与)は弁護士よりはるかに低い。依頼者(クライアント)プレッシャーなる不可解な圧力を受けるともいう。割に合わない仕事ではないか。
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「HARUMI FLAG」に関する情報がまた飛び交っている。高いか安いか、これは購入検討者が考えることだが、情報の氾濫に溺れないようしていただきたいとしか言えない。ただ、マンションの基本性能・設備仕様レベルは極めて高いということは断言できる。
事業者には、日本不動産研究所が鑑定した坪単価250万円で十分利益が出るのだから、高値追求などしないよう求めたい。利益は購入者に還元すべきだ。儲かったら利益折半などと博打の寺銭のようなことをやったら、大手デベロッパーの看板が泣く。三井不動産レジデンシャルの元社長が「当社は腹八分目。残りの二分はお客さまのため」と語ったのを思い出す。
課題の交通便だが、記者はBRTにも試乗した。信号機が31か所あったのは気になったが、バスの運行がスムーズになるよう信号システムを変えればもっと早くなるはずだ。
メディアの方には、周辺の物件との価格差などを中心に論じるのではなくて、開発の経緯(土地価格は1種8万円)を念頭に置き、マンションの居住性に焦点を当てる情報を発信してほしい。〝投資〟をあおるような論調は論外だ。
東京2020オリ・パラ選手村 敷地売却価格は地価公示の10分の1以下の〝怪〟(2016/8/4)
文句なしにいい 街づくり・基本性能 坪単価280万円か 「HARUMI FLAG」(2019/4/24)
東京BRT初体験 虎ノ門~晴海の終点まで28分 信号31か所、待ち時間6.6分(2021/3/1)
「選手村マンション増収分折半」 選手村裁判の原告団が声明文(2019/9/18)
またも平行線 「早く結審を」(被告)「議事録開示を」(原告)第8回選手村裁判(2020/1/18)
オリンピック選手村裁判 原告側桝本鑑定士の意見書は証拠価値なし 被告側が意見陳述
「HARUMI FLAG」 土地と建物の価格比率は調整区域並みの7:93 算定は妥当
オリンピック選手村住民訴訟も佳境に 原告、被告双方 相手を「著しく」非難
「晴海」坪250万円予想の根拠 「週刊文春」も裏付け 当初単価は244万円と報道
三菱地所・鹿島建設 「ザ・パークハウス 晴海タワーズ」完成・完売(2016/4/14)
三菱地所レジデンス・鹿島建設「ザ・パークハウス 晴海タワーズ クロノレジデンス」(2011/12/6)
全戸に「乾太くん」、ファミリーは冷凍庫付き ポラス中央住宅「越谷」企画ヒット
「ルピアコート越谷」
ポラスグループ中央住宅が分譲中のファミリー&コンパクトマンション「ルピアコート越谷」を見学した。駅から徒歩4分の全46戸で、5月から販売開始。これまでにファミリーは9戸のうち7戸、コンパクトは37戸のうち半分が成約済み。他社との差別化を図った商品企画が優れている。
物件は、東武伊勢崎線越谷駅から徒歩4分、越谷市越ヶ谷1丁目の商業地域(建ぺい率80%、容積率400%)に位置する13階建て全46戸。専有面積は30.14~80.37㎡、コンパクトタイプの価格は2,300万円台~3,400万円台(坪単価285万円)、ファミリータイプの価格は4,800万円台~6,400万円台(坪単価246万円)。竣工予定は2022年1月中旬。施工は川村工営。販売代理は東京中央建物。
5月から販売を開始しており、これまでコンパクト37戸のうち半分が、ファミリー9戸のうち7戸が成約済み。順調に推移している。
現地は、表通りから一歩入った中高層建築物が建ち並ぶ一角。幅員7.8mの北側道路に接道。従前敷地は更地で、形状は南北軸がやや長い長方形で、敷地東側に同規模のマンションが建っていることから、内廊下方式を採用し目隠しとしても機能するようにしている。
住戸は2階から8階までがコンパクトで、標準階1フロア5戸構成。9階以上は角住戸のファミリー2戸と中住戸のコンパクトの3戸構成。主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2400ミリ、食洗機(コンパクト除く)、ガス衣類乾燥機「乾太くん」、バックカウンター・収納棚、ピアキッチン(同)、冷凍庫(同)、プッシュプルドア、物干しポールなど。
〝蔵の街・越谷〟を象徴する大谷石を建物基壇部に配し、ハナブサデザイン代表・花房茂氏による地元の伝統工芸をモチーフにした「だるまアート」「越谷「籠染灯篭」を共用部に設置する。
同社マインドスクェア事業部マンションDv営業企画課課長・湯村元昭氏は「単価は低くはないですが販売は堅調。ファミリーはデザイン、ワイドスパン、ピアキッチン、冷凍庫や首都圏初の『乾太くん』が地元のセレブに評価され、高額タイプは抽選になるほどの人気。コンパクトも『乾太くん』やバックカウンター・収納を標準装備したのが人気の要因。コンパクトの成約者の8割は女性」と語った。
モデルルーム
「だるまアート」(左)と「越谷「籠染灯篭」
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コンパクトの坪285万円はもちろん、ファミリーの坪245万円は越谷駅圏最高値だが、商品企画・設備仕様レベルは郊外型としては極めて高いはずだ。
間取り図を参照していただきたい。専有面積は70㎡台だが、スパンは8.75mで、形状はほぼ正方形。玄関・シューズインクロークに窓があり、廊下面積を少なくし、キッチン-洗面-浴室の動線も機能的にできている。
リンナイのヒット商品「乾太くん」を全戸標準装備とし、ファミリータイプには冷凍庫を装備したのは、冷凍冷蔵庫に収まり切れない家庭が増えている需要の高まりに対応するもの。マンションDv担当の同社取締役・金児正治氏の強い指示があったようだ。同社の戸建てでも採用するケースが増えているという。
同社のマンション事業は、数年前までは年間1~2棟くらいしかなかったが、最近はどんどん増加し、昨年はついに首都圏マンション供給ランキングベスト10入りした。現在の商品企画・設備仕様レベルを維持できたら、どことでも互角以上に戦えるはずだ。坪単価280万円のコンパクト「ルピアシェリール三郷中央」57戸も9カ月で完売したことを湯村氏は明かした。
建設現場