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東西で異なるビル外観(東側)

 三菱地所は5月24日、1958年(昭和33年)竣工のオフィスビル「大手町ビル」の大規模リノベーション工事が完了したことに伴うメディア向け内覧会を行った。工事は2018年5月にスタート、2022年5月に完成。テナントが入居したままのこれほど大規模なリノベーションは珍しいという。

 物件は、東京メトロ丸ノ内線・千代田線・半蔵門線・東西線、都営三田線大手町駅直結の建ぺい率80%(実質100%)、容積率1300%の千代田区大手町1丁目に位置する敷地面積約10,496㎡(200m×50m)、地下3階・地上9階建て延べ床面積約111,272㎡。設計・ 監理は三菱地所、施工は大成建設。着工は1956年5月、竣工は1958年4月。リノベーション設計・監理は三菱地所設計、内装改修建築設計はメック・デザイン・インターナショナル。建築施工は大成建設。

 外装デザインは、日比谷通り、丸の内仲通り、大名小路の象徴的な通りとの親和性を重視し、外壁素材や窓ガラスなどの機能を更新したほか、ビルを東・西・中央に分節。外壁材にはGRCを採用するなど管理コストの低減、窓ガラスはLow-Eガラスにするなど約44%の熱負荷削減を図っている。

 約4,000㎡の屋上には、植栽を施したワークスペースや約658㎡の都内最大級の農園スペースを整備。AI画像分析を通じて野菜の生育環境を計ることができる世界初の機器を備えている。竣工時から屋上に安置されていた「大手町観世音菩薩像(大手町観音)」は、従前は年に1回御開帳の日を設けていたが、リノベーションを機に一般の来館者も参拝できるように整備した。

 7階には、就業者やエリアワーカー向けの共用ラウンジ・テラスを開設。ラウンジ(136席)はビル就業者が利用できるほか、一部ゾーンはエリアワーカーも利用可能。

 また、ビルの東側を「LABゾーン」とし、多様な企業が集積、様々な人・企業が交流する拠点を創出。大規模フロアプレートでありながらも小割貸付に適したフロア形状の優位性を活かし、スタートアップ企業や大企業の新規事業開発部門など様々な企業が集積できる環境を整備した。

 建て替えでなく新たな建築確認申請が必要でないリノベーションを選択したのは、様々なテナントニーズに対応するとともに、既存ストックの活用という社会的な要請にも応え、同社が「丸の内NEXT ステージ」で掲げる“人・企業が集まり交わることで新たな「価値」を生み出す舞台”を具現化したためとしている。

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東西で異なるビル外観(西側)

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仲通り機能を建物内外から整備・演出した南北通路(1階)

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新たに整備したワークスペース(屋上)

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新たに整備した屋上農園

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共用ラウンジ(7階北側)

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1階ELVホール前の柱

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 上段はほとんどリリースのコピペ。内覧会では1時間以上にわたり7~8か所を見学した。一つひとつ具体的に紹介したいのだが、その余裕がないのが残念だ。1か所当たり10分もなく、消化不良だったからだ。見学時間は倍あってもよかった。それほど見どころの多いリノベ工事だと思う。以下は興味深かったことを紹介する。

 まず、大手町ビルについて。敷地面積は丸ビルや新丸ビルとほぼ同じだが、丸ビル、新丸ビルは100m×100mのほぼ整形なのに対し、大手町ビルは200m×50mの長方形であるのが大きな違いだ。

 そして、もっとも異なるのがその歴史だ。記者は30年くらい前まで、仕事の関係でこのビルの飲食フロアを1週間に1度くらい利用した。使用されている仕上げ材は歴史を感じさせるものばかりだ。例えば人造大理石のテラゾー、文様が美しいトラバーチン、アール状の壁、化石が含まれる直径数十センチはありそうな構造柱などだ。今回の工事でもこれらがいたるところに残されている。

 驚いたのは耐震性だ。現行基準とほぼ同等の性能を有しているという。昭和30年前半の建物でも、現行法基準を満たしている。これは凄い。当時の数百枚にのぼる設計図書を見た関係者は「感動した」と語った。

 気になったのは、建物は敷地いっぱいに建てられているので歩行者空間が狭いことだ。ビルの道路を挟んで南側に建っている大手町タワーや大手町スクエアは公開空地が確保され、区道も整備されているのに、幅員1メートルくらいしかない大手町ビル側の歩道は未整備。こちらを優先して整備するべきではないか。区の神田警察通りの道路整備でかなり辛辣な記事を書いたが、行政は何を考えているのかさっぱり分からない。

 関係者によると、容積率を約300%余しているので増築も可能ではないかと思ったが、リノベーションにしたのは、現行の建築基準法に適合させるためには法的なハードルが高かったためだろう。屋上は天然芝ではなく人工芝で、樹木も低木ばかりなのは構造上の問題なのだろう。

 素晴らしいと思ったのは、農園スペース「The Edible Park OTEMACHI by grow」だ。運営するPLANTIO(プランティオ)UrbanFormer/CEOの芹澤孝悦氏は「わたしの祖父は1949年(昭和24年)、わが国で初めてプランターを開発した。家庭菜園を有料にしているのはわが国だけ。欧米などはシェアするのが当たり前、スタンダードになっている」などと切り出したのに驚いたのだが、野菜育成アプリ「grow GO」や6種類のAIセンサーを搭載した世界初のプロダクト「grow HOME」には絶句した。日照量・土壌水分量・土壌温度など栽培に重要なデータをアルゴリズム分析により、水遣りの必要性などを伝えてくれるという。

 このAIは、手間暇かけて育てる楽しみを奪いかねないが、農業・園芸を一変させる可能性を秘めている。AI機器は販売しないのだそうだが、値段によっては爆発的に売れる。芹澤氏の祖父が開発したプランターの比ではないのではないか。

 もう一つ。「LABゾーン」などの観葉植物はほとんどが本物。これまた凄い。丸ノ内パークビル竣工見学会で見た三菱地所の本社オフィスはフェイクがあふれていた(失礼。その後、本物が植えられたとも聞くが)。

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階段室

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幅1mくらいの大手町ビル側の歩道(左)と整備済みの大手町スクエア側の歩道

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左右非対称の歩行者空間(左が大手町ビル側)

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AIについて説明する芹澤氏

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「調布ワンダーランドプロジェクト」

  飯田グループ会社パラダイスリゾートが分譲中の「調布ワンダーランドプロジェクト」を見学した。京王線西調布駅から徒歩10分の全220戸で、今年4月に分譲した第1期50戸が完売するなど好調なスタートを切った。同沿線のつつじヶ丘駅圏から聖蹟桜ヶ丘駅圏にかけてここ3~4年の間に十数物件が分譲されており、今現在15物件2,000戸超が分譲中の大激戦地だ。早期完売したのは大和ハウス工業のコンパクト「調布」くらいで、完成物件では値下げも行われている。同社物件が好調なのは、価格もさることながら設備仕様レベルの高さにある。価格上昇に比例するように面積縮小、設備仕様の退化が著しい市場にあって、最低限の質を維持しようというデベロッパーの良心を見た。

 物件は、京王線西調布駅から徒歩10分、調布市多摩川1丁目の準工業地域に位置する8階建て全220戸。6月下旬に分譲する2期(戸数未定)の専有面積は60.17~88.25㎡、予定価格は3,900万円台~7,400万円台(最多価格帯5,400万円台)、平均坪単価は260万円。竣工予定は2023年1月下旬。設計・監理は谷口建築企画一級建築士事務所。施工は多田建設。販売代理は長谷工アーベスト。4月から分譲を開始しており、これまでに50戸を成約。来場者は300件。

 現地は、雪印乳業の倉庫跡地。用途地域は準工だが、マンション化が進んでいるエリアの一角。北側と南側2方に接道。北側は道路を挟んで小さな工場などがあり、南側は戸建てと中層のホッピー工場、敷地東側と西側はマンション。東宝調布スポーツパーク(ゴルフ場)や多摩川にも近い。

 建物は南東向き、南西向き中心の4棟構成。住戸プランは平均70㎡のファミリータイプが中心。主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2400~2450ミリ、フィオレストーン天板、ディスポーザー、食洗機、ミストサウナ、タオル掛け2か所、ワイドスパン(70㎡以上は6400ミリ確保している住戸が多い)、トイレ「アラウーノ」(パナソニック製)など。共用施設はオーナーズラウンジ・サロン、460㎡の自主管理公園など。

 同社銀座不動産部課長・田中大介氏は、「価格もそうですが、設備仕様に高い評価を頂いています。レベルは落としていません。お客さまには他と見比べていただきたいと話しています」と、販売代理の長谷工アーベスト東京支社販売第二部門販売一部エリアマネージャー・上田雄一氏は「モデルルームの出来などはお客さまから『段トツ』と言われています」とそれぞれ語った。

 また、最近のマンションは価格が上昇する一方で、基本性能・設備仕様がどんどん退行していることを話したら、パラダイスリゾート取締役・田原伊知郎氏は「大手はブランド力があるから売れるんでしょうが、わたしどもがそれをやったらおしまい」と話した。

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83㎡のモデルルーム

◇        ◆     ◇

 京王線沿線に40年以上住んでおり、主だったマンションはほとんど見学している記者だが、コロナ禍でここ2年間は数えるほどしか見ていない。ただ、上田氏が話したように、設備仕様レベルは「断トツ」だと思う。坪単価260万円レベルではまずほかにないはずだ。単価設定もどんぴしゃり。第一次取得層の取得限界だと思う。

 些細なことだが、「アラウーノ」について。最近はコストを下げるためタンク付きトイレが復活しているが、この「アラウーノ」は最新の機能付きで、マンションに採用されたのは初めだそうだ。尾籠な話で申し訳ないのだが、みなさんは用を足すとき便座に座ることはしないはずだ。勢いよくほとばしる小水の飛沫が便器の外に飛び出し、床やら壁やらを汚し、奥さんに怒られているはずだ。〝座って用を足せ〟と。

 「アラウーノ」はその難点を解消するもので、泡立つ洗剤が飛沫を防ぐスグレモノだ(小生のような糖尿病も小水が泡立つが、アラウーノにはかなわない)。同社がこれを採用したのは「私のオフィスの近くにあるカフェはこれが採用されている。とてもいい」と語った田中氏が採用を決めたかどうかは聞かなかった。

 タオル掛け2か所について。1本わずか1万から2万円のタオル掛けをコスト削減のためなくすデベロッパーが増えていると書いてきたが、いま分譲されている京王線沿線の物件で、きちんと2本設けている物件はどれだけあるか。半分もないのではないか。「デベロッパーの良心を見た」と書いたのはそのためだ。

 田原氏について。名刺交換をするとき「ご無沙汰です」と声を掛けられた。全然覚えていなかったが、7~8年前に他のデベロッパー社長らと飲み会で一緒だったそうだ。記者が酷評している飯田グループの戸建て記事などもよくチェックされているようだが、小生に苦情を申し立てることはなかった。

 ありがとうございます。田原さん。わたしは是々非々を旨としており、為にする記事は書いておりません。飯田グループ入りする前の飯田産業の森和彦社長(現飯田グループ会長)や東栄住宅の故・佐々野俊彦社長、一建設の創業社長の故・飯田一男氏は結構取材しています。

 今回の物件を見学して、大手、中小などの固定概念でものごとを考えてはいけないことも改めて学んだ。やはり記者は現場を見ないといけないということだ。

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アクアパティオ

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アラウーノ

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矢野氏(左)と深尾氏

 国際建築住宅産業協会(会長:矢野龍氏)は5月23日、「WOODRISE 2021 BUSINESS SESSION(BS会)」開催に関する記者会見を行い、国内外の中高層木造建築に係わる関係団体・企業等の交流を深めることを目的にB to B Meeting、社交行事、テクニカルツアーなどを実施すると発表した。

 冒頭、BS大会主催団体の国際建築住宅産業協会会長・矢野龍氏(住友林業最高顧問)は、「WOODRISEは、中高層木造建築物の発展のため、技術面や工学的な観点から最先端の知見を集め、あらゆるニーズや将来性を展望することを目的に業界関係者が一堂に結集するイベント」とし、「世界は政治経済とも不透明感を強めているが、地球温暖化の抑止という人類共通の課題解決に資する木造建築の普及をこの大会を通じてさらに進めたい」と述べた。

 深尾精一・BS大会組織委員会会長(首都大学東京名誉教授)は、「わが国の中高層木造建築物の事例は飛躍的に増えている。もともと日本は木造中心の国でしたが、過去に都市災害を何度も経験しており、法規制面でも大規模木造建築に対して大きな障壁となっていました。しかし、科学的にしっかりした対策をしていれば木造だからと言って危険なわけではなく、差のような観点から今世紀に入ってから木造だからといって不利にならないよう建築基準法などの法規制は改善されてきている。例えば、現しで表現しても鉄よりはるかに火災に対して強靭なことが証明されている。今国会でもそのような方向で基準法改正の審議が行われている。今大会でも最新の技術を採用した木造建築物の見学が予定されており、現状での日本の取り組みを見ていただくのは主催者として大変うれしい」とコメントした。

 会見には、Christophe Mathieu クリストフ・マチュー氏(FCBACEO、次回WOODRISE 2023主催団体)、PierreHurmicピエール・ユルミック氏(ボルドー市長、次回WOODRISE2023開催地首長)、Frédérique Charpenel フレデリック・シャルプネル氏(ヌーヴェル・アキテーヌ地方議会企画国際化代表)も参加し、それぞれ熱い思いを語った。

 「WOODRISE」は、中高層木造建築物の発展のため、関係者が一堂に結集するイベントで、フランス(FCBA森林木材総合技術研究所)とカナダ(FPInnovations 建築科学技術センター)が主導して2017年に活動開始。第1回は2017年ボルドー(フランス)、第2回は2019年ケベックシティ(カナダ)で開催。昨年は、2021年10月15日~17日に京都大会を開催し、オンラインと現地参加をあわせ18か国約800名が参加。

 京都大会ではコロナ禍で予定していたB toB Meeting、社交行事、テクニカルツアーなどが実施できなかったことから、今回の大会となった。今回の参加登録者は330名、テクニカルツアー参加者は延べ130名。

 5月24日から5月27日のテクニカルツアーでは国立競技場、積水ハウスエコ・ファーストパーク、住友林業筑波研究所、大和ハウス工業みらい価値共創センター、ザ ロイヤルパークキャンパス札幌大通公園なども予定されている。

 来年の大会はボルト―市で行われる。

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左から橋本公博氏(BS 大会 実行委員会委員長)、能勢秀樹氏(住友林業顧問)、深尾氏、矢野氏、Frédérique Charpenel フレデリック・シャルプネル氏(ヌーヴェル・アキテーヌ地方議会企画国際化代表)、ピエール・ユルミック氏、クリストフ・マチュー氏

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 深尾先生におしかりを受けた。木造ファンの記者は「中高層木造建築物を普及させるためには建築基準法の耐火・防火基準を緩和すべきではないか」と質問したら、深尾先生は「緩和はだめ。設計者は実験などで検証できない課題はあるけれども、火事に対してより安全な建築手法を考えないといけない」と話した。

 もう一つ、矢野氏は興味深いことを話した。「欧米では(燃えないよう)不燃材で木を覆い隠しても、炭素固定の効用などを考慮すれば、価格がイーブンなら木造のほうがいいという考え方がある」と。

 なるほど。この考え方は、三井ホーム技術研究所研究開発グループマネージャー・小松弘昭氏が「現しを求めるのは木造コンプレックス」と言い放ったことと同じだ。(それでも記者は深尾先生や小松氏の考え方に同意はできないが)

外貌の呪縛を解き放つか 「現しを求めるのは木造コンプレックス」三井ホーム小松氏(2021/12/9)

 


 

 

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岡崎氏

 ミサワホーム首都圏営業本部東京支社東京北支店長で、RBA野球大会の名物男でもある同社野球部監督・岡崎晃也氏など7~8人の主要メンバーに突撃取材し、コメントを取ることができた。

 取材は、5月23日に京王プラザホテル東京で行われた同社のイベント「ミサワホーム MDRフォーラム」の開始前に敢行したもので、岡崎氏はイベント差配責任者としてスマホ片手に会場内外を駆けずり回っていた。「野球? めちゃくちゃ強くなっている。私のことは後回し。選手を取材してほしい」とコメントした。

 イベントは非公開で、その内容などは取材不可だったが、参加者は同社の社員や取引先の不動産会社関係者ななど320名が集まった。一癖も二癖もある野球部メンバーを御してきた岡崎氏にとって差配は〝お手の物〟なのだろう。

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 三十年余のRBA野球大会取材を通じ、岡崎氏ほど取材して楽しい選手・監督は10人いるかどうかだ。当意即妙、小生の〝毒〟を含んだ質問には笑い飛ばしたりさらりとかわしたりして自論に引きずりこむ。小生をやり込めるようなことはまずしないから好きになれるのだ。

 岡崎氏がどのような人かは、12年前、当時、ミサワホーム東京本店営業第二部次長を務めていたときにインタビューし、RBAタイムズに記事にしているので、そちらを参照していただきたい。機関銃のように言葉がほとばしり出て、臨機応変、縦横無尽に対応できる技に小生は絶句したのを思い出す。

 今回の取材でも得意技がさく裂した。記者が「さっきの女性マネージャーを紹介してほしい」と話したら、近くにいた別の女性スタッフを呼び寄せ「今日からマネージャー」に指名した。こんな機転が利く人などまずいない。

 驚いたのはその女性、山﨑さんの対応だ。全然嫌がることなく快諾。写真に収まり、記者の質問に答えてくれた。

 山﨑さんは、「野球? 少しは分かります。マネージャー? これから勉強します。プロ野球の好きなチーム? 日ハムです。わたし札幌出身でして、高校のときは1年の半年くらい、アルバイトで札幌ドームの日ハムの試合のビール売りをしていました。きつい? そうですね。ビールサーバーは15キロはありましたから。毎日の売り上げ? 人によりますがわたしは1万5,000円から2万円くらいでした」と語った。

 記者は、かわいい女性が重労働であることなどおくびにも出さず、健康的な太ももをあらわにし、きつい階段を上り下りしている姿を見ると、何杯も頼みたくなる。山崎さん、来年は必ずお会いしましょう。続きは次回。

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左端が山崎氏(続いて高橋氏、鈴木氏。この2人は続き)

「人生の成功者から多くを学ぶ」ミサワホーム東京 本店営業第二部 次長 岡崎晃也氏(2010/7月1・16日合併号)

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イメージパース

 三井不動産、明治神宮、日本スポーツ振興センター、伊藤忠商事の4社は5月19日、東京都から2022年3月10日に「神宮外苑地区地区計画」都市計画決定の告示を受けたことにより、プロジェクトサイトを新設し今後の具体的な整備計画を順次公表していくと発表した。

 三井不動産らは「スポーツを核とした神宮外苑地区の新たな100年に向け、誰もが気軽に訪れ楽しむことが出来る公園の再編と、広域避難場所としての防災性を高める複合型の公園まちづくり」をビジョンとし、誰もが利用しやすく、安全・安心・快適で魅力的なまちを、各関係機関等との協議を進めながら形成するとしている。

 神宮外苑地区地区計画は約66.0haの規模で、大規模スポーツ施設、公園、既存施設等の再編・整備を図る地区(A地区)、明治神宮聖徳記念絵画館、神宮外苑いちょう並木を中心とした緑豊かな風格ある都市景観を保全し、緑と調和した空間整備を図る地区(B地区)、スポーツクラスターへの玄関口として、印象に残る景観形成を図る地区(C地区)からなる。三井不動産などが整備するのはB地区の約28.4ha。

 今回のプレス・リリースは、東京都が2018年11月に策定した「東京2020大会後の神宮外苑地区のまちづくり指針」を踏まえ、2020年2月に東京都公園まちづくり制度実施要綱に基づく公園まちづくり計画の提案書を提出し、2021年7月の同制度の適用許可を経て、同年7月14日に都市計画提案を行い、2022年3月10日に「神宮外苑地区地区計画」都市計画決定の告示を受けて行った。着工は2024年で、全体竣工は2036年の予定。

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18回RBA野球大会水曜ブロック準々決勝戦で旭化成ホームズ・今野投手から先制打を放った〝ミスターRBA〟東急リバブル岡住選手(試合は旭化成が勝利し、そのまま総合優勝した)

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第30回RBA野球大会(平成30年)水曜ブロック準決勝戦でオープンハウスに快勝した野村不動産アーバンネットナイン(コブシ球場)

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この日、台風24号で倒れた球場内の巨木ヒマラヤスギの撤去作業が行われていた(数本倒れた模様)

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 記者は、整備計画でテニスコートに変わることになっている神宮外苑軟式野球場にはRBA野球大会の取材で100回は訪れている。全6面あり、それぞれ「日の丸球場」「ヒマラヤ球場」「桜球場」「ケヤキ球場」「大銀杏球場」「コブシ球場」と名付けられているように樹齢100年近くの巨木がたくさん植えられている。

 それだけに思い入れが深い。三井不動産らが「新たな100年に向けた多様な緑化を計画」としている緑環境はどうなるのか。同社は「経年優化」「残しながら、蘇らせながら、創っていく」を街づくりのコンセプトに掲げている。歴史ある巨木をぶった切るようなことはしないと思う。

 リリースには、樹木について、「神宮外苑創建の成り立ちを踏まえ、計画地における先人の想いや歴史に想いをはせながら1本1本の樹木を大切に扱い、樹木の状態などの詳細な調査を行い極力保存または移植をします。また新たな植栽にあたりましても、計画地周辺に残存する緑地の構成種を中心としつつ、動植物の生息・生育環境にも配慮しながら、例えば市民参加の植樹など、皆様の思いを表すことができるよう、新たな神宮外苑のみどりを作り、守る取組みも検討し、より多くの人々に開かれた良質な公園的空間を実現すべく今後具体的な検討を進めて参ります」と多くのスペースを割いている。

 都が平成30年に行った「東京2020 大会後の神宮外苑地区のまちづくり指針(素案)」に対するパブリックコメントには76通の意見が寄せられ、既存樹を残すよう求める声も多数あった。

 都もこれらの声を意識したのか、「みどり・交流ゾーン」の建築物の高さは15m以下、いちょう並木沿道の建築物の高さはいちょう並木の高さ以下とするとしている。(記者は建築物の高さを樹木の高さ以下に抑えるのは合理的根拠がないと思うが)

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いずれも神宮外苑軟式野球場で行われた第18回大会RBA野球大会

山本の3ランで生還した森を迎える野村アーバンナイン(2018/10/3)

先の台風24号で倒れた球場内の巨木ヒマラヤスギが撤去されていた(数本倒れたとか)

旭化成ホームズ山本が決勝弾 中山は3安打猛打賞の2打点の活躍(2006/10/4)

 

 野村不動産は518日、東京電力エナジーパートナー(東電EP)が提供する太陽光PPAサービス「エネカリプラス」を活用し、同社の分譲戸建て「プラウドシーズン」年間供給戸数約300戸にメガソーラー発電と同規模の太陽光発電(総発電出力1,000kW)を導入する「バーチャルメガソーラー」を始動すると発表した。この種の取り組みは業界初という。

同社は、メガソーラー発電は発電規模が1,000kW以上の大規模な太陽光発電システムを指し、効率良く電力を生み出す仕組みとして全国的に発電設備が増加しているが、休閑地が少ない首都圏での導入はハードルが高い状況で、年間約300戸のプラウドシーズン」に「エネカリプラス」を導入することで、メガソーラー発電と同規模の追加性のある再生可能エネルギーの創出を毎年実現していくとしている。

プラウドシーズン購入者は、エネカリプラス契約期間中(10年間)、初期費用無料で太陽光発電設備で発電した電気を利用することができ、月額サービス料も無料。契約期間満了後は太陽光発電設備が無償で譲渡される。また、電気式給湯機「おひさまエコキュート4」を併用することで、太陽光発電の自家消費を促進し、光熱費を削減できる。

「バーチャルメガソーラー」のスキームは次の通り。
 ① 野村不動産の分譲戸建「プラウドシーズン」年間約300戸に太陽光発電設備を設置
 ② プラウドシーズンオーナーは、東電 EP とエネカリプラスを契約
 ③ プラウドシーズンオーナーは、太陽光発電設備で発電した電気を使用(自家消費)
 ④ 東電EPは、余剰電力を固定価格買取制度(FIT)を通じて電力会社へ売電
 ⑤ 東電EPは、プラウドシーズンオーナーが自家消費した太陽光発電の環境価値を J-クレジット制度を活用し J-クレジット付電力として野村不動産へ供給。また、余剰電力の環境価値は、トラッキング付FIT非化石証書として調達し FIT非化石証書付電力として野村不動産へ供給
 ⑥ 追加性のある再生可能エネルギーが創出され、野村不動産は環境価値を事業に活用する。(野村不動産ホールディングス)

野村不動産ホールディングスは、グループ全体の温室効果ガス(CO)排出総量を2030年度までに2019年度比35%削減、2050年までに100%再エネ導入を目指している。

東京電力グループは、販売電力由来のCO2排出量を2013年度比で2030年度に50%削減、2050年におけるエネルギー供給由来のCO2 排出実質ゼロを目指している。

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.ルーフトッププール

 三菱地所は5月18日、同社が参加組合員として参画している「道玄坂二丁目南地区第一種市街地再開発事業」のホテル棟にテイクアンドギヴ・ニーズ(T&G)が運営する「TRUNK(HOTEL) DOGENZAKA(仮称)」の出店が決定したと発表した。

 ホテルは、渋谷・道玄坂にありながらカジュアルに染まらない、遊び慣れた大人をターゲットにしたラグジュアリーブティックホテル。エリア最大級のルーフトッププールをはじめ、ルーフトップレストラン&バーやシアタールーム、最新ウェルネスを体験できるスパや多彩なジャンルのレストランなどを備える。建物は11階建て延べ床面積約13,000㎡。客室は120~130室、客室面積は28〜120㎡。開業予定は2027年3月頃。

 再開発事業は、京王井の頭線渋谷駅に直結、渋谷マークシティに隣接する渋谷区道玄坂二丁目に位置する敷地面積約6,720㎡、延床面積約87,100㎡。30階建てオフィス棟と11階建てホテル棟を整備する。設計は三菱地所設計・山下設計。デザイン総合監修は北川原温建築都市研究所、事業コンサルタントは都市企画。施工は未定。竣工予定は2026年度。

 

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「ルピアシェリール武蔵浦和」

 ポラスグループ中央住宅が分譲中のコンパクトマンション「ルピアシェリール武蔵浦和」を見学した。駅から徒歩3分の全55戸で、桜並木の緑道に面しているのが特徴。販売は好調。

 物件は、JR埼京線・JR武蔵野線武蔵浦和駅から徒歩3分、さいたま市南区別所6丁目の第一種住居地域に位置する7階建て全55戸。専有面積は32.28~47.46㎡、坪単価は300万円超。現在先着順で分譲中の3期(5戸)の価格は3,090万~3,750万円(32.28~32.79㎡)。竣工予定は2023年1月下旬。売主は同社のほかアートランド。施工はCMC。販売代理はアートランド。昨年11月から販売開始しており、販売は順調。

 現地は、埼京線高架線に沿って整備された花と緑の散歩道・道路に隣接。建物は南西向きで、1フロア7~10戸構成。全て散歩道向き。

 主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2400ミリ、複層ガラス(一部Low-Eガラス)、食器棚、ピクチャーレール、物干しポール、マイギャラリーなど。このほか自動ドアゴミ置き場、シェアリングサービスとしてスクリーン、電動工具、ロボット掃除機、ロボット窓拭機、高圧洗浄機、脚立などの貸し出しなど。

 同社マインドスクェア事業部マンションDv担当者は、「広域からも集客できているのが特徴で、販売は順調です。食器棚、ピクチャーレール、物干しポールなど設備仕様に高い評価を頂いています」と話している。

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モデルルーム(LDK)

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キッチン

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 埼京線の県南エリアは緑被率が低いとこれまで何度も書いてきたが、今回の物件は緑環境に恵まれている。桜並木と遊歩道が整備された幅員約23mの道路・歩行空間に隣接。2車線(各4m)の交通量はそれほど多くなさそうだ。

 間取りもよくできている。コンパクトマンションだが、32㎡の住戸の間口は4.3m確保されている。食器棚、物干しポール、ピクチャーレールなどを標準装備としているのも評価できる。

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現地

 

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 世界貿易センタービルディング、野村不動産、東日本旅客鉄道、東京モノレール、鹿島建設の5社は5月18日、浜松町駅西口開発計画と芝浦プロジェクトに合わせ、浜松町駅エリアの整備計画を発表。駅周辺エリアを広域的につなぐ歩行者ネットワークを構築し、浜松町駅の交通結節点としての機能強化を図る。主な整備計画は次の通り。

 ①浜松町駅北口を中心に竹芝・汐留方面、芝大門方面の各エリアをつなぐ歩行者ネットワークを形成。線路を跨いで東西を繋ぐ自由通路はJR浜松町駅・東京モノレール浜松町駅の北口に新たに整備される改札(3階レベル)からフラットにアクセスできます。2026年度使用開始予定。

 ②浜松町駅南口には既存の自由通路に加え新たな自由通路を整備し、混雑緩和やバリアフリーへの対応を図る。新たな自由通路は2024年度使用開始予定。2026年度全面使用開始予定。

 ③竹芝・汐留方面と芝浦方面をつなぐ歩行者空間として、浜松町駅東側には、旧芝離宮庭園に沿って歩行者専用道路を整備。竹芝・汐留方面と芝浦方面を緑豊かな空間でつなぐ。

 ④浜松町駅中央改札前にひろがる「中央広場」と、「ステーションコア」と呼ばれる歩行者ネットワークを一体整備することで、JR山手線・京浜東北線、東京モノレール、都営地下鉄、バスターミナル、タクシーの各交通機関とのスムーズな乗換を実現する。

 「浜松町駅西口開発計画」は、世界貿易センタービルディング、鹿島建設、東京モノレール、東日本旅客鉄道が共同で開発を進めている東京都市計画都市再生特別地区の特定事業。全体竣工予定は2029年度。

 「芝浦プロジェクト」は、野村不動産と東日本旅客鉄道が共同で推進する国家戦略特別区域計画の特定事業。全体竣工は2030年度。

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信濃町駅近くの外苑東通りのイチョウ並木

 千代田区監査委員会は5月16日、「神田警察通りⅡ期道路整備計画」でエリアに植えられている街路樹であるイチョウ32本を伐採せずに工事することを求めた住民監査請求に基づく意見陳述の場を設けた。記者は傍聴した。

 冒頭、請求人の代理人弁護士・山下幸夫氏が工事請負契約は違法・不当である旨を記載した「意見陳述書」を提出したほか、出席した6名の住民は「神田祭を通じて話せばわかることを学んできた。話し合いの場を設けなかったのは地域にしこりを残す」「工事はⅠ期と同じ工法で行われると信じて疑わなかった」「車椅子利用者は木陰が必要。伐採決定には憤りを覚える」「戦後、祖母に背負われて育った。イチョウは戦後復興のシンボル。それを励みに生きてきた。子どもや孫に残してほしい」などと意見を述べた。

 住民監査請求は、住民が監査委員に対し、関係職員が違法若しくは不当な財務会計上の行為又は怠る事実について監査を請求し、是正を請求する制度で、違法とは、法令の規定に違反することをいい、不当とは、違法ではないものの行政上実質的に妥当性を欠き、適当でないことを指す。議会や議員を訴えることはできない。

 住民らは今年4月21、街路樹の伐採は違法・不当として監査請求を行った。陳述とは、請求人が監査委員に対し請求の趣旨を補足して説明するもの。監査委員は監査請求があった翌日から60日以内に監査結果を報告することになっている。

 総務省の調べによると、平成19年4月1日から平成21年3月31日までの間に請求があった住民監査請求件数は1,798件で、請求に基づき勧告を行ったのは91件となっている。

◇      ◆     ◇

 今回の「意見陳述書」は次の通り。

1 本件監査請求で対象としているのは、千代田区長が、令和3年10月14日、「神田警察通りⅡ期自転車通行環境整備工事」のために大林道路との間で締結した工事請負契約が違法又は不当な契約の締結であるという点です。

2 この件については、令和3年9月21日の企画総務委員会において審議され、街路樹を伐採して工事を実施することが決まり、その後、同年10月13日の本会議において賛成多数により、本件契約の締結についての議案が可決されています。これを受けて、千代田区長が本件契約を締結しています。

3 しかしながら、イチョウを伐採して道路の整備を行うという本件契約に基づく工事は、本件が都市計画法上の計画そのものではないとしても、土地の合理的な利用が図られるべきであるとする都市計画法の趣旨に反していると考えられます。これは、最低でも歩道幅員2メートルが必要であると説明されている点と、車椅子の障がい者にとって本件街路樹が伐採されることによって新たなバリアが作り出されるおそれがあるという点から、合理性があるとは認められません。

4 また、地方議会における議決には、「住民の利益を保障」し、「住民の代表の意思に基づいて適正に行われる」ことが期待されており、そのための民主的プロセスを経て議決されることが必要です。

 ところが、街路樹を伐採して工事を実施することについての千代田区議会における義烈(まま)は、次に述べるように、十分な住民の合意プロセスを経ないで行われています。

5 住民監査請求書で述べたとおり、住民に対する情報公開が極めて不十分かつ不適切であったこと、住民アンケートが極めて不十分かつ不適切であったこと、「既存の街路樹を活用する」と明記していた「神田警察通り沿道賑わいガイドライン」を変更したことが千代田区議会にも報告されず、変更のためのパブリックコメントの手続きが取られていないこと、そして、今回の工事については、千代田区が決めた「附属機関等の設置及び運営並びに会議等の公開に関する基準」、「意見公募手続要綱」そして「参画・協働のガイドライン」に基づく当然になされるべき手続が全くとられていません。

 また、令和2年12月25日の企画総務委員会で配布された資料において、保存を優先すべきとした藤井名誉教授の意見が、本人の確認を経ないまま、異なる要約をされて、伐採に賛成する意見のようにして配布されています。

 さらに、千代田区議会は令和4年3月17日の陳情審査で、工事を行うに当たって、「沿道住民の想いを大切にし、常民(まま)同士の一致点を見いだせるよう努力する」ことを申し入れると集約しましたが、千代田区は、令和4年4月9日に双方の意見交換の場を1度設けただけで打ち切っており、陳情審査の集約の趣旨に反しています。

6 このように、住民の意向を十分に反映しないだけでなく、千代田区の職員が、千代田区議会に対して事実に反する説明をしたり、正確な情報を伝達せずに結論を誘導しており、その結果なされた千代田区議会の議決には重大な瑕疵があるといわなければなりません。

 また、千代田区長と業者との契約にも、本件街路樹は「枯損木」として記載されていますが、樹木医の診断でも健全な樹木であり、「枯損木」と評価されるべきものではなく、契約自体にも瑕疵があります。

 以上のように、千代田区議会の議決自体に重大な瑕疵があり、それに基づいて締結された千代田区長の本件契約の締結は違法又は不当であると考えます。

以上

◇        ◆     ◇

 皆さんは、上段の住民の意見陳述や意見陳述書をどう理解されるか。記者は街路樹伐採に反対する住民の方の敵でも味方でもない。イチヨウの味方だ。今回の問題について6回に分けて記事にしている。それらの記事と共に読んでいただきたい。間違ったことを書いていないはずだ。

 傍聴した限りでは、何らかの是正措置を取るよう勧告する可能性はあるようでないとも考えられるというのが率直な感想だ。

 上段でも書いたように、監査請求が認められる割合はほんの数パーセントしかないからだ。今回の問題で住民らが指摘している「瑕疵」は、区議会当事者が認めているように確かにある。だからといて、区の手続きに瑕疵があることを証明するのは容易ではない。具体的な法令違反を証明しないといけないからだ。情に訴えても監査委員はまず考慮しない。「意見陳述書」には都市計画法(2条と思われる)についての言及もあるが、同法2条は基本理念を示したものだ。これに逸脱しているからといって、街路樹の伐採の違法性・不当性を証明するのは至難の業だろう。

 区の環境まちづくり部地域まちづくり課が令和3年9月15日付の課長決済で、「第17回神田警察通り沿道整備推進協議会(令和2年12月2日)において、神田警察通り沿道賑わいガイドラインの記載との相違についての確認を行い了承された。その後、旧ガイドラインに基づく指摘が多数あったため、内容の一部を修正し、あわせて広報広聴課にホームページの改正の手続きを行う」(主文)とガイドラインの「など」を削除したのは大問題だと思うが、「軽微な修正」という区側の言い分をどう覆すか。(ガイドラインは法律ではないが、区も住民も縛る極めて重大な文書だ。公文書の改ざんとも解釈できる)

 区のガイドラインには、「千代田区職員コンプライアンス・ガイドライン」もある。このガイドラインには「法令等を遵守し、適正に職務を行います」などのほか「区民等に信頼感を持ってもらえる応対をします」とある。「区民等」は注釈付きで「区民、区内事業者に限らず、職員が職務において接するすべての人を、『区民等』としています」とあるように、「等」は単なる例示を示す文言ではない。

◇        ◆     ◇

 記者は以前から、街路樹や緑の価値を可視化できないかとずっと考えてきた。今回の住民監査請求でも、住民側はイチョウが伐採されることでどれほどの価値が棄損されるか具体的な数値を示すべきだと思う。監査委員からも「(伐採による)区の損害額はいくらと想定されているか」という質問に対し、代理弁護士は「計算していない。調べて後ほど報告する」にとどめた。

 しかし、その額を算定するのは極めて難しいはずだ。算定する方法がないからだ。ところが、ネットで調べたらそのような研究を行っている人や団体があることが分かった。

 真っ先にヒットしたのは、Alexis Ellisの平林聡氏や徳江義宏氏・伊藤綾氏・今村史子氏・森岡千恵氏らによる「川崎市川崎区を事例としたi-Tree Eco による街路樹の生態系サービスおよびその貨幣価値の推定」という論文だ。

 論文の冒頭には、次のような記述がある。都市の樹林等の生態系サービス(生物・生態系に由来する、人類の利益になる機能)の定量的・経済的な評価方法について、国外ではEnviroAtlasやInVEST等の評価・可視化ツールが開発され、維持管理や政策決定等の実務面において活用されている。しかし、国内では都市の樹林地の生態系サービスについて事例的な研究は行われているものの、貨幣価値までを含めた総合的な評価を行った事例は少ない。さらには、樹木等データの測定・収集、生態系サービスの算出、政策立案を行うための統一的な方法論や標準的なツール、システムは確立されていないと。

 川崎区の街路樹研究は、米国で開発された「i-Tree Eco」(Eco)を用いて1)炭素蓄積・固定、2)冷暖房使用量増減、3)乾性沈着による大気汚染物質除去とそれに伴う4)健康被害軽減、5)雨水流出量削減を数値化し、その結果、「川崎区の全街路樹について,年間約530万円の貨幣価値(炭素蓄積が約84万円、炭素固定が約6万円、冷暖房使用量が約3万円増加、大気浄化による健康被害軽減が約200万円,雨水流出量削減が約243万円)と推定された」としている。

 また、「Ecoでは街路樹の主な役割である景観向上の貨幣価値算出機能が実装されていないが、標本調査に基づいた解析では、樹木そのものの貨幣価値が算出可能である。しかし、今回は全数調査であったこと、算出方法が米国内限定であったことを理由に解析を行わなかった」としている。

 この論文を読んで、わが国は米国などと比べて緑の価値の可視化の研究が遅れているのを知った。これまで都市計画や緑に関する会合などをかなり取材してきたが、その価値の可視化について触れた学者先生は一人もいなかった。

 平林氏らの今回の川崎区の街路樹の貨幣価値が530万円というのは、景観価値が考慮されていないのでこのような額になったと理解した。

 みなさんは街路樹の景観価値をお金に換算したらいくらになると考えられるか。記者は、信濃町駅近くの外苑東通りのイチョウ並木は1本当たり最低300万円、神田警察通りⅡ期のイチョウはまだ若いので100万円くらいではないかと思う。(イチョウは〝バカにするな、俺はそんなに安くないぞ〟と怒るかもしれないが)

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千代田区 明大通りの歩道空間の整備工事(プラタナスはそのまま残される)

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同じ明大通りの歩行空間整備工事で全て街路樹が伐採されたお茶の水駅近くの街並み

◇        ◆     ◇

 「枯損木」について。意見陳述書には「本件街路樹は『枯損木』として記載されていますが、樹木医の診断でも健全な樹木であり、『枯損木』と評価されるものではなく、契約自体にも瑕疵があります」とある。

 記者も目視したので「枯損木」ではないと断言できる。いったい誰が「枯損木」と判断したのか。樹木医がそのような報告を区にするはずがないと思い、区に確認した。

 環境まちづくり部は「東京都の工事積算基準には街路樹を伐採する場合は『枯損木』という文言を使用することになっており、区はそれに従った。樹木診断も受けているが、樹木医さんはそのようなことは仰っていない」と答えている。

 だとするならば、街路樹を道路の附属物としか見ていない道路行政に問題はあるが、区が「枯損木」として処分することを決めたことを瑕疵として認定するのは難しいような気がする。監査委員はどう判断するか。

住民は必ずしもイチョウ伐採に賛成ではない 千代田区の「街路樹が泣いている」(2022/5/14)

 

 

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