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 野村不動産ホールディングスは3月1日、機構改革・人事異動を発表。賃貸部門で所管していた野村不動産の都市開発事業本部における賃貸住宅事業と、運営管理部門で所管していたシニア事業を住宅部門に、運営管理部門で所管していたフィットネス事業を賃貸部門にそれぞれ移管する。賃貸部門を都市開発部門に改称する。いずれも4月1日付。

 都市開発部門長には、代表取締役副社長兼副社長執行役員・関敏昭氏が就任する。

 野村不動産には都市創造事業本部と芝浦プロジェクト本部を、都市開発事業本部に海外事業部をそれぞれ新設する。

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 RBA野球関係では、執行役員流通事業本部ソリューション営業統括部長嘱託兼保険営業部担当・神園徹氏が常務執行役員に、流通事業本部第一営業統括部長・木内恒夫氏が執行役員流通事業本部第一営業統括部長嘱託に就任する。

 神園氏と木内氏は中大法科の先輩後輩。RBA野球では、神園氏はただの応援、木内氏はノーヒット・ノーランを2度記録している(相手はそんなに強くなかった)元エースで、口達者な応援団長。第30回大会で水曜ブロック初優勝した影のヒーロー。

 三井不動産は3月1日、組織改正・人事異動を発表。4月1日付で「ライフサイエンス・イノベーション推進室」を「ライフサイエンス・イノベーション推進部」へ改組し、同社代表取締役副社長執行役員・北原義一氏が同部を管掌する。また、「社会・環境推進室」を「ESG推進室」へ改称し、機能を強化する。

 主な人事異動では、取締役専務執行役員・藤林清隆氏(三井不動産レジデンシャル社長)が三井不動産リアルティ取締役会長・三井ホーム取締役会長に、グループ執行役員・池田明氏が三井ホーム代表取締役社長に就任する。

 異動に伴い、三井ホーム代表取締役社長・市川俊英氏は三井不動産顧問(三井ホーム常任相談役)に就任する。それぞれ4月1日付。

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遠藤氏

 三井不動産リアルティは3月1日、代表取締役副社長に取締役専務執行役員・遠藤靖氏が4月1日付で就任すると発表した。

 遠藤氏は昭和38年9月22日生まれ、鳥取県出身。昭和61年3月、慶應義塾大学法学部卒。同4月、三井不動産入社。平成23年4月、同社ビルディング本部 ビルディング営業二部長。同24年4月、同社 ビルディング本部法人営業二部長。同28年4月、同社千葉支店長。同29年4月、三井不動産リアルティ取締役 専務執行役員(現任)。

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 遠藤氏は、桐蔭学園から慶大に進み、野球部主将として85年秋のリーグ優勝、学生日本一に導いた。通算31勝を挙げながら読売巨人軍のドラフト1位を蹴って三井不動産に入社した〝RBAの星〟志村亮氏の高校を含め3年先輩。平成29年にはRBA野球大会顧問に就任した。

 そのほか、同社にはRBA野球関係者が多く、取締役常務執行役員・正木条氏、上席執行役員名古屋支店長・石井雄二氏のほか、リテール事業本部営業十部長に安西幸次郎氏(現リテール事業本部 流通営業八部長)、ソリューション事業本部統括営業部長に志村亮氏((現ソリューション事業本部部長) 、三井不動産リアルティ札幌代表取締役社長に 江川尚志氏(現ソリューション事業本部 法人営業一部長)がそれぞれ4月1日付で就任する。

 部長・役員クラスでシニアチームが作れる。

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「コスモグラシア旗の台」

 書かなければならない記事が3本あるのだが、こうなったら〝後入れ先出し〟だ。おそらく他の記者の方は見ていないか、見ていてもまだ記事化していないはずのコスモスイニシアの賃貸マンション「コスモグラシア旗の台」だ。4階建てで高さが10m、しかもバルコニーが付いていないにもかかわらず募集1カ月で全43室が満室になるという、驚嘆の物件だ。

 物件は、東急池上線旗の台駅から徒歩10分、大田区北馬込1丁目の第一種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する敷地面積約705㎡、延べ床面積約1,608㎡、容積率184.3%(容積対象レンタブル比96.2%)の4階建て全43戸。専用面積は25.92~51.85㎡、賃料は9.3万~18.0万円(平均坪単価は1.2万円強)。リーシングは三井不動産レジデンシャルリース。竣工は2019年1月31日。リート市場で売却する予定。

 現地は、旗の台駅、長原駅、馬込駅の3駅からのほぼ中間、環七通りから一歩入ったところ。

 建物は4階建てだが、高さを10mに抑え、内廊下方式とし、居住面積を広くするためバルコニーを設けていないのが特徴。

 物件の進捗管理を担当した同社ソリューション本部 統括部投資用不動産推進課課長・吉村昌浩氏は、「敢えて建物を10mに抑え、エレベータを設置して内廊下とし、バルコニーを設置しないことについては賃貸の業者さんからつけるべきと言われ悩んだが、付けなくて正解だった。それでも満室になるのは6月ころかと思っていたら、募集開始1カ月で満室になった。驚いている」と話した。

 今秋には同シリーズの賃貸マンション「入谷A・B(仮称)」が完成するという。

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約41㎡の部屋

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 今週は、長谷工コーポレーション「千石」、三菱地所「西永福」、東急不動産「赤羽志茂」に続いて今回の「旗の台」と4物件も分譲マンションではない賃貸・老人ホーム・寄宿舎を見学取材した。

 今回も利回りを計算した。分譲マンションなら坪単価は300万円をはるかに超え、350万円でも難しいのではないか。しかし、アクセスは馬込駅からも長原駅からも環七を通らざるを得ず、旗の台もやや坂がある。坪350万円で10坪のコンパクトなら売れるかもしれないが、20坪ならまず売れない。そんな立地だと思う。(この前書いたモリモト「旗の台」はひょっとすると目を剥く価格になるかもしれない)

 賃料から類推して利回りは5%くらいではないか。それが1カ月で満室になるのだから、分譲よりはるかに効率がいい。「千石」「赤羽志茂」も分譲だったら苦戦するのは間違いない。

 4物件を見て、その土地の価値を最大化する選択肢はどんどん増えているという印象を強くした。土地の仕入れ担当者は間口を広げ、引き出しの数を増やさないといけない時代だ。

 コスモスイニシアの賃貸は初めて見た。素晴らしい分譲同様、頭脳が冴えわたっている印象を受けた。直床・天井高2400ミリは分譲でも復活してきたのでありなのか。設備仕様はよくわからない。物干しポールは当たり前。

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約25㎡の部屋(バルコニーを設置すればこのようなベッドの配置はできない)

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 記事とは関係ないが、吉村氏はかつて同社野球部のエースで、小さな体ながら、だからこそでもあるのだが〝打たせて取る〟コントロールが抜群で強打者を手玉に取った。

 しかし、チームの打力は並以下で、守備力はザルどころか底が抜けた桶状態だったので〝出ると負け〟を続けた。それでも吉村氏は〝打たれた自分が悪い〟と言いたげそうに微笑み、ナインを叱ることなど全くしなかった。

 50歳を超えて硬式野球でまた投げるようになり、マスターズ甲子園の埼玉大会でで投げているという。マラソンもしているそうだ。確かタイムも聞いたはずだが、酔っぱらっていたので忘れた。

 マラソンと言えば、今は明かせないがあるゼネコンのRBA選手が今度の東京マラソンで走る。タイムがすごい。3時間10分が目標とか。本人から結果を聞いて記事にする予定だ。このゼネコンの最近の業績はうなぎのぼりで、この選手もあと1時間短縮すればオリンピックに出られるのではないか。

 まだ続きがある。吉村氏からサヨナラ打を放ったことがある、野球関係者なら知らない人はいない、あるチームのかつての主砲で現在は賃貸リースを担当している部長さんに話したら、即座に「安い」と評価し、「ああ、あそこ」と現地も特定した。賃貸のプロというのもまたすごい。

 あっ、いけない。そうでなくとも記事が右往左往するのに、昨夜の酒が残っているのか-いや確実に残っており記事が千鳥足状態になってきた。ここまで付き合ってくださった読者の皆さんに感謝いたします。

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 【追記】同社の広報もまたさすが。上記の記事をアップしてから約1時間。もう酒は完全に抜けたが、記憶が抜け落ちていた。4年前、同社の投資用賃貸マンション「向島5丁目プロジェクト」を見学し、記事にもしていることを指摘してもらった。記事を添付したので読んで頂きたい。あれはよかった。

 吉村氏にもタイムを聞いた。10キロを50分だとか。これは速い。記者は20歳代、皇居(5キロ)をこれくらいで走ったか。いま走ったら再起不能になる。

「TSUNAGU(つなぐ)」がテーマ コスモスイニシア 投資用賃貸「向島5丁目」竣工(2015/3/20)

 

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「キャンパスヴィレッジ赤羽志茂」

 東急不動産は2月27日、北区志茂三丁目で開発を進めている学生レジデンス「CAMPUS VILLAGE」の第二弾「キャンパスヴィレッジ赤羽志茂」が2019年2月に竣工し、3月から入居開始すると発表。同日は報道陣に公開するとともに、第一弾の「椎名町」の女性入居者が住み心地などについて感想を語った。

 物件は、東京メトロ南北線志茂駅から徒歩8分、北区志茂三丁目に位置する敷地面積約2,025㎡、延床面積約4,276㎡の8階建て全233室。専用面積は14.02㎡~14.67㎡。賃料は4.9万~7.2万円。入館料は15万円(1年)・24万円(2年)。管理費・共益費は1.8万円/月、食事代は1.7万円。事業主は同社のほか伊藤忠都市開発。施工は川田工業。管理・運営は学生情報センター。一定期間所有し、その後はファンドなどに売却するスキーム。

 現地は、日本火薬の工場跡地。三菱地所レジデンスなどが分譲中の全500戸の「ザ・パークハウス オイコス 赤羽志茂」の隣接地。

 昨年11月から入居者を募集しており、これまでに東洋大を中心に法大、上智大など約4割に申し込みが入っている。男女比は半々とか。

 記者見学会で東急不動産執行役員住宅事業ユニット首都圏住宅事業本部本部長・大谷宗徳氏は、「年間1,000室体制、業界ナンバー1を目指す」と話した。

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左から同社住宅事業ユニット首都圏住宅事業本部住宅ソリューション部統括部長・野間秀一氏、同ユニット事業戦略部 統括部長・久保章氏、大谷氏

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 大手デベロッパーでいち早く学生マンション市場に参入し、全国で約43,000室を管理・運営する学生情報センターを傘下に収め、好調なスタートを切った余裕なのか、大谷氏らひな壇のお三方は威風堂々の戦略家に見えた。女子学生をゲストに呼ぶなどという芸当を他社は真似できないのでは。

 それもそのはずだ。数字が全てを物語っている。寮・寄宿舎のことはよくわからないのだが、分譲マンションと比較し、利回りを計算した。賃料約7.2万円(15㎡)で、坪単価を230~240万円くらいだとすると、利回りは実に8%を超えるではないか。

 容積率を調べたら約211%(法定容積はおそらく200%)だったので、分譲と比べ容積不算入の部分は少ないようだが、逆に設備仕様を落とせるし、付帯設備も減らせるのでレンタブル比率は高いはずだ。

 大谷氏らは、学生マンションを通じ、さらに賃貸住宅-新築の分譲マンション・一戸建て、リノベーションマンション、シニア住宅へと繋げることで〝東急ファン〟を拡大し、グループシナジーも発揮し、高付加価値のバリューチェーンを構築しているなどと自信たっぷりだった。年間1,000室とは凄い。一挙に引き離す戦略か。

 オールドファンには懐かしい「CAMPUS VILLAGE(キャンパスヴィレッジ)」なるブランド(昔は東急ビレッジだったが)が復活した。

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共用部

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図書棚(学生さん向けにしては図鑑のようなものが多く、小説や哲学書などは少なかったのがきになった。グループで募れば1万冊の寄贈があるのでは)

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 記者は、学生マンション・寮を見学するのは2回目だった。いま首都圏ではどんな劣悪なアパートでも月額家賃は5万円くらいするはずで、個室に浴室・トイレが付いており、その他食堂、洗濯室、娯楽室、図書館、ミーティングルームなどの共用施設が併設されていることを考慮すれば、賃料はリーズナブルなものでないかと思う。

 だが、記者は「寮・寄宿舎」と聞くと、管理しやすいように規則でがんじがらめにし、入居者の自由を奪う監獄のイメージが強いので好きになれない。その一方で「女子寮」などと聞くと、アンタッチャブルな花園のようなイメージが湧き、それだけで浮足立つのだが…(女子学生会館はかなり厳しい。箱入り娘はまだ生きている)。

 いまの企業は、飼いならされた犬のような学生を求めているのかもしれないが(同社グループは個性的な人材確保に転換したはず)、学生さんには自立した立派な社会人になってほしいと願うので、好き勝手ができるアパート・マンションがいいような気がしている。

 その疑問をストレートにぶつける絶好の機会を同社は与えてくれた。何と第一弾の「椎名町」に住む2人の女子学生をゲストに呼び、感想を語ってもらい、報道陣の質問にも答えるという、粋な計らいを行ったのだ。

 まずAさんの感想。「えっと、一言でいえば安心。えっと、上京してホームシックにかかり、母が恋しくて泣いてばかりいました。そんなとき、フロアリビングで『大丈夫? 』などと声を掛けていただいたのがきっかけで仲良し友達になれました。あとは、食事がとても美味しくて盛り付けもいいのにびっくりしました。実家では、こんなことを言うと母に失礼ですが、ご飯とみそ汁と(もう一品二品話したか)くらいで…。こんなに朝ごはんが楽しいとは思わなかった。(記者団にマイナス点を聞かれると)部屋が狭く、みんなそれぞれ工夫していますが…」と話した。

 Bさんは、「みなさんと関わり合いが持てて、英会話の勉強などもできるのがいい。門限もないし、セキュリティもしっかりしているので安心」などと語った。

 Aさんの「部屋が狭い」に記者はもう我慢ができなくなった。「椎名町」は12㎡(3.6坪=7.3畳大)もあるではないか。孫のような女性にきついことを言うのはかわいそうだとも思ったが、ここはしっかり言わないとだめだと決断し、年甲斐もなく「あなたは『狭い』と仰ったが、家賃を払う親も大変。わたしは北向きの3畳間に住んだことがある。いったい実家ではどれくらいの広さの個室を与えられていたのか」と質問というより詰問した。

 やや間があり、Aさんは「家は100坪で、わたしは10畳くらいでした」と、Bさんは「部屋の半分、5畳くらい」とそれぞれ答えた。「…」

 この二人に記者は「分譲マンションにすると、ここ志茂だと1,000万円くらい、椎名町は1,000万円をはるかに超える」と話しておいた。分かってくれたか。

 同社には、監視を強化すれば自立した社会人になれないのではないかと問いただしたら、大谷氏ら関係者は「悩ましい問題だが、自由を束縛するようなことは行わない」と答えた。しかし、共用部での飲酒・喫煙はダメで、部屋内での喫煙も禁止とか。お友達を招じ入れることは可能なようだ。洗濯機は男女別になっていた。

 このことが、寮・寄宿舎に関する労働基準法で禁止されている①外出又は外泊について使用者の承認を受けさせること②教育、娯楽その他の行事に参加を強制すること③共同の利益を害する場所及び時間を除き、面会の自由を制限すること-に違反はしていないのは確かに間違いない。

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土地の価値最大化 老人ホームと学生レジ事業 勝てない勝負はするな 記者の仕事も同じ(2019/2/27)

伊藤忠都市 学生マンション第1弾「武蔵小杉」 好調スタート〝至れり尽くせり〟(2017/3/21)

イヌイ倉庫 「企業寮をシェアする」新発想の「月島荘」が竣工(2013/9/29)

 本日(2月27日)は、午前中に京王井の頭線西永福で三菱地所レジデンスの介護付き有料老人ホームの、午後は東京メトロ南北線志茂で東急不動産の学生レジデンスの完成見学会があった。前者は、月額約100万円の入居費用がかかる、身も蓋もない言い方をすれば「地獄の沙汰は金次第」の施設だし、後者もまた、貧乏学生もその親も負担しきれない、至れり尽くせりの寄宿舎であるという点ではよく似ており、その土地の価値を最大限生かすという視点からすれば、極めて魅力的、刺激的な取材だった。

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 小生は小生なりの視点で記事を書いているので他紙と争っている感覚は全くないが、基本的にニュースは速さが勝負だ。その意味では、不動産流通研究所のweb「R.E.poot」(以下、同紙)に完全に負けた。なぜ負けたか、業界紙の記者はどうあるべきかについて以下に書く。

 東京を起点にすると、本日の取材先はそれぞれ片道だけで1時間。取材時間は1時間半から2時間。社に戻ったら17:00過ぎだった。書くのをあきらめて、家に帰りいつも通り酒を飲んだ。

 午前中の地所レジの記事はともかく、東急不の記事は同紙も書かないと高をくくっていた。同紙の記者と小生は帰るまで一緒だったからだ。同紙は18:00にアップする。書く時間は30分あるかどうか。

 ところが同紙は地所レジも東急不もきちんと記事にしているではないか。伝えなければならないことを過不足なく伝えている(と思う。言いたいことは山ほどあるが、これは同社の経営に関わること)。ひょっとしたら予定原稿をあらかじめ書いており、コメントの部分だけ追加したのか。音声入力で書いていたのか。

 この早業にうっかりしていられないと思ったのだが、それ以上に小生が感心したのは、地所レジの取材に同紙は3人の記者を送り込んでいたことだ。同紙は若手記者を育てる意味もあり、都合がつけば極力見学会などに出席するようにしているという。これは先に生きてくる。記者として一人前になるには現場を見るしかないからだ。

 同紙と比べ情けないのは他紙。地所レジの見学会に出席したのは同紙を含めて20名。午後の東急不も同じくらい。昨日の野村不動産の武蔵小金井のマンション見学会は16名(同紙は2名)。一昨日の長谷工コーポレーションの千石の賃貸マンション見学会も20名(同)いたかどうか。全て参加した記者は数えるほどしかないはずだ。

 生き方は人それぞれ。小生がとやかく言う問題でもないが、ジャーナリズムの世界で生きていこうとするならば、現場取材を積み重ねる以外に近道はない。

 逆説的に言えば、こんなに有意義で面白い現場取材にせいぜい20人くらいしか集まらないのだから、それぞれが競争相手と考えれば、圧倒的な優位な立場に立てるわが業界の記者ほどやりがいのある仕事はない。

 小生は明日も2件の取材と、夜は楽しい飲み会もあるので、今日の記事はいつ書けるのか。同紙に先を越されたのはやや悔しいが、中身で勝負する。勝てない勝負、競争はするなということだ。地所レジの老人ホーム事業と東急不動産の学生マンション事業も同じだ。それぞれの会社の担当者はしてやったりの顔をしていた。

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「プラウドタワー武蔵小金井クロス」完成予想図

 野村不動産は2月26日、JR武蔵小金井駅前の全716戸の再開発タワーマンション「プラウドタワー武蔵小金井クロス」の記者見学会を行った。約9割を同社が所有するショッピングセンターのほか、医療施設、子育て支援機能を併設する複合物件で、様々な共用施設や設備を備えることで、ファミリー、共働き世帯、単身世帯、アクティブシニアなど多様なニーズに応える。販売開始は3月9日。

 物件は、JR中央線武蔵小金井駅から徒歩3分、小金井市本町六丁目に位置する24階建て(イースト)と26階建て(ウエスト)の2棟全716戸(うち非分譲の地権者住戸103戸含む)。専有面積は34.03~112.42㎡、価格は未定だが、坪単価は370万円の予定。入居予定は2020年6月中旬。施工は清水建設。

 現地は、10年前に完成した駅南口の第一地区再開発エリアに隣接しており、今回の再開発と合わせ約5.2haの中央線沿線過去最大級の規模。建物は制震構造を採用。

 主な共用施設は、スカイワークサロン、ライブラリー&カフェラウンジ、フィットネススタジオ、635(ムサコ)ベースなど。また、地域のコミュニティ形成を支援する開かれた空間としてアトリエコモレビ、ムサコヒロバ、ムサコテラスも整備する。

 主な基本性能・設備仕様は、天然石キッチンカウンタートツプ、ディスポーザー、食洗機、木製リビングドア、天井高2.5~3m、Low-Eガラスのコーナーサッシ、ミストサウナなど。

 販売責任者の同社・平野拓也氏は、「戸数も開発規模も中央線沿線過去最大級。タワーマンションは活況を呈しており、当社の価格についてはお客さまから『安い』という評価を得ている」と話した。

 これまで約2,700件の問い合わせがあり、来場者は約950件。

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アクアラウンジ

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サイクルベース

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 絶妙な値付けだと思う。中央線だからひょっとしたら坪単価380万円もあるかなと思ったが、坪単価370万円と聞いたとき〝なるほど〟と得心した。「東雲」と同様、最近の同社は高値を追求しない。賢明だ。

 第1期の供給戸数は200戸くらいではないかと予想したら、「百数十戸くらいは行きたい」(平野氏)とのことなのでこれもぴったりだ。

 シアター、パンフレットなどを見て、いつもながら宣伝の巧みさに感心した。平野氏は何度も「中央線初」と話した。父子の絆をホームドラマ仕立てにしたシアターも流れた。

 ここ数年、このような〝泣かせる〟シアターばかりを見せつけられているので辟易しているのだが、来場者にしてみれば、これが新鮮に映るのかもしれないし、そしてまた、「Rest Tokyo」「私を、休もう」「武蔵野で、休もう」「始発通勤で、休もう」などと別刷りの小冊子「Pause」で繰り返されたら、「musako」(武蔵小金井をそう呼ぶらしい)こそ、終の棲家に思えてくるのではないか。

 「musako」について。小生は全然知らなかった。「武蔵小杉」も「武蔵小山」も「musako」と呼ぶらしい。発音を聞いたら「ko」は語尾を下げるのだそうだ。

 記者などは小さいころ、「夕鶴」の「tsu―」(司のtsu)としか呼んでもらえなかったので、語句を短縮するのは好きになれない。「タワマン」などまず書かないし、少し前、「ワーママ」なる言葉が業界紙の見出しに使われていたのに仰天した。

 「musako」ついでだ。平野氏は「私は神奈川出身なので『musako』は武蔵小杉のことだと思っていた」と話したが、平野氏は「もう間もなく完売する」「プラウドタワー川口」も担当しており、記者が取材したとき「川口は〝埼玉の武蔵小杉〟と言われています」としゃべった。

 単価は「musako」(武蔵小杉)を越えたか。だが、しかし、個人的には「musako」をベンチマークにするより坪単価400万円の勢いのある「kitasen」(北千住)に注目したほうがいいと思う。わが「tamasen」(多摩センター)だって「musako」(武蔵小金井&武蔵小杉)より富士山は圧倒的に近い。

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 商業施設を同社が所有するのは、商業を強化するためだと平野氏は話した。隣接のイトーヨーカ堂との競合について聞いたら、「ヨーカ堂の面積は16,000~18,000㎡だが、当社は日用品中心なので競合はしない」と語った。街の適正店舗面積はまったく分からないが、多摩センターのほうがはるかに大きいのでは。

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スカイワーク

第1期174戸が即日完売 三井レジ・東急不「コスギ サード アヴェニュー」(2018/12/4)

〝二者択一は終わりにしよう〟 川口初の免震×長期優良 絶好調 野村不動産のタワー(2018/5/14)

野村不動産「武蔵小金井」坪単価340万円でも早期完売へ(2007/10/16)

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中村氏(全国中小企業団体中央会 研修室で)

 日本原産の作物はフキ、ウド、カキ、クリなどわずか10種類程度-目からうろこのこんな講話を秋草学園短期大学教授・中村陽一氏(61)が2月22日、OSI(沖縄観光産業研究会)第126回研究会で行った。

 中村氏は「わたしの専門は植物学」と口火を切り、「キュウリだけで1時間は話せる」などと冗談も飛ばしながらモーウイ(ウリ)、キュウリ、ブロッコリー、キャベツ、ゴボウ、イチゴ、スイカ、カボチャ、ゴーヤ、トウガン、パパイヤ、バナナ、ジャガイモ、サツマイモ、タロイモ、サトウキビ、コメ、コムギ、ダイコン、ハクサイ…数えきれないほどの食材の起源や食べ方などをしゃべり続けた。沖縄出身の参加者とは「黒糖地獄」「モクマオウ」などについてやり取りもした。

 きっかり1時間。「話は1時間でいいよ。そのあとは泡盛が待っている」と事前にプレッシャーをかけた同研究会前代表・百瀬惠夫氏(明大名誉教授)の注文通りに話した。

 記者が驚いたのは、参加者に配布された論考「作物の起源を探る~プロローグ~」(食の科学2001.8 No282)の次の部分だった。

 「(日本で)現在栽培されている作物は、400種以上、野菜だけでも150種にのぼり、さらに地方ごとの特産品種を上げればその数は数千にもなるといわれます。実は、世界中を見渡してもこれほど多種の作物を栽培している国は他にありません。

 一方それらの作物の中で、日本原産のものは、セリ・ミツバ・フキ・ウド・ワサビ・クリ・カキ・ナシなど10種類程度にすぎません」

 中村氏は、東京大学大学院農学系研究科博士課程単位を取得したのち、南極海洋調査や生物資源調査のためアジアを中心に60か国以上を歴訪し、教職の傍ら神職も務めている。

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百瀬氏(右)の隣の方は村上水軍ではなく元日本郵船の船長・庄司洸一郎氏

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左のお二人は沖縄出身(百瀬先生が口説いているシーンではないはず)

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 原産のバナナには種があり、木のような部分は葉っぱであり、トウガンは1個40キロもするものがあり、パイナップルの食べている部分は茎で、ゴーヤはザクロのようにはじける、「泡盛」はひょっとしたら「粟」を原材料に使ったからではないか…まるでクイズ番組のような中村氏の揺さぶり攻撃にあ然、呆然するしかなかった記者は、悔し紛れに一発かました。

 「先生!野草にはムラサキシキブとかワスレナグサ、ヒトリシズカ、ハハコグサなどいい名前もあるが、口に出すのもためらわれるオオイヌノフグリ、ヘクソカズラ、ハキダメソウ、ドクダミなどどうしてそんなかわいそうな名前を付けたのか。オオイヌノフグリの花も実も絶対そのような形ではない」と。

 中村氏は「うーん、牧野(富太郎)先生か誰かが付けたのは間違いない」としか答えなかった。

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中村氏と参加者(お二人から「載せていい」と了解を得ています)

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 これは先生もご存じなかった「腰油(コシアブラ)」を紹介する。つい最近だ。あるデベロッパーの役員と広報担当の方々との酒席に出された天ぷらだった。口にしたとたん、だしぬけにえも言えぬ香りが口内に拡がり、痛飲したお陰で眠りに就こうとしていた脳細胞が覚醒させられ、その感動が満腔を満たした。70年近く生きてきて、こんなおいしい山菜を食べたことがないのが悔しかった。

 早速翌日調べた。「山菜の女王」と呼ばれていることを知り納得した。4月中旬あたりから出回るそうだ。タラの芽など「目」じゃない。もうすぐフキノトウも食べられるが、フキノトウとはまた全然違う。これを食べずして食通というなかれ。

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OSI代表・篠原勲氏(右)と参加者

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 OSI(沖縄観光産業研究会)への入会をお勧めします。会費は必要ですが、各界の方から様々な知見が得られ、終わってからの懇親会(会費は5,000円くらいか)では泡盛の古酒が飲み放題。3杯くらい飲めば元が取れます。詳細はOSI事務局・〒105-0013 東京都港区浜松町2814、浜松町TSビル1階、電話03-3431-0888へ。

機能的・情緒的・自己表現価値をどう伝えるか 高崎経済大学講師・権代美重子氏 OSI

「おーお明治」大学の誇り 百瀬恵夫名誉教授の「瑞宝中綬章」受章を祝う会に300名

 

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「ブランシエスタ白山」

 長谷工コーポレーションは2月25日、同社の賃貸マンション〝ブランシエスタ〟シリーズ第4弾「ブランシエスタ白山」が完成したのに伴う記者内覧会を行った。多様なニーズに応えるためコンセプトルームを8つも用意した企画がヒットしたのか、3月初めの入居を前に全63戸のうち44戸(70%)に申し込みが入っている。

 物件は、都営三田線白山駅から徒歩6分、文京区白山一丁目の白山通りに面した内廊下方式の14階建て全63戸。専用面積は34.74~57.44㎡、月額家賃は154,000~277,000円。貸主は長谷工ライブネット。施工は長谷工コーポレーション・不二建設。

 それぞれ入居者特性を考慮したコンセプトルームをFRENCH(13戸)、JAPANESE(4戸)、CAFETERIA(10戸)、BAR STYLE(7戸)、LUXURY(5戸)、CALIFORNIA(7戸)、DISPLAY LIGHT(12戸)、DISPLAY DARK(7戸)用意している。

 主な設備仕様は、リビング床暖房、食洗器、ミストサウナ、アクアネオ(シャワーパネル)、フィオレストーンキッチン天板、エコカラット壁(一部除く)など。

 内覧会に臨んだ同社執行役員・大門栄城氏は、「今回第4弾となる物件の用地取得は2015年。分譲マンションのクオリティと賃貸の自由度を兼ね備えた、これまでとは一味も二味も異なるハイグレードマンションに仕上げた。今後も第9弾まで予定に入っており、賃貸マンションを中心とする保有資産は1,000億円に積みあがってくる」などと語った。

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FRENCH

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LUXURY

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JAPANESE(タタミがうまく写っていないのが残念)

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CALIFORNIA

◇       ◆     ◇

 記者は分譲が中心なので、利回りを5%として分譲価格に置き換えた。ならすと坪単価は430万円くらいになった。

 相場より高いような気もしたが、それでも申し込み率が入居を前にして70%というのは企画がよかったからだろうし、コンセプトルームのデザインを担当したのは同社エンジニアリング事業部デザイン室2チームのチーフデザイナー・佐々木美枝氏の貢献度は高い。

 コンセプトルームは、それぞれ好みがあるので何とも言えないが、記者が気に入ったのは居住面積57.44㎡のうちリビングなど半分以上をタタミ敷きにした意表をつくJAPANESE(4戸)だった。ただ、畳表は化学タタミというのはどうか。本物の藺草だったら度肝を抜かれるのに残念。冒険だろうが、分譲でもやってはどうか。気に入る人はいるはずだ。

 このほか、個性的なドア把っ手を採用したFRENCH、有孔ボードを多用したDISPLAY LIGHT、DISPLAY DARK、サインボードやタイル壁でカフェの雰囲気を醸し出したCAFETERIA、男性の入居を想定した落ち着きのあるBAR STYLEも目についた。照明、トイレにもかなり力が入っていた。キッチン収納扉が紫色の鏡面仕上げのLUXURYは面食らった。紫色はお金持ちが好む色のようだが、品のある人は着ないのでは。どちらかといえば成金か。貧乏人の記者の趣味ではない。

 佐々木氏は、分譲マンションでもたくさんモデルルームのデザインを担当されているようなので、見学してレポートしたい。

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CAFETERIA

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DISPLAY LIGHT(左)とDISPLAY DARK

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BAR STYLE

 忙中閑あり。不動産には全く関係ないが、とても面白い文庫「女体についての八篇晩菊」(中公文庫)を紹介する。タイトルはやや嫌らしいが、中身は非常に面白い。太宰治、岡本かの子、谷崎潤一郎、有吉佐和子、芥川龍之介、森茉莉、林芙美子、石川淳のそれぞれの珠玉の短編に、選者でもある漫画家・安野モヨコ氏が挿絵付きのあとがきを担当している。小説をそのまま転載は出来ないので、著作権フリーの「青空文庫」から芥川龍之介「女体」を引用した。( )内の一部は記者が追加した。

女体 芥川龍之介

 楊(よう)某と云う支那人(しな=かつて日本人は中国をそう呼んだ)が、ある夏の夜、あまり蒸暑いのに眼がさめて、頬杖(ほおづえ)をつきながら腹んばいになって、とりとめのない妄想に耽(ふけ)っていると、ふと一匹の虱(しらみ)が寝床の縁(ふち)を這(は)っているのに気がついた。部屋の中にともした、うす暗い灯の光で、虱は小さな背中を銀の粉のように光らせながら、隣に寝ている細君(=奥さん)の肩を目がけて、もずもず這(は)って行くらしい。細君は、裸のまま、さっきから楊の方へ顔を向けて、安らかな寝息を立てているのである。

 楊は、その虱ののろくさい歩みを眺めながら、こんな虫の世界はどんなだろうと思った。自分が二足か三足で行ける所も、虱には一時間もかからなければ、歩けない。しかもその歩きまわる所が、せいぜい寝床の上だけである。自分も虱に生れたら、さぞ退屈だった事であろう。……

 そんな事を漫然と考えている中に、楊の意識は次第に朧(おぼろ)げになって来た。勿論夢ではない。そうかと云(い)ってまた、現(うつつ=現実)でもない。ただ、妙に恍惚たる心もちの底へ、沈むともなく沈んで行くのである。それがやがて、はっと眼がさめたような気に帰ったと思うと、いつか楊の魂はあの虱の体へはいって、汗臭い寝床の上を、蠕々然(ぜんぜんぜん=はう様子)として歩いている。楊は余りに事が意外なので、思わず茫然と立ちすくんだ。が、彼を驚かしたのは、独(ひと)りそればかりではない。――

 彼の行く手には、一座の高い山(=一対の乳房)があった。それがまた自ら(おのずから=自然な)な円(まる)みを暖く抱いて、眼のとどかない上の方から、眼の先の寝床の上まで、大きな鍾乳石(しょうにゅうせき)のように垂(た)れ下っている。その寝床についている部分は、中に火気を蔵しているかと思うほど、うす赤い柘榴(ざくろ)の実の形を造っているが、そこを除いては、山一円、どこを見ても白くない所はない。その白さがまた、凝脂(きめの細かい肌)のような柔らかみのある、滑(すべらか)な色の白さで、山腹のなだらかなくぼみ(=虱はどこを見ていたのか、どこの部分か小生もわからない)でさえ、丁度雪にさす月の光のような、かすかに青い影を湛(たた)えているだけである。まして光をうけている部分は、融(と)けるような鼈甲色(べっこういろ)の光沢を帯びて、どこの山脈にも見られない、美しい弓なりの曲線(話は別。太宰は老婆を「乳房がしぼんだ茶袋を思わせる」と描き、16、17、あるいは18の女性の「コーヒー茶碗一ぱいになるくらいのゆたかな乳房」と表現している)を、遥な天際(空の果て)に描いている。……

 楊は驚嘆の眼を見開いて、この美しい山の姿を眺めた。が、その山が彼の細君の乳の一つだと云う事を知った時に、彼の驚きは果してどれくらいだった事であろう。彼は、愛も憎みも、乃至(ないし=あるいは)また性欲も忘れて、この象牙の山のような、巨大な乳房を見守った。そうして、驚嘆の余り、寝床の汗臭い匂(におい)も忘れたのか、いつまでも凝固(こりかた)まったように動かなかった。――楊は、虱になって始めて、細君の肉体の美しさを、如実に観ずる事が出来たのである。

 しかし、芸術の士にとって、虱の如く見る可(べ)きものは、独り女体の美しさばかりではない。

(大正六年九月)

「青空文庫」 底本:「芥川龍之介全集2」ちくま文庫、筑摩書房1986(昭和61)年10月28日第1刷発行、1996(平成8)年7月15日第11刷発行、底本の親本:「筑摩全集類聚版芥川龍之介全集」筑摩書房1971(昭和46)年3月~1971(昭和46)年11月、入力:j.utiyama、校正:earthian、1998年12月28日公開、2004年3月9日修正。

◇       ◆     ◇

 芥川がこの小説を発表したのは25歳、自殺する10年前のまだ独身のときだった。中国人と虱を主人公にしたのは当時の時代背景もあるのだろうが、その観察力はさすが。

 皆さんは虱をご存じか。小生はもちろん蚤はよく知っているが、虱は残念ながら見たことがない。「虱つぶし」の言葉通り、軍服などの縫い合わせの部分をつぶすと真っ赤になったという。

 最後の部分「芸術の士にとって、虱の如く見る可(べ)きものは、独り女体の美しさばかりではない」というのはその通りだと思う。生き方もマンションもつきつめれば「美」が全てだ。記者はマンションのマクロ(女体)をミクロ(虱)の視線で観てきた。誰だ!木を見て森を見ずというのは!

 

 

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