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模擬上棟式でお菓子を拾う子どもたち

 地域工務店など21社が結集し、地元の木材を使ったモデルハウス23棟を含む環境共生型の街づくりを目指す「里山住宅博inTSUKUBA2019」プレオープンイベントが3月24日、茨城県つくば市で行われた。五十嵐立青・つくば市長が来賓として挨拶、地元の子どもなど家族連れ約200名が参加。天皇陛下在位30周年記念のヤマザクラのほか、隣接の雑木林にある二十数樹200本の中高木の苗木を植え、プロジェクトの成功を願った。

 プロジェクトは、つくばエクスプレスつくば駅から車で約10分、つくば市中根・金田台特定土地区画整理事業地内にある街区面積約25.6haの全75区画(建ぺい率40%、容積率80%)。敷地面積は207.22~280.55㎡(このほか共有のコモンスペース約11,400㎡)。アキュラホームなど21社によるモデルハウス23棟のほか分譲住宅と建築条件付き宅地分譲となる。土地価格は17~18万円/坪となる模様。従前の土地所有者はUR都市機構で、サンヨーホーム(山川洋社長)が土地を取得。各社に卸売りする形態をとる。すでに35区画が販売・予約済み。

 イベント実行委員会会長の山川氏は、「21社には地元茨城県産材をたくさん使っていただき、33棟のモデルハウスを建てていただく。さらに苗木を植えて里山を作り、天皇陛下在位30周年の植樹も行っていただくことができた。二重三重の喜び」と語り、主催者を代表して茨城県産材普及促進協議会会長・中村公子氏(茨城県南木造住宅センター代表取締役)は、「県産材の木材を使う工務店の力を結集したプロジェクト」と挨拶した。

 来賓の五十嵐市長は、「わたしは2年前、市長に就任して街路樹が伐採されるのにストップをかけた。伐ることと同時に植えることも大切。つくば市の自然、緑、里山こそ他の自治体にない特長。皆さんの街の価値を上げる取り組みを市政につなげていく」と述べた。

 街づくりにはプロデューサーとして町の工務店ネット代表理事・小池一三氏、マスタープランナーに神戸芸術工科大学名誉教授・小玉祐一郎氏のほか、エステック計画研究所代表取締役・大澤良二氏、ランドスケープデザイナーのプランタゴ・田瀬理夫氏、ICA建築設計事務所代表・矢口博幸氏、佐久間達也空間計画所・佐久間達也氏など多くのプロも参画している。

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左から山川氏、中村氏、五十嵐氏

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天皇陛下在位30周年記念植樹(樹木はヤマザクラ。スコップを持つのは五十嵐氏と山川氏)

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ドローンによる記念写真

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◇       ◆     ◇

 現地に着いたら、北方にある筑波山からではなかったが、南方から寒風が吹き募っていた。しかし、五十嵐市長ほか数十人の関係者はスーツ姿で、約200名の子供連れ家族も「筑波おろしには馴れている」といいながらセレモニーの開始を待っていた。

 それから約2時間。寒さに震えながらしっかり取材し、とても楽しい時間を過ごすことができた。

 何が嬉しかったかといえば、五十嵐市長の祝辞だった。「わたしは街路樹伐採にストップをかけた」と話したことだ。「街路樹が泣いている」記事を書き続けてきた甲斐があった。このような動きが全国に広がるのを期待したい。街のポテンシャルは街路樹で決まると確信している。

 街づくりのコンセプトもいい。つくば駅から車で10分もかかるのだから、普通の区画割ではまず売れない。敷地内の約3,800㎡と全体敷地の傾斜地の約7,600㎡の合計11,400㎡(1区画当たり46坪)をコモンスペースとして、75区画の土地所有者が共有して、自宅とコモンで約100坪を所有する。景観協定も結ぶ。

 将来にわたって樹木を育てるため3,000円/月の共益費を徴収し、その一部をプロの植木屋さんや近隣の農家などに樹木の管理を委託する費用に充当する。傾斜地の固定資産税は里山にすることから免除されるという。

 建築条件に原則として県産材を50%以上使用することを義務付けているのもいい。スギBP材を用いた延べ床面積約39㎡の集会所も45日間で完成させたという。

 6月にはモデルハウスを公開するという。また見学してレポートしたい。過去2度取材した隣接の「春風台」は分譲当初より地価は2倍くらいに上昇しているとも聞いた。

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「何の木? コブシだよ。ここに書いてある」植樹に参加する五十嵐市長

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45日間で建設した集会所

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構造材はヒノキとスギBP材

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プロジェクトに参画している関係者

〝ホーホケキョ〟ウグイスも歓迎 つくば・春風台の販売進む(2016/5/9)

平成の田園調布になるか1区画200坪の街づくり つくば市の「春風台」(2015/5/26)

またまた「街路樹が泣いている」 千代田区 街路樹伐採で賛否両論(2016/9/8)

都市計画の母が泣く たまプラーザの「ユリノキ通り」が消える!? 市が伐採計画(2017/8/22)

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藤村氏(左)と菅沼氏

321日、埼玉県鳩山町の「鳩山ニュータウン」を15年ぶりに訪れた。居住者の生の声を聞き、建築家で東京藝術大学准教授・藤村龍至氏(42)らが取り組む同ニュータウン活性化イベントはどのようなものかを取材するのが目的だった。

同ニュータウンは、昭和49年から平成9年にかけて日本新都市開発によって分譲された開発面積約137ha、世帯数3,252戸(20178月時点)の大規模住宅地だ。バブルがはじける平成2年までは年間200戸くらいのハイペースで分譲された。最終期の「松韻坂」は敷地が100坪以上で、価格は12億円くらいだったが早期に完売した。

業界紙に「昭和を代表する団地」と紹介したように、記者にとって思い入れのある団地の一つだ。どうしてなのかを少し紹介する。

同社は経済同友会の主要メンバーによって設立された会社で、「中堅所得層が無理なく取得できる良質住宅の供給」を理念に掲げ、多くのマンション・戸建てを分譲した。「鳩山ニュータウン」はその代表的な団地だ。今でも街並みの美しさはどこと比較しても負けない。

最初に見学したのは昭和50年代の半ば。案内してもらったのは同社のスポークスマンで営業部長をされていた天皇陛下と同世代の学習院大卒のE氏だった。とても気さくで洒落っ気のある方で、ゴルフときは、記者がラフに入れるかOBでもすると、Eさんは自分のポケットからボールをこそっと出し、「ほら、ボールここにありましたよ」と告げる〝技〟が絶妙だった。同じ京王線に住んでいたこともあり、よく酒もご一緒した。E氏の得意技は変装。トイレに入ったかと思うと、月光仮面に変身して店内の客を爆笑させた。トイレットペーパーを顔中ぐるぐる巻きにしただけのものだが、変装のためのメガネなど小道具をいつも持ち歩いていた。

メディアを大事にする方だった。だから、同社の分譲住宅はほとんど取材して記事にした。

これが思い入れの理由だ。ところが、バブル崩壊で様相が一変する。東武東上線高坂駅からバスで約10分もかかる立地に難があることから、世帯分離により若年層の人口が流失し高齢化が一挙に進んだ。平成271月現在の鳩山地区の高齢化率は43.1%にも達し、現在、空き家も100戸を超えると言われている。同社も平成15年に特別清算された。

事態を憂慮した鳩山町は平成27年、「鳩山ニュータウン地区」(137ha)を対象とした都市再生整備事業の指定を受け、高齢者から子育て世代までが安心して暮らせる、多世代交流型のまちづくりを進めている。

その旗振り役が藤村氏だ。藤村氏は、やはり同社が分譲した所沢市の「椿峰ニュータウン」に生まれ育った。疲弊する県内の大規模ニュータウンを見かね、鳩山町コミュニティ・マルシェの指定管理者を決めるコンペに、主宰する建築設計会社アール・エフ・エーを通じて応募し当選した。

鳩山町コミュニティ・マルシェは、団地内にあった旧西友リビング館を再活用する公共施設で、移住推進センター、まちおこしカフェ、ふくしプラザなどからなる延床面積約786㎡。

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RFAが製作した椅子とテーブル

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陳列棚(左)とカウンター

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「松韻坂」の街並み

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 取材目的の一つである、中古の一戸建てを改修し、今年2月に開業した「ニュー喫茶 幻」の店主でもあり、アーティストが本職のマルシェのコーディネーターを務める東京藝大卒の菅沼朋香氏に話を聞いた。

 菅沼氏は、「愛知県豊田市のニュータウン出身で、田舎は好きではなく都会にあこがれて東京に出てきましたが、藤村先生と出会い、わたしのルーツでもあるニュータウンを題材にした創作活動をするようになりました。『幻』はテーマの一つ。高度成長もバブルも知らないわたしそのものを題材にしています」などと経緯を語った。

 「幻」は、第一種低層住居専用地域で許可される店舗の条件をクリアするため「兼用住宅で非住宅部分の床面積が50m²以下かつ建築物の延べ面積の1/2未満のもの」した。クラウドファンディングで費用を賄ったため、改修費は安く済んだという。

 写真を見ていただきたい。店内は赤、青、緑、黄色などサイケディリックな原色で満たされている。まさに「夢か現か幻か」だ。

 油絵はあまり描かないということだが、玄関のところに飾られていた10号くらいの作品は、セザンヌとムンクをあわせたような絵だった(皆さん、購入交渉してみたら。将来大化けするかも)

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「幻」店内

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「幻」入り口(左)と菅沼氏の作品

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菅沼氏

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 藤村氏と菅沼氏が企画・司会役を務めたマルシェでの夜のイベント「カフェ&バルマルシェ」も取材した。入場は無料だが、1ドリンクオーダーが入場条件。来場者は約150名。会場はほぼ満席。山本蓮理とザ・ナイトマルシェ、鳩山ハートビートバンド、Trashfrom小川町)による演奏と、埼玉大学経済学部4年生の国府田彩さんの鳩山町コミュニティ・マルシェに関する研究の報告が行われた。

 演奏は素晴らしかった。埼玉県の歌「なぜか埼玉」には笑ってしまった。埼玉県人の自虐的映画「翔んで埼玉」が爆発的にヒットしているそうだから、これと組み合わせればさらに勢いを増すのでは。ネットで歌詞を調べたら、1~3番とも出だしは「夜の埼玉」となっているが、ボーカルの方は朝・昼・晩に使い分けたような気がする。こっちのほうがずっといい。何だ春日部共栄は完封負けとは。所沢のマンションは坪350万円だぞ!「HARUMI」に勝つぞ!

 藤村氏が東京藝大の大学院生向け設計課題とした什器のデザインがまた最高によかった。さすが東京藝大だ。

 藤村氏はイベントで、街の再生・活性化策として、空き家を活用したシェアハウスを企画していることを明らかにした。エリアには大東文化大、東京電機大、山村学園短大がある。

 記者は、少しは活動を応援し売り上げに貢献しようと焼き鳥(400円)と白のワイン(500)を5杯飲んだ。値段はともかく量が少し少ないような気もしたが、素晴らしい演奏がタダで聴けたのだから文句は言わなかった。

 それにしても、この日は東京藝大名誉教授の絹谷幸二氏デザインのネクタイを締めていったのに藤村氏も菅沼氏も絹谷氏に反応を示さなかった。不思議だ。

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ほぼ満席のイベント

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鳩山ハートビートバンド

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道端に生えていたハナニラ(左)と演奏に酔ったハナニラ(酒は飲ませていません)

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以下は、街で拾った声。極力聞いたままとした。( )内は記者。

40年前、新築を2,500万円くらいで買った86歳の男性 (街路樹のイチョウは電柱より低く伐られていますが)秋になると落ち葉がすごくてみんな憂鬱になる。だから市は毎年伐っている(毎年街路樹を伐る自治体は少ないはず)。もう自治会はなくなった。家? 売っても400万円くらい、二束三文にしかならない。ぶち壊す費用もでない。

米屋の72歳の女将さん わたしのところは坂戸で米屋をやっていて、最初の分譲のとき、購入しようと考えたらみんな売れてしまっていた。ここは、分譲会社の役員の二号さんが買い、アルバイトを雇い喫茶店を始めたが、すぐダメになったので、売りに出ていたのをお父さんに頼んで買ってもらった。昔は5キロ10キロ買ってくれたので配達していたが、いまは1キロ2キロ、それもスーパーで買う。うちはほら、ブランド米を取り寄せ、ちゃんと精米して売っているけどね…。

ラーメン店を経営する60代の女性 20年前だったか25年前だったかに購入。当時はみんな東京へ通勤していましたよ。何だか世の中狂っちゃったわね。子ども? 3人いて近くに住んでいる娘一人に手伝ってもらってます。うちのお客さんでね、70近いご夫婦の方は都内の家を売り払い、ここに移り住んで〝こんないいところない〟と言ってます。ここは空気がきれいで、子育てにいい環境ですよ。(菜の花のおひたしと焼酎を頼んだら、菜の花は普通の店の3倍くらい、焼酎は他の店の倍くらい注いでくれた。2杯飲み、フキノトウも頂いた。娘さんの小学生のお子さんと将棋を指し完敗)

「あなたの女です 千里」のポスターがなまめかしい1,200円で歌い放題のカラオケ店 ここは酒と女(男とは言わなかった)とたばこはダメ。お客さんはたくさんいるけど、みんな後期高齢者。地元の人は少ないわね(カラオケは嫌いと断ったが、せがまれたので仕方なく「傾いた(よろめきの)道しるべ」1曲を歌った。小生と同年代と思われる女性はまだ男が欲しいか「あたしのーあたしのーあたしのもの」などと歌に酔っていた)

社宅として住んでいる生物研究者の33歳の独身女性 昨年から住んでいます。ここで仕事ができるから。出身? 三重県鳥羽市の離島の菅島です(えっ、わたしは伊勢。菅島は民宿に一度泊ったことがあります)。ホヤの研究などをしていました。結婚? できれば犬を飼いたい。

数年前、生まれ育った街から離れ、都内に住む20代女性 実家は私が小学校5年のとき引っ越してきました。今年でかれこれ15年。小学校も公立小では珍しいPTAがなく、通学班もなく自由な学校で、行事なども出来る人がやればいい!それで皆が協力するから凄いと母は絶賛しておりました。その小学校はいま老人ホームになっています。大学時代はよく都内の友人を実家に泊めていまして、みんなこの街に住みたいと言ってくれました。当時は駅から遠いので不便だよ?!と思いましたが、今は街のよさがよく分かります。

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街の中心地(左)と米屋さんの店内

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カラオケ店(左)とラーメン店経営者のお孫さん

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街並み

(お願い この街と活性化の取り組みを応援するためにも、この記事を拡散してください。クレジットを付けていただければ結構です)

生きた実験場〟〝やるしかない〟 多摩NT再生 第6回シンポ 藤村氏もエール 

鳩山ニュータウン」に吹いた風に想う (2017/1/31)

 

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「Gaze(ゲイズ)美尻~マシュマロヒップ~」

 様々な業態のスポーツジムMEGALOS(メガロス)シリーズを展開する野村不動産ライフ&スポーツは3月19日、ピーチ・ジョンと共同で女性の美と健康の実現に向けたコラボレーションを展開すると発表した。

 ここ数年、女性が意識する部位として注目が高まるヒップ「美尻」に特化したエクササイズを展開し筋肉の構成、最適な運動効果の知見をもつメガロスと、ランジェリーをはじめ女性を美しく輝かせる商品を展開するピーチ・ジョンが、第一弾企画として、女性のヒップアップに特化したランジェリーを共同開発する。

 婦人科医と共同で開発したメガロス・オリジナルプログラム「Gaze(ゲイズ)美尻~マシュマロヒップ~」のノウハウをもとに、骨盤のゆがみを整え、股関節まわりの筋肉を活性化し、ヒップラインを整え主要筋肉に意識をフォーカスする方法をメガロスが考案。ピーチ・ジョンでは女性がインナーウェアに求める機能と着用時のシルエット・デザインを監修し、互いのノウハウを結集した補正下着を共同開発する。商品の発売は5月8日(水)から。

◇       ◆     ◇

 同社は一昨年、「リラクゼーション」と「ボディメイク」をテーマにした女性特化型のフィットネス「メガロスルフレみなとみらい」を開設した。今回は、「美尻」だという。

 記者もそうだが、男性の方は、女性の「美」に対する欲望を侮ってはいけない。最近取材したコスモスイニシア「セレサージュ表参道」は6店舗のうち美容室・美容院が確か3区画で、住友不動産の高級賃貸マンション「ラ・トゥール渋谷神南」と「ラ・トゥール渋谷宇田川」でも、担当者は入居者について弁護士、医者、経営者とともに「美容関係」を上げた。

 都心の高額店舗やマンションに入居できるということは、いわゆるカリスマ美容師がそれほど多いということで、その先には多額のお金を払ってでも美しくなりたいと願う女性(あるいは男性もか)がたくさんいるということだ。

 「美尻」とは驚いたが、確かに「美」は永遠のテーマだ。健康と美は大きなビジネスになるのだろう。読者の皆さんには「ロダンの言葉抄」(高村光太郎訳・岩波文庫)の古典とともに、最近読んだ「女体についての八篇 晩菊」(中公文庫)をお勧めだ。

野村不ライフ&スポーツ 女性特化型「メガロスルフレみなとみらい」6月16日開設(2017/4/28)

 

 

 

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「プレミスト湘南辻堂」エントランス

大和ハウス工業は314日、JR東海道線辻堂駅圏の大規模マンション「プレミスト湘南辻堂」のA敷地(AQUA Face404戸)が竣工したのに伴う報道陣向け内覧会を行った。現在、約230戸が販売済みで、充実した共用施設、豊富な緑を配した外構などをどうアピールするかがカギとなりそうだ。

物件は、JR東海道本線辻堂駅から徒歩9分、藤沢市羽鳥一丁目に位置する敷地面積約35,000㎡の全914戸の規模。今回完成したのは14階建てAQUA Face404戸。これまでに約230戸が販売済み。価格は72㎡で4,5005,400万円台が中心。坪単価は約232万円。

同社の説明によると、購入者のボリュームゾーンは30歳前後が30%、65歳以上のシニアが25%、前居住地は地元が55%、都内は5%。

 

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フロント

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植栽帯

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ライブラリー

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藤沢市の指導により1世帯当たり1㎡の共用・コミュニティ施設(土地代・建築費を合わせると数十万円)などを整備しなければならないことが建物にもよく反映されている。

テニスコート2面、バスケットだとハーフコートの広さがあり、最近流行りのボルダリングもできるアリーナ、バーベキューが楽しめるギャザリングテラス、リネン代だけで宿泊できるゲストルーム、約900冊を備えるライブラリー、酒も飲めるパーティ・キッズルーム、年2,000円で好みの野菜・花卉を育てられるエディブルガーデン、飲食・展示などができるクラブギャラリーなどを見て回った。

 

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ギャザリングテラス

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ボルダリング(「やって」とけしかけたら見事に渡り切った同社東京本店マンション事業部第二事業部 企画課
課長・西村寅造氏)

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 とてもよかったのは外構の植栽だ。水盤があるエントランス周りに樹高10m以上ありそうな見事なサルスベリが植えられていた。これほど大きいのは旭化成ホームズ「調布」と積水ハウス「江古田の杜」くらいしか見たことがない。3社が競っているわけではないだろうが、ハウスメーカーはよほどこの木が好きなのか。枝ぶりなどはいい勝負だと思う。

もう一つはアコウ(雀榕)。ネットで調べたら樹高は1015mになり、果実は食用にもなるという。クワ科なのでそのような実か。小さい頃よく食べた。

 エディブルガーデンは1区画150×80cmくらい。人気だそうだが、もっと広くてもいい。だが、しかし、キャベツ、ジャガイモ、トマトなどはそれぞれ相性が悪い、それこそ犬猿の仲の野菜がある。それがもとで入居者同士の仲が悪くならないか心配だ。その逆に相性がいい花が縁結びになるかもしれないが…。

 PCの有孔バルコニーもなかなかよかった。褒めようと思ったのだが、30年前に見た、有孔デザインが素晴らしかった佐藤工業「ザ・ヴィスタ妙蓮寺」を思い出しやめた。もう少し工夫すればヒット商品になる。

 契約者のうちシニアの比率はもっと伸びていいはず。同社の「高尾」は50歳以上のシニア層が40%を占めた。駅からの距離の差か、「シエリア湘南辻堂」の影響か。

 

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サルスベリ

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アコウ(雀榕)

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エディブルガーデン

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有孔PCバルコニー 

業界初の体力測定装置に狂喜 大和ハウス「プレミスト湘南辻堂」 同社は販売に自信(2017/9/11

首都圏第1弾「シエリア湘南辻堂」第131199戸が登録完売 関電不動産開発(2016/11/8

大和ハウス・イニシア 「プレミスト高尾サクラシティ」全416戸を16カ月で完売(2017/11/1)

 

 

 

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「セキュレアシティ藤沢 翼の丘」

 大和ハウス工業は3月14日、藤沢市で分譲中の「セキュレアシティ藤沢 翼の丘」の集会所がオープンしたことに伴う記念式典・見学会を行なった。ランドプランが秀逸で、同日、同社として2件目となる神奈川県「環境共生都市づくり事業」にも認証された。

 式典で同社取締役常務執行役員・大友浩嗣氏は、「スマートシティとして5件目だが、今後は省エネ・環境・健康に配慮した〝スマートウェルネスシティ〟として全国で展開していく」と挨拶した。

 来賓として招かれた藤沢市長・鈴木恒夫氏は、「当地は歴史と伝統を持つ場所で、敷地は統廃合で移転した元県立藤沢高校。ゆかりのものを残してほしいという地元の要望も取り入れられている。健康寿命日本一を目指す当市の目標に添うもの」と祝辞を述べた。

 鈴木市長は、ソニーネットワークコミュニケーションズが開発した手首にタグをつけるだけで食事、睡眠、歩数などがチェックでき、玄関ドアの鍵、電子マネー機能などを搭載した「FAITタグ」で健康チェックを実演した。

 物件は、小田急江ノ島線藤沢本町駅から徒歩3分・JR藤沢駅から徒歩13分、藤市本町四丁目に位置する開発面積約26,797㎡、全114区画。他に賃貸マンション49戸。敷地は130㎡以上、延床面積は101.25~122.13㎡、建築条件付宅地の価格は2,990万~4,260万円、分譲住宅の価格は6,690万~8,580万円。仕様は太陽光発電システム3.08kW~3.105kW・「D-HEMSⅢ」、 家庭用リチウムイオン蓄電池6.2kWh、エネファーム・LED照明など。「FAITタグ」も1戸につき3台配布される。

 昨年1月から分譲を開始しており、これまでに49区画(建築条件付き45区画、分譲4区画)が販売済み。

 現地は藤沢高校の敷地跡地。統廃合で移転したことに伴い、神奈川県が2015年に実施した跡地利用に関するプロポーザルに同社が選定されたもの。周辺地区内の環境や景観に配慮した計画、健康に役立つ遊具の設置やIoT技術を活用した健康チェックを各戸で行う仕組みなどが評価された。

 傾斜地の住棟は藤沢宿をイメージしたデザインとし、山田耕作が作曲した藤沢高校歌碑や記念碑、バスケットボールリンク、茶室、収納扉、ナショナルの時計などを木造の集会室・交流センターとその周りに再生した。ラウンドアバウトの石積みには藤沢高校の間知石を使用。各住宅の庭先には縦格子デザインを取り込んだ。

 公園には、同社グループ・NASが監修した健康遊具を各所に設けている。

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まちびらきセレモニー(左から住民代表、鈴木氏、大友氏、同社湘南支店長・松尾憲二氏、藤沢市キャラクター・ふじキュン

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健康チェックをする鈴木市長(3種300点満点で243点だった)

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左から同社住宅事業推進部東日本住宅設計室課長・井野善久氏、大友氏、同社湘南支店湘南住宅営業所分譲営業課主任・足立英彦氏

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 同社の大規模戸建て住宅地を見学するのは「つくば研究学園」以来だ。「つくば」はフラットだったが、今回は傾斜地を巧みに生かしたランドプラン、旧東海道藤沢宿をイメージしたファサードデザインが最高にいい。

 分譲地の入り口に着いたとき、コンクリの擁壁部分にグリーンベルト(奥行き50cm)が目に入った。最近はこの種の手間もかかり管理が大変な仕掛けを施すところが少なくなった。

 気になったことを一つ。同社は鈴木市長にもモデルハウスを案内した。天井の高さ(2.7~3m)などを説明したのはいいのだが、最大の特徴でもあるフラットなバルコニーには全く触れず、居室のカーテンを閉めたままだった。

記者は我慢がならず、「市長、ほら、バルコニーがフラットでしょ。これをやっているのは大和さんくらい」と説明した。

 担当者は当たり前のことだと思って説明しなかったのだろうが、ホームページにもフラットバルコニーは記載がない。営業マンはちゃんと説明しているのだろうか。

グループのコスモスイニシアはフラットバルコニーを最大の売りにしている。

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交流センター中庭に残された高校の歌碑、記念碑、樹木など

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バスケットリンク(左)と収納扉

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街並み(左側にはラウンドアバウトの石積み、ナショナルの時計も見える)

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縦格子、地元の鳥などをあしらった石造りのサイン(左)とグリーンベルト

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健康遊具だけでなく、歩くだけでバランス感覚、体力が測れる8の字ウォーク空間(左)50mの歩道

大和ハウス「SMA×ECO CITY(スマ・エコシティ)つくば研究学園」まちびらき(2013/12/14)

 平成31年の地価公示は、全国平均で全用途平均が4年連続の上昇となり、地方圏では、全用途平均と住宅地が27年ぶりに上昇に転じた。三大都市圏を中心に継続している緩やかな地価の回復傾向が地方圏にも波及しており、不動産に対する堅調な需要が持続していることが地価に反映されたものと評価している。

 我が国経済は緩やかな回復を続けているが、世界の政治・経済情勢の不確実性が極めて高く、先行きについては不透明な状況にある。構造的には人口減少、少子・高齢化が進む中で、急速に変化する国内外の動向等も踏まえつつ、10月に予定されている消費税率の引上げを乗り越え、デフレから脱却し、持続的で力強い経済成長を実現しなければならない。

 そのためには、経済成長の原動力である大都市の国際競争力を一段と強化するとともに、企業の国内設備投資を促進しイノベーションを誘発・加速させ、不動産市場の活性化を図っていくことが地方創生推進の観点からも不可欠だ。当協会としても、引き続き、2020年東京オリンピック・パラリンピック後も見据え、時代を先取りした魅力的なまちづくりと豊かな住生活の実現を図り、経済の成長に貢献して参りたい。

 今回の地価公示では、全国的に地価の回復傾向が広がっているのが明らかになった。東京など三大都市圏で住宅地・商業地ともに上昇が継続していることに加え、地方圏では全用途平均の住宅地が27年ぶりの上昇に転じた。全国的にみても住宅地が2年連続、商業地が4年連続で上昇するなど地価の回復基調が続いている。これは景気回復や雇用・所得環境の改善、低金利の継続、外国人観光客の増加などを背景に地価の上昇傾向が全国に波及しているものと捉えている。

 住宅地については住宅ローン減税等の政策的支援などもあり、駅近など交通利便性の高い地域や住環境の良い地域を中心に地価が上昇している。当社では首都圏で「ブランズ永田町」など都心部で高級物件を複数展開しており、湾岸部では東京・豊洲で「ブランズタワー豊洲」の開発に乗り出した。関西では利便性の高い大阪メトロ御堂筋線「中津」駅直結のタワーマンション「ブランズタワー梅田North」を開発し、高級住宅地の兵庫県・芦屋で「ブランズ芦屋 ザ・レジデンス」を展開している。需要の高まっている地方圏でも札幌中心部で「ブランズ円山外苑前」の販売を進めている。

 商業地では雇用・所得情勢の改善が続く中で、「働き方改革」に合わせたオフィス環境の改善、採用増によるオフィスの拡張を目的とした移転増加などにより都心部を中心にオフィス需要は好調で、新規オフィスビルの竣工が相次ぐなかでも依然空室率は低い状況が続いている。特に渋谷ではオフィス需要が供給量を上回っており、オフィスに空室が出てもすぐ引き合いがある状況が続いている。また外国人観光客の増加などで商業施設、ホテルの需要も高止まりしている。当社で進める事業では渋谷駅を中心とする広域渋谷圏で3月に「渋谷ソラスタ」、秋には東急プラザ渋谷を含む「渋谷フクラス」が竣工する予定だ。2023年度の竣工を目指し「渋谷駅桜丘口地区第一種市街地再開発事業」も順調に進んでいる。スタートアップとの共創を加速するための施設「GUILD(ギルド)」の開設も進めている。ノルウェー中央銀行とは広域渋谷圏の商業施設5物件で共同での保有・運営をしている。広域渋谷圏以外では浜松町・竹芝エリアでも約20万㎡の大型開発を進めており、そのオフィス部分にはソフトバンクグループ本社の入居も決まり、IoT を活用した最新オフィスとなる予定だ。

 地方圏は全用途平均のなかの住宅地で27年ぶりに上昇に転じた。交通利便性が向上したり、国内外の観光客が増加したりしているエリアでは大きく上昇している。インバウンドの動向もにらみ、グループ会社の東急ステイは中長期滞在型ホテル「東急ステイ」の展開エリアをこれまでの東京都心から札幌、京都、博多など首都圏以外にも広げている。また、リゾート地では北海道・ニセコエリアでスキー場やホテル、別荘の売買事業などをグループ企業と展開している。昨年は長野県・軽井沢にヒルトン、沖縄県でハイアットと組んでパブリックホテルを開業した。会員制のリゾートホテル「東急ハーヴェストクラブ」を長野県・軽井沢で開業した。

 今後の地価動向に関しても2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催以降、不動産市況が停滞するとの予測もあるが、当社は企業収益の改善や雇用情勢の改善、設備投資への資金流入、資金調達の良好な環境などにより東京五輪以降も不動産市場は継続して堅調な状態が続くとみている。今後、人口減少や働き方改革等で市場環境が変化するなか、例えば「ブランズタワー大船」ではエリアマネジメントを計画するなど、ハードだけでなく東急不動産ホールディングスグループの幅広い事業領域を生かしたソフトサービスという付加価値付けをして事業展開をする必要があると考えている。

 平成31年の地価公示は、三大都市圏では全用途平均・住宅地・商業地いずれも引き続き上昇するとともに、地方圏では住宅地が27年ぶりに上昇に転じた。景気回復、雇用・所得環境の改善の下、堅調な住宅需要、オフィス市場の活況、外国人観光客の増加などを背景として、全国的に地価の回復傾向が広がっていると感じる。

 当社ビル事業においても、企業の好調な業績に伴う雇用拡大、働き方改革・生産性向上の為の集約・拡張、立地改善やレイアウト変更を伴う移転需要が継続しており、低水準の空室率、賃料の上昇が続いている。旺盛なオフィス需要を受け、2019年3月末時点の東京・丸の内の当社ビルにおける空室率は2%程度となる見込みである。本年8月に竣工予定の「(仮称)新宿南口プロジェクト」、2020年1月に竣工予定の「四谷駅前地区再開発計画」はともに現時点でほぼ全ての床が契約済み若しくは内定済みとなっている。

 商業地においては、外国人観光客の増加によるホテル需要の高まりに対応する為、「ザ ロイヤルパーク キャンバス大阪北浜」「ザ ロイヤルパーク キャンバス 東京銀座」など全国で複数のホテル計画を推進している。工業地においては、eコマース市場の成長により大型物流施設の需要が根強く、当社においては「ロジクロス名古屋笠寺」「(仮称)ロジクロス横浜港北」「(仮称)ロジクロス厚木Ⅱ」など高速道路と職場の通勤アクセスが優れた立地における物流施設事業を強化している。

 地方圏では、堅調な地元経済によってオフィスマーケットが支えられている広島県において「新広島ビルディング建替計画」が本年10月に竣工予定である。経済の好況が継続する福岡では、福岡市が推進する「天神ビッグバン」の下、福岡・天神エリアのランドマークである「イムズ」の建替え計画が始動、また、福岡市内最大規模の商業施設「MARK IS 福岡ももち」をオープンさせるなど、中枢都市での再開発案件も進捗している。観光客の増加が見込まれる沖縄県では、本年3月30日より下地島空港の運営をスタートさせるなど、空港運営事業への取り組みを強化し、周辺圏域の観光振興への貢献も図っていく。

 住宅においては、雇用・所得環境の改善、共働き世帯や高齢世帯による交通至便立地でのマンション取得ニーズの高まり、低金利環境や住宅ローン減税などの施策によって、堅調な販売市況が継続しており、特に駅近・複合開発などのエリア内で魅力度が高い物件が好調である。個別物件では、首都圏においては「高輪」「千住」「和光市」「本厚木」など、地方圏においては「福岡」「広島」「神戸」などの物件が好調な販売状況である。

 今回の地価公示では、全国的に地価の回復傾向が広がっており、住宅地は2年連続、商業地および全用途平均は4年連続で上昇するなど、上昇基調を強めている。特に地方圏では、住宅地が27年ぶりに上昇に転じた。全国的に利便性の高い地域を中心に住宅需要が堅調であることや、インバウンド需要の増加、再開発事業の進展等によりオフィスやホテル、商業施設等への投資意欲が旺盛であることが要因と考えられる。

 住宅市場に関しては、首都圏における新築分譲マンションの販売価格は引き続き高い水準にあり、特に利便性の高い都心立地や駅周辺再開発等の新築分譲マンションの販売価格は高い水準が継続している。この傾向は、首都圏のみならず近郊部や三大都市圏、地方中核都市にも波及が見られる。低金利環境の継続や住宅取得支援施策等の需要下支え効果もあり、生活利便性・交通利便性を求める共働き世帯やシニア層を中心に、需要は引き続き堅調である。当社は、首都圏や三大都市圏に加え地方中核都市においても、再開発事業や多様な機能を集積させた都市型コンパクトタウンの開発に積極的に取り組んでおり、街づくりを通じて社会に貢献していく。

 オフィスビル市場に関しては、企業業績の改善、働き方改革に対応したオフィス環境改善のための拡張等の動きを反映し、主要都市を中心に空室率の低下傾向が続き、賃料は上昇している。商業施設・ホテルに関しては、外国人観光客をはじめとする国内外からの来街者の増加が引き続き堅調であり、主要都市を中心に、商業施設やホテルの進出意欲は旺盛である。物流施設に関しても、空室率は低下傾向が見られ、先進的な大型物流施設への需要は今後も堅調に推移するものと想定される。当社は、社会や顧客ニーズの変化を的確に捉えた商品・サービスを提案するとともに、マーケットの動向を注視つつ、オフィスビル、商業施設、物流施設、ホテル等の開発を、引き続き積極的に展開していく。

 地価公示のトレンドは、不動産取引動向を反映したものとなっており、今後も不動産市場の中長期的な指標として注視していく。

 

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「アンダンチ」

 仙台市若林区に昨年7月開業した複合型サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)「アンダンチ」を見学した。

 株式会社未来企画が運営するもので、敷地面積約3,300㎡にサ高住50室(1人用46室、2人用4室)のほか、「看護小規模多機能型居宅介護・カンタキ」、レストラン「いろはの」、「アンダンチ保育園」、地域・多世代交流施設「アスノバ」、「駄菓子福のや」などを備えている。サ高住の1人部屋スタンダード賃料は78,000/月~、共益費30,000円/月、食費27,000/人。

 取材することにしたのは、三菱地所のCLT賃貸マンションの見学会が3月13日にあったためでもあるが、3月11日に行われた国交省「サービス付き高齢者向け住宅に関する懇談会」で「多様性のあるサ高住」として紹介されたからだ。〝これは見るべき〟だと感じた。

 名称が面白い。すぐ「アンダンテ」=楽譜の歩くように=スローライフを連想し、「アン」を除けば「ダンチ」=かつての団地のコミュニティも想起され、さらにまた「ダン」を除けば「アンチ」=アンチエイジングにもつながるではないか。

 関係者に聞いたら、「あんだんち」は仙台の方言で「あなたの家」を意味するということで、ホームページには「あなたの『地(場所)』、『知(知恵)』という意味を込めてこの場所を『アンダンチ』と名付けました」とあった。つまり、「アンダンチ」には5つも6つもの意味が込められているということだ。

 敷地内に入ったとたん、目に飛び込んできたのが2頭のヤギだった。田舎育ちの記者はヤギも牛も鶏もウサギも日常だった。自宅でヤギは飼っていなかったが、親せきの家ではヤギの乳を飲んだ。

 多摩センターにもヤギに雑草を食べてもらう駐車場があるが、柵で遮られているので身近に見ることはできない。

 もうヤギだけで感動した。世話をしていたアルバイトの学生さんに聞いたら、東北工大に飼われていた父もちたろう、母あん子の間に生まれた2歳の雄ごまぞうとだいふくだった。

 内装にアンティークな建具・家具や本物の木をふんだんに用いた「いろは」がまた素晴らしかった。記者は1,080円の金華さば味噌煮セットを頼み、それぞれ650円~700円の冷酒・男山、乾坤一、日髙見を飲んだのだが、〝売り〟の一つだという寝かせ玄米が最高に美味しかった。玄米がモチ米になっていた。昼食時をとっくに過ぎていたが、店内は女性客でいっぱいだった。

 サ高住の建物の外壁は下見板が貼られ、共用部には本物の暖炉も置かれていた。敷地内では園児が散歩していた。

 サ高住はそうでもないが特養など高齢者向け施設もこのような洒落っ気のある名称にしたらまたイメージも変わるのではないか。

 見学して気になったことが一つ。羊もそうだがヤギのオスは凄い。精力絶倫で一夜にして数十頭を孕ますことだってできる。メスは20日間くらいの周期で発情期を迎えるらしいから、バランスを取るにはメスは数十頭飼わないといけないのか。あの2頭はストレスをどう発散するのか。

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ごまぞう

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だいふく

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注文した金華さば味噌煮セット

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「いろは」

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〝高森に負けないぞ〟

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サ高住フロント

サ高住は老人福祉法の「施設」の受け皿・代替えになるか 国交省・懇談会(2019/3/11)

 

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