恵比寿駅圏の最高峰 坪900万に迫る 野村不「恵比寿ヒルサイドガーデン」が人気
「プラウド恵比寿ヒルサイドガーデン」
恵比寿駅圏の坪単価記録を大幅に更新した野村不動産「プラウド恵比寿ヒルサイドガーデン」(88戸)を見学した。坪900万円弱で、住友不動産が先に竣工した「シティタワー恵比寿」(310戸)の坪750万円を大幅に塗り替えた。売れ行きも好調で、約7割が成約済みだ。
物件は、JR恵比寿駅から徒歩5分、渋谷区恵比寿南三丁目の第一種住居地域に位置する敷地面積約4,035㎡、地下2階・地上11階建て全88戸。専有面積は60.00~200.20㎡、坪単価は900万円弱。竣工予定は2020年1月中旬。設計・監理は日建ハウジングシステム・鴻池組。施工は鴻池組。
現地は、商業エリアを抜けた第一種住居地域に位置する南北に細長い四方道路の傾斜地で、比高差は約7メートル。敷地は元公務員宿舎。
建物は、敷地面積が3,000㎡以上で緑化率を21%に高めたことで高さ規制30mを39mに緩和されており、通常なら13階まで建築可能だが、敢えて11階建てとしているのも特徴。建物の北側の一部はホテル・レストランになる。
住戸プランは内廊下方式で、スケルトン・インフィルを採用。さらに水回りの位置のレイアウトを容易にする「ミライフル」システムを採用。住戸は南向きに加え南西向き。
インテリアデザインはHBAを起用。主な設備仕様は、リビング天井高2620~3150ミリ、グローエ水栓、ヴィトラ社手洗いボウル、ジェシー社水栓金具、スカラベオ社の陶器手洗いボウルなど。
1月から分譲を開始し、これまでに約7割が成約済みと好調。
過去20年間、山手線内徒歩5分以内の物件は276件で、うち住居系は58件、恵比寿駅が最寄りは6件(うち野村は今回を含め3件)しかなく、しかも今回の敷地面積は約4,035㎡と広く、この希少性が富裕層の心を捉えた。
ドレッシングルーム
◇ ◆ ◇
190㎡のモデルルームの出来が出色だ。洗面・浴室はラグジュアリーホテルのスイートと同様で、来場者の評価も高いという。
オーダーメイド仕様だが、バスルーム・ドレッシングルームの広さは約8.3畳大、リビングは約40畳大。壁は突板パネルか大理石。キッチンカウンタートップは水晶の比率が94%のサイルストーン。
玄関扉はクリスタルをイメージした京都・傳來工房によるアルミ素材の扉をそれぞれ採用。玄関の施錠・開錠はTeblaリーダーのボタンを押すだけで可能だ。
リビングルーム
バスルーム
住友林業 バンコクで初の高級マンション311戸 平均6,700万円台
住友林業は4月18日、タイ・バンコクの現地企業と共同開発したランドマークとなる高級分譲マンション「Hyde Heritage Thonglor」を4月から本格販売したと発表した。同国では初の開発プロジェクト。
同社の100%子会社Sumitomo Forestry Singapore Ltd.(SFS社)と現地のProperty Perfect PCL社(PF社)、PF社傘下のGrande Asset Hotels & Property PCL社(GA社)の3社合弁の特定目的会社Grand Star社(GS社)が分譲するもので44階建て311戸。販売価格 3,800万円から(平均分譲価格約6,700万円)。GS社の出資比率はSFS社49%、GA社40%、PF社11%。
PF社、GA社はタイで戸建とマンションの分譲事業、ホテル事業を展開する大手不動産開発会社で、この2社とは第2弾のリバーサイド高級分譲マンションの共同開発も決定しており、タイ・バンコクで長期的なパートナー関係を継続し、質の高い住宅を提供するとしている。
料理をもっと楽しく 栗原はるみプロデュース「harumi's kitchen」トクラス発売
可動式ワゴンについて説明する栗原氏(栗原さんはそんな服を着て調理されるのか)
トクラスは4月17日、料理家・栗原はるみ氏がプロデュースした「harumi's kitchen」発売記念イベントを開催した。同社とゆとりの空間、東邦ガスの3社が〝料理をもっと楽しく〟をコンセプトに共同開発した商品で、キャスター付きのワークトップワゴン、奥行き70cmの人造大理石カウンター、好みのものが置ける棚などが特徴。4月22日から発売する。
イベントに出席した栗原氏は「わたしは家を6回住み替え、キッチンは11回模様替えしました。一日中いますから使い勝手がいいだけではだめで、シンプルなのも問題がある。両方を兼ね備えた楽しく過ごせるようにすることが大切」「白と紺が好きで、今日の衣服も白と紺。キッチン収納扉もややブルー掛った紺にしましたし、カウンターはグレーに近い人造大理石ですが、汚れが目立たないからいいかも。子ども用の椅子も用意しました」などと話した。
企画担当の東邦ガスリベナスショールーム所長・久米むなみ氏は「当社はリフォームを強化する取り組みを行っており、食を支えるキッチンが重要だと考え、平成20年からCMなどに出ていただいている栗原さんに相談したらとんとん拍子に企画が進みました」と開発の経緯について話した。
開発担当のトクラス経営企画部商品事業戦略マネージャー・緒方彰氏は「当社は旧ヤマハ時代、キッチンメーカーとして1976年にわが国で初めて人造大理石カウンターキッチンを発売した実績がある。今回の新商品をプロモーションしたら97%の方にワゴンを欲しいと仰っていただいた」と語った。
また、ユーザーに情報を発信するコミュニティ組織「harumi's kitchen ambassador」について、同部副部長・水野宇多子氏は「女性の管理職比率、働き方改革では時間を単位に目標を掲げますが、会社でも家庭でも『もっと楽しむ』という『仕事の質』を上げることが人生を豊かにし、世の中の発展にもつながる」「まだまだ古い体質の残るこの建築業界で女性がリーダーシップをとる面白いWAVEになれば」などと説明した。
メインキッチンの標準仕様は幅255cm×奥行70cm×高さ85cm。価格は1,598,000円(税別)。食洗器付きは1,731,600円(税別)。
左から緒方氏、水野氏、久米氏、栗原氏
◇ ◆ ◇
女房を亡くしたために約10年間、小さい子ども2人を育て、少なくとも食事だけはほぼ完ぺきにこなしたと思っている記者は、この日のイベントを楽しみにしていた。栗原氏がいかに楽しく料理をしているかはよく伝わってきた。何事も楽しくなければつまらない。揚げ物は苦手だったが、鰹節を削って利尻昆布でタイの潮汁を作ってごらんなさい。アップルパイもよくつくった。
しかし、その一方で、調理が楽しくならない現実をずっと考え続けた。マンションも戸建ても普通の家庭が持てるのは20坪から30坪の住宅だ。キッチンの広さも3畳大から広くても5畳大あるかどうかだ。
油がパチパチと音を立て、湯が沸騰しているキッチンは戦場と化す。記者の経験からいって広さ3畳大では夫婦や子どもと一緒に調理するのは難しい。危ない。そこにはゴミ箱があり古新聞のラックがあり、ビールケースなどもある。ワゴンは便利だが、すぐ物置になる。住宅のなかでもっとも冷たいのはキッチンではないか。
なので、「夫婦と子ども1~2人の理想のキッチンスペースはどれくらいか」と聞いたら、緒方氏は「キッチン・ダイニング合わせて18畳大を想定している」と回答した。この広さを確保できる住宅に住む家庭はどれくらいあるだろうか。多くはリビングスペースを含めてこれくらいではないか。
もう一つ、記者は「楽しく」料理するためには、中華は絶対ガスがいいし、安全性を考えるとIHもまた必須ではないか考えるので、「ハイブリッドの商品はないか」と聞いたら、「(需要がないためか)15年前にやめた」(緒方氏)ということだった。ハイブリッドはそれだけ什器が必要だが、あおりがうまくいったせいでチャーハンやホイコーローがプロ並みにできたときの嬉しさは何にも代え難い。失敗したらしたで〝今度こそ成功するぞ〟という闘志も湧く。
さらに追加。最近のキッチンカウンターは水返しがなくなった。あっても床が水浸しになることがあるのになくして大丈夫か。解せない。
言いたいことはほかにもあるがこの辺でやめておく。「料理を楽しく」というアプローチはとてもいいと思う。住設メーカーもデベロッパーもハウスメーカーもそのようなキッチンの開発をどんどん進めてほしい。
「この棚は奥行きがないから好みのものが置けるんです。大きいと鍋などを置いてしまう」(なるほど、これはいい)
可動式ワゴン(記者も物販店で買って重宝したが、そのうちに物置になった)
ヴェール脱ぐ 全185区画、敷地170㎡以上の小田急不「リーフィア南大沢ガーデンズ」
「リーフィア南大沢ガーデンズ」
小田急不動産の全185区画の大規模戸建て住宅地「リーフィア南大沢ガーデンズ」がいよいよヴェールを脱ぐ。敷地面積は最低でも170㎡あり、最近ではほとんどみられなくなったレベルの高い住宅地だ。4月27日(土)に街びらきを行う。
物件は、京王相模原線南大沢駅からバス11分、徒歩1分(多摩境駅から徒歩16分)、八王子市鑓水2丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率40%、容積率80%)に位置する全185区画。5月中旬に分譲開始する第1期24戸の土地面積は171.59~208.47㎡、建物面積は94.33~113.86㎡、予定価格は4100万円台~4900万円台(最多価額帯・4300万円台・4500万円台)。建物は2019年2~3月に竣工済み。構造・規模は木造2階建(2×4工法)。施工は細田工務店、小田急ハウジング(建物)、ランドフローラ(外構・植栽)。
集会所
エントランス
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現地をみたとたん「小田急elタウン南大沢フロンティア」を思い出した。15年前だ。区画数は31区画で、東京都から土地を取得して分譲したものだ。敷地の広さに圧倒されると同時に、一方では、最低面積を定めた東京都の無慈悲に怒りすら覚えた。バブルが崩壊し市場が一変し、戸建ての敷地面積はみんな30坪(100㎡)になった。最低170㎡(約50坪)はあまりにも厳しい規制だったからだ。
物件は素晴らしかったが、販売は苦労するだろうと思った。完売まで相当の時間がかかったはずだ。添付した記事は当時、同僚の記者が書いたものだが、想いは小生も同じだ。
そして今回も同じ規制がかけられているという。しかも規模は、「elタウン」より、2013~2016に供給した全68区画の「リーフィア南大沢」よりもはるかに大きい。
戸数の多さとアクセスに難はあるが、この厳しい規制を逆手にとって他では得難い街並みの美しさをアピールしてほしい。4,300万円台・4,500万円台が最多という価格も信じられないほど安いはずだ。(失礼)
モデルハウスは見学できなかったが、敷地の間口が10m以上で、対面の住宅までの距離も10mくらいあり、豊かな外構が施されていた住宅ばかりだった。戸建て3棟分の費用をかけた集会所も完成していた。
全体の街並みは完成していないが、その見本は隣接地にある。「小田急elタウン南大沢フロンティア」と「リーフィア南大沢」だ。
ここには「昭和」の時代はごく当たり前で、「平成」になり姿を消した街並みがある。同社はいまも「昭和」の街づくりを行っている唯一のデベロッパーかもしれない。(都は「令和」になってもこの最低面積規制を墨守するのだろうか)
余談だが、住宅地に隣接する道路の見事な街路樹が目に入った。ユリノキだった。同社住宅事業本部住宅販売部第1販売グループ上席チーフ・加藤浩二氏は、「(住宅地に日陰を落とし、落ち葉の処理も困るだろうからという意味か)市から伐りましょうかという相談があったのですが、『とりあえずそのままにしてください』と返事しました。わたし個人的にも強剪定は好きではない」と話した。
ユリノキは樹高20mにも30mにもなる高木だが、多摩ニュータウンに「ユリノキ通り」があるように素晴らしい街並みを形成している。そもそもケヤキ、ユリノキ、クスノキなどの高木の剪定は最小限にとどめるべきだと記者は思う。街路樹は街のポテンシャルを引き上げる大きな役割を果たす。
「小田急elタウン南大沢フロンティア」(中央にあるのは記者の影)
「小田急elタウン南大沢フロンティア」
「小田急elタウン南大沢フロンティア」
わが国初 既存ビル含め非常時も電力安定供給 プラントは住宅300戸分 三井不・東ガス
左から内田氏、菰田氏(日本橋室町三井タワーで)
三井不動産と東京ガスは4月15日、日本初となる既存ビルを含む日本橋室町周辺地域に電気と熱を安定供給する「日本橋スマートエネルギープロジェクト」を開始したと発表した。
プロジェクトは、平常時はもちろん、非常時でもエネルギー供給が可能なエネルギーレジリエンス向上や省エネ・省CO2を達成するエコフレンドリーな街づくりを実現し、災害に強く、国際競争力の高い街・日本橋を目指すもの。
共同で設立した三井不動産TGスマートエナジー(持ち株比率三井70%、東ガス30%)を通じ、このほど竣工した「日本橋室町三井タワー」内の「日本橋エネルギーセンター」にプラントを設置して稼働させた。
都市ガスを活用した分散型電源である大型CGS(ガスコジェネレーションシステム)と系統東京電力による電源の多重化を実現し、日本初の既存ビルを含めた周辺地域へ電力を供給し、CGSが生む発電時の排熱とCGSが生む発電時の廃熱と高効率熱源設備を活用した熱供給の効率化を図り、供給エリアのCO2を約30%削減する。広域停電時にも建物のBCP(Business Continuity Plan)に必要な電気の供給(年間ピークの50%)が可能。
両社は今後、豊洲(2020年竣工予定)など他エリアでも連携し、国内外に向けて発信できる「スマートエネルギー事業」の先進モデルを構築していく。
会見に臨んだ三井不動産・菰田正信社長は、「これまでも『柏の葉』『日本橋再生』『ミッドタウン』などのプロジェクトでもスマートシティの取り組みを進めてきたが、今回、東京ガスさんと共同で、災害時でも安定的に電力を供給し、地球環境へも貢献し、都市防災力を強化し環境性能の向上につなげる。経年優化の街づくりにもSGDsの理念にもかなうもの」と挨拶した。
また、東京ガス・内田高史社長は、「今回のプロジェクトに採用する当社の中圧ガス導管は、阪神・淡路や東日本大震災でもほとんど影響を受けなかった。地域の既存ビルにも電力を供給するのは当社も初の試みだが、エネルギーレジリエンス向上と省エネ・省CO2の取り組みを今後も強化していく」と話した。
「日本橋室町三井タワー」は、区域面積約2.1haの「日本橋室町三丁目地区第一種市街地再開発事業」によって建設された地上26階建て・地下3階建て延べ床面積約168,000㎡。3月38日に竣工した。テナントは全て決まっている。
プラントは約8,000㎡。供給範囲は日本橋室町・本町地区の一部約150,000m、延床面積約1,000,000m²。予定電力供給能力は一般家庭約14,000戸に供給するのと同じ約4.3万kW。冷熱は約110GJ/h、温熱は約60GJ/h。ガスエンジンは7,800kW×3台。廃熱ボイラは4t/h×3台。
供給エリア
CGS(ガスコジェネレーションシステム)プラント
◇ ◆ ◇
1時間近くにわたって難しい説明を受けた。記者はちんぷんかんぷん。しかし、原理そのものは、愛を与え奪い分かち合う、時には自家発電も行う男女関係とよく似ている。中学の理科で学んだのと一緒。熱を与えたり奪ったり、冷ましたりするもので、水力やら火力、天然ガス、原子力、再生可能エネルギーを電力に変換することに変わりはないと理解した。
それより記者が驚いたのはプラント設備の大きさだ。地下3階の心臓部といえるCGSと地下二階の最新のICT技術を導入した中央監視室などプラント全体の面積は約8,000㎡もある。
ただ広いだけではない。地下3階は天井高が約8mだから、一般的なマンションのリビング天井高の3層分だ。つまり8,000㎡を容積に換算すると約24,000㎡にもなり、これを一般的な専有面積70㎡のマンションに置き換えると300戸近い大規模マンションになる。
プラントはもちろん容積不算入で、国土交通省、経済産業省、東京都からの補助も受けている。東京ガス・内田社長は「補助金がなければ、既存のビルのオーナーが(持ち出しが増えるので)納得したかどうか」と話した。
どうして太陽光や地熱やら再生可能エネルギーも採用しなかったのかという疑問も湧くが、関係者によると検討はしたが、安定的に電力を供給することを優先して決断したという。
もう一つ、よく分かったようでわからないのがプラントの災害対策。「壺型潜水艦構造」により、地震などの揺れの影響が小さい地階3回に設置し、しかも浸水を防ぐためにプラント全体をすっぽりと包み、出入り口には22トンもの水圧に耐えられる厚さ約30センチの放水扉を施しているという。どうして福島原発にはなかったのか。
「日本橋室町三井タワー」
中央監視室
広い軒下空間をリビングに取り込んだ「ファミリー スイート」発売 積水ハウス
「ファミリー スイート」内観
積水ハウスは4月10日、「幸せ」研究と先進技術の成果で家族の幸せを実現する「ファミリー スイート」の新しいコンセプトを盛り込んだ新商品を発売したと発表した。
昨年発売した大空間リビングのファミリー スイートが好評なのを受け、新たに広い軒下空間をリビングに取り込むことで、より「くつろぎ」のある家族の暮らし方を提案する。
構造(鉄骨造・木造)や内外装のテーストを問わず対応する。
鉄骨住宅「IS ROY+E(イス・ロイエ)WA MODERN」の価格は3.3㎡当たり72.4万円から(本体のみ・税抜)。販売目標は6,000棟/年。
木造住宅シャーウッド「Gravis Bellsa(グラヴィス ベルサ)モダンライン」の価格は3.3㎡当たり73.8万円から(本体のみ・税抜)。販売目標は1,500棟/年。
昨年10月に発売した「IS ROY+E Family Suite(イズロイエ ファミリースイート)」は約3割のお客様が大空間リビングのファミリースイート提案を採用しているという。
販売順調に納得 坪単価200万円は希少 大和ハウス「東京王子」
「プレミスト東京王子」完成予想図
大和ハウス工業・コスモスイニシアが分譲中の「プレミスト東京王子」を見学した。バス便ではあるが、南東のバルコニー側前面に幅約100mの隅田川・スーパー堤防などが広がり、坪単価も23区内では希少な200万円。この1カ月強で全222戸のうち70戸を成約するなど順調なスタートを切った。
物件は、JR京浜東北線・東京メトロ南北線王子駅からバス約8分、徒歩3分の北区豊島4丁目に位置する15階建て222戸。専有面積は68.58~88.42㎡、6月上旬分譲予定の第2期(戸数未定)の予定価格は3,400万円台~5,900万円台(最多価格帯4,100万円台)、坪単価200万円。竣工予定は2020年2月中旬。施工は長谷工コーポレーション。
現地の用途地域は工業地域だが、住宅化が進んでいるエリア。用地はUR都市機構から同社など4社が取得したもので、敷地北側に今春開業した大規模商業施設との住商一体複合開発。
南東に面したバルコニーの前面には幅約100mのスーパー堤防-隅田川があり、その先は高速道路が走っている。敷地東側と西側にはそれぞれ広場も整備される。
主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高2450~2550ミリ、ディスポーザー、スロップシンクなど。スマートウェルネスサービスも提供する。
◇ ◆ ◇
約100m先の高速道路をどう評価するかだが、販売担当の大和ハウス工業マンション事業部第二事業部営業第一課販売事務所長・松本諭吉氏は、「距離は問題でなく、音を気にされるお客さまがいらっしゃるのでしっかり説明している。複合開発でこの価格の安さは他にないはず」と話した。
確かに坪単価はやすい。記者は近隣の物件が強気な価格設定をしていたので坪単価は220~230万円くらいとはじいていたが、坪200万円というのは23区では城東エリアに一部あるくらいだろう。
バス利用時間も含めてほとんど都心まで30~40分圏というのは魅力だ。第一期で70戸を成約できたのも納得だ。
建設現場
春風駘蕩 販売順調に進む 三井不レジ「幕張ベイパーク」街びらき
第1弾「幕張ベイパーク クロスタワー&レジデンス」(497戸)
三井不動産レジデンシャルは4月13日、千葉県・幕張新都心で開発中の首都圏最大級のプロジェクト「幕張ベイパーク」の街びらきイベントを行った。街びらきは第一弾マンションが完成し、商業施設がオープンしたのに伴うもの。というい、熊谷俊人・千葉市長ら多くの関係者や地域の人たちが順調なスタートを祝った。計画では開発面積約17.5haに約4,500戸の住宅のほか商・職・学・遊などの複合タウンを目指す。
冒頭のプレス説明会で、三井不動産レジデンシャル執行役員千葉支店長・各務徹氏は、「2017年に千葉県企業庁から当社など7社が用地を取得し、約4,500戸の住宅、居住人口1万人のミクストユースの街づくりを進めている。一棟目が完成し、2棟目の販売も順調なスタートを切った。向こう10年間、持続可能な魅力的な街づくりを進める」と挨拶。
同社千葉支店事業室長・井上茂氏は街づくりの概要について説明し、米国ポートランドの街づくり思想に学び、デザインガイドラインを定め、エリアマネジメントを導入し、街の活性化を論議する6回にわたるディスカッションを行ってきたことなどを報告した。
同社から寄贈された「ツリーデッキ寄贈セレモニー」に出席した千葉市長・熊谷俊人氏は、「今日はとても暖かくいい天気。未来を象徴するようで嬉しい。末永く次世代に残す街づくりを進めていく」と述べた。
「幕張ベイパーク」は、京葉線海浜幕張駅から徒歩13分、千葉市 美浜区若葉3丁目に位置する開発面積約17.5ha、予定総戸数約4,500戸の複合タウンの総称。平成27年、三井不動産レジデンシャルを幹事会社とする7社が千葉県企業局からに用地約17.5haを280億円(1坪52.6万円)で取得した。
マンションのほか、商業施設「イオンス タイル幕張ベイパーク」やエリアマネジメント拠点「幕張ベイパーク クロスポート」、コミュニティ創造型コワーキングス ペース「TENT 幕張」、スポーツ・アウトドア、医療・健康施設、保育・教育施設などを10年間かけて整備する。
現在分譲中の第2弾「幕張ベイパーク スカイグランドタワー」は免震構造の48階建て全826戸。4月下旬販売予定の第1期3次(戸数未定)の価格は3,605万~9,590万円(最多価格帯4,600万円台)、専有面積は64.98~112.16㎡。売主は同社のほか野村不動産、三菱地所レジデンス、伊藤忠都市開発、東方地所、富士見地所、袖ヶ浦興業。入居予定は2021年3月下旬。施工は熊谷組。デザイン監修は光井純氏。
2017年11月、第1弾「幕張ベイパーク クロスタワー&レジデンス」(497戸)が分譲開始された。残りは未供給を含め50戸と好調。
各務氏(左)と吉田氏
左が第一弾、右が第二弾の「幕張ベイパーク スカイグランドタワー」模型
◇ ◆ ◇
いまの千葉県のマンション市場環境は順風、追い風ではなく、逆風、向かい風だ。船を漕ぎ出せばたちまちダッチロール状態に陥る可能性が高い、視界不良の荒海という形容も成り立つかもしれない。
少なくとも数字は厳しい市況を映し出している。別表は、千葉県の分譲共同住宅の着工戸数の推移だ。平成18年は折からのブームで約21,100戸を記録したものの、その後は激減、平成30年は3,320戸まで落ち込み、18年比で84.3%減だ。
ここまで落ち込んだ最大の理由は、リーマン・ショックの影響で千葉県を地盤としてマンションデベロッパーが軒並み退場を余儀なくされたからだ。
そして、都心の一等地では坪単価1,000万円が相場になっている時代だ。代わって登場した大手デベロッパーも、高値追求ができる販売リスクが低い他エリアにシフトしているからだ。
千葉県でも市川駅や本八幡駅圏の〝駅近〟は坪300万円を超える物件が散見されるようになったが、300万円の壁は厚い。購買力の限界と建築費の上昇の板挟みに各デベロッパーは呻吟しているはずだ。火中の栗を拾いたくないというのが本音ではないか。
◇ ◆ ◇
プレス説明会に各務氏が出席されることは分かっていた。各務氏には15年前、全701戸の平均面積が120㎡というわが国のマンションの歴史に名を刻む「新浦安」の取材で話を聞いており、その後、「武蔵小杉」の取材などでもお会いしている。隣の井上氏はどこかで逢っているはずだと必死で記憶を手繰り寄せた。すぐにRBA野球の同社の選手だったことを思い出した。10年ぶりくらいか。
嬉しさがこみ上げてきたのだが、ここは心を鬼にして、前述した厳しい千葉の現状にどう立ち向かうのかストレートに聞いた。
「各務さんも井上さんもよく存じ上げている。応援したいし、ネガティブな記事など書きたくないが、海浜幕張駅から遠く、京葉線は乗り換えに不便。しかも予定戸数1,000戸の『検見川浜』もある。双方合わせると『HARUMI』と同じくらいの規模。並行して走る総武線とも競合する。他都県はどんどん価格が上昇し『翔んで埼玉』も千葉よりはるかに高い。イメージが劣る千葉で正気の沙汰ではない。どう売るのか」と。
これに対し、各務氏は「貴重な質問ありがとうございます」と断り、「これまで『日本橋』『柏の葉』『豊洲』『ミッドタウン』などと同様、継続して賑わいを創造していく。ここも順調なスタートを切れた」と同社の「経年優化」の理念を語った。
それでも、その言葉を真に受けられなかった。相当苦戦を強いられているのではないかと。
ところが、2017年11月に分譲開始した第一弾「幕張ベイパーク クロスタワー&レ ジデンス」497戸は未分譲を含め残りは50戸と聞き、信じられない思いがした。これほど短期間に売れるとは夢にも思わなかった。坪単価は分譲前に「常識的な坪200万円を少し超えるくらいの値段を設定すると思う」と書いたが、その通り210万円だった。
坪単価は第一弾とほぼ同じの第2弾「幕張ベイパーク スカイグランドタワー」も今年2月から分譲を開始し、すでに226戸が販売済みだという。このペースで行けば10年間に約5,000販売することになる。
基本性能・設備仕様、住戸プランは間違いなく水準以上だ。モデルルームは非常によくできている。
売れ行きのいいのとモデルルームの出来をつぶさに見て、評価を改めた。「正気の沙汰ではない」などと、各務氏と井上氏に投げつけた〝罵声〟に近い批判的な質問はそっくり返上する。大変失礼しました。
さて、この日(4月13日)、千葉・幕張に吹いた風は何と形容すればいいか。パタパタ、ヒラヒラ、ゆらゆら、サラサラでもないし、順風満帆は平凡に過ぎる。微風でもない。飄々も適当でない。熱風は言い過ぎだろう。春風、そよ風、薫風はどうだろう。春風駘蕩がぴったりか。
巷では開発面積約13ha、総戸数5,632戸の「HARUMI FLAG」が喧しいが、この風は「HARUMI FLAG」を揺るがすかもしれない。記者の〝口撃〟を軽くいなした各務氏は馬耳東風か柳に風か。
「ツリーデッキ寄贈セレモニー」(演奏協力は全国大会で何度も優勝している幕張総合高校シンフォニックオーケストラ部、樹木はサルスベリ)
幕張海浜公園から望む
三井不レジ他 4,500戸「幕張ベイパーク」第一弾分譲へ 価格はさて? (2017/9/14)
三井不動産レジデンシャル 「パークシティ武蔵小杉」3棟目が完成(2014/3/9)
三井不動産RD 主力の井上選手が関西へ異動(2010/4/8)
RBAタイムズ アーカイブ 2004年 5月14日号 全701戸が平均120㎡ テーマは「家族の絆」(2010/12/24)
平成最後の寒波 もろともせず 坪750万円の住友不「恵比寿」竣工
「シティタワー恵比寿」
住友不動産は4月12日、渋谷区恵比寿のタワーマン「シティタワー恵比寿」(全310戸)が竣工したのに伴う報道陣向け内覧会を行った。坪単価は750万円で、契約進捗率は60%。関係者は「当社の開発力を注いだ自信作。歴史に名を刻む物件。残り約100戸。1年半くらいかけてじっくり販売していく」と話した。
物件は、JR山手線・埼京線恵比寿駅から徒歩7分、渋谷区恵比寿一丁目に位置する22階建て310戸(非分譲住戸3戸含む)。専有面積40.72~150.89㎡、坪単価750万円。竣工は2019年3月6日。設計・監理・施工は西松建設。
恵比寿駅圏のタワーマンションとしては最寄りでは実に15年ぶりの供給で、総合設計制度を適用し、四方道路の敷地(約3,360㎡)の約1/2(約1,680㎡)の公開空地に100本を超える樹木を植えることで、高さ規制(50→75m)、容積率(400%⇒600%)の緩和を受けている。
2017年6月の販売開始からこれまで問合せ件数は約9,500件、来場は2,700組。全体の6割強が契約済み。
プレミアムタイプモデルルームは天井高最大約2,550mm、室内廊下、トイレ、洗面所の床には天然石を採用している。
モデルルーム
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記者は分譲開始から3カ月後の2017年9月に取材している。そのとき聞いた坪単価は700万円だった。業界関係者はみんな「高い」と思っていたようだが、記者はそれほど高いとも感じなかった。
今回聞いた坪単価は750万円だ。これも納得。改めて記事をかくが、その後もマンション単価は立地にもよるがどんどん上昇し、駅の反対側で分譲中の野村不動産の物件は坪900万円近くでも好調に推移している。再開発が進む渋谷は坪1,000万円が相場となりつつある。代官山もいい場所なら坪1,000万円だろう。
竣工時点で4割100戸も残っていたら他社なら〝値を下げようか〟と大慌てするところだろうが、粗利益率30.0%(平成30年3月期)を誇る同社だ。歯牙にもかけない。
内覧会の冒頭で、同社名物広報担当者は「平成最後の寒波到来ですが、入居も始まりますので、お見せできるのは今日が最後のチャンス。マンション内覧会もおそらく平成最後」と余裕たっぷりに話した。
東急リバブル・太田社長、東急住宅リース・三木社長 就任記者会見
左から太田氏、大隈氏、三木氏(ザ・キャピトルホテル東急で)
東急不動産ホールディングスは4月12日、4月1日付で新社長に就任したグループの東急リバブル・太田陽一氏と、東急住宅リース・三木克志氏のお披露目・就任記者会見を行った。
冒頭、東急不HD社長・大隈郁仁氏は、「2017年にスタートした中期経営計画は今年4月で前半の2年が経過するが、計画を上回る進捗で推移している。現在のマーケートには変調を感じているが、確実に計画を上回る業績を上げるために二人を登用した」と挨拶。
太田氏は、「仲介大手3社に食い込んでいる当社には3つの業界ナンバーワンがある。一つはお客さんの評価、2つ目は事業競争力、3つ目は働き甲斐のある会社ということだ。私個人の強みは、過去24年間で現場を12年間、スタッフを12年間経験し、社員をよく知っており、視点に偏りがなく、バランスよく客観的にものごとを見ることができること。環境の変化にも対応してきた。今後長期的には実需はシュリンクしていくが、どのマーケットが強みを引き出せるか引き出しを多くして対応していく。人材育成も生命線」などと抱負を述べた。
趣味は運動、音楽、ミステリー読書。「運動は仕事を支える。思考を柔軟にし、展開を読むためにもミステリーは仕事に役立つ」。家族は1歳の孫と91歳の父親を持つ「高齢者家族のモデル」だそうだ。1960年(昭和35年)生まれ。東京都出身。早稲田大学卒。
三木氏は、「人が力を発揮するのに大事なことが3つあることを、ずっと仲介現場を経験してきて学んだ。第一は信頼。社員、上司、会社がそれぞれ助け合うということ。第二は成長。人が成長すれば、事業も成長する。第三は創造。この3つを基本に社員の力を最大限に引き出す」と語った。
三木氏は1959年(昭和34年)生まれ。神奈川県出身。早稲田大学卒。大隈氏とは同期入社。