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「木鋼ハイブリッドブレース」

 大和ハウス工業は8月8日、大規模商業施設や事務所などに適用可能な日本初の耐震部材「木鋼ハイブリッドブレース」を開発し、日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得したと発表した。

 「木鋼ハイブリッドブレース」は、平鋼の芯材を集成材の拘束材で補強することにより、地震時に圧縮力がかかっても座屈せず、優れた耐震性能を発揮できるブレース(筋かい)。

 拘束材にヒノキやカラマツなどの木質材料を用いることで、従来の鉄骨構造による座屈拘束ブレースと比較して、座屈拘束ブレースの製造時に生じる二酸化炭素排出量を最大65%低減でき、集成材を現しにすることができる。

 同社は今後、コストの削減を進め、柱や梁などへの採用可能性についても研究開発を進めていくとしている。

 わが国では、林野庁が2010年10月に施行した「公共建築物における木材の利用の促進に関する法律」により建築物の木造化・木質化の促進が図られており、国土交通省の「建築着工統計調査」でも、非住宅系木造建築物の着工床面積は、2010年の420万㎡から2018年には477万㎡まで増加している。

 

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HARUMI FLAG」全体像

三井不動産レジデンシャルを幹事とするデベロッパー10社は87日、「HARUMI FLAG」第1600戸を85日に抽選分譲した結果、1,543組の申し込みがあり、最高71倍、平均2.57倍で即日完売したと発表した。これまでの見学者は5,100組超。

販売されたのは「SEA VILLAGEA棟・B棟・D棟)」の211戸(最多価格帯8,600万円台)と「PARK VILLAGEA棟・B棟・C棟・F棟)」の389戸(最多価格帯6,400万円台)。坪単価は302万円。

三方向を海に囲まれ、レインボーブリッジなどを見渡すことができる「眺望の良さ」、都心6区の平均専有面積より20㎡以上も広い「ゆとりあるプラン」、銀座へ約2.5㎞・中央区晴海という東京都心と湾岸エリアの結節点となる「利便性の高い立地」を中心に、「商業施設や保育施設、小中学校、公園等が揃うALL IN TOWN」であること、「子育て世代やシニア世代など誰もが住みやすいユニバーサルデザインの街」であることなどが評価されたという。

登録者の年代は30歳代31%、40歳代31%、50歳代18%、60歳代以上15%、居住地は中央・江東・港区で48%、家族数は232%、328%、427%、5人以上6%、職業は会社員58%、会社経営者・役員26%。

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 2020東京オリンピック・パラリンピックの選手村として利用される〝レガシーマンション〟であり、メディアが〝格安〟などと大騒ぎしている割には、平均倍率が2.6倍という数字にはやや物足りなさを感じる。近年のマンションでいえば、規模を考えると「Tomihisa Cross」(1,093戸)やSKYZ TOWERGARDEN」(1,110戸)、「BAYZ TOWER&GARDEN」(550戸)のほうが盛り上がったような気がする。しかし、「HARUMI FLAG」の入居はずっと先だし、様子を見ようというユーザーが多いからではないかと考えると、妥当な数字にも思える。

参考までに紹介すると、昭和61年夏に分譲された民活第一号マンション「西戸山タワーホウムズ」(576戸)の来場者は約6万人に達し、申し込み倍率は実に44.2倍だった。

東建など6社共同「東京ワンダフルプロジェクト」第2弾「BAYZ」分譲へ(2014/5/28

ハイブリッド免制震など初ものづくし、満艦飾マンション「東京ワンダフルプロジェクト SKYZ TOWERGARDEN」(2013/6/13

地揚げから30年 坪330万円のマンションに再生「Tomihisa Cross」(2013/9/5)

 

 

 

 

 

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「MIMARU京都 烏丸御池NORTH」

 コスモスイニシアは8月7日、世界最大旅行プラットフォーム「TripAdvisor®」の日本法人・トリップアドバイザーが発表した「インバウンドレポート2019 外国人に人気の日本のホテル2019」ランキングTOP20に同社の「APARTMENT HOTEL MIMARU」から16位に「MIMARU東京 上野稲荷町」、18位に「MIMARU東京 赤坂」、19位に「MIMARU東京 日本橋水天宮前」の3施設が選出されたと発表した。

 「MIMARU」は、2018年2月に開業した第一弾の「MIMARU東京 上野NORTH」をはじめ、8月1日にオープンした「MIMARU京都 烏丸御池NORTH」まで運営数は東京・京都あわせて11施設511室となっている。

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 これには驚いた。人気ランキングトップの「クラブメッド北海道トマム」、第2位の「クラブメッド北海道サホロ」は知らないが、マンションの究極はホテルだと思っているので、第3位「ザ・リッツ・カールトン東京」や5位「パーク・ハイアット東京」、8位「ザ・リッツ・カールトン京都」、10位「マンダリンオリエンタル東京」、12位「パレスホテル東京」、14位「コンラッド東京」などは記者も宿泊・取材もしている。

 これら名だたるラグジュアリーホテルに次いで、コンセプトもターゲットも全く異なる「MIMARU」が3施設も選ばれるのはいま一つよく分からないのだが、欧米では当たり前の施設がわが国にはなかったのが評価されたのであろうと考えると、なるほどと納得もできる。同社は「フレンドリーな接客を高く評価いただいている」としているが、記者も「MIMARU京都 新町三条」に体験宿泊しているので、ホスピタリティの高さを実感した。ファサードデザインもよかった。

 個人的に好きなホテルは「京王プラザホテル東京」と「ロイヤルパークホテル」、「京都ブライトンホテル」「旧ホテル海洋」「ウェスティンホテル東京」など。

高評価に驚愕 コスモスイニシア 7件目「MIMARU京都 新町三条」に体験宿泊(2018/10/17)

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「Connect Style Kitchen(コネクト スタイルキッチン)」イメージ図

 大京は8月6日、マンションのLDKをフレキシブルに使用できる「Connect Style Kitchen(コネクト スタイルキッチン)」空間を開発し、今後、分譲マンションやリフォーム・リノベーションマンションに採用していくと発表した。

 ライフスタイルや価値観、家族形態が多様化し、ニーズも変化している中、用途が限定され、住宅の狭小化が進んでいることに対応するもの。

 好きな時に好きなように動かせる「コネクトカウンター」をLDKの中心に配置。カウンター内部に収納スペースを設置することで調理家電の収納場所を確保しているほか、キャスターにより簡単に移動することができる。

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 実物を見てみないと何とも言えないが、意図はよく分かる。建築費の高止まりで、最近のマンションはどんどん専有面積が狭くなっている。キッチンの広さもせいぜい3.1~3.5畳大しかない。ダイニングとリビングを合わせても15畳大あればいいほうだろう。各社はゆったりしたLDKを確保できないから、隣接の居室をスライドウォールを用いてフレキシブルに利用できるように提案しているのが現状だ。

 一つ、よく分からないのは食卓との関係はどうなるのかだ。両方を置くことは難しいような気がするし、コネクト スタイルキッチンが小さいと物置になりかねない。首都圏マンションにも採用されるはずなので、しっかり確認したい。

 同社によると、標準形の寸法は長さ:1,650mm、高さ:850mm、奥行き:750mm。なるほど、これくらいなら邪魔にならないか。

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概念図(左は従来の、右は「Connect Style Kitchen(コネクト スタイルキッチン)」)

料理をもっと楽しく 栗原はるみプロデュース「harumi's kitchen」トクラス発売(2019/4/17

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「デュオセーヌ豊田」

 フージャースホールディングスは8月7日、グループのフージャース ケアデザインのシニア向け分譲マンション「デュオセーヌ豊田」が完成したのに伴う「建物完成お披露目会」を行った。

 物件は、JR中央線豊田駅から徒歩17分、日野市旭が丘三丁目に位置する8階建て全118戸。専有面積は42.00~70.07㎡、現在分譲中の住戸(37戸)の価格は3,148万~5,998万円(最多価格帯3,300万円台)、坪単価は240万円。有効率は約8割。建物は2019年7月竣工済。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。

 これまで半分強が分譲済み。入居予定者の男女比率は3:7、入居時の年齢は74、5歳以上、夫婦での入居は約3割。

 担当者によると、入居から5年が経過した「つくば」では死亡や要介護3以上の理由などから約1割に退去が発生しているが、中古市場では分譲時価格の約9割を維持しているという。

 同社は今後、「国立」(228戸)、「相模原」(233戸)、「東戸塚」(186戸)、「船橋高根台」(207戸)、「大宮」(266戸)を竣工する予定で、年間2~3棟をコンスタントに供給していく。

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ラウンジ

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一般利用も可能なレストラン

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百数十万円はしそうなエントランスのオブジェ

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植栽

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植栽

進化するシニア向け所有権付き「デュオセーヌ」 フージャース「国立」&「豊田」(2018/9/4)

フージャース シニア向け「ちはら台駅前」 入居前に6割が契約・申し込み済み(2018/1/22)

高級住宅街の一角に シニア向けフージャース他「デュオセーヌ緑山」(2016/10/11)

根づくかシニア向け分譲マンション 年間500戸の市場へ(2015/1/26)

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「Open Network Lab Resi-Tech第1期Demo Day」

 デジタルガレージ(DG)は8月1日、不動産関連スタートアップを対象とした育成プログラム「Open Network Lab Resi-Tech」を通じ、大手不動産会社など7社とスタートアップ5社による実証事業を支援すると発表。同日、これまでの成果を発表する「Open Network Lab Resi-Tech第1期Demo Day」を行った。

 実証事業として発表されたのは、「IT活用による集合住宅等の不在時宅配受取の検証」(Yper)、「先進技術を用いた、高齢者介護の支援の可能性検証」(Origin Wireless Japan)、「先進技術を用いた、施設の在籍状況モニタリングによるセキュリティ対策の可能性検証」(Origin Wireless Japan)、「物管理業務における点検および記録報告等の効率化の検証」(THIRD)、「小規模トランクルームサービスの需要及び利用満足度の検証」(データサイエンスプロフェッショナルズ)の5つのプロジェクト。

 この中から、大量の紙とFAXが使われている不動産管理業務に着目し、建物の情報をアプリ、IoTデバイスなどで収集し、管理業務をAIに代替えするソフトウェア「管理ロイド」を開発したTHIRDが、審査委員による「ベスト コーポレート チーム アワード」と、来場者の投票による「ベスト オーディエンスアワード」の二冠を獲得した。

 同社の井上惇社長は、「『管理ロイド』は16社、5万棟に採用されており、約67%のコストが削減できる。削減効果は1.3兆円」と話し、「テクと現場が乖離しているニッチな分野に泥臭く入り込んで爆発させたい」と喜びを語った。

 当日は、シード期の育成・支援をメインとした4つのSeed Accelerator Program(シードアクセレレータープログラム)も発表され、今後、パートナー以外も含む企業からの投資や協業などが検討される。

 DGは2018年11月、コスモスイニシア、竹中工務店、東急グループ、東京建物、野村不動産ホールディングス、阪急阪神不動産、三井不動産の7社をパートナーとするコンソーシアムを結成し、新規事業の創出や社会課題の解決を支援する「Open Network Lab Resi-Tech」を運営している。

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「ベスト コーポレート チーム アワード」を受賞したTHIRD(右から2人目が井上社長)

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 18:30から21:00までの約2時間半、登壇者が次から次へ難しい言葉や図表をプロジェクターに映し出し、機関銃のように話した。スマホも満足に扱えないアナログ人間の小生は必死でメモを取ったが、ほとんど理解できなかった。審査委員のDG代表取締役兼社長執行役員グループCEO・林郁氏が講評で「やや詰め込みすぎた」と語ったように、素人でも分かるようなプレゼンは出来ないものか。

 だが、しかし、それぞれのプログラムはワクワクするものばかり。THIRDの「管理ロイド」が二冠を達成したのにも納得した。この前、三井不動産が働き方改革の一環として、年間約58,000時間の業務量と約840,000枚分の紙資料を削減すると発表したのと通じるものがあったからだ。

 意味は全く分からなかったが、さもありなんと思ったのはOrigin Wireless Japanの「Life log」とTellus You Careの「Tellus」だった。前者はWi-Fiの電波を、後者は小型レーダーを用い、24時間365日、人の動き、睡眠時の呼吸、ドアの開閉、室内での転倒などをモニタリングして、健康寿命を伸ばそうという技術だ。

 審査委員を務めた渋谷区長・長谷部健氏がこれに敏感に反応し、「Wi-Fiがいいか小型レーダーか、実験場を提供してもいい」と語った。

 しかし、小生はこれは危ないと直感した。両刃の剣だ。24時間365日、人の動きを監視できる技術が悪用されたらどうなるのか。国がマイナンバー制度とリンクさせたら監視国家システムが完成する。われわれはタグを埋められた競走馬と一緒。ジョン グリシャムの最新作「危険な弁護士」(新潮文庫)にも一般市民が犯罪に巻き込まれた悲惨なシーンが描かれている。

年間30人分の業務と約7%の紙資料削減 三井不「働き方改革」で新システム導入(2019/7/12)

〝住まい〟切り口 スタートアップ育成プログラム組成・始動 デジタルガレージ(2018/11/8)

 

 

 

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「Living Darden流山セントラルパーク」 

 ポラスグループのポラスガーデンヒルズは8月5日、先に平均2倍の倍率で即日完売した戸建て「Living Darden流山セントラルパーク」のメディア向け見学会を行った。駅から徒歩4分の全3棟で、「庭間(テーマ)のある家」をテーマにエクステリア、ファサードそれぞれのデザイナーとコラボし、住宅と庭・外構を一体として商品化したレベルの高い戸建てだ。

 物件は、つくばエクスプレス流山セントラルパーク駅から徒歩4分、流山市古間木の区画整理事業地内の一角に位置する全3棟。土地面積は158.25~165.31㎡、建物面積は92.95~98.55㎡、価格は5,180~5,380万円。建物は木造軸組工法2階建て、竣工済み。

 3棟とも完成販売とし、7月13日に抽選の結果、最高5倍、平均2倍で即日完売した。

 現地は、大規模公園に隣接。商品化に当たっては、エクステリアデザイナーのグランフェイス・大熊一幸氏と、ファサードデザインに実績のあるYKK APエクステリア部・深川英樹氏とコラボ。高低差のある敷地の特徴を生かし、緩やかな段差で緩やかにつながる空間構成を行い、外-庭-住宅が緩やかにつながる容積算入の「リビングガーデン」を設置しているのが特徴。

 見学会で、同社設計部街並デザイン室・松井孝治氏は、「来場者からは『パースよりいい』『予想以上にいい』『価格が安い』などの評価を頂いた。もう少し高くても売れたかも」などと語り、同社設計部管理建築士・安藤欣司氏は「今までの概念とは違う庭をつくった。よく見ていただきたいと」と力を込めた。

 大熊氏は、「ファサードは緑化計画を盛り込んだオープンデザインとし、庭を部屋と一体として使えるよう壁を設け、ファニチュアも置けるよう工夫した。機能と意匠の両立を目指した」と語った。大熊氏は約20年間、ハウスメーカーのエクステリアを担当したのち、8年前に独立。JEXA 日本エクステリア設計協会の主席幹事を務めている。

 深川氏は、「壁を立てた庭を提案し、アルミのフレーム、縦ルーバー、アルミ鋳物、木樹脂などを多用した」と話した。

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松井氏(左)と安藤氏

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大熊氏(左)と深川氏

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2号棟

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2号棟のアルミ鋳物の格子デザイン壁

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 前日はRBA野球大会の取材のため炎天下の三郷の河川敷のグラウンドで4時間立ち尽くし疲れ果てている小生は、分譲住宅の契約戸数が2,654棟(2019年3月期)もあるポラスがどうしてわずか3棟の物件見学会を、しかも夕方の5時に行うのだろうといぶかりながら出かけた。(道に迷ったため20分歩き、汗だくになったおまけつき)

 その謎はすぐ解けた。建物を見てすぐ、「庭間(テーマ)のある家」のコンセプトがすぐ伝わってきた。記者はアルミ鋳物の格子に惚れこんだ(写真参考)。幅が異なる3種の格子を等間隔ではあるが角度を変えているため、見る角度により微妙に表情が異なる。この種の格子デザインの嚆矢でもある、隈研吾氏がデザイン監修した「神楽坂『赤城の杜』プロジェクト」マンションを思い出した。

 値段を聞いてびっくりした。記者は、この沿線のマンションや戸建てをたくさん取材しているのでおおよその相場は把握している。流山セントラルパークは、駅周辺に生活利便施設がほとんどないのが難点だが、立地条件からして値段は5,000万円台の後半だろうと読んだ。「予想以上にいい」「価格が安い」と松井氏がストレートにお客さんの評価を伝えたとおりだと思う。

 なぜ、それほどまでに安くしたのか。多分、同社はこの流山セントラルパークエリアではこれまで分譲事例がなく、今後大量に供給するための布石を打つために商品力を高め、価格を抑えたのだろうと理解した。3棟現場だからこそ思い切った企画で勝負できたのだろうと合点がいった。

 来場者の「パースよりいい」というのは、今回の物件に限ったことではない。パースより実物がいいのはいつものことだ。同社の課題だ。パースを本物に近づけることが必要だと思う。

 もう一つ注文。これは同社の物件に限らないのだが、階段が尺モジュールなのが気に入らない。小上がり部分も含めステップを17段も取っているのだから、ここはメーターモジュールにして差別化を図るべきだ。

 さらに言えば、踊り場付きの回り階段やサーキュラー階段にすれば事故は劇的に減るはずだし、電動滑り台にしたら上り下りはものすごく楽になるはずだ。各社は2階建てのネックである階段にどうして力を入れないのか。

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エントランス

神楽坂『赤城の杜』プロジェクト」完成 三井不レジデンシャルが見学会(2010/8/20)

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「Hi-NODE(ハイ-ノード)」

 野村不動産とグループのNREG東芝不動産は8月2日、国家戦略特別区域の特定事業「(仮称)芝浦一丁目計画」の関連事業として東京都港湾局と連携して進めてきた「日の出ふ頭小型船ターミナル等整備計画」の「Hi-NODE(ハイ-ノード)」の開業式典を行った。「Hi-NODE(ハイ-ノード)」は3日開業する。

 式典に出席した宮嶋誠一・野村不動産社長は「JR東日本さんと共同して進めている『芝浦一丁目計画』や浜松町・竹芝の再開発事業とも連携して水辺空間の賑わいを創出し、地域全体の活性化につなげていきます」と語り、出来栄えに満足していた。

 小池百合子・東京都知事は「『水の都・江戸』を再生させるカギとなる『日の出』の新しい顔となる事業に敬意を表します。いま外国人観光客が最初に目指すのは箱根のようですが、『日の出』を『Hi-NODE(ハイ-ノード)』と読ませるのがとてもいい。都も積極的にPRしていきます」と祝意を述べた。

 施設は、野村不動産グループは、今後、日の出ふ頭小型船ターミナルなどの施設を運営するとともに、水辺の賑わいと各エリアとの回遊性を創出し、舟運と地域の活性化を図っていく。

 同計画は、土地所有者の東京都港湾局と野村不動産グループが協定を結び、事業を進めてきたもの。これまで閉鎖されていた日の出ふ頭と竹芝ふ頭をつなぐ連絡橋の耐震補強を行い、付近の信号・横断歩道を移設することにより開発が進む芝浦-日の出-竹芝の相互のアクセスを改善し、回遊性を向上させる事業も含まれている。

 施設は、JR山手線・京浜東北線浜松町駅から徒歩9分、新交通ゆりかもめ日の出駅から徒歩4分、港区海岸二丁目に位置する延床面積約887㎡。事業主はNREG東芝不動産。設計は野村不動産。敷地所有者は東京都港湾局。

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左から港区副区長・田中秀司氏、小池氏、宮嶋氏

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小池氏(左)と宮嶋氏

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 式典後、メディア向けの内覧会が行われた。〝緑のフェイクをやめよ〟と主張している記者だが、さすが野村不動産だ。店舗内には水盤付きの本物の蔦を使用するなど随所に緑が配されていた。大きな広場にはヤシなど南国風の植栽が施され、BGMには山や川で採取した3Dサウンドが流れるように工夫されていた。

 驚いたのは芝だった。全面に天然芝が敷かれていると思ったが、そうではなく人工芝だった。しかし、安全性に課題もあるケミカル製品ではなく、原料にはわが国初で、イタリアの名門サッカーチーム・ユヴェントスが練習場に採用しているのと同様のヤシを使用したものだという。

 触ってみたが、たしかに東京ドームのそれとはまったく異なっていた。ほんものの芝と間違えるほどだった。雑草ほどうするかは課題だ。

 東京ウォータータクシーの海上タクシーも披露された。31カ所の乗降場の利用が可能で、8人乗りと6人乗りがあり1区間500円。酒も飲めるし、デッキではタバコも吸える。羽田空港(天空橋)-天王洲アイル-日の出-勝どき-築地-日本橋-浅草-押上などと繋がる。沢山の人が通勤・通学に利用する日がくるかもしれない。

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広場

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海上タクシー

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整備された連絡橋(正面はインターコンチホテル)

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店舗内の緑

 

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「SDGsハウス」

 アキュラホームは8月1日、「SDGs未来都市・横浜」の実現を目指すための中間組織「ヨコハマSDGsデザインセンター」のコーディネートにより、イケア・ジャパンと連携したSDGsの17ゴールに貢献する住まいや暮らし方を提案する「SDGsハウス」を同社の港北展示場で公開した。

 「SDGsハウス」は、同社が昨年5月、CLTを採用したモデルハウス「キラクノイエ」の設備・家具・備品にイケヤが開発した商品を展示しているもので、各商品がSDGsのどのゴールを目指しているかを分かりやすく説明しているのが特徴。9月30日まで公開される。

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再生ポリエステル繊維で作られたテーブルクロス・クッション

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 国連が提唱するSDGsをテーマにしたイベントを取材するのはこの1週間で3度目だ。他の記事と合わせて読んで頂きたい。国も企業も国民もSDGsを目的意識的に取り組み始めたということか。

 今回の「SDGsハウス」で興味を引かれたのは、イケアが開発したテーブルクロスやクッションなどだった。使用済みのペットボトルを再生ポリエステル繊維として蘇らせたものだった。商品化されるのは間違いないと見た。

 記者は再生ポリエステル繊維についてはよく分からないのだが、かなり普及しているようだ。弊社の女性社員の制服も全てではないが、再生ポリエステル繊維で作られたワンピースを着ている。新入社員が選んで購入したという。記者は触らせてもらったが、手触りは感は普通の洋服と変わらない。洗濯するとしわが寄りやすいというのが難点のようだ。

 値段が高いか安いか判断のしようがないが、これもSDGsの取り組みの一つと思えば堂々と胸を張れる。

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写真ではよく分からないが、キッチン扉もプラスチックから再生された製品

全役員がSDGsバッジ 住林は障がい者による手作り木製 熊谷組は市販のメタル製(2019/7/26)

〝世界に発信〟 企業×自治体 先進的SDGs取り組み事例紹介「City Lab Ventures」(2019/7/25)

アキュラホーム&キャピトル東急 世界初の「木材ストロー」開発・導入へ(2018/12/11)

美と機能性は離反していいか? CLTを採用したアキュラホーム 港北「キラクノイエ」(2018/5/20)

 7月30日付の住宅新報は「HARUMI FLAG」の第1期分譲戸数は「SEA VILLAGE」の一部211戸と、「PARK VILLAGE」の一部389戸の合計600戸で、平均の分譲坪単価は302万円であると報じた。記者が知る範囲で600戸の平均単価について報じたのは同紙だけだ。これはクリーンヒットだ。

 ただ、この単価は同紙が全600戸の販売価格を全専有面積で割って算出したというより、工業市場研究所の美濃部康之取締役がコメントしているように、おそらく工業市場研究所が計算したものと思われる。(間違っていたらごめんなさい)

 記者は、第1期の分譲戸数はこれくらいが適当だと思う。単価については、オリンピック選手村として一時利用される特殊要因を考慮しなければしごく妥当な価格だと思う。

 今回分譲される日本設計が設計を担当し、長谷工コーポレーションが施工している運河に面した「SEA VILLAGE」はもっとも優れていると思っていたし、日建ハウジングシステムと三井住友建設が設計し、三井住友建設が施工を担当している公園に面する「PARK VILLAGE」も条件がいいので価格(単価)が高くなっても不思議ではないというのが率直な感想だ。

 販売戦略として価格が高いほうから売るか低いほうから売るかは一概に何とも言えないが、価格の高いほうから売るというのは正解だと思う。〝ここに住みたい〟という人は一定数いるはずで、そうしたユーザーに最前席を用意するのは当然だ。

 今後の市況はいまひとつ読めないが、第1期以降に分譲される住棟は単価が下がるのではないかと思うので、4月26日付で書いた坪単価280万円予想を現段階で修正する必要はないと考えている。

 一つ、新しいことを付け加えるなら、都とデベロッパーとの間に当初交わされた譲渡契約で「著しく利益が上がった場合は、譲渡金額について協議する」条項について、「著しく」とはどの程度かということが明らかになった。

 小池百合子都知事が7月26日の記者会見で、記者団の質問に次のように答えているので紹介する。

 「この条項については、全ての住戸の引渡しが完了しまして、収益が確定した時点で分譲予定収入、1%を超える増収があった場合には、敷地譲渡金額の変更について協議することといたしておりまして、その増収分については、経費などを除いて折半するという確認書を今年の5月に事業者側と取り交わしたということで…」

 つまり、全住戸の販売が完了・引き渡しが終了した時点で、当初提出された計画より売り上げ・利益が1%以上上回ったら、その利益を折半するということだ。

 1%とはまた厳しいような気がするが、双方とも批判にさらされたくないということだろうし、透明性を高めるのもいいことだ。

 では、いったいどれくらいの上昇が許容範囲かということだが、記者は当初予想の250万円の10~15%増の275~287.5万円くらいと考える。

 これくらいなら都民も納得するはずで、都も収入増となりデベロッパーも潤う。結果として購入者にも利益が還元されるということだ。三方よしとはこのことを言う。いま係争中の裁判でもこの1%ルールは都側に有利に働くと見た。

 仮にこれ以上の利益を出したら、それこそ〝適正〟に売却価格をはじき出した不動産鑑定士の顔に泥を塗ることになり、法の存立そのものが危うくなると思う。裁判の行方だって分からなくなる。

「HARUMI FLAG」の単価予想は坪280万円に下方修正 「著しく利益増」協議回避へ(2019/4/26)

文句なしにいい 街づくり・基本性能 坪単価280万円か 「HARUMI FLAG」(2019/4/24)

 

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