総合的な街づくりに高い評価 積水化学 初のスマート「あさかリードタウン」

お披露目式フォトセッション(左から東京セキスイハイム社長・岡田雅一氏、積水化学工業代表取締役・加藤敬太氏、富岡氏、髙下氏、神吉氏)
積水化学工業は10月11日、同社初の複合大規模タウン「あさかリードタウンお披露目式」を開催。同社代表取締役社長・髙下貞二氏や朝霞市長・富岡勝則氏などが出席してセレモニーを行ったほか、全戸にレジリエンス機能を搭載した戸建てモデルハウス、サステナブルなまちづくりを紹介する「SEKISUI Safe&Sound Gallery」などを報道陣に公開した。
「あさかリードタウン」は、東武東上線朝霞駅バス5分徒歩3分、朝霞市根岸台三丁目に位置する開発面積約72,544㎡。同社の工場跡地で、全131区画からなる「スマートハイムシティ朝霞」のほかマンション212戸、商業施設「CAINZ」、保育施設2カ所、有料老人ホーム・賃貸住宅「あさかヴィレッジ」、クラブハウスなどが整備される。
今年1月に設立したセキスイタウンマネジメントが手掛ける第一弾でもあり、「Safe&Sound:安心・安全で、環境にやさしく、サステナブルなまち」をコンセプトに掲げ、同社グループの製品・サービスを102品目採用するなどグループの総合力を結集。街全体の安心・安全を確保するため電線・水道管の地中化、大雨時の浸水を防ぐクロスウェーブ、雨水貯留管を地下に集約するなどインフラ整備に力を入れている。
地域と社会課題解決、SDGsに貢献する様々な取り組み・製品提供も行う。街の25%を緑化する取り組みが評価されABINC認証を取得している。
「SEKISUI Safe&Sound Gallery」のユニットは、同社グループ会社が施工した福島県郡山市の応急仮設住宅を譲り受け、再利用している。
戸建て街区「スマートハイムシティ朝霞」は、これまで供給した停止条件付宅地分譲40区画が全て完売、分譲戸建て90戸のうち27戸が成約済み。土地面積は約130㎡以上で、建物面積は約110㎡以上。分譲戸建ての建物は軽量鉄骨造(全体の3分の2)と、木質系ユニット住宅(同3分の1)2階建て。価格は宅地が坪約40万円、分譲は5,000~5,500万円が中心。床は挽板、和室には樹脂畳を採用している。リビング天井高は2400ミリ。
全戸に全戸太陽光発電システム、蓄電池を搭載するほか、「飲料水貯留システム」を採用。断水時に3日間(24ℓ)の飲料水を確保する。
お披露目式で髙下社長は、「1953年(昭和28年)に関東初のプラスチック工場として稼働してから62年の2015年に幕を閉じ、安心で安全、防災減災、健康で快適な持続可能な街づくりを当社グループの総力を結集して進めてきた。ESG経営の根幹にあるSDGsにも貢献できるよう化学の力との融合も図った。当社初のスマートタウンの第一歩をスタートさせた」と挨拶。
富岡市長は、「これまで60年以上にわたって市の発展に貢献してきた工場跡地が先進的技術を投入した新しい街に生まれ変わるのは、当市の『自然・環境に恵まれたまち』『子育てがしやすいまち』『安心・安全なまち』『つながりがある元気なまち』という4つの基本コンセプトに合致するもの」と祝意を述べた。

髙下氏(左)と富岡氏

両氏の挨拶・祝辞が終わったころ激しい雨が降ってきた(参加者には合羽や傘が配布された)
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どのような街になるか楽しみにしていたのだが、高下社長も強調したように、街づくりのインフラ整備には相当な力が注がれていることを確かめることができた。「飲料水貯留システム」は初めて見た。原理的には井戸水を釣瓶でくみ上げるのと一緒で単純なものだが、水道水をどのように貯めて取水するのかその仕組みはよく分からなかった。
街の安心・安全・防災の取り組みでも、近くに流れる黒目川が氾濫しても住宅地が浸水しないよう川に近い地盤を約2mかさ上げし、約12mにわたって緩やかなひな壇造成も行っている。
好調な売れ行きにも驚いた。宅地の分譲開始が今年2月、分譲戸建ては4月。分譲戸建ての価格はエリアの相場より1,000万円から1,500万円も高い。にもかかわらず67区画を成約した。この販売スピードは「想定の1.5倍」(同社住宅カンパニープレジデント・神吉利幸氏)だという。総合的な街づくりが評価されたのだろう。

雨水貯留管

飲料水貯水システムイメージ図(自転車の空気入れのようなもので取水する)
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見学会で感じたことをいくつか指摘したい。
他の記者の方が質疑応答で「ものすごく安い」と称えた。もちろんフルスペックだからという意味が込められての発言だとは思うが、小生は逆だと思う。同社の担当者にも確認したのだが、朝霞駅からバス便の分譲戸建ての相場は4,000万円前後で、アッパーでも4,500万円だ。5,000~5,500万円という価格設定は正気の沙汰ではない。設備仕様レベルを上げて売れるのなら問題はないが、いまの市場はそうではない。ユーザーの購買力は上がっていない。常に価格下げ圧力がかかる。だから、どこのハウスメーカーもデベロッパーも設備仕様レベルを下げ、価格を下げようとする。
〝ものすごく高い〟のによく売れているのは、ハイスペックが支持されたということだろう。果たしてこれがどこでも通用するかどうか。この前取材した三井不動産レジデンシャル&三菱地所レジデンス「稲毛海岸 美浜の杜シティ」は4,500万円台中心だ。記事を添付したので比較して読んで頂きたい。
もう一つ。報道陣からは朝霞市初の「電線の地中下化」を称賛する声が上がった。小生もそう思うが、電線の地中化は同じハウスメーカーでも採用例は多くはないがあるし、デベロッパーも三井不動産レジデンシャルはマンションや戸建てで採用しているし、コスモスイニシアの電線地中化事例は2014年時点で10件に達しており、その後も加えると相当数に上るはずだ。
さらにもう一つ。街並み、デザインについて。ゆっくり街中を見学するゆとりはなかったのだが、木造ファンの小生からすれば、鉄やコンクリのユニット住宅は外観が単調で〝美しさ〟に乏しいと感じるが、今回もそうだった。
同社は今後、この種の街づくりプロジェクトを年間100億円規模まで拡大する意向だか、陸屋根が基本の鉄骨住宅とこう配屋根の木質系住宅
「グランツーユーV(ファイブ)」とのバランスを取りながら美しい外観・街並みを創造していくのかが課題の一つではないかと思う。天井高の低いのも気になった。
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なぜ前段のようなことを書くかといえば、今も昔も多くの住宅・不動産業界のメディアは記者の取材配置を行政、大手デベロッパー、中小、ハウスメーカー、不動産仲介、仲介など分野ごとに振り分けており、数年で担当を変えるともある。大マスコミと一緒だ。
そうすると、どういうことが起きるか。デベロッパー担当記者はハウスメーカーを全く取材しないし、逆にハウスメーカー担当はデベロッパーを取材しない。今回のような街づくり、分譲戸建てのようにデベロッパーもハウスメーカーも事業展開している分野では双方を取材しなければ市場を把握できないのに、記者は上司の指示か同僚に気を使ってか、それをしない。
この日の見学会にはこの種のデベロッパーの見学会と比べ2倍くらいの記者が参加していた。デベロッパー中心に取材している小生にとっては羨ましい限りだ。だが、しかし、極論かもしれないが、つまり半分の記者は半分の市場しか見ていないことになる。
小生はずっと分譲事業を取材してきたので、デベロッパーであろうとハウスメーカーであろうと大手、中小の別なく取材してきた。だから、この東武東上線のマンション、戸建ての市場は頭の中に入っている。朝霞駅からバス便の分譲戸建てが5,000~5,500万円というのは破格の値段だ。「ものすごく安い」という結論には絶対にならない(最近の東上線のマンションは価格上昇が顕著で、その分だけ分譲戸建ての割安感は生まれているが)。電線地中化もデベロッパーではそれほど珍しいことではない。
これだけ時代の流れが激しくなり、市場が縮小し競争が激化してくると、デベロッパーもハウスメーカーもそれぞれの成長分野へシフトする動きは加速する。〝街づくり〟〝スマート〟もその一つだ。
メディアは旧態依然の取材体制を改め、業種・業態を超えたクロスオーバー的な取材体制の再構築と、記者もまた〝広く浅く〟と〝狭く深く〟の両方を兼ね備えるべきだと思う。
そうでないと〝木を見て森を見ず〟〝森を見て木を見ず〟になる。マクロとミクロ、鳥の目と虫の目-この視点が-欠落すると業界紙の役割は果たせないと思う。

「スマートハイムシティ朝霞」エントランス
三井不レジ&三菱地所レジ 初の戸建て〝共演〟 全253区画の「稲毛海岸」分譲(2019/10/8)
驚嘆 シングル向けコンパクトにポルシェのシェアサービス フィード「舎人」

左からCHAMPAGNE CARBON副社長ジャン・パティスト氏、中村氏、ポルシェジャパン コーポレートビジネスディベロップメント担当部長 アンドレ・ブランド氏

中村社長
シングル向けコンパクトマンションに特化しているフィードは10月10日、日本初のポルシェカーシェアリングサービスを近く分譲する「ミルナーヒルズ舎人C’s COLLECTION」に採用すると発表した。モータースポーツF1公式ジャパン「CARBON(カーボン)」の日本代理店マーカムインターナショナルとコラボして実現したもので、記者発表後のレセプションには国会議員の下地幹郎氏、馬淵澄夫氏、前国会議員の松野頼久氏、タレントのヒロミ氏など数百人の関係者が出席、会を盛り上げた。メディア関係者は普通のマンション発表会の2~4倍の約90人が駆け付けた。
「ミルナーヒルズ舎人C’s COLLECTION」は、日暮里・舎人ライナー舎人駅から徒歩12分の足立区入谷2丁目に位置する9階建て全55戸。専有面積は37.72~49.09㎡、価格は未定だが、坪単価は260~270万円になる模様、竣工予定は2019年12月末。施工はリンク・トラスト。年明けから竣工販売する予定。
マンションのザイナーには虎ノ門ヒルズのアトリウムなど世界的な建築物のデザインを数多く手掛け、フィードの社外取締役も務める谷山直義氏が担当する。
若年層を中心に車離れが進んではいるが、レンタカーやシェアサービスを利用する人はそれほど減っておらず、車は「所有から共有」の時代に変化していることに着目、マンション敷地内に新車の「ポルシェ」を含む2台を居住者限定の定額制でレンタルする。月額1~2万円を想定している。
「CARBON(カーボン)」は150年の歴史があるシャンパンブランドで、F1の技術を象徴する「カーボン・ファイバー」をボトルに使用しており、2017以降はF1グランプリに輝いた勝者を称えるセレモニーに使用されている。
記者発表会でフィード・中村建治社長は、「当社は2012年からシングル層に特化したコンパクトマンション事業に参入し、これまで1,300戸を販売。業績向上に寄与している。ターゲットとする年収500~700万円の25~39歳のシングル層向けの同じようなマンションを分譲しているのは他に1社くらい。今回のプロジェクトは、2015年にコンセプトブランディングプロジェクト第一弾としてヘネシーとコラボしたのに続く第二弾。〝憧れ〟のポルシェをリーズナブルな料金で乗れることを実現した」と話した。

記者発表会場(ポルシェセンター青山で)

その後はレセプション会場に
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記者は約40年間、年間平均で150件くらいのマンションを取材している。物件概要を見ただけで坪単価を言い当てる自信がある。外れても1~2割くらいだ。
発表会で説明を聞きながらいつものように単価を予想した。〝土地がただでも坪150万円いかは難しいから坪190万円くらい〟とはじいた。
質疑応答でも①マンションの坪単価とポルシェ、(入居者に入居祝いとして同社がプレゼントする2本の)CARBONはそれぞれいくらか-を質問した。中村社長は「価格は未定だが3,000万円台から」と答えた。他の関係者は、ポルシェはおおよそ800万円、CARBONは4.8万円と8.8万円と話した。
車とシャンパンの値段は分からないが、この予定単価には心臓が飛び出すほど驚いた。よく売れ記事にもした舎人ライナー・高野(こうや)駅前の物件の坪単価は153万円だった。同社のマンションはそれより100万円は高くなりそうだ。
〝市場を超越〟した価格かと思ったら、そうではないことも分かった。同社はこれまでつくばEX六町駅から徒歩12分で坪単価280万円の物件を早期完売したというではないか。記者の観る目が狂ってきたか、世の中が狂っているのかどちらかだが、同社がシングルの心を捉えたのかもしれない。
ある30代の独身男性は「ポルシェに1カ月1~2万円で乗れるのは魅力。そのマンション買うんじゃない」と話した。

ポルシェ

「ミルナーヒルズ舎人C’s COLLECTION」
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驚いたのは単価だけではない。レセプション会場には目が点になり、息が止まる…ではなく息を吞み、詰まらせそうな美しい女性集団が大挙参加し、会場を華やかなムードに一変させた。こんな不動産関係のレセプションは初めて体験した。
会場には中村社長の友人という国会議員の下地幹郎氏、馬淵澄夫氏、前国会議員の松野頼久氏、タレントのヒロミ氏が顔を見せ、下地氏、馬淵氏、ヒロミ氏は登壇して祝意を述べたのだが、記者は美しい女性しか興味がなく、肌を露出しすぎの人を避け何人かに声を掛けて写真を撮り、WEBに載せることの了解を得たので以下に紹介する。

「地元の沖縄でもこんなマンション作って」下地氏(左)と「フィードの顧問をしていました」馬淵氏

ヒロミ氏(何を話したのかよく分からなかった)

銀座のクラブのママ(マンションの購入の相談だったらいつでも乗ります。記者はうそをつかないのが取りえ)

このような美しい体形の女性がたくさん参加していた

中央の方は新極真会代表理事の緑健児氏



「CARBON(カーボン)」を提供している「夜想曲」の代表取締役社長・高橋力矢氏(左)と同伴の方たち
三井不レジ&三菱地所レジ 初の戸建て〝共演〟 全253区画の「稲毛海岸」分譲

〝呉越同舟〟三井不レジ(左)と三菱地所レジの「稲毛海岸 美浜の杜シティ」タウンゲート
三菱地所レジデンスと三井不動産レジデンシャルは10月8日、千葉市美浜区稲毛海岸に位置する全253区画の大規模戸建て「稲毛海岸 美浜の杜シティ」のメディア向け現地見学会を行った。従前敷地は2社のグループ企業が保有しており、これまで市民プール、住宅展示場、商業施設として利用されていた。両社が分譲戸建てで〝共演〟するのは今回が初めて。
物件は、JR京葉線稲毛海岸駅から徒歩12分、千葉市美浜区稲毛海岸2丁目に位置する開発総面積約40,000㎡超の全253 区画(三菱地所レジデンス139区画、三井不動産レジデンシャル114区画)。用途地域は第一種中高層住居専用地域・第一種住居地域(建ぺい率60・70%、容積率200%)。10月下旬に分譲開始する。エネファームを標準装備。
今回分譲する三菱地所レジデンスの第1期(27戸)は、敷地面積110.08~135.21㎡、建物面積96.05~122.16㎡、価格は未定だが、4,500万円台が中心になる模様。建物は完成済み。設計・監理・施工は三菱地所ホーム。
三井不動産レジデンシャルの第1期(26戸)は、敷地面積110.40~135.38㎡、建物面積106.07~122.79㎡、予定価格4,300万円台~5,200万円台(最多価格帯4,400万円台・4.800万円台)。建物は完成済み。施工はエステーホーム、西武建設。
公園のような街づくりを目指し、駅にもっとも近いところにメインゲートを設置、各街区にシンボルツリーとしてアオダモ、サルスベリ(赤・白)、ヤマボウシ、ハナミズキ、エゴノキを植樹、千葉市緑化率ルール(1宅地高木換算4本)を厳守する。
外観デザインは「アールデコ」をテーマに建物・外構ガイドラインを設定して統一感を図る。街の中央部に集会所を設け、コミュニティ支援を行う。タウンセキュリティも導入する。
これまでの来場者数はそれぞれ約100件。来場者の現住所は美浜区、稲毛区を中心に約45%が千葉県。

空撮

敷地配置図
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三井不動産レジデンシャルはバブル崩壊後、それまでの面開発から撤退はしたが、都市型戸建て「ファインコート」を立ち上げ、コンスタントに戸建てを分譲してきた。2019年3月期の計上戸数は475戸だが、2014年3月期は916戸もあった。大手デベロッパーでは他を圧倒している。
一方の三菱地所レジデンスは、バブル前は大規模分譲地を手掛けていたが、バブル崩壊後は仙台市の総開発面積1,070haという民間の住宅地開発としてはわが国最大の「泉パークタウン」も含めどんどん供給が減り、決算セグメントにデータはない。最近は再び戸数を増やしつつあるが、それでも今期は100戸超というから、三井不レジには大きく引き離されている。
その2社が同じ住宅地で同じような価格帯で分譲するというのだから、どのような商品になるか、今回の見学会を楽しみにしていた。(マンションでは海浜幕張の「パティオス」で民間6社グループが〝共演〟した実績あり)
見学会で説明を聞き、モデルハウスをみて〝これはいい〟と確信した。両社は2022年春までに完売したいというが、4,500万円台中心という価格設定と、アールデコの圧倒的なデザイン性からすれば、相乗効果も期待でき目標通りに完売できると見た。裏でお互いを罵り合う乱売戦にはならないはずだ。

三菱地所レジデンスのモデルハウス(価格は5,000万円台の後半とか)

手前が三菱地所レジ、その奥が三井不レジ

三井不動産レジデンシャルの住宅

外構・植栽(三井不動産レジデンシャル)
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一つだけ残念だったのは、それぞれ三井ホーム、三菱地所ホームという2×4工法の子会社があり、全館空調を売りの一つにしているのに採用には熱心でないことだった。
メインターゲットが年収にして500~700万円台の子育てファミリーだからおのずと購買力にも限界があるのはわかるが、もう少し年収が高いアッパーミドルにも訴求できるデザイン性があるのだから、ハウスメーカー並みのZEH住宅を目指してほしかった。
三井レジは三井ホームの施工を8棟予定しているにもかかわらず、全館空調の採用予定はないという。三井ホームがつい先日、40坪以下の住宅を対象にした132万円の全館空調システム「スマートブリーズ ワン」を開発したではないか。設計を変更してでも採用すべきではないか。
三菱レジも今回の27棟のうち3棟にしか全熱交換方式の全館空調「エアロテック」採用していない。そのうちの1棟をモデルハウスにしていた。リビング天井高も約2900ミリ。相当力が入っているのがうかがえる。価格は6,200万円くらいになる模様だが、全館空調の良さを訴え切れれば、この住宅は一番人気を呼ぶのではないか。
小田急不他「橋本」 坪単価は150万円か 敷地の3分の1が里山 自然派の心捉えるか

「エガオガオカ プロジェクト(リーフィアレジデンス橋本)」完成予想図
小田急不動産は10月7日、多摩ニュータウンの西端に位置する町田市の大規模マンション「エガオガオカ プロジェクト(リーフィアレジデンス橋本)」の記者内覧会を行った。橋本駅からバス3分徒歩3分の全425戸で、坪単価は都内ではまずない150万円くらいに落ち着きそうだ。
物件は、JR横浜線・京王相模原線橋本駅 徒歩19分(バス3分、徒歩3分)、町田市小山ヶ丘六丁目に位置する敷地面積約21,850㎡の12階建て全425戸。従前は小田急電鉄の所有地。専有面積は68.44~95.37㎡、第一期(戸数未定)の予定価格は2,500万円台~4,800万円台(最多価格帯3,300万円台)。竣工予定は2021年4月 。設計・施工は長谷工コーポレーション。売主は同社(事業比率50%)のほか積水ハウス(同40%)、神鋼不動産(同10%)。
現地は、同じ並びには数物件のマンションが建っており、道路を挟んだ対面は大型商業施設MrMax。徒歩圏には27の大小の公園・緑地があり、多摩美術大学にも近接。
建物はL字型で、南向きと東向きの2棟構成。住戸プランは80㎡台が中心で、主な基本性能・設備仕様は直床、リビング天井高2400~2600ミリ、バルコニーの奥行き1800~2500ミリ。敷地の約3分の1を占めるABINC認証を受けた「さとやまの森」を通じて様々なコミュニティ支援の取り組みを行う。
販売開始は12月。問い合わせは約700件。

敷地内の里山(模型)
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坪150万円くらいなら売れるかもしれないが、そんなに安くできないだろう〟というのが事前の記者の予想だ。結果は微妙。坪150万円を超えるのか超えないのか。記者も分からない。
ただ、従前の土地所有者は小田急電鉄であることも分かるように、坪150万円という〝破格〟の値段でも同社は利益を確保できるということであり、消費者がその価格をどう評価するかだ。
売れるかどうかは価格もさることながら、カギは「さとやまの森」の魅力をアピールできるかどうかだろうと思う。様々な取り組みの価値を訴え切れるかどうか。
似たような事例は「フォートンヒルズ」がある。ここは信じられないような売れ行きを示した。

現地(背後は敷地内の里山)
藤和不動産の記念碑的マンション「フォートンヒルズ」が完成(2006/6/19)
長谷工グループ CSR活動の一環 第5回「長谷工の森林」プロジェクトに82名参加

長谷工グループは10月5日(土)、長野県茅野市の「長谷工の森林(もり)」で第5回森林整備活動を実施した。
「長谷工の森林」プロジェクトは2017年に迎えた創業80周年記念事業の一環として長野県茅野市と「森林(もり)の里親契約」を締結し、“社会貢献”・“未来志向”・“地域との連携”をテーマにスタートしたCSR活動。
今回はグループ社員とその家族82名が参加。地元協力業者による大木伐採のデモンストレーションを見学したほか、森林内を散策し生物多様性の保全について学び、小木の伐採や倒木片づけなどの森林整備作業を行った。
三井ホーム 40坪以下を対象にした全館空調システム開発、販売 コスト大幅削減
三井ホームは10月4日、40坪以下の住宅を対象にした全館空調システム「スマートブリーズ ワン」を開発し、10月11日(金)から全国販売(沖縄、寒冷多雪地を除く)すると発表した。
従来製品と比べイニシャルコスト(初期投資)を最大40%軽減し、ランニングコスト(電気代)は約20%軽減。メンテナンスコストも削減した。販売価格は132万円。
同社の全館空調システムの累計販売台数30,000台に達し業界№1(同社調べ)。
伊藤忠ハウジング アセットソリューション部 初の大型案件「上十条」販売開始

「フュージョナル上十条」
伊藤忠ハウジングの買い取り再販マンション「フュージョナル上十条」を見学した。同社がアセットソリューション部を昨年4月立ち上げてから初めて手掛ける大型案件で、デベロッパーから2LDK17戸を買い取り、自社で分譲するもの。50㎡台の南向き2LDKで8mスパンが特徴。
物件は、JR埼京線十条駅から徒歩9分、北区上十条四丁目に位置する11階建て全64戸で、同社が分譲するのはうち17戸。専有面積は56.20~56.43㎡(他の住戸はワンルーム)、予定価格は3,900万円台~5,000万円台、坪単価は270万円になる模様。建物は2019年9月完成済。施工は合田工務店。事業主は日本ワークス。販売開始は10月12日から。
建物は、十条仲通りを抜けた幹線道路に面しており、同社が分譲する全住戸は南南西向きで、スパンは約8m。前方には中低層の住宅街が広がっている。
販売担当の塚本泰世氏は、「眺望がよく、手応えは十分」と自信を見せていた。
同社アセットソリューション部は昨年4月立ち上げられた新設部署で、マンション営業部長だった杉山準氏(49)が部長に就任した。
杉山氏は同社野球部の監督も務めており、今年の第31回RBA野球大会でもチームを6年ぶりにベスト8に導いた。10月2日の試合でも貴重な追加点を奪う見事なライト前安打を放った。通算打撃成績は9-4、打率.444。

現地

最寄り十条駅の銀座通り
タバコ消費税は税金の三重、四重取りではないか 愛用タバコの総額据え置きには安堵

皆さんはどうでもいいことかもしれないが、愛煙家の一人として我慢できないタバコの消費税の表記に出くわした。タバコの領収書を受け取ったことは全くないが、どうなっているか確かめようと税率がアップした10月1日、「ウィンストン・キャビン・レッド・8・ボックス(キャビンマイルド)」をスーパーで買った。税込みの総額は従前と同じ450円。税金をおまけするはずはないので、実質的な値下げだ。ありがたい。ところが、領収書(別掲)には(内税10%¥40)とあるではないか。これに小生は反応した。タバコは6割近くが税金であることは知っている。消費税額が40円であるはずはない。
早速、JTに電話した。JTは「税額表示は販売店で聞いてほしい」の一点張りだった。しょうがなくスーパーに問い合わせたら「ほとんどの販売店はそのような表示をしているはず」との回答だった。
これは不当表示、虚偽表示ではないかと思い、消費者センターに連絡したら「確かにタバコにはたくさん税金がかかっており、消費税額が40円という表示は適当でないかもしれない。詳しくは税務署に聞いて」と言われた。なので、税務署に電話したら「仰ることはごもっとも。貴重なご意見として上にも伝えます」とのことだった。
小生は税金が高いことにのみ怒っているのではない。納税は国民の義務だ。せめてその税金の内訳くらい正確に表示してほしいということだ。まあ、しかし、言わんとすることがきちんと伝えられたので溜飲を下げたのだが、JTのホームページの「たばこ税の仕組み」がこれまた理解不能の表記がなされていた。一箱490円のタバコのうち国たばこ税が約116円(23.7%)、地方たばこ税が約132円(27.0%)、たばこ特別税が約16円(3.3%)、消費税が約45円(9.1%)とあり、税金トータルは約309円(全体の約63%)となっている。
これはつじつまが合わない。単純に税金額を除いた額が本体価格だとすれば490-309=181円だ。これに消費税を10%掛けたとしても18円ではないか。消費税額が45円になっているのは、つまり、消費税は本体と3つの税金を課した価格に対して課税されているということだ。
JTの担当者から「定価制」についていろいろ説明を受けたが、さっぱりわからなかった。分かったのは従前のキャビンマイルドの消費税額は36.0円で、10月以降は40.9円ということだった。
たばこ消費には特別控除はないので、所得税と合わせると喫煙者は三重、四重の税金を払っていることにならないか。
にもかかわらず、閾値など全くないのに嫌煙家を味方に〝受動喫煙〟なる理由をくっつけてわれわれをまるで犯罪者扱いし、時にはアウシュヴィッツのガス室のような喫煙所に押し込める。喫煙は文化だ。魚と一緒、息継ぎブレストだ。人の生き死に関わる人権だ。
百歩譲って、受動喫煙を持ち出すなら、それよりケーキの食べ過ぎ、過度なダイエット、さらにこれが一番死に至らしめる要因だと思うのだが、今の社会経済政治がもたらすところのストレス解除を考えたほうがいい。
小生は、西武が8.5ゲーム差をひっくり返して優勝したことがなにより嬉しいし、ひょっとしたらタバコより害を与えるかもしれない毒をたっぷり含んだ馬鹿な記事に付き合ってくれる読者の皆さんに感謝!感謝!
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小生は医学的な知識など全くないが、喫煙と肺がん死亡率に直接的な因果関係はないことをうかがわせるデータを一つ紹介する。
JTの調査によると、成人男性の平均喫煙率は昭和40年(1965年)ころがピークで83.7%だったのが、平成29年(2017年)は27.8%へと激減している。成人女性の平均喫煙率は8.7%でピーク時より漸減しているが、ほぼ横ばいという。
一方、国立がんセンターのデータによると、肺がんによる死亡率(対人口10万人)は1965年の男性が10人、女性が6人で、2017年の男性が88人、女性が34人といずれも激増している。
喫煙者が激減しているのにどうして肺がん死亡率は激増しているのか。それは食生活など複合的な要因だろうということは容易に想像がつくが、喫煙だけが諸悪の根源であるかのようなムードを煽る国と医学会はファシズムだ。
「安心R住宅」お墨付きはただではないはず…消費者負担 登録団体によりまちまち

既存住宅流通の促進を図るため、「中古住宅」のマイナスイメージを払拭し、耐震性がありインスペクション(建物状況調査等)が行われた住宅に「安心R住宅」のマークを広告に表示することを認めた「安心R住宅」制度がスタートして1年半が経過する。現在、国が登録商標している「安心R住宅」のロゴマークの使用が認められているのは全国で9団体ある。
消費者が一番気になるのは「安心R住宅」のお墨付きはただではないはずで、5、6万円から十数万円と言われるインスペクションに係る費用負担はどうなっているのかだ。以下、「安心R住宅」の登録9団体に聞いた。「安心R住宅」制度には「安心R住宅調査報告書」作成に要する費用負担をどうするかの定めはない。登録順
優良ストック住宅推進協議会(スムストック)
消費者にインスペクション費用を負担させることはなく、瑕疵保険も含めてすべて業者負担
リノベーション協議会
「安心R住宅調査報告書」の作成費用3,000円と手数料2,000円に消費税(10%)を合計した5,500円が消費者負担
全日本不動産協会(全日)
特に定めていないが、買取再販物件がほとんどなので、業者負担
石川県木造住宅協会
瑕疵保険にインスペクション費用が含まれるケースはあるかもしれないが、基本的には消費者負担はない
日本住宅リフォーム産業協会(JERCO)
特に定めていない。ルールもない。事業者が消費者に費用の明細を求められれば説明することになる
住まい管理支援機構(HMS機構)
実態はよく分からないが、業者による買い取り再販では業者がインスペクションなどの費用を負担し、価格に上乗せするケースが多いのではないか
全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)
基本的には、売主が業者であれば当然費用負担は業者で、売主が一般の消費者であれば消費者負担とう考え方(東京都宅地建物取引業協会連合会)
全国住宅産業協会(全住協)
決まっていない
ステキ信頼リフォーム推進協会
事業者が価格に(インペクションなどの)費用を上乗せしているかどうかわか分からない
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既存住宅の売買仲介や新築販売を主に行っている大手・中堅の住宅・不動産会社を会員とする不動産流通経営協会(FRK)は、「クレームがもっとも多いのがリフォーム。リフォーム済みの物件はともかく、業者が提示するリフォーム仕様書通りに工事が行われるかどうか分からないので、現場の宅建士は責任を負いかねるという意見が多い。(制度を)全否定するわけではないが、いまのところペンディング」と話している。
スムストックの「フラット35(中古住宅用)」の手続きが簡素化
優良ストック住宅推進協議会(スムストック)は10月1日、住宅金融支援機構と業務提携し、「フラット35(中古住宅用)」融資手続きが簡素化されると発表した。
「フラット35」融資を受けためには、同支援機構が定める「適合証明書」を提出する必要があり、書類審査や現地調査などに通常1~2週間の時間がかかり、数万円の検査費用も必要となる。
今回の業務提携により、スムストック住宅については、スムストック住宅販売士による「スムストック住宅基準適合点検シート」を金融機関に提出するだけで済み、適合証明書の交付を受ける時間が短縮される。

