地価公示 地方圏も含め全国的に地価の回復傾向 三菱地所・吉田淳一社長
平成31年の地価公示は、三大都市圏では全用途平均・住宅地・商業地いずれも引き続き上昇するとともに、地方圏では住宅地が27年ぶりに上昇に転じた。景気回復、雇用・所得環境の改善の下、堅調な住宅需要、オフィス市場の活況、外国人観光客の増加などを背景として、全国的に地価の回復傾向が広がっていると感じる。
当社ビル事業においても、企業の好調な業績に伴う雇用拡大、働き方改革・生産性向上の為の集約・拡張、立地改善やレイアウト変更を伴う移転需要が継続しており、低水準の空室率、賃料の上昇が続いている。旺盛なオフィス需要を受け、2019年3月末時点の東京・丸の内の当社ビルにおける空室率は2%程度となる見込みである。本年8月に竣工予定の「(仮称)新宿南口プロジェクト」、2020年1月に竣工予定の「四谷駅前地区再開発計画」はともに現時点でほぼ全ての床が契約済み若しくは内定済みとなっている。
商業地においては、外国人観光客の増加によるホテル需要の高まりに対応する為、「ザ ロイヤルパーク キャンバス大阪北浜」「ザ ロイヤルパーク キャンバス 東京銀座」など全国で複数のホテル計画を推進している。工業地においては、eコマース市場の成長により大型物流施設の需要が根強く、当社においては「ロジクロス名古屋笠寺」「(仮称)ロジクロス横浜港北」「(仮称)ロジクロス厚木Ⅱ」など高速道路と職場の通勤アクセスが優れた立地における物流施設事業を強化している。
地方圏では、堅調な地元経済によってオフィスマーケットが支えられている広島県において「新広島ビルディング建替計画」が本年10月に竣工予定である。経済の好況が継続する福岡では、福岡市が推進する「天神ビッグバン」の下、福岡・天神エリアのランドマークである「イムズ」の建替え計画が始動、また、福岡市内最大規模の商業施設「MARK IS 福岡ももち」をオープンさせるなど、中枢都市での再開発案件も進捗している。観光客の増加が見込まれる沖縄県では、本年3月30日より下地島空港の運営をスタートさせるなど、空港運営事業への取り組みを強化し、周辺圏域の観光振興への貢献も図っていく。
住宅においては、雇用・所得環境の改善、共働き世帯や高齢世帯による交通至便立地でのマンション取得ニーズの高まり、低金利環境や住宅ローン減税などの施策によって、堅調な販売市況が継続しており、特に駅近・複合開発などのエリア内で魅力度が高い物件が好調である。個別物件では、首都圏においては「高輪」「千住」「和光市」「本厚木」など、地方圏においては「福岡」「広島」「神戸」などの物件が好調な販売状況である。
地価公示 住宅、オフィス、ホテルなど旺盛な需要を反映 野村不動産・宮嶋誠一社長
今回の地価公示では、全国的に地価の回復傾向が広がっており、住宅地は2年連続、商業地および全用途平均は4年連続で上昇するなど、上昇基調を強めている。特に地方圏では、住宅地が27年ぶりに上昇に転じた。全国的に利便性の高い地域を中心に住宅需要が堅調であることや、インバウンド需要の増加、再開発事業の進展等によりオフィスやホテル、商業施設等への投資意欲が旺盛であることが要因と考えられる。
住宅市場に関しては、首都圏における新築分譲マンションの販売価格は引き続き高い水準にあり、特に利便性の高い都心立地や駅周辺再開発等の新築分譲マンションの販売価格は高い水準が継続している。この傾向は、首都圏のみならず近郊部や三大都市圏、地方中核都市にも波及が見られる。低金利環境の継続や住宅取得支援施策等の需要下支え効果もあり、生活利便性・交通利便性を求める共働き世帯やシニア層を中心に、需要は引き続き堅調である。当社は、首都圏や三大都市圏に加え地方中核都市においても、再開発事業や多様な機能を集積させた都市型コンパクトタウンの開発に積極的に取り組んでおり、街づくりを通じて社会に貢献していく。
オフィスビル市場に関しては、企業業績の改善、働き方改革に対応したオフィス環境改善のための拡張等の動きを反映し、主要都市を中心に空室率の低下傾向が続き、賃料は上昇している。商業施設・ホテルに関しては、外国人観光客をはじめとする国内外からの来街者の増加が引き続き堅調であり、主要都市を中心に、商業施設やホテルの進出意欲は旺盛である。物流施設に関しても、空室率は低下傾向が見られ、先進的な大型物流施設への需要は今後も堅調に推移するものと想定される。当社は、社会や顧客ニーズの変化を的確に捉えた商品・サービスを提案するとともに、マーケットの動向を注視つつ、オフィスビル、商業施設、物流施設、ホテル等の開発を、引き続き積極的に展開していく。
地価公示のトレンドは、不動産取引動向を反映したものとなっており、今後も不動産市場の中長期的な指標として注視していく。
5つも6つもの思いが込められた サ高住「アンダンチ」 ヤギと玄米に感動
「アンダンチ」
仙台市若林区に昨年7月開業した複合型サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)「アンダンチ」を見学した。
株式会社未来企画が運営するもので、敷地面積約3,300㎡にサ高住50室(1人用46室、2人用4室)のほか、「看護小規模多機能型居宅介護・カンタキ」、レストラン「いろはの」、「アンダンチ保育園」、地域・多世代交流施設「アスノバ」、「駄菓子福のや」などを備えている。サ高住の1人部屋スタンダード賃料は78,000/月~、共益費30,000円/月、食費27,000/人。
取材することにしたのは、三菱地所のCLT賃貸マンションの見学会が3月13日にあったためでもあるが、3月11日に行われた国交省「サービス付き高齢者向け住宅に関する懇談会」で「多様性のあるサ高住」として紹介されたからだ。〝これは見るべき〟だと感じた。
名称が面白い。すぐ「アンダンテ」=楽譜の歩くように=スローライフを連想し、「アン」を除けば「ダンチ」=かつての団地のコミュニティも想起され、さらにまた「ダン」を除けば「アンチ」=アンチエイジングにもつながるではないか。
関係者に聞いたら、「あんだんち」は仙台の方言で「あなたの家」を意味するということで、ホームページには「あなたの『地(場所)』、『知(知恵)』という意味を込めてこの場所を『アンダンチ』と名付けました」とあった。つまり、「アンダンチ」には5つも6つもの意味が込められているということだ。
敷地内に入ったとたん、目に飛び込んできたのが2頭のヤギだった。田舎育ちの記者はヤギも牛も鶏もウサギも日常だった。自宅でヤギは飼っていなかったが、親せきの家ではヤギの乳を飲んだ。
多摩センターにもヤギに雑草を食べてもらう駐車場があるが、柵で遮られているので身近に見ることはできない。
もうヤギだけで感動した。世話をしていたアルバイトの学生さんに聞いたら、東北工大に飼われていた父もちたろう、母あん子の間に生まれた2歳の雄ごまぞうとだいふくだった。
内装にアンティークな建具・家具や本物の木をふんだんに用いた「いろは」がまた素晴らしかった。記者は1,080円の金華さば味噌煮セットを頼み、それぞれ650円~700円の冷酒・男山、乾坤一、日髙見を飲んだのだが、〝売り〟の一つだという寝かせ玄米が最高に美味しかった。玄米がモチ米になっていた。昼食時をとっくに過ぎていたが、店内は女性客でいっぱいだった。
サ高住の建物の外壁は下見板が貼られ、共用部には本物の暖炉も置かれていた。敷地内では園児が散歩していた。
サ高住はそうでもないが特養など高齢者向け施設もこのような洒落っ気のある名称にしたらまたイメージも変わるのではないか。
見学して気になったことが一つ。羊もそうだがヤギのオスは凄い。精力絶倫で一夜にして数十頭を孕ますことだってできる。メスは20日間くらいの周期で発情期を迎えるらしいから、バランスを取るにはメスは数十頭飼わないといけないのか。あの2頭はストレスをどう発散するのか。
ごまぞう
だいふく
注文した金華さば味噌煮セット
「いろは」
〝高森に負けないぞ〟
サ高住フロント
転んでもただでは起きないぞ 「不動産バブル崩壊前夜」見出しに釣られたが…
もう30年も前だ。扇情的な看板と客引きの甘言に釣られ、いかがわしい店に半ば連れ込まれ、ビール1杯飲んだだけなのに有り金(バブルと酒に酔っていたときで金額を書けばびっくりするはずだが書かない。タクシー代だけ残してもらった)全部をはぎ取られた経験があるのに、また同じような過ちを犯してしまった。「不動産バブル崩壊前夜」などという世の中がひっくり返るような見出しが躍っていた「週刊東洋経済」3月23日号を買ってしまったのだ。
週刊誌の『分譲か賃貸か』の特集記事や「マンションは『駅7分以内』しか買うな!」の本を買ったのは、それを批判する目的で買ったのだから、文句は言わないが、今回は710円もしたのだから、その分お返しをしよう。
「不動産バブル崩壊前夜」は22ページにわたって報じられていた。記事の書き出しは「『高すぎて買えない』。30代の夫婦は第一子誕生を機に都内の新築マンション購入を考えた。しかし、価格のあまりの高さに断念した」だった。記者はこの5行を読んだだけで全て中身を把握したと思った。書き出しは、この種の記事の常とう句だ。
かくいう小生もマンション価格の高騰については何度も記事にしてきた。しかし、「普通のサラリーマンが」などと断りを入れた。ユーザーは千差万別、3,000万円の物件が買えない人もいれば、坪単価1,000万円でも楽々購入できるお金持ちもたくさんいる。十把一絡げで市場を見たりしない。いつも念頭にあるのは、デベロッパーはどこにターゲットを当てているか、その商品企画はユーザーの購買意欲をそそるものであるかどうかだ。
こんなことを言ったら失礼だが、週刊誌の記者は〝売れる記事〟つまり食・金・色などの欲求に訴え、その逆の不安をあおることに専心している。競馬新聞と一緒だ。記事が当たろうが外れようが関係ない。今回の同誌はさすがに気が引けたのか、2025年地価下落予想記事では「現時点の限定された範囲での予測であり、将来の地価変動を保証するものではない」と断っている。何をかいわんや。
記事にコメントを寄せるアナリスト、コンサルタントなどの方々も頼りにしているのは遅行指標のマクロデータのみ、現場を見ていない。〝森を見て木を見ず〟だ。新築マンション市場は供給が減っている、価格が暴騰している、契約率が落ち込んでいるなどというが、これも十把一絡げでしか市場を捉えられないからだ。マクロデータで世の中が動くのであれば世話はない。企業の社長さんは楽なものだ。業績が落ち込んだら全て景気、外的要因のせいにすればいいのだから。
さて、では「不動産バブル崩壊前夜」の記事は正鵠を射ているかどうか。小生はもちろんNOだと思う。一つひとつ反論する気にもなれないが、そもそも「バブル」とは何かを伝えていない。確かにかつてのバブルは常軌を逸していた。みんな狂乱人気に酔った。端的な例が広尾ガーデンヒルズだ。坪単価500万円くらいだったものが、マンション転がしのピーク時には坪3,000万円を突破した。リゾートマンションも熱海などは坪300~500万円まで跳ね上がり、億ションとなった。それが、バブル崩壊後はそれこそ株と同様〝半値八掛け二割引〟になった。今がそのような状況では絶対ない。
一部の投資家、賃貸オーナーは泡を食っているかもしれないが、小生に言わせれば自業自得だ(レオパレス21は一度も取材したことがない。その理由は書かない)。スルガ銀行の〝審査は甘い〟は業界の常識だった。この影響は少なからずあると小生は見ている。
このほか、米中関係、中国経済の停滞はわが国経済にも大きな影響を及ぼす-こんなのは当たり前でないか。大手デベロッパーやハウスメーカーはしっかり手を打っているはずだ。
同誌の記事は狭小住宅や老朽化マンションなど〝負動産〟についても触れているが、これなどはバブルと全く関係がない。10年も20年も昔から分かっていたことだ。
狼少年のような記事は〝読まない 書かない 売らない〟ようにしよう。これで710円の半分は取り戻したか。〝忘れたころに…〟を教えてくれた価値は350円はありそうだ。
コスモスイニシア タウンハウス「吉祥寺」好調/「字か小さい!」「あんたがアホ」
「ザ・ロアハウス吉祥寺」
コスモスイニシアは3月18日、タウンハウスブランド「ザ・ロアハウス」の第5物件目「ザ・ロアハウス吉祥寺」が竣工したと発表。吉祥駅から徒歩6分の全18戸で、残りは2戸のみ。
物件は、JR中央線・京王井の頭線吉祥寺駅から徒歩6分、武蔵野市吉祥寺本町1丁目の第一種住居地域・近隣商業地域(建ぺい率約62%、容積率約214%)に位置する敷地面積約574㎡の地下1階地上3階建て全18戸。専有面積は54.78~88.32㎡。平均坪単価は370~380万円。竣工は2019年2月。施工は新三平建設。
昨年10月から販売を開始しており、これまでに16戸を成約済み。購入者の現居住地は武蔵野市(約40%)、武蔵野市以外の都市部(約10%)、23区内(約50%)、年齢層は20歳~39歳(約20%)、40歳~49歳(約40%)、50歳~(約40%)、入居予定者数は1人(約45%)、2人(約25%)、3人~(約30%)。
敷地形状は凸状で、道路に面しているのは間口が約7.1mの突の部分。住戸プランはトリプレット4戸、メゾネット12戸、スカイテラス付きフラット2戸。
◇ ◆ ◇
「住みたい街」にいつも上位にランクされる吉祥寺駅から徒歩6分なら、条件が整えば坪単価は400万円の後半になるはずだ。それが坪370~380万円というのは超割安かもしれないが、記者は妥当な価格と判断した。
「吉祥寺」はイメージ先行型の街だ。井の頭公園はあるが、北口は古い街並みが残り、いかがわしいフーゾク街(これまた吉祥寺のいいところか)もある。多摩センターのほうがはるかに優れている-と言ったら怒られるか。
これ以上は書かない。トリプレット・メゾネットがいいと考える人は一定程度いるということだろう。確かに、敷地南側は第一種低層住居専用地域で2~3階建て住宅街だ。
コミュニケーション コリドー
サンプルルーム
◇ ◆ ◇
以下は取材案内のメールをよく読まなかった馬鹿な記者のボヤキ。時間が無駄と思う人は読まないでください。
第一の失態は場所を間違えたこと。現地に行くべきなのに、現地から10分以上離れている逆方向のインフォメーションサロンに向かった。しかも道を間違えたため着いたのは取材締め切りの16:30を大幅に超える16:50だった。
それでも同社は快く(そう思えた)待ってくれるとのことだった。1分でも早く着こうとタクシーを拾った。運転手に地図を渡した。これが間違いの2つ目。
「字が小さくて読めないですよ」(ハズキルーペじゃなく虫眼鏡だった)
「えっ、すぐそこですよ」
「住所は分からないの? 」
「どこかに書いてあるでしょ」
「ああ、これ。吉祥寺…本町…1…10…」(入力するのに1分はかかった)
「そう、そこ」
「お客さん、これっ、さっき乗ったとこですよ」(これで乗ってから2分は経過していた)
「えっ、あっ、その住所は…(ゲストサロンだった)ごめんなさい。そこじゃなくて、ほら、(ゲストサロンの)青じゃなくて赤い印がついてるところ。そんな小さな字を書いた会社に注意しときますよ。そうですよね、わたしも全然読めない。そう、そこ、左ですよ」
「えっ、右じゃないですか」(急に車を停めた。危ない!)
「そうそう、ごめんなさい。そこ右。そうです、そうです。突き当りが吉祥寺駅。もう大体わかりますから…そうそう、まっすぐ行って左に曲がってください」
「お客さん、ここですよ」
「えっ、(目の前にトーシンの社屋。トーシンは身売りしたのか)。分かりました。ここでいいですよ。運転手さん、わたしはもうすぐ70歳。お年はいくつですか? 」
「60です」
「そうですよね。お年寄りのことを考えて字はもっと大きくすべきですよね」
「お客さん、申し訳けありませんでした。570円です」
「領収書ください(会社に請求できるのか)」
現地に着いたのは17:00をとっくに過ぎていたはず。駅に着いてから30分以上かかった。記者も運転手も悪いが、もっと悪いのはコスモスイニシアだ。案内マップを印刷したら地図はA4の紙に5分の1くらいのスペースしかなかった。文字は5ポイントもないはず。
家に帰ってかみさんにも事情を説明し聞いた。「あんたがアホ。わたしだって読めるわよ」
参考までに。詳しいのは木住協。駅に降りてから「右」「エスカレーター昇って左」「一つ目信号左」などと6枚のカラー写真を使って案内している。(それでも記者は迷ったことがある。紙代とインク代を考えるべき)
(写真は全て同社広報担当者。記者よりずっと上手)
わが国最高層65階建てなど最大級3,200戸 西新宿三丁目再開発 都市計画決定
「西新宿三丁目西地区第一種市街地再開発事業」
野村不動産、住友商事、東京建物、首都圏不燃建築公社、前田建設工業の5社は3月18日、西新宿三丁目西地区第一種市街地再開発準備組合と計画を進めている「西新宿三丁目西地区第一種市街地再開発事業」が3月15日付で新宿区より都市計画決定がなされたと発表した。
本事業は1993年、老朽化した木造家屋の密集地の解消をめざし、地区内権利者有志により再開発研究会が設立され、その後、リーマンショックや東日本大震災などで地区範囲や計画案の見直しを行い、事業推進協力者などと計画を進めてきた。
事業地は計画面積約4.8ha、南西側約300mに京王新線初台駅が位置するほか、都営大江戸線都庁前駅、小田急線参宮橋駅が徒歩10分圏内。「新国立劇場」「東京オペラシティコンサートホール」が近接。
計画では、地区外周道路の拡幅とともに「初台」駅からの歩行者のバリアフリー動線の確保、質の高い住環境・みどり豊かな憩いの空間などを創出する。
マンションは、A-1街区からA-3街区までわが国初となる「最高層(235m)」「最高階数(65階)」「最大級規模(約3,200戸)」が建築される。
2020年度内に本組合が設立され、2022年に着工、2029年度に竣工する予定。
東京とはまったく異なる宮古島の植生にびっくり
「漲水御嶽(はりみずうたき)」のガジュマル
沖縄は今回で3回目だが、宮古島の植生は東京などとまったく異なるのに改めて認識させられた。記者でも判別できたのはデイゴ、ソテツ、ヤシ、バナナ、サトウキビ、ポトス、ゴムくらいで、その他街路樹に植えられていた樹木や雑草は初めて見るようなものばかりだった。以下、写真を紹介する。間違っていたらごめんなさい。
「漲水御嶽(はりみずうたき)」のガジュマル
石垣に食い込むが手丸の根
ガジュマルはみんな絞め殺すのだという(宮古島市役所近くの公園で)
巨大なポトス(レストラン「のむら)」で)
3階まで伸びていたモンステラではないか(レストラン「のむら)」で)
モクマオ
モモタマナ(下地島空港の街路樹)
アダン(下地島空港の中庭で)
デイゴ(下地島空港の中庭で)
野良猫(全然付き合ってくれなかった)
「エコアイランドにふさわしい施設整備」 三菱地所・吉田社長 下地島空港竣工式典
鏡割りの記念写真に納まる左から宮腰氏、吉田氏、玉城氏
三菱地所は3月16日、既報の「みやこ下地島空港ターミナル」が竣工したのに伴う神事・竣工記念式典を行った。約400名が参加した。
冒頭、同社執行役社長・吉田淳一氏は、「沖縄県が戦略目標に掲げている世界トップレベルの観光都市の実現に向け総力をあげて整備に取り組んできた結果、世界屈指のリゾート地にふさわしい施設として整備できたと確信している。空間づくりには日建設計さん、施工は国場組さんと大米建設さん、インテリアデザインは乃村工藝社さんにお願いした。CLT材を利用してこれほど開放的で青い空と海にマッチした建築物は日本で初めてで、今後、ネット・ゼロエネルギー施設として『エコアイランド宮古島』を盛り上げていく」と語った。
吉田氏はまたCLT材を使用した仙台市の「高森」、隈研吾氏がデザイン監修した「晴海プロジェクト」にも触れ、「耐火・防火の現行法では木のよさを見える化できない難しい問題もあるが、海外では透明の耐火被覆が認められており、わが国でも実現する可能性は広がっていく」と、記者団の質問に答えた。
式典には、来賓として内閣府特命担当大臣・宮腰光寛氏、沖縄県知事・玉城デニー氏、宮古島市長・下地敏彦氏がそれぞれ祝辞を述べ、宮古市に縁の深い世界的オペラ歌手・中丸三千繪氏が「アヴェ・マリア」「ねむの木の子守歌」「ありがとう愛する友よ(ベルディ)」などを熱唱した。
屋根構造材を「現し」でできたのは、同社のCLT事業の推進役の一人、住宅業務企画部CLTユニット主事・海老澤渉氏によると「下地島空港の敷地は無指定地域ですので、分棟化して各棟の面積を小さくすることで準耐火建築物としています。また準耐火構造とした1-ロ準耐火(外壁不燃)にしたため、防煙区画は必要ですが、内装制限は受けていません」とのことだった。
◇ ◆ ◇
タクシーの運転手さんに聞いた。島の北部は民家などが多く、地価はそれほど上がっていないが、南部は空港整備が決定したころから上昇しており、海岸線を中心に土地の取引が活発だという。空港の土地は県有地とのことだった。空港に近い伊良部字国仲屋敷90番の2018年基準地価は3万6,363円/坪となっている。近く2019年の地価公示が発表される。宮古空港から車で30分くらいだったのが、羽田と結ばれるのだから大幅に上昇するのは間違いない。
記者団の質問に答える吉田氏
満面笑みの杉山博孝・三菱地所会長(右は下地幹郎議員)
「みやこ下地島空港ターミナル」(瓦はスペイン瓦)
地下水を利用している水盤
中庭(手前の樹木はデイゴ)
防風林の樹木として植えられているテリハボクのカウンター(長さは20mはあった)
AI清掃ロボット
地元紙はCLTを伝えなかった/主役の座を奪った中丸氏 音響効果は? (2019/3/17)
地元紙はCLTを伝えなかった/主役の座を奪った中丸氏 音響効果は?
「みやこ下地島空港」竣工内覧会を報じる「宮古新報」
この日(16日)、午前11時にホテルをチェックアウトする際、前日の「みやこ下地島空港」竣工内覧会を地元紙はどう報じているかを確認した。
「宮古新報」(全8ページ)は1面で取り上げ、6面は全ページを割いて写真特集としていた。ところが、記事には「CLT」は一言も触れられていなかった。
「沖縄タイムス」も読んだが、3段見出し記事の中にはやはり「CLT」の記述はなし。
唯一取り上げていたのは「琉球新報」だったが、記事は「特別な工法で強度を上げた『CLT(直交集成材)』と呼ばれる木材を使用した」となっていた。
3紙とも成田-下地島路線の就航が決まっているジェットスター・ジャパン代表取締役社長・片岡優氏の囲み取材の模様を詳しく伝えていた。
これには落胆した。内覧会で三菱地所空港事業部統括兼下地島エアポートマネジメント常務執行役兼企画部長・平野敦士氏は「国内最大のCLT材を採用した」としっかり説明した。
にもかかわらず、地元2紙は一言も触れず、琉球新報も「特別な工法で強度を上げた」と、間違いではないが正確ではない捉え方をしていた。
国内外の旅行客はあの圧倒的な木造の大空間に魅入られるはずだ。その魅力を地元紙も取り上げていただきたい。
三菱地所はどれほど「CLTの現し」の価値があるかをもっと分かりやすく伝える必要がある。RC造と組み合わせ、面積要件をクリアしたのだろうが、記者もどうして耐火・防火基準をクリアしたのかいまだによく分からない。
◇ ◆ ◇
中丸氏
宮古島に住んだことがある中丸三千繪氏の熱唱に約400名の参加者が酔いしれたことを書いた。冒頭の三菱地所・吉田淳一社長の挨拶に続いて来賓として祝辞を述べた内閣府特命担当大臣・宮腰光寛氏、沖縄県知事・玉城デニー氏、宮古島市長・下地敏彦氏には失礼だが、中丸氏は完全に主役の座を奪った。
小澤征爾氏の指揮で日本デビューし、ルチアーノ・パヴァロッティと共演し、ベルサイユ宮殿でダイアナ妃のユネスコ活動を支援するコンサートを行なうなど世界的に知られた中丸氏がまさか30分も歌われるとは夢にも思わなかった。美智子皇后陛下が作詞された「ねむの木の子守歌」も披露された。鳥肌が立った。
中丸氏は3月30日の開業日には国歌を斉唱されるのだそうだ。
ピアノを担当したのはクロアチアで活動する安達朋博氏だった。YAMAHAの電子オルガンには苦労されたのだろうが、違和感はなかった。
それどころか、これほど心地よく聴こえるのはCLTの音響効果もあるのかと、同社の音響に詳しい女性広報担当に聞いた。彼女は「床のコンクリなどは音の反響が大きく、全体としてはどうか」と語った。CLTと音響効果を研究してほしい。よくないハスはないと思うが…。
ピアノを担当した安達朋博氏(グランドピアノは宮古市には1台しかないという)
感謝! 中丸氏の熱唱に酔い、宮古島・下地市長から泡盛古酒ボトル(飲みかけ)頂く
「みやこ下地島空港ターミナル」搭乗手続きエリア
「みやこ下地島空港ターミナル」の取材は満足できるものだった。期待以上の成果が得られた。招かれた約400名の関係者も世界的オペラ歌手・中丸三千繪差氏の約30分にわたる熱唱と振舞われた泡盛に酔いしれたはずで、小生も取材後おねだりして4~5杯飲んだ。度数は25度くらいか。古酒ではなかった。
帰途につくためタクシーに乗ろうとしたら、同社のAI清掃ロボット取材のときに詳しい説明を受けた三菱地所ビル運営事業部兼経営企画部DX推進室統括・渋谷一太郎氏が高級外車(レンタカーのはず)で宮古空港まで運転手役を買ってくれた。車中でいろいろ楽しい話をしたが、これは書かない。
11時に「海ぶどう丼」の具だけ食べたほかは、泡盛しか飲んでいなかったのでさすがにお腹がすき、宮古空港で食事をした。頼んだのはソーキそばによく似た「長寿そば」(意味不明)と30度の泡盛。それにしてもレストラン「ぱいぱい のむら」-「(おっ)ぱいぱい のむ」とはよくぞ名付けたものだ。
勘定を済ますときはもう相当酔っていたのだろう。店の人に何と言ったか覚えていないが、「そばも、古酒ではなかったが泡盛は最高に美味しかった」とでも言ったのか。すると、小生の後ろで支払いを待っていた数人のグループのうちのお年寄りが「宮古島市長 下地敏彦」と書かれた名刺を差し出し、「これ、あなたにあげる」と仰るではないか。
黒瓶なので中身の量は分からなかったが、その重さから空ではなくまだ十分入っていそうだったし、ラベルから古酒であることが瞬時に分かった。双方は初対面、下地市長は小生が記者であることを知らないはずで、小生もまたレセプションで市長の挨拶は聞いてはいたが、顔までは確認しなかった-酔いで鈍っていた頭をフル回転させて、これは供与でも買収でもなく公職選挙法違反にはならないと判断し、「市長、所有権はわたしに移転しましたからね」と念を押した。
早速、機内に持ち込んだ。小生は通路側、隣は空席だった。アテンダントの方は優しい方で、「どうぞ膝に抱えて、飲んでいただいても結構ですよ」というではないか。窓際の女性の方もまた実に機転が利く方だった。抱えていた泡盛を隣のシートに横たえ、シートベルトを締めてくれ、スマホに収める写真撮影も手伝ってくれた。
試飲もした。30度だった。芳醇な香りが五臓六腑に染み渡った。文字通り満腔の敬意をもって下地市長にお礼申し上げます。ネットで調べたら、市長は1945年生まれだから小生より4年も先輩だった。
中丸氏
この中に下地市長もいらっしゃるはず
長寿そば(さすがに全部は食べられなかった。黒いのは昆布巻き、肉は多分アグー、緑はよもぎ)
頂いた宮古の泡盛「菊之露 V.I.P GOLD」(シートベルトで横たわっていたのを縦にした写真)