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 こんな嬉しいことはない。記者は4月2日付記事で「国交省にはデリカシー、リテラシーに欠ける『平成の終焉』をやめていただきたい」と書いたが、昨日発表された問題の「不動産業ビジョン2030~令和時代の『不動産最適活用』に向けて~」の「おわりに」は「平成の終焉」の文言が消え、「平成の時代から令和の時代を迎えつつあるこの機をとらえて」とあるではないか。

 まさか小生のような記者の声を聞き入れてくれたわけではないだろうが、当初の「平成の時代が終焉を迎えつつある」よりは数段勝っていると誰もが思うはずだ。

リテラシーに欠ける「平成の終焉」やめて国交省新・不動産ビジョン2030(案)(2019/4/2)

「たたむ」「心理的瑕疵」「平成の終焉」に違和感国交省新・不動産業ビジョン2030 (2019/3/29)

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「週刊文春」5月2日・9日ゴールデンウィーク特大号の記事

 「週刊文春」5月2日・9日ゴールデンウィーク特大号が報じた「五輪選手村マンション1500億円値引き 小池百合子隠蔽文書を入手」という賑々しい見出しの記事を読んだ。

 ノンフィクション作家・清武英利氏とライターの小野悠史氏と同誌取材班が6ページにわたってまとめたもので、これまで東京都が公表してこなかった選手村用地売却に関する不動産鑑定会社による「調査報告書」の全文119ページを独自入手したとある。入手先は「(大幅値引きに)強い疑問を感じた」選手村事業関係者だとしている。

 つい一昨日(23日)、メディア向けの分譲概要発表会があったばかりのタイミングの良さだ。何が飛び出すか興味津々ではあったが、読む前は、不動産鑑定のプロが作成した「調査報告書」に瑕疵など一点もなく、同紙が指摘する〝のり弁〟の部分が公表されても、不動産鑑定手法に疑義を挟む余地などないという確信めいたものがあった。

 記事は、〝のり弁〟部分について「デベロッパーが儲け過ぎだと疑われたり、マンション分譲の際に不利になりそうな点を隠している」と指摘はしているものの、それが何を指すのか具体的には書かれていない。

 この核心があいまいにされているので、週刊紙の常とう手段の〝見出しで釣る〟〝大山鳴動して鼠一匹〟の類の記事そのものと言わざるを得ない。(第2弾、3弾があるのか)

 記事を読んでも〝疑惑〟は深まるが、消化不良に終わる可能性のほうが高いのではないか。以下、記事を読んだ率直な感想・意見を述べる。

◇       ◆     ◇

 まず、記事全体が下品であるということだ。ノンフィクション作家の清武英利氏の名前をどこかで聞いたような気がしたので調べたら、やはりあの読売巨人軍の球団代表だった。いつからノンフィクション作家に転向されたのか知らないが、ノンフィクションの〝巨人〟佐野眞一氏も下品な「週刊朝日」の記事と剽窃で糾弾されたのを思い出した。

 かくいう記者も性格丸出しの下品な記事を書くが、〝記事はラブレター〟-〝愛〟を記事に込める。だから、多少ひどいことを書いても〝あのバカ記者が書いたのだから〟と目をつぶってもらえていると勝手に解釈している。でなければ年間数十万件のアクセスがあるわけがない。

 記事中に頻繁に登場する事業関係者、不動産業者、告発者、都幹部は全て匿名だ。名前が公表されたら都合が悪いのだろうが、記事の影響度を考えれば堂々と名乗るべきだ。匿名を条件に不確かなことを公言するのは卑怯だ。何をしゃべってもいい自由はまだわが国にはあるはずだ。

 極めて重大で、かつ悔しかったのは「素人には理解困難な開発法」の記事部分だった。

 記者も取材中に「不動産鑑定書」ではなく「報告書」にどうしてなっているのか不思議に思った。

 なぜそうなったのかは、開発規模が大きく、オリンピック選手村に利用されるなどの特殊要因があるために、「不動産鑑定評価基準に則らない価格等調査を行うことができる」(国交省ガイドライン)に添ったものと思われるが、「報告書」は「意見を述べたもの」という解釈、つまり不動産鑑定士は法律に問われる責任はなく、報告書の内容を是とした都の「保留床等処分運営委員会」の決定こそが全てになるのかどうかということだ。記者も分からない。疑問のままだ。

 そして、事業関係者が「数字的にいくらでも評価額を操作できて、かつ素人には理解困難な開発法というやり方だけで価格を決定しています」とコメントしている部分は、不動産鑑定の法律そのものを否定する重大発言だと思う。この事業関係者も〝素人〟と判断するが、〝評価額を操作〟できるのが鑑定士なら、そもそもそんな資格などないほうがいいではないか。

 一つだけ、よくぞ書いてくれたという部分もある。「敷地譲渡契約締結後、東京都の事由により事業計画を変更する場合及び特定建築者が応募時に提案した資金計画に比べ著しく収益増となることが明らかとなった場合は、敷地譲渡金額について協議するものとします」という譲渡契約書を引用し、この「特別条項」を行使すべきと書いている部分だ。

 これには賛成だ。記者は記事にも書いたが、「HARUMI FLAG」はレガシーマンションにふさわしい基本性能・設備仕様の高さだと判断した。ありえないことだが、立地条件、土地値の安さ、戸数の多さなどを考慮せずそのレベルだけを評価すればいまの坪300万円台、400万円台の物件よりはるかに優れていると思う。しかし、土地代の安さを価格に反映しないのは納得できない。

 文春記事にも出てくる鹿島建設「勝どき ザ・タワー」、住友不動産「ドゥ・トゥール」、三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス晴海タワーズ」、三井不動産レジデンシャル「パーク・タワー晴海」なども記事を添付したので読んで頂きたい。これらのマンションと比較しても、今回の「HARUMI FLAG」は質では負けないと断言できる。

文句なしにいい 街づくり・基本性能 坪単価300万円か 「HARUMI FLAG」(2019/4/24)

「HARUMI FLAG」土地代の安さ 価格に反映を 坪250万円が妥当と考えるが…(2019/4/21)

三井レジ他「パークタワー晴海」「有明」と競合必至 価格はいくらになるか(2017/4/26)

「驚きの次元が異なる」鹿島建設他「勝どきザ・タワー」(2014/4/18)

住友不動産 晴海のツインタワー「ドゥ・トゥール」来春分譲へ(2013/11/22)

三菱地所レジ「ザ・パークハウス 晴海タワー」2棟目「ティアロレジデンス」も分譲へ(2013/5/30)

三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス晴海タワーズクロノレジデンス」完成(2014/3/3)

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「ミライの家・Rei」イメージ図

アキュラホームは424日、令和元年にふさわしい未来型住宅「ミライの家・Rei」を51日(水)から全国 JAHB-netの有志とともに全国一斉発売すると発表した。

「ミライの家・Rei」は、太陽光発電の買取価格の低下や、2019年に10年間の住宅用固定価格買取制度(FIT制度)が終了することを受け、太陽光発電は自家消費を中心とする「自立分散型エネルギーシステム」への移行が急務として、太陽光発電を自家消費する蓄電池(現在価格20万円/kWh前後)を搭載。

さらに、数百万円かかると言われる全館空調システムを、従来の約半額の初期費用で搭載することを可能とした。

また、電気自動車の標準装備により40kWh(約800 万円相当)の蓄電池を備えている。これにより、“全館冷暖房費ゼロ・光熱費ゼロ・自動車燃料費ゼロ”―のトリプルゼロを実現した。

同社グループが昨年10月に40 周年を、同社が主宰する日本最大級の工務店ネットワークJAHB-net(ジャーブネット)も25 周年を迎え、「令和」とともにトリプルの節目を記念するもの。

同社は、補助金制度を活用すれば東京都の場合、実質負担2,315万円(税抜)で購入することが可能としている。

販売期間は2019 51日(水)から731日(水)まで。全国限定300 棟。

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「プレイズ北千住」完成予想図

 三交不動産が分譲中のマンション「プレイズ北千住」を見学した。駅から徒歩13分とややあるが、3月から分譲開始し、これまでに全78戸のうち約半数が成約済み。極めて好調に推移している。

 物件は、東京メトロ千代田線・日比谷線・JR常磐線・東武スカイツリーライン・つくばエクスプレス北千住駅から徒歩13分、足立区千住桜木一丁目に位置する14階建て全78戸。現在販売中の住戸(8戸)の専有面積は53.46~70.14㎡、価格は4,048万~5,698万円、坪単価は235万円。竣工予定は2020年2月下旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。

 現地は、墨堤通りに面した準工業地域だが、住宅・マンション化が進んでいるエリアの一角。建物は、道路に面した北東側を約6.4mセットバックさせ、南西側は隣地境界線まで約8.4~11.2mの駐車場、プライベートガーデンなどのスペースを確保。中層階からは隣接の帝京科学大キャンパス、墨田川が眺望できる。

 住戸は全て南西向き。玄関に窓を設置し、風が流れるようにしているのが特徴の一つ。基本性能・設備仕様は、リビング天井高2500~2600ミリ、直床、食洗機、良水工房など。

◇       ◆     ◇

 知らないことは恐ろしいことだ。初めて東京駅からJR上野東京ラインに乗った。北千住まで15分という近さに驚いた。北千住が「住みたい街」の上位にランクされるのはどうも胡散臭いが、都心へのアクセスの良さだけを評価すれば、人気になるのも分からないわけではない。

 どうして初めて東京駅から乗ったのか。これは説明しないと分かってもらえないので、以下の馬鹿馬鹿しい話に付き合っていただきたい。

 記者は東武伊勢崎線を木造の車両が走っていた頃から知っている。時間がゆったりと流れていた。ゆらゆらと効き目のない扇風機が頭上で回転し、ワックスの匂いが社内に充満していた。田舎弁をさらけ出し、だれとも協調しない伊勢出身の小生と相通じるものがあった。その後縁あってこの沿線に足げく通うようにもなった。マンションの見学回数もわが京王線を除けば他を圧倒しているはずだ。普通のサラリーマンが無理なく住宅を取得できる貴重な沿線だ。

 ところが、習慣もまた恐ろしいもので、昔の東武伊勢崎線のイメージしかなく、都心からだとお茶の水、日暮里、御徒町、北千住などで乗り換えるコースばかりだった。乗り換えが不便なJR常磐線はほとんど乗らなかった。

 今回は急いでいたのでネットで調べたら、何とオフィスがある東京から北千住までJRだと15分とあるではないか。15分と言えば東京-新宿だし、新宿-調布と同じだ。駅から3分の坪370万円台の三菱地所レジデンス「千住ザ・タワー」(184戸)は供給した130戸のうち9割を契約しているのも半分は理由が分かった。新宿、渋谷、品川もみんな30分圏内だ。(記者は都心への近さだけで街のポテンシャルを計らないが)

 坪370万円台で売れるのだから、駅から徒歩13分の坪235万円のマンションが売れるのもまた当然ではないか。

 駅から現地まではほぼ真っすぐで、歩道が賑やかなのもいい。マンションに近接する帝京科学大の女子大生が群れをなして歩いていた。「皆さんは歩くの苦にならないの? 」「全然、平気。痩せるし健康にいい」などと屈託のない笑みを浮かべ瞬く間に記者を置き去りにしていった。

 都心への近さを優先する人には〝住むなら北千住〟はありかもしれない。

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モデルルーム

◇       ◆     ◇

 街路樹についても一つ学んだ。都道の墨堤通りは名前の通り、墨田川の堤防沿いに整備された道路で、住居表示に「千住桜木」とあるのは通り沿いにサクラが植えられていたのだろう。

 ところが、不思議なことに道路沿いのサクラは八重桜でみんな樹齢が若かった。記者のように年老いて樹勢が衰えたために植え替えられたのだろうと思い、都の街路樹担当に聞いた。

 そうではなかった。従前はスズカケノキ(プラタナス)だったのだが、電線地中化のために2~3年前にサクラに植えられたもので、道路・歩道幅も広くないため種類も枝がまっすぐ伸びる「天の川」になったのだという。

 スズカケノキは公害に強いとの理由で56年前の1964年東京オリンピックのときにたくさん植えられたのだそうだ。

 そしていま、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて「東京都無電柱化推進計画」に基づき電線の地中化が進められており、スズカケノキは管理がし易い他の樹木に変更されつつあるという。

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駅すぐの繁華街

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現場(左の樹木が「天の川」⇒サクラにしては風情に欠けるが…)

売れ行き好調 完成販売 駅に近く環境もよい三交不「プレイズ和光市本町」(2019/1/10)

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「ヴェレーナシティ上大岡」中庭

大和地所レジデンスが分譲中の「ヴェレーナシティ上大岡」を見学した。駅から徒歩13分とやや距離があるが、建ぺい率40%(容積率150%)、高さ規制15mの厳しい風致地区規制を巧みに生かした平均100㎡、1戸当たり約53本の植栽など商品企画・ランドスケープデザインが秀逸だ。

物件は、京急本線上大岡駅から徒歩13分、横浜市磯子区汐見台三丁目に位置する建ぺい率60(風致地区により40%)、容積率150%の第一種中高層住居専用地域に位置する敷地面積約12,739㎡、5階建て全132戸。現在分譲中の住戸(15戸)の価格は4,498万~5,758万円(最多価格帯5,300万円台)、専有面積91.25103.88㎡、坪単価175万円。竣工予定は20202月下旬。設計・監理はオンズデコ一級建築士事務所。施工は森組。

今年1月から契約を開始し、成約済みが70戸超と極めて好調に推移している。

現地は、日吉、山手、本牧、根岸とともに横浜市の数少ない風致地区。建ぺい率40%、容積率150%、高さ規制15m以下、隣地境界線からの外壁の後退距離1m以上、敷地面積50mにつき1本以上の植栽、戸数制限など厳しい規制が設けられている。一部の1階住戸から富士山も見える。

敷地は荏原製作所の社宅跡地。隣接地にはジョイント・コーポレーションが分譲して人気になった「ジェイパークヒルズ上大岡」が建っている。電線は地中化されている。

建物は、比高差5m以上の傾斜地を巧みに生かした南・南西向き中心の6棟構成。平均居住面積は約100㎡。同社オリジナルの奥行き4mのオープンエアリビング・バルコニー(約13.6畳大)は3040戸。100㎡住宅は間口8m(一部)で、廊下幅は1400ミリ(他の住戸もメーターモジュール)。

その他、主な基本性能・設備仕様は、リビング最大天井高2440ミリ、二重床・二重天井、キッチン3.5畳以上、天然御影石キッチン・洗面カウンター、食洗機、ミストサウナ、1620バス、ソフトクローズ機能付き引き戸など。

販売担当者の課長代理・嶋倉利泰氏は「これほど素晴らしいマンションを造ると、自信をもってお勧めできる」と鼻息が荒い。

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100m住宅

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奥行き4mバルコニー

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文句なしに素晴らしい。記者のような足腰が弱った高齢者に坂はきついが、記念すべき新元号「令和」にふさわしい「今年のベスト3マンション」の一つに選ぶことをほぼ確定した。

100㎡住宅は同社の〝十八番〟だから驚きはしないが、坪175万円の安さだから、100㎡でも5,000万円で買うことができる。しかも、オープン・エアリビングバルコニー、プライベートガーデン付きだとリビング・ダイニングを含めると約40畳大の居住空間が生まれる。先日見学した約190㎡の野村不動産「恵比寿」のモデルルームは価格が68,000万円だったが、リビング・ダイニングの広さは約40畳大だった。設備仕様は異なるが「恵比寿」と同じ68,000万円に住む気分が味わえる。

もう一つ、いかにこのマンションがすばらしいかを証明する。植栽の豊かさだ。シアターに全体敷地約12,739㎡に約7,000本の高木・中木・低木を植栽すると映し出された。この数字だけで一瞬にしてレベルの高さを確信した。ランドスケープデザイン監修は東邦レオ。

この数字が何を意味するか分からない方も多いはずなので、他のマンションを例示して説明する。

12,739㎡の132戸に約7,000本の低・中・高木を植栽するということは、1戸当たりに換算すると約53本だ。また、敷地10㎡当たりだと約5.5本の樹木数だ。

以下は、記者がここ数年間に見学し、樹木数を記事にした物件の中で多かったものだ。売主「物件名」戸数、敷地面積、樹木数(1戸当たり樹木本数、10㎡当たり樹木数)の順。

・三井不レジ他「幕張ベイパーク スカイグランドタワー」826 18,000 11,200本(14本、6.2本)

・ポラス「ルピアグランデ浦和美園」34012,000㎡ 約13,000本(38本、10.8本)

・積水ハウス「グランドメゾン品川シーサイドの杜」687戸 約13,000㎡ 約15,000本(22本、11.5本)

・東京建物「Brillia Towers 目黒」940戸 約23,000900本(1本、0.4本)

・住友不動産「シティテラス吉祥寺南」268戸 約16,000㎡ 約2万本(75本、12.5本)

・東急電鉄「ドレッセ二子新地」434戸 約16,000㎡ 約14,000本(32本、8.8本)

・積水ハウス「グランドメゾン白金の杜ザ・タワー」334戸 約6,800㎡ 約2万本(60本、29本)

このほかに樹木数が多かったのは、野村不動産・三井不動産レジデンシャル「桜上水ガーデンズ」と積水ハウス「グランドメゾン江古田の杜」もあるが、残念ながらこの2物件はどれくらい植栽されていたか把握できていない。ここに紹介した物件より多いかもしれない。

もう一つ、樹木数には低・中・高木全てを含むものと低木を除くものも含まれている可能性があることを断っておきたい。低木を含めるのと除くのとでは数字は大きく変わってくる。

さて、これらの物件と「上大岡」を比較していただきたい。1戸当たり樹木数のもっとも多いのが住友不「吉祥寺南」の75本、次が積水ハウス「白金の杜」で60本、「上大岡」は3位だ。10㎡当たりだと、積水ハウス「白金の杜」が突出しており29本。同社「品川シーサイド」も11.5本で、〝5本の樹計画〟がいかにすごいかをこの数字も物語っている。

「上大岡」の5.5本は他より少ないが、記者が過去数年間に見学したマンションは年間100件として700件くらいだから、そのうちの上位に入るのは間違いない。

東建「目黒」のランドスケープデザインは抜群だったが、1戸当たりにすると1本で、10㎡当たりだと0.4本だ。意外だったのはポラス「浦和美園」。1戸当たり38本、10㎡当たりでも10.8本。売れ行きが絶好調というのも納得だ。

そこでデベロッパーに提案。みなさんはいかに自分ところのマンションの希少性が高いか手を変え品を変えアピールしているが、発想が貧しい。樹木数も加えたらどうか。間違いなく積水ハウスがトップだろうが、どこが次位になるか。

とても嬉しい取材が出来たので、その後駅前のイタリアンでワインを2杯飲んだ。宅建の資格がない記者であってもこの物件の販売を担当したら、瞬く間に売る自信がある。少なくとも他社には絶対ない魅力を10くらいは伝えられる。

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オープンエアリビング

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ONSEN RYOKAN 由縁 新宿」外観

UDS423日、日本特有の「旅館」のよさを取り込んだホテル「ONSEN RYOKAN 由縁 新宿」を58日に開業するのに先立ちメディアに公開した。

「旅館」には日本のおもてなし文化が凝縮されていることから、客室の間取りやデザイン、サービスなどを現在の宿泊者ニーズや環境に合わせて編集した旅館。インバウンドも含めた観光マーケットにおける新たな選択肢を提案している。

エントランスには数寄屋門や四季を感じる庭園、手水鉢など伝統的な和のしつらえを取り入れ、ヒノキやスギなどの白木の無垢材、和紙、漆を模した天板などの「和」の素材で、「陰影」を意識した日本らしい繊細な表現を随所に施している。最上階の18階大浴場には、箱根「小田急 山のホテル」の自家温泉「芦ノ湖温泉 つつじの湯」から運ぶ温泉露天風呂を設けている。

客室は、雪見窓を多用し視線を低く集め空間全体に広がりを感じさせるデザインとし、コンパクトな空間でも快適に過ごせる工夫を凝らしている。

レストラン「夏下冬上」には、福岡県産の全長8mのイチョウの木をカウンターに採用。その上部は網代(あじろ)編みとし、テーブル上部にはスギの無垢材を渡すなど本物の素材を使用しているのが特徴。

物件は、東京メトロ副都心線・東京メトロ丸ノ内線新宿三丁目駅から徒歩7分、新宿区新宿5丁目に位置する敷地面積約1,034㎡、18階建て延床面積約5,521㎡全193室。客室は12㎡から51㎡までの7タイプ。宿泊料金はセミダブル(12㎡)9,000円から。開発事業主は住協。所有者はJA三井リース建物。企画・設計・運営はUDS

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チェックインカウンター

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 同社が運営する銀座の「MUJI HOTEL GINZA」を先に見学した際、デザインがいいと思ったので、今回のホテルも見学させていただいた。

 「旅館」は嫌いではないが、何しろサービスがひどい。年をとってからほとんど利用しなくなった。朝早く叩き起こされ、強制的に食事を取らされ、10時には叩き出される(ずいぶん改善されているはずだが)。

このホテルは「旅館」のデザインなどいいところを取り込んでいる。客室は狭いが、これは最近の宿泊客のニーズの反映なのだろう。

レストラン「夏下冬上」がいい。8mもあるイチョウのカウンターなど最近はほとんど見なくなった。値段は200万円くらいかそれ以上するのではないか。ほんものの網代編みもいい。

陰影もテーマの一つのようで、デザインを担当した同社マネージャー・瓜生一雄氏によると、谷崎潤一郎の「陰翳礼賛」は建築家、デザイナーの必読書だそうだ。三井不動産の「日本橋」のホテルには昔の体裁のその本が客室に置いてあった。

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レストラン「夏下冬上」

世界旗艦店の「無印良品 銀座」「MUJI Diner」「MUJI HOTEL GINZA」開業(2019/4/2

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「Lucas(ルーカス)」イメージ図

 三井ホームは4月23日、ミレニアル世代を中心とする層を意識した新商品「Lucas(ルーカス)」を4月25日から発売すると発表した。

 「スカイルーム」(スロープシーリングによる光あふれる伸びやかな2階リビング)にテレワークも可能なスペースを併設するとともに、外からの視線を気にせずくつろげる「スカイラナイ」(プライベートバルコニー)を隣接することで開放感とプラバシーの両立を実現しているのが特徴。

 また、1階には主寝室をはじめとするプライベートゾーンを配置し、家族の衣類を1か所にまとめ着替えもできる「ファミリークローク」、「洗う・干す・乾かす・しまう」を連続して行うことのできる「ファミリーランドリー」、ゴミ出しのストレスを軽減する「マイゴミステーション」など家事の負担を軽減する「家事ラク」空間も提案している。

 販売エリアは沖縄を除く全国。施工延床面積139.88㎡の参考プランの消費税抜き本体工事価格は29,186,000円(坪単価68.9万円)。販売目標棟数は年間300棟。

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イメージ図

 

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全体像 

 2020東京オリンピック・パラリンピック選手村に利用され、その後は分譲・賃貸住宅などとなる「HARUMI FLAG」の事業主10社は4月23日、メディア内覧会を開催し、販売センター「HARUMI FLAGパビリオン」を4月27日(土)にオープンすると発表した。分譲は7月から。

 「HARUMI FLAG」は、中央区晴海にある約13haの土地に分譲マンション4,145戸、賃貸住宅1,487戸を合わせた5,632戸や商業施設を含めた24棟を建築し、保育施設や介護住宅などを取り入れ、人口約12,000人が住む街とする計画。

 パビリオンは、三井不動産レジデンシャルが分譲中の「パークタワー晴海」のパビリオンに呉越同舟の隣接地。ARやVRなどの最新技術を活用し、臨場感のある実際の暮らしが体験できるコーナーやモデルルーム5室が設けられている。

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◇       ◆     ◇

 異例の内覧会だった。昨年10月に開設したオフィシャルサイトに対するエントリー数か約15,000件に達し、見学予約は6月中旬まで満席の約3,000件あるというビッグプロジェクトだ。普通ならひな壇に10社の幹部が顔をそろえ、代表者(三井不動産レジデンシャル)が挨拶し、メディアの質疑応答時間を設けるはずだが、この日は同社東京オリンピック・パラリンピック選手村事業部推進室・古谷歩氏が約15分にわたって概要説明を行ったきりで、質疑応答はなし。

 なので、聞きたいことが山ほどあった記者は完全に気勢をそがれた。もっとも聞きたかった価格(単価)については、「専有面積は60㎡から150㎡。価格は未定。5,000万円台から1億円超」(古谷氏)としか説明されなかった。

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◇       ◆     ◇

 街づくりや住宅の基本性能・設備仕様は文句の付けようがない。素晴らしい。並みの坪300万円台、400万円台クラスよりはるかに優れている。

 書き出したらきりがないので最小限にとどめ列挙する。街づくりでは、メイン道路・舗道は飛行機が緊急着陸したハドソン川と同じくらいの幅(最大約110m)。新橋へ10分圏内というBRTを活用したマルチモビリティステーション。設置率約45%全1,300台の駐車場は地下。中高木約3,900本。共用施設は51カ所。水素ステーション。1週間程度の災害時発電機能。CASBEE最高ランクS、世界初の「LEED-ND計画認証」取得…。

 住戸プランでは、マスターアーキテクトに光井純氏を起用し、6つのゾーンをそれぞれの建築家・デザイナーが担当。日本設計、日建ハウジングシステム、三菱地所設計なども参画。住戸は2階以上。平均面積は85㎡、100㎡以上は約310戸。ゆとりあるアルコーブ。廊下はメーターモジュール。ドア幅は900ミリ。天井高2500ミリ以上。ワイドスパン。2100ミリサッシ高。キッチン収納付き。ビューバス、全戸エネファーム+蓄電池搭載…。

 これは好みだが、記者は敷地南側の「SEA VILLAGE」(設計:日本設計・長谷工コーポレーション、施工:長谷工コーポレーション)の分節手法を用い、一部アクセントカラーのブルーを用いた波型バルコニーデザインが気に入った。全体的には光井氏の好みのデザインとなっている。

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 これだけのものを見せつけられると先日書いた坪250万円予想を上方修正せざるを得ないが、譲渡契約の「敷地譲渡契約締結後、東京都の事由により事業計画を変更する場合及び特定建築者が応募時に提案した資金計画に比べ著しく収益増となることが明らかとなった場合は、敷地譲渡金額について協議する」ことを回避し、坪280万円程度に抑える模様だ。

 記者は、あの昭和60年の天皇在位60年記念硬貨と61年秋に分譲された民活マンション第一号「西戸山タワーホウムズ」、そして62年2月に売り出されたNTT株の「3大財テク商品」と同じように、このレガシーマンションが坪250万円で分譲されれば申し込みが殺到し、さらにオリンピック、新元号の三点セットでデフレ脱却が実現するのではと夢見たのだが、坪280万円は微妙な価格だ。戸数が多く、BRTを活用したマルチモビリティステーションがうまく機能するかも読みづらく、最寄り駅の勝どき駅の混雑などを考えると何とも言えない。

 坪280万円なら〝離れ業〟ともいうべき開発法による評価手法を用いた不動産鑑定士の顔に泥を塗ることにはならないのではないか。

 参考まで紹介するが、「西戸山」576戸の来場者は約6万人に達し、申し込み倍率は実に44.2倍だった。

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模型(手前が「SEA VILLAGE」)

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シアター(手前のお二人はそのままおててつないで入水しそうな雰囲気がある)

「HARUMI FLAG」土地代の安さ 価格に反映を 坪250万円が妥当と考えるが…(2019/4/21)

 積水ハウスは4月22日、2018年度の新築戸建住宅ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)比率が目標の76%を上回る79%となり、2013年から供給開始したZEHの累積普及棟数は44,247棟(2019年3月末現在)となったと発表した。

 81支店(賃貸住宅支店を除く)のうち35支店で既に2020年度目標であるZEH比率80%超を達成し、このうち6支店ではZEH比率90%を超えている。

 政府は「2020年までにハウスメーカーなどの新築注文戸建住宅の過半数をネット・ゼロ・エネルギー・ ハウス化する」との方針を出している。

 大和ハウス工業は4月19日、2019年3月期の業績予想を修正し、売上高4兆1,200億円(前回予想比1.7%増)、営業利益3,700億円(同4.5%増)、経常利益3,560億円(同1.1%増)、当期純利益2,350億円(同2.1%減)とした。

 2019年3月に判明した中国の関連会社における不正行為、4月の戸建・集合住宅の建築基準不適合の影響を受けたもの。建基法不適合に関する調査、顧客の要望に対応する費用として約20億円を売上原価として営業損益に含めた。

 また、中国の関連会社の不正行為については、第三者委員会による調査及び社内調査を継続しているが、不正に流出した資金による影響など約130億円を持分法投資損失として経常損益に計上した。

 当期純利益は、中国での不正行為に関する税金費用や一部の固定資産で減損損失を計上することから減益となる見込み。

 実際の業績については、建基法不適合、中国の不正行為について調査を継続しているため、今回の業績予想と異なる結果となることがあるとしている。

 

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