〝世界のトヨタ〟〝世界のTOKYO〟へ2駅12分の「アネシア東京尾久」

「アネシア東京尾久」完成予想図
トヨタホームとミサワホームが近く分譲するマンション「アネシア東京尾久」を見学した。首都圏での〝アネシア〟ブランドは初で、マイナーな「尾久」ではあるが、〝世界のトヨタ〟が〝世界のTOKYO〟へ2駅12分のアクセスのよさをどうアピールするか、分譲価格も気になるところだ。
物件は、JR上野東京ライン尾久駅から徒歩2分、北区昭和町二丁目に位置する14階建て全78戸。専有面積は65.79~70.78㎡、価格は未定。竣工予定は平成30年10月下旬。設計・監理は協立建築設計事務所。施工は埼玉建興。デザイン監修は建築家の船田徹夫氏、ランドスケープデザインは庄島正興氏。販売代理は住友不動産販売。
現地は東京駅から2駅目の尾久駅から徒歩2分。3方道路で全戸南向き。敷地北側が明治通り。
建物はマリオンとフィンによって端正な姿が強調されたシンメトリックな外観で、明治通りに面したエントランス部分に植栽をふんだんに採用しているのが特徴。
商品企画では、トヨタの車と一緒、鍵をかざすことなく玄関ドアを開くことができ、収納は全てソフトクローズ機能付きで、収納扉の裏も塗装されている。二重床・二重天井、御影石キッチン天板、食洗機、ディスポーザ、クリア網戸、スロップシンクが標準装備。標準階のリビング天井高は2450ミリだが、12~14階は2600ミリ。
現地の担当者によると、来場者は地元中心だが、中広域からも集客できているという。
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問題は価格がどうなるかだ。東京駅から12分、上野駅から5分のアクセスのよさだけなら坪400万円をはるかに突破しても不思議ではないが、「尾久」駅は特に用がなければだれも降りないマイナーな駅だ。駅前には喫茶店すらない。これまで中堅デベロッパーを中心に分譲されていたマンションのアッパーは坪単価270~280万円だ。
しかし、駅から徒歩2分の全戸南向きの立地と〝世界のトヨタ〟ブランドからして、坪単価は300万円台に乗るとみる。グレードも水準以上だ。
いったいどれだけの上積みがあるかだが、「晴海」や「有明」「品川シーサイド」の大規模物件は坪300万円を超えるが坪350万円どまり。「尾久」もこの単価を超えるのは難しいと読んだ。
東京駅では三菱地所の〝世界に誇れる〟常盤橋の再開発プロジェクトが着手された。〝世界のトヨタ〟だ。力は間違いなく入っている。安値では売らない。かといって「尾久」では高値追求も難しい。いくらに落ち着くか興味深い。

エントランス
「週刊住宅」 自己破産申請へ 62年の歴史に幕
帝国データバンクは5月1日、週刊住宅新聞社(代表:長尾睦子氏ほか1名)が5月1日に事業を停止し、今後、自己破産を申請する見通しと報じた。
帝国データバンクによると、同社は1955年(昭和30年)1月創業。不動産業界向けの業界紙「週刊住宅」を発行するとともに、司法書士や宅建など不動産関係の資格図書・実用書の出版や各種通信教育・講習などを手がけてきた。2006年9月期には売上高約10億円を計上していた。
しかし、業界紙の購読数が減少し、通信教育事業も全体の売り上げ減をカバーするまでには至らず、2016年9月期の売上高は約6億円に落ち込んでいた。
今年3月13日に当時の代表であった長尾浩章氏が病気のため死去。その後、社長に就任した長尾睦子氏らはM&Aの可能性を含め事業継続を模索していたが、ここにきて今回の措置となった。負債は約3億6,000万円。
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残念でならない。故・長尾浩章氏の四十九日の法要が昨日(4月30日)行われたはずで、その場で睦子氏は自己破産を決断されたのか。
長尾浩章氏が亡くなられた後、睦子氏に「四十九日の法要が終わられたら、一度お会いしたい。何とか応援したい」と電話口で話したばかりだ。
記者は3月9日付で別掲の記事を書いたが、まさか、その通りの展開を見せるとは…。
「このままでは生き残れない業界紙」 東急不動産HD・金指潔会長が苦言(2017/3/9)
春の叙勲 三井不会長・岩沙弘道氏が旭日大綬章 明大名誉教授・百瀬氏は瑞宝中綬章

岩沙氏
政府は4月29日、2017年春の叙勲受章者を発表した。住宅・不動産・建設関係では三井不動産会長で不動産協会会長の岩沙弘道氏(74)と元清水建設社長・会長で元日本建設業団体連合会会長の平島治氏(85)が旭日大綬章を、銭高組会長で元全国建設業協会会長の銭髙善雄氏(73)が旭日重光章を受章した。
また、明治大学名誉教授の百瀬恵夫氏(82)が瑞宝中綬章を受章した。百瀬氏は中小企業研究の第一人者で、RBA活動にも多大な貢献をされている。「武士道 日本の心」(第三企画出版)などの著作多数。

百瀬氏(百瀬氏が主宰する今年の「紺碧会」で)
ポラス 宮城県名取市の仮設住宅で慰問の南越谷阿波踊り その3(旗振り役)

名取市美田園第一仮設住宅で南越谷阿波踊りを披露する慰問団

ナビゲーターを務めるpo連連長の土屋氏
「わたしがあなただったら」土屋氏
前日(4月22日)に語り部などから閖上地区の被災状況と復興の現状などを学んだ名取市美田園第一仮設住宅阿波踊り慰問団は市内のコンテナホテルに宿泊。この日(23日)早朝7時から活動を開始。ゆりあげ港朝市で1回、仮設住宅で2回、南越谷阿波踊りを披露。やんやの喝さいを浴びた。
仮設住宅の自治会長・高橋義夫さん(75)は、「仮設は4.5畳が2つとキッチン、バス、トイレで9坪。費用は300万円。追加工事だけでその倍はかかっている。良心的な住宅を建てていただいたが、まだまだ足りないものがある。安心・安全して暮らせる環境をつくるのが私の役割。ここ(集会所)にくれば余計なことを考えなくて済み、しゃべる人がいない時間を少なくする努力をしてきた。
この仮設住宅は来年5月で廃止になることが決まっているが、新しい住居ができたら復興が完了したことにはならない。住宅は抽選だからコミュニティがなくなっちゃう。人と人の関係が希薄になるのを危惧している。行政には被災者の声が届かないもどかしさがある」と語った。
当初128世帯270名だった仮設は現在、75世帯150名だという。

高橋氏
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東日本大震災が起きたとき、土屋氏は39歳。連日報道される震災の惨状を見て「この図体、がれき処理ならできるか」と会社を辞めることも本気で考えていた。体重は120キロ。体力に自信はあった。
ちょうどそんなとき、木住協から仮設住宅建設の話が同社に持ち込まれた。2011年3月18日だった。そこから土屋氏の奮闘が始まる。4月2日、現場監督として現地に入った。惨状に声を失った。現地に泊まる施設はなく、松島のホテルに宿泊しながら県との打ち合わせなどを行った。実質的に3日間でプランを決めた。128戸を4月12日に着工、5月7日に完成した。県の検査などを経て5月下旬に入居が始まった。
建物が完成後、寒さ対策、風除室の追加、風呂の追い炊き機能追加、結露対策など数回の追加工事を施した。
その都度、被災者が仮設に籠り話をしないのに心を痛めた。元気になってほしいという気持ちを込めて車中に置いてあった南越谷阿波踊りの記念誌を2冊集会室に置いた。家族4人を失くした仮設住宅の自治会会長・高橋義夫氏(当時69歳)は「ここでやったらどうか」と声を掛けてくれたのがきっかけで慰問阿波踊りの実施が決まった。2012年だった。
「あの時からこれまで通算すると1年半くらいは現地。わたしの第2の故郷となった」
被災地を何とかしたい-この強い思い入れが土屋氏を突き動かしてきた。そして、仮設住宅の建設と完成後の追加工事を通じてすべての入居者と顔なじみになり、建設事業者-被災者の壁を取り払うだけでなく、そのエネルギーを〝絆〟に転化・昇華させた。
「〝わたしがあなただったら〟-新海監督が閖上で被災者のことを考え『君の名は。』を創作したように、被災を風化させないヒントがここにある」と土屋氏は話した。

ゆりあげ港朝市会場で

黒山の人を前に商品をさばく櫻井氏

記者も買ったひと山500円のホヤと6個210円の生カキ
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阿波踊りの美しさについてはいうまでもないことだが、おさらいの意味で高円寺と南越谷でそれぞれ約15年間、阿波踊りを見続けている記者の私見も含めて少し触れたい。
何が美しいかといえば、やはり女踊りだ。どんな醜女、太女(失礼、一般論として言っている)でもいざ女踊り姿になるととびっきりの八方美人に変身できる。浴衣の色は赤、黄、青、黒、白が基調。食事の基本色とほぼ同じだ。
その最大の効果を発揮するのは編み笠だ。半円形だが、後方部分を高くしてかぶるためそれだけで身長は20㎝くらい高く見え、顔の表情は見えなくなる。編み笠なので完全に光を遮断するのではなく、外灯や月明りをわずかに透す。そして、地面からの照り返しや篝火、つまりアッパーライトで丸いあごの線を浮かび上がらせ、団子鼻も高い鼻に見せる。
後ろ姿がまた美しい。和服は本来きっちりと襟を締め帯で結びつけるが、女踊りの浴衣は後方の襟を下げ、花魁とおなじように白いうなじを見せるように着る。生え際のおくれ毛がたまらなく美しい。〝小股が切れ上がった〟という言葉の意味は諸説があるが、本来はこの女性のうなじの美しさを形容した言葉だ。そもそも日本の女性は西洋のように首筋を際立たせる風習がなかったことを考えれば、〝小股〟は下半身のことでないことが容易に理解できる。
そしてまた、何よりも美しいのがニワトリかガチョウ(この形容には異論がありそう)のように足を跳ねるごとに覗く白いふくらはぎと浴衣裏地の赤やピンクの裾のコントラストだ。このチラリズムが男心を誘う。
男踊りは女性を美しく見せる添え物に過ぎない。あくまでもわき役、道化でしかない。(これまた失礼。道化に徹することほど難しい芸ははいと記者も思う)
鳴り物はどうか。基本的には2拍子で動きが乏しいので易しそうだが、これがまた難しい。鉦叩きはオーケストラでいえば指揮者。連員を自由自在に操り、観衆を興奮のるつぼに引き込む役割を担っている。その鉦や太鼓の重さは数キロもある。体力がないと務まらない。
三味線や笛は簡単だろうと思っていたがそうではない。みんな師匠の技を見よう見まねで習得する。とくに笛は1時間くらい息を吐き続ける。とてもつらいそうだ。

久米の仙人も陣痛力をなくしたチラリズム(折からの浜風も応援した)

観衆と一体となる踊り子







ポラス 宮城県名取市の仮設住宅で慰問の南越谷阿波踊り その4(フォトページ)(2017/4/29)
ポラス 宮城県名取市の仮設住宅で慰問の南越谷阿波踊り その2(語り部)(2017/4/28)
ポラス 宮城県名取市の仮設住宅で慰問の南越谷阿波踊り その1(死の街)(2017/2/27)
平成28年度の住宅着工 前年度比5.8%増の97万戸 首都圏マンションは6.5万戸
平成28年度の新設住宅着工戸数は前年度比5.8%増の974,137戸となり、2年連続で増加した。国土交通省が4月28日発表した。
内訳は持家が291,783戸(前年度比2.6%増、2年連続増)、貸家が427,275戸(同11.4%増、2年連続増)、分譲住宅が249,286戸(同1.1%増、2年連続増)。
分譲住宅のうち分譲マンションは112,354戸(同5.1%減、昨年度の増加から再び減少)、一戸建住宅は134,700戸(同6.7%増、2年連続の増加)。
地域別では、首都圏の総数は前年度比7.9%増、持家は同0.3%減、貸家は同14.0%増、分譲住宅は同5.3%増(うちマンションは同3.4%増、一戸建住宅は同7.3%増)。
首都圏マンションは65,462戸(同3.4%増)で、都県別では東京都42,135戸(同5.3%増)、神奈川県12,875戸(同1.7%減)、埼玉県5,277戸(同12.7%増)、千葉県5,175戸(同5.9%減)。
積水ハウス ブロックチェーン技術を活用した不動産情報管理システムの構築を開始
積水ハウスは4月27日、bitFlyer社(本社:東京都港区)と共同事業としてブロックチェーン技術を利用した不動産情報管理システムの構築を開始すると発表した。
ブロックチェーン技術は、次世代プラットフォームとなる可能性があることから世界中で実施検討されており、同社はビットコイン取引所国内最大手でブロックチェーン技術を有する企業であるbitFlyerが開発した次世代ブロックチェーンである「miyabi」及びそのスマートコントラクトの仕組みによって日本で初めてとなる不動産情報管理システムの 構築を開始する。
2020年を目途に、同社グループにおける賃貸住宅のサービス提供をブロックチェーン上で行うことを目指す。
野村不ライフ&スポーツ 女性特化型「メガロスルフレみなとみらい」6月16日開設

「メガロスルフレ恵比寿」
スポーツクラブ「メガロス」を展開する野村不動産ライフ&スポーツは6月16日、「横浜野村ビル」内に「リラクゼーション」と「ボディメイク」をテーマにした女性特化型のフィットネス「メガロスルフレみなとみらい」を新規オープンする。
利用者にボディメイクだけでなく、癒しの時間を提供できるよう副交感神経を優位にしリラックスさせる効果に着目したリラクゼーションプログラムや、婦人科ドクターの監修に基づき誕生したプログラムを取り揃え、フィットネスの最先端であるアメリカで生まれた「イン・トリニティ」「ストレッチーズ」の2つのプログラムをメガロス全店の中で初めて導入する。
同社は昨年6月、「女性ホルモンのバランスや女性特有の不調や悩みを改善できる場所」をコンセプトにした女性専用クラブ「メガロスルフレ恵比寿」をオープンしている。
「メガロスルフレみなとみらい」は、横浜高速鉄道みなとみらい線新高島駅から徒歩4分、みなとみらい駅から徒歩7分、横浜市西区みなとみらい4-4-1横浜野村ビル1階。営業時間【月~金】7:00~22:00【土・日・祝】9:00~21:00(定休日は毎月5日、夏期、年末年始。

「メガロスルフレみなとみらい」パース
ポラス 宮城県名取市の仮設住宅で慰問の南越谷阿波踊り その2(語り部)

大正時代に造られた高さ6.3メートルの日和山(津波は松の中ほどまで押し寄せた)
「きちんと訓練していれば、全員助かった」櫻井氏
「閖上に津波は来ないという神話があった」格井氏
「きちんと訓練していれば、全員助かった」-ゆりあげ港朝市協同組合代表理事で震災の語り部でもある櫻井広行氏(62)は、約60名のポラスグループの南越谷阿波踊り慰問団を前にして開口一番こう語った。その理由や津波の教訓を一人ひとりに諄々と話した。
「みんな防災意識が欠けている。よくわかっているのは2~3%の人。95%の人はゴミ扱い。避難訓練もおざなり。行政は予定をこなせばそれで仕事が終わる。住民もモノが出ないと参加しない」
「閖上が津波に襲われたのは地震から1時間たってから。この間、肝心の防災無線は鳴らなかった。震災と同時にヒューズが飛んだからだが、それがわかったのはずっと後になってから。逃げるまで1時間もあったのに子どもをわれわれは助けられなかった」
「いざというとき、子どもは絶対に安全なところにいる環境を作ってください。子どもが安全と思うことだけで非常にらくになる」
「人間の知恵では自然には勝てない。よけるか逃げるか、どちらか。津波の時速は50~60キロ。10cmで足元が掬われる。濁流に飲み込まれると瓦礫と共にミキサー状態になる。まともな遺体など一つもなかった。逃げるときは車も金も捨ててください」
「もう被災地にモノはいらない。補助金ももらったし学校も建ててもらった。みんな税金。あいつら借金だけ残したと言われるのが恥ずかしい。子どもや孫の脛かじっているようなもの。お返しはできない。とにかく来てください」
約1時間、櫻井氏の口からは辛辣な言葉が次から次へほとばしった。慰問団は水を打ったように静まり返った。
櫻井氏は年間、会場となったゆりあげ港朝市食堂で約100回、県外で約30回講話を行っているそうだ。翌日の朝市では、黒山の人を前にバナナのたたき売り口上そっくりのだみ声で商品を手際よくさばいていた。

櫻井氏

櫻井氏の講話を聴く参加者(メイプル館で)
◇ ◆ ◇
津波で両親と家を失くした、もう一人の語り部、閖上地区の復興新聞代表・編集長の格井直光氏(58)は「閖上には津波が来ない、避けて通るという神話があった」と何の根拠もない〝妄信〟が住民の間に広まっていたことを悔やむ。
「昭和8年の三陸沖地震で津波に襲われたとき、先人は石碑を立てた。昔の人は意識が高かった。それを教訓にできなかった。行政も情けない」
「嵩上げについては賛否があった。行政は5mと決めたが、あと1m高くすべきという声が多かったが、行政は聞かなかった」
「私たちの役割はきちんと被災を後世に伝えること。風化の懸念はあるが、ことあるごとに伝えていきたい」
櫻井氏ほどではなかったが、格井氏もまた被災者の望む通りに進まない行政の復興計画を暗に批判した。

格井氏

日和山の慰霊塔に供花する参加者
◇ ◆ ◇
別掲の通り記者は4年前、中国人画家・常嘉煌(ジョウ カコウ)氏が100号の油絵「祈願の櫻」を名取市立閖上中学校に寄贈した際、取材で訪れており、当時の佐々木一十郎市長や仮設住宅に住んでいた三浦信江さん(75)にインタビューも行っている。
閖上地区の復興計画について「賛否両論があるが」と佐々木市長に尋ねたが、「マスコミは信用できない」などと、市の計画に反対する住民の声を紹介する地元紙を批判した。
昨年7月行われた市長選で佐々木氏は、20,677票を得た新人の山田司郎氏に約6,000票差で敗れた。河北新報は山田氏の勝利を「『復興がここまで遅れたのは市民の声と懸け離れた市政運営の結果だ』と強調。対話重視の姿勢を鮮明にして有権者の心をつかんだ」と報じた。
記者は被災地の復興土地区画整理事業を懐疑的に見ている。名取市がどう進むか気になる。

住民運動で建立された慰霊塔(高さは津波の最大を記録した8.4m)

嵩上げされた区画整理地に建設中の公営住宅(奥)と隣り合わせの墓地
ポラス 宮城県名取市の仮設住宅で慰問の南越谷阿波踊り その4(フォトページ)(2017/4/29)
ポラス 宮城県名取市の仮設住宅で慰問の南越谷阿波踊り その3(旗振り役)
ポラス 宮城県名取市の仮設住宅で慰問の南越谷阿波踊り その1(死の街)(2017/4/27)
「みんなと別れたくない」 名取市美田園の仮設住宅に住む三浦さん(2013/3/21)
東急不動産 「世代循環型」の街づくり「世田谷中町プロジ ェクト」一部完成

「グランクレール世田谷中町」エントランス
東急不動産は4月25日、認知症の研究が豊富な英国スターリング大学認知症開発センター(DSDC)のケアデザインを取り入れた「世代循環型」の街づくり「世田谷中町プロジ ェクト」の「ケアレジデンス」が完成したのに伴うDSDCプレスセミナー・内覧会を行った。
DSDC のケアデザインとは、「転倒の危険性や、ストレス、興奮、混乱、不穏、見識障害など本人が不安や混乱する状態を減らすもの」で、これまでの事例から①廊下での転倒が71%減少②体重減の割合が13%から3%に改善③暴力行為が60%減少④薬による鎮静行為が週20 回から週1回に減少⑤スタッフが居住者と質の高い時間を過ごせるようになった⑥トイレを探すのに手助けが必要だった人が自立してトイレにいけるようになった-などが実証されている。
また、同社は2015 年10 月、順天堂大学と「包括的連携協力」の協定を締結し、「ロコモティブシンドローム」(運動器症候群)の予防に向けたプログラムを導入している。
「世田谷中町プロジェクト」は、東急田園都市線桜新町・用賀駅から徒歩15分、世田谷区中町五丁目に位置するNTT社宅跡地で開発中の全252戸の定期借地権付きマンション「ブランズシティ世田谷中町」と、「シニアレジデンス」(176戸)と「 ケアレジデンス」(75戸)からなる「グランクレール世田谷中町」(251戸)との複合開発。マンションの一部を除き建物は竣工済み。

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記者は他の取材があり、駆け付けたときセミナーは終わっており、内覧会も予定時間いっぱいだった。関係者の好意でケアレジデンスを案内してもらった。
たくさん驚いたことがあったのだが、分譲マンションにも採用できる商品企画があった。
一つは、居室の床は直貼りなのだが、二重床とほとんど同じ機能を発揮する永代産業の「セーフケアダイレクト」を採用していた。床がまったくふかふかしない。
もう一つは、内廊下の居室の玄関ドアの位置をずらすことでお見合いを避けていることだ。
地域包括ケアの拠点となる「ナースケア・リビング世田谷中町」のキッチンには、事故防止のため訪朝入れなど収納はマグレットを使用しないと開けられないようになっていた。これもスグレモノだ。
そして何より素晴らしいのが植栽計画だ。歩道には既存樹の見事なサクラが植わり、差し渡し1mはありそうなケヤキも植わっている。総延長100mの緑の遊歩道も分譲マンションエリアに設置されている。

舗道
◇ ◆ ◇
昨年9月、分譲マンションのモデルルームを見学したとき「東急不動産の記念碑的マンション」と書いた。間違っていなかったことを見学して確認した。
街づくり、ユニバーサルデザイン、環境共生、シニア住宅分野で同社は先駆的な役割を果たしてきた。今回のプロジェクトには消化できないくらいの様々な取り組みが行われている。
一つ腑に落ちないのは、分譲マンションの販売進捗がいま一つであることだ。これまで100戸を供給して契約済みは80戸。今夏までに全戸が完成する。
坪単価308万円はやや高い気がしないではないが、定借がネックになっているとは思わない。圧倒的な緑の量と認可保育所、子どもの無料遠隔医療相談、シャトルバス、多世代交流拠点、買い取り保証などをアピールできれば販売スピードは飛躍的に高まるはずだ。

「ブランズシティ世田谷中町」



























