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津田氏(左)と佐藤氏

 コスモスイニシアは6月30日、「‘柔らかさ’のある住まい」をテーマにした新ブランド「INITIA CLOUD(イニシアクラウド)」を立ち上げ、近く供給するマンション「イニシアクラウド二子玉川」、リノベーションマンション「パレ二子玉川」、一戸建て「グランフォーラム梶が谷」を皮切りに分譲していくと発表した。

 「INITIA CLOUD」は、Newsweek誌「世界が尊敬する日本人100人」に選出された世界的なデザイナー佐藤オオキ氏が代表を務める「nendo」が監修し、マンション、リノベ、一戸建てなどのカテゴリーの枠を超えて、家族構成やライフサイクルの変化に対応し、あわせて心地よい空間を提案することで、「‘柔らかさ’のある住まい」を実現する。

 基本は、開放的な大きなスペースとスライドウォールを組み合わせ。スライドウォールを開閉することでさまざまな間取りやレイアウトが可能になる。「キッチンなのに廊下にもなる」「廊下なのに収納にもなる」など、従来では考えられなかった柔軟な提案も行っていく。

 発表会に臨んだ同社執行役員レジデンシャル本部副本部長・津田英信氏は、「これまで業界スタンダードになるようなものづくりを行ってきたが、間取りの研究開発余地はまだまだあると考えてきた。しかし、従来の建築関係、学者などとのコラボには発想に限界もある。佐藤さんの『デザインは人を幸せにするもの』の言葉にひかれ、2013年に『建築分野を超えた仕事がしたい』と依頼した」とコラボの経緯を語った。

 佐藤氏は、「住まいとは何か、イニシアって何かなど、大きなフレームで考えたとき、家電などと比べて住宅はハードもソフトも“固い”し、進化していないんじゃないかと考えた。そこで浮かんだのが“柔らかさ”。大事なのは“SCENE(シーン)”“TIME(タイム)”“TOUCH(タッチ)”。これをテーマにした」と話した。

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概念図(SCENE)

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概念図(TIME)

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概念図(TOUCH)

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 なかなか面白い発想だ。詳細は別掲の記事を読んでいただきたいが、同社は昨年、創業40周年記念のプロジェクト「イニシア武蔵新城ハウス」を分譲した。これまで取り組んできた同社のものづくりの集大成の物件といえるもので、素晴らしいものだった。

 今回の新ブランドはその延長線上にあるものと理解した。しかし、津田氏が目標とした「年間供給戸数の10%程度」という目標については注文を付けざるを得ない。

 佐藤が話したように、今の住宅は固くて進化していないというのであれば、同社が先頭に立って変えていくという気構えがほしい。それが新ブランドのコンセプトだ。10%というのは情けない。

 記者は、今後供給するすべての物件に“SCENE(シーン)”“TIME(タイム)”“TOUCH(タッチ)”を採用するのは困難なのは理解できる。コストなど様々な制約があるのも分かる。

 しかし、同社の年間のマンション供給量は1,000戸くらいか。そのうち新ブランドが10%とすれば100戸だ。供給戸数を競う時代ではないが、これはいかにも少ない。ユーザーに浸透しない。これまで分譲してきた物件でも新ブランドのコンセプトに近いものを同社は供給してきている。

 「INITIA CLOUD」は単にマンション、戸建てブランドの一つにとどまらず、同社のマンション事業全体、企業姿勢にもつながるものだ。エッセンスだけでもいい。新ブランドが業界をリードし、やがてはスタンダードにする姿勢をアピールしてほしい。

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「イニシアクラウド二子玉川」完成予想図

創業40周年記念の「イニシア武蔵新城ハウス」 30年前の「シカク」蘇る(2014/10/9)

 

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「ルジェンテときわ台」

 東急リバブルは6月27日(土)、同社の自社分譲マンションブランド「L’GENTE」シリーズの「ルジェンテときわ台」(総戸数29戸)の建物内モデルルームをオープンする。

 物件は、東武東上線ときわ台駅から徒歩6分、板橋区南常盤台2丁目に位置する全29戸。専有面積は32.57~62.27㎡、予定価格は3,000万円台~5,200万円台、坪単価は270万円前後。施工はトヨダ工業。販売開始は7月下旬の予定。

 全29戸のうち21戸が角住戸で、内廊下方式、全居室スライドドアを採用。共用部では「トリプルセキュリティ」や、ダイエーのネットスーパーと提携し、インターネットから注文可能な食配サービス「食配ラボ」を導入する。

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「ホシノタニ団地」

 小田急電鉄とブルースタジオは6月23日、小田急線座間駅前の小田急電鉄社宅をリノベーションした賃貸住宅「ホシノタニ団地」を報道陣に公開した。

 物件は、小田急小田原線座間駅から徒歩1分、座間市入谷5丁目に位置するRC(ラーメン構造)5階建て3号棟28戸と4号棟27戸。既存建物竣工は3号棟が1965年、4号棟が1970年。リノベーション完成時期は3号棟が2015年6月、4号棟が2015年3月下旬。専用面積は37.38㎡。月額賃料は70,000~95,000円。管理費は5,000円。企画・設計監理はブルースタジオ。設計・施工は大和小田急建設。事業主は小田急電鉄。貸主は小田急不動産。

 小田急電鉄は、建物が老朽化したことから再生手法について10年前から検討を進めていたが、5年前、団地再生に実績があるブルースタジオに依頼して、リノベーション賃貸マンションにすることを決定した。

 隣棟間隔が広く多面的に利用できることなどから、サポート付き貸農園やドッグラン、カフェを設けることで地域にも開放した計画とし、座間市の依頼で子育て支援施設も設置。1号棟と2号棟は、市営住宅の建て替えに際し居住者が一時入居する市営住宅用に当てられる。

 建物は耐震補強を施したうえ、極力コストを抑えながら間取りの変更、ナラ材の無垢材のフローリング、一部床下げ、断熱材の充填、ウッドデッキの設置などの工夫を凝らすことで魅力付けを行っているのが特徴。

 ブルースタジオ専務取締役・大島芳彦氏は、「建蔽率が20%を切っている団地特性を考え、駅前広場も整備し〝この街に住みたい〟と思える豊かな空間を整えた」と話した。

 4号棟は募集を開始しており、これまでに22室のうち13室が契約済み。入居者は30歳代の単身者が中心で、地元だけでなく都心方面からの問い合わせも多いという。3号棟の募集はこれから始まる。

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サポート付き貸農園

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団地のコンセプトなどについて語る大島氏

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 築50年も経過し、エレベータがなく面積も約37㎡しかないので、いくらリノベーションをしても入居者が集まるのだろうかと思ったが、企画がヒットしたようだ。確かに豊かな居住空間に生まれ変わっている。

 「ホシノタニ団地」というネーミングがいい。名前の由来は、鎌倉の時代に古東海道と八王子街道が交差する宿駅「いさま」があり、その地には「星谷寺(しょうこくじ)」が建立されている。その寺には昼でも星を映す井戸があるほど、星が美しい集落だったという。人と人をつなぐ、人と街を繋ぐ、星がつながり星座になるようにと「ホシノタニ団地」が誕生したのだそうだ。

 そういえば、神奈川県横浜市には「星の丘」がある。マンションもよく売れた。

 ブルースタジオが携わっているプロジェクトはいくつか見学しているが、それぞれに夢があり優しさ温もりを感じるものばかりだ。古いものと新しいものを融合させる思想、哲学のようなものがうかがえる。

 今回も、4棟の建物外観カラーリングは春夏秋冬に分け、それぞれ星座をデザインとして取り込んでいる。玄関サイドの牛乳箱だったものは、居室を示すサインにしている。ささいなことだが人はそういうところに感動する。細かなことにも手を抜かない工夫がある。

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1階住戸に設置されたウッドデッキ(左)と耐震補強された建物外観

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モデルルーム(キッチンの面材はラワン)

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団地エントランス部分

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「オーベルグランディオ横浜鶴見」

 大成有楽不動産が先に行った「オーベルグランディオ横浜鶴見」の入居済みの人を対象としたコミュニティイベントを見学した。デベロッパーは最近、こうしたコミュニティ支援のイベントを積極的に行っているが、同社は地域の企業と連携した多彩なイベントを行うのが特徴で、この日は、横浜DeNAベイスターズのマスコットダンスやボーネルンドの「キドキドつるみ」が行われた。

 このマンションの商品企画やコミュニティ支援の取り組みについては、別掲の記事を参照していただきたいが、小さなお子さん連れのお母さん方がたくさん集まっているのを見て、改めて居住者同士や地域とのつながりが大きな役割を果たしていることを実感した。

 今回のコミュニティ活動は、全3棟553戸の「オーベルグランディオ横浜鶴見」の3棟別々の管理組合が「共同コミュニティ委員会」を設置し、同社のコミュニティサポート事務局とフォーシーカンパニーの「マチTOMO事務局」がイベントの企画・開催、サークル立ち上げ支援を行うもの。横浜DeNAベイスターズ、キリンビール、横浜国大、京急電鉄、森永製菓、東京ガスなどの企業と連携したプログラムも実施している。2017年3月まで支援していく。今回は入居が始まっている2棟の居住者が対象。

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横浜DeNAベイスターズのキャラクター   

 ベイスターズのイベント参加者の一人で、昨年12月に入居した3人家族の30歳代のお母さんは、「妊娠したとき、マンション購入を検討しました。それまでは戸塚の賃貸マンションに住んでいたのですが、5階建ての4階部分でエレベータはありませんでした。このマンションの決め手は駅に近いこと。コミュニティ支援のプログラムがなければ、自分から積極的に交流することはなかったはず。とてもありがたいです」と話した。

 また、「キドキドつるみ」に参加していた11カ月と3歳のお子さん連れの30歳代のお母さんは、「ママ友ができてとても楽しい。今日も、この会に参加する前にコストコにみんなと行ってきました」と交流を楽しんでいた。

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「ママ友ができてとても楽しい」と語るお母さん

 もう一人の20歳代のお母さんからは、「RBA野球の記事を書いている方でしょ。パパの会社も参加しています」と呼びかけられた(これには驚いた。このパパのことはよく知っているが書かない。仕事も野球も一生懸命の方だ)。

 マンションは「アリーナテラス」(180戸)と「コンフォートテラス」(193戸)が分譲済みで、現在分譲中の最終街区「ブリーズテラス」(180戸)は100戸供給してほぼ完売している。

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敷地内には樹齢80年はありそうな既存樹のケヤキの大木が植わっていた(コンフォートテラス)

大成有楽不などプロ野球観戦イベント コミュニティがテーマの「横浜鶴見」(2014/9/10)

建物の高さ規制は居住性、景観美の視点から見直しを(2013/12/7)

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「パークシティ武蔵小杉 タワーズイースト」完成予想図

 三井不動産レジデンシャル(事業比率50%)とJX日鉱日石不動産(同)は6月24日、記者発表会を行い、川崎市中原区の住宅・商業・文化一体開発のプロジェクト「パークシティ武蔵小杉ザガーデン」(全2棟、約1,200戸)のうちの1棟「パークシティ武蔵小杉 タワーズイースト」(全592戸)」の第1期409戸の販売を6月27日から開始すると発表した。駅から徒歩4分で、坪単価は330万円。人気必至のマンションだ。

 物件は、JR南武線・横須賀線・湘南新宿ライン武蔵小杉駅から徒歩4分(JR横須賀線・湘南新宿ラインのホームまでは連絡通路利用でさらに徒歩6分)、東急東横線・目黒線武蔵小杉駅から徒歩5分、川崎市中原区小杉町2丁目に位置する53階建て全592戸。第1期(409戸)の専有面積は44.93~105.81㎡、価格は4,390万~15,800万円(最多価格帯7,200万円台)、坪単価330万円。設計・施工・監理は竹中工務店。竣工予定は平成29年12月下旬。

 昨年10月からの資料請求は約10,000件、5月からオープンしたモデルルーム来場者は約2,000組。来場者の約45%が中原区在住で、30歳代・40歳代で約55%。居住形態は持ち家が約45%。年収は1,000万円以上が約45%。約95%が実需。

 現地は、総面積が約92haの再開発エリアの一角で、これから開発が進められる駅北口の第一弾プロジェクト。敷地は旧日本石油の社宅・独身寮跡地。10数年前から両社が再開発計画を進めてきた。建物は免震で、敷地の約4割を緑化。敷地南面に約200mにも及ぶ商業施設と、2階には川崎市が所有する約3,000㎡、1,000人規模のコンベンション施設が併設される。

 商品企画では、複層防災プログラム、サステナブルの取り組みのほか、「KOSUGIからCOSUGIへ」というコンセプトのもと、コミュニケーションcommunication)、コラボレーション(collaboration)、コミュニティ(community)を通じ「ともにつながって」、「KOからCOへ」の新しい価値を見出していける取り組みを進めるのが特徴。

 発表会に臨んだ三井不動産レジデンシャル執行役員横浜支店長・徳川浩一氏は、「武蔵小杉は近年人気が高まっており、いつも〝住みたい街ランキング〟の上位にランクされている。われわれは、これまで駅南側の3棟のマンションや商業施設、駅前広場の整備などを行ってきており、街の発展に貢献してきた。開発地はJX日鉱日石の思い入れの強い土地であり、われわれの街を牽引してきたという想いも込めた」と話した。JX日鉱日石不動産取締役開発事業部長・伊藤裕樹氏は、「敷地の旧社宅には最盛期で300人の社員が住んでおり、大きな公園もあり、地域の人との交流もあった。コンセプトにはその思いも盛り込んだ」などと語った。

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「ゲストサロン」(左)と「ビューバス」

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 坪単価は330万円。事前に聞いていた数字とほぼ同じだ。いまから10年くらい前に分譲された第一弾は220万円くらいだった。あれから100万円以上も上昇した。

 第1期409戸という数字も驚きだ。近年の一挙販売戸数の多さでは「勝どき」500戸、「Tomihisa Cross」482戸、「SKYZ」470戸に次ぐのではないか。

 「KOからCOへ」のコンセプトもいい。よく考えたものだ。わが国のローマ字は公式にはヘボン式を採用しているので「こ」は「KO」なのだろうが、別に「CO」と書いても間違いではないはずだ。今回のプロジェクトだけでなく「小杉」は「COSUGI」とアルファベット表記を統一したらどうか。

 モデルルームでは、三井デザインテックの小野京子氏がデザインした価格が1億5,800万円の特別仕様の住戸がいい。。天井高は2850ミリ、無垢のうづくり仕上げの建具ドア、初めて見るような御影石の床、たたき仕上げのドア把っ手などが印象的だった。

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ライブラリーラウンジ

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 ひとつだけ理解できなかったのはコンセプトムービー。「KOからCOへ」を表現したものだが、ママ役の佐藤康恵さんは全然知らないし、小杉のマルシェやら多摩川でのイベントが映し出されても「小杉に川はあったのか」と首をかしげるだけだった。イメージに流れすぎたのではないか。

 その後のプロジェクトムービーは極めて明解。物件の特徴を余すところなく伝えきっていた。逆のほうがよかったのではないかと思った。

 同じ川崎市の注目物件、野村不動産「宮崎台」は最初から田園都市の歴史、思想を伝えた。広告には説得に重きを置いたものとイメージを重視したものとがあるが、さて今回の評価は…。

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モデルルーム

 もう一つ、パンフレットについて。これは重い。優に2キロはある。しかも凝っている。

 大きく分けて2つ。一つは杉板文様をプリントした紙袋で、図面集などが入っている。これはまあ普通だ。

 すごいのはもう一つのほう。スギ独特の香りがする本物の杉の木箱入りで、写真集やタウンガイド、コンセプトブックなどが収められている。「GREEN NEIGHBORHOOD LIFE」と名付けられたガイド誌とコンセプトブックのようなものは、直径が約25センチの半円形の形をしており、開くと横が30センチ強の楕円になる。全部で40ページ以上もある。

 これだけでも面白いが、縦約25センチ、横約5センチの折本がまたユニークだ。表と裏に手書きの文章を印刷したもので、絵が添えられており、すべて開くと3メートルくらいもある。

 これでとどまらない。中身は見ていないが、ジグゾーパズルのようなもの賀ビニール袋に入っている。小さな子どもにぴったりではないか。

 まだある。コースタを綴じたような四角い形のもので、謎解きのようにコンセプトを解き明かしていく内容になっている。

 高価なものでは、桐の箱に入った原価で数万円もするリゾートマンションのパンフレットをバブル期にもらったことがあるが、今回のような面白いパンフレットは見たことがない。将来、プレミアがつくかも知れないので持っている人は捨てないほうがいい。

 ちなみにパンフレットの重さの記録は、三井不動産レジデンシャルが伊藤忠都市開発と共同で分譲した「新浦安」の物件。確か4.2キロだったはずだ。

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モデルルーム

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「有隣堂トレアージュ白旗店」 店内のオープンスペース

 有隣堂は6月19日、三井不動産グループの三井不動産商業マネジメントが運営・管理する藤沢市のライフスタイルパーク「トレアージュ白旗ショッピングセンター」に有隣堂トレアージュ白旗店を6 月19 日(金)にオープンした。18日、オープンに先立って報道陣に公開された。

 「有隣堂トレアージュ白旗店」は、有隣堂が三井不動産・三井不動産商業マネジメントと協働でショッピングセンター向けに新たに開発した新業態店舗。買い回りの向上を図るため、店舗内にお客様がゆったりとくつろげるフリースペース「トレアージュガーデン」を設置し、モール内の既存店舗と連携した様々なサービスを展開していく。

 主な連携サービスは、①「FRESHNESS BURGER」などによるモール限定のデリバリーサービス②「ソフトバンク」など利用時に発生した待ち時間を過ごしてもらうサービス③「Francfranc Le Garage」や「HANAYATA(はなやた)」と連携したインテリアショップやフラワーアレンジメント④「TULLY'S COFFEE」のコーヒースクール、「明光義塾」の出張ミニ授業などイベントの共催と-など。

 地元の人の交流の場、サークル活動の場としても無料で利用できるようにしていく。

 発表会に臨んだ有隣堂常務・松信健太郎氏は、「三井さんからやってみないか、という声が掛かり、思い切ってやってみることにした。このままでは街からどんどん本屋がなくなっていく。商品を置かないスペースが地域の交流の場になり、笑顔あふれるスペースになってくれればいい。街の書店の本質とは何かをもう一度考える時期に来ている」と話した。

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松信氏

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 本屋が危機的な状況にあるのは記者も肌で感じている。景気の長期低迷、若者の活字離れ、ネットの浸食など、その原因はいろいろなところで語られている。

 苦境を何とか打開しようと本屋さんも必死になっている。今回の有隣堂の決断もその一つだろう。売り場面積約540㎡のうち約90㎡のフリースペースに割くのには勇気がいったことだろうが、成功してほしいと願うばかりだ。同社は恵比寿や新宿でも同じようなサービスを行っているが、「全体の売り上げは落ちると考えていたが、横ばいで推移している」(松信常務)ようで、新業態は売り上げ減の歯止めになっている。

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18日の事前内覧会

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 松信氏が報道陣の質問に答えているとき、「歩く」ことを強調した。市場を調査するとき、とにかく地元を隈なく歩くのだそうだ。どのような家が建っているか、車はどのような種類か、洗濯物はどのようなものかをチェックするというのだ。

 〝なるほど〟と思った。「歩く」ことはデベロッパーの仕入れも、われわれ記者にも共通する仕事のイロハ、鉄則だ。目利き力が試されるのは同じだ。

 その意味で、本屋の長期低迷が続くのは、本屋に限らず、出版社や作家、ライターにも努力が足りないと感じてならない。

 ある地方の駅前の大きな本屋に寄ったら、雑誌類だけでなく、辞書類、その他の多くの書籍にはビニールがかけられていた。

 辞書などは店頭で手に取り、紙の厚さを確認し、文字の大きさ、デザイン、用例の多寡を調べて購入するのではないか。〝ビニ本〟は、中身が劣悪なのを自ら肯定しているようなものだ。「本を殺す」のは本屋自身ではないか。

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店舗内

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「ザ・パークハウスグラン南青山」完成予想図

 三菱地所レジデンスは6月16日、三菱倉庫、東京建物とともに分譲した都心のフラッグシップ「ザ・パークハウスグラン」の第3弾「ザ・パークハウスグラン南青山」が6月14日に申し込みを締め切った結果、全20戸が即日完売したと発表した。

 価格は1億5,000 万円~7 億7,000万円(最多価格帯1億5,000万円台・2億1,000万円台・2億4000万円台)、専有面積60.21~222.37㎡、坪単価は800万円弱。問い合わせ件数は約2,500件、登録件数は193件。競争倍率が10倍を超える住戸が6戸あり、最高価格の7.7億円も2倍の申し込みがあった。

 登録者の属性は①年齢:40 歳代(約25%)、50 歳代(約25%)が中心②居住地:港区(約35%)、渋谷区(約15%)を中心に幅広いエリア③家族数:最多は2 人家族(約30%)

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 分譲戸数が少ないので人気になるとは思っていたが、登録数が193件に上ったのは驚きだ。単純に計算しても平均倍率は9.65倍だ。同社もこれほど人気になるとは思っていなかったようで、驚いているとのことだった。

「ザ・パークハウスグラン」 第3弾「南青山」は坪800万円弱(2015/6/4)

 

 

 

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「グリーンビンゴ」 専門家に説明を受ける参加者

 ポラスグループの中央住宅は6月13日(土)、千葉県松戸市の学校跡地で開発を進めている戸建て住宅「オレンジプロジェクト99」の街開きを行い、入居者ら27家族約100人が参加した。コミュニティを醸成し、住民自身が街の緑の維持・管理できるようにするのが目的で、「花の路を作ろう」「夏の庭仕事」など、NPOの専門家をアドバイザーにワークショップを開催した。

 「オレンジプロジェクト99」は、松戸市の「新松戸地域学校跡地有効活用事業」として小学校跡地38戸、中学校跡地61戸の合計99戸を開発するもの。市の公募プロポーザルに同社の提案が選ばれた。多世代にわたって住みたくなる「安定型住宅」、美しい街並みを維持する「住民参加」の街づくり、住民のコミュニティを育む「ワークショップ」の開催、「子育て応援住宅」などが評価された。景観を維持するための協定も結ばれている。

 物件は、JR武蔵野線・つくばエクスプレス南流山駅から徒歩13分、松戸市新松戸7丁目に位置する全99区画。土地面積は124.98~132.3㎡、建物面積は97.3~109.92㎡、現在分譲中の住戸は  4,350万円。構造は木造2階建(在来工法)。

 今回イベントが行われたのは小学校跡地の38戸。4,200万円台~4,300万円台が中心で、分譲開始は昨年7月。入居開始は今年2月から始まっている。残りは5戸と好調。

 中学校跡地61戸も好調で残りは7戸。

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舗道は透水性のブロック、手押し井戸ポンプも設置されている

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 同社の戸建て住宅の街開きやイベントなどを取材するのは数度目だが、今回は舗道やコモンスペース、敷地内に植えられた中高木・草木の名前を当てる「グリーンビンゴ」ゲームがメイン。全部で16種あり、あらかじめ用意された見本と照らし合わせながら4×4のマス目に名前を書き込んでいき、縦横、斜めの名前が正解ならビンゴとなり、鉢植えなどがプレゼントされる。

 記者も入居者と一緒に挑戦してみた。名前は次の通り。ブルーベリー、ローズマリー、ベニバナ、オリーブ、ヒメリンゴ、ヤマボウシ、オレンジ、ジューンベリー、ハナモモ、ベニバナトチノキ、シマトネリコ、ガマズミ、ハナミズキ、コブシ、フェイジョア、カツラ。

 これがなかなか難しい。記者は樹木の名前は知っているほうだと思うが、いつも見ているのは成木。今回植えられていたのはほとんどが幼木だったので、当てるのに悪戦苦闘。自信を持って名前が付けられたのは数本しかなかった。入居者の方々と教え合いながら全部名前を付けたが、ヒメリンゴ、ヤマボウシ、ガマズミ、カツラが不正解だった。イベントに参加した入居者の方もほとんど自力では名前を付けられなかったはずだ。

 しかし、今回街開きを行った小学校跡地の38戸の規模で、これだけのたくさんの、しかも実がなる中高木(もちろんこのほかにもたくさん草木が植えられていた)が植えられているのがいい。

 名前当てに精力を使い果たしてしまったので、肝心の戸建てのチェックが甘くなってしまったが、ニチハ「エコ外壁」、無垢のフローリング「WOODONE」、無垢の建具、コルク材など自然素材がふんだんに採用されているのがいい。外観は南欧スタイル。

 よく売れているのも納得だ。販売に際しては、プロジェクトの意義、ワークショップを定期的に開くことなども丁寧に説明して納得の上で購入してもらう姿勢を取っているという。



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草花の育て方について専門家から説明を受ける参加者

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⑨はみんなよく知っているオリーブ

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街並み
 

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「プラウドシティ宮崎台」完成予想図

 野村不動産が今夏に分譲開始する「プラウドシティ宮崎台」を見学した。田園都市線「宮崎台」駅から徒歩6分という地にありながら、沿線では珍しい全429戸の大型プロジェクトで、田都の歴史を変えるマンションになるかもしれない。

 物件は、田園都市線宮崎台駅から徒歩6分、川崎市宮前区宮前平3丁目に位置するイーストコート204戸、ウエストコート225戸の合計429戸の規模。専有面積59.23~110.91㎡、価格は未定だが、坪単価は300万円を切る模様。施工は三井住友建設。竣工予定は平成28年8月下旬~11月下旬。

 現地は、ケヤキ並木、銀杏並木が美しい高台で、三菱重工の社宅跡地。2年前、メジャーセブンのうち1社のみが入札しなかっただけで、その他6社+ゼネコン1社が入札した、大手デベロッパー垂涎の的のマンション適地。

 イギリスの社会学者エベネザー・ハワードが提唱した「田園都市構想」に基づいて整備された多摩田園都市の美しい街並み似ふさわしい外構・外観としているのが特徴で、随所に水盤を設け、電車の窓から見えることもあって印象的なマリオン、コーナーサッシを採用している。設計が日建ハウジングシステム社という点も、プロジェクトに対する同社の本気度を感じる。

 住戸プランはファミリー向けが中心で、浄水器一体型グローエ水栓、エコナビ機能付き食器洗い乾燥機、LED照明付き浴室などが標準仕様。

 プロジェクトの責任者、同社シニアチーフ三上一人氏は「大規模マンションの用地が出にくい田都沿線において、当社初の100戸超の旗艦事業。恥ずかしい住まいは造れない。相当気合いを入れた」と話す。

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 駅に降りてすぐ思い出したのはリーマン・ショック後の2009年に同社が分譲して即日完売した「プラウド宮崎台」だ。詳細は添付した記事を読んでいただきたいが、このマンションが人気になったことで同社の快進撃が再び始まった。

 そして、今回。田園都市線の駅近のマンションでは久々の大型だ。さらに大きいだけでは無く、周辺環境も申し分無い。これほど環境が整った大型はいつ以来かを考えた。

 真っ先に浮かんだのは、2001年竣工の東急不動産「イディオスあざみ野」(321戸)だ。高台立地でグレード感もあり、近年の最高物件だと思っている。

 それを超えるかどうかが最大の関心事だ。当時と事業環境も異なるのでなんともいえないが、田都のビンテージマンションになるのは間違いない。まさに沿線において比肩するものなしと言ったところだ。実際に商品企画においても同社の力の入れようがひしひしと伝わってくる。デザイン性に優れたエントランスや共用部を始め、専有部においても浄水器一体型グローエ水栓、エコナビ機能付き食器洗い乾燥機、LED照明付き浴室など、昨今の建築費上昇局面においても非常に水準が高いと言える。

 価格はどうか。現地を見た時、坪単価は間違いなく300万円を超えるとみたのだが、戸数が多く、超えてもそんなに大幅には超えないのではと予想した。三上氏が言ったように「300万円を切る」というのが味噌、急所だ。

 首都圏マンション単価はどんどん上昇している。準都心・郊外部でも立地条件のいいところは軒並み坪300万円を超えてきている。普通のサラリーマンの取得限界を超えている。

 同社は極力単価を抑え、早期完売を企図しているはずだ。競合するかどうかはともかく、同じ川崎・横浜のマンションでは東急不動産と近鉄不動産がそれぞれ分譲する「みなとみらい」、三井不動産レジデンシャルの「武蔵小杉」がユーザーの関心を呼んでいる。「みなとみらい」は坪400万円前後かそれ以上、「武蔵小杉」も320万円くらいになるはずだ。

 同社はそれより低めに設定して〝割安感〟をアピールしようという戦略だ。三上氏は「来場者は沿線居住者のほか、世田谷区が多い」と話したように、城西エリアからも需要を喚起できるかどうかがカギだろう。

 田都のマンションの歴史を変える可能性を秘めたマンションだ。

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野村不動産幹部が〝即完〟を確信した「プラウド宮崎台」(2009/4/20)

 

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不動産公取協の総会後の懇親会(セルリアン東急ホテルで)

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植木会長

 首都圏不動産公正取引協議会(不動産公取協)は6月12日、定時総会を行い、総会後に懇親会を開いた。

 植木正威会長(不動産協会顧問、東急不動産取締役相談役)は、「昭和38年に設立以来、現在まで不動産広告の適正化を推進し、不動産業界に対する一般消費者の信頼を向上させ、ひいては不動産の需要を喚起して、業界全体の利益を向上させてきた」などと語り、一層の支援を訴えた。

 来賓として挨拶した消費者庁の菅久修一審議官は、「不動産広告の適正化の取り組みは、消費者の安心安全の環境を整備するとともに、事業者の創意工夫によって評価されるものであり、今後も支援していく」と述べ、国交省土地・建設産業局長の毛利信二氏は、「広告表示はいつの時代も重要。皆さんのおとり広告の防止策や『ポータルサイト適正化』の取り組みは時宜にかなったものであり、事業者全体の信頼につながっている。国交省としても今後、流通シェアの拡大、上物の評価、不動産総合データベースの整備、情報の非対称の解消などに取り組んでいく」と語った。

 

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