東京建物 目黒駅前の再開発タワーは坪単価600万円になるか
東京建物が来年のゴールデンウィークに分譲を開始するJR目黒駅前の再開発ツインタワーマンションはいったいいくらになるか-東京建物と東京建物不動産販売は12月3日、恒例の記者懇親会を開いた。記者の最大の関心事は「目黒」の坪単価がいくらになるかだったが、関係者は口をつぐみ言質を与えなかった。記者はアッパーで530万円くらいと見ているが、帰り際、何と業界紙の社長から「坪600万円で食事を賭けよう」と挑発された。賭けに勝ったためしはないが、ここで降りたら記者の沽券に係わる。賭けに乗った。坪600万円はありえないと思うが…。自信がなくなってきた。
このマンションの単価予想は別掲の記事を参照していただきたい。同社などが今年8月に起工式を行ったときに書いたもので、「記者がはじき出した坪単価は最低でも500万円だ。550万円と聞いても驚かない。さすがに600万円はないと判断した」とした。当時、坪単価について触れたジャーナリストや業界紙はないはずだ。
懇親会で記者は住宅担当の柴山久雄専務や花田務執行役員に正攻法では正解を引き出せないと判断し、からめ手から攻めた。しかし、両氏はにやにや笑うのみで一切ヒントになりそうな言葉は口にしなかった。
ところがだ。会が終わりになるころ、ある不動産ジャーナリストは「俺はもともと550万円と読んでいた」と確信的に話した。そして、冒頭の業界紙社長の挑発だった。柴山氏か花田氏かあるいは別の幹部がリークしたのか。謎だ。
資料請求受付から1週間で約7,000件に達しているというから、反響はものすごい。同社は八丁堀駅前の「Brilliaザタワー東京」も分譲する。「目黒」と「東京」で旋風を巻き起こすかもしれない。賭けに勝ったら最高級の酒を注文しよう。負けたら居酒屋で済まそう。
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懇親会で東京建物・佐久間一社長も種橋牧夫社長も業績や不動産市況などについては全然触れなかった。
佐久間氏は、ローレンス・クラウス著「宇宙が始まる前には何があったのか?」と、日本製紙の石巻工場が震災から操業再開までのドキュメンタリードラマ「紙つなげ!」しか話さなかったし、種橋氏は来年の干支「乙未(きのとひつじ)」について薀蓄を披露しただけだった。
東京建物 目黒駅前の再開発マンション坪単価は500万円超か(2014/8/22)
「安全保障住宅」取り組み急げ-岩村・東京都市大名誉教授 プレ協シンポ

「2014環境シンポジウム」(国立オリンピック記念青少年総合センターで)

岩村氏
「安全保障住宅」の取り組みは待ったなし-岩村和夫・東京都市大学名誉教授で岩村アトリエ代表取締役は12月3日行われたプレハブ建築協会の「2014環境シンポジウム」で、交通事故死より多い家庭内での事故死や自然災害が日常茶飯に起きている現状を考え、住まいレベルとまちレベルで持続可能な取り組みを急がなければならないと特別講演で話した。シンポには約200名が参加した。
環境共生住宅研究の第一人者として知られる岩村氏は、最近の環境問題への取り組みはCO2削減に集中しており、本来の環境共生住宅はもっと広い視点から考えており、もう一度原点に立ち戻って考えることが必要と問題提起。そのうえで、18世紀の産業革命からドイツでの田園都市の取り組み、米英での宇宙船地球号、ドイツの建築生物学、わが国の環境共生住宅など世界の系譜をたどった。
そして、現在、わが国では住宅内での事故死が多く、自然災害による被害も大きいことから持続可能な「安全保障住宅」の取り組みを急がなければならないとした。
災害を日常的なものとし、住まい・まちにおける人々の生活を持続できる計画を構想する「LCP(Life Continuity Plan)」を構築し、災害時-災害後-平常時の暮らしを循環させなければならないとし、ハウスメーカーならではの取り組みに期待を寄せた。
ハード、ソフト、支援サービスの技術を確立するとともに社内外で連携してモデルプロジェクトを実施すべきと話した。
シンポジウムでは冒頭、藤井康照・同協会住宅部会長(パナホーム社長)が、「災害は日常茶飯に起きている。われわれはエネルギー問題に真剣に取り組み、安心・安全の住まいを提供してきたが、防災も含めてより社会に貢献できる取り組みに磨きを掛けなければならない」と挨拶した。
このほかシンポでは、パナホームの「ゼロエネを超える住まいの開発について」、ミサワホームの「エムスマートシティ熊谷の取り組みについて」、積水ハウスの「『5本の樹』計画と『新・里山、希望の壁』プロジェクト」、積水化学の「スマートハイムFANにおける省エネの住まい方提案」が紹介された。

藤井氏
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岩村氏が提案した「安全保障住宅」はハウスメーカーもデベロッパーも避けられない課題だと思う。住宅を建築するエリアが災害危険地域である場合は、事前に消費者に告知することを不動産業者に義務付ける条例を施行するところもある。今後は加速度的に増えるのではないか。
どこのハウスメーカーかあるいはデベロッパーがいち早く岩村氏が話した「安全保障住宅」を提供するか見守りたい。
三井レジ他「パークコート渋谷大山町」 低層住宅街の大規模 単価は470万円

「パークコート渋谷大山町ザプラネ」完成予想図
三井不動産レジデンシャル(事業比率50%)と大林新星和不動産(同)JVマンション「パークコート渋谷大山町ザプラネ」を見学した。供給事例がほとんどない「渋谷区大山町」の第二種低層住居専用地域に位置する大規模マンションで、坪単価は470万円。アッパーミドル・富裕層の人気を集めるか。
物件は、東京メトロ千代田線・小田急小田原線代々木上原駅から徒歩9分、または京王線幡ヶ谷駅から徒歩10分、渋谷区大山町に位置する敷地面積約6,000㎡の地下1階地上4階建て全131戸。専有面積は61.46~160.69㎡、予定価格は7,600万円台~3億6,900万円台。億ションは78戸。坪単価は470万円。入居予定は平成27年10月下旬。施工は大林組。デザイン監修は光井純&アソシエーツ建築設計事務所、植栽計画監修は愛植物設計事務所。敷地は日本生命の社宅跡地。12月6日から第1期1次の申し込みが始まる。
最大の特徴は立地条件のよさ。松涛、神山町、南平台、広尾、西原など渋谷区内でも数少ない低層住宅街の一角で、代々木上原駅との比高差約15mのヒルトップに位置している。代々木大山公園に近接しており、消防庁やJICAなどの独立行政法人の施設に隣接。幡ヶ谷駅へのアクセスは桜並木の旧玉川上水緑道が利用できる。
代々木上原駅圏でのマンション分譲はこの2年間で500~600戸くらいあるが、大山町では皆無。この20年間でも1~2棟しかなく、規模的には最大。
第二の特徴は、規模とデザイン。「パークコート」シリーズとしては今回が初の低層大規模物件で、同社の記念碑的マンション「パークシティ浜田山」でもコンビを組んだ光井純氏がデザイン監修を、愛植物設計の山野秀規氏が植栽計画をそれぞれ担当。
外壁には様々なオリジナル二丁掛タイルを貼り、植栽にはソメイヨシノや既存樹を取り込む。
建物は3棟構成。「悠邸」は全51戸のうち50戸が億ション。インテリアを担当した三井デザインテック・小野京子氏の3億6,900万円のモデルルーム提案が圧巻。リビングドアなどはオークの名栗仕上げ。玄関エントランスとモダンな「Chashitsu」ドアには天然石をスライスし、金や銀の箔を挟み込んだものを採用。幽玄な世界を演出しているのが目を引く。その他建具・面材にも自然石や突き板を多用しており、設備仕様レベルは「パークマンション」とそん色ない。

モデルルーム
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代々木上原駅圏のマンションは結構見学しており、ここ数年では野村不動産「プラウド上原」と、モリモト「ディアナコート代々木上原」が極めて好調な売れ行きを見せた。今回の物件は規模といい坪単価といい比較にならないほど大きくて高い。
これが懸念材料でもあるのだが、「パークコート」「パークマンション」は別格だ。「パークコート千代田富士見ザ・タワー」(505戸のうちうち分譲は425戸)は坪単価475万円で、平均は1億円だったにも関わらず瞬く間に売れたし、今年の「パークマンション三田綱町ザ フォレスト」(97戸)は坪単価725万円で、すべて億ションだったが、こちらも圧倒的な人気になった。
今回のマンションも、代官山や松濤などと比較すれば坪で100~200万円は安い。「パークコート」のブランド力を測る物差しとしては絶好の物件だ。

近くの旧玉川上水緑道
ポラス 「第52回技能五輪全国大会」の建築大工部門で参加3名が入賞

建築大工部門で銀賞を受賞した鈴木氏
ポラスグループは12月1日、23歳以下の青年の技能を競う「第52回技能五輪全国大会」の建築大工部門でグループの「ポラスハウジング協同組合」から参加した鈴木洸氏(22)が銀賞を、齊藤竣氏(20)と田中凱氏(19)がそれぞれ敢闘賞を受賞し、参加した3選手全員が入賞を果たしたと発表した。
参加者全員の入賞は昨年に続き2回目、鈴木氏は2年連続の銀賞受賞、齊藤、田中氏は初出場で初受賞。
技能五輪全国大会は、特定の技能(今大会は41種)を身につけた満23歳以下の青年技能者による技能レベルを競う大会。将来の日本の「ものづくり」を担う青年技能者の技能レベル向上と、技能の大切さをアピールすることが目的。昭和38年に第1回大会が行われ、今回は11月28日から12月1日の4日間、愛知県で開催された。全41職種に1,200名が参加した。
建築大工部門には65名が参加。金賞1名、銀賞3名、銅賞3名、敢闘賞9名が受賞した。
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この技能五輪大会については全然知らないが、関係者や見学者を合わせると毎年10数万人が参加するという。結構なことだ。ただ、参加者は職種や都道府県によってかなり隔たりがある。建築大工部門は65名だが、同じ建築関係の建具はわずか7名。曲げ板金にいたっては6名しかいない。もっとも多いのは旋盤の81名で、メカトロニクス68名、日本料理67名などが多い。
年代別の参加者はバブル崩壊前後の300名台が底のようで、最近は年々増加しているようだ。
都道府県別では主催県である愛知県の229名が断トツ。2位・茨城県の89名の約1.6倍だ。逆に徳島県はエントリーゼロで、和歌山県は2名、高知県も3名しかいない。わが三重県も6名だ。いったいこれは何を意味しているのか。毎年春秋に発表されている勲章よりよほど価値があると思うのだが…。

左から田中氏、鈴木氏、齊藤氏
明和地所「クリオ横浜セントラル」 駅1分で坪単価は260~280万円

「クリオ横浜セントラルマークス」完成予想図
明和地所の「クリオ横浜セントラルマークス」を見学した。横浜市営地下鉄ブルーライン高島町駅から徒歩1分の全65戸で坪単価は260~280万円くらいになる模様だが、販売は好調に推移するか。
物件は、高島町駅から徒歩1分、またはJR・みなとみらい線・京急線・ブルーライン線横浜駅から徒歩10分、横浜市西区戸部町7丁目に位置する10階建て全65戸(分譲は57戸)。専有面積は55.78~82.74㎡、価格は未定だが、坪単価は260~280万円になる模様。入居予定は平成28年3月下旬。施工は大勝。
現地は駅から徒歩1分。敷地南東側にはマンションと同等の高さの建物が建っており、住戸プランは、南西向き、または北東向き。北東向き住戸は6階以上からはみなとみらいが展望できる。一部タイプはプレミアム仕様で、ミストサウナ、食洗機、食器棚が標準装備。キッチン天板はフィオレストーンを採用。
販売開始は来年の1月上旬。来年はみなとみらいで坪単価にして380万円くらい(400万円はなさそう)の物件も分譲される。みなとみらいとの比較はできないが、みなとみらいより坪100万円も安い駅1分の利便性がどう評価されるか。岸谷か3年前に取材したオリックス不動産の近接マンションは坪単価230万円くらいだった。
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リーマンショックの影響で業績が低迷していた同社がようやく負の資産処理を終えたようだ。同社は今年10月、平成27年3月期の業績予想を修正し、売上高は引き渡し物件が来期にずれ込むことから3.2%減の458億円となるが、マンションの販売が好調に推移していることなどから営業利益は5.9%増の36億円、経常利益は20.0%増の30億円、当期純利益は14.3%増の24億円に上方修正した。
中間期決算でも、今期の不動産売上高目標に対する進捗率は95.7%を確保するとともに、翌期引き渡し物件の契約残高も149億円積み上げることができたと発表。最後まで残っていた負の資産であるビルの売却も高値で売却できたようだ。
マンションの販売については、従来の全営業マンによる全物件の販売体制から各プロジェクトの販売体制に移項したことで、効率的な営業ができるようになってきたという。
三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス東銀座」1期30戸が即日完売

「ザ・パークハウス東銀座」完成予想図
三菱地所レジデンスの「ザ・パークハウス東銀座」第1期31戸が最高5倍、平均1.9倍で即日完売した。東京メトロ有楽町線新富町駅から徒歩1分の13階建て全36戸。専有面積は70.82~81.77㎡、価格は7,400万~1億800万円。坪単価は400万円弱。抽選会は11月24日。購入者の居住地は中央区を中心に全国都道府県。
評価された点は、新富町駅をはじめ徒歩8分圏内に6駅4路線が利用可能な交通利便性の高さ、全戸南向き、三方向角地、南面は前面建物まで約60mの距離が撮れていることなど。
重要事項説明(重説)のIT化はハードルが高い実感 国交省が第5回「検討会」
国土交通省は11月28日、第5回「ITを活用した重要事項説明等のあり方に係る検討会」(座長:中川雅之・日本大学経済学部教授)を行なった。国交省から重要事項説明(重説)に必要な要素や社会実験の進め方、最終取りまとめ骨子案などについて示され、各委員が論議した。第6回目の会合が年末に行われ、最終取りまとめ骨子案がまとめられる予定だ。
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初めて「検討会」を傍聴した。今年末までに最終取りまとめ案が決まると報道されており、いかなる内容になるかを確認するためだった。
個人的には重説のIT活用は大賛成だ。マンションなどの売買契約で行なわれる重説は84項目もある。賃貸は10数項目のようだが、数の問題ではない。宅建主任者が一つひとつを読み上げ、説明するのだが、最初から最後まで忠実に行なえば、2~3時間くらいかかるのではないか。書面の送付やメールのやり取りなどで済ませてもよい事項も少なくないと思う。外国人のマンション購入も増加している。法人や遠距離契約者への重説のIT化は避けられないと思っている。
また、不動産のプロ(主任者)が物件の瑕疵などを隠すはずがないと記者は思っている。トラブルを未然に防止するためにも資質向上を目指した「宅建取引士」への「格上げ」であるはずだし、コンプライアンスの徹底を各社は進めているはずだ。(もちろん例外はあり、これが問題なのだが)
消費者もまた高い買い物をするのだから、事前に十分調査、チェックすべきだ。トラブルになったとき、「知らなかった」では済まされない。契約書が全てだ。重説の「その他」もしっかり理解することが必要だ。
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「検討会」委員も重説のIT化に不動産業界はもちろん全員がもろ手を挙げて賛成するのではないかと思っていたが、そうではなかった。
「様々な制約をつけるべきでない」と全面的なIT化を推進すべきと主張したのは関聡司委員(新経済連盟)だった。関委員は「○×の意味が分からない」-つまり重説で求めている本人確認や説明が理解されているかどうかの双方向のやり取りについて国交省が提示した「テレビ電話」は○(可能)であり、「電話・メール」を×(不可)とする資料に異議を唱えた。このほか「(社会実験を経て本格運用することについて)ITで重説をどう実現するか期待したい」(熊谷則一委員=弁護士)「社会実験に向け登録する方向で検討を進めている」(加藤代理委員=全日本不動産協会)など肯定的な意見があった。
しかし、その逆に「IT化には反対してきた。賃貸のトラブル処理は大変(IT化でトラブルは防止できない)」(小林勇委員=全国宅地建物取引業協会連合会)とする声や、「事前の説明はITでもできるかもしれないが、契約は対面でないと難しいし、重説もテレビ会議でないと難しい」(本橋武彰委員=不動産流通経営協会)「賃貸契約は2年で解除となるが、トラブルはその後に発生する。社会実験を2年とするのは短すぎるのではないか」(土田あつ子委員=日本消費者生活アドバイザーコンサルタント協会)などの慎重論もあった。
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「検討会」は、宅建業法の趣旨が「購入者等が十分理解して契約を締結する機会を与えるため、専門的な知識、経験、調査能力を持つ宅地建物取引業者に説明義務を課している」ことであり、重要事項の書面による交付・説明を取引主任者が取引主任者証を提示し、直接契約者本人に伝達・理解を得ることを定めた業法35条の法体系を崩さないことが前提となって論議されている。
そもそも重説は電子メールなどの電磁的方法で交付することを認めていない。また業法でいう「説明」とは、「説明の相手方が判断又は意思決定できる状態にまで理解せしめることであって、相手方に一定の事実を知らしめる告知とは異なる」(逐条解説)としている。
このことを前提にするのであれば、IT化はきわめてハードルが高いといわざるを得ない。「IT化」の言葉だけが先行しているように思えてならない。悪意の業者・消費者を排除し、トラブルを未然に防止するためにも社会実験を通じて十分検証することが必要だろう。
ついでながら外国人に対する重説について一言。日本語を解さない外国人については相手が理解できるよう英語なり中国語なりその他の外国語に訳したものを交付し、場合によっては通訳も必要になるはずだ。ここで疑問に思うのは、通訳を通じて行なう場合だ。重説は本人に対して行なうのだから代理は想定していない。通訳の能力もさることながら、主任者は通訳が的確に訳しているかどうかを確認できないと説明したことにはならず、理解されたかどうかも分からないのではないか。その外国語に精通していないと主任者は務まらないということだ。
業界では「外国人の入居が増えたらトラブルが激増するのではないか」という声が多い。これからそのようなマンションが続々竣工する。マンション管理組合が右往左往する事態だけは避けて欲しい。
マンション9カ月振り増加 10月の新設住宅着工
国土交通省が11月28日、10月の新設住宅着工戸数を発表した。消費税率引き上げ前の駆け込み需要の影響が大きかった前年同月と比較すると、分譲住宅は増加したが、持家、貸家が減少したため、全体で12.3%減、8カ月連続減の79,171戸となった。
利用関係別では、持家は24,245戸(前年同月比28.6%減、9カ月連続の減少)、貸家は33,628戸(同4.1%減、4カ月連続の減少)、分譲住宅は20,820戸(同1.6%増、9カ月ぶりの増加)となった。分譲住宅の内訳はマンションが10,495戸(同23.3%増、9カ月ぶりの増加)、一戸建住宅が10,146戸(同13.8%減、6か月連続の減少)。
首都圏マンションは7,102戸(同85.0%増)で、都県別では東京都が4,870戸(95.7%増)、神奈川県が388戸(同37.5%減)、埼玉県が670戸(同7.4%増)、千葉県が1,174戸(同1,007.5%増)。
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首都圏マンションの着工減が取り沙汰されているが、適地・建築費の上昇などを考えるとこのようなものだろうと思う。ここしばらくは年間5~6万戸台で推移するのではないか。今年1月から10月までは51,227戸(前年同期比12.2%減)となっており、6万戸には届くのではないか。
都県別では神奈川県が6,615戸(同49.5%減)と大幅に減少しているのが気になる。デベロッパーも、高値追求して果たして売れるのかどうかの判断が難しく、市況が読み切れていないのではないか。神奈川県でも分譲坪単価は200万円をはるかに突破し、人気エリアでは300万円台の後半になるはずだ。
将来展望に明かり灯る 「マンション管理業の実態調査」報告 マンション管理協

「マンション管理業の実態調査調査結果」報告会(霞が関ビル)
マンション管理業協会(管理協)は11月26日、有識者への研究委託を進めている「マンション管理業の将来展望に関する研究」(代表研究者 大橋弘東京大学大学院経済学研究科教授)のうち、平成25年度に実施した「マンション管理業の実態調査 結果報告書№2」(A4判、94ページ)が刊行したのに伴い、その調査結果報告会を行った。会員会社から約100人が参加した。
今回の報告書は、24年度に実施した「マンション管理業の実態調査」の結果を踏まえて、マンション居住者のマンション管理に対するニーズや満足度の現状を定性的・定量的に明らかにした。調査はアンケートを中心に行われ、会員の回答数はフロント業務担当者を含め2,463人、マンション居住者は3,670人。
調査結果について報告した大橋氏は、マンション管理の知識を豊富に持ち、管理に対して高い関心を持つ居住者ほど設備の保守点検、清掃業務、緊急時の対応のほか、「理事会・総会の運営支援」「組合資産の運用方法の提案」「コミュニティ形成支援」などの充実を望む傾向があることを指摘した。
また、マンション管理業は労働集約的な業態であり、人的資本の塊であるフロント業務担当者の役割が重要とし、モチベーションをいかに高め、維持していくのか、居住者のサービスへの満足度の向上、中長期的な生産性の向上につながるような教育訓練が必要と述べた。
報告を受けた後に行われたパネルディスカッションでは、コメンテーターを務めた明海大学不動産学部教授・齋藤広子氏は、「フロント業務担当者のモチベーションが高いほど居住者の満足度が上がる結果が出たのが一番うれしい。管理業務に詳しい入居者ほど多様なニーズがあることも分かった。勇気と感動をもらった」と話した。
パネリストとしても参加した大橋氏は、「居住者のニーズは複雑。これがファイナルバージョンとは思えない。謎を残したままだ」「業の定義が難しい。パッケージがない。認証制度のようなものをつかってポジティブに見ればやりがいはもっと拡大する」「(管理とは何かの)見方を変えるいいチャンス。ハードのみならず、居住者との接点にもビジネスチャンスがある。従来の延長線ではできない。錘の置き方に期待したい」と語った。
同じ調査研究者でパネリストの摂南大学経済学部講師・西川浩平氏は、「多様な企業が参入しているが、商品の質の違いが見えない。質の見える化を図らないと、価格競争から逃れられない」と話した。
フロント業務担当者としてパネリストになった日本ハウズイング・若林達矩氏は「居住者のコミュニティ形成のきっかけを作るフロントの役割は重要」と話し、ダイワサービス・勝又由起子氏は「コミュニティが充実していると入居者トラブルも少ない」などと語った。

大橋氏
◇ ◆ ◇
腑に落ちるとはこのことを言うのだろう。報告とパネルディスカッションを聴いて、わだかまりが消えすとんと胃に収まったような満足感を覚えた。マンション管理業とマンション居住者の目指すべき方向性がはっきりわかった。
大橋氏は、標準委託契約業務以外の緊急時対応、資産向上、コミュニティ形成などに居住者ニーズが高いことを定量的に明らかにした。齊藤氏が「ワクワクした」というのもこのことではないか。記者もこれに目を覚まされた。
つまり、管理会社が行う日常業務は無難にこなして当たり前。居住者はもっと高次のサービスを期待していることが明らかになったということだ。ところが、委託契約業務以外だから当然そこにはフィーは存在しない。フロントがいかにサービスを提供しようが、顧客満足度を高めようが〝ただ働き〟の評価しか受けない。だから、組合の要求は「過剰要求」になり「業務の負担増」につながっていく。
このギャップを埋めるのが業界の最大のテーマであるし、だからこそこの難問に解を見出せば、管理業は新たなステップに進める。大橋氏が「外から形を作っていくしかない」と言ったように、これまでの延長線上にはその解はない。高いサービスを提供してそれがきちんとフィーとして評価される仕組みをどこがつくるか楽しみだ。

齊藤氏

左から大橋氏、西川氏、若杉氏、勝又氏
主役は参加者 マンションコミュニティを考える 三井レジのシンポに340名

「Mirai Mansion Meeting」(COREDO室町 日本橋三井ホール)
昨日11月26日、マンションの管理・コミュニティに関する極めて興味深い、示唆に富んだ催しが2つ行われた。一つは、マンション管理業協会(管理協)が主催した「マンション管理業の実態に関する調査」結果報告会で、もう一つは三井不動産レジデンシャルなどが主催した「コミュニティ」を切り口にマンションの未来像を語るシンポジウム「Mirai Mansion Meeting」だ。
アプローチの方法は異なっているが、前者のパネルディスカッションでコメンテーターを務めた明海大学不動産学部教授・齋藤広子氏は「感動しました」「ワクワクしました」と何度も繰り返した。齊藤氏と申し合わせたわけではないだろうが、三井レジのイベントのテーマの一つは「私たちのワクワクするマンション」を探ることだった。記者もつられてワクワクし感動した。ぼんやりした未来像がくっきりと浮かび上がった。歳のせいか涙腺も緩んできているが、涙が出るほどうれしかった。是非、二つの記事を合わせ読んでいただきたい。

左から岩田氏、藤林氏、藤村氏

各テーブルに置かれていた謎のボックス
◇ ◆ ◇
まずは三井レジのシンポジウムから。会場となった定員300名のCOREDO室町1の日本橋三井ホールには約340名の参加者で溢れかえっていた。圧倒的に多かったのは20~30歳代の若い人だった。
シンポジウムは3部構成で、第1部では藤村龍至建築設計事務所代表・藤村龍至氏、同社・藤林清隆社長、三井不動産レジデンシャルサービス・岩田龍郎社長が、三井不動産グループが掲げる〝経年優化〟の原点である「サンシティ」と、3.11後のコミュニティを重視した「パークコート東雲」などを紹介しながら、「家族、入居者、地域の3つのコミュニティへの期待が高まっていることに対して、暮らしソフトをどう埋め込んでいくかが課題」(藤林氏)「マンションが変われば地域、日本が変わる」(岩田氏)などの意見が出された。
第2部では、三井不動産・NPO日本橋フレンド代表・川路武氏がモデレーターとなり、enaAMICE代表・蛯原英里氏、チームラボ代表取締役・猪子寿之氏、issue+design代表・筧裕介氏がセッション形式で話し合った。

度肝を抜かされたのが第3部だ。参加者が6~7人のグループに分かれ、マンション管理組合の理事に選出された設定のもとで、未来のマンションについて冒頭の「ワクワクするマンション」像を語り合うもので、おにぎりとお菓子などを食べながら侃々諤々、1時間近く話し合った。見ず知らずの人とどうしてそんなにフランクに話せるのかとあ然とした。
その結論がまたすごい。「私たちのワクワクするマンション」とは、「井戸端会議の生まれる場所がある」「カベのないマンション」「顔と名前が一致するマンション」「子どもをダシにするマンション」「ゆるいコミュニティ」「自給自足型」「SHAREするのが楽しい」「自分たちだけで完結しないマンション」「地球と共生するマンション」などだ。
みんなドキリとさせられるものだった。「井戸端会議のある場所」を提案したグループのひとり20歳代の女性は「私は谷中の一戸建てに住んでいます。おばあちゃんとも仲がいい」と話した。井戸など都会ではまず見られなくなっているし、井戸端会議がどのようなものか知らないはずの若い人がそれを望んでいることに衝撃すら覚えた。
「カベ」とはもちろん戸境壁を取っ払えという提案ではないだろうが、家族、入居者、地域のそれぞれに重く垂れこめている「壁」を取っ払おうとする強い意欲の表れだしメッセージだ。「地球との共生」を堂々と打ちだしたグループには声を失った。

登壇者のフォトセッション
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このシンポの大きな特徴の一つは、従来の型、殻を打ち破ったことだ。参加者が主役、中心にいることだ。最初から最後まで3時間くらいあったが、途中で退席する人も私語を交わす人も居眠りをする人もほとんどいなかった。
なぜかを考えた。シンポを仕掛けたのが三井不動産レジデンシャル市場開発商品企画グループであることを知り、その謎が解けたような気がした。このグループは、女性が「住」について興味を持つ機会を提供する女性向けwebサイト「モチイエ女子web」を立ち上げた部署だ。このサイトは従来の男性中心の商品企画に対する反旗だと思う。今回のシンポも同様だ。既成の概念を打破しない限り新しいものは生まれない。いつの時代でも世の中を変えるのは若者だ。若者に依拠しようというこの商品企画グループに拍手喝采だ。参加者から寄せられた多くの声は宝の山だろう。藤林社長も「今後の商品企画に生かしたい」と語った。

参加者がそれぞれの思いを書き込むカード

カードを基に行われたミーティング
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会場で面白いプロジェクトが紹介されていた。「Neighbors Next Project」だ。26歳以下のメンバーが理想のマンションを実現するため調査、研究、体験を通じて2020年までにマンションを建設しようというものだ。
現在、会員は15名だそうで、三井レジが2011年に有識者などとともに立ち上げた、今回のシンポの主催者でもあるサステナブル・コミュニティ研究会が活動に協力している。
これもいいプロジェクトだ。詳細はウェブhttp://u26.jpへ。

「ミライ・マンション・ミーティング」後に各グループがコンセプトを発表しあった

左から「Neighbors Next Project」の代表・江副生氏(24)、山本遼氏(24)。江副氏は「2016年には着工したい」と語った。来春、ある独立行政法人に入社が決まっている。山本氏は不動産会社勤務。「シェアハウスに興味がある」とのことだった。
将来展望に明かり灯る 「マンション管理業の実態調査」報告 マンション管理協(2014/11/27)

