ジャーブネット 「木のスマートハウス」500棟限定販売
全国最大級の工務店ネットワーク「ジャーブネット」が2013 年10 月11 日(金)~12 月23 日(月・祝)まで、「木のスマートハウス」を先着500 棟限定で発売する。
期間中、ジャーブネット創立15 周年を記念したフェア「バリューアップ大感謝祭」を全国で開催し、価格は据え置き100 万円相当の仕様をバリューアップするほか、購入者のライフスタイルに合わせ6つのタイプから搭載アイテムを選べる「限定パック」を付ける。
「木のスマートハウス」は、エコ設計(日射遮蔽・日射熱利用・自然風利用など)によって年間を通して快適に過ごすことができ、「木材利用ポイント」対象のフローリングなどを採用している。仕様は自由設計、長期優良住宅対応で、価格は1,360 万円(税抜)~、延床面積は100.19 ㎡(30.30 坪~)。
好調スタート 東建・東武「ブリリアときわ台ソライエレジデンス」
「ブリリアときわ台ソライエレジデンス」完成予想図
東京建物(事業比率60%)と東武鉄道(同40%)のJVマンション「ブリリアときわ台ソライエレジデンス」を見学した。太陽光発電、蓄電池、MEMSなどを採用し、ランドスケープデザインに力をいれた全329戸の大型物件だ。
物件は、東武東上線ときわ台駅から徒歩10分、板橋区前野町2丁目に位置する15階建て329戸の規模。専有面積は61.05~106.76㎡、現在分譲中の住戸(14戸)の価格は4,031万~8,105万円(最多価格帯4,500万円台)。坪単価は213万円。竣工予定は平成26年10月上旬。設計・施工は三井住友建設。販売代理は東京建物不動産販売、東武プロパティーズ。
現地は、「板橋の田園調布」と呼ばれる常盤台住宅地を抜けた用途地域・工業地域の一角だが、マンション化も進んでおり、嫌悪施設はそれほど多くない。
建物は、バルコニー側サッシ上部に梁のない三井住友建設の「SuKKiT3」構法を採用し、アウトフレームとインフレームを組み合わせた分節手法を用いることでデザインに工夫を凝らしている。
ランドスケープデザインでは、L型の建物の背後に常盤台住宅地の象徴であるクルドサックとシラカシのシンボルツリーを配しているほか、「エントランスガーデン」「スカイガーデン」「シーズンパーキング」など敷地内の緑化に力を入れている。
商品企画では、太陽光発電、蓄電池、MEMSなどを採用し、食洗機、ユーティリティシンクなどが無償で選べるようになっているのが特徴。
第1期分譲として130戸が9月に分譲され、現在、約110戸が契約・申込済み。販売を担当する東建不販住宅販売部課長代理・加覧憲一氏は「まずは好調な滑り出し。防犯、防災、コミュニティの取り組みも評価されている」と話した。
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今秋分譲マンションが軒並み単価上昇していることから、ここも坪単価は230万円ぐらいになるのではと思ったが、213万円というから妥当な単価に落ち着いた。駅からの距離を考えればリーズナブルの単価だろうと思う。設備仕様なども水準以上だ。
ひとつだけ注文を付けるとすれば、モデルルームのアクセントに用いられている観葉植物や草花だ。
これはもちろん価格には含まれないのでとやかく言うつもりはないが、立派なニッチに壁掛け型の造花が飾られていたのにはがっかりした。
スタッフによると、「最初のデザイナーによるモデルルームは緑が少なかったので、生花を増やした」結果、生花と造花がほぼ半分ずつになったそうだ。ならばすべて生花に変えてはどうか。秋の七草でも飾ったら感動ものだ。
行きも帰りも販売事務所エントランスのキンモクセイが甘い香りを放っていただけに残念だ。
この前見学した伊藤忠都市開発の「クレヴィア目黒不動前」ではサントリーの「ミドリエ」が採用されていた。分譲単価は100万円以上異なるが、安い単価のマンションだからモデルルームの草花は造花でいいということにはならないはずだ。
住友林業 国交省「平成25年度 木造建築技術先導事業」に採択
「スパビレッジ・ホリカワ~ほりかわ癒しの湯~」完成予想図
住友林業は10月7日、国土交通省の「平成25年度 木造建築技術先導事業」に同社が設計・施工を行うプロジェクト「スパビレッジ・ホリカワ~ほりかわ癒しの湯~」が採択されたと発表した。
「スパビレッジ・ホリカワ~ほりかわ癒しの湯~」は、医療法人社団堀川会が福岡県久留米市に建設する延床面積約5,200㎡の住宅型有料老人ホーム(94室)+デイサービスセンター(50人)。
①木造軸組構法3階建て耐火構造建築物の東棟1 階のデイサービス部分の上階にある2・3 階戸境壁に階高分の平行弦トラスを採用することで、14mの無柱・無壁の大空間を実現②独自に開発した薄型で軽量化された耐火構造外壁を使用することで、耐火構造外壁の軽量化・簡素化を実現③鹿島建設が大臣認定を取得した耐火集成材「FRウッド」を用いることで構造材現し(あらわし)の内部空間を実現-したのが高く評価された。
木造建築技術先導事業は、低炭素社会の実現に貢献する構造・防火面で先導的な設計・施工技術が導入される大規模木造建築物の建設に対しその費用の一部が補助するもので、建築物の木造化の普及を促す事業。
今年度の木造建築技術先導事業には、基礎免震の上に1~3階をSRC、4~7階を耐火木造とした国内初の免震システムを用いた中層木造耐火建築物の高知県自治会館、構造躯体を100%町産材を活用した国内最大級の木造庁舎となる岩手県・紫波町新庁舎など6プロジェクトが採択されている。同社は2010 年度、2012 年度に続き5 件目の採択。
三菱地所レジデンス 分譲戸建て市場に参入
「大泉学園」完成予想図
三菱地所レジデンスは10月7日、戸建住宅シリーズ「ザ・パークハウス ステージ」を立ち上げると発表した。
同社はこれまでも戸建住宅としては「森林公園パークタウン」(札幌市)、「泉パークタウン」(仙台市)、「金沢文庫パークタウン」(横浜市)、「井口台パークタウン」(広島市)、「ドリームズ・デザイン鷺沼公園」(川崎市)など全国で取り組んできたが、これまでに培ってきたノウハウに住まいのブランド「ザ・パークハウス」のクオリティを融合させ、戸建事業を強化するのが狙い。
「ザ・パークハウス ステージ」は、「最高の暮らしの舞台となる街並みを実現する」という開発コンセプトのもと、「安心、安全、快適、便利、エコな街づくり」を目指す。年間400~500戸を供給するのが目標。
第1弾として「ザ・パークハウスステージ大泉学園」(練馬区・総区画数10区画)と「ザ・パークハウスステージ下井草」(杉並区・総区画数16区画)のホームページを10月7日(月)に開設する。
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これまで何度も書いてきたが、大手デベロッパーの分譲戸建て事業は三井不動産レジデンシャルがこれまでは独走しており、野村不動産が肩を並べようと急拡大している。このほかは2社に大きく立ち遅れており、東急不動産、東京建物、住友不動産がぼつぼつ供給する程度だ。
しかし、住宅着工戸数からして首都圏の分譲戸建て市場は年間にして5万戸ぐらいの規模がある。うち一建設グループが30~40%のシェアを占める。徹底したローコスト住宅がコンセプトだ。一方の三井や野村は一グループとは一線を画してはいるが、これからは3,000万円台の郊外住宅も手掛けるのは必至だ。
どうして他のデベロッパーが分譲戸建てを手掛けないのか記者は歯がゆく思ってきた。総合デベロッパーを謳うのなら、メニューに分譲戸建ては必須アイテムだと思う。三菱地所レジデンスは、ニュースリリースにもあるように「泉パークタウン」や「金沢文庫パークタウン」など素晴らしい戸建てを供給してきている。今回の「大泉学園」「下井草」は同じグループ会社の三菱地所ホームが施工を担当する。いずれも激戦地だ。どんな商品になるのか。モデルハウスがオープンしたら必ず見学してレポートしたい。
「下井草」完成予想図
マンションの間取りは「自分で作る」時代へ
「ツクリエ」を採用した伊藤忠都市開発「多摩平」が好調
〝ライフスタイル・ディベロッパー〟を掲げるアート・ボックスの森肇社長から定期的に送られるメールマガジン「TRENDS EYE」の最新号のテーマは「マドリスト」だった。
メールマガジンでは、「住宅の間取りを見て楽しむ人を“マドリスト”、実際に間取りを作っちゃう人を“マドラー”と呼ぶそうで、そんな間取り図大好きな人間が増えている。最近、実在する変な間取り図ばかりを紹介するブログやサイト、書籍までもが存在し、“間取り図オフ会”まで開催されているという。今やすっかり間取りは面白カテゴリーになっているのだ。現在13万人ものメンバーがいるmixiの『「間取り図大好き!』コミュニティでは、“マドリスト”たちが集まって、間取りを楽しむ鑑賞イベントなどが開かれている。実在しうるヘンな間取り図を収集して、その生活を想像・批判したり、感動したりするのが主な活動だが、回を重ねる毎に参加人数が増えて、『間取り図大好き!』(扶桑社)として書籍化もされた」とある。
このようなブームの観を呈している状況について森社長は、「今や中古物件のリフォームが主流なのだ。限られた国土で、特に都心の矮小住宅事情の中で、中古物件の間取りを工夫して少しでも広く暮らしたいという気持ちから、間取り図がもはや癒しの存在になっているようだ。一方で、やっと日本もマンション業者の建築条件のお仕着せではなく、自らの住宅ライフスタイルをユーザーから創り上げようとする時代になったとも言える」と指摘する。
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記者も仕事柄、マンションや戸建ての間取りはよくチェックする。紹介されているような一般の方が書かれた間取りに関する書籍は手に取るだけで買ったことはないが、一般の方が住宅の間取りに関心を持たれるのは結構なことだとおもう。生活者の視点こそが、森社長がいうデベロッパーの〝お仕着せ〟の間取りを変える力になると思う。
しかし、最近のデベロッパーは〝お仕着せ〟のプランばかりを提供しているわけではない。いい例が、最近分譲された伊藤忠都市開発「クレヴィア豊田多摩平の森RESIDENS」だ。「多摩平」は、中央線豊田駅から徒歩5分の全440戸の大規模マンションで、先に分譲された1期231戸も好調な売れ行きを見せている。
このマンションでは、〝作る+家〟という発想から生まれた「TSUKURIE(ツクリエ)」が採用されている。現地のマンションギャラリーに備え付けられているパソコンで質問に答えるだけで、ライフスタイルにあったタイプを選別し、提案してくれるものだ。居室の位置や収納、仕様・カラーリングも自由自在だ。最大で500通り以上のプラン選択が可能だ。何よりも操作が簡単なのがよく、来場者の反応もいいと聞いた。
もともと同社は間取り・収納についてはかなり以前からユニークな提案を行ってきた。最先端のデベロッパーといえるかもしれない。それが今回の新発想に結び付いた。
同じようなシステムを採用しているところも増えている。野村不動産のオーダーメイドマンションもそうだし、住友不動産のカスタムオーダーマンション、三菱地所レジデンスの「スマートセレクト構想」「スタイルハウス」などがそうだ。最近では、大成有楽不動産が「新中野」でライフスタイルに応じて間取りプランが変更できるマンションを分譲した。他のデベロッパーも間取り変更、カラーセレクトなどを用意し、ユーザーの希望に柔軟に対応している。一昨日見た三井不動産レジデンシャル「パークタワー新川崎」の間取りは実に動線がよくできていた。
「マドリスト」のように見て楽しむ時代から、マンション業界は「自分で間取りを作る」時代に変わりつつある。
参考までに。間取りに関する書籍では故・宮脇檀氏のエッセーが新潮文庫から発行されているし、書名は忘れたが、小説に出てくる家の間取りを再現したものも面白く読んだ。
野村不動産アーバンネット 新ブランド「野村の仲介+(プラス)」
野村不動産アーバンネットは10月1日、10年後の流通事業「100店舗、営業1,000人体制」をにらんだ新サービスブランド「野村の仲介+(プラス)」を立ちあげた。
「野村の仲介+(プラス)」は「あの人に、頼んでよかった。」と感じてもらえ、より親しみやすい店舗づくりを目指す。昨年発表した中長期経営計画では、現在の住宅流通事業54営業拠点を10年後には100店舗、営業1,000名体制を目標に掲げている。
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明日(10月4日)から展開するという駅・交通広告がまた挑戦的、刺激的だ。「家を買う。家を売る。その不安のひとつに、仲介業者はなっていないだろうか。」と半沢直樹似の青年に言わせている。
記者もまた「お前の記事は業界のため、消費者のためになっているか」といつも自問自答はしているけれども…。
駅・交通広告
相鉄不動産 調布駅前の一等地で再開発マンション
「グレーシア調布」完成予想図
単価は280万円 「パルコ」に隣接 歩道空間も確保
相鉄不動産が近く分譲開始する「グレーシア調布」を見学した。京王線の総延長約3.7㎞に及ぶ地下化と再開発事業により駅周辺が一変する「調布駅」前の一等地のランドマークマンションだ。分譲単価も極めて割安感がある。
物件は、京王線調布駅から徒歩2分、調布市小島町一丁目に位置する15階建て全120戸(非分譲22戸含む)。専有面積は48.81~74.81㎡、価格は4,000万円台の半ば~6,000万円台の後半、坪単価は280万円。竣工予定は平成27年5月末。設計・監理はタカハ都市科学研究所。施工は大成建設。販売代理は大京、相鉄不動産販売。
最大の特徴は、調布市の都市計画マスタープランに基づいて建設される再開発マンションであることだ。京王線の地下化に伴い、駅周辺の再開発は歩道空間の確保、建物の高さ制限、商業施設の用途規制などが市の指導により行われている。
マンションが建つ地域は街づくりのガイドラインに沿って都市型住宅の建設を促進するエリアで、道路拡幅なども併せて行われる。マンションの1~3階までに予定されている商業施設や、マンションの目の前に予定されている京王電鉄の4階建て商業ビル計画も〝嫌悪施設〟が入居することはない。将来にわたって一定の住環境が確保される計画となっているのが最大の特徴だ。
建物は「パルコ」に隣接。基壇部の外壁はガラスカーテンウォールと御影石で構成。4階以上の住宅ゾーンは白を基調のスタイリッシュな外観となっている。
住居は南向きの70㎡台の3LDKと西向きの70㎡台の3LDKが中心で、西向き住戸の40~50㎡台は2LDKで構成されているが多くは地権者向けとなる。設備仕様は、住居内の水すべてを浄水する相鉄ピュアウォーターの「良水工房」が標準装備されるほか、グレードアップ仕様のレンジフード、ミストサウナが採用される。キッチンカウンターはフィオレストーンで、玄関収納、引き戸などはすべてソフトクローズ機能付き。
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記者の個人的なことを言えば、結婚してすぐに住んだのがこの調布(布田)だった。バブルのころ、調布にマンションを買おうと思ったが、坪単価は500万円にも跳ね上がった。20坪で億ションだ。それで断念したわけだが、京王線に住むなら断然調布がいい。
このマンションについては、以前から見学したいと思っていたが、相鉄不動産の担当者から「まだ価格も発表できない。価格が決まる9月末まで待ってほしい」と言われたため見学を先延ばししてきた。
単価は極めて割安感がある。記者は坪300万円を突破しても全然驚かない。京王線全体に言えることだが、とりわけ「調布」は他の沿線と比べ割負けしている。しかし、あと5年もすれば街並みは一変する。足りないのはホテル機能ぐらいではないか。
記者が言わなくとも、ユーザーも将来性を先取りしていて、価格も割安であることが分かっているようだ。同社はあまり宣伝もしてこなかったようだが、調布市民を中心に申し込みが殺到するのは間違いない。2DLKなどは数倍の競争率になるのではないか。
抽選に外れたら、駅南側で住友不動産が分譲を予定している同じ再開発の16階建ての161戸(専有面積41~70㎡)をお勧めだ。単価は同じになるのか高くなるのか。安くなることはまずないとみた。こちらは「東急ストア」が目の前だ。
駅前(完成予想図)
日土地など「京橋二丁目西地区」再開発を着工
外観
日本土地建物(代表企業)、東京建物、日建設計、清水建設の4社が特定業務代行者として事業参画している「京橋二丁目西地区第一種市街地再開発事業」の起工式が10月2日行われた。
同事業は、東京メトロ銀座線京橋駅直結、JR東京駅から徒歩5分の立地。施工区域は約1.0ha。容積率は1330%。建物は中間免震構造を採用した地下3階地上32階建て再開発棟と地下2階地上8階建ての歴史的建築物棟の2棟構成。延床面積は約119,000㎡。地区内の歴史的建築物の保存・活用をはじめ業務・商業機能の高度集約化、公益施設の整備を行う。
中央通りと柳通りをつなぐ敷地内の貫通通路には高さ約31mの開放的なガレリア空間を設け、商業施設が入居する低層部の外装デザインは、敷地内の歴史的建造物との調和と対比を図り、高さ100尺で軒線を整える。オフィスの基準階フロアは約820坪。
ガレリア部分
商・住一体の三井不レジ「パークタワー新川崎」
「パークタワー新川崎」完成予想図
「新川崎」「鹿島田」の2つの駅をデッキで結ぶ
三井不動産レジデンシャルは10月2日、川崎市幸区鹿島田で開発中の47 階建て免震タワーマンション「パークタワー新川崎」のモデルルーム記者見学会を行い、10 月5 日から一般に公開すると発表した。商住一体開発で、マンション全住戸に蓄電池を搭載しHENS連携システムをわが国で初めて導入するほか、「新川崎」「鹿島田」の2駅を新設のペデストリアンデッキで結ぶ。
物件は、JR 横須賀線・JR 湘南新宿ライン新川崎駅から徒歩3 分、またはJR 南武線鹿島田駅から徒歩4 分、川崎市幸区鹿島田字向島に位置する47階建て全670 戸(事業協力者住戸12 戸含む)。他に店舗3 区画、事業協力者用店舗16 区画。専有面積は45.21~92.04㎡、予定価格は3,300 万円台~8,400 万円台(最多価格帯4,400 万円台)、坪単価は未定だが250~260万円に落ち着く模様だ。設計・監理は松田平田設計。施工は清水建設。竣工予定は平成27 年3 月中旬。
地権者である三井不動産レジデンシャルや川崎市などが出資した「鹿島田駅西部地区再開発会社」が事業主となっている「鹿島田駅西部地区第一種市街地再開発事業」で、現地の開発面積は約2.3ha。住宅棟と商業・施設棟からなる複合開発。
従来は狭隘な道路が多くアクセスに難があった「鹿島田」「新川崎」の2つの駅を地上から3層分の高さのペデストリアンデッキで結ぶのも大きな特徴。利便性が一挙に高まる。
商品企画では、日立製作所・日立マクセルとの共同開発により、“日本初”のマンション各住戸内に設置する蓄電池・HEMS 連携システムを全戸に導入。各住戸の電気代節約と電力需給ピークカットや非常用電源を確保する。また、居住者同士の交流を育む「防災」「エコ」「多世代居住」「コミュニティ」「ユニバーサルデザイン」などのテーマを企画に反映している。「CASBEE川崎」の最高ランク「S」も取得している。
見学会で挨拶した同社執行役員横浜支店長・徳川浩一氏は、「今回のプロジェクトは、1988年に竣工した『新川崎三井ビル』、約1,600戸の『パークシティ新川崎』とつながる商・住の再開発事業。両駅をペデストリアンデッキで結び利便性の向上にも貢献したい」と話した。
これまで問い合わせ件数は5,000件超、来場者は1,000件超で、11月に分譲予定の1期1次は280戸ぐらいを予定している。
リビング
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なかなか見どころのある、考えさせられるマンションだ。第一に事業者について。再開発や区画整理の事業者には「個人」でもなれるから「会社」でも可能なのだろうが、今回、初めて「開発会社」が事業主になっているのを知った。神奈川県では初だそうだ。「組合」より意思決定がスムーズに行え、事業スピードを上げるのに効果的なようだ。
もう一つは蓄電池。大きさは幅65㎝、高さ13㎝、奥行き38㎝、重さ24㎏のコンパクトなもので、デッドスペースになっている冷蔵庫の上に棚を設置して置くのだそうだ。1.4kwの放電が可能。「見える化」は、今回は電気とガスだけだが「水」も可能だという。
「ユニバーサルデザイン」がテーマになっているのも注目される。東京電機大准教授・渡邊朗子氏がプランニングした回遊性が高く引き戸を多用した専有部、建築家・渥美利幸氏が監修した車椅子でも利用できるトイレなど共用部の取り組みが紹介された。
記者は10数年前、同社が横浜で画期的なユニバーサルデザインをテーマにしたマンションを分譲したのを見学している。今では当たり前になっている浴槽のワンプッシュ排水栓も標準装備されていた。あのときの衝撃度と比べると、専有部の取り組みは物足りなさを感じた。
縦1列の住戸でいいから他社が真似できないものを採用してほしい。廊下幅は1.2mぐらいにし、トイレスペースは改造すれば広くなるものとか、ドアの幅は90㎝ぐらいにするなどの工夫だ。
2段のキッチンシンク、段差を設けたキャビネットカウンター、キッチン内を隠せる引き戸などはいいアイデアだと思う。熟年夫婦の入居を想定した夫婦別ベッド(寝室)の提案もいい。キッチンカウンターに採用されているフィオレストーンは「パークホームズ」を含めた同社のマンションで標準化するとも聞いた。共用部の可変性のあるコミュニティスタジオがいい。
「CASBEE川崎」の「S」を取得しているのは今回で3棟目だから、これは価値がある。
単価については、年初に「坪単価は300万円を突破する」という噂が流れたが、もしそんな高値になったら批判しようと思っていた。各社が都心部で高値追求するのは大賛成。まだまだ富裕層のニーズに応えきれていないと思うからだ。
しかし、今回のような郊外部では極力単価を抑え、取得しやすいものを供給すべきだと思う。坪250~260万円には納得だ。グロスも60㎡以下を4割にして取得しやすいようにしているのも正解だろう。
コミュニティスタジオ(左)とゲストルーム
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RBA野球大会で三井不動産チームの監督も務めた徳川氏に久々にお会いできてうれしかったのだが、思いがけない歓迎も受けた。
取材が終わり帰ろうとした16時過ぎだった。子どもたちが「虹だ、虹だ」とはしゃいでいた。空を仰ぐと販売事務所の東側の上空にアーチ形の虹がかかっていた。早速、慣れない手つきで携帯に収めた。
田舎育ちの記者は小さいころ何度も虹を見た。雨上がりの朝や夕方、山間によく虹がかかった。いまの東京の子どもも大人もそっけない「天気雨」と呼ぶが、我々の地方では「狐の嫁入り」と呼んだ。狐のお嫁さんはあの虹の橋を渡るのだろうかと想像したものだ。
「新川崎」の将来もまた今日見た虹のように輝いてほしい。
販売事務所の後方に現れた虹
東急不動産ホールディングス設立 東証1部に上場
東急不動産、東急コミュニティー、東急リバブルの親会社として「東急不動産ホールディングス」が10月1日設立され、同日付で東証一部に上場された。資本金は600億円。発行済み株式数は700,560,974株。決算期は3月31日。
会社設立に伴い、代表取締役社長には金指潔氏、代表取締役会長には植木正威氏が就任。
平成26年3月期決算予想は売上高7,000億円、営業利益600億円、経常利益485億円、当期純利益230億円。
初値は1,073円だった。単元株数は100株。