RBA OFFICIAL
 

積水、ダイワ、ポラスなどと対照的な驚愕の戸建て

IMG_0018.JPG
本来あるべき戸建て分譲の街並み(左がハウスメーカーの停止条件付き戸建て、右がポラスの分譲戸建ての住宅は北道路だが、隣接する住宅が美しいことから、南道路の住宅より人気が高かったそうだ)

 以下の記事は、先に書いた創建の「感謝のつどい」と、改めて書く越谷レイクタウンにある同社やポラスの記事と一緒に読んでいただきたい。

 創建が「感謝のつどい」を開いた前日、2時間かけて越谷レイクタウンの戸建てを見学した。

 越谷レイクタウンはUR都市機構が開発主体となり、平成22年に街開きした約225.6haの区画整理団地だ。駅前には国内最大級のイオンレイクタウンやマンション、一戸建てなどが建設されており、まだまだ開発途上だ。

 一戸建ては、駅前に大和ハウスが開発した見事な団地があり、積水ハウス、ミサワホーム、ポラスなどの戸建てもゆったりとした敷地にみどりをふんだんに配したのが特徴だ。創建は外断熱で大手に対抗していた。

 これらの一戸建てと明らかに異なる対照的な街区があった。単調な建物が連たんし、庭・エントランスには樹木は1本も見当たらないばかりか、敷地は全てコンクリートで固められていた。雑草すら生えていなかった。

 記者は数年前から、いわゆるパワービルダーの建売住宅は見ないことにしている。見る価値がないからだし、見ると劣悪な建物に腹が立つからだ。この日見た建物は想像を絶するものだった。まるで地面の下には観てはならないものが隠されているような風情だった。

 住宅の質を左右するのはもちろん敷地の広さやデザインだが、樹木などみどりも大きな役割を果す。それが1本もないとはどういうことか。怒りがこみ上げた。どうしてこうなったか、どうすべきか書かざるを得ない。

 まずUR都市機構に提言したい。土地をその建売り会社に卸したのはURだ。このエリアには地区計画の網が敷かれており、その街区は「良好な低層住宅の環境を保全する」地域に指定されている。1区画150㎡以上とか、建物の壁面後退、色彩、生け垣や柵の形状などがこと細かに定められている。どういうわけか、緑化率には規定がない。緑がまったくない一戸建ての街がどうして良好な低層住宅地を形成するのか、URは答えるべきだ。緑化率を40%とは言わない。せめて30%は確保するようデベロッパーに求めるべきだ。

 越谷市には注文をつけたい。地域住民とともに地区計画を改正し、是非とも緑化率の規定を盛り込むべきだ。悪貨は良貨を駆逐する。たとえ少ない街区でも街全体の価値の低下を招き、固定資産税も減り、やがては空き家となり頭痛の種になる。

 この建売り会社には苦情を申し立てる。大手と対抗するためには価格の安さを前面に打ち出さざるを得ないのは理解できる。しかし、良質住宅を供給して地域に貢献するのがデベロッパーの役割ではないか。地面の下では芽を出せない雑草が怒りで煮えくり返っているはずだ。もう一度、原点に戻って建売り会社とは何かを考えてほしい。

 ユーザーには注意を喚起する。こんな建売りを買ってはいけない。買ったその日から価値は半減する。安もの買いの銭失いだ。売りに出したときは二束三文に買い叩かれる。自分の家だけが評価されるのではない。街としての価値が評価されることを肝に銘ずべきだ。資金が不足するのだったら10年間、飲まず食わずの辛抱をして頭金を蓄えることだ。1,000万円も貯めれば、大手の住宅が買えるはずだ。

IMG_0007.JPG
越谷レイクタウンの空き地で摘んだ雑草(ポピー、タンポポ、ハナニラ、ハルジオン、アカツメグサ、シロツメグサ、ジシバリ、チガヤ)

創建 首都圏進出10年 初の「心伝える 感謝のつどい」約960名が参加(2014/4/29)

IMG_0023.JPG
創建「心伝える感謝のつどい」(帝国ホテル 孔雀の間で)

 創建は4月29日、同社の首都圏の住宅を購入したお客さんを対象にした第1回「心伝える感謝のつどい」を帝国ホテルで行った。約260組960人が参加した。

 冒頭挨拶に立った吉村孝文社長は、次のように感謝の言葉を述べた。

 「今年で創業31年、首都圏に進出して10年目。3年前にも行なう予定でしたが、東日本大震災があり、当社もリーマンショックの影響で初めて赤字を計上して中止しました」

 「私が創業以来ずっと考えているのは〝倒産させてはいけない〟ということです。倒産はお客さんに対する裏切り行為です。ですから他の事業には手を出さない、本業に徹しています。さらに社是として〝感謝、希望、工夫、改革、感動〟の5つのKを掲げていますが、大事なのは、利益優先ではなく、お客さんに対する感謝、感激の気持ち。これからも建ててよかった、出会えてよかったと思っていただくように邁進します」

IMG_0021.JPG
挨拶する吉村社長

◇     ◆   ◇

 「感謝のつどい」に参加した公務員のSさん(37)に話を聞いた。Sさんは奥さんとお子さん2人の4人家族。稲城市の「ルナオーヴ若葉台」(108区画)を購入して3年目だ。

 「それまで住んでいた溝の口のマンションを売却して購入しました。住環境がよく土地が170㎡と広いのが決め手。まるで公園の中に住んでいるようで、外断熱も快適。最寄り駅の若葉台駅までは自転車通勤。勤務先の大手町までは約1時間」と、住み心地を語った。

◇     ◆   ◇

 同社は平成16年に首都圏進出。翌年、第一号として千葉ニュータウン・西白井で86区画の戸建てを供給開始。これまで670戸を供給。現在173戸を販売中。今後約190戸を予定している。2006年からは外断熱工法の供給を開始している。平成25年5月期の売上高は157億円。

IMG_0031.JPG IMG_0033.JPG
右は同社のマスコット「創犬(そうけん)」くん

IMG_9350.JPG
「グローエアーキテクトクラブ」セミナー(グランド ハイアット東京で)

 ドイツの水栓金具のトップ企業GROHE(グローエ)ブランドを輸入販売するグローエジャパンが4月23日に行った「GROHE ARCHITECT CLUB(グローエアーキテクトクラブ)」のキックオフイベントを取材した。建築家など約150人が参加した。

 「GROHE ARCHITECT CLUB(グローエアーキテクトクラブ)」は、建築家と消費者・施主をつなぐプラットホームで、同社が世界の最新の情報を提供するとともに、わが国の水回りをより豊かにすることを目的に昨年発足。4月には、グローエ製品を使用した建築家の施工実績を「採用事例」として掲載するWebも開設する。

 当日は、グローエ関係者からコンピュータによる最新の設計技術やデザイン、今後の世界的な潮流などが紹介された。

 記者も、グローエが高いクオリティやテクノロジーをデザインによっていかに感性の高い商品にするか、サステナビリティを重視しているかがよく分かった。1坪サイズが主流の浴室については、SPAやセラピー、可動式なども提案していくという話は説得力があった。

 グローエはLIXIL傘下になったが、ドイツの最高レベルの商品とわが国の技術・文化の融合がありそうだ。

◇      ◆     ◇

 記者は建築については素人だし、建築家(一級建築士)について語る資格はない。しかし、言わざるをえないことがある。以下は誤謬・偏見に満ちたものかもしれないが、考えていることをそのまま書く。

 医師や弁護士と同様、建築士が世の中から「先生」と崇められるのは当然だ。一つ間違えれば人命にかかわる仕事をしている。高い志がなければ建築士は務まらない。

 ところが、世間から注目され、尊敬される建築家はほんの一握りに過ぎないことを見聞する。仕事がないから、地上げ屋まがいの仕事をしている人もいる。

 なぜ「先生」と尊敬されながら、一部の人しか食べられないのか。その根本理由は分からないが、建築士に決定的に欠けるのは営業力、プレゼン能力ではないかと思っている。「士」プライドが許さないのか邪魔をするのか。自ら頭を下げることはしないし、卓越したデザイン力を簡潔にアピールする術も持っていない人を多く見てきた。

 もう一つ、こちらがもっと重要だと思うのが、世間、ユーザーのことをご存じないということだ。ユーザーとは、建築士にとって一般のお客さんではなく、コンペ狙いのゼネコンやデベロッパー、公共団体ではないか。これらの顧客ばかりを見ているから、背後にいる真のユーザーが見えてこない。

 マンションでいえば、消費者が何を志向しているか、家事労働・動線を理解していないと設計などできないはずだが、これが欠落している。真のユーザー、つまり消費者を知らないのだから、ゼネコンやデベロッパーに媚びる、言いなりになる以外に方法はない。だから似たり寄ったりの経済設計しかできないのだと思う。

 ユーザーを理解しないのは建築士だけではなさそうだ。不動産鑑定士にしてもそうだ。

 鑑定士の世界では〝クライアント・プレッシャー〟なる意味不明の言葉がまかり通っている。つまり、公正中立な不動産鑑定を行うのを妨げるプレッシャーをクライアント、お客さんから受けるというのだ。何の商売でも相手の要求を喜びではなくプレッシャーと感じたらおしまいだ。一歩も前に進めない。かといえば、クライアントのためなら公正中立をかなぐり捨てて、ろくに現場を見ないで注文通りの査定をする鑑定士もいるようだ。

 このように「士」が生きづらい世の中になってきたというのに、あろうことか、宅建取引主任者を「宅建取引士」に〝昇格〟させる動きがある。まさか呼称だけ変えようということではないだろうが、全国に100万人近くいる宅建主任者をダシにしてひと儲けしようという企みが見え隠れする。今やるべきことは主任者の資質の向上だ。講習屋を儲けさせるための、一定の人数だけを確保するためとしか思えない宅建試験は根本的に見直すべきだ。

IMG_9349.JPG
「今後も定期的にセミナーを行なっていく」と挨拶したグローエジャパン・森一幸社長

◇       ◆     ◇

 話しが横道に外れてしまったが、この日のセミナーに参加した建築士の皆さんはレベルが違っていた。セミナーが始まる前の雰囲気からして違っていた。さすがドイツ、グローエだ。BGMで流れたのはぺートーベンの第九第4楽章の冒頭の部分だ。いったいわが国を代表する音曲はあるのか。まさか「スキヤキソング」でもないだろうし、結局は誰もが聞いたことのないような雅楽におちつくのか。

 プレゼンを行ったドイツのグローエ関係者が話したのは英語だった。記者はちんぷんかんぷん。同時通訳のイヤホンで日本語を聞くしかなかったが、約150人の参加者でイヤホンを耳にしたのはざっと半分、多くみても6割ぐらいだった。これには驚いた。端から聞く気がない人はいなかったはずだ。通訳なしで建築に関する専門の話を理解できるのだから、間違いなくグローバルに活躍できる資質の持ち主ばかりだと記者は理解した。

 「参加者の方からコメントを取りたいのですが」とグローエジャパンの広報担当者に聞いたら、「そこにいらっしゃる南部さんはいかがですか」と勧められた。〝南部さん〟? どこかで聞いたような気がした。

 早速、名刺交換した。肩書には「フォワードスタイル代表取締役社長 南部昌亮」とあった。南部氏から先に声をかけられた。「牧田先生、いつも記事を拝見しています」 

 ここで南部氏が野村不動産の「プラウド」やモリモトのマンションの優れたデザインをたくさん手掛けていらっしゃる「先生」であることと、かつてある建築家を「先生」と呼び、「私は先生と呼ばれるほど馬鹿ではない」とやり返されたのを同時に思い出した。すかさず南部氏に「私は先生などと…」としゃべりそうになったのをぐっと堪えた。記者は馬鹿そのものだからだ。返す言葉がない。

 その南部氏から紹介されたのが押野見邦英氏だった。押野見氏は、圧倒的な人気を呼んだ三井不動産レジデンシャルの「パークコート千代田富士見ザタワー」の専有部分のデザインを鬼倉めぐみ氏とともに担当された方で、モリモトの成城学園、大井町、南品川などの繊細なデザインに記者がほれ込んでいる「先生」だ。早速、記念写真を撮らせていただいた。

 鬼倉氏は三井不動産レジデンシャルの「千鳥ケ淵」や「麻布霞町」も担当しており、近く公開されるモリモトのマンションを手掛けるそうだ。モデルルームがオープンしたら取材してレポートしたい。

IMG_9360.JPG
南部氏(左)と押野見氏

img02-2.png
「ザ・パークハウス上野」完成予想図

 三菱地所レジデンスが5~6月に分譲開始する「ザ・パークハウス上野」を見学した。同潤会アパートとして最後まで残っていた「上野下アパート」の建て替えマンションで、東西軸が長い敷地形状を生かした全戸南向きのワイドスパンプランがいい。

 物件は、東京メトロ銀座線稲荷町駅から徒歩1分、またはJR山手線・京浜東北線上野駅から徒歩8分、台東区東上野5丁目に位置する14階建て全128戸(事業協力者住戸52戸含む)。専有面積は25.17~75.26㎡、価格は未定だが、坪単価は280万円台になる模様。竣工予定は平成27年8月下旬。施工は東亜建設工業。

 現地は、稲荷町駅から徒歩1分だが、表通りから一歩入ったところで、すぐ近くに銭湯があるようにまだ下町の風情が残るところ。用途地域は商業地域で、前面道路の幅員は6m。前建の影響は受けるが、高層建物は1棟くらいしかない。

 敷地が東西軸に細長い形状を生かしたプランが最大の特徴。1階は駐車場や店舗、共用施設で、2~5階まではコンパクトタイプが中心。6階以上の62㎡プランでも間口は約8.5mのものや、75㎡では12.8mのものもある。全住戸の6割ある逆梁タイプにはバルコニーに花台を設置しているのも特徴のひとつ。

 2週間前に予約制の事前案内会を開始したばかりだが、平日でも全て満席。約100組の来場者がある。

◇     ◆   ◇

 説明を受けたのは同社街開発事業部主任・上村剛司氏。「単価はいくらですか」と聞いたら、「いくらだと思いますか」と返された。「坪275万円はどうですか」と答えたら、上村氏はしばし沈黙。顔には「そんなに安いはずないでしょ」と書いてあった。

 記者だってそんな反応が返ってくるのは百も承知、千の風だ。鎌をかけたわけではなく、ストレート勝負で聞いたのだが、皆もの上がる春の風をしっかり読んでいる。そこで「290万円でも高い」と返した。上村氏は「まだ決まっていませんが…」と即答はしなかったが、当たらずとも遠からず。280万円台に落ち着くことを匂わせた。いい線だ。

 台東区の人は、「320万円の武蔵小杉よりどうしてそんなに安いのか」と抗議するかもしれないが、新幹線の始発駅を東京に奪われてから23年。あのころから上野の地盤沈下は始まり、加速している。「ああ上野駅」「上野発の夜行列車…」 演歌のメッカはかつて昔だ。最後の砦というべき常磐線・高崎線・宇都宮線も来年には東京乗り入れになるのではなかったか。山手線で坪300万円以下のマンションが買える-これが上野のいいところだ。

 三菱地所レジデンスは、「18坪の3LDKですが、ワイドスパンなので70㎡の機能があります」とは言わないだろうが、それに近いことはアピールしていい。

img_u.jpg


75㎡のプラン

最後の同潤会「上野下アパート」 三菱地所レジデンスが現地見学会(2013/5/8)

 

02.jpg
「ライオンズ柏旭町サーパスレジデンス」完成予想図

 大京と穴吹工務店は4月24日、千葉県柏市の両社初の共同事業マンション「ライオンズ柏旭町サーパスレジデンス」の記者見学会を行った。この物件を含め柏市内では3物件350戸(非分譲26戸含む)を供給することになっており、今回はその第一弾。

 物件は、JR常磐線・東武野田線柏駅から徒歩5分、柏市旭町3丁目に位置する15階建て全42戸の規模。専有面積は61.10~73.33㎡、予定価格は2,900万円台~4,300万円台(最多価格帯3,900万円台)、坪単価は170万円台の後半の予定。竣工予定は平成27年9月18日。施工は穴吹工務店。設計は穴吹エンジニアリング。分譲は6月中旬。

 現地は商業地域と第1種住居地域にまたがるエリアで、建物は白が基調の南西向き。プランは1フロア3戸で、角住戸比率が66%。前面には第一種住居の東葛飾高校の敷地や住宅街が広がっている。南東側は水戸街道が走っており、サッシは旭硝子の防音・断熱性能が高い新製品「マイミュート」が採用されている。

 発表会に臨んだ穴吹工務店東日本支店長・竹本勝氏は、「昨年4月に当社が大京グループ入りして初めての共同事業マンション。土地を仕入れたのは当社で、設計、施工も担当する。大京さんのスペックを搭載し、シナジー効果を発揮する。これまで柏市内では両社で23棟1,492戸の供給実績があり、この物件を含めもう1物件を共同事業で、もう一つの再開発物件は大京さんが単独で分譲する」と話した。

◇       ◆     ◇

 両社には申し訳ないが、記者の関心事はこのマンションではなく、大京が5月にも発表会を予定している再開発の「ライオンズタワー柏」にある。免震の27階建て全265戸(非分譲26戸含む)で、施工は竹中工務店だ。

 同社はいくらになるか公表していないが、記者は最低で坪230万円と読んだ。240万円を超えるかどうかだ。超えても驚かないが、補助金もあるのでまず超えないと思う。

 ユーザーだってこちらのタワーが気になって判断できないだろうが、単価が異なる。

SeiRReS_A.jpg 140403_Studio_ph_3.jpg

標準装備する「サイレス(SeiRReS)」

 旭化成ホームズは4月24日、同社の重量鉄骨ラーメン構造の3階建て住宅「ヘーベルハウスFREX(フレックス)」に、新たに開発したオイルダンパー制震装置「サイレス(SeiRReS)」を5月1日から標準採用すると発表した。

 「サイレス(SeiRReS)」は、高層ビルなどの地震対策として採用されているものを戸建て住宅用に開発したもので、大地震から中小地震までに制震効果を発揮し、度重なる余震による躯体の損傷も軽減する効果が期待できる。耐用年数はへーベルハウスと同等の約60年。1個約15万円。

 プランにもよるが、30坪程度の3階建てで1個、60坪程度で2個設置すればいいという。1階部分に設ける。大地震で約15.%、中地震で約40%揺れを軽減できる。販売目標は年間2,500棟。

 取締役常務執行役員マーケティング本部長・川畑文俊氏は、「業界トップシェアを占める3階建て商品を強化するのが狙い。2階建てはすでに制震を採用しているが、3階建てでも採用することでお客さんにアピールすることができる。現場サイドからの要求もあった」と話した。

 

 住友不動産は4月24日、建設中のマンション「グローブアベニュー国立」も事前案内会を4月26日から開始すると発表した。

 物件は、JR国立駅から徒歩18分、国立市富士見台2丁目に位置する7階建て全277戸。専有面積は54.92~87.04㎡。竣工予定は平成27年2月。設計・施工は長谷工コーポレーション。

 3方向が公道に面する約9,100㎡の整形敷地で、同社独自の設備・配管集約システム「S-マルチコア」を採用、最大約2.48の天井高、ダブルアウトフレームなどが特徴。

◇       ◆     ◇

 このマンション計画は全く知らなかった。驚いたのは、かつて明和地所が建設した「クリオレミントンヴィレッジ国立」(14階建て343戸、高さ44m)の南隣にあることだ。明和地所のマンションについては、別掲の記事を参照していただきたいが、記者が前職を辞めるきっかけになったマンションだ。

 今回、住友不動産が建設しているエリアには地区計画が定められておらず、建築物の高さ規制はない。あるのは斜線制限のみだ。それなのにどうして7階建て(1層を3mとすると21m)に抑えたのか。必ず現地取材してレポートしたい。

「国立裁判」明和地所〝圧勝〟に思う(2004/11/8)

 住友不動産は4月24日、地上53階建て全800戸の「シティタワー武蔵小杉」第1期185戸のうち175戸を契約したと発表した。

 物件は、JR横須賀線・湘南新宿ライン、東急東横線・目黒線武蔵小杉駅から徒歩4分の53階建て全800戸。専有面積は55.23~72.35㎡。竣工予定は平成28年1月。設計・施工は前田建設工業。

 第1期の価格は5.290万~7,690万円(最多価格帯6,700万円台=70㎡台)、坪単価は320万円。今回分譲したのは価格が高い部分と比較的低い部分。契約者の居住エリアは川崎市中原区・幸区、横浜市港北区で約50%、東京都内ほかが約50%。

 昨年11月にモデルルームをオープンして以来、これまで約1,600組の来場者を集めている。2期分譲は5月下旬。

◇       ◆     ◇

 坪単価に仰天した。同社が記者見学会を行った時点で、坪単価は三井不動産レジデンシャルや野村不動産などの物件とほぼ同じか若干高い185万~290万円台の前半だろうと読んだ。まさか300万円を大きく上回るとは全く考えなかった。

 これまで分譲された同駅圏の最高値の物件より約10%のアップだ。上昇率よりも坪当たり30万円も高いのにただただ驚くばかりだ。これは「新価格」の序章に過ぎないのか。

「70平米でも75~80平米と同様の居住性能」 住友不「武蔵小杉」(2013/10/24)

 

外観写真.jpg
「TRY 家Lab(トライエ・ラボ)」

 大和ハウス工業は4月26日、東京本社敷地内に戸建住宅体感施設「TRY 家Lab(トライエ・ラボ)」をオープンする。

 2002年4月にオープンした同社の技術や最新の設備を体験できる「D-TEC PLAZA(ディーテックプラザ)」を改装したもので、「注文住宅の『試着』をコンセプトに、バーチャル技術を用いて提案中の間取りを体感できるほか、地震体感、エコな暮らし、各種テクノロジーの比較体感などもできる。広さは約1,600㎡。予約制で、年間来場者は5,000名を見込む。

 また、東京本社内に昨年末に改装した、リアルな体験ができる「Living Salon Tokyo」では同社の5つの構法や外構、内外装材、水回り・収納アイテムなどが体感できる。

 4月22日に行われた記者案内会で同社常務執行役員住宅事業推進部長・中村泉氏は、「だれもが洋服を買うとき試着をするし、車を買うときは試乗もする。しかし、注文住宅はそれがない。当社は歩道橋や住宅ローンなど世の中になかったものをつくり常識化した。注文住宅でも試着や試乗と同じように体験できるものをやるべきと実現した」と話した。

トライエ シミュレーター.jpg
「トライエ シミュレーター」

 

IMG_9293.jpg
「トライエ シミュレーター」を体感する記者団

◇     ◆   ◇

 「TRY 家Lab(トライエ・ラボ)」も「Living Salon Tokyo」も予約制だから、一般のお客さんが突然尋ねていっても見せてはもらえないだろうが、戸建てのイロハが学べる施設だ。「リアル」と「バーチャル」を同時に体験・体感できる施設はそうないはずだ。

 「TRY 家Lab(トライエ・ラボ)」は、地震体感ができる「トライエ シミュレーター」がいい。阪神淡路や東日本大震災クラスの揺れはもちろん、見学者が希望するエリアの揺れも体感できる。怪我をしないよう握りバーをつかまされたままで、縦揺れは体感できないし、シャンデリアが降り注ぎ、テレビや冷蔵庫、仏壇、本棚が四方八方から飛んでくる恐怖も味わえないが、震度7クラスでは運を天に任せるほかない状況になることは学べる。仮想現実を知っておくのと知らないとでは天と地ほどの差がある。

 「Living Salon Tokyo」は、自由自在に居住空間をレイアウトできるのがいい。玄関の広さからリビング、キッチン、壁の厚さ、バルコニーの奥行き、斜線制限による勾配、天井の高さなど10の住空間が電動装置によって体験できる。隣り合わせの屋上テラスには外構のモデルも展示されており、「ダイワに任せてくだサイ」の意を込めた子ども向けのサイの張りぼてもある。

IMG_9285.jpg
天井高や広さが調整できる「Living Salon Tokyo」

IMG_9289.jpg
「Living Salon Tokyo」に隣接する屋上テラスのサイ

 

素材_駅近.jpg
「王子飛鳥山ザ・ファーストタワー&レジデンス」完成予想図

 近鉄不動産(事業比率45%)、京阪電鉄不動産(同45%)、長谷工コーポレーション(同10%)の3社は4月22日、JR京浜東北線王子駅から徒歩1分の「王子飛鳥山ザ・ファーストタワー&レジデンス」のプロジェクト説明会&モデルルーム見学会を行なった。

 物件は、京浜東北線王子(南口)駅から徒歩1分、または東京メトロ南北線王子駅から徒歩4分、北区堀船1丁目に位置する29階建てタワー棟230戸、7階建てレジデンス棟55戸の合計285戸の規模。専有面積は35.02~86.00㎡、価格は未定。竣工予定はタワー棟が平成28年1月上旬、レジデンス棟が平成26年11月中旬。販売代理は野村不動産アーバンネット、長谷工アーベスト。設計・施工は長谷工コーポレーション。

 現地は、王子駅前の一等地。線路を挟んだ対面には飛鳥山公園が広がる。建物は制震工法を採用。南向き中心とせず、南西・南東向き住戸を多くするよう配棟し、角の部分を雁行させることで角住戸比率を72%に高めているのが特徴で、天井高は約2,700ミリ。

 これまで2,200件の反響を集め、5月3日からモデルルームを一般公開する。1期分譲は120戸の予定。

パンフ_P04_飛鳥山_桜.jpg
飛鳥山公園の桜

◇     ◆   ◇

 この数年、一部を除く首都圏の電鉄(系)会社はマンションや戸建て事業に力を入れているが、関西の電鉄会社も首都圏市場に参戦、攻勢を強めている。この「王子飛鳥山」は、大手の独壇場になっている「駅前のタワーマンション」に大きな楔を打ち込む注目マンションだ。

 一等地であるのは間違いない。広告表示は「駅から徒歩1分」だが、20mだから15秒だ。しかも、駅の反対側の20mには飛鳥山公園。これほど恵まれたマンションはまずない。問題はいったいいくらになるか、これが最大の関心事だ。記者は坪単価が300万円を超えるかどうかをずっと考えた。

 記者の記憶では、ここ数年、北区内では野村不動産が2010年に分譲した「プラウドシティ赤羽」の坪265万円と、やはり野村不動産が2012年に分譲した「プラウド王子本町」の坪275万円が最高値だ。

 立地条件からしてこの2物件を上回るのは確実だし、設備仕様をあげ高値挑戦する手もある。しかし、坪300万円超、つまり70㎡台で6,000万円を大きく超えても売れる購買力が北区にあるとはどうしても思えない。近鉄も京阪も長谷工も商才に長けた大阪の会社だ。そんな冒険はしないと読んだ。「北区最高値」の名声より、確実に実利を取るとみた。そこで導き出した単価は290万円だ。

パンフ_P07_飛鳥山公園.jpg パンフ_P26_飛鳥山公園.jpg
飛鳥山公園

◇     ◆   ◇

 モデルルームを見て、記者の予想が的中すると確信した。記者発表会で誰も手を挙げなかったら質問しようと思っていたが、他の記者が聞いてくれた。坪単価はまだ決まっていないらしく、関係者は明言しなかった。

 ここで登場したのが、近鉄不動産常務取締役首都圏事業本部長・田中孝昭氏だ。田中常務は、のらりくらり記者団の質問をはぐらかすような首都圏のデベロッパー幹部ではなかった。スタッフにレジデンス棟とタワー棟の価格差を語らせた。 

 田中常務は現在のマンション市場にも言及。「首都圏は建築費の上昇で用地取得が難しくなってきた。大阪も名古屋も同様。利益を落とさざるを得なくなってきた。関西では頭を取っていくが(入札に負けない)、その他のエリアでは他の大手とバーターで共同事業を推進していく」と語った。

 リップサービスも忘れない。「このマンションは取得が半年遅れていたら、間違いなく坪300万円を超える。他のデベロッパーには頑張ってくれ(単価を引き上げてほしいという意味)と言われているが…まあ、竣工までに売れればいい。これから新価格マンションが続々出てくるし、秋には新々価格も供給されるはず」と、真っ向勝負のストレートを投げた。首都圏デベロッパーの記者発表会ではまずこんなやりとりは聞けない。

 発表会の終了後、記者は食い下がった。ストレートで球を投げ返した。「常務、平均では坪300万円を超えないということですよね」という質問に、田中常務は「このマンションは坪単価では語れない。飛鳥山が望める住戸とそうでない住戸を平均して価値を量るのは適当ではない」と答えた。名答だ。まさかここで変化球を投げられるとは夢にも思わなかった。相手は役者が2枚も3枚も上だった。

 この質疑応答・やりとりで、読者の皆さんは売り値がいくらになるか想像できるはずだ。最大の専有面積も86㎡に抑えていることでも、販売戦略が読み取れる。

MR_P05_リビング.jpg
モデルルーム リビング

◇     ◆   ◇

 田中常務は状況の変化を読みながら積極果敢に攻める姿勢を見せたが、京阪電鉄不動産取締役首都圏事業部長・定井和重氏も負けてはいない。

 首都圏での展開について、「近鉄さんと比べたら首都圏は経験が浅いが、今回、近鉄さん長谷工さんと組ませていただいたような取り組みや、第一次取得層向けと都心のコンパクトでアグレッシブに展開していく。今回のようなJVも成長戦略の一つ。積極的にチャレンジしていく」と、意欲を見せた。

 恐るべし、関西の電鉄系デベロッパー。阪急不動産も「ジオ」を積極展開しているし、名古屋圏の名鉄不動産も三交不動産も厳しいときもコンスタントに供給してきた。「大阪都構想」は雲散霧消するか淀川の芥になりそうな気配だが、関西の電鉄系デベロッパーが手を組んだら脅威だ。首都圏でも「頭を取られる」かもしれない。

MR_P14_マスターベッドルーム.jpg
モデルルーム ベッドルーム

赤羽の一等地 野村不動産「プラウドシティ赤羽」(2010/10/14)

 

 

 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン