「70㎡でも75~80㎡と同様の居住性能」 住友不動産「武蔵小杉」販売へ
モデルルーム
住友不動産は10月24日、武蔵小杉の大規模免震マンション「シティタワー武蔵小杉」の記者発表・見学会を行い、11 月2 日(土)にマンションギャラリーをオープン、事前案内会を開始すると発表した。
物件は、東急東横線・目黒線武蔵小杉駅から徒歩4 分、またはJR横須賀線・湘南新宿ライン武蔵小杉駅から徒歩4 分、川崎市中原区中丸子に位置する53階建て全800戸。専有面積は55.23~72.35㎡、竣工予定は平成28 年1 月中旬。設計・施工は前田建設工業。
物件の特徴は、①“武蔵小杉センターゾーン”の大型開発ファイナルステージ「新丸子東3 丁目南部地区」に立地②東急線、JR 横須賀・湘南新宿ラインの「武蔵小杉」駅両方から徒歩4 分③大型商業施設「アリオ武蔵小杉(仮称)」に隣接④〝日本初〟のダイナミックパノラマウィンドウ+アウトフレーム工法を実現⑤水回りを含む間取りとインテリアカラーが無償で選択できる「カスタムオーダーマンション」対応――など。「周辺に多い白やベージュとは一線を画した縦ラインを強調したダークグレー」の外観も特徴だ。
発表会に臨んだ同社住宅分譲事業本部神奈川事業部長・雲見隆行氏は、特徴について「第三世代のタワーマンション」であることを強調した。同氏によると、「第一世代は従来の思考に基づく高さを競うタワー型」とし、「第二世代は、第一の商品企画の反省に基づきピクチャーウインドウの採用により眺望を重視する進化型」と説明。そして「第三世代とは、眺望重視をさらに発展させ、住戸の間取りに工夫を加え、防災も充実させたもの」とと定義づけした。「自慢のタワーマンション」とも語った。
現在まで問い合わせは5,000件を超えている。第1期分譲は来春。価格は公表されなかった。
外観
◇ ◆ ◇
記者が注目したのは「第三世代のタワーマンション」というコンセプトだ。免震もアウトフレームも珍しくはないが、同社は「我が国初」として「ダイナミックパノラマウィンドウ+アウトフレーム工法」を紹介した。専有面積は最大でも72㎡しかなく、中心は70㎡だが、「アウトフレームとワイドスパン(約12m)を採用することで廊下面積を少なくし、専有面積(壁心)に含まれる壁の面積を少なくすることで実質的に75~80㎡ぐらいのマンションと同じ居住空間が確保できた」という点だ。
比較するものによって異なってくるが、これはその通りだ。間口の狭いマンションなどは廊下面積だけで畳2畳分(約3.3㎡)は違ってくる。廊下がないマンションは味気ないが、専有面積圧縮型には効果がある。大きな間取りタイプをなくしたのは、武蔵小杉のマーケットを考えてのことだろう。
これが奏功するかどうか注目だ。
◇ ◆ ◇
もう一つは、どうでもいいことかもしれないが、発表会に参加した記者の数だ。約40人が集まった。さいきん、大型の共同事業マンションではこれぐらいの人数が集まるが、同社1社単独マンションでこれほどたくさん記者が詰めかけたマンションは少ないはずだ。同社に聞いたら「豊洲かワールドシティクラスと同様で過去最多かもしれない」ということだった。
最近、三井不動産レジデンシャルが新川崎駅前のタワーマンションの見学会を行ったが、台風の影響もあってか記者の数は20人ぐらいだった。「武蔵小杉」と「新川崎」はかなり単価差があるが、競合するかどうか。住友不動産の物件の単価は「新川崎」とは坪30万円ぐらい高く、野村不動産の280万円を超える285万円ぐらいになると予測したがどうか。
参考までに。言うまでもないことだが、「新川崎」と今回の「武蔵小杉」の記者の数の差は物件そのものとは全然関係ない。記者も含めて質が問われる時代だ。
「リニア、圏央道は広域連携を進める絶好の機会」明星大・西浦教授
西浦教授
「何もしなければ座して死を待つばかり」と警告
明星大学教授で多摩ニュータウン学会の筆頭理事、多摩市の多摩ニュータウン再生検討会議の委員などを務める西浦定継氏が10月20日、調布市などが後援する「東京都多摩地区生涯学習インストラクターの会」で「広域で人口減少に対応する方策は? 多摩地域の広域計画を考える」と題する講演を行った。西浦教授は「広域連携」を以前から主張されており、リニアが橋本に停まることの決定をみてどのような発言をされるか興味があったので受講した。
稲城、多摩、町田、八王子、相模原の各市の多摩圏域の現在の人口は約181万人で、2050年には148万人に、2070年には111万人へ減少すると予想されている。西浦教授は「何もしなければ人口は坂道をすべり落ちるように減る。言葉は悪いが、座して死を待つしかない」としながらも、「多摩圏域のポテンシャルは極めて高い。努力すればオセロゲームのように一挙に黒から白に好転する可能性も秘めている」と、各市が行政の枠を超えて連携する必要性を訴えた。
具体的には将来にわたりリスクを軽減する都市の構築へ向けての戦略が必要とし、公共施設をシェアすべきという。空き家・空き地対策も重要で、限界集落などは移住を促す方策もやむを得ないとした。
その一方で、リニアの橋本停車、圏央道の開通は大きな可能性を秘めると強調。「リニアが開業すれば品川から橋本まで10分。橋本は名古屋、関西方面への玄関口となる。企業や研究所の誘致も可能になる。圏央道の開業によって中央道ともつながることになり、さらに多摩モノレールの八王子や町田への延伸、横田基地の利用なども考えると、地域ブランドを確立する絶好の機会」と語った。
西浦教授はまた、米国のデトロイト、クリーブランド、ピッツバーグなどのかつての工業都市が衰退する一方で、成長し続けているポートランドとその周辺都市の大都市圏について紹介。
ポートランドの大都市圏には3つの郡と25の都市があり、人口は約130万人。各郡や各都市にそれぞれ首長はいるが、それとは別に直接民主制で選ばれる地域政府の存在が大きく、クラスター状のコンパクトシティが形成されているという。自転車専用レーンを設けた公共交通システム、森林保全などでも成果を上げていると、西浦教授は話した。
◇ ◆ ◇
わが国でも住民投票で自治体の首長や議員を罷免できる制度がある。また、原発施設、ごみ処理場などの嫌悪施設の建設是非を問う住民投票が行なわれるが、これらは首長や議会に対して圧力をかけることは出来ても法的決定権を持っていいないのが現状ではないか。
ポートランドのように住民投票によって大都市圏の憲法とも言うべき「住民憲章」が設けられているのは驚きだ。
わが国ではあり得ない制度だろうが、土地所有者の声が街づくりに反映できるようにしたり、投票権者に在勤者や外国人居住者にも門戸を広げ、さらに20歳以上という年齢制限も引き下げたりして、住民の声が行政に届くようにすべきだと思う。議員にしたくない候補者に対しては「拒否」権投票が出来るようにすれば、選挙の投票率は高まるはずだ。
◇ ◆ ◇
東京-名古屋間を40分で結ぶリニアの開業予定は2027年だから随分遠い将来のことだが、停車駅となる橋本を中心に多摩エリアの住宅開発などがどうなるか予測してみた。
橋本は、JR橋本駅すぐの相原高校に駅舎ができる。近接するイオンの商業施設はドル箱になるはずだ。マンションの単価は現在、駅近で180万円ぐらいだが、調布と同じぐらいの300万円くらいになるかもしれない。周辺エリアの地価が高騰するのは間違いない。京王や小田急が津久井方面への延伸を打ち出すかもしれない。相模線や八高線の輸送力増強も図られるはずだ。町田、相模大野などの小田急線沿線の住宅需要も高まるはずだ。問題は、橋本にはホテル機能がないことだ。イベントなどは品川などの都心に奪われそうだ。
八王子市もリニアや圏央道の開業によって大きな恩恵を受ける。石森孝志市長は市のホームページで「本市は経済、文化などあらゆる面において”多摩のナンバーワン”であり、多摩地域の牽引役として相応しい真の多摩のリーディングシティを目指している」「私の大きな目標の一つに『中核市への移行』があります。実現すれば東京都初となり、子育て、高齢者、環境、都市計画、景観行政など様々な分野で独自の取組みが可能となる」と、都市間競争に打ち勝つ意欲を見せている。
わが街、多摩市はどうか。どうも相模原市や八王子市の攻勢にたじたじの観がしないではない。デパートもホテルもコンサートホールもあり、丸善もブックオフもある。大学もある。絶滅危惧種の野草も咲く。ポテンシャルはどこにも負けないと思うが、マンションの分譲単価は200万円が大きな壁になっている。
立川、町田、調布、府中などに多摩市は全然勝てない。日野市も豊田駅前で再開発が行なわれている。都市間競争に敗れる前に各市に連携を働きかけ、キャスティングボードを握って欲しいと思う。「多摩ニュータウン学会」も装いを新たにし、「多摩メガロポリス推進協議会」とでもしたらどうだろう。
国交省「省CO2先導事業」に採択 ポラス「大宮ヴィジョンシティ みはしの杜」
「大宮ヴィジョンシティみはしの杜」
調整区域であるために実現した全戸150㎡以上の敷地
ポラスグループのボラスタウン開発と中央住宅が11月8日から分譲を開始する分譲戸建て「大宮ヴィジョンシティみはしの杜」を見学した。国交省の「平成25年度第1回住宅・建築物省CO2先導事業」に採択された物件で、全戸が敷地面積150㎡以上のレベルの高い住宅だ。
物件は、JR大宮駅からバス10分徒歩3分、さいたま市大宮区三橋に位置する全125区画の団地。土地面積は150.24~175.50㎡、建物面積は111.23~117.79㎡、価格は未定だが3,000万円台の後半から5,000万円ぐらいになる模様。建物は木造軸組工法2階建て。第1期は24戸で、来年5月にかけて順次販売する予定。現在、200組以上の事前反響がある。
全体で4件採択された先導事業の中で同社のプロジェクトは、CO2削減の取り組みは当然ながら、ライフスタイルに応える幅広い選択肢を提案した街づくり、1区画150㎡以上という区画割、エネルギーの「見える化」を一歩進めて顧客の自発的な活動によりコミュニケーションツールとして機能するよう提案しているのが評価された。流体解析により近くの川や公園の冷気を取り込むパッシブランドデザイン、環境やエコに関する体験学習プログラムも用意されている。
同社オリジナルの「ヴィジョンHEMS」を開発し、単なるエネルギーの「見える化」だけでなく、クラウド型としているために定期メンテナンス案内、植栽管理サポート、イベントの発信など居住者間のコミュニティ形成に役立つよう仕掛けられているのが特徴。18区画のゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)を設置するほか、全戸に家庭菜園スペース「ポタジェ」も設けられる。
モデルハウスは「可変の家」「素足の家」「フレンチハウス」の3タイプで、それぞれが125戸に計画的に配置される。
購入者がSo-netの〝世界最速〟下り最大2Gbpsの超高速通信「NURO(ニューロ)光」を契約すると、「ヴィジョンHEMS」へアクセスが便利なタブレット端末がプレゼントされる。
◇ ◆ ◇
同社の分譲戸建てはたくさん見学しているので詳細は省くが、一言でいえばかゆいところに手が届く気配りがなされている。1階の天井高2700ミリ、階段ステップ16段、電動シャッター、暖房機能付き洗面室、脱衣棚、食洗機などが標準装備。オープン外構のランドデザインもいい。この価格帯からして極めてレベルが高い。
モデルハウスは「フレンチハウス」のデザインがいい。女性が企画したもので、アーチ型の下がり壁を採用し、さりげなくニッチを設けたり、アンティーク家具をアクセントに置いたりした見せ方が巧みだ。「可変の家」はステンレスカウンターのシステムキッチンが素晴らしい。「素足の家」はやや懲りすぎ。杉板壁は凹凸などつけないで、自然のままがいいと思う。
左から「フレンチハウス」「可変の家」
「素足の家」
◇ ◆ ◇
同社の団地の敷地は、登記簿上の地目は「宅地」で、用途地域は「市街化調整区域」だ。この一角だけが調整区域で、周囲はマンションや戸建てが建つ市街化区域だ。
調整区域は原則として住宅は不可の地域のことだ。どうして、同社の分譲戸建てが建築可能になったのか。長くなってしまうが、「調整区域の開発」について勉強する意味もあるので少し紹介する。
今回の開発が許可されたのは、都市計画法34条14号の規定によるものだ。同項には「都道府県知事が開発審査会の議を経て、開発区域の周辺における市街化を促進するおそれがなく、かつ、市街化区域内において行うことが困難又は著しく不適当と認める開発行為」となっている。また、同法11号には、「市街化区域に隣接し、又は近接し、かつ、自然的社会的諸条件から市街化区域と一体的な日常生活圏を構成していると認められる地域であっておおむね五十以上の建築物(市街化区域内に存するものを含む。)が連たんしている地域のうち…」とある。これは2001年に廃止された同法43条の「既存宅地」制度に似た条項で、「都道府県の条例で定めるもの」となっている。
ところが、さいたま市にはそのエリアを指定する条例がないために、条例が必要でない14号を適用した。長期にわたって宅地として利用されてきたのが開発許可となった大きな理由の一つで、1区画当たり最低面積が150㎡以上となっているのも市の調整区域での宅地開発基準に基づくものだ。
かつて埼玉県では同法34条1号を利用した花屋、八百屋、雑貨屋などの「店舗」が年間で数百戸も〝分譲〟されたことがあるが、最近は規制が厳しくなりそのような店舗は激減している。例外的に「コンビニ」の建設が許可されるケースは増えているようだ。
調整区域開発の参考になるプロジェクトだ。
参考までにある県の「34条1号店舗」として許可されるものを紹介する。織物・衣服・身の回り品小売業、飲食料品小売業、書籍・文具などの小売業、一般飲食店(料亭を除く)、洗濯・理容・美容・浴場業(あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師の施術所)など。風俗営業は不可。管理上必要なものは休憩室、湯沸室、更衣室、シャワー室、便所などで、その規模は20平方メートル以下-となっている。店舗併用住宅は、既存住宅を改造する場合は許可される場合もある。
オープン外構 洗面室の脱衣棚とタオル掛け
「人は宝」 急伸するケイアイスター不動産 瀧口専務が語る
ドムスデザインカーザ
瀧口専務
人口約8万人の埼玉県本庄市に本拠を構え、埼玉県北、群馬県、栃木県などで事業展開している不動産会社、ケイアイスター不動産をご存じだろうか。分譲戸建て、注文住宅事業が中心で、2012年度の売上高は235億円、販売棟数は1.064棟にも上る。5年前と比較すると売上高は1.5倍、販売棟数は2.4倍に伸ばしている。
記者は全く知らなかった。同社がRBA野球大会に今年参加して初めて知ったのだが、どうしてそんなに急速に業績を伸ばしたのかを探るために、同社専務取締役・瀧口裕一氏に話を聞いた。
瀧口氏が同社に入社したのは2008年1月。そして、ご存じのように9月にリーマン・ショックに見舞われた。転機はこのリーマン・ショックにあった。
瀧口氏は、「それまで行ってきた引き回し営業はやめよう。自社でしっかりしたものを造ろう」と方向転換したのがその後の業績アップにつながったという。しかもそれまで行っていた仲介事業からも手を引いたという。
つまり、退路を断ってハウスメーカーへの脱皮を図ったのが奏功した最大の要因だ。現在、分譲戸建てと注文住宅の割合は7:3だが、将来的には1:1にするのが目標だ。注文住宅では、先にオープンした渋谷の「青山展示場」に医療環境・住環境を女性の感性でデザイン監修し、コラボレーションした「ドムスデザインカーザ」を出展した。
また、他社の分譲戸建てを請け負う「規格型請負事業」を3年前から手掛けており、現在は大手の物件も含めて年間100棟を受注している。マンション事業にも進出した。
瀧口氏は、同社の夢を次のように語った。「この業界は消費者にいいイメージを持たれていない。『ザ・不動産』から脱却し、しっかり人を育てる。人は宝。使い捨てなど絶対にしない。あこがれの存在にしたい」
中庭
◇ ◆ ◇
瀧口氏が前職のとき、何回かお会いしている。優秀な企画マンだ。同社に転職したときも電話で少し話を聞いていたが、まさかそんなに成長する会社だとは夢にも思わなかった。
本社の近くにある住宅展示場のドムスデザインカーザのモデルハウスも見学した。イタリアのデザインを取り込んだもので、ロートアイアンのゲート、中庭、ガレージ付きというのが特徴だった。すべて女性スタッフが企画したもので、円形のバルコニーは「ジュリエットバルコニー」と名付けられていた。
ロートアイアンは錬鉄製でなくアルミ製だったのはどうかと思ったが、若い層をターゲットにした住宅としては納得できる出来栄えだった。広いガレージと中庭を設けたのは郊外住宅ならではのアイデアだ。
ケイアイスター不動産 大相撲熊谷場所を協賛
「大相撲熊谷場所」
ケイアイスター不動産が10月12日(土)に行われた日本相撲協会の地方巡業「大相撲熊谷場所」の協賛会社となった。観客は主催者発表で約3,500人。
当日は、幕内力士の土俵入り・横綱土俵入りのあと、熊谷市長が挨拶したのに続き、同社専務取締役・瀧口裕一氏が「創業以来24年目を迎える当社が地域に貢献したいという思いがかなえられて大変うれしい」と挨拶した。
塙社長(右)と瀧口専務
◇ ◆ ◇
大相撲の地方巡業は、年6場所行われる本場所のほかに春夏秋冬に分かれて全国で行われるもので、年間20カ所以上に上る(今年度は25カ所)。開催地は決まっているわけではないが、伊勢神宮と靖国神社の奉納相撲だけは毎年行われる。
日本相撲協会のホームページには、巡業について「親方や力士など大相撲一行、約250名は前日に巡業地に乗り込みます。その時には10日前から現地入りした先発した親方が勧進元(主催者)と会場の土俵や宿泊などの受け入れ体制を整えております」とある。現在、力士は約700人だそうだから、全力士が参加するわけではないようだ。
それにしても日程はかなりハードだ。10月の秋巡業はこの日の熊谷を筆頭に横浜-土浦-浜松-金沢-綾部-丸亀-出雲-広島-松山へと10月だけで11カ所を巡る。9月末にはジャカルタ巡業も行っている。ただ相撲を取るだけでなく、早朝の稽古、握手会、子ども稽古、観客との交流もある。本人はもちろん、体重が成人大人の3~4倍の百数十キロもある大集団が移動するのだから関係者も大変だろう。
横綱白鵬関の土俵入り
創建 子育てママの声を反映した外断熱の新商品「子育てKurumu」発売
「ルナ越谷レイクタウン クルムのまち」
創建は10月21日、入居者からの子育てに関する意見を採用した新商品「子育てKurumu」(木造外断熱工法)を10月26日にモデルハウスをオープンする「ルナ越谷レイクタウン クルムのまち」(80区画)を皮切りに発売すると発表した。
木造外断熱の家「Kurumu」シリーズは1,700戸の供給実績がある同社の主軸商品。「子育てKurumu」は「水」「空気」「安全」「安心」により重点を置き、約1,000人の入居者アンケートの“あったらいいな”“こうだったら良かったのにな”という声を集めてできた商品。
①指詰め・はさまれを防止する引き戸、ソフトクローズ機能付き建具の採用②加湿機能付き換気システム③空気を洗う壁紙④コルクフロア⑤天然素材畳⑥オール浄水-を採用しているのが特徴。
「ルナ越谷レイクタウン クルムのまち」は、JR武蔵野線越谷レイクタウン駅から徒歩15分の全80区画。敷地面積は150.00~196.87㎡。価格は建物約33~35坪の場合「Kurumu」(税込み約63万円~68万円)建物金額総額にプラス100万円が目安。
「子育てKurumu」
三鷹市初の「エコタウン」「環境緑地整備地区」 近鉄不動産・大京「三鷹」
「エルグレード三鷹ザ・ファースト」
近鉄不動産(事業比率50%)と大京(同50%)は10月17日、両社が共同で開発を進めている分譲戸建て「エルグレード三鷹ザ・ファースト」の記者発表会&モデルハウス内覧会を行ない、10月19日(土)からモデルハウスを一般公開すると発表した。両社が共同で分譲戸建て開発を行なうのは初めてで、三鷹市初の「エコタウン開発奨励制度」認定と「環境緑地整備地区」指定を受けた物件だ。
物件は、JR中央線三鷹駅からバス14分徒歩3分、または武蔵境駅からバス8分徒歩3分、三鷹市大沢3丁目に位置する建ぺい率40%、容積率80%の第一種低層住居専用地域の全41区画の規模。敷地面積は110.08㎡~125.61㎡、建物面積87.96㎡~96.04㎡、価格は未定だが、6,000万円台が中心になる模様。建物は2×4工法2階建て。施工はエステーホーム。竣工は平成25年10月下旬から。
三鷹市が今年4月に設けた「エコタウン開発奨励制度」認定第1号プロジェクトで、同制度は開発面積が3,000㎡以上の戸建て開発が対象となり、「創・蓄・省エネ」設備を導入した物件に対してポイントを付与して、ポイントに応じて奨励金を交付するもの。同物件は太陽熱利用ガス温水システム「SOLAMO」と次世代省エネ基準をクリアしていることから246ポイント(1ポイント1万円)を獲得している。
また、敷地面積を110㎡以上、敷地面積に対する緑化率を15%以上確保していること、屋根、外壁などの形態や色彩が周辺景観と調和していることなどから三鷹市で初めて「環境緑地整備地区」に指定された。
発表会で近鉄不動産常務取締役首都圏事業本部長・田中孝昭氏は、「マンションでは大京さんとの共同物件は20件あるが、戸建てでは初めて。都市型戸建てを強化したい双方の考えが一致した。今後も共同してやっていく」と話した。また、大京の事業責任者は「近鉄さんとの共同を含めて当面は年間100戸、5年後には年間300戸を目標にしている」と語った。
第1期1次は今月に竣工する10戸が予定されており、これまでに問い合わせは300件、内覧希望は70件あるという。
◇ ◆ ◇
いい物件だ。間違いなく早期完売する。その理由の第一は割安感があること。
現地に着いたとき、〝どこかでみたような戸建て団地〟が隣にあった。すぐ5年前に東京建物・安田不動産が分譲した団地であることが分かった。詳細はそのとき書いた記事を参照していただきたいが、素晴らしい団地で、早期完売した。価格は7,000万円ぐらいしていた。今回はそれよりかなり安い。安いのは、販売担当者によれば「東京建物さんが用地を取得したのはリーマン・ショックの前。今回はそのあと。価格は低いが物件のレベルが低いとは思わない」ということだった。双方とも現みずほ信託から相対で取得したものだ。
第二の理由は、三鷹市の「エコタウン」の認定を受け、「環境緑地整備地区」に指定されているように、商品開発にかなり力を注いでおり、差別化が出来ていることだ。
建物・外構えは一部しか完成しておらず、全体像がつかめないが、デザインはオリジナリティがある。急勾配屋根やマリオン、付柱・付梁、庇ブランケット、化粧モール、フカシ壁などを巧に配することでシャープな外観を演出している。
◇ ◆ ◇
もう一つ。小さいことかもしれないが、階段はメーターモジュールが採用されていた。一時期、各デベロッパーはこのメーターモジュールを都市型戸建てにも積極的に採用していたが、最近は以前に逆戻りし、尺モジュールが圧倒的に多い印象を受ける。近鉄不動産は「うちの戸建てでは当たり前」とのことだった。
この話を聞いて、近鉄不動産は以前からユニバーサルデザインに熱心だったことを思い出した。同社の首都圏での戸建てをみるのは「手賀の杜」「東大和」「若葉台」以来だが、これらもなかなかいい物件だった。
ユニバーサルデザインで言えば、大京もかつて子会社の扶桑レクセルが徹底したユニバーサルデザインのマンションを分譲していた。
環境にやさしい住宅を供給するのは当たり前だ。同時に人に優しい住宅を供給するのがデベロッパーの使命だ。双方が大激戦の都市型戸建てでユーザーの支持を受けるとすれば、このユニバーサルデザインがヒントになるような気がする。
タウンコーナー(立柱は御影石で、足元はジャワ鉄平が用いられている)
旭化成ホームズが新規事業 卓上水耕栽培「VEGEUNI(ベジユニ)」発売
「VEGEUNI(ベジユニ)」
旭化成ホームズは10月16日、家庭内のどこでも野菜やハーブを育てることができる卓上水耕栽培キット「VEGEUNI(ベジユニ)」を10月21日(月)から発売すると発表した。
2011年に立ち上げた新規事業推進本部「住・くらしプロジェクト」が開発を進めてきたもので、「外構ゾーン」「在宅医療ゾーン」「緑育ゾーン」の3つのゾーンの中の「緑育ゾーン」から生まれたもの。これまでにもある「水耕栽培装置」は実験装置のようなもので、室内に置くには大きいとか価格が高いなどの難点があることに着目、ハウスメーカーらしい「くらし」を提案するためにインテリア性があり、家族のコミュニケーションにもつながる今回の商品開発となった。
土を使わずにハーブを手軽に育てられるLEDライト付水耕栽培キットで、コンセントのある所なら部屋のどこでも置くことができ、世話は週1回培養液を替えるだけで約6週目には収穫することができる。「東京インターナショナルギフトショー2013」の新製品コンテストで準大賞を受賞している。
販売はインターネット公式サイト(http://www.vegeuni-shop.com/)を通じて行うほか、総合オンラインストアのAmazon.co.jp(アマゾン)なども利用できるようにする。
本体(W=336mm、D=150mm、H=336mm)のほか、種2袋(バジル・ルッコラ)、培地6個、養液パック10袋、ACアダプター付きで価格は20,000円。初年度の売り上げ目標は10,000個(2億円)。
◇ ◆ ◇
似たような商品では、昨年5月、柏の葉キャンパスシティ内で三井不動産、千葉大学、パナソニック、みらいが共同で開発を進めている「食物工場」を取材している。旭化成ホームズの商品より大掛かりな装置で、価格は発表されなかったが家電商品並みと聞いた。
今回の商品は安価だし、ギフト商品として受けるかもしれない。戸建てだけでなく、マンションや賃貸居住者向けにもいい。
観賞用植物といえば、サントリーミドリエもある。2009年に設立された会社で、壁掛けタイプだが、土を使用しないので壁への負荷も少なく手入れも簡単なのが特徴だ。昨年度の売上高は3.5億円。露出度も増えている。
積水ハウス 快適で楽しい暮らしをサポートする「あなたを楽しませ隊」運用開始
積水ハウスは10月15日、IBMプラットフォームと連携した対話型HEMS「あなたを楽しませ隊」を開発、運用を開始すると発表した。
エネルギー情報を「わかりやすく・楽しく」見える化し、HEMSメーカーに依存することなく「家」と「お客様」の情報を一元管理し、多様できめ細やかなサービスを顧客に提供するのが目的。
同社によると、これまでの実証実験の結果では、エネルギー消費や発電量のデータはHEMS設置の直後は関心を持って見られるが、2カ月から半年で関心が薄れあまり見られなくなることが分かっているとし、その理由として、表示される数値(例:kWh等)を見た全員が必ずしもその効果や活用方法について直感的にイメージできないためとしている。また、複数のメーカーのHEMSを採用するとデータが分散してしまう問題もあるとしている。
これに対して、同社が開発したシステムは、メーカーに依存しない、データの一元管理と統一サービスの提供を実現した。楽しく、末永く活用してもらうため、キャラクターとオーナーが疑似的に対話をしながら使えるよう工夫を凝らしている。サービスメニューはエネルギー情報から子育て、花粉、インフルエンザ情報から家の点検、ガーデニング、街の防犯情報まで多岐にわたっている。
当初3年間で3万戸の住宅への導入・展開を目指していく。
◇ ◆ ◇
結構なことだ。同社は顧客の家族構成から設置設備、庭木の種類、住宅メンテナンスの履歴まで把握しているという。マンションデベロッパーにはそこまで把握しているところはないはずだ。
「くらしのケアリングデザイン展」10/25~10/30 西武池袋本店
(社)ケアリングデザインとそごう・西武は10月25日(金)~30日(水)、「くらしのケアリングデザイン展」を西武池袋本店 7階インテリアフロア特設会場で開催する。
「ケアリングデザイン」は、インテリアデザイナーでマンションのデザインも手掛ける小野由記子氏(小野意匠計画代表)らが2013年6月に設立。進行する高齢社会の中でデザイン性・機能性を併せ持った使い手の幸福に貢献できる道具や家具、調和のとれた美しい空間を「ケアデザイン」と称す。
期間中は〝Good Over50’s〟をテーマに心地よい道具などが展示される。小野氏や医学博士・長谷川嘉哉氏、コピーライター・岩崎俊一氏、一級建築士・吉田紗栄子氏などのセミナー(長谷川氏以外は有料でケーキセット付き1,000円)も行われる。
問い合わせ・セミナー申し込みは世田谷区岡本1-25-24 ケアリングデザイン 電話03-6805-6270、 E-mail : このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 まで。
◇ ◆ ◇
小野氏が手掛けたマンションモデルルームのデザインに記者は惚れ込んだ。最近は福祉・ケアに力を注いでいらっしゃる。デザイン・医療・看護・福祉・建築を融合する試み「ケアリングデザイン(Caring Design)」が「ユニバーサルデザイン」と同じように一般化するよう期待したい。
〝大手と互角に戦える〟フージャースアベニュー「デュオアベニュー国立」
「デュオアベニュー国立」
フージャースアベニューの分譲戸建て「デュオアベニュー国立」を見学した。デザイン性に優れているのが特徴で、人気を呼んでいるのも当然だ。
物件は、JR中央線国立駅から徒歩16分、国分寺市光町三丁目に位置する全13区画。建ぺい率40%、容積率80%で、1戸当たりの土地面積は121.00~130.61㎡、建物面積は95.86~99.56㎡。構造は2×4工法。施工は津田産業。建物は完成済み。
9月から分譲されており、これまで7戸が契約済み。現在分譲中の住戸の価格は4,798万~6,398万円。住戸プランは、耐震等級や省エネ等級で最高等級を取得しているほか、壁・出隅をR状にしているのが特徴。
◇ ◆ ◇
同社は、フージャースコーポレーショングループが2013年4月に持株会社フージャースホールディングスを設立したのに伴い、戸建事業を継承する子会社として設立された。見学の目的は、装いを新たにした同社がどのような戸建てを分譲するのかを見るためだった。先日、フージャースコーポレーションのマンション「デュオヒルズ府中多摩川」を取材した際、販売担当者から「デュオアベニューは新体制になってデザインを一新した。ぜひ見てほしい」とも言われていた。
正直に書くと、現地を見るまでは半信半疑だった。同社の戸建てはこれまでいくつか見学しているが、レベルとしては〝並〟だった。他社との差別化も今一つだった。それでも売れるのは〝唯一無二〟という不動産の特性によるもので、新会社に移行しても従来とそれほど変わらないのではないかと思っていた。
ところが、現地を見て〝これは売れる。〟〝大手と互角に戦える〟と確信した。都市型戸建てで他社の追随を許さない三井不動産レジデンシャルの物件とそん色ない出来栄えだった。
記者は戸建てでもっとも重視するのはデザインだ。デザインを見て価格をはじき、価格に見合うデザインであるかどうかを判断する。何が素晴らしいかは写真を見ていただくほかないのだが、バットレス、3連窓、ボーダータイルなどの使い方が見事だ。施工を担当している津田産業は三井不動産レジデンシャルの物件の施工も行っているはずだ。
販売を担当する同社マネージャー・五十川清美氏が記者の見立てを裏付けてくれた。五十川氏は「お客さまの評価でもっとも高いのが街並み。『ネットで見たらよさそうなので見に来た』というお客さまが圧倒的に多い」と話した。また、「新会社はデベロッパーの戸建てとして評価されるよう街並みから造りこむことを重視している」とも語った。八王子で全62区画の戸建てを分譲するそうだからまた見学したい。
フージャースコーポレーションはこれまで第1次取得層をターゲットにしたマンションを供給してきたが、フージャースアベニューが大手と互角に戦える戸建てを供給して評価が得られれば、マンション事業もまた違った展開ができるのではないか。