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「オーベル稲城南山」

 大成有楽不動産が近く分譲を開始する「オーベル稲城南山」を見学した。約87万m²の土地区画整理事業による街づくりが進んでいる「スカイテラス南山」の一角に位置し、目の前は公園や雑木林。この緑の環境が評価され、中広域的に集客が進んでいるという。

 物件は、京王相模原線稲城駅から徒歩8分、東京都稲城市の南山東部土地区画整理事業地内に位置する7階建て47戸。専有面積は67.90~95.57㎡、価格は3,400万円台~6,000万円台、最多価格帯は3,800万円台、坪単価は188万円。施工は南海辰村建設。建物は平成29年7月に竣工済み。

 現地は、広大な土地区画整理事業による街づくりが進んでいる「スカイテラス南山」の集合住宅用地・沿道施設用地の一角にあり、保育園、大型スーパーに近接。道路を挟んだ南側は公園予定地で、その奥には戸建て用地や雑木林が広がる。敷地の北側は先に完売した野村不動産「プラウドシティ南山」(412戸)。

 住戸プランは、南向き中心のファミリー向け。同社オリジナルの提案「オレンジラボ」が標準装備。

 来場者のうち25%が稲城市居住者で、中広域から集客できているのが特徴。南側に公園予定地や戸建て、雑木林などが広がる緑の環境が評価されているという。

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モデルルーム

◇       ◆     ◇

 「プラウドシティ南山」が売れ残っているようなら販売は苦しいとみていたが、この4月で完売したそうだ。約2年で412戸が売れたことになる。

 大成有楽不動産の物件は「プラウド」より坪単価で10万円くらい高いが、立地・環境を考慮した値付けだろう。竣工販売にしたのも環境のよさをアピールする狙いがあったからだろう。

 シニア向けに夫婦別室の提案を行っているモデルルーム(83㎡)の提案が面白い。これも竣工販売だからこそできる提案だ。

 50代前半の居住を想定したプランは、夫の部屋が約6.5畳大、その隣に約5畳大の妻の部屋、さらにその隣に5畳大の主に妻用のクローゼットを提案している。

 分譲戸建てでは夫婦別室提案をかなり見学しているが、マンションではほとんど見たことがない。マンションでもニーズはあるはずで、受けるかもしれない。

 タウンマネジメントや里山については、別掲の記事を参照していただきたい。

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モデルルーム

市街化区域編入から44年 稲城・南山の区画整理で分譲開始(2014/9/25)

多摩ニュータウン学会 稲城市の南山東部区画整理・里山を学ぶ(2012/3/26)

地域の魅力をどうアピールするか 野村不動産「プラウドシティ南山」(2015/2/9)

 

 

 

カテゴリ: 2017年度

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「QUWON(クオン)新浦安」

 〝オールスターツ〟のビッグプロジェクト、「QUWON(クオン)新浦安」が始動した。50,000㎡超の第一種低層住居専用地域に、同社グループを始めとする民間グループ、浦安市、明海大学などが連携して防災に強い街づくり、高齢社会対応、子育て支援の強化などの課題を解決し、地域ブランドの回復を目指す事業だ。「QUWON(クオン)新浦安」はその第一弾の4階建て全170戸の免震マンション。

 物件は、JR京葉線新浦安駅から徒歩15分、千葉県浦安市明海二丁目の第一種低層住居専用地域に位置する開発面積約51,000㎡の一角に建つ4階建て全170戸。現在分譲中の住戸(9戸)の専有面積は75.87~129.88㎡、価格は5,058万〜11,698万円。坪単価は260万円。竣工予定は平成30年7月下旬。設計は日建ハウジングシステム・スターツCAM、施工はスターツCAM・(液状化対策工事)竹中土木、管理はスターツアメニティー、売主はスターツコーポレーション、売主・販売代理はスターツデベロップメント。

 開発地には同マンションのほかに戸建(90区画)、保育園、高齢者ケア施設が予定されている。

 7月から第1期60戸の分譲が始まっており、マンションギャラリーのチーフアドバイザー・佐藤勇介氏は「当社初のオールスターツの物件。売れ行きは順調。当社グループのホテルエミオン東京ベイが格安で泊まれるサービスも好評。戸建てとの近居を考えているお客さんもいる」と話している。震災時の被害についてはほとんどの来場者がよく知っているという。

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◇       ◆     ◇

 同社は売上高1,808億円(2017年3月期連結実績)、従業員数7,401名(2017年4月末現在)の大きな会社だが、記者が取材を始めた1980年代は江戸川区のあまたある不動産屋に過ぎなかった。「千曲不動産」という商号だった。

 同社がマンションを積極的に分譲しだしたのは1990年代だと記憶しているが、驚愕したのはユニバーサルデザインをテーマにした2000年竣工の「アルファグランデ市川本八幡」(217戸)だった。駅から徒歩19分の絶望的な立地だったが、ものの見事に早期完売した。記者は、この物件を真っ先に「ベスト3マンション」に選んだ。企画を担当したのはスターツデベロップメント社長・市村義和氏だったはずだ。

 あれから約20年。今回のマンションを取材して、地域密着に徹し愚直に住まいのあり方を追求してきた企業姿勢が社会から評価されたのだろうと改めて認識した。同社は2001年から賃貸住宅の免震化を進めてきたが、これまでの施工件数は389棟9,381戸にのぼり、日本一の数だという。すごい数字だ。

 今回のプロジェクトの用地取得は震災前だった。震災後、新浦安ブランドは地に落ちた。そこで同社は一から企画を練り直した。地盤改良の解析と工事のために約1年、24億円を投じた。そして敷地内に18,000本の砂杭を打ち、さらに敷地外周部に2,280本の杭を打っている。4棟のマンションもすべて免震工法を採用している。

 設計-施工-販売-管理まですべて同社グループが主導する〝オールスターツ〟物件だが、ここに同社の意気込みがうかがわれる。浦安と新浦安の同社グループの拠点を中心に約3,200戸の管理戸数がある。本拠地の一つだ。万全の安全対策を施すことが信頼につながると判断したに違いない。

 住戸プランは、市の規制が厳しいので広めの住戸が多いのは当然だが、間口は最低でも6400ミリ最大9000ミリ、サッシ高2200ミリ、バルコニーの奥行き最大3m、メーターモジュールの廊下幅など千葉県の物件ではまず過去に例がないレベルの高さだ。

 坪単価について。新浦安駅から徒歩15分で坪260万円は高いか安いか、これはユーザーが判断することだ。これ以上書かないが、〝安心・安全〟を価格に換算したら、この値段では絶対に供給できないということだけは確かだ。

 あの時から6年振りに新浦安を訪れたが、あの痕跡をほとんど見つけることができなかった。新浦安ブランドが文字通り一新されることを願う。

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液状化に悲鳴あげる浦安市 道路・上下水道ズタズタ、計画停電も(2011/3/17)

「砂上の楼閣都市」新浦安 それでも住宅はしっかり建っていた(2011/3/17)

 

 

 

 

カテゴリ: 2017年度

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「イニシア世田谷松陰神社前」

 7月に分譲を開始し初月で完売したコスモスイニシア「イニシア世田谷松陰神社前」を見学した。戸数は28戸と小規模ながら、地主の「緑の環境を残して」という意向を商品企画に反映させた、苦戦物件が多い世田谷区で出色の出来のマンションだ。

 物件は、東急世田谷線松陰神社前駅から徒歩4 分、世田谷区世田谷4丁目に位置する6階建て全28戸。専有面積は54.10~76.00㎡、価格は5,098万~7,898万円、坪単価は315万円。施工は大豊建設。竣工は2017年3月。

 第1期1次として23戸を7月8日に、第1期2次として5戸を7月22日にそれぞれ抽選し完売となった。契約者の約70%が区内居住者。4 月下旬にモデルルームをオープンしてから100 件を超える来場があった。

 「既存樹をできるだけ残してほしい」という地主の意向を受け、商品企画に反映させたのが最大の特徴。敷地内にはサクラ、クヌギ、カシなど7本の既存樹を残した。

 用地は、隣接する地主の古民家が建っていた土地で、設計・監理を担当するJWA建築・都市設計は、同社のマンションを設計したことがあり、また地主の自宅の設計も担当した縁から相対で取得するに至った。

 住戸プランでは、住戸内の壁やキッチンカウンターを好みのクロスやタイルでコーディネートする「ホームデコレーションサービスプレミアム」のほか、地域ゆかりのアート、香り、草花をエッセンスとして追加する仕組みを採用。

 共用エントランスには、松陰神社前にゆかりのあるアーティストがこの土地にあった古民家と樹をモチーフに作成したフランス画風の絵が飾られている。

 同社プレスリリースによると「稀に見る緑量ある空間に清々しい『緑の景観』が臨めること」が高く評価された。

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緑道とエントランス

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エントランスホール

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◇       ◆     ◇

 「初月完売」のプレスリリースが届いたのは8月7日。そこには「こんなに素敵な空間を持つ物件は他にない」とのお客さんの声が紹介されていた。

 何事も疑ってかかるのが記者の基本。自分の目で確かめないと記事にできないと判断して同社にすぐ見学を申し込み、実現した。

 プレスリリースは嘘ではなかった。敷地面積は約1,000㎡だが、四囲にびっしり樹木・草花が植えられていた。制約が多い敷地を巧みに利用したランドプランが秀逸だ。

 借景がまた素晴らしい。隣接する「欅ハウス」は、記者も取材したことがあるチームネット・甲斐徹郎氏が企画したコーポラティブハウスだ。それと隣家の邸宅内に立っている世田谷区が指定した保存樹のケヤキがまた見事だった。

 当然といえば当然だが、この借景を居室から眺められるようにしているプランがなかなかいい。

 残せるものは残す。デベロッパーの使命であることを改めて学んだ。

 〝じじい、じじい(爺、爺)〟と暑苦しい嫌味な声で鳴くアブラゼミには癪に障ったが、プレスリリースを引き写しただけでは絶対書けない記事になった。取材に同行してくれた同社の広報担当・Aさんが、59年振りに13連勝した西武ファン(記者は59年前も西鉄ファン)であることを聞き、またうれしくなった。

 取材を終えたとき、緑道を南から北に涼しい風が抜け、一羽のヒヨドリが巨木で羽を休めていた。

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「クリオ日本橋久松町」完成予想図

 明和地所が分譲中の「クリオ日本橋久松町」を見学した。内廊下方式の1フロア3住戸、全戸角住戸が特徴で、約70㎡代のモデルルームの出来がいい。苦戦物件も多い日本橋エリアで、販売開始から3か月で半数以上が成約済みだ。

 物件は、東京メトロ日比谷線人形町駅から徒歩6分、中央区日本橋久松町に位置する13階建て全35戸。専有面積は50.93~70.40㎡、現在分譲中の住戸(3戸)の価格は6,044.3万~7,868.0万円。坪単価は391万円。竣工予定は平成31年1月中旬。施工は新三平建設。

 現地は、このところマンションの供給が激増している東日本橋・馬喰横山エリアだが、アドレスは住宅地としても人気が高い「久松町」。

 建物は、内廊下方式の1フロア3住戸、全戸角住戸が特徴。4月から分譲を開始しており、これまで半数以上が成約済みで、順調に売れている。

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モデルルーム

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 日本橋・馬喰横山エリアではここ1~2年、マンション分譲が増加している。坪単価は軒並み400万円を突破。単価・グロス価格が上昇したため苦戦する物件も多い。

 これに対して、今回の物件は坪単価391万円。抑制気味に価格を抑えているのと、由緒ある「久松町」アドレスであることが評価されているようだ。都内でもっとも歴史のある久松小学校にも近接している。

 70㎡台のモデルルームもデザインに力を入れておりよくできている。セレクトメニューから間取り変更、オーダー対応まで自由に設定できるシステム「conomi」を採用している。

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 大京グループのマンション管理事業を手掛ける大京アステージと穴吹コミュニティは8月1日、マンション居住者向けに業界初の「使用済小型家電の宅配回収サービス」を開始したと発表した。

 リサイクル事業を手掛けるリネットジャパングループとオリックスグループのオリックス環境と業務提携して実現したもので、不用なパソコン・小型家電を宅配業者がマンションの各戸玄関まで回収にうかがう。パソコンを含めれば回収費用はゼロになる。

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「ライオンズ千代田岩本町ミレス」完成予想図

 大京が分譲中のコンパクトマンション「ライオンズ千代田岩本町ミレス」のモデルルームを見学した。同社がコンパクトマンションを分譲するのは2013年以来4年ぶりだが、売れ行きは好調だ。

 物件は、都営新宿線岩本町駅から徒歩4分、千代田区岩本町2丁目に位置する15階建て全53戸。専有面積は25.27~44.24㎡、現在分譲中の住戸(6戸)の価格は3,540万~4,470万円。坪単価は400万円。竣工予定は平成30年2月26日。施工は大京穴吹建設。7月から分譲を開始しており、これまで約半数が契約・申し込み済み。

 現地は、表通りから一歩入った商業地域エリア。建物は1フロア4戸。南側道路の幅員は約8m。住戸プランは南向き・角住戸中心(1フロア4戸のうち3戸)、内廊下方式が特徴。

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モデルルーム

◇       ◆     ◇

 このところ千代田区や中央区エリアでコンパクトマンションが激増している。坪単価も軒並み400万円を突破しており、苦戦を強いられている物件も少なくない。駅に近いとはいえ、馬喰町とか横山町などもともと人が住むようなエリアでなかった。

 ネットでいろいろ検索していたら同社のこのマンションがヒットした。同社が〝コンパクト〟を銘打ったのは2011年の「ライオンズアイル赤坂」、翌年の渋谷区「松濤」、その翌年の千代田区「三崎町」以来だという。

 アドレスが「岩本町」だったので、ひょっとしたら売れるかもしれないと思い見学した。岩本町では昨年、スターツが定期借地権付きの再開発マンションを分譲して人気になったので、〝穴場〟になるのではと考えていたからだ。

 しかし、1カ月で半分も売れているとは全然思わなかった。千代田区アドレスで東京駅まで歩こうと思えば歩ける(約1.5㎞)というのは魅力か。

 約43㎡の角住戸タイプのモデルルームもよくできていた。リビングダイニングは約10.0畳大で、約4.6畳大の主寝室のほか、洋室(約3.0畳大)もある。二重床・二重天井。室内物干しポール付き。

 同社広報は今後のコンパクトの供給については「未定」としているが、用地取得に動いているのは間違いないと見た。

中堅所得層でも手が届く坪350万円 「アルファグランデ千桜タワー」70年の定期借地権(2016/9/5)

大京 〝スマート・コンパクト〟の第一弾「ライオンズアイル(LIONS I'll)赤坂」(2011/1/27)

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 大和ハウスグループの大和ライフネクストは7月26日、千葉県が進める高齢者孤立化防止活動「ちばSSKプロジェクト」の普及のため、県と個別協定を締結したと発表した。千葉県内の分譲マンションの管理を担当する東関東支社(千葉県船橋市)が参画する。この種の取り組みはマンション管理業界初。

 同社は、高齢者世帯に対する定期連絡や訪問による見守りや声かけ、水道検針値異常注意などに努める。このほか、同支社社員は認知症サポーター資格を取得し、高齢者の生きがい、健康、仲間作りに関する活動を支援していく。

 また、高齢者雇用として、高齢者が安定して長く働くことができる体制作り、働く場創出に努める。

 マンション管理業界は、建物の老朽化と居住者の高齢化という「2つの老い」を抱えており、マンション現場に携わる管理員や清掃員の高齢化も大きな課題となっている。

 「ちばSSKプロジェクト」は、高齢者孤立化防止ため具体的な行動を起こすきっかけづくりとなるよう実施されているプロジェクトで、「SSK」は「しない」S、「させない」S,「孤立化」Kのそれぞれアルファベット頭文字を記号化したもの。

カテゴリ: 2017年度

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ホロレンズを体験する同業の記者(左)と同社関係者

 野村不動産は7月21日、7月に分譲する「プラウドシティ越中島」のモデルルーム見学会を行った。坪単価は300万円強になる模様で、価格的には近隣の湾岸物件よりかなり安い。都心に近く、住環境も思われているほど悪くない「越中島」の良さを訴えきれれば早期完売しそうだ。資料請求は約2,000件。

 物件は、京葉線越中島駅から徒歩4分、東西線門前仲町駅から徒歩11分、江東区越中島二丁目に位置する15階建て全305戸。専有面積は63.98㎡~91.24㎡、第1期は100戸くらいの模様で、予定価格は5,400万~9,000万円、坪単価は300万円強になる模様。施工は長谷工コーポレーション。竣工予定は平成31年1月下旬。分譲開始は9月。

 現実世界と仮想世界を複合させた「マイクロソフト ホロレンズ」をマンション販売に活用するのは日本初というのが記者向けの触れ込みだ。「ホロレンズ(HoloLens)」は、日本マイクロソフトが2017年1月から国内の法人と開発者向けに提供を開始した製品で、VR(Virtual Reality)と異なり、現実世界と仮想世界が見えている状態のまま、3Dの仮想物体である「ホログラフィック」を重ねて表示できる。より臨場感が体験できる。

 見学会では、ホロレンズを装着して建設中の敷地を見学すると完成後の建物が見える現場見学会も行われた。

 約83㎡のモデルルームには、IoT家電により予約時間に自動で開くカーテン、カメラ付き・スマホ連動で食材管理ができる冷蔵庫が備えられ、46プランの中から最大2,592通りの無償セレクトメニューのうち「時短コンフォート」を選ぶと、排水-洗浄-お湯張りが自動でできる「自動洗浄浴槽」も提案されている。

 来場者にはパンフレットと同様の内容が盛り込まれているタブレットを配布することでペーパーレスも実現している。同じ取り組みでは三井不動産レジデンシャルが「浜離宮」「晴海」で採用しており、同社も「綱島」で初めて採用した。

 資料請求は約2,000件で、先週、約100組を対象に事前案内会を開催し、約30件の購入申し込み希望があったという。関係者は「想定外の多さ。歩留まり率も極めて高い」と販売に自信を見せている。

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外観

◇       ◆     ◇

 「ホロレンズ(HoloLens)」のことはよくわからない。記者も体験しようと思ったのだが、「屋外で使うことを想定していなかった」(同社広報)ため、暑さのせいでバッテリーが切れてしまい見ることができなかった。記者と同じように体験出来なかった人もいた。なので、このことについては記事にしようがない。スグレモノなのだろうとしか言いようがない。

 それより注目したいのが価格設定だ。同じ湾岸では「晴海」で三井不動産レジデンシャルが、「有明」で住友不動産が、「品川シーサイド」で京浜急行と積水ハウスがマンションを分譲中で、トータルすると約4,450戸にもなる。坪単価は「品川シーサイド」がやや安く308万円からで、「晴海」「有明」は320~340万円(一部予想)だ。

 これらのエリアと比べると、「越中島」は知名度で負ける。越中島駅には普通の人はまず降りない。記者は取材で2度ほど駅に降りたことがある。海洋大でのイベント取材と伊藤忠都市開発が6年前に分譲したマンションの見学が目的だった。行く前は倉庫街かと思っていたが、嫌悪施設はなく、住環境としてはまずまずという印象を受けた。東京駅に2駅だ。

 同社もマイナーなイメージを払しょくするために様々な仕掛けを行ない、価格的な割安感を印象付けようという狙いであることがわかる。記者は坪単価300万円前後を予想していた。300万円をはるかに超えてくるようだと、他の物件には勝てないと読んでいた。坪単価は300万円強と聞いて十二分に戦えると思った。

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ハーバースカイテラス

◇       ◆     ◇

 販売事務所で物件を担当する同社住宅事業本部営業推進部プロモーション課・佐々木まどか氏から声を掛けられた。どなたか全然記憶になかった。佐々木氏から「富久クロスの担当…」と言われ、すぐ「第九」を思い出した。興味のある方は添付した「富久クロス」の記事を読んでいただきたい。

 「越中島」は驚くほどの音楽は流れなかったが、佐々木さん、今度機会があったら記者の好きなラヴェル「ボレロ」、ヘンデル「水上の音楽」を挿入音楽として採用していただきたい。「ボレロ」の演奏時間は約15分。独身の頃、起きて出勤するまでの時間だった。これを聞くとやる気が出た。「水上の音楽」はとにかく美しい。死んだらこの曲を流してもらうようにしている。エンヤも好きだが、これは何か所のモデルルームで聞いたことがある。

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プレミアム・スカイラウンジ

“地揚げ”から30年 坪330万円のマンションに再生「Tomihisa Cross」(2013/9/5)

「富久クロス」完成 四半世紀の波乱乗り切り街再生(2015/9/14)

伊藤忠都市開発 マンション〝空白区〟の越中島に 「クレヴィア越中島」分譲(2011/2/1)

 

 

 

 

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「グランクレール世田谷中町」シニアレジデンス

 東急不動産は7月1日、分譲マンションとシニア住宅の複合開発「世田谷中町プロジェクト」の「グランクレール世田谷中町」シニアレジデンスの入居を開始する。全176戸のうち半分以上が契約済みで、2003年にグランクレールシリーズを供給開始してから過去最高ペースの進捗を見せているほか、分譲マンションの契約者のうち4割強が60歳以上を占めるなど「世代循環型」の街づくりが評価されている。入居開始に先立つ29日、メディア向け内覧会を行った。

 「世田谷中町プロジェクト」は、東急田園都市線用賀駅から徒歩15分、世田谷区中町5丁目に位置するNTTの社宅跡地約3.4haで開発が進められている期間70年の定期借地権付き複合開発。分譲マンション「ブランズシティ世田谷中町」252戸とシニア向け賃貸住宅「グランクレール世田谷中町」(シニアレジデンス176戸、ケアレジデンス75戸)からなる。東京都「一般住宅を併設したサービス付高齢者向け住宅整備事業」第1号選定プロジェクトでもある。

 「グランクレール世田谷中町」は、これまで15施設約1,050戸を供給してきた同社の「グランクレール」シリーズで過去最大の規模。建築基準法第55条の適用を受け、建物の高さ10mから12mに緩和されているのも特徴の一つ。

 専用面積は約38㎡のワンルームから約63㎡の2LDKまで。利用料は前払方式と月払方式の選択制で、月払方式は月額賃料約24万円のほかサービス費、管理費、朝・昼・夜の食費代込みで43万円台から。共用施設はラウンジ、ダイニング、多目的室、大浴場、シアタールーム、ティーラウンジなど。24時間見守りサービス、健康サポート、アクティビティなどのサービス、ケアレジデンスへの住み替え制度も利用できる。

 併設施設は訪問介護事業所、看護小規模多機能型居宅介護事業所、カルチャールーム、コミュニティサロン、認可保育所など。

 同社ウェルネス事業ユニット ヘルスケア事業本部 シニア住宅事業部 事業企画グループリーダー部長・林靖人氏は「過去14年間に蓄積されたノウハウを結集した。昨年7月から募集を開始したが、開業時の契約率は過去最高ペース。契約者は区内が20%強のほか都内が3分の2で、神奈川県も20%強あるなど広域から集客できている。2人入居の広めのタイプから入居が決まっている。親がシニア住宅、子が分譲を購入するケースも5~6件ある。マンション購入者約100件のうち4割弱が60歳以上というのも大きな特徴」などと話した。

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中庭

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ダイニング(左)とカフェラウンジ

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エントランスラウンジ(ランの鉢が約30鉢)

◇       ◆     ◇

 このプロジェクトについては、別掲の記事を参照していただきたい。シニアレジデンスの契約が入居開始時点で半数以上というのにはいささか驚いた。住環境の良さと至れり尽くせりのサービスが評価されたのだろう。高齢化不安・独居不安、地域コミュニティの希薄化などの社会的背景に加え、共働き世帯の増加、保育園不足などの世田谷区が抱える課題を解決する「世代循環型の街づくり」が評価されたと言ってよい。

 もう一つ驚いたのは分譲マンションに占める高齢者の購入比率の高さだ。同じような例では大和ハウス「プレミスト高尾」や相鉄不動産「グレーシアタワー二俣川」でも見られたが、これらはいずれも駅に近い複合プロジェクトだった。駅からやや距離があっても条件が揃えば〝元気〟な高齢者が分譲を選択することが分かった。今後の商品企画の参考になる。

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スカイテラス

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報道陣にふるまわれた昼食(カロリーは550~700カロリー)

東急不動産 「世代循環型」の街づくり「世田谷中町プロジ ェクト」一部完成(2017/4/28)

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「Refio成増」エントランス 

 近鉄不動産は6月23日、リノベーション賃貸レジデンス事業に参入すると発表した。第一号物件として、近鉄グループ企業が板橋区成増に所有していた築25年の社員寮を取得、一棟リノベーションを行い賃貸レジデンス「Refio成増」に転用する。

 物件は、都営地下鉄副都心線・有楽町線成増駅から徒歩5分、東武東上線成増駅から徒歩7分、板橋区成増1丁目に位置する4階建て全28戸。専用面積21.76~25.93㎡、月額賃料は70,000~88,000円。2017年8月リノベーション工事完了。入居開始は2017年8月。

 エントランス部には天然材を使用し、既存建物のタイルとうまく調和させ、専用部内は、無垢フローリングなどの素材を採用。全28戸11タイプの多彩なプランを用意。

 キッチン付き「コモンスペース」の設置やセキュリティの向上など一棟リノベーションならではの共用施設のバリューアップも行う。デザインや素材、ライフスタイルなどにこだわりのある都心勤務の単身者をメインターゲットとする。

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モデルルーム

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