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「Tsunashimaサスティナブル・スマートタウン」

 野村不動産(事業比率60%)・関電不動産開発(同30%)・パナホーム(同10%)の「プラウド綱島SST」を見学した。極めてレベルの高いマンションだ。坪単価270万円台後半も、街全体の価値を含めれば割安感がある。圧倒的な人気を呼びそうだ。

 物件は、東横線綱島駅から徒歩11分、横浜市港北区綱島東四丁目の37,000㎡超の次世代都市型スマートタウン「Tsunashimaサスティナブル・スマートタウン」(Tsunashima SST)内の一角に建つ10階建て全94戸の規模。専有面積は70.76~85.40㎡、価格は未定だが、坪単価は270万円台の後半になる模様。施工は三井住友建設。入居予定は平成30年3月中旬 。販売開始は7月上旬。

 事業地は、野村不動産が主導する約56,000㎡の「日吉複合開発計画地」に近接するほか、綱島駅前では再開発計画もあるなど街が一変しそうなエリアに位置し、敷地面積37,000㎡超のパナソニックの事業所跡地。持続可能な街の実現に向けて10団体が街づくりに参画。CO2排出量の2005年度比40%削減、新エネルギー利用率30%以上などの先駆的な数値目標を掲げ、新たに設置するタウンマネジメント拠点にはタウンエネルギーセンター、水素活用拠点、国際学生寮を設置する。マンションの1階には小規模保育所も設置される。

 参画する団体のうち東京ガスグループはタウンエネルギーセンターでガスコージェネレーションシステムを導入する。JXエネルギーは水素活用拠点の運営に携わり、燃料電池自動車への水素供給のほか、未来の水素社会に向けた各種取り組みを推進する。慶應義塾大学は国際学生寮を開設。Appleはスマート技術開発施設を、ユニーはスマート商業施設をそれぞれ設置・利用する。

 マンションは、①IOTの活用②快適性と経済性の両立➂高い環境性能④「デリバリーステーション」の導入-など業界初・同社初の取り組みが行われる。地区計画により高さ規制20mから31mに緩和されるのが特徴の一つ。

 敷地は準工だが、南側には倉庫がある以外、戸建てに細分化されており高い建物が建つ可能性は低い。

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 いろいろな切り口からアプローチできる魅力的なマンションだ。次世代都市型スマートタウンについては省略する。別掲の記事を参照していただきたい。

 強調したいのは、先日も書いたのだが「CASBEE 横浜」の最高等級Sクラスを取得していることだ。延床面積2,000㎡以上は届け出義務、2,000㎡以下は任意となっている条件はあるが、平成21年以降「S」ランクを取得した分譲マンションは、22年度の「プラウド綱島」「プラウド横濱中山」、23年度の「Brillia City横浜磯子」、28年度の「ドレッセWISEたまプラーザ」とこのマンションの5物件しかない。野村不はこのうちの3物件を占める。

 制度については市のホームページで確認していただきたいが、極めて高い価値がある。仮に市で年間3,000戸のマンションが供給され、1棟当たりの規模が50戸とすると、この8年間で供給されたマンションのうちSクラスは1%くらいしかないことになる。野村不などの意欲的な取り組みを評価したい。東京都の「マンション環境性能表示」制度は★の数で評価するものだが、満点の15点(旧制度は12点)は多くはないが、横浜のSよりははるかに多い。

 何度も書いてきたが、環境性能比用事制度はとてもいいと思うが、質の高いマンションが市場で適正に評価されるようインセンティブを与えるべきだ。そうしないと最高を目指すデベロッパーはいなくなる。行政の印籠だけでは購入者も魅力を感じない。

 専有部の快適性の取り組みでは、積極的な大京と同レベルのパッシブデザインの導入のほか、防水仕様で持ち運びができる「プライベート・ビエラ」が面白い。電気機器のリモコン操作ができ、浴槽でプロ野球中継を見ることもできる。電気機器はパナソニック製でないとリモコンが作動しないのは難点。

 便器もパナソニック製「アラウーノ」だったのには少し驚いた。販売担当の植田忠尚氏によると座り心地が良く、洗浄剤をセットするだけで自動的に便器を掃除してくれるものだった。8階以上のプレミアム住戸にはこれまたパナソニック製の「酸素美泡湯」が標準装備。

 費用がかかり重くて大量のCO2を排出するパンフレットをなくした〝ペーパーレス〟の取り組みもいい。来場者に配布される専用のパスワードが記入された名刺大のカードだ。パソコンにパスワードを打ち込むだけでパンフレットに記載されているものと同様の情報を見ることができる。近い将来、これが当たり前になるかもしれない。

 ペーパーレスは三井不動産レジデンシャルも取り組んでおり、「浜離宮」や「豊洲」ではタブレットがパンフレットの代わりに来場者に手渡される。

 オプションだが、ホテルに見られる電動カーテンをマンションでは初めて見た。リビングに設置されるもので、ちょうど居合わせた同業の名物記者Sさんに「これどうですか」と聞いたら「わたし、お金安くてもいらない」と断った。同感だ。寝室の電動カーテンならわかるが、リビングのカーテンくらい手で開け閉めすべきだ(記者はよく開けっ放しにし「外から丸見えじゃないの」とよく怒られたが)。

 告知開始から2カ月で資料請求は1,000件を突破しており、販売担当の植田忠尚氏は手応え十分のようだ。「第1期は60戸程度を予定している。ここが売れなければ東横線の物件はみんな厳しい」と話した。「Tsunashima SST」の道路を挟んだ対面にある2011年分譲の「プラウド綱島」(99戸)は坪単価は200万円で即日完売している。

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「Tsunashima SST」CO2排出量を40%削減目標掲げる 野村不など会見(2016/3/28)

長期優良住宅が「CASBEE」で評価されないのはなぜ(2013/6/13)

「CASBEE横浜」のSランクを取得した野村不動産「プラウド綱島」 全99戸一挙販売へ(2011/3/3)

 

カテゴリ: 2017年度

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「Tsunashimaサスティナブル・スマートタウン」(Tsunashima SST)

 野村不動産、関電不動産、パナホームの3社は6月15日、パナソニックの事業所跡地で開発中の「Tsunashimaサスティナブル・スマートタウン」(Tsunashima SST)内にあるマンション「プラウド綱島SST」のモデルルームをオープンしたと発表した。

 「次世代の暮らし」を提案するためプラウドシリーズで「初」の商品を多数導入。IOTの活用によりテレビ視聴、インターホン応答、家電のコントロール操作を、エネルギー情報と合わせて一つのデバイスでの操作やスマートフォンによる住まいの遠隔操作を可能とした。

 快適性と経済制の両立を目指すため、パッシブデザインとともに次世代型エネルギーマネジメントサービス「エネコックe」を導入し、2005年度比でCO2約30%削減の実現と、一般のガス併用住宅に比べて約20%の光熱費の削減を目指す。

 さらに、グローバルな環境認証評価「LEED」のGOLD取得を目指し、プレ認証を取得している。また、横浜市の建築物環境配慮制度「CASBEE 横浜」で最高の「S」クラスを取得済み。

 また、「デリバリーステーション」を初めて導入し、マンション内の宅配ボックス設置率を住戸比約35%(一般プラウドの設置率約15%)に引き上げる。

 物件は、東急東横線綱島駅から徒歩11分、10階建て94戸。専有面積は70.76~85.40㎡。施工は三井住友建設。竣工予定は2018年2月中旬。

 告知開始後約2カ月で資料請求数1,000件を突破している。

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 レベルの高いマンションであるのは間違いない。過去8年間で「CASBEE 横浜」の「S」ランクを取得した分譲マンションは、22年度の「プラウド綱島」「プラウド横濱中山」、23年度の「Brillia City横浜磯子」、28年度の「ドレッセWISEたまプラーザ」とこのマンションの5物件(このうち同社が3物件)しかない。それ以前を含めても6物件くらいしかない。

 近く見学してレポートしたい。

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「プラウド綱島SST」
 

カテゴリ: 2017年度

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「ザ・テラス戸塚グランターミナル」完成予想図 

 大和地所レジデンス(事業比率65%)と菱重プロパティーズ(同35%)が分譲を開始した「ザ・テラス戸塚グランターミナル」を見学した。駅から5分のフラットアプローチで後背地が森、道路を隔てた対面が大規模商業施設「サクラス戸塚」という立地。平均専有面積は77㎡のファミリーマンションだ。

 物件は、JR・横浜市営地下鉄ブルーライン戸塚駅から徒歩5分、横浜市戸塚区戸塚町字二十ノ区に位置する11階建て全175戸。第1期1次(28戸)の価格は4,998万~8,298万円(最多価格帯5,600万円台)、専有面積74.51~93.29㎡、坪単価は260万円。竣工予定は平成31年1月下旬。施工は東亜建設工業・多田建設。

 現地は、1階エントランス部分からヒルトップまで約8層分ある北下がりの斜面地。

 建物は東南向き「ヴィラ ド デリス」とその背後にそれぞれ雁行させた東向きの「ヴィラ ド シエル」「ヴィラ ド ブリーズ」「ヴィラ ド エール」の4棟構成。住戸プランは平均専有面積77㎡のファミリー向けで60プランバリエーションの多彩な間取りを用意しているのが特徴。

 基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、御影石カウンタートップ、食洗機、ミストサウナなど。メーターモジュールの廊下幅を確保しているのも特徴の一つ。

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エントランス

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 東戸塚と戸塚駅圏でのマンション供給が相次ぎ大激戦の様相を呈している。とくに戸塚駅圏では駅前の再開発が完了し、供給増と共に坪単価も高騰。駅近物件は300万円を突破した。

 しかし、単価上昇はグロス価格の上昇につながり、7,000万円が厚い壁と言われている。

 今回の同社の坪単価は、先行する三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス 戸塚フロント」の坪270万円を意識した設定で、こちらのほうが駅から2分遠いこともあるが、低めに設定し、なおかつ面積を広くして競合に負けない商品企画にしている。93㎡のコーナーサッシ付きのモデルルームもよくできている。

 同社広報担当の横山淳二氏から聞いたのだが、同社のマンション期末完成在庫は40戸程度、完成物件の5%しかないという。その理由を聞いたら、上場時と比べ平準化が進んでいるのが大きいという。

 今回の物件は戸塚駅圏最大級(過去10年間においてJR東海道本線「戸塚」駅利用のバス便を除く新規分譲された物件で最大。MRC調べ、2017年1月現在)の規模で、森に隣接するというメリットをどうアピールするか。大手デベロッパーとの競合に挑む。

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ウォーターコート

グロス7,000万円の壁突破した三菱地所レジ「ザ・パークハウス 戸塚フロント」(2017/6/14)

 

 

カテゴリ: 2017年度

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「ザ・パークハウス 戸塚フロント」完成予想図

 三菱地所レジデンスが分譲中の「ザ・パークハウス 戸塚フロント」を見学した。戸塚駅西口から徒歩3分、駅前の市街地再開発が完了し、今後の開発が期待される「戸塚駅西口第3地区」の一角にあり、横浜市有地の公募売却によって建設されているもの。ハードルが高い「横浜市市街地環境設計制度」の適用により、通常約31mから約44mの高さ規制の緩和を受けている。2月から販売を開始し、現在、全106戸のうち約80戸が成約済み。

 物件は、JR・横浜市営地下鉄ブルーライン戸塚駅西口から徒歩3分、横浜市 戸塚区戸塚町に位置する14階建て全106戸(ほかに店舗7戸、地域交流施設1戸)。専有面積は61.37~125.89㎡、6月末分譲予定の第3期(戸数未定)の価格は4,740万~6,750万円(最多価格帯5,900万円台)、坪単価は約270万円。竣工予定は2018年5月下旬。施工はフジタ。事業主は同社のほか大洋建設。

 現地は、物件名にもあるように駅前の戸塚区総合庁舎、戸塚パルソ、トツカーナなどの駅前の再開発が完了し、今後開発が期待される「戸塚駅西口第3地区」のフロントに位置。

 L字型の建物は、「横浜市市街地環境設計制度」の適用により、通常約31mから約44mの高さ規制の緩和を受けているのが特徴。デザイン監修は三菱地所設計の多田直人氏。格子を多用したシンボリックな外観で、基壇部には4種のタイルを採用し、一部ガラスカーテンウォール仕上げとしている。

 1・2階に地域交流施設や「安心して利用できる店舗(未定だが、コンビニなどは不可)」が予定されている。

 住戸は3階からで、採光面が多いプランが中心。ディスポーザ、食洗機、フィオレストーンカウンタートップが標準装備。

 同社第一販売部販売グループリーダー・河嶋謙介氏は、「問い合わせは1,800件超、来場者は約700件。2月末から販売開始し、現在約80戸が成約済みの進捗は計画をオーバーしているが、当社の戸塚駅東口の物件も含め競合を避ける意味でもっと上を目指していた。現状、ファミリーがターゲットのグロスの壁とみていた7,000万円台は残り1戸、横浜市環境設計制度の恩恵を受けた11階以上も残り3戸なので、評価を得られたと考えている。7月には東口の駅近の『ザ・パークハウス戸塚ガーデン』129戸のモデルルームもできるのでぜひそちらも見ていただきたい」と話した。

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ランドスケープ

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 戸塚駅圏のマンションは昨年3月に伊藤忠都市開発他「クレヴィア戸塚」を見学した。まだ少し残っているようで、坪単価300万円(グロスで7,000万円)の壁は厚いのかと思っていた。

 そのグロスの壁を三菱地所レジデンスは破った。駅近の資産性が評価されたのだろう。同社が東口で分譲予定の「ザ・パークハウス戸塚ガーデン」を検討しているユーザーも多いはずだ。いったいいくらの価格設定をするのか。坪300万円の壁を突破するか。

 高さ規制について。もうばかばかしいからあまり書かないが、建築物の絶対高さ規制は緩和すべきだ。この物件は「横浜市市街地環境設計制度」の適用を受けてはいるが、それでもリビング天井高は2430~2455ミリだし、柱・梁型が結構出ている。公開空地や緑化率の確保以外に基本性能や天井高など居住性を制度の評価項目に入れるべきだ。優れたものは思い切った緩和をすれば、優良なストック形成につながる。人=居住性の視点が制度には欠けている。

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モデルルーム

伊藤忠都市×神奈川中央交通×横浜公社 官民協業の「戸塚」人気必至(2016/3/1)

 

 

 

カテゴリ: 2017年度

 マンション管理業協会(管理協)は6月13日、定時総会後の懇親会を開き、先に理事長に就任した岡本潮氏(東急コミュニティー会長)が冒頭、「フローからストックの時代へ大きく変換した今、住みやすい住環境を整えるマンション管理業の役割は益々増大する」などと話したうえで、建物と居住者の2つの〝老い〟への対応に加え、管理員などの従事者の高齢化と人材不足という〝第三の老い〟について具体的な実態調査を行うと話した。業務範囲を明確にする標準管理委託契約書の改定も行うと語った。

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 〝第三の老い〟問題については、前理事長の山根弘美氏(大和ライフネクスト相談役)もしばしば語っており、いよいよ本格的な取り組みが始まる。

 しかし、一口に管理員といっても雇用形態は非正規雇用の準社員、パート、アルバイト、派遣などが一般的で、実態を把握するのは難しい。

 全国にどれくらいの管理員がいるのか管理協に聞いたが把握していないということだった。管理戸数約43万戸のマンション管理業トップの大京アステージはホームページで「管理員等(マンションサポーター)」は5,362名としており、大京グループの穴吹コミュニティの1,761名を合わせると7,123名(16年3月末)だ。管理戸数では大京アステージを上回る約44万戸の日本ハウズイングは「準社員」が3,826名(平均62.8歳)で、このほかパートなどの臨時使用人が6,336名としている。準社員は必ずしも管理員だけではないので正確な数字は把握できないが、双方を合わせると1万人を突破する。

 マンションの全国ストック約634万戸と、両社の管理員の数などから類推して全国の管理員の数は8~9万人とみたがどうだろう。

 同協会が何から手を付けるのか不明だが、管理員の実態を明確にしていただきたい。でないと「マンション管理業に従事する職員が、生きがいや誇りをもって業務ができる環境づくりを強力に推進」(平成29年度事業計画)することは困難ではないか。

 標準管理委託契約書の改定も待ったなしだ。同協会の調査資料でも、業務範囲が不明確なことから〝サービス労働〟に対する管理員のストレスが高いと報告されている。マンション管理の車の両輪の一つである「コミュニティ」の価値をどのように測るのかという難しい問題もある。

 懇親会では民泊新法について来賓の国会議員の方々も触れたが、記者はマンション管理組合がしっかり対応すれば混乱は起きないと思う。

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 懇親会後、新旧役員の歓送迎会が同じ第一ホテル東京内のレストランで行われることを聞きつけ、レストランの前と対面の喫煙室、1階下のカフェで張り込みをした。何か大きなニュースがつかめるかもしれないと思ったからだ。

 残念ながら「何もないよ」(ある役員)で空振りに終わったが、記者と同じようによくタバコを吸う役員などから今後の取材に役立つヒントを得た。

マンション管理協 管理員の待遇改善を重要課題に 呼称も変えてほしい(2017/3/24)

第3の高齢化-マンション管理従事者の高齢化、人材難に取り組む 山根・管理協理事長(2017/1/18)

 

 

カテゴリ: 2017年度

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「オーベル東林間レジデンス」完成予想図

 大成有楽不動産が販売中の「オーベル東林間レジデンス」を見学した。駅から徒歩5分、区画整理された戸建てが建ち並ぶ住宅街の一角で、坪単価190万円という値付けとよく工夫されたオリジナル収納などの商品企画が評価され、第1期48戸が順調に売れている。

 物件は、小田急江ノ島線東林間駅から徒歩5分、相模原市南区東林間四丁目に位置する6階建て全79戸。専有面積は65.41~86.83㎡、現在分譲中の住戸(5戸)の価格は3,360万〜4,490万円。坪単価は190万円。竣工予定は平成30年1月下旬。設計・監理はジムス建築設計事務所。施工は大成ユーレック。販売代理は大成有楽不動産販売。

 現地は、駅から徒歩5分。周辺は土地区画整理事業によって区画割された住宅街の一角。3方道路の敷地は容積率200%の第一種中高層住居専用地域だが、敷地の南面は一戸建てが建ち並んでいる。建物はコの字型で、住戸は南東向き(全体の72%)が中心。

 前面道路幅約6mに面した部分は幅約60m、奥行き約2.6mの「サウスガーデン」とし、住戸のテラス側から道路に向かって樹高を下げる工夫を行っている。  

 住戸の商品企画では、同社オリジナルの「オレンジラボ」をフル装備。マルチシェアストレージ(共用収納)、マルチシューズシェルフ(下足入れ)、マルチクローゼット、オレンジキッチンなど使い勝手がよく収納量を増やせるようにしているのが特徴。

 同社マンション事業本部マンション事業部事業室(第二)主任・堀内文普氏は、「東林間でのマンション供給は8年ぶり。これから大量の供給が始まるので競合に負けない商品企画にした。狙い通り、〝待ってました〟というお客さまが多く、極めて順調に売れている。歩留まりも高い。東向きは3,000万円台からだが、近く分譲される物件に負けない」と話した。

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 坪単価はぴったりだとおもう。この前も書いたが、小田急線小田原線海老名駅西口では約3,000戸のマンションがこれから供給される。一方、小田急江ノ島線では、東林間駅の隣駅「中央林間」駅圏では同社も売主になっている857戸もの「ドレッセ中央林間」が分譲される。さらに「町田」や「相武台前」では野村不動産の「オハナ」もある。大激戦となるのは必至だ。

 同社の今回の物件は、住環境がよく駅に近いという利点もあるが、高値追求は難しいと読んでいた。坪190万円はぴったりだと思う。

 一つ強調したいのは収納、とりわけ今回初採用した「オレンジドレッサー」がよく工夫されていることだ。

 ①掃除がしやすい②化粧がしやすい③収納がたっぷり-この3つを満たしているもので、掃除がしやすいように壁付水栓を採用、化粧がしやすくするためには三面鏡のガラスは顔と30㎝くらいにし、ゴミ箱などが入る底板なしスペースを設けている。全体的なデザインも美しい。

 〝しっかり造り込みをすれば売れる〟見本のようなマンションだ。

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「オレンジドレッサー」

カテゴリ: 2017年度

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 冒頭の間取り図は、間口が6m、奥行きが10mの専有面積60㎡の3LDKプランだ。これを見て「これはうちのマンションじゃない」と言い切れるデベロッパーはどれだけいるだろうか。ほとんど皆無ではないか。

 マンション建設費が高止まりで推移するいま、デベロッパーはグロス価格を抑えようと懸命になっている。その苦肉の策として18坪の3LDKが登場した。

 この現状を、かつて長谷工コーポレーション(当時長谷川工務店)の専務から長谷工不動産社長などを歴任したトータルブレイン・久光龍彦社長(76)は皮肉交じりに次のように語った。

 「もう30年以上も昔、故・佐藤美紀雄先生に散々叩かれて困り果て、お蔵入りさせた田の字型の『コンバス』が亡霊のようによみがえった。これはダメですね。デベロッパーは考えなきゃ」

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 久光氏が語った「コンバス」とはどのようなものだったかを少し長くなるが紹介する。

 「コンバス(CONdominiumu BUilding System)」は、長谷川工務店が昭和48年に編み出したマンションの究極の経済設計工法だ。間口が6m、奥行きが10mないしは11mの専有面積は60㎡(18坪)から66㎡(20坪)というという3LDKプランだ。形状が「田の字」型であるため「田の字型プラン」と呼ばれた。

 この経済設計プランは、絶対的な住宅不足解消とマンションの大衆化に貢献した。同社はマンション施工№1という位置を不動のものとした。

 コストを抑制するためには戸数を確保する必要があったため、ほとんどが住環境に難があり規制が緩やかな工業系用途地域に建設されたのも特徴だった。

 ところが〝不況下の大量供給〟が続いた昭和57~58年、郊外の施工比率が30~40%にも達し、どこに行っても同じ間取で住環境に難がある「コンバス」に対する風当たりが強まった。

 批判の論陣を張ったのは住宅評論家の故・佐藤美紀雄氏だった。自称〝弟子〟の記者も徹底して〝長谷工叩き〟の記事を書いた。

 記者がもっとも腹が立ったのは、同社とデベロッパー各社がこの20坪の「コンバス」を「全戸住宅金融公庫付き 広い3LDK(64.40㎡)・2,230万円から」と堂々と広告で謳ったことだった。

 当時、建設省は国民の豊かな住生活を確保するため住宅建設五箇年計画を策定し、第4期五箇年計画(4期五計)では誘導居住水準として都市居住型は4人家族で91㎡、平均居住水準として4人家族で86㎡の目標を掲げていた。

 この4期五計を武器に記者は「御社は国の政策に逆行しているではないか。どうして20坪にも満たない間取りを〝広めの3LDK〟などと宣伝するのか」と捻じ込んだことがある。天下の長谷工が応じるはずはなく、けんもほろろ門前払いを食らった。

 ところが、マンションが売れないのは「長谷工」のせいと、施工が長谷工であることをわからないようにする「長谷工隠し」を行ったデベロッパーが現われた。野村不動産だった。新聞広告に施工会社を掲載せず(公取の違反ではない)、現場では長谷工施工を示す「HK」マーク付きのシートに覆いをかけた。記者は「長谷工隠し始まる」と記事に書いた。

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 いまはどうか。オリンピック景気に沸くゼネコンは、叩かれてばかりいた積年の恨みつらみを晴らそうと反攻に出た。「マンションはやらない」と公言するスーパーゼネコンの幹部がいるほどだ。

 困り果てたデベロッパーがそれこそ手すり足すり、長谷工に「とにかく安くしてくれ」と泣きついているのが現状だ。かつて長谷工がコンバスを売り込んだのと逆の現象が起きている。

 〝長谷工頼み〟がどの程度のものかを示すデータがある。2016年度の首都圏供給戸数に対する同社の施工シェアは100戸以上で56.0%、400戸以上だと実に60.4%に達する。つまり大規模マンションの2戸に1戸は同社施工ということになる。

 冒頭の間取り図は、コストを最優先するデベロッパーが過去の遺物であるコンバスを思い出し、長谷工に再びやらせて出来上がった。

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 残念ながら、亡霊のようによみがえった「コンバス」は成功しているとはいいがたい。では、どうすればいいか。久光氏が一つの解決策を示した。

 「わたしが長谷工不動産の社長に就任し、コンバスから脱却しようと社運をかけたのが『モアクレスト』でした。第一弾の『西台』はよく覚えています」

 「モアクレスト西台」は、昭和62年に竣工した東武東上線東武練馬駅から徒歩7分の11階建て全181戸のマンションで、もちろん施工は長谷工コーポレーション。売主は長谷工不動産。最多価格帯は4,900万円台、坪単価は180万円だった。

 分譲開始は昭和62年2月。第1期79戸が最高72倍、平均27.0倍で即日完売した。引き続いて4月に分譲された第2期89戸も最高84倍、平均26.5倍の競争倍率で即完している。図面が示せないのは残念だが、バルコニー側に3室設けたワイドスパンの71㎡プランや、LDKが18畳大で主寝室が7.9畳大のプランなどを盛り込んでいる。

 今では信じられないような人気だが、当時、不動産市場は〝狂乱〟状態で、62年2月の供給量3,596戸の月間契約率は91.5%だった。

 記者は当時、マンションと建売住宅の全物件の販売状況を毎月調べており、中古でも築9年の「ドムス青山」が坪2,320万円(8億8,000万円、125㎡)で成約されたと記事にしている。

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 昭和62年当時と今はまるで逆だ。第一次取得層の所得が伸び悩み将来不安もぬぐえず、デフレ脱却も絶望的でシュリンクする一方の新築マンション市場の中で果たして田の字型プランは有効か。考え直す必要がありそうだ。

「デフレ脱却絶望的。郊外マンション価格は下がらない」トータルブレイン・久光社長(2017/5/30)

 

 

 

カテゴリ: 2017年度

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「海老名 ザ・レジデンス」完成予想図

 サンケイビル(事業比率49%)・名鉄不動産(同)・長谷工コーポレーション(同2%)3社が共同して分譲している「海老名 ザ・レジデンス」を見学した。この物件を含め5物件約2,000戸もある小田急線・相鉄線海老名駅西口エリアのマンション計画の先陣を切る全412戸の大規模物件で、まずまずの売れ行きを見せている。

 物件は、JR相模線海老名駅から徒歩9分、小田急線・相鉄線海老名駅から徒歩11分、海老名市泉二丁目に位置する15階建て全412戸(Ⅰ工区:206戸、Ⅱ工区:206戸)。専有面積は67.02~83.38㎡、現在分譲中の住戸(15戸)の価格は3,948万〜5,398万円(最多価格帯4,300万円台、4,500万円台)、坪単価は200万円強。竣工予定は平成30年7月。設計・施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。

 昨年11月から分譲されており、これまで平成30年1月完成予定のⅠ工区:206戸を供給済みで、約180戸が成約済み。

 現地は工業地域だが、2015年に開業した「ららぽーと海老名」をきっかけにマンションやオフィス・商業施設計画が相次いで発表され、もっとも注目されているエリアの一角に建つ。

 エントランス・空間デザイン監修はウイ・アンド・エフ ヴィジョン(石倉雅俊氏)。ディスポーザ、御影石キッチンカウンター、食洗機が標準装備。月額500円からの全戸平置駐車場付きが特徴で、購入者の95%が利用希望者。

 販売担当長谷工アーベスト東京支社受託販売部門販売二部販売部長・三宅聡一郎氏は、「横浜に近い。3路線が利用可能。沿線に大企業の工場などが多く、都心志向でもない。街の将来性期待などが評価ポイントで、100%平置駐車場にしたことで95%の購入者が利用希望していることからも、この企画がヒットした」と話している。

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エントランス

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 三宅氏の言葉が全てを物語っている。坪単価200万円強は高いような気がするが、土地代がただでも160万円以下ではできないはずで、「ららぽーと海老名」に徒歩5分の立地を考えれば〝安い〟と考えられなくもない。

 それにしても、かつては田んぼばかりだった海老名西口エリアの開発計画がすごい。これから続々マンションが分譲される。

 今回のマンションの近くで三井不動産レジデンシャルが「パークホームズ海老名フォレストプレミア」84戸(施工:長谷工コーポ)のモデルルームをオープンするほか、同社はもう1棟供給する。

 「ららぽーと海老名」に隣接するエリアでは相鉄不動産・伊藤忠都市開発・鹿島建設の3社JVの免震タワーツイン「グレーシアタワーズ海老名」477戸(施工:鹿島)が建設中で、今秋に分譲される。坪単価は200万円をはるかに突破するのは間違いない。記者は坪230万円くらいが妥当ではないかと見ているが、相鉄不「二俣川」は坪単価280万円で圧倒的な人気になった。ひょっとすると250万円くらいになるかもしれない。

 このほか、新日本住建「(仮称)ファインスクエア海老名」40戸(施工:西野建設)もある。

 さらに、詳細は決まっていないが、小田急電鉄が駅前の約3万5千㎡に及ぶ複合ビッグプロジェクト「ViNA GARDENS」を進めており、2025年までタワーマンション3棟を完成させる予定。1棟当たり約300戸トータルで900戸くらいになると予想される。同社は事業主で、マンションの建築主は小田急不動産と三菱地所レジデンス。施工は三井住友建設。年内には概要が見えてくるはずだ。

 小田急は「長期ビジョン2020」で海老名駅を「沿線中核駅」として重要なエリアと位置付けており、昨年3月、海老名駅にも特急ロマンスカーが停車するダイヤ改正を行った。このプロジェクトに相当の力が入っている。

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小田急「ViNA GARDENS」

カテゴリ: 2017年度

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「ザ・パークハウス 金沢城公園」完成予想図

 三菱地所レジデンスは6月5日、北陸初で北國銀行が70年間にわたり本店を構えていた跡地マンション「ザ・パークハウス 金沢城公園」 のプロジェクト発表会を行った。金沢城公園や兼六園に近い銀行や証券会社、ホテルなどが建ち並ぶ一等地で、坪単価は金沢最高峰の200万円を突破する可能性もある。

 物件は、北陸新幹線金沢駅から徒歩16分、石川県金沢市下堤町に位置する15階建て全68戸(事業協力者住戸9戸を含む)。専有面積は69.70~154.36㎡、価格は未定だが4,000万円台が中心、坪単価は200万円前後になる模様。竣工は2018年8月下旬。施工は熊谷組。販売開始は7月中旬。販売代理は金沢の販売実績が多いリノベスト。

 現地は、銀行、証券会社、ホテル、オフィスビルなどが建ち並ぶ一角。金沢城公園へ徒歩5分、めいてつエムザに徒歩3分。

 建物の外壁は、職人が丁寧に塗り重ねて完成させる職人塗装とし、エントランス内の壁や外壁の一部には石職人が丹念に削り出す天然石の「のこびき細工」を施す。

 基本性能・商品企画では、オール電化、エコキュートを採用、二重床・二重天井、ディスポーザー、食器機、浄水器一体型水栓、リビング・ ダイニング床暖房が標準装備。

 発表会に臨んだ同社執行役員・小山健介氏は「金沢は、北陸新幹線の開業によって地価が上昇し人口も増加。マンションも倍増し、マーケットの成長を感じさせる。マンション供給は当社初だが、北國銀行新本店やNHK放送会館の設計(三菱地所設計)を担当している。用地は北國銀行さんとの縁があり取得した。問い合わせは首都圏や関西圏、名古屋圏で3割に達するなど500件を突破。手応えを感じている。第2弾、第3弾も適地があればやりたい」などと語った。

 同社調査によると、金沢のマンション市場はリーマンショック前後の09・10年の供給がゼロだったが、15年の北陸新幹線の開業を機に供給が増え(15年は300戸近く)、坪単価は08年の120万円強が170万円くらいに上昇、価格も空白前の3,000万円台前半から4,500万円近くまで暴騰している。

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建設中の現地

◇       ◆     ◇

 さすが三菱地所というべきか。ブランド力を誇示するために金沢金箔で建物を覆うような地元の顰蹙を買う愚を犯していない。その代わり、外壁は職人塗装とし、基壇部に「のこびき細工」を施すなどさりげない演出をして高級感を醸し出しているのはいい。(他のマンションをいくつか見たがみんなそれなりのものばかりだった)

 設備仕様は首都圏の同社のマンションとほとんど同じだが、金沢駅圏ではディスポーザーも食洗機も床暖房、ソフトクローズ引き戸は珍しいそうだ。

 坪単価について同社は明言を避けたが、これまでの最高単価となる200万円(大和ハウスの「香林坊」は坪200万円以下だったようだ)を突破する可能性も否定しなかった。

 記者は北陸のマンション市場について全く分からないのでこれ以上触れないが、加賀100万石の一等地で北國銀行本店跡地のマンションなのだから高値挑戦すべきだ。

 驚いたのがホテルラッシュだ。同社が配布した資料にはビジネスホテルやリノベーションも含む計画が12もある。同社のマンションに近接するホテルも2つ建設中だ。

◇       ◆     ◇

 2時間くらいかけて現地周辺や長町武家屋敷跡地を歩いた。きれいで水量が豊かな水路や贅を尽くした武家屋敷を見で、さすが加賀100万石と改めて感心した。

 駅に戻り、地元の肴で地酒を飲んだ。岩魚の骨酒(岩魚を丸ごと焼いて酒にひたしたものだが、本来は頭だけを焼いて熱燗で飲むもの)を除き帰るのが嫌になるほどおいしかった。

 土産を買わないと怒られると思い「のどくろ」などの〝高価〟な干物を買って帰ったら「なによ、これ。韓国産じゃないの」と怒られた。(買った記者が悪いのだが、干物やさん、これはない)

 創業150年の和菓子屋では「うちの和菓子が一番」と勧められるままその他の土産も買ったが、おいしいのかそうでないかは…。(国産でしょうね)

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以上、長町武家屋敷跡(下2つは「野村家」の庭園と茶室天井。天井は下材に桐板を採用し、その上に神代スギを重ね、みどりの松で押さえたもの)

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「四谷コーポラス」

 旭化成不動産レジデンスは5月30日、わが国初の民間分譲マンション「四谷コーポラス」の建て替え決議が3月25日に成立、5月に全員合意となり、9月に解体工事に着手すると発表した。

 「四谷コーポラス」は、1956年(昭和31年)竣工の築61年を迎える5階建て全28戸のマンション。専有面積はフラットが約51㎡(4戸)、メゾネットが約76㎡(24戸)。メゾネットの価格は1戸233万円で、大卒の初任給が1万円程度だった当時、時代の最先端をいく高級住宅だった。従後は6階建て51戸(販売戸数28戸)、専有面積は約38~55㎡となる。2019年7月竣工予定。

 建て替え・大規模修繕等の検討会が2006年にスタート。その後東日本大震災をきっかけに耐震性能への不安が顕著化し、建物の高経年化に伴う給排水管の老朽化などの理由から建替えを中心に検討することとなり、決議が成立した。

 同社は、区分所有者(25名)の大半が再建後のマンションを再取得することを考えているため、権利者それぞれの想いや要望に丁寧に応えるオーダーメイドの住戸プランニングを行うとしている。

◇       ◆     ◇

 このマンションが建て替えられることは「週刊住宅」関係者から聞いていた。理由は明かせないが、記者が35年前の昭和57年6月24日号「週刊住宅」で全8段を使ってこのマンションの記事を書いたことがあり、その記事コピーを送ってくれたからだ。

 同紙が破たんしたいま、その記事コピーを掲載するのは著作権の問題がありそうなので紹介できないのが残念だが、確か1週間くらいかけて取材して記事にした。(興味のある方は国会図書館でどうぞ。コピー&ペーストの記事でないことは分かっていただけるはずだ)

 旭化成不動産レジデンスはプレスリリースで「日本初の民間分譲マンションとされる」と伝聞調にしている。当時、「日本初」が諸説あり記者も悩んだ。いろいろ調べた結果「日本初」と書いたのを記憶している。

 あの時は梅雨のうっとうしい天気が続いた頃だ。5~6人にインタビューした。みんな快く取材に応じてくれた。分譲時の担当者の声をストレートに伝えようとして書いた。

 驚いたのはまだ駆け出しの記者が「中高層集合住宅の老朽化問題は、日本ではこれから直面する未経験の課題である」と書いていることだ。当時、マンションの建て替え事例は2例しかなかった。少しは先を見る目があったと、読み返して安堵した。それにしても、昨日食べた夕食が何だったか忘れるのに、35年前の取材がどうしてよみがえるのか。パンフレットは2色刷りだった。

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