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「第15回ジャーブネット全国大会」(目黒雅叙園で)

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記者会見する宮沢氏

 わが国最大の地域ビルダーのネットワーク「ジャーブネット」(主宰:宮沢俊哉アキュラホーム社長)の「第15回ジャーブネット全国大会」が7月3日行われ、宮沢氏が会見した。

 今年がアキュラホーム設立20周年、ジャーブネット35周年の記念の年であることから、宮沢氏は「5年くらい前から会員だけの大会ではなく開かれた大会として取り組んできたが、同業や学会の関係者なども参加していただき、500名を超える参加者となった」と報告。

 アキュラホームの業績としては、前年度は受注棟数1,546棟、売上高396億円で、20年連続して増収となったこと、ジャーブネットは受注棟数7,235棟(前年は7,638棟)とやや減少したが「棟数より中身」を重視した結果だと報告。「ここ数年は会員の勧誘は行っていない。安定的に受注し持続可能な経営体質を築くことが大事」と強調した。

 今年度の目標としては、会員の1割くらいしか達成できていない①お客様に良い家をつくる理念を持つ②一生懸命勉強し、連携する③自己資本比率25%・営業利益3%・完工棟数10棟-を超える会員比率を1.5倍に増やすことを掲げ、商品のバリューアップとコストダウンに一層取り組むとした。

 新しい取り組みとしては、一流の匠とのコラボレーションを進め、住生活研究所の設立、京都大学との共同開発などを行うと語った。

 永代ビルダー塾のさらなる推進にも力を入れ、8月には完工棟数100棟、営業利益1億円の優良ビルダー塾(仮称)を発足すると話した。消費増税対策としては、「狩猟型はアップダウンが激しいが、お客様に寄り添う農耕型は平準化に成功している。ワンパターンの受注営業ではなく、知恵を絞り総員営業の考えが大事」と日常活動の大切さを訴えた。

 大会では、東京大学大学院教授・松村秀一氏が「『箱の産業』から『場の産業』への大転換」と題して、京都大学大学院教授・高田光雄氏が「住こなすことを楽しむ文化」と題する講演をそれぞれ行った。両氏と風代表取締役・大久保恭子氏による「木造住宅の未来~つくり手の挑戦×住み手の改革」をテーマにした鼎談も行われた。

 

カテゴリ: 2014年度

 大手不動産会社など9社の広報が主催する恒例の「不動産広報研究会記者懇親会」が7月2日に行われたが、記者は極めて不愉快な気分にさせられた。懇親会は毎年行なわれており、この日は主催者側からは50人近くが集まり、国交省の記者クラブに所属する一般紙や業界紙の記者、フリーのジャーナリストや関係者はその倍くらい参加していただろうか。

 会が始まって数十分くらい経過したときだ。ある業界誌の女性編集長が挨拶に立った。女性が挨拶するのはおそらく初めてのことだ。この会社のWebは充実していて記者も重宝している。とても嬉しかった。編集長は自らの最近の取材活動などについて語ったのだが、あろうことか多くの参加者は私語を交していた。壇上の編集長に背を向けている人もたくさんいた。編集長の話をメモしていた記者は怒りがこみ上げてきた。

 編集長の話が終わってから、隣にいた女性に感想を求めた。この方も「半数くらいの人は聴いていなかったのでは」と不快感を示した。女性編集長にも聞いた。「話を聴いている人も聴いていない人もいた」と答えた。先輩記者は「いつものこと」と問題にしなかった。

 記者は「いつものこと」ことと済ませることはできなかった。男性であろうと女性であろうとどのような立場の人であろうと、宴が盛り上がっているときに静寂を取り戻すのは難しいこともよく分かる。しかし、会話を中断して話を聴く思い遣りが欠けていた。

 かくいう記者も謝らなければならない。この日は、懇親会を主催する会社9社のうち7社とそのグループ会社も参加するRBA野球大会の取材で、5時間くらいグラウンドを駆けずり回っていた。

 一度、社に戻り試合結果をホームページにアップして、懇親会に出かけるときに、若い女性社員に聞いた。「この恰好、どう? 」その女性は眉をしかめながら「会合に参加する人によると思います」とズバリ核心を衝いた。複雑な気持ちで参加したが、よれよれのジャケットを着ていたし、疲れは表情に出ていたはずだ。

 結果的には、記者の身なり・振る舞いは、礼を欠いた参加者と似たり寄ったり、五十歩百歩だと思った。不快な思いをされた方々にお詫びしたい。不愉快な思いをしたために、9社のうち半数くらいの会社の広報の方と話ができなかったのも残念至極。

◇     ◆   ◇

 記者もそうだが、この懇親会は取材する側とされる側の距離を縮め、とくに取材チャンネルを持たない若い記者やフリーの記者にとってはこれほどありがたい会合はない。取材ネタの宝庫でもある。

 われわれにはメディア・リテラシーが問われているが、それ以前の品性・マナーについても考えなければならない。

カテゴリ: 2014年度

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黒住昌昭氏

 昨年8月、財団法人住宅管理協会が担っていたUR賃貸住宅の管理業務を引き継いで設立された株式会社URコミュニティの社長に、前マンション管理業協会理事長で大京アステージ会長だった黒住昌昭氏(72)が就任して10カ月が経過した。今から2年前、「70歳になったら仕事を辞める。男の美学だ」と宣言して理事長職も会長職も退いた黒住氏がどうして舌の根も乾かないうちに新会社の社長に就任したのか-黒住氏にインタビューした。

◇     ◆   ◇

 -「男の美学」と宣言し全て辞められてから1年でどうして社長に就任されたのか

 「そう言われるだろうと予測していた。13兆円の借金を抱えるURが新会社の社長に官僚OBを据える訳にはいかないということで〝トップはあいつだ〟と私にお鉢がまわってきたのだろうが、受けた以上、老骨に鞭打ってお役に立とうと決めた。ドラスティックには進めないだろうが、この8カ月間でじわじわと分かってきた。真っ先に手をつけたのが会議。エンドレスの会議は禁止した。定時にスパッとやめると、出席者全員がそれ以降の時間に予定が入れられる」

 「全国にある70数万戸に住んでいらっしゃる居住者の皆さんはお客さん。滞納者も同じ。これまでは無駄もあったし、お客さん目線が欠けていた。しかし、社員のレベルはみんな高い。このよさを生かし〝住まう〟楽しさをお客さんと一緒になって考えていきたい。孤独死などは何とかしてなくしたい」

 「独法改革で随意契約はダメになったが、全て競争入札制にして〝安かろう悪かろう〟でいいのかという問題がある。入居者も不幸になる。一定の質を保つためにも継続性が必要だ」

 (記者は「男の美学」も立派だが、絶対にみこしを担ぐ人や集団が現れるだろうとみていた)

 -山根弘美氏の理事長抜擢は見事だった

 「山根さんにバトンタッチすることは退任する2年半くらい前から考えていた。私など現場を全然知らないが、山根さんは現場のたたき上げ。樋口さん(大和ハウスの樋口会長)はさすがだし、山根さんもすごい。最初は固辞されたが、最後は他の理事の方も含め了承してもらった。俺の目に狂いはなかったと、少しは自負している」

 -辞めてから何をされていたか

 「青山のNHK文化センターに1年通い、中高年の女性ばかりの中で水彩画を習った。私はもともと画が好きで中学のとき総理大臣賞を受賞した。種を明かすと、私は色弱で、色使いが普通と違う。それが評価されたのだろう。銀行(三和)の面接でも、面接の担当者から『当行は色弱者を採用しないんだよ。まあ、しかし、せっかくだからこれが判別できるか試してみよ』と伝票を渡された。私は伝票に記号が付いているのが分かったので、それで仕分けした。その担当者は『完璧じゃないか』と採用を決めてくれた。その後、三和は色弱の基準を撤回した。赤か青か白か黒かの色分けでなく、○△□などの記号でものごとを判別できるようにすれば色弱者が救われる」

 (全国に色覚異常は300万人とか。ユニバーサルデザインの視点からも考えないといけない。絵の話もよく分かる。記者も小さい頃から絵が好きで自分がいちばん上手と思っていた。中学のとき、同級生の色使いに絶句したことがある。えもいわれぬ紅葉が描かれていた。かなわないと思った。あとで彼が色弱だったのを知ったのだが、子供心にも既成概念でしかものごとを考えられぬ自分を恥じた)

 「いま凝っているのは料理。これまで料理などやったことがまったくないが、5、6年前、樋口恵子さんが、大学の会報誌「学士会報」(黒住氏も樋口氏も東大卒)だったか、〝男子厨房に入らずなどと気取って料理をしない人は無能〟などと書かれたのにムカッときて、それから見返してやろうと覚えた。いまでは女房も子どもも孫も美味しいと褒めてくれる。女房に言わせると、レシピ通りにやるからだと」

 (奥さんの言い草は記者もよく分かる。「私のように目分量でやってみなさいよ」という挑発だ。これが難しい。油の温度など何度試しても分からなかった。いつも温度計を差し込んでタイムを計ってから揚げをつくった)

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 記者は黒住氏の話を聞きながら「メザシの土光さん」と呼ばれた故・土光敏夫氏と京セラ名誉会長の稲盛和夫氏を重ねあわせた。土光氏がIHIの社長を退いたあと、東芝の再建を請われて昭和40年に社長に就任したのは69歳のときだ。その後、土光氏は経団連会長、第二臨調会長に就任するが、第二臨調会長は85歳で就任している。

 稲盛氏が2010年1月に日本航空の会長に就任したのは78歳のときだ。記者は「腐っている日航を再建することなど不可能。失敗したら名誉に傷が付く」と心配したが、稲盛氏は見事に再建をやってのけた。

 東芝や日航と同様、現在のURも試練に立たされている。約14兆円の賃貸住宅などの資産を保有する一方で13兆円もの借金を抱えており、独立行政法人改革論議の渦中にある。

 膨大な借金は放漫経営の結果として批判されるのは否めないが、国の住宅政策に沿って良質な住宅供給や都市の再生・活性化に果してきた役割は大きい。優れた技術・ノウハウをどう次代に継承していくのかも問われる。77万戸の賃貸住宅居住者の生活もかかっている。役割は終わったと切り捨てるわけにはいかないはずだ。

 黒住氏は72歳だ。数年前、「死ぬかと思った」(黒住氏)大病を患っているが、2カ月で現場に復帰した。この日の黒住氏は管理協理事長を務めていたころと同じだった。

 この話を黒住氏にしたら「滅相もない」と否定されたが、黒住氏が三和銀行時代に渡邊忠雄会長の秘書を務めたとき、渡辺氏も72歳のときだったと話した。

 帰り際に見せてもらったのだが、黒住氏の机の上にはこの5カ月間で北は北海道から南は福岡まで全国に27カ所ある「住まいセンター」を回った分厚いファイルが置かれていた。ファイルにはびっしりとメモが書かれていた。

 「事前に連絡すると、かえって気を遣わせるし、業務に支障が出てはいけないので自分で場所を確認し、秘書にも告げず出かける。私の顔など知らない受付の女性は『どちら様ですか』と尋ねてくる」そうだ。

 現場を大事にするのは土光氏もそうだった。地方の工場を訪ねるときは秘書をつけず一人で夜行電車に乗り夜行電車で帰るのが習慣だったという。徹底した現場主義を貫いた。土光氏や稲盛氏と黒住氏を重ねあわせて考えたのは間違いでないと思う。URの進むべき方向性を示してくれると確信している。

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 記者の独断と偏見だが、黒住昌昭氏について少し紹介する。

 平成9年6月、バブル崩壊後苦境に陥っていた大京を再建するため当時のメインバンク三和銀行から副頭取を務めた長谷川正治氏と、翌年には当時常務だった黒住昌昭氏が送り込まれた。長谷川氏は大京の社長に、黒住氏は大京管理の社長にそれぞれ就任した。

 長谷川氏は社長就任会見で「早く、早く。早く」を三連発したように、矢継ぎ早に思いきった改革を断行した。完成在庫が山積していたのを逆手にとって「完成販売」なる妙案を打ち出したのもそのひとつだ。一方の黒住氏は地味な管理会社ということもあって表舞台には登場しなかった。しかし、記者は長谷川氏が再建のメドをつけたら後任社長には黒住氏が就任するのだろうとみていた。

 2人の考え方、経営手法にも興味をそそられた。例えて言うなら長谷川氏は名刀政宗だ。切れ味鋭い太刀を真っ向から振り下ろす、柔道に例えるなら背負い投げで相手を畳に叩きつける一本勝ちにこだわる方だった。それまでの不動産業界のトップにはほとんどないタイプの登場だった。

 黒住氏の性格は長谷川氏とは間逆、見事な対象をなした。日本刀ではなくのこぎりだ。歩みは緩やかだが、ギコギコとじっくり時間をかけ確実に大木を倒す樵のような人だと思った。柔道なら一本背負いではなく、寝技に持ち込み、相手を弱らせるか、あるいは〝もう止めよう〟と耳元で囁き、相手に決定的なダメージを与えない寝業師だとみていた。

 その後の経緯は省くが、記者の予測は外れた。平成16年5月。若返りを理由に同社の幹部はほとんど退任し、長谷川社長も健康を理由に退任した。新しい社長には三和銀行出身の山﨑治平氏が就任した。黒住氏はそのまま大京管理の会長にとどまった。

 それから10年。同社は、競争が激しくリスクも多い単品事業のマンション販売の経営からマンション管理を含めた「住生活総合サービス業」へと脱皮を図ってきた。成果を挙げているのは周知の事実だ。

 URコミュニティがどのような路線をこれから歩むのか。そのヒントは今回のインタビューにあると思う。

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「アパホテル<半蔵門平河町>」

 アパグループは6月23日、2010年4月~2015年3月の中期5カ年計画「SUMMIT5・頂上戦略」に基づく20棟目のホテル「アパホテル<半蔵門平河町>」を開業した。

 同計画では、都心3区(千代田・港・中央)を中心に都心部でホテルの客室数10,000室を目指しており、現在まで33棟7,840室を開発(設計・建設中含む)。今回のホテルは20棟目で、東京メトロ半蔵門線半蔵門駅から徒歩3分、客室数は231室。

 山形県が所有する土地をグループ会社のアパホームが賃借し、アパホテルが入居・運営を行なう。山形県民が宿泊する場合は、通常料金の2分の1から3分の1の料金で宿泊できる優待も行なう。

 開業記者発表会に臨んだ同グループ・元谷外志雄代表は、「当初の頂上戦略の目標は7,500室だったが、上方修正して10,000室にした。来年3月までに何とか達成したい。土地も建築費も上昇しており、当社の投資基準に沿わなくなってきたので、今後は脱土地戦略を推し進める。今回は山形県のコンペに当選したもので、脱土地戦略のモデルケースにしたい。巣鴨駅前の都有地や両国のホテルもコンペで当選したもの。幸い内外の需要が旺盛で、都心のホテルは100%稼動が続いている」と語った。

 また、アパホテル・元谷芙美子社長は、「都心の一等地で開業でき感無量。コンペの面接では泡沫候補にされるのではと思ったが、日本一の企画のアパのビジネスモデルが認められた。3件も続けてコンペに勝ち抜くことができた」と話した。

 毎日24室は山形県民優先宿泊が可能。県民からすでに300件の予約が入っているという。

 記者会見での質疑応答は指名制で産経新聞しか指名されなかった。

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元谷アパホテル社長(左)と元谷アパグループ代表

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 記者発表会のあとで行なわれたテープカット、披露宴には同社関係者ら多数が参加。来賓として挨拶した原田義昭衆院議員は元谷代表が主宰する「勝兵塾」の特待生としてアパグループを褒め、上野ひろし衆院議員は「一泊したが素晴らしい」と「素晴らしい」を数回繰り返し、浜田和幸衆院議員も「体験宿泊したが、ベッドもアメニティも素晴らしい。ビジネスホテルの枠を超え、シティホテル並みになった。議員のオアシスになる」と絶賛した。

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 上野議員や浜田議員が体験宿泊した部屋は分からないが、23㎡のデラックスツインは1泊50,000円から。11㎡のシングルは18,000円から。ホテル関係者によるとアパのシングルは9㎡からあるそうで、このホテルは広めということだ。記者は一度も宿泊したことがない。

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23㎡のデラックスツイン

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 元谷芙美子社長は今日も帽子姿で登場。馬鹿を承知で「社長、いったい帽子はいくつお持ちですか」と質問したら、間髪を入れず「230個」と返ってきた。(社長の帽子の数は女性なら誰もが知っている旧聞であることを記者は知らなかった。家に帰って「あなた馬鹿ね。みんな知ってるわよ」とまた馬鹿にされた)

アパ 頂上戦略を軌道修正 坪800万円超えで単価トップ目指す(2014/6/24)

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 「今度飲みに行きましょう」の実現率は6割-アットホームの情報サイト「at home VOX(アットホームボックス)」がサラリーマンならみんな身につまされるアンケート調査結果をまとめ発表した。

 全国の30~40 代ビジネスマン300 名を対象に行ったもので、仕事上の「今度飲みに行きましょう」の実現率を聞いたところ、「実現する人」は62.7%、「実現しない人」は37.3%だった。「実現する」割合を年収別にみると、年収300万円~600万円未満の人で50.0%、600万円~1,000万円未満が62.5%、1,000万円以上が75.6%だった。

 翌朝、お礼のメールを送る人は全体の34.0%で、これも年収の低い人ほどメールをしない人の割合が高く、1,000万円以上の人は45.6%がメールを送るという。

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 アットホームはいつも面白い意表をつくアンケート調査をするが、今回も度肝を抜くもので、記者もドキッとさせられた。

 記者も「今度飲みましょう」という空約束を連発するし、空手形を切られる。実現しないのは慣れっこになってしまった。失われた20年どころか24年のせいで年収が落ちてしまったことにも一因があるし、糖尿なので医者からはいつも深酒は注意されるからだが、それよりも、酔うとせっかく楽しい時間を過ごせたのに、翌日になるときれいさっぱり忘れてしまう自分が情けなく、嫌悪感にさいなまされるのが辛いので自制してしまうのが一番の理由だ。

 そればかりではない。まともに駅に降りられないのだ。京王相模原線を一往復したこともあるし、先日はカメラを電車の中で忘れた。40年近い記者生活の中でフィルムを入れずにそれとは知らず撮ったことはあるが、カメラ本体を忘れたのは初めてだった。

 フィルムの入れ忘れは歳を取ってからではなく、もっと若いときだった。ある会社の役員が取材対象だったときだ。その会社の女性広報担当者は吉永小百合さんと八千草薫さんを足して2で割ったような美人だった。〝これはしめた〟と同僚2人で取材に出かけ、役員を撮る振りをして彼女を撮った。外に出てフィルムを巻き戻そうとしたら、何と空回りするではないか。地団太を踏んで悔しがった経験がある。その彼女はいま、ある不動産会社の社長さんをされている。もう10年以上お会いしていない。だれかは言えない。

 記者もお礼のメールは送らないほうだ。若いときは毎晩のように飲んでいた。メールなどなかったし、いちいちお礼の手紙を書いていたら仕事などできなかったはずだ。いまでもメールは苦手だしできない。せわしなく指を小刻みに震わせる人を見るにつけ、狂っているのは自分なのか社会なのかを毎日考えている。

 ひとつだけ言えるとすれば、若い人には文字通りただ酒を飲むだけだったらやめたほうがいいといいうことだ。酒を通じで相手から何かを学び吸収しようという姿勢、覚悟がないなら飲まないほうがいい。言うまでもないことだが、酒は一生を台無しにしかねない危険性もはらんでいる。

 それにしても、飲む約束の実現率(実行率)と年収との関係を探ろうとする同社の担当者の頭の構造をのぞいてみたい。

 最初に戻って「今度飲みましょう」。この記事を読んでくれそうもないが、もし読んでくれたなら、先日お互いに「飲もう」と話したあの方は誘いの電話をかけてくれるだろうか。自分から電話をすべきなのか。双方ともメールは苦手だ。 

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実験棟

 積水ハウスと東芝、ホンダの3社は先日、モビリティを含めたCO2排出量をゼロにする2020年の暮らしを想定したスマートハウスの実験棟の見学会を行った。

 さいたま市に建設したもので、実際に居住できる二世帯住宅になっており、昼間外出している子世帯の太陽光発電の余剰電力を親世帯に供給し、各世帯で生み出した電気やお湯の世帯間での相互融通が可能となっている。また、ケーブルを接続せずに充電できる電気自動車への非接触充電、創エネと省エネ、歩行アシスト・UNI-CUB(ユニカブ)などの取り組みが公開された。

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壁面緑化

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 積水ハウスの取り組みはよく理解できた。もともと同社はユニバーサルデザインや省エネ・創エネに他社に先駆け取り組んでおり、ホンダの歩行アシスト・UNI-CUBが利用しやすいよう自動開閉ドアや完全バリアフリー、シャッター・窓の自動開閉、屋上緑化、壁面緑化、階段幅1.2m、16段ステップなどは一部の富裕層向けだろうが2020年までに間違いなく普及するものだと思う。

 ホンダのUNI-CUBも試乗したが、これがなかなかいい。バランスを取るのが最初は難しいが、慣れれば容易に移動できる。「開けゴマ」と呼ばなくてもセンサーが作動してドアを開閉してくれる。現段階では外で乗ることはできないそうだが、やがてUNI-CUBのような乗り物専用レーンが公道に設けられるかもしれない。機器の重さは約25キロ。物などを持って動くのは難しいとのことで、このあたりが改善点だろう。値段がいくらになるかは公表されなかった。

 マンションも鍵なしで帰宅しても玄関で「ただいま」と呼びかけるだけで開くようになる日が来るのは近い。酔っぱらって帰ろうものなら、水をぶっかけられることもありそうだ。

 非接触充電器は、記者はまったく自動車のことが分からないので便利だとは思ったが訳が分からなかった。運転手がいないのに車が勝手に動くのにも面食らった。

 ついでに最近車を乗らない若者が増えていることについてホンダ企画室第1ブロック主任研究員・瀧澤敏明氏に聞いた。瀧澤氏は「食も含めた車文化に食傷気味。今までのようなモビリティではこれからはどんどん乗る人は少なくなるだろう」と話した。

 東芝の取り組みもよく分かる。コミュニティ管理、家庭内機器制御は日進月歩。どんどん進化するだろう。機器を設置するスペースをどう省くかが課題のように思う。

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ガスエンジンコージェネレーションなどの機器ユニット

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歩行アシスト・UNI-CUB(ユニカブ)

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運転手がいないのに車庫に収まるEV車

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道路幅44m、両側に3.6mの歩道と9mの緑地帯が整備されている国立の大学通り。サクラは約200本、イチョウは約120本

 昨日6月10日、国立市の市民を名乗る方から記者に電話が入った。記者が5月7日に書いた「住友不動産『グローブアベニュー国立』 高さ20mは自主規制の結果」という見出しの記事で、「高さ20mを超えてマンションを計画する場合は、景観審議会に諮問し、その答申が出る『半年から1年半ぐらい』(都市計画課)までは工事着手できないことになっている。同社は、この期間のリスクを避けるために自主的に高さを20mに抑えたわけだ」という記述が問題だというのだ。

 しばらく話したが、要領を得ない。相手の方はいろいろ話された。この問題について6月11日、市役所で市議を交えて話し合うのだという。記者はとっさに「それでは取材させてください」と頼み、了承された。その時点でどのような会合かは見当もつかなかったが、住友不動産の物件を含め、市内で計画されているマンション建設に反対されている方たちの会合だろうとは考えた。

 そして当日の6月11日。市議の方お2人と市民の方らしい3人に名刺を渡した。お2人の市議のうち一人は四分五裂、離合集散を繰り返している政党に属されている方で、もう一人は「節を曲げない」ことで知られる革新の〝老舗〟政党の方だった。

 市の都市計画課の職員との話し合い会場に入ることは断られたが、事後に話を聞けるものと解した。

 待つこと約30分。いざ、取材に入ろうとしたが、機先を制された。前者の方から「どのように書かれるか分からない記者には何も話せない」と有無を言わせず席を立たれた。ゆっくり自己紹介する時間はないだろうと判断して、単刀直入、もう一人の議員さんに「私は皆さんの味方ではありませんが、敵ではありません。是々非々です」「国立のマンションについては明和地所さんを支持しました」と語った。

 この「明和を支持した」というのが議員さんの逆鱗に触れたのか、「私は市民の味方。業者の立場の記者に話すことはない」と取材拒否。ここでなにも聞けなければ空振りになる。記者は「いえ、市民の利益と業者の利益は矛盾しません」と言い張ったが無駄だった。「あとで話そう」は「善処する」と同義語だというのは記者だって分かる。

外は土砂降り。

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 なので、今回の議員さんたちの会合がどのようなものだったかは分からない。しかし、住友不動産以外にあるデベロッパーが敷地面積約1,300㎡、延べ床面積約3,000㎡、高さ約20mのマンションを計画している。この計画を俎上に載せようという狙いがあるのではないか。

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 記者は議員の世界については全然知らないが、有権者をみれば握手をするのが議員さんの習性ではないかと思う。今日のA新聞にも「握手は民主主義に通ず? 」の見出し記事が掲載されていた。先日行なわれたマンション管理業協会の懇親会で取材した国会議員さん3人は、求めもしないのに肉体労働者でも物書きでもあり得ない肉厚で生暖かいグローブのような手で華奢な記者の手を強く握られた。女性が手を握られるのを嫌う理由が理解できた。AKB48だって票がほしいから握手会をやるのであって、そうでなければ薄汚い男に手など握られたくないだろう。

 国立市議さんも市民の代表であり、政党の代表だ。手を差し伸べないばかりか、話もしないで〝敵〟と決め付けるのはいかがなものだろう。議員さんが言う「市民」とは、単に票が確約された身内だけではないはずだ。

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 お2人の国立市議の方へ。記者は初めてお会いしました。決して「何を書かれるか分からない」という議員さんの個人的なことをお聞きするためにうかがったわけではありません。国立市が誇る「都市景観」はどうあるべきかをお聞きするためです。

 「市民の味方」であるはずの議員さんが、「業者の立場の記者」と決めてかかり取材拒否されるのか。その資質を疑います。どうして公党の代表として堂々と自説を語らないのか。絶対に「革新」政党とは呼べません。

 記者はビーンボールまがいの球を投げたかもしれませんが、この球を打ち返すのか投げ返すのか、それとも無視されるのか。それは勝手かもしれませんが、自分の都合でしか動かない議員さんは決して市民の味方にはなりえないと申し上げます。

 申し添えておきますが、記者は明和地所のマンション問題では、同社は当然ながら当時の上原市長にも市役所職員にも住民の方や集会も公平に取材しました。「国立市の対案プランは〝刑務所マンション〟」という見出しの記事を書きましたが、この記事は裁判で証拠としても採択されています。

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 「国立市都市景観形成条例」には、「(目的)第1条この条例は、国立市の都市景観の形成に関する基本的事項を定めることにより、『文教都市くにたち』にふさわしく美しい都市景観を守り、育て、つくることを目的とする」と謳われている。

 また、「(市民等の責務)第7条市民等は、自らが都市景観を形成する主体であることを認識し、互いに協力して積極的に都市景観の形成に寄与するように努めなければならない」とされ、「(事業者の責務)第8条事業者は、自らの責任において、積極的に都市景観の形成に寄与するように努めなければならない」と規定されている。

 ほとんど罰則がないのが都市景観を守る側からは問題とされている。

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国立駅前

住友不動産「グローブアベニュー国立」 高さ20mは自主規制の結果(2014/5/7)

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「柏の葉第2グリーンルーム」

 みらいと三井不動産は6月5日、1日1万株の野菜を生産する国内最大級の植物工場「柏の葉第2グリーンルーム」見学会を行った。

 植物工場は、「柏の葉スマートシティ」の取り組みの一つである「ベンチャーを地域で支援する」一環として事業化したもので、三井不動産が工場事業主となり、みらいが工場を運営する。生産された野菜は、JAグループをはじめとする系列団体が国と連携して設立した6次産業ファンドからの出資を受けたみらいトレーディングがパッキングして出荷する。

 工場は、三井ホームが2×4工法で建設したもので、同社の過去最大の約150坪の無柱大空間を実現した。

 野菜は、外気を遮断し、無菌状態に保つ環境で栽培するために農薬は必要なく、また、天候や環境の変化を受けないので安定的効率的に供給することができる。清潔で苦みが少なく栄養価の高いものが生産できるのも特徴。

 発表会に臨んだみらい・嶋村茂治社長は、「おいしさにはものすごくこだわった。自負がある。絶対自信がある」と強調した。

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嶋村社長

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 嶋村社長が「味には絶対の自信がある」と断言した。〝疑ってかかる〟のが記者の習性だ。ならば自分の味覚で試してみようと思った。見学会には試食用として4種のレタスが用意されたので、それぞれ2枚(レタスの葉っぱは1枚、2枚と数えるのかどうか)以上だから10枚は食べた。

 しかし、トマトなら味が分かるが、レタスのおいしい不味いは即断できなかった。ならば、自宅のレタスと食べ比べようと考えた。駅前のららぽーとに出店している東急ストアで売っていると聞き、買いに行った。1人でレタスを買うのは10年ぶりくらいだ。

 ついでだが、先週の金曜日は、みらい平のスーパーで地元の農家が生産したトマト1パックを240円で買った。夕方予定されていた大京の広報や記者の方たちとの飲み会で食べるためだった。これは抜群においしかった。月曜日は、郊外の100円回転すし屋に入った。注文の仕方が分からず、となりのおばあちゃんから頭上のボタンの押し方、ワサビや醤油の使い方、お茶の入れ方を懇切丁寧に教えてもらい、イワシとイカを頼んだ。ややあって寿司が飛んできた。あまりにも不味く店を飛び出した。216円だった。あのイワシは間違いなく家畜に食べさせるアンチョビだ。職もそうだが、わが国の食はどうなっている!

 話しをもとに戻す。驚いた。記者の前にいたいかにもサラリーマン風の中年の人が買い物籠も持たず何と5袋も鷲づかみにして買ったではないか。送迎のバスを降りて真っ先にスーパーに入ったのは記者だけだった。レタスを買った人は絶対に同業ではない。まさか。記者が買いに行くのを知ったみらいが、売れていることを思い込ませようと送り込んだ回し者、サクラでもないはずだ。

 記者も負けずに5袋買おうと一瞬考えたが、思いとどまった。家に帰って怒られるのが落ちだ。結局、3種くらいあったうちの1種1袋を買った。消費税込で204円だった。サラリーマン風の人は1000円分のレタスを買ったことになる。

 夜、酒と一緒に自宅のレタスと混ぜて食べ比べた。「あなたね、これ高いわよ。うちは1個150円。値段? 野菜は価格があってないようなもの。この前までこのレタスは1個300円」と言われながら食べ比べたが、結局、味は同じだった。嶋村社長に軍配を上げるわけにはいかないが、洗わなくても食べられるのはいい。しかし、やはりやや高いか。スーパーで買った人はベジタリアンにしては太っていたし、富裕層が勤務中にレタスを買うはずがない。いまだに謎だ。

 こんなことを書くから「お前ねぇ、書きすぎだよ」と先輩記者にいつも怒られるのだが、自分の目や足、時には味覚まで動員して記事を書くから読まれるのだと思う。それにしてもやはり書きすぎか。これだけで900字近く。1行15字の新聞が発行されているときだったら60行。即刻クビだろう。当時、この先輩記者からは1本の記事は50行にとどめるよういつも指導されていた。先輩は「…の時代だ」などと預言者のような記事をいつも書いていた。

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記者が買ったのは左のほう(右のほうはよりシャキッとしたものだったか)

◇      ◆     ◇

 だらだらとつまらない記事を書いてしまい申し訳ないが、もう少し辛抱して読んでいただきたい。嶋村社長は、この植物工場を南極昭和基地でも稼働させ、同様の工場を何とモンゴルに輸出したと話した。

 記者は零下20~30℃の極寒のモンゴルに3回くらい行っている。モンゴルでは野菜は全て輸入。水と同様、貴重だ。工場とはいえ野菜が作れるはずがないと思った。プレハブのような工場で暖房施設がなければ水は一瞬にして凍るし、できた野菜は冷凍で出荷するのならともかく、暖房費用を考えれば中国、ロシア、カザフスタンなどの輸入品に勝てるわけがないと考えた。

 そこで、嶋村社長に「暖房をかけまくってCO2をまき散らす気か」と食い下がった。嶋村社長は平然と答えた。「冬でも工場内は暖房はいらない。冷房をかけているくらい。野菜に照射する電気の温度だけで大丈夫」と。後で聞いたら、工場の断熱材は15センチほどのサンドイッチパネルを使用しているとのことだった。三井ホームが建設した今回の工場では厚さ18.4センチの壁が用いられている。三井ホームの技術者によると「断熱性能の高いものならモンゴルでも可能」と話した。

 発表会に同席した千葉大学名誉教授・古在豊樹氏(哲学者・故古在由重の長男)は、「工場で使用する水は90%再利用できる。データはないが、中国などから貨物で輸入する植物の輸送コストを比較したらそんなに高くないはずだ。10年以内にコストは半分になる」と、価格競争でも十分勝算があると語った。

 もう一つ、疑問に思っていることがある。今回の施設は「工場」だ。〝農のある街〟が植物工場の目指すものだそうだが、街中に工場を作って農地並み課税なら理解できるが、宅地並み課税されて、果たして農地で作られる野菜と競争できるのか。また、農地や調整区域に「工場」を建てるのは許可が必要で容易でないはずだ。

 この点について、三井不動産ビルディング事業企画部長・小野雄吾氏は「工場のあるところは準工地域。投資額は6億円。宅地並み課税だが、収支はあう」と自信をのぞかせた。

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工事中の植物工場(どうしてこれほど美しい木組を他の工場と同じサイディングボードで覆わなければならないのか。記者は全く理解できない)

カテゴリ: 2014年度

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山根理事長

 マンション管理業協会は6月3日、総会後の懇親会を開き、山根弘美・理事長(ダイワサービス会長)は、①管理業に関する中長期を見据えた調査・研究②防災・減害の取り組み強化③管理組合に対するコミュニティ支援④法令遵守の徹底⑤対外研修の実施-など平成26年度の方針について挨拶した。

 山根理事長は、26年度の活動方針について5点を指摘。「一つは、建物と組合員の高齢化に対応する調査・研究の強化で、『マンション長寿命化協議会』を『2025ビジョン懇話会』に改組して、激増する高齢者人口と駐車場の収入減など未知の世界に突入する2025年を見据えたハード・ソフトの取り組みを強化する」と語った。

 二つ目として、防災・減災に関連して、多数決でマンションの敷地の売却が可能となる「マンション建替え円滑化法改正」について触れ、「建て替えの選択肢が増える意味で評価したい」と述べた。

 3点目の管理組合のコミュニティ活動支援については、「様々な組合の活動を紹介する仕組みをつくる」と話した。

 4点目で取り上げた法令遵守については、「法令違反は少なくなってきてはいるが、満足できるものではない。金銭の毀損をなくすよう業界のプライドとして結果を出す」と強調した。

 5点目の対外研修では「若手を対象とした台湾への派遣を考えている」と語った。

 消費増税については、「8%については概ね適正に転化されているが、10%は手ごわい。単年度で赤字になる組合も出てきそうだ。マンションの共用部分は社会的資産。緩和策が必要ではないか」と、緩和を要望していくことを示唆した。

◇     ◆   ◇

 来賓として登壇した自民党マンション対策議員連盟会長・山本有二氏が絶妙のリップサービスで会場を沸かせた。まず俎上に上げたのが山根理事長。「今朝も家内に言われてゴミを出した。管理人の方とは顔見知り。山根理事長は管理人をやっていたというから、そのプロセスをゆっくり聞いてみたい。大変な人物。ヘブライ語が話せる、とんでもない博識の持ち主。オール・オーバー・ザ・ワールドです(世界をまたにかける男という意味か)」と持ち上げた。

 山口那津男・公明党代表、井上義久・同党幹事長(公明党マンション問題議員懇話会会長)らたくさん参加していた同党への牽制球も投げた。「井上さんたちがいたからマンション円滑化法ができた。公明党とわれわれはぶれない。集団的自衛権も円滑化法と一緒になってやれるはずだ」と、きわどいボールを投げた。

 このあと登壇した井上氏も山口氏も集団的自衛権についてはまったく触れず、牽制をかわした。

◇     ◆   ◇

 山根理事長は、ヘブライ語が話せる理由として「ヘブライ語もギリシャ語も、僕は元牧師だから常識、必須ですよ」と、すらすらと自分の名前を記者のノートに書いた。

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総会後の懇親会(泰一ホテル東京)

「パピプペポ」野村不動産パートナーズ関敏昭社長新社名秘話を語る(2014/6/4)

宅建取引士への名称変更立役者の平口議員は体重80キロ「名は体を表す」(2014/6/3)

「これからのマンション管理と管理会社の活用」セミナー開催(2014/3/24)

カテゴリ: 2014年度

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平口衆院議員

 「宅地建物取引主任者」(宅建主任者)を「宅地建物取引士」(宅建取引士)へ名称変更することを主な内容とする「宅地建物取引業法の一部を改正する法律案」が6月3日、衆議院本会議で可決された。国会での審議はほとんど行なわれていないが、参議院での審議を経て成立する見通しとなった。

 こ日行なわれたマンション管理業協会の総会後の懇親会に来賓として出席した法案提出の立役者、自民党の平口洋・法務大臣政務官は、「名は体を表す。宅建主任者は一般の従業員から独立したベルの高い仕事をしている。『士』としてきちっと責任を果すよう資質の向上も求めた。より一層の消費者保護を図らないといけない」と語った。

◇     ◆   ◇

 恒例の懇親会の取材をほぼ終え、酒も少し入り、そろそろ退散しようかと思ったときだった。司会者が「国土交通部会…」と国会議員を紹介した。この言葉が記者のうろんな頭を刺激した。宅建主任者の呼称変更のことがピンと来た。すぐ取材モードに切り替え、国会議員の先生方に片っ端からコメントを取ろうと決めた。

 議員バッジを確認して最初に聞いたのは佐藤英道・衆院議員と河野義博・参院議員だった。失礼ながらどこの会派のどのような方かは全然知らなかった。公明党の方だった。

 佐藤議員は、「応援のコメント。主任者の業務はこれまで以上に複雑、高度化していく。『士』として責任を持って業務に励んでほしい」と語った。側にいた河野議員は「100点満点のコメント」と佐藤議員を褒め、自らは「私は99年だったか、銀行マンのとき宅建資格を取得した元商社マン。全力で応援する。これって200点の回答」と手放しで改正案を支持した。

 河野議員に「あの人が詳しい」と紹介されたのが冒頭の平口議員だ。平口議員は「毛利くん(太田国交相の代理として挨拶した毛利信二土地・建設産業局長)らと一緒になって円滑法の法案を作ったんだ」と国交省出身であることを明らかにした。

 頂いた名刺の裏に広島事務所が書かれていたので、「先生、広島は自民党の牙城じゃないですか。何期目ですか」と聞いたら、「いや、そうじゃない。2期目だが、2回落ちている。民主党に負けた。選挙は難しい」と話した。

 記者はいつものへそ曲がり根性をむき出しにしてさらに突っ込んだ。〝名は体を表す〟という言葉の信憑性が疑問だったので、「先生、先生も相当メタボではないですか」と質問した。「うん、いま80キロ。60キロに落とす」(先生)「先生、それって公約ですか」(記者)「うん、検討する」(先生)と、最後は言葉を濁した。

 記者の口車に乗って「80キロの体重を60キロに落とす」などといくら頑張ってもできないことを口走るから民主党に足元をすくわれるのではないかと思った。平口先生には「口は災いの元」の言葉をお贈りしたい。

 ついでだが、懇親会には海江田万里・民主党代表も挨拶し、リバースモーゲージについて力説された。これはこれで重要な問題だが、管理協の会場で話すことではない。ピントがずれている。自民党や公明党のようにマンションについてもっと勉強すべき。再浮上はきわめて難しいと見た。平口先生は失言さえ気をつければ当分安泰だろう。

 山根弘美・マンション管理業協会理事長にも「士」について聞いたら、山根理事長は「僕は宅建もマンション管理士もビルクリーニング技能士も持っている。管理業務主任者も『士』にしてほしい」と話した。山根理事長は「牧師」の資格も持っている。ヘブライ語を話せるのはこのためだ。

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佐藤議員(左)と河野議員

「加速度的に進む2つの高齢化に対応」山根理事長 マンション管理協が総会(2014/6/4)

「パピプペポ」野村不動産パートナーズ関敏昭社長新社名秘話を語る(2014/6/4)

宅建主任者を宅建取引士に昇格させる意味が全く分からない(20147/4/30)

カテゴリ: 2014年度
 

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