わが国初 既存ビル含め非常時も電力安定供給 プラントは住宅300戸分 三井不・東ガス
左から内田氏、菰田氏(日本橋室町三井タワーで)
三井不動産と東京ガスは4月15日、日本初となる既存ビルを含む日本橋室町周辺地域に電気と熱を安定供給する「日本橋スマートエネルギープロジェクト」を開始したと発表した。
プロジェクトは、平常時はもちろん、非常時でもエネルギー供給が可能なエネルギーレジリエンス向上や省エネ・省CO2を達成するエコフレンドリーな街づくりを実現し、災害に強く、国際競争力の高い街・日本橋を目指すもの。
共同で設立した三井不動産TGスマートエナジー(持ち株比率三井70%、東ガス30%)を通じ、このほど竣工した「日本橋室町三井タワー」内の「日本橋エネルギーセンター」にプラントを設置して稼働させた。
都市ガスを活用した分散型電源である大型CGS(ガスコジェネレーションシステム)と系統東京電力による電源の多重化を実現し、日本初の既存ビルを含めた周辺地域へ電力を供給し、CGSが生む発電時の排熱とCGSが生む発電時の廃熱と高効率熱源設備を活用した熱供給の効率化を図り、供給エリアのCO2を約30%削減する。広域停電時にも建物のBCP(Business Continuity Plan)に必要な電気の供給(年間ピークの50%)が可能。
両社は今後、豊洲(2020年竣工予定)など他エリアでも連携し、国内外に向けて発信できる「スマートエネルギー事業」の先進モデルを構築していく。
会見に臨んだ三井不動産・菰田正信社長は、「これまでも『柏の葉』『日本橋再生』『ミッドタウン』などのプロジェクトでもスマートシティの取り組みを進めてきたが、今回、東京ガスさんと共同で、災害時でも安定的に電力を供給し、地球環境へも貢献し、都市防災力を強化し環境性能の向上につなげる。経年優化の街づくりにもSGDsの理念にもかなうもの」と挨拶した。
また、東京ガス・内田高史社長は、「今回のプロジェクトに採用する当社の中圧ガス導管は、阪神・淡路や東日本大震災でもほとんど影響を受けなかった。地域の既存ビルにも電力を供給するのは当社も初の試みだが、エネルギーレジリエンス向上と省エネ・省CO2の取り組みを今後も強化していく」と話した。
「日本橋室町三井タワー」は、区域面積約2.1haの「日本橋室町三丁目地区第一種市街地再開発事業」によって建設された地上26階建て・地下3階建て延べ床面積約168,000㎡。3月38日に竣工した。テナントは全て決まっている。
プラントは約8,000㎡。供給範囲は日本橋室町・本町地区の一部約150,000m、延床面積約1,000,000m²。予定電力供給能力は一般家庭約14,000戸に供給するのと同じ約4.3万kW。冷熱は約110GJ/h、温熱は約60GJ/h。ガスエンジンは7,800kW×3台。廃熱ボイラは4t/h×3台。
供給エリア
CGS(ガスコジェネレーションシステム)プラント
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1時間近くにわたって難しい説明を受けた。記者はちんぷんかんぷん。しかし、原理そのものは、愛を与え奪い分かち合う、時には自家発電も行う男女関係とよく似ている。中学の理科で学んだのと一緒。熱を与えたり奪ったり、冷ましたりするもので、水力やら火力、天然ガス、原子力、再生可能エネルギーを電力に変換することに変わりはないと理解した。
それより記者が驚いたのはプラント設備の大きさだ。地下3階の心臓部といえるCGSと地下二階の最新のICT技術を導入した中央監視室などプラント全体の面積は約8,000㎡もある。
ただ広いだけではない。地下3階は天井高が約8mだから、一般的なマンションのリビング天井高の3層分だ。つまり8,000㎡を容積に換算すると約24,000㎡にもなり、これを一般的な専有面積70㎡のマンションに置き換えると300戸近い大規模マンションになる。
プラントはもちろん容積不算入で、国土交通省、経済産業省、東京都からの補助も受けている。東京ガス・内田社長は「補助金がなければ、既存のビルのオーナーが(持ち出しが増えるので)納得したかどうか」と話した。
どうして太陽光や地熱やら再生可能エネルギーも採用しなかったのかという疑問も湧くが、関係者によると検討はしたが、安定的に電力を供給することを優先して決断したという。
もう一つ、よく分かったようでわからないのがプラントの災害対策。「壺型潜水艦構造」により、地震などの揺れの影響が小さい地階3回に設置し、しかも浸水を防ぐためにプラント全体をすっぽりと包み、出入り口には22トンもの水圧に耐えられる厚さ約30センチの放水扉を施しているという。どうして福島原発にはなかったのか。
「日本橋室町三井タワー」
中央監視室
広い軒下空間をリビングに取り込んだ「ファミリー スイート」発売 積水ハウス
「ファミリー スイート」内観
積水ハウスは4月10日、「幸せ」研究と先進技術の成果で家族の幸せを実現する「ファミリー スイート」の新しいコンセプトを盛り込んだ新商品を発売したと発表した。
昨年発売した大空間リビングのファミリー スイートが好評なのを受け、新たに広い軒下空間をリビングに取り込むことで、より「くつろぎ」のある家族の暮らし方を提案する。
構造(鉄骨造・木造)や内外装のテーストを問わず対応する。
鉄骨住宅「IS ROY+E(イス・ロイエ)WA MODERN」の価格は3.3㎡当たり72.4万円から(本体のみ・税抜)。販売目標は6,000棟/年。
木造住宅シャーウッド「Gravis Bellsa(グラヴィス ベルサ)モダンライン」の価格は3.3㎡当たり73.8万円から(本体のみ・税抜)。販売目標は1,500棟/年。
昨年10月に発売した「IS ROY+E Family Suite(イズロイエ ファミリースイート)」は約3割のお客様が大空間リビングのファミリースイート提案を採用しているという。
販売順調に納得 坪単価200万円は希少 大和ハウス「東京王子」
「プレミスト東京王子」完成予想図
大和ハウス工業・コスモスイニシアが分譲中の「プレミスト東京王子」を見学した。バス便ではあるが、南東のバルコニー側前面に幅約100mの隅田川・スーパー堤防などが広がり、坪単価も23区内では希少な200万円。この1カ月強で全222戸のうち70戸を成約するなど順調なスタートを切った。
物件は、JR京浜東北線・東京メトロ南北線王子駅からバス約8分、徒歩3分の北区豊島4丁目に位置する15階建て222戸。専有面積は68.58~88.42㎡、6月上旬分譲予定の第2期(戸数未定)の予定価格は3,400万円台~5,900万円台(最多価格帯4,100万円台)、坪単価200万円。竣工予定は2020年2月中旬。施工は長谷工コーポレーション。
現地の用途地域は工業地域だが、住宅化が進んでいるエリア。用地はUR都市機構から同社など4社が取得したもので、敷地北側に今春開業した大規模商業施設との住商一体複合開発。
南東に面したバルコニーの前面には幅約100mのスーパー堤防-隅田川があり、その先は高速道路が走っている。敷地東側と西側にはそれぞれ広場も整備される。
主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高2450~2550ミリ、ディスポーザー、スロップシンクなど。スマートウェルネスサービスも提供する。
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約100m先の高速道路をどう評価するかだが、販売担当の大和ハウス工業マンション事業部第二事業部営業第一課販売事務所長・松本諭吉氏は、「距離は問題でなく、音を気にされるお客さまがいらっしゃるのでしっかり説明している。複合開発でこの価格の安さは他にないはず」と話した。
確かに坪単価はやすい。記者は近隣の物件が強気な価格設定をしていたので坪単価は220~230万円くらいとはじいていたが、坪200万円というのは23区では城東エリアに一部あるくらいだろう。
バス利用時間も含めてほとんど都心まで30~40分圏というのは魅力だ。第一期で70戸を成約できたのも納得だ。
建設現場
春風駘蕩 販売順調に進む 三井不レジ「幕張ベイパーク」街びらき
第1弾「幕張ベイパーク クロスタワー&レジデンス」(497戸)
三井不動産レジデンシャルは4月13日、千葉県・幕張新都心で開発中の首都圏最大級のプロジェクト「幕張ベイパーク」の街びらきイベントを行った。街びらきは第一弾マンションが完成し、商業施設がオープンしたのに伴うもの。というい、熊谷俊人・千葉市長ら多くの関係者や地域の人たちが順調なスタートを祝った。計画では開発面積約17.5haに約4,500戸の住宅のほか商・職・学・遊などの複合タウンを目指す。
冒頭のプレス説明会で、三井不動産レジデンシャル執行役員千葉支店長・各務徹氏は、「2017年に千葉県企業庁から当社など7社が用地を取得し、約4,500戸の住宅、居住人口1万人のミクストユースの街づくりを進めている。一棟目が完成し、2棟目の販売も順調なスタートを切った。向こう10年間、持続可能な魅力的な街づくりを進める」と挨拶。
同社千葉支店事業室長・井上茂氏は街づくりの概要について説明し、米国ポートランドの街づくり思想に学び、デザインガイドラインを定め、エリアマネジメントを導入し、街の活性化を論議する6回にわたるディスカッションを行ってきたことなどを報告した。
同社から寄贈された「ツリーデッキ寄贈セレモニー」に出席した千葉市長・熊谷俊人氏は、「今日はとても暖かくいい天気。未来を象徴するようで嬉しい。末永く次世代に残す街づくりを進めていく」と述べた。
「幕張ベイパーク」は、京葉線海浜幕張駅から徒歩13分、千葉市 美浜区若葉3丁目に位置する開発面積約17.5ha、予定総戸数約4,500戸の複合タウンの総称。平成27年、三井不動産レジデンシャルを幹事会社とする7社が千葉県企業局からに用地約17.5haを280億円(1坪52.6万円)で取得した。
マンションのほか、商業施設「イオンス タイル幕張ベイパーク」やエリアマネジメント拠点「幕張ベイパーク クロスポート」、コミュニティ創造型コワーキングス ペース「TENT 幕張」、スポーツ・アウトドア、医療・健康施設、保育・教育施設などを10年間かけて整備する。
現在分譲中の第2弾「幕張ベイパーク スカイグランドタワー」は免震構造の48階建て全826戸。4月下旬販売予定の第1期3次(戸数未定)の価格は3,605万~9,590万円(最多価格帯4,600万円台)、専有面積は64.98~112.16㎡。売主は同社のほか野村不動産、三菱地所レジデンス、伊藤忠都市開発、東方地所、富士見地所、袖ヶ浦興業。入居予定は2021年3月下旬。施工は熊谷組。デザイン監修は光井純氏。
2017年11月、第1弾「幕張ベイパーク クロスタワー&レジデンス」(497戸)が分譲開始された。残りは未供給を含め50戸と好調。
各務氏(左)と吉田氏
左が第一弾、右が第二弾の「幕張ベイパーク スカイグランドタワー」模型
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いまの千葉県のマンション市場環境は順風、追い風ではなく、逆風、向かい風だ。船を漕ぎ出せばたちまちダッチロール状態に陥る可能性が高い、視界不良の荒海という形容も成り立つかもしれない。
少なくとも数字は厳しい市況を映し出している。別表は、千葉県の分譲共同住宅の着工戸数の推移だ。平成18年は折からのブームで約21,100戸を記録したものの、その後は激減、平成30年は3,320戸まで落ち込み、18年比で84.3%減だ。
ここまで落ち込んだ最大の理由は、リーマン・ショックの影響で千葉県を地盤としてマンションデベロッパーが軒並み退場を余儀なくされたからだ。
そして、都心の一等地では坪単価1,000万円が相場になっている時代だ。代わって登場した大手デベロッパーも、高値追求ができる販売リスクが低い他エリアにシフトしているからだ。
千葉県でも市川駅や本八幡駅圏の〝駅近〟は坪300万円を超える物件が散見されるようになったが、300万円の壁は厚い。購買力の限界と建築費の上昇の板挟みに各デベロッパーは呻吟しているはずだ。火中の栗を拾いたくないというのが本音ではないか。
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プレス説明会に各務氏が出席されることは分かっていた。各務氏には15年前、全701戸の平均面積が120㎡というわが国のマンションの歴史に名を刻む「新浦安」の取材で話を聞いており、その後、「武蔵小杉」の取材などでもお会いしている。隣の井上氏はどこかで逢っているはずだと必死で記憶を手繰り寄せた。すぐにRBA野球の同社の選手だったことを思い出した。10年ぶりくらいか。
嬉しさがこみ上げてきたのだが、ここは心を鬼にして、前述した厳しい千葉の現状にどう立ち向かうのかストレートに聞いた。
「各務さんも井上さんもよく存じ上げている。応援したいし、ネガティブな記事など書きたくないが、海浜幕張駅から遠く、京葉線は乗り換えに不便。しかも予定戸数1,000戸の『検見川浜』もある。双方合わせると『HARUMI』と同じくらいの規模。並行して走る総武線とも競合する。他都県はどんどん価格が上昇し『翔んで埼玉』も千葉よりはるかに高い。イメージが劣る千葉で正気の沙汰ではない。どう売るのか」と。
これに対し、各務氏は「貴重な質問ありがとうございます」と断り、「これまで『日本橋』『柏の葉』『豊洲』『ミッドタウン』などと同様、継続して賑わいを創造していく。ここも順調なスタートを切れた」と同社の「経年優化」の理念を語った。
それでも、その言葉を真に受けられなかった。相当苦戦を強いられているのではないかと。
ところが、2017年11月に分譲開始した第一弾「幕張ベイパーク クロスタワー&レ ジデンス」497戸は未分譲を含め残りは50戸と聞き、信じられない思いがした。これほど短期間に売れるとは夢にも思わなかった。坪単価は分譲前に「常識的な坪200万円を少し超えるくらいの値段を設定すると思う」と書いたが、その通り210万円だった。
坪単価は第一弾とほぼ同じの第2弾「幕張ベイパーク スカイグランドタワー」も今年2月から分譲を開始し、すでに226戸が販売済みだという。このペースで行けば10年間に約5,000販売することになる。
基本性能・設備仕様、住戸プランは間違いなく水準以上だ。モデルルームは非常によくできている。
売れ行きのいいのとモデルルームの出来をつぶさに見て、評価を改めた。「正気の沙汰ではない」などと、各務氏と井上氏に投げつけた〝罵声〟に近い批判的な質問はそっくり返上する。大変失礼しました。
さて、この日(4月13日)、千葉・幕張に吹いた風は何と形容すればいいか。パタパタ、ヒラヒラ、ゆらゆら、サラサラでもないし、順風満帆は平凡に過ぎる。微風でもない。飄々も適当でない。熱風は言い過ぎだろう。春風、そよ風、薫風はどうだろう。春風駘蕩がぴったりか。
巷では開発面積約13ha、総戸数5,632戸の「HARUMI FLAG」が喧しいが、この風は「HARUMI FLAG」を揺るがすかもしれない。記者の〝口撃〟を軽くいなした各務氏は馬耳東風か柳に風か。
「ツリーデッキ寄贈セレモニー」(演奏協力は全国大会で何度も優勝している幕張総合高校シンフォニックオーケストラ部、樹木はサルスベリ)
幕張海浜公園から望む
三井不レジ他 4,500戸「幕張ベイパーク」第一弾分譲へ 価格はさて? (2017/9/14)
三井不動産レジデンシャル 「パークシティ武蔵小杉」3棟目が完成(2014/3/9)
三井不動産RD 主力の井上選手が関西へ異動(2010/4/8)
RBAタイムズ アーカイブ 2004年 5月14日号 全701戸が平均120㎡ テーマは「家族の絆」(2010/12/24)
平成最後の寒波 もろともせず 坪750万円の住友不「恵比寿」竣工
「シティタワー恵比寿」
住友不動産は4月12日、渋谷区恵比寿のタワーマン「シティタワー恵比寿」(全310戸)が竣工したのに伴う報道陣向け内覧会を行った。坪単価は750万円で、契約進捗率は60%。関係者は「当社の開発力を注いだ自信作。歴史に名を刻む物件。残り約100戸。1年半くらいかけてじっくり販売していく」と話した。
物件は、JR山手線・埼京線恵比寿駅から徒歩7分、渋谷区恵比寿一丁目に位置する22階建て310戸(非分譲住戸3戸含む)。専有面積40.72~150.89㎡、坪単価750万円。竣工は2019年3月6日。設計・監理・施工は西松建設。
恵比寿駅圏のタワーマンションとしては最寄りでは実に15年ぶりの供給で、総合設計制度を適用し、四方道路の敷地(約3,360㎡)の約1/2(約1,680㎡)の公開空地に100本を超える樹木を植えることで、高さ規制(50→75m)、容積率(400%⇒600%)の緩和を受けている。
2017年6月の販売開始からこれまで問合せ件数は約9,500件、来場は2,700組。全体の6割強が契約済み。
プレミアムタイプモデルルームは天井高最大約2,550mm、室内廊下、トイレ、洗面所の床には天然石を採用している。
モデルルーム
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記者は分譲開始から3カ月後の2017年9月に取材している。そのとき聞いた坪単価は700万円だった。業界関係者はみんな「高い」と思っていたようだが、記者はそれほど高いとも感じなかった。
今回聞いた坪単価は750万円だ。これも納得。改めて記事をかくが、その後もマンション単価は立地にもよるがどんどん上昇し、駅の反対側で分譲中の野村不動産の物件は坪900万円近くでも好調に推移している。再開発が進む渋谷は坪1,000万円が相場となりつつある。代官山もいい場所なら坪1,000万円だろう。
竣工時点で4割100戸も残っていたら他社なら〝値を下げようか〟と大慌てするところだろうが、粗利益率30.0%(平成30年3月期)を誇る同社だ。歯牙にもかけない。
内覧会の冒頭で、同社名物広報担当者は「平成最後の寒波到来ですが、入居も始まりますので、お見せできるのは今日が最後のチャンス。マンション内覧会もおそらく平成最後」と余裕たっぷりに話した。
東急リバブル・太田社長、東急住宅リース・三木社長 就任記者会見
左から太田氏、大隈氏、三木氏(ザ・キャピトルホテル東急で)
東急不動産ホールディングスは4月12日、4月1日付で新社長に就任したグループの東急リバブル・太田陽一氏と、東急住宅リース・三木克志氏のお披露目・就任記者会見を行った。
冒頭、東急不HD社長・大隈郁仁氏は、「2017年にスタートした中期経営計画は今年4月で前半の2年が経過するが、計画を上回る進捗で推移している。現在のマーケートには変調を感じているが、確実に計画を上回る業績を上げるために二人を登用した」と挨拶。
太田氏は、「仲介大手3社に食い込んでいる当社には3つの業界ナンバーワンがある。一つはお客さんの評価、2つ目は事業競争力、3つ目は働き甲斐のある会社ということだ。私個人の強みは、過去24年間で現場を12年間、スタッフを12年間経験し、社員をよく知っており、視点に偏りがなく、バランスよく客観的にものごとを見ることができること。環境の変化にも対応してきた。今後長期的には実需はシュリンクしていくが、どのマーケットが強みを引き出せるか引き出しを多くして対応していく。人材育成も生命線」などと抱負を述べた。
趣味は運動、音楽、ミステリー読書。「運動は仕事を支える。思考を柔軟にし、展開を読むためにもミステリーは仕事に役立つ」。家族は1歳の孫と91歳の父親を持つ「高齢者家族のモデル」だそうだ。1960年(昭和35年)生まれ。東京都出身。早稲田大学卒。
三木氏は、「人が力を発揮するのに大事なことが3つあることを、ずっと仲介現場を経験してきて学んだ。第一は信頼。社員、上司、会社がそれぞれ助け合うということ。第二は成長。人が成長すれば、事業も成長する。第三は創造。この3つを基本に社員の力を最大限に引き出す」と語った。
三木氏は1959年(昭和34年)生まれ。神奈川県出身。早稲田大学卒。大隈氏とは同期入社。
保育士によるマンションでの子ども預かりサービス 東急不動産「調布」
東急不動産は4月11日、NTT 都市開発、近鉄不動産と共同で開発中のマンション「ブランズシティ調布」(全305戸)に子育て世代をターゲットにした「子育て家族サポー トサービス」を導入すると発表した。子育ての困りごとを解消し、家族で豊かな時間を過ごせるようにするのが狙い。
特定非営利活動法人sopa.jpが運営主体となり、管理組合から共用施設を借り、保育園や幼稚園、小学校が終わった後(平日15時~21時予定)、専属の保育士が共用施設で子どもを預かるほか、晩ご飯の提供(予約制)、遊びを通じて多彩なプログラムを用意するなど、入居者に限定した会員制サービスを行う。
物件は、京王線調布駅から徒歩7分、調布市調布ヶ丘一丁目に位置する8 階建て全305戸。専有面積57.43~89.85㎡、竣工予定は2020年1月上旬。
主婦目線の商品企画が抜群 ポラス 全85戸の「新越谷」販売好調
「ルピアコート新越谷」完成予想図
ポラスグループの中央住宅が分譲中のマンション「ルピアコート新越谷」を見学した。駅から徒歩5分の全85戸で、エリア最高単価の坪210万円ながら残りは数えるほど。痒いところに手が届く主婦目線の企画が光っている。
物件は、東武スカイツリーライン新越谷駅から徒歩5分、JR武蔵野線南越谷駅から徒歩6分、越谷市南越谷一丁目の第1種住居地域に位置する8階建て85戸。専有面積は62.81~72.24㎡、現在分譲中の2期(4戸)の価格は3,498万~5,188万円。坪単価は210万円。竣工予定は2019年8月下旬。施工は川口土木建築工業。販売代理は東京中央建物。
今年2月から分譲を開始し、第1期52戸を即日完売するなど、残りは未分譲の6戸を含め12戸。極めて好調に推移している。
現地は、道路を隔てて東武スカイツリーラインの高架線があるが、2000年以降に市内で分譲された76物件のうち新越谷・南越谷駅圏は4物件しかなく、住居系エリアの50戸以上に限定するとこの1物件しかない希少性が評価されたという。
敷地は東西軸がやや長い長方形で、建物は南向き中心のL字型。専有面積圧縮型だが、63㎡の住戸でもスパンは6.5~8.1m、70㎡台は6.5~8.3m確保したワイドスパンが特徴。
主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2400~2500ミリ、ピアキッチン(33戸)、幅2400ミリの大型食器棚、食洗機、出窓、片寄マイギャラリー、開閉式ルーバー付き窓付き浴室窓など。
ピアキッチン
標準装備の食器棚
◇ ◆ ◇
坪単価は210万円くらいだろうと予想したが、どんぴしゃりだった。同社としてはかなりのチャレンジ価格だという。
しかし、商品企画、設備仕様は同業他社の坪250~300万円くらいのマンションとそん色ないどころか、はるかに上回っていると言えるほどレベルが高い。
例えば、他社はほとんどオプションにしている幅2400ミリのバックカウンター付き収納。実用新案を取得済みのピアキッチンと合わせればこれだけで200万円くらいするはずだ。
このほか、出窓、吹き抜けを設けプライバシーに配慮した居室、引き戸は開閉とも全てソフトクローズ機能付き、ドアノブはプッシュプル、クレセントを1400ミリの高さに設置したサッシ、洗面・トイレのちょい置きスペース、開閉式ルーバー付き浴室窓、フチレス便器、バルコニー隔板下の立ち上がり、玄関脇の傘掛け、通風機能付き玄関ドア、タッチレス水栓…。一つひとつは他社も採用しているが、これほど至れり尽くせりの設備を装備しているマンションはまずないはずだ。
同社のマンション供給エリアは埼玉や城東などに限定されているので他社には脅威にならないかもしれないが、バッティングしたらまず勝てない。逆に言えば、ここまでやらないと厳しい市況を乗り切れないということだ。〝右に倣え〟の商品企画・設備仕様の退化・退行を改めないと、みんな大手デベロッパーに飲み込まれる。
通気機能付き玄関ドア(左)1400ミリの高さにしたクレセント
ピアキッチンのカウンター
東急電鉄・東急不 渋谷エリア最高峰「渋谷スクランブルスクエア 第Ⅰ期」11月に開業
「渋谷スクランブルスクエア」完成予想図
東京急行電鉄と東急不動産は4月10日、渋谷エリアの再開発プロジェクトの目玉である「渋谷スクランブルスクエア 第Ⅰ期(東棟)」、「渋谷フクラス」内の「東急プラザ渋谷」、「渋谷駅桜丘口地区再開発」に関する最新情報を公表した。
「渋谷スクランブルスクエア」は、東京急行電鉄、東日本旅客鉄道、東京地下鉄が事業主で、デザインアーキテクトは日建設計、隈研吾建築都市設計事務所、SANAA事務所。運営会社は渋谷スクランブルスクエア(東京急行電鉄、東日本旅客鉄道、東京地下鉄の3社共同出資)。設計は渋谷駅周辺整備計画共同企業体(日建設計、東急設計コンサルタント、JR東日本建築設計、メトロ開発)。開業は第I期(東棟)が2019年11月、第II期(中央棟・西棟)が2027年度。
「第I期」は渋谷エリアでは最高峰となる高さ約230mの地下7階、地上47階建て延べ床面積は約181,000㎡。14階・45階~屋上の展望施設「SHIBUYA SKY(渋谷スカイ)」、17階~45階のオフィス、15階の産業交流施設「SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)」、地下2階~14階の商業施設などから構成される。2019年11月に開業する。
「SHIBUYA SKY」は、世界的な注目を集めるクリエイティブ集団・ライゾマティクスを起用。日本最大級の屋上展望空間(約2,500㎡)など既存の展望施設の概念を超える新しい体験を提供する。
渋谷最大級の広さを誇るオフィスの総賃貸面積は約73,000㎡で、全27フロアのリーシングが完了している。
「SHIBUYA QWS」は、多様な人が交差・交流し、社会価値につながる種をうみだす会員制の施設。2019年7月から会員募集を開始する。
施設の開業に伴い、エレベーターやエスカレーターにより地下やデッキから地上に人々を誘導する歩行者動線「アーバン・コア」を整備する。
「渋谷フクラス」は18階建て延べ床面積約58,970㎡。「東急プラザ渋谷」は2~8階、17、18階部分。コンセプトは〝本物・本質的・普遍的なものの良さ〟を大切にする意味を込めた「MELLOW LIFE(メロウ ライフ)」で、商環境デザイナーにGLAMOROUS(グラマラス)の森田恭通氏を起用。2019年12月に開業する。
2023年度竣工予定の「渋谷駅桜丘口地区」は59棟の解体工事が始まった。敷地面積約16,970㎡、延床面積約254,830㎡で、2023年度に竣工する予定。
両社は渋谷エリアで8つの再開発プロジェクトに関わっており、コンセプトに「エンタテイメントシティSHIBUYA」を掲げ、世界を牽引する新しいビジネスやカルチャーを発信するステージの実現を目指している。
現在の空撮写真
2027年ころの完成予想図
三井不動産 最寄り駅も新国立競技場も徒歩1分のホテル「神宮外苑」11月開業
「三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア」
三井不動産と三井不動産ホテルマネジメントは4月9日、新国立競技場に近接する「三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア」を2019年11月22日(金)に開業し、本日4月9日から予約を開始したと発表した。
同ホテルは、都営大江戸線国立競技場駅から徒歩1分、JR中央・総武線千駄ヶ谷駅から徒歩5分の13階建て362室。客室は平均約25㎡。宿泊料金は22㎡で1.8万円、24.7㎡のツインで2万円。の現在建設中の新国立競技場からは徒歩1分。主な設備はレストラン・ベーカリーショップ(1 階)、 大浴場・フィットネスジム・ラウンジ(2 階)、ダイアログ・イン・ザ・ダーク(2 階)、屋上テラス(13 階)など。
「三井ガーデンホテルズ」のプレミアシリーズとして全国で5施設目、都内では3施設目となる。「Japanese New Vintage」をデザインコンセプトとし、木や石などの自然素材を外観や客室・共用スペース内の壁面などに多用しているほか、自然をモチーフにしたアート作品を館内の随所に配し、周辺の緑やビル群の眺望を楽しめるよう全客室にバルコニーを設置した。
1階には約200㎡の自然光が差し込むロビーを、2 階には大浴場のほかフィットネスジムや多目的室を設置。建物内のテナント区画(2 階)には「暗闇のソーシャルエンターテイメント」としてダイアログ・イン・ザ・ダークの常設会場が出店を予定している。
◇ ◆ ◇
記者はRBA野球大会の取材で神宮外苑軟式野球場によく行ったが、困ったのは取材を終えてシャワーを浴びることができるホテルが全く周辺になかったことだ。
宿泊料金が高いか安いかよくわからないが、地方からの野球・スポーツ観戦には絶好の立地だ。もちろんアスリートも利用できる。いつも国立競技場駅を利用しているのに、このホテルは全く気が付かなかった。