第1期174戸が即日完売 三井レジ・東急不「コスギ サード アヴェニュー」
「Kosugi 3rd Avenue(コスギ サード アヴェニュー ザ・レジデンス)」
三井不動産レジデンシャルと東急不動産の住宅・商業・公共公益の複合一体開発「Kosugi 3rd Avenue(コスギ サード アヴェニュー ザ・レジデンス)」を見学した。先月25日に抽選分譲された第1期174戸は1~12倍、平均2倍で即日完売したというからすごい人気だ。3タイプのモデルルームもそれぞれコンセプトが明確で、インパクトがあった。
物件は、JR線・東急東横線・目黒線武蔵小杉駅から徒歩2分、川崎市中原区小杉町三丁目に位置する38階建て全519戸(販売総戸数465戸、事業協力者戸数54戸含む)。専有面積は41.99~100.29㎡、坪単価は360万円。入居予定は2020年12月中旬。施工は大成建設。
施行面積約1.1haの小杉町3丁目東地区第一種市街地再開発事業として建設されているもので、1階から4階までは商業・業務・公共公益施設。子育て施設、自治会館、多目的ホール、広場などが併設される。コンセプトは「3世代、3用途、3つの広場が結びつき、自分らしい日常が広がっていく」ミクストユース。物件名にもその思いが込められている。
住宅部分は4階から38階まで。標準階は1フロア15~16戸構成。これを面積ごとにみると、40~50㎡台が7戸、60㎡台が1戸、70㎡台が6戸、80㎡台が1戸というように、小家族用の比率が高いのが特徴。
主な基本性能・設備仕様は、リビング天井高2550ミリ、ディスポーザー、食洗機、御影石またはシーザーストーンキッチン・洗面カウンター、グローエ水栓、ミストサウナ、Low-Eエコガラス、突板建具(一部)など。モデルルームは、59㎡、68㎡、89㎡の3タイプ。
ゲストサロン所長・渡辺英喜氏や同社横浜支店開発室・石井諒氏によると、「予算的には坪330万円という人が多い。一番人気は30戸しかない89㎡のタイプで、価格は8,500万円台から1億2,500万円台。三井デザインテックの黒須理枝氏が担当した59㎡台はすべて完売。68㎡台は親子3人がそれぞれ利用できるカウンターを提案しているのが受けている」と話した。
第1期174戸が即日完売したことを受けて、年内に10~20戸を第1期2次として追加販売する予定だ。
ステップガーデン
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モデルルームは3タイプとも非常によくできているという印象を受けた。記者が一番好きなのは、黒須氏がデザインを担当した59㎡のタイプだ。リビングサイドの居室・寝室は小上がりとし、隣り合う浴室窓はスルーガラス。ホテルにありそうな非日常を演出している。
89㎡のタイプが人気になったのもよく理解できる。費用は100万円単位の収納・建具の提案がいい。これくらいの戸数なら1億円前後でも売れるはずだ。親子3人が利用できる68㎡のカウンターの提案もいい。
59㎡のモデルルーム
68㎡のモデルルーム
89㎡のモデルルーム
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住戸プランは、40~50、60㎡台が半数にのぼり、70㎡台でも角住戸を除き70~71㎡台が多いのは、武蔵小杉では今回で6棟目の供給で、ユーザーのニーズを熟知している三井レジの戦略であり、購買力とも密接な関係がありそうだ。
さすがに坪単価が300万円をはるかに超え360万円ともなると、パワーカップルとはいえ20坪で7,000万円というのは負担が大きい。「予算的には坪330万円という人が多い」という関係者の言葉がそれを裏付けている。これは住友不動産「シティタワー武蔵小杉」でも感じたことだ。
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市のデータによると、武蔵小杉駅周辺では平成18年からこれまでに約7,900戸(賃貸含む)が供給されており、今後の計画を含めると1万戸近くに達する。すごい数ではあるが、東京、品川、渋谷、新宿、川崎、横浜などに10~30分圏であることを考えると、これくらいの戸数を吸収するキャパシティはあると思う。
今回、取材時間まで少し余裕があったので駅直結の「エクラスタワー武蔵小杉」に併設されている中原図書館に寄ってみた。ほとんど満席たった。5階と6階のフロアに蔵書が約30万冊。羨ましい。
だが、しかし、記者がポテンシャルの高い街の必須要件にしている食事・冠婚葬祭・会議などに利用できるホテルがここにはない。今後も建設されそうな計画はない。この街で生まれ育った人はここを〝故郷〟と呼べるのか。
三井レジ・JX日鉱「武蔵小杉」 第1期は409戸 単価は330万円(2015/6/24)
70㎡でも75~80㎡と同様の居住性能」 住友不動産「武蔵小杉」販売へ(2013/10/24)
反響4000件超 東急電鉄他「エクラスタワー武蔵小杉」(2011/1/11)
三井不動産レジデンシャル「パークシティ武蔵小杉」全1437戸が竣工(2009/4/11)
木造ゼネコン目指す 建築物の木造化に注力 すてきナイス・日暮副会長
2階天井(構造材は欧州アカマツ)
ナイスは11月29日、横浜市保土ヶ谷区の木造2階建て保育園・準耐火建築物現場見学会を行った。
すてきナイスグループ代表取締役副会長・日暮清氏は、「鉄やコンクリは、気が遠くなるほどのCO2を発散させているが、木は100年、200年にわたってCO2を固定化し、再生も可能。国も国産材の活用に大きく方向転換した。当社は『木造ゼネコン』を商標登録済で、一般建築物の木造化も新しいビジネスとして積極的に展開していく。SDGsの視点からも意義のある事業」などと語った。
保育園は、地元商店街が中心になって設立した「西谷保育園」の分園として建設されるもので、設計を担当した雄設計室代表取締役・古谷雄一郎氏は「木造にしたのはコストが一番の理由。本園とのつながりを重視し、1階には奈良県材のヒノキの柱を現しで使用し、すのこを敷いて自然の雰囲気を取り込んだ」と話した。
建物は、相模本線西谷駅から徒歩9分、横浜市保土ヶ谷区西谷に位置する木造2階建て(パワービルド工法)延床面積290.87㎡。設計・監理は雄設計室。施工はナイス。工期は平成30年9月~平成31年3月。
日暮氏
奈良県産材ヒノキの現わしの柱(樹齢250年、長さは4m。価格は30万円だとか)
積水ハウス・マリオット 横浜・みなとみらい21地区に「「ウェスティンホテル横浜」
「ウェスティンホテル横浜(The Westin Yokohama)」
積水ハウスは11月30日、横浜・みなとみらい21地区にマリオット・インターナショナルの「ウェスティンホテル横浜(The Westin Yokohama)」を2022 年春に開業すると発表した。
積水ハウスが事業主となりプロジェクトマネジメントを行い、マリオット・インターナショナルがホテル運営を行う。
「ウェスティンホテル横浜」の総客室数はホテル373 室、レストラン、バンケット、フィットネスなど。長期滞在対応型ホテル201 室も併設する。
ホテルは、みなとみらい線みなとみらい駅から徒歩5 分、横浜市西区みなとみらい4-2-4、敷地面積約9,604.59㎡(約2,905坪)、24階建て延床面積約64,700㎡。
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横浜・みなとみらい地区のホテル戦争が激化している。これからも10棟くらいが建設されるのではないか。「ウェステティンホテル」は恵比寿しか知らないが、もっとも好きなホテルの一つだ。初めて宿泊したとき、あのえも言えぬベージュに魅了された。
東京建物「Brillia大山Park Front」完成 ランドスケープ・外観が素晴らしい
「Brillia大山Park Front」
東京建物は11月30日、一昨年10月に分譲開始し、好調裡に完売した「Brillia大山Park Front」が竣工したのに伴う関係者見学会を行った。ふんだんに植栽を施したランドスケープデザイン、木調横ルーバーをバルコニー配した外観が印象的だった。
エントランス付近
手前の空地も市が公園として整備する予定
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この物件については、分譲開始される前にモデルルームを見学し、「『Bloomoi(ブルーモワ)』の企画商品が…出色の出来」「機能的で美しい」と書いた。また、公園に隣接するマンションなので、「都の民設公園制度を活用した第一号『Brillia萩山四季の森公園』を彷彿とさせる」とも記した。
今回、外構と共用施設を見て回り、褒めたのが間違いではなく、購入者も予想外のクオリティに満足されるだろうと思うと嬉しくなった。もうここで書くことなどほとんどない。写真を見ていただきたい。
ひとつだけ残念だったことを指摘すれば、共用施設の壁面に飾られていた観葉植物がいかにも造花然としていたことだ。記者はしつこいほど〝フェイクの緑はやめよ〟と書いている。本物の観葉植物を壁面に飾った場合のコストはよくわからないが、本物が果たす役割を考えれば決して高くはならないはずだ。
どこもやらないのならそれでもいい。しかし、三井不動産レジデンシャルは「パークシティ武蔵小杉ザ グランドウイングタワー」(506戸)のエレベータホール(確か各階)に本物の「壁面緑化」を設置していた。こうしたさりげない演出が人を感動させる。三井ですら(だからか)そこまでやる。拱手傍観していたらその差は絶対埋まらない。
講演から望む
外構&舗道
ナイス ママの過重労働を解放する「DIWKS PARFAIT(デュークス パフェ)」発売
「DIWKS PARFAIT(デュークスパフェ)」プラン
ナイスは11月28日、新商品「DIWKS PARFAIT(デュークスパフェ)」を2019年新春から全国で供給すると発表した。
夫婦ともにキャリアを持ちながら子育てをする世代を意味する「DIWKS(デュークス)」向けで、完璧なものを意味するフランス語「PARFAIT」には、ママの家事を手伝うという発想から脱却し、家族全員が自立する思いが込められている。
ポイントは、「パワークローゼット」「パワー洗面」「パワーキッチン」の3つ。それぞれを寝室からと玄関からの2wayとすることで、ストレスを解消し、家族全員の「時間短縮」を実現する。
「パワークローゼット」は、広さ約3畳大。家族全員の収納ドレッシングルームに、家族それぞれのコーナーを設け、衣類だけでなく、小物やバッグなども効率的に収納できるようにする。
「パワー洗面」は、広さ約2.5畳大。パパ用とママ用の2つのボウル、ミラー裏にはコンセントを2つ配置、充電式の歯ブラシや電気シェーバーの利用に便利な工夫を加え、手元に引き出せるミラーはメイクがしやすい設計となっている。併設したランドリークロークでは洗濯-物干しができる。
「パワーキッチン」は、広さ約3畳大。ママの戦場であることから、手を伸ばせば届く距離で最大限の機能を発揮する「コックピット」のようなスペースとなっている。
販売開始は2019年1月から。年間販売目標は150棟。2019年1月12日(土)、横浜市都築区の街かどモデルハウス港北ニュータウンにモデルハウスをオープンする。
「パワークローゼット」
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この日は、すてきナイスグループの2019年3月期決算業況説明会があり、同社社長・小暮博雄氏が約1時間にわたって第2四半期の業績やトピックスなどについて語った。記者は風邪がひどく、話に集中ができず、ろくに聞いていなかった。
途中、ナイス住宅事業本部事業推進事業部設計部・岡部あや子氏が「DIWKS PARFAIT(デュークスパフェ)」について説明したのもよくわからなかったが、会社を出てから子どもを保育園に迎えに行って、家に帰り、食事を作り、食べさせ家事を終え、椅子に座れるのは8時半で、パフェ、p音、戦場、パーフェクト、パワー、フェラーリ、ベンツなどの言葉が発せられ、記者を眠りから呼び戻した。
どのような意味であるかは前段を読んでいただきたい。記者も約10年間〝主夫〟を完ぺきではないにしろこなした経験があるのでよくわかる。食事を作るのは30分。宿題を手伝うのも30分。弁当に5色を入れるのは忘れなかった。洗濯を1日に2回するのはざらで、こんがらかった衣類をほぐしベランダに干すのもまた大仕事だ。ティッシュが入ったままのズボンを洗ってしまうことも度々で、その始末がまた大変。自分の時間が持てるのは10時過ぎだった。それからぐびぐびとウイスキーを飲んだおかげで糖尿病の数値が跳ね上がった。
岡部氏が「パフェ」と「p音」にしたのは、野性味にあふれるボルボ、ベンツ、BMWと違って、ポルシェ、フェラーリと同じように洗練された響きを重視したからだという。
なるほど。読者の皆さんはデベロッパーのマンションブランドも「p音・ハ行」が多いのをご存じか。「パークホームズ・三井不動産レジデンシャル」、「パークマンション・三菱地所レジデンス」、「プラウド・野村不動産」、「ブリリア・東京建物」、「ブランズ東急不動産」などだ。ナイスの戸建て「パワーホーム」も同じだ。岡部氏が話したポルシェ、フェラーリ、ボルボ、ベンツ、BMWもみんな「ハ行」なのは単なる偶然か。
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話が横道にそれた。いまだに時代遅れの田の字型プランを墨守しているところも少なくはないが、ハウスメーカーもデベロッパーも〝家事は戦場〟からの解放に懸命に取り組んでいる。その環境(商品企画)は完成形になりつつあると思う。今回の新商品もその一つだろう。
あとは各企業が働き方改革を進め、ワーク・ライフ・バランスの取り組みを実践するかどうかに掛かっている。長時間働いても生産性は上がらない。多くの人が言うように何にごとも集中してできるのは4時間が限界だろう。
「道の駅」ハブに地方創生 ホテル事業 第一弾15カ所1000室 積水ハウス・マリオット
イメージ図
積水ハウスとマリオット・インターナショナルは11月28日、国内の各自治体と連携し、「道の駅」をハブにした「地域の魅力を渡り歩く旅」を提案する地方創生事業「Trip Base(トリップベース)道の駅プロジェクト」を展開すると発表。ファーストステージとして、ロードサイド型ホテルを2020年秋以降に5府県15カ所約1000室の規模でオープンする。
「未知なるニッポンをクエストしよう」をコンセプトに、地域に根差した文化・風習・暮らし・食などの資源を提供することで、新しい体験型の旅のスタイルを提案する。
ホテル事業は、マリオット・インターナショナルの日本初上陸となるホテルブランド「フェアフィールド・バイ・マリオット(Fair field by Marriott)」により、シンプルにゆったりとくつろぐことのできる宿泊特化型とするのが特徴。
記者会見に臨んだ積水ハウス代表取締役社長・仲井嘉浩氏は「『道の駅』は拡大しているが、宿泊機能を備えたものは少ない。ホテルをハブに地域のポテンシャルを高め、地域創生に貢献したい。そのために地元の観光事業者、自治体、地域住民、農林水産事業者など多くのアライアンスパートナーとの連携を密にしていく。ファーストステージの投資額は1室2,000万円として200億円。今後10年間でそれぞれ1,000室と仮定すると2,000億円の建築需要が見込まれる」と語った。
マリオット・インターナショナルアジア太平洋社長兼マネージングディレクター クレイグ・スミス氏は、「地方のデスティネーションを開拓したいという需要が増えているのにも関わらず、そういった地域には限られた宿泊施設しかない。積水ハウスとともにフェアフィールド・バイ・マリオットが提供するシンプルさと信頼感により、こうしたトレンドを取り込む」と話した。
開業するのは栃木県の宇都宮市、茂木町、日光市、岐阜県の美濃市、郡上市、美濃加茂市、高山市、三重県の御浜町。大台町、京都府の宮津市、京丹波町、南山城町、和歌山県のすさみ町、串本町、田辺市の15カ所。
施設は3~7階建て、延床面積は約2,020~4,240㎡。客室数は50~96室。1室30㎡前後になる模様。
仲井氏(左)とクレイグ・スミス氏(ウェスティンホテル東京で)
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会見場には約120名の記者が詰めかけ、関心の高さをうかがわせた。記者団からの「地方でホテルを展開することのリスクはないか」という質問に対し、クレイグ・スミス氏は「リスクは感じていない。モノを買うよりコトを消費するほうが上回っているように、ミレニアル世代のバランス感覚は鋭く、そうしたニーズを取り込める。むしろワクワクしている」と言下に否定した。
記者もそう思う。ミレニアル世代は訳が分からず、つかみようがないのに困惑するばかりだが、世の中はミレニアル世代が主役の座に鎮座する時代になりつつある。そのニーズをいかに取り込むかが勝敗の分かれ目になるような気がしてならない。
もう一つ、記者が期待したいのはやはり地方再生・創生だ。地方はいま〝青息吐息〟の苦境に陥っている。再生・活性化は喫緊の課題だ。
これまで政府主導による様々な取り組みが行われてきたが、成功しているとは思えない。今回、世界最大のホテルチェーンを展開するマリオットと、やはり世界最大のハウスメーカーが組み、さらに地域との連携を強化すれば間違いなく「未知なるニッポンをクエスト」することができるはずだ。
地方に眠っている文化を掘り起こし、元気を取り戻すプロジェクトになることに期待したい。
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会見場では5府県知事からのコメントが紹介され、「道の駅 銘菓」も振舞われた。三重県知事・鈴木英敬氏は次のようなコメントを寄せた。
「三重県から大台町と御浜町の2カ所が選定されたことを大変うれしく思います。
大台町は、ユネスコエコパークに登録の大杉谷と日本一の清流宮川など雄大な自然に囲まれた地域で、SUPやハイキングなどアウトドア体験が満喫できる地域です。御浜町は、熊野灘を望む温暖な気候を生かし、年中みかんのとれる町として有名で、みかん狩りや世界遺産熊野古道ウォークなどが楽しめます。
県内には、伊勢神宮や忍者、海女をはじめとする歴史文化や、松阪牛、伊勢えびなどの山海の幸にも恵まれ、旅の目的地として訪れる価値がある場所です。今後、世界中からの多くの旅行者に、三重にお越しいただき、楽しんでいただけるよう、本プロジェクトの成功に期待しています」
会見場
大阪・万博開催は日本の新たな国際競争力をもたらす 三菱地所・吉田社長
三菱地所・吉田淳一氏は、2025大阪・関西万博の開催決定について次のようにコメントした。
2019年のラグビーワールドカップ、2020年のオリンピック・パラリンピック、2021年のワールドマスターズゲームズ開催に続いて、日本がますます国内 外の注目を集める機会となり、人やモノ、投資資金を呼び込むことで、日本の持続的な成長につながるだろう。
2024年夏には、当社を代表とするJV9社が開発を進める「うめきた2期」 が先行まちびらきを迎える予定であるが、同プロジェクトでは、「みどりとイノベーションの融合拠点」をまちづくりの目標に掲げ、中核機能として国際集客・ 交流施設のほか、最先端技術を積極的に採り入れたイノベーション創出拠点を整備する。こうした未来志向性は、この度決まった大阪万博の方向性と類似しており、相乗効果があるだろうと感じている。
万博は、地域経済の活性化や日本の魅力発信につながるだけでなく、最先端 技術など世界の英知が結集し、新たなアイデアが創造され、イノベーション創 出の場となる。創造的・革新的なイノベーションは、関西ひいては日本に新たな国際競争力をもたらすと期待している。
坪250万円に収まりそう 東建など6社JV「SHINTO CITY(シントシティ)」
「SHINTO CITY(シントシティ)」完成予想図
東京建物など6社JVマンション「SHINTO CITY(シントシティ)」を見学した。さいたま新都心駅から徒歩5分の約1,400戸の大規模物件で、埼玉県下で最大級の物件として注目を集めている。坪単価は250万円に収まる模様だ。
物件は、東北本線・京浜東北・根岸線さいたま新都心駅から徒歩5分、さいたま市大宮区北袋町一丁目に位置する15階建て1,000戸(このほか建築確認前が約400戸)。専有面積は66.40~92.15㎡、価格は未定だが坪単価は250万円に収まる模様。竣工予定は1街区が2020年12月中旬、2街区が2021年12月中旬。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。分譲開始は来年1月の予定。
事業比率は東京建物が25%、住友不動産が25%、野村不動産が20%、近鉄不動産、住友商事、東急不動産がそれぞれ10%。
現地は、三菱マテリアルの研究所跡地。駅徒歩5分×総戸数1,000戸以上で括ると、この物件を含め過去10年間で10物件しかない希少物件として注目されている。
建物はコの字型で、南南東向きA棟と南南西向きのB~D棟の5棟構成。住戸プランは72㎡が中心で、横長リビングと田の字型と角住戸というシンプルな間取り構成となっている。約2,880㎡の中庭には、2階建て共用施設棟「センターテラス」が設けられる。
主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高2500ミリ、ディスポーザー、食洗機、人造大理石カウンターなど。
販売担当の東京建物住宅営業第一部営業グループ課長代理・草田昌義氏は、「近隣には坪単価250~260万円くらいで面積がやや狭い3LDKの物件が多いが、平均で72㎡を確保して単価も抑制気味にした。単価は245~250万円で調整中。地元大宮区をはじめ与野方面の居住者からの反響がいい。第一期は200戸くらいの供給を目指す」と、手応えを感じ取っているようだった。
現地
模型
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まず坪単価。「坪単価250万円だったら間違いなく売れるが、そんなに安くはならない」と予想していた。
念頭にあったのは三井不動産レジデンシャルほか「ザ・ガーデンズ東京王子」(全864戸)だった。この物件は、最初は駅から遠いところから販売され、坪260万円くらいだった。想定外の売れ行きで、最後の駅に近いほうは280万円くらいになったはずだ。
東十条と今回のさいたま新都心のポテンシャルを比較すれば、さいたま新都心に軍配を上げる。駅から現地までのケヤキ並木が素晴らしい。ただ、戸数も多いので強気な価格設定はしないと読んだのだが、坪250万円は〝勢い〟を付けるための設定なのだろう。
モデルルームは、72㎡の横長リビングと一般的な田の字型の2タイプと、92㎡の角住戸の3タイプ。92㎡はオプション仕様だが、組子デザインのアートや壁が採用されている。価格は6,000万円台の半ばから8,000万円台になりそうだが、28戸しかないこともあり一番人気とか。
組子のアート(モデルルームで)
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どれほどの効果があるか分からないが、〝新都心から日本の幸せを変えよう〟というキャッチフレーズは面白い。売主6社からなる「幸せの街総合研究所」が全国約1万人を対象にアンケートを実施。得られた回答を「LOVE」「W.L.B」「FUTURE」「CULTURE」「PLAY」「NATURE」「COMMON」「HEALTH」「MY-HOME」「WISDOM」の10のキーワードに分類し、「1000HAPPINESS」にまとめている。
例えば「LOVE」では、「今年も、いつものイタリアンレストランで子どもの誕生日のお祝い」「赤ちゃんを寝かしつけていたら自分もスヤスヤ。この時間も幸せ」などと他愛のないものばかりだが、それを10ページにわたって紹介しているのは立派。さらに幸福度の高い国や地域の特性を調べ、「日常を愛し、家族との時間を大切にする場所と時間がある」という共通項を導き出している。
同じような試みは、「富久クロス」(1,093戸)でも行っている。「Tokyoイゴコチ論争」と称し、WEBやアンケート、座談会を通じ約10万件もの声を集め、寄せられたアイデアを1000個の「イゴゴチ」にまとめて公表した。
今回の「1000HAPPINESS」はそれの二番煎じではないかと思わないわけではなく、平均72㎡のプランが一般的なファミリーにとって〝幸せプラン〟なのかという疑問も湧くが、水を差すようなことはとりあえず脇に置く。
〝20坪で5,000万円、23坪で5,800万円〟というのが記者が以前からずっと考えてきたファミリー層のマンション取得限界だ。それには合致するはずだ。
〝郊外苦戦〟跳ね返す 売れ行き好調 タカラレーベン「守谷」554戸
「レーベン守谷THE SQUARE(イーストコート)」(手前、奥が「ウエストコート」)
タカラレーベンの「レーベン守谷THE SQUARE(イーストコート)」が好調な売れ行きを見せている。守谷駅から徒歩11分の全141戸の規模で、今春に分譲開始して以降、これまでに120戸を契約済みだ。〝郊外苦戦〟の定説を覆している。
物件は、つくばエクスプレス線、関東鉄道守谷駅から徒歩11分、茨城県守谷市松並青葉一丁目に位置する7階建て全141戸。12月上旬に分譲予定の第3期2次(戸数未定)の専有面積は76.34~96.44㎡、予定価格は2,400万円台~4,600万円台(最多価格帯3,700・3,800万円台)。坪単価は152万円。竣工予定は2018年11月。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。
現地は、開発面積約41.7ha、総区画数約900区画の土地区画整理事業「ビスタシティ守谷」の一角。既分譲の「レーベン守谷THE BRIDEG」281戸と、今後分譲する「レーベン守谷THE SQUARE(ウエストコート)」132戸と合わせ全554戸の「ニコハピ プロジェクト」の第二弾。大規模商業施設「YORK TOWN MORIYA」が隣接。
わが国初の太陽光発電と「エネファーム」を組み合わせ、100%駐車場使用料金ゼロ、平均84㎡の広さ、始発駅、大規模商業施設に隣接していることなどが人気の要因。
販売担当の同社第2営業グループ第1営業部1課課長補佐・岩﨑良比呂氏は、「この物件は、『南大塚』とともに当社でもっともよく売れている物件の一つ。沿線には競合も多いが、始発駅で商業施設に隣接しており、圧倒的な広さが評価されている」と話している。
完成済みの「レーベン守谷THE BRIDEG」とあわせ17の共用施設が相互利用できるのも評価されているという。
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苦戦すると思われた郊外エリアのマンションを成功裏に終えた同社の事例はたくさん見てきたが、さすがに守谷では完売するまでに5~6年はかかるのではないかと考えていた。
その最大の理由はアドレスが茨城県になることだ。茨城の人は〝五十歩百歩〟と笑うかもしれないが、千葉県の人は利根川を越えることに相当の抵抗感を持っているはずだ。小規模物件なら地元需要だけで吸収できるかもしれないが、500戸を超える大型では早期完売は無理だと予想していた。
第二の理由は競合物件の多さだ。つくば沿線は八潮-三郷中央-南流山-流山セントラルパーク-流山おおたかの森-柏の葉キャンパス-柏たなかでマンションが途切れることなく供給されており、完成在庫も少なくない。同社の物件は単価は安いが、専有面積が広いだけに他社物件と比較してグロスの優位性はない。
それでも売れ行きがいいのは、岩﨑氏が話した通りだろう。先月取材した大和地所レジデンスの「千葉ニュータウン」と同じだ。商業施設に隣接し、面積が広いというのがユーザーに高く評価されている。
リビング・ダイニング・キッチン
ポラス 南柏の木造在来2階建て認定こども園 構造見学会
2階の屋根の部分
ポラスグループのポラテックは11月22日、同社が施工している千葉県柏市の木造在来工法2階建て認定こども園の構造見学会を行った。
12社による指名競争入札で同社が入札した案件で、建物は、学校法人岩崎学園くりの木幼稚園の敷地内の法22条に位置する敷地面積約4,972㎡、保育園機能を備えた認定こども園。構造・規模は木造在来2階建て延べ床面積約1,440㎡(435.60坪)。設計は時設計。引き渡し予定は平成31年3月。
構造材は、同社のプレカット工場で製造可能な住宅などにも利用されているアカマツの集成材を極力採用することでコストを下げ、約10mスパンの空間を確保するため2本1組の120×390トラスや2階の床を吊るすM20のボルトを採用しているのが特徴。
同社は、わが国最大の木造プレカット工場を擁し、年間約3,000戸の住宅を施工・販売しており、非住宅の受注にも力を入れている。2017年度の受注実績は12棟、12.5億円。2018年度は16棟、21.5億円の受注めどが立っているという。
M20のボルト
完成予想図
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トラスの接合についてだったか、工事関係者が「通常の5倍くらい難しかった」と話した。しかし、ゾウの大きさを知らないカエルのお母さんと一緒の記者は、通常の工事の難易度がさっぱり分からない。〝浦和レッズに勝つほどではなく、西武打線を抑えるくらい難しい〟とでも言ってくれれば多少は理解できただろうに。この点については、解説のしようがない。
もっとも興味があるのは〝現わしの見える化〟だ。この2点について質問したら、期待通りの答えが返ってきた。
設計を担当している時設計建築設計部建築設計課課長・吉野達也氏は、「森の中の木造園舎を目指しており、腰壁、柱などに木を貼って、自然なもの、木に囲まれている環境にする」と話した。
ポラテック木造推進課課長・篠田和弘氏は、「建基法の改正により、現わしが可能になった部分も多い。今後も木造の構造美を大切にしたい」と語った。