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「シティテラス川崎鈴木町グランドシーズンズ」完成予想図

 住友不動産は12月7日、京急大師線鈴木町駅から徒歩3分の「シティテラス川崎鈴木町グランドシーズンズ」が竣工したと発表した。

 同物件は15階建て全475戸で、隣接する分譲済みの「シティテラス川崎鈴木町ガーデンズ」(257戸)と合わせ敷地面積約22,000㎡、総戸数732戸の大規模プロジェクト。

 敷地面積13,600㎡超の敷地に、周囲への圧迫感を配慮した5棟構成に加え、約1/3の公開空地に200本近くの高木を植樹、四方に緑を巡らせているのが特徴。

 2017年4月の第一期販売開始以降、第四期まで約7割が成約済み。同社は建物完成を迎え、来場は加速しているとしている。

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 京急大師線のマンションを取材したのは4年前が最後で、同社の物件も見ていないのでコピペするほかないのだが、この沿線はこの10年間で一変している。これまで500戸以上が成約済みというのも納得できる。

 10年前に分譲された東門前町駅から徒歩3分の「フォレシアム」777戸(坪単価180万円)は瞬く間に売れた。鈴木町駅圏では8年前に分譲された三井不動産レジデンシャル「パークホームズ グランファースト」303戸(坪単価175万円)はわずか4カ月で完売した。

 港町駅前の「リヴァリエ」1,394戸も2011年の分譲開始から完売まで6年要したが、レベルは高く、中古でも坪200万円を突破しているのではないか。 

街は一変するか 相鉄不動産他「グレーシアシティ川崎大師河原」(2014/9/25)

期待通りの京急・大和ハウス「Riverie(リヴァリエ)」(2011/6/3)

近年まれに見る好調な売れ行き「フォレシアム」(2008/4/28)

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岡本理事長(左)から表彰を受ける早坂氏

 マンション管理業協会は12月7日、「マンションいい話コンテスト2018(管理会社編)」の公開最終審査・表彰式を行い、251通の応募作品の中からグランプリ(10万円分商品券)に大京アステージ技術統括部企画推進課・早坂章氏の作品「マンションライフだから、伝わるもの」を選んだ。早坂氏は昨年の特別賞に続き2年連続の受賞。

 居住者から寄せられる生活音などのクレームをストレートに伝えるのではなく、掲示スタイルに工夫を凝らすなど状況に応じた「心配り」が必要と説いたことが評価された。

 このほか、準グランプリ(5万円分商品券)に大和ライフネクスト マンション事業本部事業推進部企画統括課・大塚威氏、特別賞(3万円分商品券)に同 首都圏中央支社赤坂支店・野尻和子氏、野村不動産パートナーズ東京北支店業務三課・金丸奈央氏、佳作に9氏がそれぞれ選ばれた。

 また、当日は、第2部として同協会海外研修参加者6名による「日本のマンション管理の未来像」が発表され、第3部では「マン活トレンド発表会 2018」として東京建物アメニティサポート社長・矢内良樹氏(同協会理事)&同社企画部事業企画グループ・丸山裕樹氏、大和ライフネクスト社長・石﨑順子氏(同協会副理事長)がナレッジセミナーを行った。

 同協会理事長・岡本潮氏(東急コミュニティ会長)は、「われわれは、マンション居住者の財産価値と居住価値を維持・向上させていく大きな社会的役割を担っており、中期事業計画(2018~2022年)を確実に実現する」と締め括った。

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石﨑副理事長(左)から表彰を受ける大塚氏

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 コンテストでは、受賞者が発表されるたびにアドベンチャー映画のテーマ曲のような音楽が流れ、応援団が幟やプラカードを掲げ、法被姿で声援を送るのに気が取られ、その盛り上がりに圧倒され、肝心の各氏の作品紹介やコメントはどこかにすっ飛んだ。

 早坂氏の作品はその通りだと思う。記者も賃貸を含めればマンションに40年以上住んでいる。入居者からの苦情、例えば上階の音、赤ん坊の泣き声、子どもを叱る声、風鈴の音、新聞配達の音、ハイヒールの音、ピアノの音などがうるさいなどの声が掲示板に張り出されるたびにうんざりした。人間が生活しているのだから当然ではないか、もう息をとめるしか人間を辞めるしかない、この社会は病んでいると。

 マンションデベロッパーもそうだが、管理会社は建物の維持管理だけでなく、マンション生活を楽しいものにするためにコミュニティを醸成する役割も担っている。それらに関わる活動がきちんと評価され、報酬として受け取れるようにすべきだと思う。

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応援団

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 時間はわずか20分しかなかったが、海外研修参加者6名による「日本のマンション管理の未来像」のプレゼンもよかった。

 ここで紹介する余裕はないが、6氏は今後のマンション管理に「管理者方式」を導入すべきと強調した。

 記者も同感だ。建物の老朽化と居住者の高齢化が加速度的に進み、近年は居住のみではなく商業・業務・公益機能が併設された複合型も増加していることを考えると、現行の「理事会方式」では対応しきれなくなるのは間違いない。

 「管理者方式」には利益相反という課題もあるが、実務に疎い専門家から構成され、費用もかさみそうな「第三者方式」よりははるかに実効性があるはずだ。同協会は毎月のように記者懇親会を行っているが、一度、関係者を呼んで勉強会をやってはどうか。

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「日本のマンション管理の未来像」のプレゼンを行った海外研修参加者

マンション管理協 いい話コンテスト「かわら版って、いいよ!」 高橋さんグランプリ(2018/12/4)

住友建物サービス亀谷氏が最優秀賞 管理協「いい話コンテスト2017(管理会社編)」(2017/12/14)

顧客軽視、管理者不在のマンションを変える 管理協海外研修グループの提案(2017/12/16)

「ESなくしてCSなし」マンション管理協・関副理事長(野村パートナーズ会長)(2018/12/27)

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「オーベルコート世田谷弦巻」

 大成有楽不動産販売が分譲開始した戸建て「オーベルコート世田谷弦巻」を見学した。桜新町駅から徒歩14分の全10棟。1億前後の価格に見合う上質感に溢れるどこにも負けない商品企画だ。

 物件は、東急田園都市線「桜新町」駅から徒歩14分、世田谷区弦巻1丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)に位置する全10棟。第1期(7棟)の敷地面積は100.08~107.20㎡、延床面積は92.32~99.98㎡、価格は9,690万〜11,990万円。竣工は2018年9月。設計・施工は三菱地所ホーム。

 現地は閑静な住宅地。開発道路は自然石を円環状に敷き詰めた舗装仕上げ。建物は柱型、デザインウォール、ジョリパット、ボーダータイル、ゲートウォール、鋳物玄関門扉などを多用して上質感を演出している。

 住戸プランでは、全熱交換換気システム、東急セキュリティ、宅配ボックス、良水工房、フィオレストーン天板、アルミ樹脂複合窓、パナソニックの新製品スピーカー付きダウンライト、リビング・ダイニング・キッチン床暖房などを採用している。

 同社事業推進本部分譲事業室長・靜井耕史氏が「ブランド力は大手にはなかなか及ばないが、それを補うためしっかり造りこみをし、来場者の歩留まり率を高めるように気を配っている。質で勝負。最近は三菱地所ホームの施工が多いのも特徴の一つ」と話した。

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モデルハウス

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 同社の分譲戸建てを見学するのは4年前の人気になった「オーベルコート葛飾金町」(32戸)以来だった。今春には、4,600万円台平均の「オーベルコート松戸新田」25棟を(1期17棟・2期8棟)即日完売したという。

 今回はさすがに1億円前後という価格帯からして即日完売というわけにはいかないだろうが、第1期で7戸を供給したように、早期完売の手応えを感じているようだった。

 確かに、靜井氏が「質では負けない」と話したように、外観は同業他社の高額物件と比較して負けないと思った。設備仕様もそうだが、柱型、デザインウォールなどが美しい。

 同社が戸建て分譲事業を開始したのは平成6年。以降、手掛けたプロジェクトは100を超えるという。ノウハウを蓄積してきたからこそ継続できたのだろう。不動産流通会社でコンスタントに分譲戸建てを供給しているのは同社だけではないか。玉石混交の分譲戸建て市場でキラリと光る珠玉のような存在だ。

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モデルハウス

大成有楽不動産販売 分譲戸建て「葛飾金町」第1~3期 全32戸が即日完売へ(2014/12/10)

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「クレヴィアタワー大井町THE RESIDENCE」完成予想図

 伊藤忠都市開発(事業比率70%)と三菱地所レジデンス(同30%)のJVマンション「クレヴィアタワー大井町THE RESIDENCE」を見学した。駅から徒歩6分で坪単価は422万円。第1期60戸が成約済みで、まずまずの売れ行きを見せている。

 物件は、JR京浜東北線大井町駅から徒歩5分・東急大井町線大井町駅から徒歩6分、品川区大井一丁目に位置する21階建て全138戸(事業協力者住戸29戸、店舗2戸含む)。現在先着順で分譲中の住戸(15戸)の専有面積は33.00~75.02㎡、価格は4,438万~10,378万円(最多価格帯8,000万円台・9,000万円台)。坪単価は422万円。竣工予定は2020年5月末日。設計・監理はアール・アーキ、秀コーポレーション。デザイン監修はレーモンド設計事務所。施工は東急建設。

 現地は、二方接道の南西角地。8年前に分譲され人気になった「Brillia 大井町ラヴィアンタワー」に近接。

 住戸プランは1フロア6構成。4戸が角住戸。主な基本性能・設備仕様は免震構造、アウトフレーム、リビング天井高2.6m、ディスポーザー、食洗機、フィオレストーンキッチン・洗面天板など。

 〝nLDK〟の間取り発想ではなく、自分の生活スタイルに合わせてプランが選べる「SWITCH PLAN」を採用しているのが特徴の一つで、スライドウォールを動かし固定すれば3つのプランが実現する。

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 「SWITCH PLAN」は、最近流行りのスライドウォールに近いが、壁面を固定すれば3つのプランが生まれるというのが面白い。45㎡のプランを例にすると、リビング・ダイニングを中央で分離するとそれぞれ独立した空間が生まれ、スライドウォールをキッチンとつなげるとワークスペースとなり、スライドウォールを端に寄せるとホームパーティなどに適した広いスペースが生まれる。

 これを見て〝これはいい〟と思ったのだが、マンションギャラリー責任者の高橋祐也氏が「有償でして、費用は約700万円」が話したのにやや拍子抜けした。正直〝高い〟と思った。もう少し安くならないか。

 同社の「クレウィア池袋West」」の「HITO-TUBO(ヒトツボ)」は有償でも最高40~50万円と聞いた。

高単価エリアだからこそ生きる「HITO-TUBO(ヒトツボ)」 伊藤忠都市開発「池袋」(2018/12/5)

気になる価格設定 東京建物他「Brillia 大井町ラヴィアンタワー」(2010/10/1)

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「(仮称)パークウェルステイト鴨川計画」

 三井不動産レジデンシャルは12月5日、千葉県内最大規模となる鴨川市のシニア向け「(仮称)パークウェルステイト鴨川計画」を着工したと発表した。

 元気な高齢者(入居時年齢:概ね60歳以上)を入居対象とした「シニアのためのサービスレジデンス」で、同社が建物を開発したのち、三井不動産レジデンシャルウェルネスに建物を賃貸し、同社が老人福祉法に基づく有料老人ホームとして運営する。2021年秋の開業を予定している。

 建物は、太平洋を望む標高約46mの高台に立地する22 階建てトライスター形状。約2/3の住戸からは、太平洋や日本の渚百選に選ばれている前原・横渚海岸の海岸線が眺望できる。日本で初めてJCI 認証を取得した亀田総合病院をはじめとする亀田グループの医療・介護サービスと連携、自分らしく充実した日々を過ごすためのアクティビティプランも提案する。

 同計画は2019年6月開業予定の「パークウェルステイト浜田山」に続く第2号物件。

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「若潮ハイツマンション建替え事業」完成予想図

 野村不動産・コスモスイニシア・長谷工コーポレーションは12月3日、千葉市美浜区の「若潮ハイツマンション建替え事業」を着工したと発表した。「若潮ハイツ」は、1973年に若潮国体の選手村として整備された全13棟・500戸の団地で、建て替え後は全9棟・1,000戸規模のマンションとなり、千葉県内最大規模の案件となる。

 建物の老朽化と居住者の高齢化に伴う様々な問題が表面化したために、2008年から長谷工コーポレーションがコンサルタントとして支援を開始し、2013年に野村不動産が、さらに2015年にコスモスイニシアがそれぞれ事業参画。2016年12月に一括建替え決議が成立、2017年6月にマンション建替組合設立の認可を取得した。

 敷地を2つに分割し、先行して施工・分譲する「A敷地(397戸)」は2020年12月の入居予定。その後に施工する「B敷地(約600戸程度:建築確認未取得)」は2024年度に竣工する予定。

 現地は、JR京葉線検見川浜駅から徒歩10分、千葉市美浜区真砂二丁目に位置。A敷地は14階建て397戸(分譲戸数272戸)。専有面積50.89~92.45㎡。施工は長谷工コーポレーション。入居予定は2020年12月下旬。

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 このニュースにはいささか驚いた。「若潮ハイツ」がある京葉線検見川浜は、バブル崩壊後では三井不動産レジデンシャル「パークシティ検見川浜」(674戸、2000年竣工)、セザール「セザール検見川浜」(234戸、2000年竣工)、野村不動産・三井不動産レジデンシャルなど「検見川浜レジデンス」(379戸、2011年竣工)、伊藤忠都市開発「クレヴィア検見川浜」(156戸、2013年竣工)などを取材しており、東日本大震災のときも液状化の被害をつぶさに見学している。

 その地で1,000戸もの建て替えが行われるとは…。果たして売れるのか、価格はどうなるのかという疑問が真っ先に浮かぶ。野村不動産が幹事だった「検見川浜レジデンス」の土地の取得価格は1種9.5万円だった(2020東京オリンピック・パラリンピック選手村「ハルミフラッグ」は1種8万円だからいかに安いかがわかるはず)。今回は建て替えだから、土地値はただ同然だろうが、建築費は2010年比で3~4割は高くなっているはずだ。よく売れて年間200戸としても完売まで5年はかかる計算だ。

 千葉市のホームページによると、「平成22年6月時点で、分譲マンションは822管理組合で約9万8千戸あり、このうち旧耐震基準のものが168管理組合で約3万4千戸となっています。なお、旧耐震基準のもののうち敷地面積が2ha以上の大規模なものが37管理組合約2万2千戸あります」とある。

 今回は戸数的にはそのうちの5%にも満たないが、それでも成功してほしいと願う。

海・山・地の神の怒りの刃見る思い 千葉市美浜区の液状化被害も甚大(2011/3/23)

伊藤忠都市がまたまたレベルの高いマンション「稲毛台」(2007/7/19)

ディズニーや羽田空港並みの液状化対策 伊藤忠都市開発「クレヴィア検見川浜」(2012/5/18)

マンション空白地帯を駆け抜ける 野村不動産他「検見川浜レジデンス」(2010/3/3)

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「HITO-TUBO(ヒトツボ)」プライベートブティック

 伊藤忠都市開発の「HITO-TUBO(ヒトツボ)」が導入されたマンション「クレヴィア池袋West」を見学した。高単価の都心部だからこそその価値を分かりやすく伝える新提案だ。2018年度グッドデザイン賞を受賞したのもよくわかる。

 物件は、JR・東京メトロ・西武池袋線・東武東上線池袋駅から徒歩5分、豊島区西池袋2丁目に位置する15階建て全64戸。専有面積は27.75~55.14㎡、現在分譲中の住戸(7戸)の価格は3,580万〜6,570万円。坪単価は425万円。竣工予定は2019年3月上旬。設計・監理は三輪設計。施工は合田工務店。

 現地は、ホテルメトロポリタンに近接。用途地域は商業地域だが、二方角地で、敷地南側方面は目白の住宅街。

 建物は1フロア5~4戸構成で南西向き。内廊下方式を採用。多目的に利用できるWi-Fi・ミニキッチン付きのシェアラウンジを共用部に設置。主な基本性能・設備仕様は居室部分のリビング天井高2460ミリ、ディスポーザー、フィオレストーン天板、床タイルなど。

 「HITO-TUBO(ヒトツボ)」は、住戸内の約1坪(約1.8m×約1.8m)の限られた空間を、WIC+物入、プライベートブティック、アトリエ、ロフト、プライベートバーなど8タイプの中から選べるようにしたもの。55㎡は50ポイントが、27㎡は30ポイントがそれぞれ付与されており、その範囲内なら無料。有償でも40~50万円に収まるようにしている。

 同社は「住まいに関する調査を実施したところ、約9割の方が住まいでやりたいことがあるのに実現するためのスペースがないことに不満を感じていると判明。その不満を払拭する理想の住まいを提供すべく開発した」「消費者のお金をかける対象が〝モノ〟の所有ではなく、〝コト〟(体験)に変化している新たな消費者トレンドに着目」したとしている。

 購入者のうち9件が「HITO-TUBO(ヒトツボ)」を選択した。近く分譲する「クレヴィア池袋East」51戸(非分譲住戸6戸含む)にも採用する。

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プライベートブティック(左)とワーキングスペース

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 「HITO-TUBO(ヒトツボ)」の提案はなかなかいい。似たようなものは三菱地所レジデンスの「箱の間」、コスモスイニシアの「リトルテーマパーク、が楽しい家」でも見たが、坪単価425万円の価値を自ら実感でき、その価値を最大限引き出せるようにしているのがミソだ。

 コンパクトだけでなくファミリーマンションにもこれは採用できそうだし、外付けでも可能なはずだ。同社には継続して他物件にも採用してほしい。

 マンション販売担当者によると、多くの人は無償の範囲で収まる「WIC+物入」を選んだという…分からないわけではないが、利回り5%の賃貸とすれば、年間20万円だ。もっと有効活用したほうがいいと思うがどうだろう。

 モデルルームの出来もよかった。55㎡の南西角住戸プランで、デザインは三井デザインテックが担当。14戸すべて完売したという。

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モデルルーム

三菱地所 〝CSRからCSVへ〟新たな価値創造目指す「3×3 Lab Future」(2016/3/29)

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 マンション管理業協会は12月3日、マンション居住者や管理組合のマンションライフを豊かにする様々な工夫や活動を応援する「マンションいい話コンテスト 2018(一般編)」グランプリ、準グランプリ、 特別賞を発表した。グランプリ賞(賞金30万円)には、全国536通の応募の中から高橋千秋さんの「かわら版って、いいよ!」が選ばれた。

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 「かわら版って、いいよ!」のあらすじと「講評」は以下の通り。

 大規模修繕工事のための臨時総会が開催された。ある出席者から、業者の選択、大規模修繕の必要性など、提示を根本から覆すような質問があり、大規模修繕工事は延期になるのかな、というあきらめのムードが漂い始めた。そんな時、年配の男性が『知りたければ、事前の段階で意見を言えばよい。それをせずに、この場で屁理屈のようなことを言っている。もう、黙らっしゃい。』と発言した。出席者から、割れんばかりの拍手が起こり、決着した。

 この総会で私はある事に気づいた。一度に出す分厚い資料で知らせるのではなく、もっと簡単な形でその都度知らせていたら、よかったのではないかと。

 私は、広報誌「かわら版」の発行を引き受けた。私は「かわら版」を毎月発行することにした。

 理事会の議題に関することは勿論、マンション内での出来事を理事会の承認を得て、知らせている。

 2億円をかけて、自走式駐車場を作るという試案が出され、賛否を問うアンケート調査を行い、結果は「かわら版」で一人ひとりの意見を氏名ではなく番号にして、知らせた。説明会が2回行われ、参加者は「かわら版」を冊子にして持ってきた。発言者は、『自分はかわら版の何番の人の考えに賛成である』『⑦番の人の考えには反対である』という感想がお互いに語られ和やかに話し合いは進み、提案者も納得し、自走式駐車場は作らないことになった。

 水道管の洗浄が行われた時に、管の経年劣化が発見された。管の交換は全体で一斉にやるべきだと いうお声を頂き、「かわら版」でアンケートを取り、その結果、水道管の取り換えは全体で一斉にやる方向に、総会ですんなりと決定した。

  築後23年を経過しているマンションでは、あちこちに経年劣化とみられる現象がみられ、その都度、工事着工についてのご意見などは、すべての所有者に「かわら版」を通して聞いている。390の所有者の意見をまとめ上げることは、以前は大変であったが、この「かわら版」アンケートを使い始めてからは、総会でのまとまりは非常に良くなり、なごやかになっている。

 「かわら版」に関しての調査をすると、居住者のほとんどの人が読んでいる。総会に出席できない人も、「かわら版」で意見を述べたら、参加しているような気持ちになり、よかったというご意見を頂いた。

 【講評】 マンションには多種多様な人たちが住まわれているので、合意形成が難しいとされがちです。それを実感した筆者が取り組んだのが、昨今のIT 化社会では古風にも感じられる、広報誌「かわら版」の活用。全居住者に配られる『かわら版』が、マンション内の風通しをよくするきっかけに。

 多くのマンションで、理事会からの情報発信の手段として議事録や広報誌が作られていますが、使い方を工夫することで、マンションのコミュニティを良好に、また、合意形成をスムーズにする力を発揮するということを改めて感じさせられます。

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 「かわら版って、いいよ!」がグランプリ賞を受賞したのが嬉しいやら悲しいやら。嬉しいのはもちろん、当たり前の管理組合の広報活動がきちんと評価されたことだ。

 悲しいのは、このようなごく当然の広報活動が業界団体の賞を受賞するという情けない現実を見せつけられたからだ。

 これは管理組合の広報紙にとどまらず、諸々のメディアにも言えることだ。当たり障りのない事大主義、事なかれ主義に徹する官報のような〝お知らせ伝言板〟に堕していないか、考える必要がある。

 

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「プラウドシティ吉祥寺」完成予想図

 野村不動産と日清紡ホールディングスは11月29日、「プラウドシティ吉祥寺」第一期140戸が平均1.07倍で登録即日完売したと発表した。

 物件は、JR中央線吉祥寺駅から徒歩23分(バス約10分)、三鷹市下連雀五丁目に位置する敷地面積約26,405㎡、8階建て8階建て全678戸。専有面積は66.36~90.60㎡、第1期価格は4,874~8,987万円(最多価格帯5,400万円台)、坪単価は270万円台。入居時期は2020年3月中旬~2021年3月中旬。施工は長谷工コーポレーション。

 下連雀五丁目第二地区地区計画として公園や歩道の整備が行われ、敷地内に商業施設、認可保育園、学童施設、バス停を設けるとともに、既存樹のヒマラヤスギをはじめ緑地率30%超の緑化計画、「ABINC認証」取得、木調ルーバー・レンガタイル・木造ゲストハウスなどの空間を演出。隣接地には同社のシニア向け住宅(サービス付き高齢者向け住宅)を建設するなど、「都市型コンパクトタウン」を目指す。

 住宅の商品企画では、パイプスペース(竪管)を一つにまとめ、無駄のない間取りを実現する「ミライフル」を採用する。

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リビング

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 即日完売のニュースを聞いて、モデルルームを見てから記事にしようと考えていたのだが、年内は難しいということからこのような〝コピペ〟記事になった。

 敷地は日本無線三鷹製作所の跡地。以前、この近くに住んでいたことがあり、現地はよく知っている。当時、日本無線は経営難が伝えられており、どうなるのかと他人事ながら気になっていた。

 見事なヒマラヤスギが植わっていたのを思い出すが、それを残すという。結構なことだ。

グロス価格はやや張るが坪単価は〝旧価格〟 大成有楽「吉祥寺Ⅱ」(2015/1/27)

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Kosugi 3rd Avenue(コスギ サード アヴェニュー ザ・レジデンス)」

三井不動産レジデンシャルと東急不動産の住宅・商業・公共公益の複合一体開発「Kosugi 3rd Avenue(コスギ サード アヴェニュー ザ・レジデンス)」を見学した。先月25日に抽選分譲された第1期174戸は112倍、平均2倍で即日完売したというからすごい人気だ。3タイプのモデルルームもそれぞれコンセプトが明確で、インパクトがあった。

物件は、JR線・東急東横線・目黒線武蔵小杉駅から徒歩2分、川崎市中原区小杉町三丁目に位置する38階建て全519戸(販売総戸数465戸、事業協力者戸数54戸含む)。専有面積は41.99100.29㎡、坪単価は360万円。入居予定は202012月中旬。施工は大成建設。

施行面積約1.1haの小杉町3丁目東地区第一種市街地再開発事業として建設されているもので、1階から4階までは商業・業務・公共公益施設。子育て施設、自治会館、多目的ホール、広場などが併設される。コンセプトは「3世代、3用途、3つの広場が結びつき、自分らしい日常が広がっていく」ミクストユース。物件名にもその思いが込められている。

住宅部分は4階から38階まで。標準階は1フロア1516戸構成。これを面積ごとにみると、4050㎡台が7戸、60㎡台が1戸、70㎡台が6戸、80㎡台が1戸というように、小家族用の比率が高いのが特徴。

主な基本性能・設備仕様は、リビング天井高2550ミリ、ディスポーザー、食洗機、御影石またはシーザーストーンキッチン・洗面カウンター、グローエ水栓、ミストサウナ、Low-Eエコガラス、突板建具(一部)など。モデルルームは、59㎡、68㎡、89㎡の3タイプ。

ゲストサロン所長・渡辺英喜氏や同社横浜支店開発室・石井諒氏によると、「予算的には坪330万円という人が多い。一番人気は30戸しかない89㎡のタイプで、価格は8,500万円台から1億2,500万円台。三井デザインテックの黒須理枝氏が担当した59㎡台はすべて完売。68㎡台は親子3人がそれぞれ利用できるカウンターを提案しているのが受けている」と話した。

1174戸が即日完売したことを受けて、年内に1020戸を第12次として追加販売する予定だ。

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ステップガーデン

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 モデルルームは3タイプとも非常によくできているという印象を受けた。記者が一番好きなのは、黒須氏がデザインを担当した59㎡のタイプだ。リビングサイドの居室・寝室は小上がりとし、隣り合う浴室窓はスルーガラス。ホテルにありそうな非日常を演出している。

 89㎡のタイプが人気になったのもよく理解できる。費用は100万円単位の収納・建具の提案がいい。これくらいの戸数なら1億円前後でも売れるはずだ。親子3人が利用できる68㎡のカウンターの提案もいい。

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59㎡のモデルルーム

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68㎡のモデルルーム

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89㎡のモデルルーム

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 住戸プランは、405060㎡台が半数にのぼり、70㎡台でも角住戸を除き7071㎡台が多いのは、武蔵小杉では今回で6棟目の供給で、ユーザーのニーズを熟知している三井レジの戦略であり、購買力とも密接な関係がありそうだ。

 さすがに坪単価が300万円をはるかに超え360万円ともなると、パワーカップルとはいえ20坪で7,000万円というのは負担が大きい。「予算的には坪330万円という人が多い」という関係者の言葉がそれを裏付けている。これは住友不動産「シティタワー武蔵小杉」でも感じたことだ。

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市のデータによると、武蔵小杉駅周辺では平成18年からこれまでに約7,900戸(賃貸含む)が供給されており、今後の計画を含めると1万戸近くに達する。すごい数ではあるが、東京、品川、渋谷、新宿、川崎、横浜などに1030分圏であることを考えると、これくらいの戸数を吸収するキャパシティはあると思う。

今回、取材時間まで少し余裕があったので駅直結の「エクラスタワー武蔵小杉」に併設されている中原図書館に寄ってみた。ほとんど満席たった。5階と6階のフロアに蔵書が約30万冊。羨ましい。

 だが、しかし、記者がポテンシャルの高い街の必須要件にしている食事・冠婚葬祭・会議などに利用できるホテルがここにはない。今後も建設されそうな計画はない。この街で生まれ育った人はここを〝故郷〟と呼べるのか。

三井レジ・JX日鉱「武蔵小杉」 第1期は409戸 単価は330万円(2015/6/24

70㎡でも75~80㎡と同様の居住性能」 住友不動産「武蔵小杉」販売へ(2013/10/24

反響4000件超 東急電鉄他「エクラスタワー武蔵小杉」(2011/1/11)

三井不動産レジデンシャル「パークシティ武蔵小杉」全1437戸が竣工(2009/4/11)

 

 

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