「道の駅」ハブに地方創生 ホテル事業 第一弾15カ所1000室 積水ハウス・マリオット
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積水ハウスとマリオット・インターナショナルは11月28日、国内の各自治体と連携し、「道の駅」をハブにした「地域の魅力を渡り歩く旅」を提案する地方創生事業「Trip Base(トリップベース)道の駅プロジェクト」を展開すると発表。ファーストステージとして、ロードサイド型ホテルを2020年秋以降に5府県15カ所約1000室の規模でオープンする。
「未知なるニッポンをクエストしよう」をコンセプトに、地域に根差した文化・風習・暮らし・食などの資源を提供することで、新しい体験型の旅のスタイルを提案する。
ホテル事業は、マリオット・インターナショナルの日本初上陸となるホテルブランド「フェアフィールド・バイ・マリオット(Fair field by Marriott)」により、シンプルにゆったりとくつろぐことのできる宿泊特化型とするのが特徴。
記者会見に臨んだ積水ハウス代表取締役社長・仲井嘉浩氏は「『道の駅』は拡大しているが、宿泊機能を備えたものは少ない。ホテルをハブに地域のポテンシャルを高め、地域創生に貢献したい。そのために地元の観光事業者、自治体、地域住民、農林水産事業者など多くのアライアンスパートナーとの連携を密にしていく。ファーストステージの投資額は1室2,000万円として200億円。今後10年間でそれぞれ1,000室と仮定すると2,000億円の建築需要が見込まれる」と語った。
マリオット・インターナショナルアジア太平洋社長兼マネージングディレクター クレイグ・スミス氏は、「地方のデスティネーションを開拓したいという需要が増えているのにも関わらず、そういった地域には限られた宿泊施設しかない。積水ハウスとともにフェアフィールド・バイ・マリオットが提供するシンプルさと信頼感により、こうしたトレンドを取り込む」と話した。
開業するのは栃木県の宇都宮市、茂木町、日光市、岐阜県の美濃市、郡上市、美濃加茂市、高山市、三重県の御浜町。大台町、京都府の宮津市、京丹波町、南山城町、和歌山県のすさみ町、串本町、田辺市の15カ所。
施設は3~7階建て、延床面積は約2,020~4,240㎡。客室数は50~96室。1室30㎡前後になる模様。
仲井氏(左)とクレイグ・スミス氏(ウェスティンホテル東京で)
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会見場には約120名の記者が詰めかけ、関心の高さをうかがわせた。記者団からの「地方でホテルを展開することのリスクはないか」という質問に対し、クレイグ・スミス氏は「リスクは感じていない。モノを買うよりコトを消費するほうが上回っているように、ミレニアル世代のバランス感覚は鋭く、そうしたニーズを取り込める。むしろワクワクしている」と言下に否定した。
記者もそう思う。ミレニアル世代は訳が分からず、つかみようがないのに困惑するばかりだが、世の中はミレニアル世代が主役の座に鎮座する時代になりつつある。そのニーズをいかに取り込むかが勝敗の分かれ目になるような気がしてならない。
もう一つ、記者が期待したいのはやはり地方再生・創生だ。地方はいま〝青息吐息〟の苦境に陥っている。再生・活性化は喫緊の課題だ。
これまで政府主導による様々な取り組みが行われてきたが、成功しているとは思えない。今回、世界最大のホテルチェーンを展開するマリオットと、やはり世界最大のハウスメーカーが組み、さらに地域との連携を強化すれば間違いなく「未知なるニッポンをクエスト」することができるはずだ。
地方に眠っている文化を掘り起こし、元気を取り戻すプロジェクトになることに期待したい。
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会見場では5府県知事からのコメントが紹介され、「道の駅 銘菓」も振舞われた。三重県知事・鈴木英敬氏は次のようなコメントを寄せた。
「三重県から大台町と御浜町の2カ所が選定されたことを大変うれしく思います。
大台町は、ユネスコエコパークに登録の大杉谷と日本一の清流宮川など雄大な自然に囲まれた地域で、SUPやハイキングなどアウトドア体験が満喫できる地域です。御浜町は、熊野灘を望む温暖な気候を生かし、年中みかんのとれる町として有名で、みかん狩りや世界遺産熊野古道ウォークなどが楽しめます。
県内には、伊勢神宮や忍者、海女をはじめとする歴史文化や、松阪牛、伊勢えびなどの山海の幸にも恵まれ、旅の目的地として訪れる価値がある場所です。今後、世界中からの多くの旅行者に、三重にお越しいただき、楽しんでいただけるよう、本プロジェクトの成功に期待しています」
会見場
大阪・万博開催は日本の新たな国際競争力をもたらす 三菱地所・吉田社長
三菱地所・吉田淳一氏は、2025大阪・関西万博の開催決定について次のようにコメントした。
2019年のラグビーワールドカップ、2020年のオリンピック・パラリンピック、2021年のワールドマスターズゲームズ開催に続いて、日本がますます国内 外の注目を集める機会となり、人やモノ、投資資金を呼び込むことで、日本の持続的な成長につながるだろう。
2024年夏には、当社を代表とするJV9社が開発を進める「うめきた2期」 が先行まちびらきを迎える予定であるが、同プロジェクトでは、「みどりとイノベーションの融合拠点」をまちづくりの目標に掲げ、中核機能として国際集客・ 交流施設のほか、最先端技術を積極的に採り入れたイノベーション創出拠点を整備する。こうした未来志向性は、この度決まった大阪万博の方向性と類似しており、相乗効果があるだろうと感じている。
万博は、地域経済の活性化や日本の魅力発信につながるだけでなく、最先端 技術など世界の英知が結集し、新たなアイデアが創造され、イノベーション創 出の場となる。創造的・革新的なイノベーションは、関西ひいては日本に新たな国際競争力をもたらすと期待している。
坪250万円に収まりそう 東建など6社JV「SHINTO CITY(シントシティ)」
「SHINTO CITY(シントシティ)」完成予想図
東京建物など6社JVマンション「SHINTO CITY(シントシティ)」を見学した。さいたま新都心駅から徒歩5分の約1,400戸の大規模物件で、埼玉県下で最大級の物件として注目を集めている。坪単価は250万円に収まる模様だ。
物件は、東北本線・京浜東北・根岸線さいたま新都心駅から徒歩5分、さいたま市大宮区北袋町一丁目に位置する15階建て1,000戸(このほか建築確認前が約400戸)。専有面積は66.40~92.15㎡、価格は未定だが坪単価は250万円に収まる模様。竣工予定は1街区が2020年12月中旬、2街区が2021年12月中旬。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。分譲開始は来年1月の予定。
事業比率は東京建物が25%、住友不動産が25%、野村不動産が20%、近鉄不動産、住友商事、東急不動産がそれぞれ10%。
現地は、三菱マテリアルの研究所跡地。駅徒歩5分×総戸数1,000戸以上で括ると、この物件を含め過去10年間で10物件しかない希少物件として注目されている。
建物はコの字型で、南南東向きA棟と南南西向きのB~D棟の5棟構成。住戸プランは72㎡が中心で、横長リビングと田の字型と角住戸というシンプルな間取り構成となっている。約2,880㎡の中庭には、2階建て共用施設棟「センターテラス」が設けられる。
主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高2500ミリ、ディスポーザー、食洗機、人造大理石カウンターなど。
販売担当の東京建物住宅営業第一部営業グループ課長代理・草田昌義氏は、「近隣には坪単価250~260万円くらいで面積がやや狭い3LDKの物件が多いが、平均で72㎡を確保して単価も抑制気味にした。単価は245~250万円で調整中。地元大宮区をはじめ与野方面の居住者からの反響がいい。第一期は200戸くらいの供給を目指す」と、手応えを感じ取っているようだった。
現地
模型
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まず坪単価。「坪単価250万円だったら間違いなく売れるが、そんなに安くはならない」と予想していた。
念頭にあったのは三井不動産レジデンシャルほか「ザ・ガーデンズ東京王子」(全864戸)だった。この物件は、最初は駅から遠いところから販売され、坪260万円くらいだった。想定外の売れ行きで、最後の駅に近いほうは280万円くらいになったはずだ。
東十条と今回のさいたま新都心のポテンシャルを比較すれば、さいたま新都心に軍配を上げる。駅から現地までのケヤキ並木が素晴らしい。ただ、戸数も多いので強気な価格設定はしないと読んだのだが、坪250万円は〝勢い〟を付けるための設定なのだろう。
モデルルームは、72㎡の横長リビングと一般的な田の字型の2タイプと、92㎡の角住戸の3タイプ。92㎡はオプション仕様だが、組子デザインのアートや壁が採用されている。価格は6,000万円台の半ばから8,000万円台になりそうだが、28戸しかないこともあり一番人気とか。
組子のアート(モデルルームで)
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どれほどの効果があるか分からないが、〝新都心から日本の幸せを変えよう〟というキャッチフレーズは面白い。売主6社からなる「幸せの街総合研究所」が全国約1万人を対象にアンケートを実施。得られた回答を「LOVE」「W.L.B」「FUTURE」「CULTURE」「PLAY」「NATURE」「COMMON」「HEALTH」「MY-HOME」「WISDOM」の10のキーワードに分類し、「1000HAPPINESS」にまとめている。
例えば「LOVE」では、「今年も、いつものイタリアンレストランで子どもの誕生日のお祝い」「赤ちゃんを寝かしつけていたら自分もスヤスヤ。この時間も幸せ」などと他愛のないものばかりだが、それを10ページにわたって紹介しているのは立派。さらに幸福度の高い国や地域の特性を調べ、「日常を愛し、家族との時間を大切にする場所と時間がある」という共通項を導き出している。
同じような試みは、「富久クロス」(1,093戸)でも行っている。「Tokyoイゴコチ論争」と称し、WEBやアンケート、座談会を通じ約10万件もの声を集め、寄せられたアイデアを1000個の「イゴゴチ」にまとめて公表した。
今回の「1000HAPPINESS」はそれの二番煎じではないかと思わないわけではなく、平均72㎡のプランが一般的なファミリーにとって〝幸せプラン〟なのかという疑問も湧くが、水を差すようなことはとりあえず脇に置く。
〝20坪で5,000万円、23坪で5,800万円〟というのが記者が以前からずっと考えてきたファミリー層のマンション取得限界だ。それには合致するはずだ。
〝郊外苦戦〟跳ね返す 売れ行き好調 タカラレーベン「守谷」554戸
「レーベン守谷THE SQUARE(イーストコート)」(手前、奥が「ウエストコート」)
タカラレーベンの「レーベン守谷THE SQUARE(イーストコート)」が好調な売れ行きを見せている。守谷駅から徒歩11分の全141戸の規模で、今春に分譲開始して以降、これまでに120戸を契約済みだ。〝郊外苦戦〟の定説を覆している。
物件は、つくばエクスプレス線、関東鉄道守谷駅から徒歩11分、茨城県守谷市松並青葉一丁目に位置する7階建て全141戸。12月上旬に分譲予定の第3期2次(戸数未定)の専有面積は76.34~96.44㎡、予定価格は2,400万円台~4,600万円台(最多価格帯3,700・3,800万円台)。坪単価は152万円。竣工予定は2018年11月。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。
現地は、開発面積約41.7ha、総区画数約900区画の土地区画整理事業「ビスタシティ守谷」の一角。既分譲の「レーベン守谷THE BRIDEG」281戸と、今後分譲する「レーベン守谷THE SQUARE(ウエストコート)」132戸と合わせ全554戸の「ニコハピ プロジェクト」の第二弾。大規模商業施設「YORK TOWN MORIYA」が隣接。
わが国初の太陽光発電と「エネファーム」を組み合わせ、100%駐車場使用料金ゼロ、平均84㎡の広さ、始発駅、大規模商業施設に隣接していることなどが人気の要因。
販売担当の同社第2営業グループ第1営業部1課課長補佐・岩﨑良比呂氏は、「この物件は、『南大塚』とともに当社でもっともよく売れている物件の一つ。沿線には競合も多いが、始発駅で商業施設に隣接しており、圧倒的な広さが評価されている」と話している。
完成済みの「レーベン守谷THE BRIDEG」とあわせ17の共用施設が相互利用できるのも評価されているという。
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苦戦すると思われた郊外エリアのマンションを成功裏に終えた同社の事例はたくさん見てきたが、さすがに守谷では完売するまでに5~6年はかかるのではないかと考えていた。
その最大の理由はアドレスが茨城県になることだ。茨城の人は〝五十歩百歩〟と笑うかもしれないが、千葉県の人は利根川を越えることに相当の抵抗感を持っているはずだ。小規模物件なら地元需要だけで吸収できるかもしれないが、500戸を超える大型では早期完売は無理だと予想していた。
第二の理由は競合物件の多さだ。つくば沿線は八潮-三郷中央-南流山-流山セントラルパーク-流山おおたかの森-柏の葉キャンパス-柏たなかでマンションが途切れることなく供給されており、完成在庫も少なくない。同社の物件は単価は安いが、専有面積が広いだけに他社物件と比較してグロスの優位性はない。
それでも売れ行きがいいのは、岩﨑氏が話した通りだろう。先月取材した大和地所レジデンスの「千葉ニュータウン」と同じだ。商業施設に隣接し、面積が広いというのがユーザーに高く評価されている。
リビング・ダイニング・キッチン
ポラス 南柏の木造在来2階建て認定こども園 構造見学会
2階の屋根の部分
ポラスグループのポラテックは11月22日、同社が施工している千葉県柏市の木造在来工法2階建て認定こども園の構造見学会を行った。
12社による指名競争入札で同社が入札した案件で、建物は、学校法人岩崎学園くりの木幼稚園の敷地内の法22条に位置する敷地面積約4,972㎡、保育園機能を備えた認定こども園。構造・規模は木造在来2階建て延べ床面積約1,440㎡(435.60坪)。設計は時設計。引き渡し予定は平成31年3月。
構造材は、同社のプレカット工場で製造可能な住宅などにも利用されているアカマツの集成材を極力採用することでコストを下げ、約10mスパンの空間を確保するため2本1組の120×390トラスや2階の床を吊るすM20のボルトを採用しているのが特徴。
同社は、わが国最大の木造プレカット工場を擁し、年間約3,000戸の住宅を施工・販売しており、非住宅の受注にも力を入れている。2017年度の受注実績は12棟、12.5億円。2018年度は16棟、21.5億円の受注めどが立っているという。
M20のボルト
完成予想図
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トラスの接合についてだったか、工事関係者が「通常の5倍くらい難しかった」と話した。しかし、ゾウの大きさを知らないカエルのお母さんと一緒の記者は、通常の工事の難易度がさっぱり分からない。〝浦和レッズに勝つほどではなく、西武打線を抑えるくらい難しい〟とでも言ってくれれば多少は理解できただろうに。この点については、解説のしようがない。
もっとも興味があるのは〝現わしの見える化〟だ。この2点について質問したら、期待通りの答えが返ってきた。
設計を担当している時設計建築設計部建築設計課課長・吉野達也氏は、「森の中の木造園舎を目指しており、腰壁、柱などに木を貼って、自然なもの、木に囲まれている環境にする」と話した。
ポラテック木造推進課課長・篠田和弘氏は、「建基法の改正により、現わしが可能になった部分も多い。今後も木造の構造美を大切にしたい」と語った。
ポラス所有 越谷市の旧大野家住宅が登録有形文化財に
旧大野家住宅 (はかり屋)
ポラスグループは11月19日、同社が所有する越谷市の旧大野家住宅 (はかり屋)の主屋と蔵が登録有形文化財(建造物)へ登録される見込みと発表した。越谷市の建造物としては2件目の登録となる。
旧大野家住宅主屋は、明治38年に建築されたと推定されている切妻屋根の木造2 階建て。奥に向かって平屋の寄棟屋根がつながっている。越谷宿の風情を色濃く残していることや銘木が随所に使用されていることなどが特徴。住宅蔵は土蔵造2階建て。総檜造りといわれている。
同社は、この古民家を再生し、「はかり屋」として食からインテリア・癒しやクリエイティブスペースまで6軒のテナントからなる「古民家複合施設」としてとして2018 年4月にオープンした。
登録有形文化財(建造物)に登録されると、保存・活用のために必要な修理の設計監理費の2分の1が国の補助を受けられ、家屋の固定資産税が2分の1に減免されるなどの優遇措置がある。
ポラス 越谷市の中心市街地活性化に一役 築120年の古民家でイベント(2017/2/26)
高砂建設 体験宿泊可能の新モデルハウス&ピザレストラン 蕨(川口)にオープン
新モデルハウス「たかさごの家」
埼玉県蕨市に本拠を構える高砂建設は11月23日、LCCM仕様の宿泊体験型新モデルハウス✕リアルサイズモデルハウス✕コミュニティショールームを川口市にオープンする。
新モデルハウスは、京浜東北線蕨駅から徒歩12分、川口市芝2丁目に位置する木造2階建て延べ床面積165.61㎡(50.1坪)。ZEHを超える新たなエコ基準「LCCM(Life Cycle Carbon Minus:ライフサイクルカーボンマイナス)」住宅に認定された「彩樹の家LCCM」と同仕様。同社の注文住宅を検討する顧客は体験宿泊が可能。
「彩樹の家LCCM」は、埼玉県産材・西川材を活用し、外断熱工法と二重通気システム「ソーラーサーキット」を採用することで自然の力を最大限に活用しながら、CO2排出量とエネルギー消費量を削減した自立型循環住宅として、国土交通省の平成30年度(第1回)サスティナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)に採択されている。
敷地内には、従来からある約30坪のリアルサイズモデルハウスのほか、地元に人気のレストラン「ピッツェリアオオサキⅡ」、地域居住者が利用できるコミュニティスペース、西川材を紹介するコーナー、リフォームなどの商談機能を併せ持つコミュニティショールームが新たに併設される。
「ピッツェリアオオサキⅡ」
ショールーム
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新たなモデルハウスは、西川材がふんだんに用いられており、外断熱・ソーラーサーキットだからこそ可能となる大きな吹き抜け空間やライブラリー、リーディングコーナーなどが設置されているほか、同社の女性スタッブによるデザインが採用されているのが特徴。約9畳大の主寝室と約2.8畳大のミセスコーナーの床はヘリンボーン仕上げ。坪単価は80万円くらいではないかと予想したが、その通りだった。
記者はヘリンボーンが大好きだが、どちらかと言えばパブリックスペースで利用されるほうが多いのではないか。今回は主寝室とミセスコーナーに採用されているのが面白い。材料はヨーロピアンオーク。
外断熱のよさは、経験しないと分からない。同社はもう25年も前から体験宿泊が可能な同社単独の川口、浦和、ふじみ野、練馬などの展示場を展開してきた。
同社社長室広報課リーダー・吉松史章氏は、「モデルハウスで体験宿泊を可能にしたのは当社が初ではないか。これまで約1,000組が泊っている。宿泊者の成約率は申し上げられないが、間違いなく高い」と話した。
主寝室
新モデルハウス
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同社が建設した分譲戸建ては、さいたま市が取り組む「次世代自動車・スマートエネルギー特区」に指定された「浦和美園E-フォレスト」で見学している。埼玉県産材の西川材(檜)を多用しているのが特徴だった。
吉松氏から「浦和美園E-フォレスト」の第2弾「T-Avenue」の概要を聞いた。浦和美園駅から徒歩5分の全45戸で、内訳は同社が8棟、ポラスグループの中央住宅が33棟、アキュラホームが4棟。来年2月から販売開始するという。5,000万円台が中心になるというから、申し込みが殺到すると記者は読んだ。
玄関正面の西川材のデザインウォール
外観
住友不が他社を圧倒 「目黒」の東建、「青山」の三井 平均価格で突出 2Qマンション
2019年第2四半期末の各社のマンションデータが出揃った。住友不動産が売上高、計上戸数、営業利益、期末計上進捗率などで他社を圧倒。1戸当たり価格では、「Brillia Towers目黒」効果の東京建物が9,297万円、「パークコート青山ザ・タワー」を計上した三井不動産が8,846万円となり、都心部の高額物件の好調ぶりを浮き立たせている。他方、完成在庫数の増加で伸び悩んでいるデベロッパーもみられる。決算数字からマンションのデータを拾った。
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住友不動産が売上高、計上戸数、営業利益、期末計上進捗率などで他社を大きく引き離している。データは戸建てを含む販売事業全体だが、戸建ての占める割合は数%どまりと見られ、極めて好調に推移している。
完成在庫数も他社をはるかにしのぐが、これはいつものことで、収益を圧迫するまでに至っていない。後入先出、先入後出、先入先出など市場動向を読みながら臨機応変に販売する手法は他社も舌を巻く。
三井不動産は、1戸当たり価格が8,846万円になっているが、これは坪単価950万円の「パークコート青山ザ・タワー」(163戸)など都心部の高額物件が寄与したため。通期では7,500万円くらいになる模様だが、同社は今後も都心部での高額物件を相次いで供給する。富裕層向けで圧倒的な強みを発揮している。完成在庫は〝適正在庫〟と見られ、進捗率も90%に達する。
三菱地所は期初予想通りに推移している。完成在庫は期初の460戸から371戸へ減らしている。
野村不動産は、2017年3月期で完成在庫を654戸(うち402戸は未販売)計上したが、その後、粗利益率は20%を割り込んではいるものの改善が進んでいる。第2四半期末では207戸(うち未販売75戸)と1年半で447戸減らしている。戸建てを含む通期計上予定の6,100戸に対する進捗率は78.2%。
「Brillia Towers目黒」(940戸、うち分譲661戸)を計上したため売上高、営業利益、1戸当たり価格が大幅に伸びたのが東京建物。通期の営業利益は2016年12月期比で2倍超の135億円に、利益率も2016年12月期の7.9%から13.6%に伸びる見込み。1戸当たり価格は9,297万円となり、三井不動産を上回る。
前期末で629戸の完成在庫を計上した東急不動産は、422戸へと減らしてはいるが通期予想の営業利益は50億円(営業利益率4%)に留まる模様だ。
NTT都市開発は、郊外部の完成在庫が減っておらず501戸(前期末510戸)を計上した。
都内での供給を減らしている大京は1戸当たり価格が3,505万円となっている。
長谷工グループ CSRの一環「東京グリーンシップ・アクション」に54名参加
長谷工グループ11月17日(土)、東京都環境局主催の「東京グリーンシップ・アクション」清瀬松山緑地保全活動に参加。グループ社員とその家族54名は、東京都環境局とNPO法人環境学習研究会、清瀬の自然を守る会の協力のもと、清瀬松山緑地保全地域で草刈り、除伐、落枝整理や木柵交換、自然工作を行った。
参加者からは「自然に親しみながら、保全することの意義を学べた。企業活動において大切な取り組みだと思う」「緑地の保全に様々な方が関わっていることを知った」「親子で参加でき、自然と触れ合える良い経験になった」などの声が寄せられた。
「東京グリーンシップ・アクション」は、東京都に残された山地の森林や丘陵部の里山、市街地近郊の雑木林など、貴重な自然環境の保全を目的として2003年にスタート。長谷工グループは社会貢献活動の一環として2012年から参加している。
三菱地所ホーム 関西初 CLTを床に採用した「オーダーグラン」千里にオープン
「千里ホームギャラリー」
三菱地所ホームは11月17日、同社の富裕層向けブランド「ORDER GRAN(オーダーグラン)」関西エリア初出展となる「千里ホームギャラリー」をオープンした。
国産のスギ材を用いたCLTパネルを建物2階の床面に採用しているほか、来客をもてなし、家族それぞれの趣味嗜好を反映する空間「「LOUNGE(ラウンジ)」を随所に提案しているのが特徴。
オープンの前日16日に行われた記者発表・内覧会に臨んだ同社・加藤博文社長は、「2年半前に発売開始したオーダーグランの受注第一号は関西だった。ようやく関西圏で発表できることができた。富裕層マーケットに強い当社の従来商品企画に加え、今回はCLTを採用するなど東京にないモデルハウスができた。CLTは新たな領域に入っていくもので、三菱地所グループ全体として業界に先駆けて取り組んでいく」と話した。
千里ホームギャラリーは延床面積約259.88㎡(78.61坪)。1階の天井高は約3m、サッシ高は約2.7m、床はオーク材。
ウエルカムラウンジ
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関西圏のモデルハウスを見学するのは初めてなので、見たまま感じたままを率直に書く。
まず、全館空調「エアロテック」について。同社関係者は「同業他社と比べて当社が一番いいとお客さんから評価はされているが、首都圏ほど全館空調のニーズは高くないのが関西圏の現状」と話した。
最近、埼玉県住まいづくり協議会が主催したシンポジウムで、星旦二・首都大名誉教授の「健康な住宅を創りましょう」と題する講演を聞いた。星氏は「冬期の風呂場気温が18度以上、壁が漆喰、床は無垢材」を強調された。医療・健康の視点から住宅のあり方を考える機運が高まっている。これは粘り強く訴えるしかない。
次に、CLT。モデルハウスには厚さ210ミリのCLTパネル材が2階の約40坪の床全面に採用されている。
残念なのは、予想されたことではあるが、CLTのよさが一番わかりやすい現わしにはなっておらず、外から見ても内から見てもコンクリや鉄との区別がほとんどつかないことだ。
ただ、同社もそのあたりの事情は百も承知のはずで、現在工事中の沖縄・下地島空港ターミナル施設、宮城県・仙台市の賃貸住宅などでCLTの普及に積極的に取り組んでいることを内外にアピールするのが狙いなのだろう。
コンクリや鉄と木を同じ土俵で戦わせるべきではないというのが記者の持論だが、〝悪法も法なり〟-建基法などの基準を満たすためにはこれらの問題をどうクリアするか。さらにまた、非住宅の大規模建築物はともかく、個人向け住宅の普及にはまだまだ課題は多い。
パネル板は同じ容積のコンクリと比べはるかに軽いが、強度を確保するためには厚みが必要となり嵩張り、道路事情が悪いところでは搬入が難しく、狭小敷地ではパネル板の置き場や重機の作業スペースを確保するのは容易ではない。
もう一つ、ボタニカルについて。積水ハウスの「5本の樹計画」もいいが、住宅内に緑をふんだんに取り込んだ企画は同社が突出している。「浜田山」や「ONE ORDER(ワンオーダー)」には驚愕した。今回も本物の観葉植物を各所に配置している。これはいいのだが、フェイクの地衣類を本物の植物に添え物のように置いてあるのにはびっくりした。これでは刺身のツマにもならない。
本物にするか省くかは社内でも意見が交わされたようだが、記者は即刻取り払うべきだと思う。〝本物は管理が大変〟などと考えるのは当事者だけで、お客さんはそんなこと考えていないのでは。いやならやらなければいいことだ。
木の住宅が人と環境にいいのと同様、ボタニカルの果たす役割が再認識されつつある。ハウスメーカーもデベロッパーもみんなフェイクの植物を平気で使うのが記者は信じられない。
本物の観葉植物に寄り添うように配置されたフェイクの苔類(これでは完全にフェイクが勝っている)
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発表会で司会役を務めた経営企画部広報戦略グループ・横須賀直人氏がまたまた「大きく書いて」と話されたので、以下はおまけ。
モデルハウス見学会を終えて新大阪駅に帰ろうと万博記念公園駅に向かっていたら、加藤社長と同社スタッフに出会った。記者はゆっくり1~2泊して京都の紅葉でもと考えていたのだが、カネもないし他の仕事も重なり「せっかく金曜日に見学会をセットしていただいたのに…」などと加藤社長に話した。
加藤社長はてっきりラグジュアリーホテルに泊まっているものとばかり思っていたが、全然そうではなかった。朝4時半に起きて、新幹線で京都に途中下車し、市内の自社の戸建て現場を2物件見て回り、午後の会見に臨んだのだという。
それで仕事が終わりかと思いきや、これまた外れ。これから市内の取引先を回るのだという。
さすが、地所ホームの社長だ。出張に行けば飲むことしか考えない記者などとはレベルが違う。
だがしかし、加藤社長、働きすぎもいかがなものか。健康を害すれば会社の大きな損失になるし、スタッフも気苦労だ。リッツなどに宿泊し(当然自腹)、ホスピタリティを学ぶことは今後の事業展開に参考になると思いますが、いかがでしょうか。もうずいぶん昔ですが、ロイヤルパークホテルの社長さんは「わたしはリッツだけは正規の値段で泊まることにしている。ホスピタリティ・クレドは半端じゃない」と語されたのをよく覚えています。
記者はといえば、風邪を引いており、のどが悲鳴を上げていたので千里中央の医者に駆け込んだ。薬を処方してもらったまではよかった。聞いたのがいけなかった。「酒は飲んでいいですよね。1合くらい大丈夫でしょ」「何を言っとるんだ。それじゃ治らんよ。絶対ダメ」と一喝された。お陰で新幹線の中では本がたくさん読めたが…。
横須賀さん、これくらいでどうでしょうか。
ボタニカルが最高4つの商品・開発を発表 三菱地所ホーム(2018/5/30)
効果てきめん 三菱地所ホーム 全館空調「エアロテック」記者も宿泊体験(2017/10/30)
三菱地所ホーム 家の中に自然の中低木 最新モデルハウス「ONE ORDER」横浜に開設(2017/10/20)
三菱地所ホーム 富裕層向け注文・3階建て・戸建てリフォーム同時発売(2016/4/14)