不動産流通経営協会 住宅ローン控除の面積要件引き下げ要求に賛成 住宅貧乏なくせ
不動産流通経営協会(FRK)が発行する「FRKコミュニケーション」2018年夏季号に掲載されている「論点1 50㎡未満の持家の居住満足度は低くなく、住宅購入は婚姻・出産への実現意欲を後押しする可能性がある」を興味深く読んだ。
全国主要都市を対象とした50㎡未満住宅の居住満足度とライフスタイル影響に関する同協会の調査結果では、「50㎡を境とした持家の居住満足度に統計的に大きな差はみられない」ことから、「税制上の措置を50㎡で区分する根拠が明確でない」とし、「経済力に限界がある若年層の住宅取得を後押しするためには、一定のニーズが存在する50㎡未満の住宅に対して税制上の措置を拡大することにより、一次取得時のハードルを低くすることが有効であり、そのことは持家率の上昇をもたらし、結婚や出産の意欲を高める効果が拡大するとも考えられ、そして、それは居住満足度、社会厚生という観点からも、十分合理性がある施策と言えよう」と結論付けている。
FRKは、2019年度の税制改正要望に住宅ローン控除の床面積要件を現行の50㎡から40㎡に引き下げることを盛り込んだ。
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「論点1」の順序プロビット分析による居住満足度指数が面白い。居住満足度を「1:非常に不満」から「10:非常に満足」まで10段階で回答を得た結果、平均は6.47で、持家は7.05で、賃貸は6.03となっている。
持家でもっとも満足度が高いのは居住面積が「120㎡以上~150㎡未満」で指数が0.530であるのに対し、もっとも低い「20㎡以上~30㎡未満」は0.071となっており、大きな隔たりがある。
一方、「40㎡以上~50㎡未満」は0.340であるのに対し、「50㎡以上~60㎡未満」は0.338とほとんど差がなく、FRKの主張を裏付けている。
他方、「150㎡以上~200㎡未満」は0.426になり、「120㎡以上~150㎡未満」より0.104低くなる。その理由は示されていないが、広すぎると掃除や管理などでストレスがたまるということか。
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記者は、基本的には住宅ローン減税制度などに面積要件を加えることに反対だ。
そもそも昭和47年度からスタートした「住宅取得控除制度」には、床面積に応じた控除額ではあったが、具体的な面積要件はなかった。面積要件が加わったのは昭和55年の税制改正からで、既存住宅について下限が「40㎡」と定められた。
そして、平成5年の税制改正で新築も含め「50㎡以上」という面積要件が加わった。これ以降、「50㎡」は、住宅購入資金の贈与税の特例、登録免許税の特例、不動産取得税の特例などあらゆる税制に採用されることとなった。
当時も今も、この「40㎡」「50㎡」について合理的な理由・説明を行える人を記者は寡聞にして知らない。
常識的に考えられるのは、融資する側からすれば狭小=劣悪=担保価値がないと考えるのは当然で、狭小=価格が低い=年収が低く貸し倒れリスクが高まると判断し、審査に慎重になるのもまた理解できる。
もう一つ、強いてあげるなら、平成18年に施行された住生活基本法の「新たな住生活基本計画」の数値がある。
同計画では、子育て世帯の「誘導居住面積」(都市型3人世帯:75㎡、4人世帯:95㎡)達成率を37%⇒50%に、「最低居住面積」(3人世帯:35㎡、4人世帯:45㎡)未満率を早期に解消するとしている。
参考までに東京都の例を示すと、平成25年の最低居住面積以上は79.0%(全国90.2%)で、誘導居住面積以上は40.0%(同56.6%)となっている。最近の地価・建設費の上昇で、この数値が劇的に向上したとは考えられず、むしろ後退しているのではと思われる。
こうした政策目標がある以上、住宅ローン減税制度などに一定の面積要件を付加すべきという考えも成り立つ。
だがしかし、FRK「論点1」が指摘するように住宅ローン減税制度などの面積要件が「一次取得時のハードル」を高くし、最低居住水準や誘導居住水準以下の世帯の住宅取得意欲を減殺するように働いていることは否定できない。
そしてまた、どれほどの効果かは分からないが、FRK「論点1」が論じる面積要件の引き下げが「持家率の上昇をもたらし、結婚や出産の意欲を高める効果」があるのも間違いないと思われる。
それより何より、面積要件は日本国憲法の「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」(第14条)「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」(第25条)に背馳していると考える。
税の透明性、公平性についていえば、「租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律(租特透明化法)」(平成22年成立)の目的には「租税特別措置について、その適用状況の透明化を図るとともに、適宜、適切な見直しを推進し、もって国民が納得できる公平で透明性の高い税制の確立に寄与する」とある。
住宅基本法にも「政府は、住生活の安定の確保及び向上の促進に関する施策を実施するために必要な法制上、財政上又は金融上の措置その他の措置を講じなければならない」(第10条)とある。
税の公平性からいっても、住生活の安定確保の観点からいっても、面積要件を取り払い、逆に子どもや高齢者・要介護者などの家族数に応じて控除額・控除率を引き上げるべきだと考える。
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フラット35(前住宅金融公庫融資制度)の面積要件について。住宅金融支援機構は平成16年4月、床面積の融資条件を50㎡から30㎡に引き下げた。
これは、バブル崩壊後の平成7~8年ころから単身者のマンション購入が増え始め、デベロッパーも積極的に単身者・DINKS向け商品を分譲するようになり、金融機関も女性のマンション購入をバックアップするようになり、新たなマーケットとなった時代背景がある。記者もこれを全面的に支持した。
融資条件を引き下げたことによりリスク管理債権が増加したとも聞かないし、年々既往債権が減少していることから、リスク管理債権比率は減少し続けており、2017年度は3.94%で、同23年度の7.80%より3.86ポイント改善している。
住宅ローン控除の面積要件を取り払うか、引き下げてもリスク管理債権が増加するとも考えられないのではないか。
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住宅ローン控除制度とは直接関係ないが、いかにわが国の住生活が貧困であるかの例を示す。
平成29年10月に施行された高齢者、低額所得者、子育て世帯などの住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅登録制度「新たな住宅セーフティネット制度」が始まり、登録物件が閲覧できるようになっている。
現在、全国で129件1,170戸が登録されている。もっとも多いのが大阪府で459戸で東京都は167戸だ。
都内の足立区西新井駅から徒歩14分の築1年.6カ月のトイレも洗面も台所もないワンルーム(7㎡)は3.3万円(坪約1.6万円)で、子育て用は11件あり、高尾駅からバス25分の築31年の2K(31㎡)は4.3万円(坪約4,600円)だ。
記者は賃貸のことはよく分からないのだが、西新井の物件はべらぼうに高く、都心の一等地並みの単価ではないか。高尾の物件も交通便と居住面積などを考えると賃料は安くない。
これが「高齢者、低所得者(生活保護世帯)、子育て世帯の入居を拒まない」賃貸住宅の実態だとすれば、分譲と比較して相対的に質が劣る賃貸に住まざるを得ない低所得者などは救われない。住宅取得は夢物語でしかない。
厚労省の平成28年「国民生活基礎調査」によると、「児童のいる世帯」所得は739万8千円で、ここ数年回復傾向にはあるが、ピークだった平成8年の781.5万円には回復していない。しかも、若年層の非正規雇用が増大し、雇用不安があるためか、「児童のいる世帯」の58.7%が「生活が苦しい」「大変苦しい」「やや苦しい」と答えている。
「住宅貧乏物語」(岩波新書)を著した建築学者・早川和夫氏が先月亡くなった。享年86歳。
東急不動産HD・東急ホームズ 木造賃貸アパートを再生するサービス開始
東急不動産ホールディングスと東急ホームズは8月3日、木造老朽賃貸アパートをIoT標準装備の最新型賃貸アパートにリフォームする「賃貸アパート応援プロジェクト」サービスを8月25日から首都圏で開始すると発表した。
リフォームは定価制フルリフォームとし、耐震・断熱・遮音改修を行い、内外装・水回り設備を一新し、床面積と間取りで価格を決める。
設備機器では最新のIoT機器を採用。イッツ・コミュニケーションズが提供するインターネットサービスと「インテリジェントホーム」の機器(スマートスピーカー、スマートロック、ドア・窓センサー、家電コントローラー)を設置する。
現在、東京都内の賃貸用空き家は約64万戸を超えるとも言われ、その多くが建物の老朽化と所有者の高齢化が進み、有効な対策を講じづらくなっていることに着目し、東急ホームズの55万件以上のリフォーム実績をもとに、「定価制フルリフォーム」を施し、オーナーのリスクを低減する「無担保ローン」+「一括借上」を一体としたサービスを提供し、競争力のあるアパートに再生するのが狙い。
リフォーム事例として、築45年の1K・8部屋(約120㎡)を2LDK・2部屋(リフォーム費用2,100万円)にし、従前の賃貸収入99,000円(空き4室)から賃料250,000円(一括借り上げの場合225,000円)に再生し、ローン返済額、諸経費を除いて実収入が10万円/月になった都内の木造アパートを紹介している。
三井不動産 三井ホームの株式を公開買付 完全子会社化・上場廃止へ
三井不動産は8月3日、東証第一部に上場している三井ホームの普通株式を公開買付けにより取得すると発表。三井ホームも同日、公開買付けに賛同すると発表した。三井不動産は三井ホームの完全子会社化を目指し、三井ホームは上場廃止となる予定。公開買付価格は1株980円。公開買付の下限は6,847,000株。
三井不動産は連結子会社の三井不動産リアルティとともに、東証第一部に上場している三井ホーム株式を38,124,919株(所有割合57.53%)所有している。
東急リバブル 新CM放映開始 梅沢富美男さんが専務役で登場
新CM 「パパと専務編」
東急リバブルは8月3日、新CMの放映を同日から開始すると発表した。
同社は2014年から、ぐっさんこと山口智充さんを起用したCMシリーズを展開しているが、CMは今年で5年目を迎え、開始当初は小学生だった長男(ユータ)は中学生に、次男(ジロー)、長女(サッちゃん)もそれぞれ成長したことから、子どもの成長や家族構成の変化により、お客様の不動産売買に関するニーズも変わってきたことを微笑ましい作品に仕上げたという。
新CMは「嫉妬編」と「パパと専務編」の2作品。「パパと専務編」には、父の上司役として梅沢富美男さんが登場する。
新CM「嫉妬編」
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「パパと専務編」を観たかったのだが、同社によると同編は8月6日(月)の公開前には見せられないということだった。梅沢さんがどのような言葉を発するのか。まさか「アンビ・リバブル」なんて手垢にまみれた洒落を飛ばしはしないだろう。「君はリバブルが働き方改革でもっとも先進的な取り組みをしていることなど知らないだろ」とでも放つか。
総合地所 熱海の別荘分譲 販売が順調に推移
「ルネ熱海伊豆山マスターズプレイス」 分譲戸建て千鳥「KIBITAKI」
総合地所が分譲中の別荘地「ルネ熱海伊豆山マスターズプレイス」を見学した。標高約380mの全46区画(分譲41区画)で、従前契約区画を含み17区画が契約・申し込み済みになるなど販売は順調に進んでいる。
物件は、東海道新幹線熱海駅から車で11分(5.4km)、静岡県熱海市伊豆山に位置する建ぺい率40%、容積率200%の全46区画(第一種中高層住居専用地域、第二種風致地区)。現在分譲中の宅地(6区画)の土地面積は208.16~370.97㎡、価格は688万~2,029万円(坪11~19万円)。分譲戸建て(1棟)は土地面積200.00㎡、建物面積111.80㎡、価格4,980万円。このほか管理業務費(月額)14,200円。温泉利用料(月額)6,400円(1口あたり10㎥まで。週末利用だと1口で賄える量)、更新料(10年毎に更新)/800,000円(1口あたり)、名義変更手数料(譲渡)300,000円(同)、名義変更手数料(相続)50,000円(同)。販売媒介はオオクスライフアシスト。
現地は南傾斜の「伊豆山」の一角で、オーシャンビューのひな壇造成地。源泉かけ流しの天然温泉が全区画に引き込み済み。
戸建て別荘のコンセプトは京都の旅館をイメージした「MY RYOKAN」。玄関に板塀と竹林を配し、温かみのあるスギ材をふんだんに用い、浴槽の湯には外の景色が映り込むように工夫を凝らし、風呂リビングにはナラ材のナグリ床を、堀こたつ付きダイニングの天井には竹材をそれぞれ採用しているのが特徴。
同社分譲事業部戸建営業部営業課副参事・小澤健司氏は「当社が造成済みの宅地を取得し、2008年から販売を開始したが、リーマン・ショックの影響で販売を中断していた。ここ数年、熱海に活気が戻ってきていることから今春に販売を再開した。建築済みの戸建て2棟のうち1棟は契約済みで、販売対象の41区画のうち17区画が契約・申し込み済み。来場者は約50組。順調に進捗している。契約・申込者は週末利用が目的の都内や神奈川県在住者で、年齢は40~50歳代」と話した。
販売を担当するオオクスライフアシストの橋本武博取締役は、「最初に現地を見たとき圧倒的な鳥の声に感動させられた。現地にはヒヨドリ、ウグイス、キビタキ、ルリビタキ、オオルリなどが生息する。そこで、別荘シリーズを〝千鳥〟とすることを総合地所さんに提案した」と販売の経緯について語り、建物の設計を担当した時旅人・小川修デザイン事務所の小川修氏は「コンセプトが明確でやりやすい。具現化することができた」と話した。
「KIBITAKI」(左が堀ダイニング、右がナグリ床の風呂リビング)
手前が展望浴槽
2階居室
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いまの若い方は信じられないだろうが、バブル時には首都圏でリゾートマンションが年間1万戸くらい供給された。もちろん売れ行きもよく、いわゆる月間契約率は70%を超えた。
記者は〝狂乱〟ブームに浮かれ、取材であちこちを飛び回った。熱海エリアも少なくとも10回は取材している。昭和63年から平成元年あたりは坪単価が軒並み300万円を突破した。もっとも高額だったのは竹中工務店が施工した平成2年完成のリブラン「別邸桜乃庄」(25戸)で、坪単価は確か550万円くらいだった。
伊東には三武が分譲したが、バブル崩壊で工事が中断し、その後、施工の大成建設が完成させてホテルとして一部利用されている「ウェルネスの森」がある。記憶に間違いがなければ全300戸の価格が全て1億2,000万円だった。
バブル崩壊後、惨憺たる様相を呈しているのはご存じの通り。固定資産税や維持・管理費が相対的に高く、売ろうにも売れない悲惨な状況が続いている。
その原因は、いうまでもなく土地神話があっけなく崩れ雲散霧消し、所有から利用へ価値観が変わったからだ。
なので、バブル時も含めリゾート分譲を行ったことがない同社が別荘分譲を開始し、販売も順調に推移していることを見聞し、驚いた。
価格が高いのか安いのか、全く判断材料を持ち合わせていないが、バブル時と比較すれば4分の1くらいの値段ではないか。
仮に見学した別荘に一泊するとしたら3万円でも安いと思う。ナグリの床と星空が眺められそうな風呂が最高にいい。だがしかし、風呂の掃除、草むしり、食事の用意、行き帰りの車の運転などを考えたらホテル・旅館のほうがいいようにも思うが…。
バブル時のような狂乱ブームは絶対訪れないだろうが、週末を自宅の別荘で過ごす時代がやってくるのか。
ナグリ床
スギ(左)と竹材を採用した天井
玄関
インテリックス リノベーションマンション販売 累計2万戸達成
インテリックスは7月31日、今年6月末にリノベーションマンション販売累計戸数2万戸を達成したと発表した。2006年から13年連続で1,000戸を超えた。
リフォーム産業新聞社による「買取再販年間販売戸数ランキング ベスト100」では3位にランクインしたという。
ポラス 浦和レッズレディース選手が「ONE LINKカフェ」でワークショップ
ワークショップ「体幹トレーニング・サッカーイベント」
長嶋さん(左)と木崎さん
ポラスグループは7月30日、さいたま市西区の大規模分譲地「ONE LINK」販売事務所に併設した「ONE LINKカフェ」で浦和レッズレディース選手によるワークショップ「体幹トレーニング・サッカーイベント」を行った。
「ONE LINK」は、土地区画整理事業によって開発が進められているさいたま市西区、JR川越線西大宮駅圏の同社の分譲予定地の総称。昨年11月の第1期から第4期まで74戸が供給されており、うち43戸が成約するなど売れ行きは順調に推移している。2021年までに全332戸の分譲住宅を供給する予定。
カフェは、新たに分譲を開始した第4期20戸の販売事務所の一角に設置された広さ約14畳大。分譲地の居住者や地域住民との交流を目的としたもので、近くにはカフェがなく要望も多く寄せられたことから開設した。地元の人気パン屋さんが土曜・日曜・祭日に営業する。今後も様々なワークショップを実施していく予定。
この日は、ポラスグループの社員で、浦和レッズレディースに所属する長嶋洸さんと木崎あおいさんがストレッチ、体幹トレーニング、サッカーボーリング、質問コーナー、サイン会などを約2時間にわたり行った。
参加者は群馬県板倉町から駆け付けたお父さんとお子さんなど総勢7組22名。みんな「楽しかった」と歓声をあげた。
「ONE LINKカフェ」
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下手な記事を書くより、写真を見ていただいたほうがどのようなワークショップだったか伝えられると思うので、以下に紹介する。
参加者には全員に、地元の農家から提供されたカブトムシのつがいがプレゼントされた
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記者もこの炎天下に週2回、RBA野球大会の取材を行っており、4~6時間、ほとんど休みなく万歩計にして2万歩、距離にすると10キロは歩き、多いときは十数試合を観て、写真を撮り、コメントを取る。
サッカーと言えば、人間を人間たらしめる「手を使う」ことを禁じ、足と体と頭のみの使用が可能で、しかも、けたぐりやひっかきは当たり前で、時には頭突きや噛みつきもし、ゴールでもしようものならTシャツを脱ぎ棄て、下品な下半身の突き出し踊りやタトゥーだらけの上半身をさらけ出す、もっとも原始的で野蛮な、とてもスポーツとも呼べないただの球蹴りだと思っているのだが、しかし、野球と違い、ルールも単純で100円ショップでも買えそうなダブダブのパンツとTシャツと猫じゃらしのボールだけあれば、肌の色も門地も頭の良しあしも貧富も美醜の概念とも一切関係ない、「力」のみが評価される、これこそが「生きる」ことの意味を問う正真正銘の究極の競技ではないかとも思われ、だからこそ全世界の人々から熱狂的な支持を得られるのだろうという冷静な判断力は記者も働く。
その運動量がすごい。記者は運動というよりただ歩くだけだが、長嶋さんと木崎さんは毎日2時間の練習を欠かさず、試合では長さ105m×幅68mのコートを前後半の90分間、距離にして10キロは走りまわるという。体力をつけるため醤油をかけただけのどんぶり飯を二杯食べたこともあるという。二人の目標は2020年東京オリンピックの代表に選ばれることだそうだ。
すてきナイスグループ創業者の平田周次氏が死去 享年92歳
平田周次氏
すてきナイスグループの創業者・初代代表取締役社長で、ナイス名誉会長の平田周次(ひらた しゅうじ)氏が7月23日、死去した。享年92歳。同社代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)・平田恒一郎氏の父。
故人の遺志により、通夜・葬儀は近親者のみで執り行われた。後日、「お別れ会」が行われる予定。
平田氏は1925年(大正14年)11月16日生まれ。1948年(昭和23年)日本大学卒業後の1950年(同25年)、市売木材(現すてきナイスグループ)設立。1988年(同63年)代表取締役会長、1998年(平成10年)名誉会長。2009年(同21年)旭日双光章。
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平田周次氏にはほとんどお会いしたことがないが、訃報に驚いた。同社への取材は平田周次氏のご子息・平田恒一郎氏がアメリカ留学から帰って同社に就職したころで、周次氏に代わって恒一郎氏が社長に就任したときは、確か上場会社の最年少社長就任だった。
周次氏の年齢が享年92歳と知り、また驚いた。今年1月に亡くなられた木下工務店の創業者・木下長志氏も、5月に死去された大京の創業社長・横山修二氏も同じ92歳だった。
業界を代表する昭和の偉大な経営者がまた冥府に旅立たれた。
合掌
わが国初の大京NearlyZEHマンション 坪単価は東急「芦屋」の3分の1
「ライオンズ芦屋グランフォート」完成予想図
国土交通省の「平成29年度(第1回)サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)」に選定された大京の「ライオンズ芦屋グランフォート」を見学した。1次エネルギー消費量を75%以上削減したわが国初の「NearlyZEH-M(ニアリーゼッチマンション)」で、電気・ガス・水道などのライフラインが途絶しても7日間以上生活でき、生物多様性に配慮するとともに自然のエネルギーを専有部に巧みに取り込むパッシブデザインを採用しているのが特徴で、CASBEE-建築(新築)最高位Sランクの評価も得ている。
物件は、阪急神戸線芦屋川駅から徒歩17分、JR芦屋駅から徒歩19分、芦屋市朝日ケ丘町に位置する地下1階、地上5階建て全79戸。専有面積は67.96~87.27㎡、現在分譲中の住戸(5戸)の価格は4,460万~5,930万円。坪単価は225万円。設計は浅井謙建築研究所。施工は佐藤工業。竣工予定は2019年5月31日。
「NearlyZEH-M(Nearly Zero Energy Mansion)」は、経済産業省の「集合住宅におけるZEHロードマップ検討委員会」が策定した省エネと創エネにより基準1次エネルギー消費量を75%以上削減した集合住宅のことで、今回の物件では断熱・省エネ性能を高め、アルゴンガス入りLow-E複層ガラスの高性能アルミ樹脂複合サッシと次世代燃料電池(エネファーム)を導入するなどして全戸平均32%の省エネと、太陽光発電により全戸平均48%の創エネも実現。これらの省エネ+創エネにより1次エネルギー消費量を約80%削減している。
また、同社は2017年のグッドデザイン賞を受賞した「SONA-L SYSTEM」を採用し、災害時に「電気」「水」「ガス」全てのライフラインが途絶しても7日間以上電力を供給し、生活を持続することが可能とするとともに、平常時の共用部の電力使用や、井戸水の植栽自動灌水システム・共用部散水に利用する。
生物多様性・パッシブデザインについては、敷地内緑地率を20%確保し、樹種は在来種を100%使用するとともに、六甲山地に生息する野鳥やチョウの飛来を想定した「実のなる植物」を植樹、「バードバス」「エコスタック」「巣箱」を設置し、再生材を使用した木チップや瓦チップの歩道、透水性インターロッキング舗装、風の流れを効果的に取り入れる独自のパッシブデザインを全戸に採用している。また、宅配物の再配達ゼロを目指し、世帯カバー率120%を実現した住戸専用宅配ボックス「ライオンズマイボックス」を導入している。
モデルルーム エントランス
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ZEHマンションについては今年1月、積水ハウスが分譲中の名古屋市の「グランドメゾン覚王山菊坂町」を見学しているが、このマンションもコンセプトは最高にいい。
一次エネルギーを約80%削減できるのもさることながら、万が一の災害時でも、飲料水は確保しなければならないが、7日以上生活できるという。このようなマンションはまずほかにないはずだ。パッシブデザインもまた同社がこれまで力を入れてきたものだ。
ただ一つ気になったのがアクセスだ。「芦屋」というだけで庶民のあこがれの的かもしれないが、記者の貧乏人の妬みひがみかもしれないが、個人的な見解ではお金持ちしか住めない特殊なエリアに思えてならない。
坂だ。現地の標高は50~60mくらいだろう。芦屋駅との比高差も40~50mはある。徒歩の表示は17分だが、坂を上ったり下りたりするだけで記者のような年寄りは疲れ切ってしまう。電動付き自転車でないと移動は無理だ。この坂をどう評価するか。
同じ日に、「芦屋」の坂の入口・出口に位置する東急不動産の駅から10分の「ブランズ芦屋 ザ・レジデンス」を見学したが、坪単価は関西圏過去最高の610万円だった。大京のマンションは徒歩にして7分の差なのに、単価は約3分の1だ。もちろん設備仕様、ターゲットは異なるが、これは何を物語るのか。考えてしまった。
建築現場
「テレワーク・デイズ」 大京のサテライトオフィス利用者「時間的ロスがない」
大京の大宮・サテライトオフィス
総務省などが推進する「テレワーク・デイズ」の特別協力団体として参加している大京グループの大宮サテライトオフィスを見学した。
テレワーク・デイズは、総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、内閣官房、内閣府が東京都などと連携し、働き方改革の国民運動として展開しているもので、2020年東京オリンピックの開会式にあたる7月24日を「テレワーク・デイ」と位置づけ、全国一斉実施を呼びかけている。
今年は7月23日(月)~27日(金)の間に24日(火)とその他の日の合計2日以上の実施を呼び掛け、昨年比32%増の1,255団体が参加(うち24日に100名以上参加している特別協力団体は120団体=事務局発表)した。
同社は2016年12月から「職場改革プロジェクト」をスタートさせ、社員は「財産」と位置づけ様々な取り組みを実施しており、その取り組みが評価され、2017年の経済産業省と東京証券取引所の「健康経営銘柄2017」と、同省と日本健康会議が主催する「健康経営優良法人(ホワイト500)」に認定された。以下、大宮サテライトオフィスを利用したグループ社員のコメント。
46歳Aさん 子ども2人の4人家族。千駄ヶ谷勤務。住まいは浦和(埼京線)。埼京線には(混雑がひどく)乗りたくない |
44歳Bさん 川口市に在住の子供二人の4人家族。子どものPTAの会合に出席するため5月にトライアルした経験あり |
35歳Cさん こども一人の3人家族。自宅はさいたま市大和田。千駄ヶ谷の事務所まで2時間弱なのが、ここだと30分。子どもと遊べる |
29歳Dさん 独身です。家は浦和。ここなら20分。担当も板橋なので近い。今日は9:00に出社。17:30の定時には退勤する予定 |
47歳Eさん 以前、北関東支店に勤務していた。子ども一人の3人家族。上尾市なので、ここまで30分 |
27歳Fさん 自宅は武蔵小杉の賃貸。結婚しています。大宮のお客さんに面談するために利用した。移動ロスがないのがいい |
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住宅・不動産業界では、同社のほか住友林業、積水ハウス、大和ハウス工業、三井不動産、三井不動産レジデンシャルサービス、三菱地所、LIXIL、レオパレス21が特別協力団体に参加している。
24、25日の2日間で約260名が利用した三菱地所の20歳代の女性社員は「当社は決まった場所はないので、自宅でもOKで、時間的メリットがまずあると思います!私の場合、片道1時間弱+身支度30分~1時間と考えると、2時間半は浮くので、その分業務をしたり、早く仕事を終えてプライベート時間に使えたりするのはよいです。これだけ猛暑が続くときや天気が悪い時は出社しなくてよいのはメリットですね。私はオンオフの切り替えをしたいので、自宅近くのカフェにおりましたが、かなり集中して作業ができます。とは言え、やはり打合せなど顔をあわせて話をすることの重要性・効率の良さはあると思いますので、使い分けが大切ですね」とコメントした。
積水ハウスは約280名が利用した。参加団体のNTT都市開発でも「期間中、全社員に1日以上利用するよう呼びかけている」(広報)。
東急不動産の昨年の事例では、通常勤務時の生産性を50とした場合、テレワーク勤務時の生産性は16%増の58に上昇したという結果が報告されている。
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もちろん業種によるだろうが、いまはパソコン一つで仕事ができる時代。わざわざ国が「テレワーク・デイ」と位置づけ、呼び掛けなければならないようでは、そしてまた、その取り組みが記事として「価値」があるようでは情けない。
私事だか、RBA野球大会が行われる期間中は、水曜日と日曜日はグラウンドに直行、直帰。それぞれの翌日、つまり木曜日と月曜日は在宅勤務扱いで、自宅で記事を書きアップもする。
この酷暑の中、4~6時間グラウンドを駆けずり回るので、その疲れを取るのが第一義だが、通勤時間が節約でき、タバコを吸い酒も飲めて、西武を応援することももちろん可能。振休も取り、疲れたら適宜有休も利用する。不都合など全くない。
参考までにオフィスのデスクも紹介する。いつも机上にあるのはノートパソコンと、画面を映すモニターとキーボード、マウス、電話機のみ。モニターは画面を見やすくするためで、キーボードとマウスがあるのは、ノートパソコンのキーボードとタッチパッドを操作することができないため。スマホはもっぱら電話機能。メールも満足に送れない。
左端のポトスは、定期的にオフィスの観葉植物を剪定する業者さんからもらって紙コップに生けたもの。お菓子は女性スタッフなどからの土産。食べずに家に持って帰る。
記者のオフィスのデスク