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「祝・飛龍不二法門」

 積水ハウスは10月13日、梅田スカイビル内に新しい芸術文化発信拠点となる「絹谷幸二 天空美術館」を2016年12月23日(金・祝)に開館すると発表した。

 梅田スカイビルは1993年3月に竣工した40階建て二棟連結の斬新なデザインのオフィスと商業施設からなる複合施設。2008年、英国TIMES社の「世界の建築物20選」に選ばれている。最上部の「空中庭園」には2015年度は過去最高の121万人(うち海外より72万人)が来場した。

 絹谷幸二氏はわが国のアフレスコ画の第一人者で、日本芸術院会員、東京芸術大学名誉教授、日本芸術家連盟理事。2001年、「蒼穹夢譚」で日本芸術院賞受賞。

 「絹谷幸二 天空美術館」は、大阪湾に臨む街を見渡せる眺望の開けた「梅田スカイビル タワーウエスト27階」に開館。象徴的なプロローグ展示と、3D映像による絵画の世界を空間として体験できる「シンボルゾーン」、絹谷幸二氏の絵画のイメージに合せた青や赤の「展示ゾーン」、制作過程の絵画も見ることができる「アトリエ」、子どもの絵画教室などを開催する「ワークショップスペース」などで構成される。

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エントランス イメージ図

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 絹谷氏は記者がもっとも好きな画家のひとり。絹谷氏が有名になる前に絵の購入を考えたことがある。結局買わなかった(買えない値段ではなかった)のだが、NHKの日曜美術館は必ず観ていた。有名になってから絹谷氏がデザインしたネクタイを買い、擦り切れるまで身に着けていた。

 渋谷・セルリアンタワー、松戸競輪場、みなとみらい線横浜駅、京都ブライトンホテルなどで作品を見ることができる。

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「えるぼし」最高評価マーク

 野村不動産は10月13日、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」に基づく認定マーク「えるぼし」の最高評価の認定を厚生労働大臣から受けたと発表した。

 「えるぼし」は、本年4月に施行された「女性活躍推進法」に基づく女性の活躍度を測る認定制度で、「採用」・「継続就業」・「労働時間等の働き方」・「管理職比率」・「多様なキャリアコース」の5つの評価項目のうち基準を満たした項目数に応じて3段階に分類されており、同社は5つの項目すべてにおいて基準を満たしたことから、最高評価となる3段階目の認定を取得した。

 同社は、「ダイバーシティ経営」を経営戦略の一つに位置づけ、女性を含めた多様な人材が、各々の能力を十分に発揮できる企業風土の醸成に向けて、ダイバーシティ推進活動に取り組んでいる。その取り組みの一環として、女性が活躍できる環境整備(女性総合職採用のための「女性フォーラム」の開催、育児・介護を含む両立支援及びキャリアアップ支援の制度整備、社員への啓蒙活動など)を行ってきたことが、今回の認定取得につながったとしている。

 「えるぼし」の認定をこれまで受けたのは145社で、不動産業界では同社のほかヒューリックが3段階目の認定を受けた。

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 〝女性活躍〟なる言葉は、女性が活躍できていない社会であることを国も認めているという点で納得もし、またそのようにしなければならないと記者も考えるが、ことさら〝女性活躍〟の政策を掲げなければならないほど男女差が拡大しているということの証左だ。そしてまた、〝男性活躍〟はどうかと問われれば、活躍していると答えられる男性はどれだけいるのか。これもまた少ないからこそ〝一億総活躍〟というお題目に変わったのだろう。

 この難問はともかく、同社がヒューリックとともに「えるぼし」の認定を受けたのは率直にうれしい。昨年の8月、記者は同社広報部長(現コーポレートコミュニケーション部)・宇佐美直子氏にインタビューし、その記事を書いている。こちらも参照していただきたい。

「女性活躍」待ったなし 不動産業界の取り組み/野村不HD・宇佐美広報部長に聞く(2015/8/17)

 

 

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「千葉市における『近居』に関する記者説明会」(幕張テクノガーデンで)

 親子「近居」支援に都市再生機構(UR都市機構)と千葉市が連携-UR都市機構と千葉市は10月12日、千葉市における「近居」に関する記者説明会を開き、UR都市機構が賃貸住宅「近居割ワイド」拡充策を、千葉市が「三世代同居等支援事業」をそれぞれ説明、連携して推進していくと発表した。

 UR都市機構は平成25年、同一のUR賃貸住宅で近居、あるいは半径2㎞以内のUR賃貸住宅間で近居する場合、新しくUR賃貸住宅に入居する世帯の家賃を5年間5%ないし20%減額(20%減額は世帯所得合計が月25.9万円以下)し、2世帯が同時にUR賃貸住宅に入居した場合、両世帯を減額する「近居割」を開始。現在、全国約1,100団地で利用が可能になっている。

 また、平成27年9月からは、UR賃貸住宅以外の住宅と、UR賃貸住宅とで近居を始める場合、新しくUR賃貸住宅に入居する世帯の家賃を5年間5%ないし20%減額する「近居割ワイド」を導入。全国454団地を含む95エリアで可能にした。

 千葉市内では今年9月、千葉市との連携によって市内5区の大半の団地(24団地)に「近居割ワイド」を拡充した。

 この結果、「近居割」は開始初年度の平成25年度は平均月6件の利用だったのが26年度は平均月8件に増加。「近居割ワイド」は開始初年度の平成27年度は平均月3件だったのが、今年度は平均月11件に増加。4~7月の4カ月間の契約件数は64件で、前年同期比1.7倍に増加した。

 一方、「千葉市三世代同居等支援事業」は平成24年に開始した事業で、高齢者の孤立防止と家族の絆の再生を目的に、「親と子と孫」が市内に同居または近居(直線で1㎞)に居住する場合、税金を滞納していないことや公的住宅扶助を受けていないことなど一定の条件を満たせば、住宅の新築、改築、購入、賃借に要する費用を3年間にわたって助成するもの。

 最初の1年目は要した費用のうち最高50万円の助成をし、2年目、3年目は15万円を限度に持家の場合は固定資産税・都市計画税相当額を、借家の場合は年間家賃相当額を助成する。持家の場合、市内業者と契約して施工を行った場合は、助成限度額を100万円に増額する。

 平成24年度の実績は55件で、25年度が57件、26年度が69件、27年度が63件。27年度の内訳は新築が15件、購入が9件、改築が12件、増築が2件、賃貸が8件、転居が17件。

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 UR都市機構の取材は10数年ぶりだ。九段に本社機能があったころはしょっちゅう取材し、広報担当者などとの懇親会(飲み会)にも必ず顔を出した。当時、学生にもっとも人気がある就職先の一つだった。「民業圧迫」を理由に分譲事業から撤退することが決まった平成9年前後、記者は「撤退反対」の論陣を張った。その後の行政改革の中で市街地整備や賃貸の管理中心の独立行政法人となった。2兆円を超える事業規模と優秀な人材を抱えていたUR都市機構を乱暴な手法-ありていに言えば、もっとも大変な開墾・種まき・水やり・施肥をやらせ、もっともおいしい果実を引きはがす-しかも官僚体質だけは温存させながら〝解体〟するのでなく、民営化していたら日本一のデベロッパーになっていたはずだ。

 そんなことはともかく、「近居」を千葉市と連携して推進していくのは結構なことだ。〝千葉市に住もう〟というキャンペーンを張りたいくらいだ。

 しかし、いくらURと千葉市が頑張っても飛躍的に伸びる事業とは思えない。UR都市機構が示した「近居割ワイド」が対象となる約3万戸の団地は「幕張ベイタウン」など一部を除いて管理開始が昭和40年代や50年代の郊外賃貸団地ばかりだ。耐震診断は行っているようだが、間取りや設備機器の陳腐化が進み、それなりに家賃は安いが、民間との競争力に欠ける。

 一例をあげる。昭和41年に管理開始した西千葉駅からバス12分の全2,094戸の「千草台」の家賃は29,600円~51,600円で、専用面積は27~52㎡だ。1坪当たり賃料は約3,300円~3,600円だ。賃貸住宅の相場はよく知らないが、東京の民間賃貸の3分の1くらいではないか。

 これほど安ければ立地、間取り・設備機器が劣っていようと入居する人がいるのではないかと思い、募集状況を検索してみた。4.5畳二間と6畳一間の3K(45~48㎡)で46件がヒットした。家賃は3万円台だ。驚いたというより当然だと思うが、この46件の「空き家」のうち2階が1戸で、3階が14個、そのほかは全て4階、5階だ。UR都市機構が管理開始した昭和40年代、50年代の賃貸住宅の多くは5階建てまででエレベータは設置されていない。

 この「千草台」のようにエレベータなしの団地では4、5階の住宅に大量の「空き家」が発生しているのはよういに想像がつく。市内3万戸のうち2万戸くらいがエレベータのない3~5階に該当するのではないかと思う。

 それでは、エレベータを設置してバリアフリー化を図り、間取りも一新すればいいではないかという声もあるが、UR都市機構は慈善団体ではない。独立行政法人として「自立」が求められている。大幅な改修に伴うリスクは取れない。

 何の解決策も見いだせない現状を考えると暗澹たる気持ちになるのだが、UR賃貸には「U35割」制度もある。契約者が35歳以下の学生、または35歳以下の親族と同居する場合、3年間の定期借家契約により割引料金で入居できるというものだ。これらを利用すれば、住居費を安く抑えられるのではないか。

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 千葉市の「三世代同居」を支援する制度もいい。新築や分譲に対する支援策は多くの自治体が実施しているが、賃貸に対しても助成するのは大歓迎だ。

 しかし、これもまた問題がないわけではない。助成資格要件に、すでに同居または近隣(直線で1㎞)に居住している場合は対象外とある。これまで苦労して親、または子、孫の世話をしてきた人が対象外というのは明らかに不公平だ。

 また、市内業者による施工・分譲については100万円に増額するというのは分かりやすいようで分かりづらい。ユーザーの立場からすれば、施工・分譲業者がどこであろうと関係ない。地場の業者を支援するのはほかの方法だってあるはずだ。

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 UR都市機構と千葉市の担当者の話を聞きながら、〝千葉市に住もう〟という記事を書こうと考えたのだが、関係者は千葉市に移り住みたくなるような街づくり・政策を進めるのが先決ではないかとも思う。

 卑近な例だが、人口が100万人近い政令都市の千葉市は、他の市と比較してマンションの相場は圧倒的な差をつけられている。東京23区はともかく、横浜市では横浜駅の中心市街地なら坪400万円を超える。川崎市も川崎駅周辺の1等地なら坪400万円近くになるはずだし、埼玉県さいたま市の浦和駅、大宮駅は坪300万円をはるかに突破する。

 千葉駅はどうか。近々分譲されるマンションがあるが、坪250万円くらいではないか。なぜこんなに差があるのか。一言でいえばそれだけ民力が低いからだ。市の財政事情も悪く、市民一人当たりの所得も同じ千葉県の船橋市や柏市などより上回るが、浦安市、市川市、習志野市、流山市などに負ける。

 その理由として管理開始が昭和40年代、50年代のUR都市機構の賃貸が多いのもその一因だと記者は推測するのだが、どうだろう。

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 この日、UR都市機構が配布した報道用基礎資料「UR賃貸住宅が提唱する『近居』というライフスタイル~近居割を軸としたUR賃貸住宅の取り組み~」は非常によくできている。17ページにわたるもので、民間の大和ハウス工業、三井不動産レジデンシャル、野村不動産アーバンネット、住友商事・住商建物の取り組みも紹介されている。

 その割に出席した記者は10数人しかいなかった。会場が遠いからか、呼び掛けたURや千葉市に問題があるのか、「近居」に反応する記者がいないためなのか…。

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「プラウドシーズン鶴瀬セントラル」

 野村不動産は10月12日、7月に分譲した東京都町田市の「プラウドシーズン町田ガーデン」31区画、埼玉県新座市の「プラウドシーズンひばりヶ丘テラス」40区画、9月に分譲した埼玉県入間郡の「プラウドシーズン鶴瀬セントラル」(第1期25区画)が即日完売したと発表した。

 「プラウドシーズン町田ガーデン」は小田急線町田駅バス12分、徒歩3分の全31区画。最多価格帯は4,300万円台。申し込みは41件。

 「プラウドシーズンひばりヶ丘テラス」は西武池袋線ひばりヶ丘駅から徒歩12分の全40区画。最多価格帯は5,300万円台。申し込みは48件。

 「プラウドシーズン鶴瀬セントラル」は東武東上線鶴瀬駅から徒歩17分の全61区画。最多価格帯4,400万円台。第1期25区画の申し込みは33件。

 いずれも「+αプランニング」をコンセプトに新たな空間設計を提案し、暮らしやすさを拡げる「カスタム収納」を標準装備しているのが特徴。

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「ウエリス世田谷砧」中庭 完成予想図

 NTT都市開発(事業比率50%)、三菱地所レジデンス(同25%)、東急不動産(同20%)、長谷工コーポレーション(同5%)の4社共同マンション「ウエリス世田谷砧」を見学した。最寄り駅の小田急線祖師ヶ谷大蔵駅から徒歩15分とややあるが、周囲は住居系エリアで、坪単価が軒並み300万円を突破している世田谷区にあって290万円と300万円を切る。準都心部のマンションの今後を占う意味で一つのバロメータになる物件だ。

 物件は、小田急線祖師ヶ谷大蔵駅から徒歩15分、世田谷区砧1丁目に位置する10階建て全182戸。第1期(戸数未定)の専有面積は70.04~94.25㎡、予定価格は5,300万円台〜9,500万円台(最多価格帯6,500万円台)、坪単価は290万円。竣工予定は2017年12月中旬。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。共用部のインテリアデザイン監修は建築家の南部昌亮氏。販売予定は10月下旬。

 現地は研修所の跡地で、敷地の用途地域は第2種住居地域(容積率198%)だが、敷地の東側、北側、西側は第一種低層住居専用地域。砧公園までは徒歩9分。

 建物は南東・南西向きが中心で、別棟としてクラブハウスか建設され、ラウンジ、コミュニティルーム、ゲストルーム、ライブラリー、学童保育などが設置される。

 住戸プランは6200ミリスパンの76㎡が中心で、二重床・二重天井、ディスポーザ、食洗機、天然御影石キッチン天板などが標準装備。

 NTT都市開発住宅事業本部分譲事業部・中村舜氏は、「周辺物件は分譲単価が高くなっているので、グロスを抑えるために専有面積の圧縮を図っている物件が多いが、当社は76㎡が中心。広めの面積を求めているお客さんのニーズに応えたい。周辺が第一種低層住居の開放感もアピールできるはず」と話している。

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リビング

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 住宅の質は基本的には広さだ。その点でこのマンションは3LDKで76㎡を確保している。別棟の共用施設も充実しておりいい物件だと思う。

 問題はやはり駅から徒歩15分というアクセスだ。これは如何ともしがたい。駅からは遠いが、76㎡の3LDKならどのような暮らし方ができるか、充実した共用施設の価値をしっかり伝える以外にない。

 それにしても、新宿や渋谷までドアツードアで30分圏の城西エリアのマンションは坪単価250~300万円が相場だ。普通の会社員の取得限界を超えてきている。何とかならないのか。

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ライブラリー

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「ディアナコート日本橋浜町」完成予想図

 最後にモリモトの「ディアナコート日本橋浜町」。「クレヴィア日本橋浜町」にも「プレミスト日本橋浜町」にも立地は劣るかもしれないが、デザイン・設備仕様では負けない。好勝負とみた。

 物件は、都営新宿線浜町駅から徒歩2分、中央区日本橋浜町2丁目に位置する10階建て全44戸。専有面積は54.42~101.46㎡、価格は未定だが坪単価は伊藤忠より安く、大和ハウスより高い430万~450万円くらいになる模様だ。竣工予定は平成30年1月下旬。設計・監理はIAO竹田設計。デザイン監修はアーキサイトメビウス。施工は新日本建設。

 現地は、表通りから一歩入った商業地で、三方道路。建物は西側道路に面したシンメトリックなデザインが特徴で、垂直と水平ラインを強調するとともに、基壇部には御影石、耐候性鋼板、大判タイルをリズミカルに配し風雅な表情を演出している。ペントハウスはフィンを庇のように際立たせ象徴的なデザインにしている。

 住戸プランは角住戸比率を高めた1フロア4戸~5戸。ディスポーザ、食洗機、シーザーストーンキッチンカウンタートップ、グローエ水栓、ミストサウナなどが標準。壁・建具に大雪山のナラ材を、床はオーク材を採用しているのが特徴。

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 立地条件は伊藤忠都市開発にも大和ハウスにも負ける。しかし、圧倒的なデザイン力と本物志向の設備仕様、ワイドスパンのプランで真っ向勝負できると記者は見た。デザイン監修は大和ハウスの物件と同じ今井敦氏だ。

 完成予想図を見ていただきたい。似たようなデザインのマンションはあるかもしれないが、とにかく凛とした美しさがある。外観に配管などが出ないように、側面に配する工夫も施しているという。

 建築士の横堀健一氏とデザイナーのコマタ トモコ氏が提案したモデルルームがまたいい。記者は同社のマンションをほとんど見学しているが、まず当たりはずれがない。今回も同様だ。ナラ材の突板仕上げが美しい。来場者は玄関に入って一様に驚きの声を上げるというが、さもありなん。

 分譲開始は10月下旬の予定だ。大激戦のエリアでどのような売れ行きを見せるか見ものだ。同社が中央区で分譲するのは初めてではないか。

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基壇部

浜町公園も浜町駅も15~23秒立地抜群の伊藤忠都市開発「クレヴィア日本橋浜町」(2016/10/11)

広さ=単価の安さと提案力で勝負 大和ハウス「プレミスト日本橋浜町公園」(2016/10/11)

 

 

 

 

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「プレミスト日本橋浜町公園」完成予想図

 「クレヴィア日本橋浜町」の次に大和ハウス工業の「プレミスト日本橋浜町公園」。立地は伊藤忠都市開発の物件に劣るが、それだけ単価も低く億ションのプランはいい。

 物件は、都営新宿線浜町駅から徒歩2分、中央区日本橋浜町2丁目に位置する14階建て全78戸。専有面積は65.10~83.17㎡、現在分譲中の住戸(17戸)の価格は6,790万~12,080万円(最多価格帯9,900万円台)、坪単価は410万円。竣工予定は平成29年12月上旬。施工は長谷工コーポレーション。デザイン監修はアーキサイトメビウス・今井敦氏。

 現地は、浜町駅A1出口から徒歩2分。敷地は南北に細長い四角形。敷地南側が道路を挟んで浜町運動場と浜町公園。

 住戸は1フロア6戸で、公園側に面した73~82㎡の南向き住戸と北向きの65~70㎡の住戸が各3戸。ディスポーザ、食洗機、黒御影石のキッチン・洗面浴槽カウンター、ガラスクローゼットなどが特徴。これまで半分くらいが成約済み。

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基壇部

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 浜町駅に近い同社のマンションを見学するのはこれで2回目だ。最初はいまから10年前の「プレミスト日本橋浜町リデアル」で、立地条件はよくなかったが、デザインがよく圧倒的な人気になったのを記憶している。坪単価は250万円だった。

 今回は立地もターゲットも単価も異なるが、共用部も含めて総じて設備仕様レベルは高い。デザイン監修に今を時めくアーキサイトメビウス・今井敦氏を起用していることでも力の入れ具合がうかがい知れる。

 82㎡のモデルルームの出来もいい。まず玄関のシューズインクローク。扉がガラス製になっており、奥の壁もガラスだった。単に靴などを収納するだけでなく、観葉植物なども置かれていた。これには唸ってしまった。〝魅せる収納〟はこれまでたくさん見学したが、〝魅せる下駄箱〟は初めて見た。

 ダイニング・キッチンカウンタートップとサイドは高級感のする黒御影石を使用しており、圧倒的な存在感がある。

 とはいえ、20坪で億ションというのが相場になった浜町・人形町エリアには競合物件も多い。広さ=単価の安さと提案力で勝負できるか。

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エントランス

浜町公園も浜町駅も15~23秒 立地抜群の伊藤忠都市開発「クレヴィア日本橋浜町」(2016/10/11)

デザイン・プラン・仕様レベル高い モリモト「ディアナコート日本橋浜町」(2016/10/11)

物件も販売責任者もレベル高い 大和ハウス「プレミスト日本橋浜町リデアル」(2010/3/3)

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「クレヴィア日本橋浜町」

 伊藤忠都市開発「クレヴィア日本橋浜町」、大和ハウス工業「プレミスト日本橋浜町公園」、モリモト「ディアナコート日本橋浜町」を見学した。3物件とも徒歩数分圏内にあるが、立地条件、コンセプトがそれぞれ異なり、ユーザーはどれを選ぶか悩ましいに違いない。

 まず、「クレヴィア日本橋浜町」から。物件は、都営新宿線浜町駅から徒歩1分、中央区日本橋浜町2丁目に位置する12階建て全45戸(非分譲住戸18戸含む)。専有面積は40.69~70.42㎡、予定価格は5,400万円台~11,000万円台(最多価格帯9,200万円台)、坪単価は470万円台の半ば。建物は平成28年7月竣工済み。設計・監理はエル設計事務所。デザイン監修はレーモンド設計事務所。施工は村本建設。

 現地は、浜町駅A2出口から徒歩1分(30mだから約23秒)、中央区最大の浜町公園まで徒歩1分(20mだから15秒)の東南角地。マンションなどが建っていた敷地。明治座は一つ建物を隔てた同じ通り。

 建物は逆梁を採用。デザイン監修にアントニン・レーモンドの志を継ぐ「レーモンド設計事務所」を起用しているのが特徴。住戸プランは40㎡、64㎡、66㎡、70㎡の4通り。キッチン・洗面カウンタートップは御影石、バックカウンター・吊戸棚、ディスポーザ、食洗機、ミストサウナが標準装備。

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左後方のビルが明治座

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 浜町、人形町駅圏でのマンション分譲はこの10数年間で10数物件を見学したが、このマンションほど立地条件に恵まれた物件はない。公園に近接・隣接したマンションもこの1年間で数物件見学したが、その近さ、開放感、規模などを総合的に評価して、ここが一番だ。このようなマンションは今後もまず供給されない。〝唯一無二〟とはこのような物件のことを言う。

 この立地のよさが単価にも反映されているのだが、近隣物件との比較からすればむしろ安いと思えるくらいだ。10数年前に分譲され、人気になった東京建物のマンションでも坪単価は300数十万円だった。最近は軒並み400万円を突破してきており、500万円を突破する物件もあるからだ。

 建物が建設される前から地元の人に話題になっていたそうで、同社が竣工売りをするのも勝算があってそう判断したと思われる。40~60㎡台は間違いなく売れると読んだ。この界隈は中央区の中でも突出して人口が増加しており、良し悪しはともかく賑やかな街になってきた。

 問題は70㎡のプランだ。地権者との調整があったためか無理に3LDKにしており、収納などにその影響が現れている。価格は1億円くらいになりそうで、となると設備仕様レベルも含め他の浜町や人形町駅圏の物件と競合するのは必至だ。

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モデルルーム

広さ=単価の安さと提案力で勝負 大和ハウス「プレミスト日本橋浜町公園」(2016/10/11)

デザイン・プラン・仕様レベル高い モリモト「ディアナコート日本橋浜町」(2016/10/11)

 

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「デュオセーヌ緑山」

 入居が始まったフージャースコーポレーション・ダイヤモンド地所のシニア向け所有権付きマンション「デュオセーヌ緑山」を見学した。天然温泉浴場、レストラン、その他の共用施設が充実しており、レベルの高いマンションだ。約7割が分譲済みというから売れ行きも好調だ。

 物件は、小田急線鶴川駅からバス約9分、バス停徒歩2分、町田市三輪緑山1丁目に位置する地下1階地上4階建て全82戸。専有面積は40.23~76.20㎡、現在分譲中の第3期(9戸)の価格は2,898万円~6,498万円。坪単価は250万円。管理運営費(月額)は44,700円~84,600円。食費は自由だが、1日3食(朝食600円 昼食600円 夕食920円)・30日/63,600円。購入条件は満50歳以上(夫婦の場合はどちらかが満50歳以上)で、自身で身の回りの世話ができること。建物は平成28年7月29日竣工済み。施工はりんかい日産建設。管理は国土管理。

 現地は、昭和60年代から平成の初期にかけて野村不動産が開発した高級住宅街「鶴川緑山」住宅地の一角で、敷地は大手企業の社員寮跡地。

 地階の1フロアがほとんど共用部分に充てられており、天然温泉浴場、レストラン、多目的室、娯楽室、シアタールーム、ヘアサロン、囲碁・将棋ルーム、ビリヤードコーナーなどがある。

 生活サポートとして365日24時間見守りサポートが受けられるほか、医療・看護サポート、介護サポートが受けられる。

 約1年前から分譲されており、これまで約7割が契約済み。単身者と夫婦の購入割合は6:4。

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エントランス

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 フージャースコーポの所有権付きシニア専用マンションを見学・取材するのは今回で3物件4度目だ。このマンションは竣工時点で約7割が成約済みだから「所有権付き」がかなり浸透・理解されてきたようだ。高齢者の選択肢の幅が広がるのはとてもいいことだ。

 住環境がよく、温泉が毎日利用でき、食事もレストランでできるというのは最高にいい。共用施設も充実している。

 仮に購入条件から年齢制限を取り払えば一般のファミリーは購入しないだろうかを考えた。やはり管理運営費は高いと考えるだろうか。お年寄りと一緒に住みたくないと考えるだろうか。それとも豪華な共用施設が利用でき、至れり尽くせりのサービスを受けられることを可とし、管理運営費を妥当とするだろうか。

 記者は逆にお金があっても年寄りだけのマンションには住みたくない。なんだか世間から疎外されているようで嫌だ。嫌われても若い女性のはつらつとした姿を毎日見ていたい。

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エントランスホール(左)と2層吹き抜けラウンジ

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前面道路(バブル期には戸建ては1億円をはるかに超えていた)

 先に紹介したように、千代田区の神田警察通りのイチョウ並木を伐採する問題で、千代田区議会は10月3日、企画総務委員会を開き、伐採中止を求める陳情書について審査した。

 委員会の各委員は「(自転車通行環境整備工事「神田警察通り」請負契約について)明確な説明がなかった」「執行機関として議会に説明しなかったことを反省すべき」「イチョウが伐採されるという認識がなかった。些末なことなのか」「誰が、いつ、どこで意思決定したのか、きちんと時系列的に説明すべき」「平成25年の(神田警察通り沿道賑わいガイドラインには(イチョウなど)街路樹の保全・育成が記載されているではないか」「(神田警察通り沿道整備推進)協議会も議会も区民も置き去りにされた」などと区側に迫った。

 これに対し、区側は「全般の説明はしたが、(イチョウ伐採などについての具体的な)説明不足だった」(まちづくり課長)と謝罪したが、事案を担当する道路公園課長の説明が分かりづらいことから「語尾をはっきり言え」「イエスかノーで応えてください」と言葉を荒げる場面もあった。

 区の都市計画マスタープランや緑の基本計画に逆行するのではないかという委員の質問に対しては、まちづくり担当部長・坂田融朗氏が「緑の基本計画の考え方は今後も変わらない。ただ、道幅が狭い地域では歩行空間を確保しながら更新せざるを得ない街路樹もある。緑を維持創出し、次の生命を育てていく」と答えた。樹木医の診断の結果、「枯損木」の恐れのあるイチョウは5本であることが区側から報告された。

 午後1時15分から始まった委員会は再三休憩を繰り返しながら、結局、結論が出ず4時過ぎに散会。17日に再び論議されることになった。この問題はテレビでも報じられるなど、「豊洲問題」の千代田区版の様相を呈してきた。

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 最初にも書いたが、区側の説明が不十分ではあるかもしれないが、区の決定に瑕疵はないように思う。議会は街路樹を伐採することを「知らなかった」というが、知らなかったでは済まされない。日常不断に行政をチェックするのが議員の務めではないのか。この問題について議会でもほとんど質問がされていない。

 昨年12月25日に開かれた企画総務委員会で道路公園課長が説明した「今回、整備を予定しております第I期、共立学園の前付近でございます。そちらの歩道の部分というところでは全体を合わせてあわせて3.5mになりますが、その中に植樹ですとか街路灯等が、道路附属物も混在し、また自転車と歩行者の区分も不明確になっておると。その中で歩道側が1.2mほどであるというような表記でございまして、こちら、きちっと整理をすることで、かつまた4.5mに拡幅することで、歩行者、自転車ともに走行しやすい安全な空間を創出したいと考えております」を了解したのではないか。

 道路公園課長が「植樹ですとか街路灯等が、道路附属物も混在」といみじくも言ったように〝街路樹は道路の付属物〟という認識しかないということだし、議員の皆さんも〝些末〟なこととしか考えてこなかったのではないか。

 これまで区の街路樹について議会はどのような論議をしてきたのか検索してみたら、次のような発言がヒットした。

 「国立市の学園通りの見事な緑の景観が一事業者によって壊されてしまったのは、まだ記憶に新しいところです。…道路の緑地帯には211本の桜と117本のイチョウが、どれも大木に生長し、沿道にはおしゃれなブティックや喫茶店が並ぶという、市民自慢の通りでした。そのような美しい緑の景観が、なぜそうなってしまったのか。また、今後このようなことが、多くの貴重な景観を持つ千代田区で起きることがないよう、水と緑の景観を守り、形成するための具体的な仕組みがぜひとも必要です」(2004年6月10日第2回定例会)

「神田警察通りの街路樹は人生の一部」 桂由美氏らが伐採中止求める陳情書(2016/10/3)

 

 

 

 

 

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