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「ファインコート深沢七丁目」

 三井不動産レジデンシャルが分譲中の都市型戸建て「ファインコート深沢七丁目」を見学した。桜新町駅から徒歩15分の全21戸で、リビングのほかキッチンも床暖房を標準装備し、リビング天井高は約2.7m確保。1住戸にはスマートウェルネス機能を備えている。先週末に第1期として11戸が分譲され、9戸に申し込みが入るなど好調なスタートを切った。

 物件は、東急田園都市線桜新町駅から徒歩15分、世田谷区深沢7丁目の建ぺい率50%・容積率100%に位置する全21戸。土地面積は96.95~107.26㎡、建物面積91.03~114.52㎡、価格は10,000万円台が中心。入居予定は平成29年2月下旬。構造・階数は木造2×4工法2階建て。施工は三菱地所ホーム。

 現地は、東急不動産が分譲中の定期借地権付き複合開発「ブランズシティ世田谷中町」の対面。一部の2階住戸からは富士山も見える住宅街の一角。

 住戸プランは、1階のリビング天井高を約2.7m(1住戸除く)とし、床暖房はリビングだけでなくキッチンや隣り合わせのDENにも標準装備。21号棟は同社基準のスマートウェルネス住宅。

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 第1期11戸のうち9戸に申し込みが入ったというからすごい。現在分譲中の住戸は10,180万円(敷地延長があり、この住戸のみリビング天井高が2.550ミリ)と11,880万円。

 隣接の東急不動産の定借マンションは坪単価300万円強で、30坪だと9,000万円になるから、戸建てのほうが安いと感じるユーザーもいるのだろうか。

 同社は最近、キッチンやDENも床暖房付として差別化を図っているが、キッチンに床暖房を設置するのは大賛成。主婦(主夫)の家事労働を考えた商品企画にすべきだ。

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外構

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モデルハウスから西側を写す(隣の東急不のマンション工事の向こうに富士山が見えた)

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「私たちが考える これからの地域の活性化」シンポジウム(住友林業で)

 定期借地権推進協議会・日本型HOA推進協議会は12月2日、「私たちが考える これからの地域の活性化-定期借地権とエリアマネジメントの活用-」と題するシンポジウムを開いた。関係者ら約120名が参加した。

 定期借地権推進協議会は前身団体を含め24年前に設立された任意団体で、構成メンバーは旭化成不動産レジデンス、ミサワホーム、積水ハウス、大和ハウス工業、フージャースコーポレーション、パナホーム、都市農住センター、伊藤忠都市開発、住友林業。定期借地権制度の健全な発展を図ることが目的だ。大木祐悟氏(旭化成不動産レジデンス マンション建替え研究所主任研究員)が委員長を務める。

 日本型HOA推進協議会は、アメリカの土地の「魅力」を所有し、管理し、コントロールするHOA(homeowners association、住宅所有者の組合)を日本型にしたもので、2009年5月に設立。横浜市立大学国際総合科学部教授・齊藤広子氏が代表を務める。構成メンバーは前記のハスウメーカーなど。

 シンポジウムでは齊藤氏が基調講演を行い、大木氏、ミサワホーム分譲開発部部長・一宮康則氏、フージャースコーポレーション企画開発一部部長・須藤幸弘氏、両団体の事務局長・温井達也氏が講演・事例報告を行った。

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 定借はもっと普及してほしいと思うのは主催者と同じだし、エリア(タウン)マネジメント手法が大事なのは同感だ。

 しかし、正直に言えば、もう3時間(休憩は1度あったが)も机に座って、細かい字でびっしり書かれたパワーポイントの文字を読みながら、後援者の話を聞くのは耐えられなくなってきた。

 盛りだくさんのシンポジウムの詳細を紹介することはできないので、記者が取材してきた事例を紹介する。

 首都圏第1号の「グランビューあざみ野」(平成6年竣工、事業主:サミュエル、以下同じ)のほか、「銀座タワー」(平成15年、三菱地所レジデンス)「神楽坂アインスタワー」(平成15年、藤和不動産)「タンタタウン」(平成17年、伊藤忠都市開発他)「シティタワー品川」(平成20年、住友不動産)「パークコート神宮前」(平成22年、三井不動産レジデンシャル)「広尾ガーデンフォレスト」(平成25年、三井不レジ、三菱地所レジデンス)などだ。現在は東急不動産の「ブランズシティ世田谷中町」やスターツの「アルファグランデ千桜タワー」がある。

 地主が東京都の案件では、「パークアクシス青山一丁目タワー」(平成19年、三井不レジ他)「パークコート神宮前」「むさしのiタウン」(平成19年、アキュラホーム他)などがあり、先の「原宿」は東京都、「品川」は品川区、「千桜」は千代田区の土地だ。

 「グランビューあざみ野」は賃貸並みのレベルしかなかったのに失望し、8,000人もの来場者があった期間70年の長期定借を実現した「タンタタウン」や、圧倒的な人気を呼んだ「シティタワー品川」、「むさしのiタウン」には驚愕したのを覚えている。いくつか記事を添付したので参照していただきたい。

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 いうまでもないことだが、定借で貸す側にとってはマンションや戸建ては低リスク低リターンである代わりに、固定資産税や都市計画税の軽減措置が取られ、買う側にとっては土地代が高いところほど所有権分譲より安い価格で購入・賃借できる特徴がある。

 これまで取材してきて気になるのは、定借マンションの供給が先細りで、しかも所有権付きと比較して割安感が見えにくくなっている点だ。

 その理由として考えられるのは、第一に建築費の高騰だ。平成17年に竣工した「タンタタウン」の分譲坪単価は110万円強だったと記憶しているが、今は最低でも売単価は130万円くらいになるのではないか。

 地代、権利金、保証金も第一次取得層にとって負担が大きい。例えば「パークコート神宮前」。坪単価は318万円(所有権なら当時でも坪700万円はしたはずだし、現在なら900万円くらいか)と安く、デザイン監修が隈研吾氏だったこともあり、記者は購入まで考えたが、坪当たり地代は約4,000円、20坪で約8万円もするので断念した。「銀座タワー」も月額地代は10万円くらいした。

 つまり、土地代が高いエリアのマンションも結局は〝高値〟の花にしか定借マンションはならない。郊外部でもユーザーの所有権のこだわりが強く、それを払しょくできるだけの商品企画を提供できていないように思う。

 このように現在の定借システム・社会環境では一般的な会社員にとって魅力が乏しいと言わざるを得ない。あい路を解消するヒントは、齋藤氏が力説されたエリアマネジメント手法の採用が大きなヒントのような気がする。地代、権利金、保証金負担を軽減することも考える必要がある。定借物件が中古市場でどのように評価されているのかも発信してほしい。

 そこで提案したい。国や地方自治体にとってローリスク、ローリターンは必ずしも魅力のない投資ではないはずだ。長期にわたって安定的収入が期待できるし、地代、権利金、保証金も低く設定できるはずだ。むしろ逆に、遊休農地に対しては課税を強化するのと同じように、不服申立制度を簡便化して国や自治体も含め合理的理由がない遊休地・低未利用地には〝特別課税〟を課すとか住民に開放するとかの措置を取ったらどうだろう。

 こんなことを言えば、国や自治体に特別課税することは国民に課税するのと同じではないかという反論もあるだろうが、特別課税=議員歳費の引き下げならみんな納得するはずだ。

 一つ付け加えれば、先に2020東京オリンピック選手村用地を1種(容積率100%あたり)8万円で売却したマンションはいったいいくらで分譲されるのか。記者はいまでも定借方式がよかったと思っている。

中堅所得層でも手が届く坪350万円 「アルファグランデ千桜タワー」(2016/9/5)

東急不動産の記念碑的マンション 定借「ブランズシティ世田谷中町」は坪308万円(2016/9/3)

究極の億ション 三井&三菱 「広尾ガーデンフォレスト」(2007/2/23)

住友不動産「シティタワー品川」最高378倍、平均17.65倍で即日完売(2008/9/5)

驚嘆の安さ 坪318万円 隈研吾氏がデザイン監修 「パークコート神宮前」(2008/11/19)

「むさしのiタウン」平均3.7倍の申し込み倍率に(2007/2/13)

圧倒的人気呼んだ長期定借付マンション第2弾「タンタタウン・アルボの丘」(2005/2/4)

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「グランフォーラム石神井公園」

 コスモスイニシアが12月中旬に分譲する戸建て「グランフォーラム石神井公園」を見学した。石神井公園駅から徒歩5分の高台・風致地区に位置する全8戸で、うち4戸は1億円を超えるが価格に見合う価値のある物件だ。ゆったり敷地を取り、メーターモジュールの廊下・階段、天井高3.2~3.8mの2階リビング、全居室床暖房を採用するなど商品企画が優れている。

 物件は、西武池袋線石神井公園駅から徒歩9分、練馬区下石神井三丁目の第1種低層住居専用地域(建ぺい率40%、容積率100%)に位置する全8戸。敷地面積は114.01~180.00㎡、建物面積は96.47~132.90㎡、価格は9,000万円台から1億3,000万円台。竣工時期は平成28年9月下旬~12月下旬。施工は西武建設。構造・工法は木造(在来)・2階建。

 現地は邸宅跡地で、隣接地も従前の土地所有者の自然林が広がっている高台立地。駅から現地までのアクセスは2通りあり、駅からフラットなほぼまっすぐな道を通っていくのが一つ、もう一つはなだらかな坂を下って石神井公園・石神井池を見ながら高さ4メートルくらいの坂を上っていく方法だ。

 配棟計画は、電線を地中化、全8棟のうち7棟の道路は透水性のインターロッキング舗装の私道とし、コモン的な空間を確保している。また、高台立地を生かし、2号棟と3号棟は石神井公園側から約4mの専用階段を上っていけるようにしているのが特徴だ。

 商品企画では、2号棟と3号棟は玄関(親子ドア)をゆったり取り、廊下・階段はメーターモジュールを採用。床は大理石、壁はタイルを多用。玄関収納カウンター、キッチンカウンターなどはフィオレストーンを採用。全棟2階リビングで、全居室に床暖房を設置。セミオーダー型のデコレーションサービスも受けられる。

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5号棟リビング

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5号棟リビング

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1号棟玄関

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 間違いなく価格に見合う価値のある戸建てだと思う。立地、ランドスケープデザインがいい。背後の自然林からは小鳥のさえずりが聞こえ、四季の移ろいを感じさせてくれるはずだし、近くを流れる石神井川沿いの「桜並木は上野のサクラに負けない」と地元居住者は言う。7棟が共有する私道部分はコモンスペースとしての役割を果たす。電線地中化もいい。

 なによりうれしいのは、2号棟、3号棟のみだが、玄関が広く、廊下、階段がメーターモジュールになっていたことだ。メーターモジュールは20年前くらいに流行り、都市型戸建てでもどんどん採用されたが、その後、ほとんど姿を消した。尺モジュールと比較すればその良さがわかるはずだ。これからもどんどん挑戦してほしい。

 全室に床暖房もいいが、やるならキッチンもそうしてほしかった。洗面室も同社のマンションと同じタイプで優れている。床材・面材に大理石やフィオレストーンを多用してグレード感を演出しているのもユーザーには評価されるはずだ。

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隣接地の〝借景〟

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3号棟専用階段から見た借景

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 問題は、この物件特性・良さをどうアピールするかだ。〝コスモスイニシア〟も〝グランフォーラム〟もこのエリアではマイナーだ。ありきたりの広告では埋没してしまうのは必至だ。間違っても「丘に住まう」「静謐の丘に」などの手垢にまみれたコピーを使ってはならない、と思いパンフレットを見たら「森を抱く丘邸。」とあった。これも五十歩百歩ではないか。

 記者なら西部エリアの主だった戸建てを地図上に落としこんだチラシを作り、「どこにも負けません」と謳う。不動産公取協から根拠を示せと言われるから「メーターモジュールの廊下・階段」「リビング天井高3.2~3.8m」とする。同業からは反発されるが、価格の安さを競う市場から質で勝負市場へ変換するためには思い切った比較広告は有効ではないか。

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石神井公園

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豊洲駅側から望む事業イメージ図

 三井不動産は12月1日、「(仮称)豊洲二丁目駅前地区第一種市街地再開発事業2‐1街区AC棟」を着工した。

 同事業は、豊洲駅前の「豊洲二丁目駅前地区第一種市街地再開発事業」の一環として、昨年6月に竣工した江東区豊洲シビックセンター、今年11月に竣工した東京消防庁深川消防署豊洲出張所に続く建物整備事業で、事業地の地権者であるIHIとの代表施行者として推進しているもの。

 東京メトロ有楽町線豊洲駅、ゆりかもめ豊洲駅前の約1.9万㎡の敷地(2-1街区では計約2.8万㎡)に免震構造による36階建てオフィス・ホテル・商業などのAC棟と、階数未定の商業・エネルギーセンターなどのB棟を建設する。オフィス機能を中心としたミクストユースの大規模再開発で、延床面積は約18.4万㎡(来年着工予定のB棟と併せて約25.9万㎡)となり豊洲エリアで最大級となる。AC棟は2020年4月、B棟は2020年度下半期竣工予定。施工は大成建設。事業費は非公表だが、1,000億円を超える模様。

 AC棟は、最先端の機能を備えたオフィスに加え、隣接する「ららぽーと豊洲」の機能を拡大する商業ゾーン、同社グループが直営するホテルゾーンを設けるほか、同社としては日本橋エリアに次いで2番目の事例となる、「電気」と「熱」の供給を行うエネルギーセンターを設置し、さらなるBCPの強化を図る。

 ホテルは36階がフロントなど、33階から35階が約225室の客異質フロアとなる。360°のベイビューとアーバンビューを〝売り〟にパノラマビュー大浴場やビューバスプランのある客室も用意する。

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開発地(正面奥が「ららぽーと豊洲」、その奥が「バークシティ豊洲」、左後方が三菱地所レジデンスの「晴海」マンション)

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 三井不動産のビルやマンションのビッグプロジェクトを施工するのは圧倒的に鹿島建設と清水建設が多い印象を受けるので、同社に聞いてみたが特別の理由はないそうで、横浜三井ビルやいま施工中の東京ガス、三菱地所との共同事業「(仮称)TGMM芝浦プロジェクト」も大成建設だ。

 もう一つ気になるのはBRT(バス ラビット トランジット)計画で、都心と臨海副都心をBRTで結ぶことによって交通需要の増大に対応しようという計画が東京都で進められている。

 詳細は未定だが、このシステムがうまくいけば、いま三井不動産レジデンシャルが中央区晴海2丁目で開発中の超高層マンション(1,120戸)は「勝どき」駅に出るより「豊洲」駅に出るほうが便利になるのではないかと思う。

 そうなると、今回の再開発事業地に近接している東急不動産のマンションとの競合関係が生じるのかどうかが気になってくる。「中央区晴海」と「江東区豊洲」のマンションはどちらが高くなるのか、気になるところだ。東急のマンションの坪単価は400万円をはるかに突破すると思われる。

 さらに湾岸でいえば、住友不動産の「(仮称)東京ベイ トリプルタワープロジェクト」(1,539戸)があるし「オリンピック選手村」(賃貸含め5,650戸)も控えている。「豊洲移転」も絡んで当分、湾岸エリアは賑やかになる。

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外観パース

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「オハナ蕨錦町」完成予想図

 野村不動産が12月に分譲する「オハナ蕨錦町」を見学した。埼京線戸田駅から徒歩14分とややあるが、坪単価は180万円を切る可能性があり、圧倒的な価格の安さが周辺物件や郊外物件に影響を与えるかもしれない。

 物件は、埼京線戸田駅から徒歩14分、または京浜東北線蕨駅から徒歩19分、蕨市錦町2丁目に位置する11階建て全129戸。専有面積は68.87~82.54㎡、予定価格は3,400万円台~4,900万円台、坪単価は調整中で180万円を切る可能性もありそうだ。竣工予定は平成30年2月。施工は長谷工コーポレーション。

 現地は用途地域が工業地域。大日本インキの元社宅跡地で、従前は「やまとの湯」として地元に親しまれていたスーパー銭湯。

 建物は南向きで、専有面積は68㎡、72㎡、75㎡、82㎡の4タイプ。設備仕様はこれまでの〝オハナ〟とほぼ同じ。キッチンシンク下は可変ニースペース付きで、スロップシンクが標準装備。

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エントランス

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 これまで同社の「オハナ」シリーズは2011年の第一弾「八坂萩山町」から「平塚」「茅ヶ崎」「八王子」「淵野辺」「ふじみ野」「北戸田」「北習志野」など郊外ばかりだったが、最寄駅から都心へのアクセスでは今回の「蕨錦町」がもっとも近いのが特徴だ。池袋、新宿、渋谷、東京へ30分圏内だ。これがユーザーにどう評価されるか。

 ただ、徒歩10分圏内に蕨市役所、保育園、幼稚園、中学校、図書館、スーパー、公園などの生活施設は整っているが、用途地域が工業地域であることからも分かるように、住環境はお世辞にもいいとは言えない。これがまたユーザーにどう評価されるか。

 記者も読めない。従前がスーパー銭湯だったのを利用して「温泉付き」にしたら早期完売できたと思うが、維持・管理が大変なのでそうならなかったのだろう。

 ちなみに2013年に分譲された「オハナ北戸田ガーデニア」(277戸)の第1期第1次分譲は145戸で、坪単価は142万円だった。ここも住環境はあまりよくなかったが瞬く間に売れた。この3年間で市場は激変した。坪単価は2~3割も上昇したのに実質賃金が下落し続けている-ここにすべての問題がある。

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テラスガーデン

埼京線・戸田市のマンション大激戦 新規・継続含めて1000戸超(1)

野村不動産「北戸田」は1期一挙に145戸供給(2013/5/28)

埼京線・戸田市のマンション大激戦 新規・継続含めて1000戸超(2)(2013/5/28)

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建て替え後の「メゾンドール早稲田」完成予想図

 三菱地所レジデンスは11月29日、同社が事業参画中の「メゾンドール早稲田」マンション建替事業が「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」に基づくマンション建替組合の設立が認可されたと発表した。民間マンションと国有地の一体敷地の建て替え事業は国内初となる。

 物件は、東京メトロ東西線早稲田駅から徒歩6分の地上7 階建て35 戸の民間分譲マンション「メゾンドール早稲田」(昭和46年竣工)と、隣接する7階建て35戸の「国家公務員宿舎」(昭和45年竣工)を一体敷地として建て替えるもの。建て替え後は地上10 階地下1 階建て全115 戸のマンションになる。竣工は2020 年6 月の予定。

 「メゾンドール早稲田」では10 年以上前から建て替えが管理組合内で検討されてきており、同社は2009 年6 月に事業協力者に選定された。土地買収が困難な管理組合に代わり同社が2015 年12 月、隣接の国家公務員宿舎の土地を取得。2016 年2 月に一体敷地での建替え決議が成立した。

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品川社長(左)と上田知事(埼玉県庁で)

  ポラスグループの中央住宅が分譲している戸建て「風と緑のまち 白岡」(全21棟)が埼玉県が今年度に新設した「先導的ヒートアイランド対策住宅街モデル事業」の第一号として採択され、その認証式が11月29日、県庁で行われた。

 同事業は、ヒートアイランド対策が喫緊の課題になっている現在、埼玉県が一定以上の規模を対象に、課題を解決するための方策を盛り込んだ先導的な住宅街モデルを顕彰・補助する制度。

 「風と緑のまち 白岡」は、JR宇都宮線白岡駅から徒歩7分の土地区画整理地内にある全21区画。「素材」「水」「緑」「風」の力を利用した「パッシブ・ランドデザインシステム」を導入することによって、夏季の体感温度を5℃程度引き下げることを目指している。完成を前にしてすでに17棟が契約済みという。

 認証式に臨んだ上田清司・埼玉県知事は「今回の案件をきっかけに第2弾、第3弾と続:け、全ての戸建てでやっていただきたい」と述べ、同社・品川典久社長は「第一号案件に選ばれて非常にうれしい。責任も感じている。できる限り取り今後の物件にも採用していきたい」と語った。

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左から同社戸建分譲設計本部営業企画設計二課課長・野村 壮一郎氏、品川社長、上田知事、同社戸建分譲設計本部営業企画設計二課係長・酒井かおり氏、ポラス暮し科学研究所住環境G主任・福代 昇一氏

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 上田知事とポラス品川社長らとの懇談が終わり、報道陣が続々と知事室から退室したので記者も帰ろうとしたその時、背後で〝2戸買う〟〝娘夫婦〟〝シキ〟というとぎれとぎれの上田知事の言葉が、多少耳が遠くなった記者にもしっかり聞こえた。 

 しめた、大スクープだ。認証式など吹っ飛んだ。耳は遠くなっても、頭の回転は並みの記者には負けない。上田知事は68歳。昨年8月の知事選で他の4候補を全く寄せ付けず4選を果たしたばかりで、この日も「ずいぶん報道陣が多いな」と上機嫌で認証式に現れた。とても元気そうに映った。 

 そんな知事が、死期が迫りつつあることを自覚し、娘に病気の面倒を見させるために「一戸建て」を餌に呼び寄せ、子孫の為に美田を買う-大新聞社が飛びつきそうなビッグニュースに、退室にもたもたしたばっかりに得た僥倖を逃す手はない。

 早速、上田知事に「書いていいですか」と聞き、「いいよ。奥さんと娘夫婦の了解は得ていないが」と上田知事から了解も得た。

 そこで、正確を期すためにポラスの広報マンに「死期が迫っているので、娘さんとのも含め御社の戸建てを2戸買うと上田知事が仰ったんですよね」と念を押したら、広報マンは「『死期』じゃありません。埼玉県の『志木』ですからね。娘さん夫婦が志木市に住んでいるんじゃないですか? その志木市で今回のような戸建てを分譲するのであれば、買いたいということでした」と、記者のウイットが理解できたのかできていないのか真顔で答えた。

 なるほど、何だ、ただのリップサービスではないか。しかし、ただでは起きないのが記者だ。上田知事!志木は価格が高くなりすぎ。「浦和美園」はいかがですか。ポラスさんは戸建てを分譲していますし、NTT都市開発さんは30坪で5,000万円台のマンションを分譲します。知事が戸建てとマンションを買われたら、浦和美園の人気が急上昇し、街の開発スピードも飛躍的にアップすると思いますが、いかがでしょうか。

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上田知事

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 これは大まじめ。上田知事!埼玉県の街路樹を何とかしていただきたい。この日、浦和駅から埼玉県庁に向かったのだが、総じて街路樹は貧弱で、しかも周囲の建物に遠慮するように10mくらいまで強剪定されていた。それはビュッフェの絵画のように見えなくもないが、寒々とした冬の風景をより一層際立たせ、不安を掻き立てるグロテクスなオブジェとしか記者には見えない。

 東京都や神奈川県には、街路樹の美しさが街のポテンシャルとなっているところが少なくない。埼玉県にそれはあるだろうか。

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浦和県庁第一庁舎(左)と第二庁舎の間の街路樹

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「グランアルト越谷レイクタウン」(左)と「ザ・シーズンズ グランアルト越谷レイクタウン」

 大京と住友不動産が共同で開発分譲した埼玉県越谷市の「グランアルト越谷レイクタウン」(381戸、2014年1月竣工)と「ザ・シーズンズ グランアルト越谷レイクタウン」(435戸、2015年3月竣工)の2物件が、第8 回「彩の国みどりのプラン賞」を受賞した。

 ①中庭と一般開放された遊歩道を中心に、利用者が緑に親しめるように緑地が配置されている②隣接し合うマンションと敷地を共有して遊歩道を整備するなど、独創的な設計となっている-ことが評価された。

 埼玉県は、一定面積以上の敷地で建築物を新築・改築などを行う場合、緑化の計画を作成し届け出る「緑化計画届出制度」を2005 年10 月から行っており、「彩の国みどりのプラン賞」は、特に優れた緑化を行い、維持管理が良好な施設を表彰するもの。制度開始の2005 年10 月から2015 年3 月までに完了報告を提出した中で、緑化基準を満たしている1,287 計画(既に優良認定を受けている141 計画を除く)の中から7計画が受賞した。

 マンション関係では、「オハナふじみ野上野台ブロッサム管理組合」(分譲:野村不動産)、「パークホームズLaLa新三郷管理組合」(分譲:三井不動産レジデンシャル)などが受賞した。

 

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「アリオンテラス瑞江」(ZEHを導入した住棟)

 大京の分譲戸建て「アリオンテラス瑞江」全6棟が11月26日にモデルハウスを公開する前に全戸完売となった。

 物件は、都営新宿線瑞江駅から徒歩5分、江戸川区瑞江駅西部土地区画整理事業地区内68街区西二の第一種住居地域(建蔽率60%、容積率100%、高さ規制16m)に位置する全6棟。敷地面積は100.00~111.00㎡、建物面積は96.56~146.29㎡、価格は5,500万円台~6,800万円台。構造・規模は木造2階建て・木造3階建て、2×4工法。竣工予定は2016年12月20日。設計・施工はイトーピアホーム。

 現地は、30.4haの土地区画整理事業地内にあり、道路を挟んだ南側に公園、東側に自動車教習所がある低層住宅や中層マンションが建ち並ぶ一角。

 6棟のうち南東角地に位置する1棟については同社の戸建てシリーズでは初のZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を導入しているほか、天井高約1.7m、パッシブデザインの採用などを行っている。

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窓からの借景

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3戸分を連ねた駐車スペース

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 同社が「アリオンテラス瑞江」を12月中旬に販売開始するとニュースリリースしたのは10月6日だった。

 それまでに見学しようと同社に取材を申し込んだら、モデルハウスを11月26日(土)にオープンするのでそれ以降にしてほしいということから、見学は11月28日になった。

 ところが、同社販売受託室担当課長プロジェクトリーダー・山本弘毅氏によると、「現地の環境の良さを熟知されている方も多く、足場が外れたあたりから問い合わせ・資料請求が増え、約100件にのぼった。モデルハウスの完成を待つまでもなく完売した」というのだ。

 この物件の近くにはポラスがわずか1週間で完売した全7棟の「ザ・マインドスクェア瑞江」があるのだが、ポラスの物件もモデルハウスが完成する前に完売となっている。

 ともに戸数は少ないが、〝駅近〟で住環境が整備され、しかも土地面積が30坪確保されている戸建てに対するニーズが極めて高いことを証明した。マンションと比較して割安感があるのは確かだ。

 大京の販売受託室は戸建て事業も担当しており、山本氏は「積極的に用地を取得している。これまでは年間で数十棟だったが、今後は3ケタに乗せたい。次は『原木中山』。『鷺宮』も建築確認がおりた」と話していた。

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エントランス

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公園から見た現地

地域に根を張る ポラス中央住宅が城東エリアで伸ばせるわけ(2016/10/28)

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全景(手前が「パークタワー新川崎」。奥は三井不動産のビル)

 地権者の三井不動産レジデンシャルや川崎市などが出資している鹿島田駅西部地区再開発株式会社が11月27日、商・住一体開発の「鹿島田駅西部地区第一種市街地再開発事業」の事業全体の竣工を記念して「鹿島田駅西部地区まちびらきフェスタ」を開催した。三井不動産専務・北原義一氏、川崎市長・福田紀彦氏、三井不動産レジデンシャル社長・藤林清隆氏など関係者約110人が式典に参加、竣工を祝った。フェスタには約10,000人(主催者発表)が集まった。

 冒頭挨拶した北原氏は、「駅と駅、人と人、街と街をつなぐコンセプトのもと、再開発計画段階を含めると四半世紀にもわたるプロジェクト。670戸のマンション『パークタワー新川崎』は施工段階で『手戻り』(作業工程の途中で大きな問題が発見され、前の段階に戻ってやり直すこと)があったため、竣工が約1年半延びたことを深くお詫びします。関係者のみなさんのご尽力に感謝いたします。設計監理の松田平田さん、施工の清水建設さんにも理解していただいたことを感謝いたします(この間、10人くらいの関係者の名を挙げ謝意を示した)。ハードは完成しました。最新鋭のスペックを備えています。これからソフトの部分、魂を入れるコンテンツの充実に総力を結集します」と述べた。

 福田市長は、「(新川崎)駅と(鹿島田)駅がペデストリアンデッキでつながり、ワクワクする街が完成した。今後、平成30年には新たな交流施設も計画している。武蔵小杉同様、街に欠かせない施設が揃うことになる」と話した。

 また、来賓としてあいさつした地元選出の田中和徳・衆議院議員は、「一時は大変な事態になりそうになったが、今日の竣工を迎えることができた。これからは南武線の踏切をなくし連続一体化を図るべく前進しよう」と語った。

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街びらきの鏡割り

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左端から北原氏、田中衆議院議員、福田市長、右端が藤林氏

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 「パークタワー新川崎」については別掲の分譲開始時の2013年に書いた記事を参照していただきたい。北原氏が述べたように最先端の技術が採用されている。免震工法を採用し、マンション全住戸に蓄電池を搭載しHENS連携システムをわが国で初めて導入したほか、当時としては3例目の「CASBEE川崎」の最高ランク「S」を取得。再開発を株式会社方式で行うのも全国的に珍しいことから話題となった。

 ところが、契約がかなり進んでいた2014年3月、施工中のコンクリートにひび割れや剥離が見つかり、工事をやり直すことになった。

 当時、三菱地所レジデンスの「南青山」(施工は鹿島)や積水ハウスの「白金」(施工は清水)なども不具合が見つかり、「南青山」は建て替える事態に追い込まれた。

 今回の「新川崎」では新た分譲することになったため工期が1年半も伸びたが、今年11月の竣工まで全て完売となっている。

 関係者によると、「中古」段階では新築時の価格を上回る可能性が高いという。価格が当初分譲開始した2013年当時のままで据え置かれ、その後の建築費の高騰を織り込んでいないためのようだ。

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ペデストリアンデッキ(左)と「パークタワー新川崎」

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三井不動産グループの出店「住まいモール」(施設には三井不動産リアルティと東急リバブルが店舗を構えている)

商・住一体の三井不レジ「パークタワー新川崎」(2013/10/3)

 

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