RBA OFFICIAL
 

IMG_9938.jpg
「パレットコート朝霞 カーサブランカ」

 ポラスグループの中央グリーン開発とポラスタウン開発が共同で分譲している「パレットコート朝霞 カーサブランカ」を見学した。東武東上線沿線では同社グループ過去最大規模の全64棟で、朝霞駅から徒歩19分のハンディを抱えながら、販売開始2週間で14戸を成約するなど好調なスタートを切った。

 物件は、東武東上線朝霞駅から徒歩19分(バス8分、バス停徒歩7分)、埼玉県朝霞市根岸台3丁目に位置する全64戸。第1期(18戸)・2期1次(11戸)の土地面積は100.00~173.94㎡、建物面積は89.73~113.43㎡、価格は3,380万~4,780万円。建物は木造2階建(在来工法)。入居予定は2017年9月上旬。

 現地は雑木林だったところを造成した南傾斜地。スペインのアンダルシア地方の街並みをモチーフに、「白い壁の家並み」「南傾斜の丘の上」「リゾートフルな植栽」を演出。また、朝霞市初の建築協定を締結し、「灯かりのいえなみ協定」のほか外構、建物の色などを統一して良好な街並み景観が将来にわたって維持できるようにしているのが特徴。

_C2A0035_R.jpg

_C2A0019_2_R.jpg
以上48号棟

◇       ◆     ◇

 モデルハウスは2棟のみで、これから住宅の建設が本格的に始まろうという段階にも関わらず、わずか2週間で14棟を成約するとはさすがポラスだ。

 商品企画がいい。特に、ポラスの注文住宅「ポウハウス」も手掛けたデザイナー百瀬修氏が担当した48号棟にほれ込んだ。玄関をたっぷりとり、スギの集成材を用いたルーバー、挽板の床、上部に化粧梁と花台を設けた大きなバールカウンター付きキッチンがいいし、色使いも巧みだ。

 もう一つの16号棟の内装は白が基調で、吹き抜け空間は5mくらいあり、4層にも5層にも見える住宅だ。

 駅から徒歩19分(近道を通れば13分くらいだそうだが)もあるのによく売れるものだと感心した。

 会社に戻り、埼玉県出身の若い男女4人に聞いたら、みんな「チャリンコ通勤できるから平気」と答えた。これにはうれしくなった。一方で大泉学園に住む若い女性は「雨のときとか…」と言葉を濁した。

_C2A0181_R.jpg

_C2A0261_R.jpg
以上16号棟

◇       ◆     ◇

 注文が2つある。現地はひな壇造成のため、白いコンクリの擁壁が目についた。4,000万円前後の住宅にこれを要求するのは酷かもしれないが、せっかく市で初めての建築協定を結んだのなら、壁面緑化を施してほしかった。白い外観の建物とグリーンの外構、擁壁が美しく映えたはずだ。

 もう一つは48号棟の過剰な装飾について。百瀬氏の本物志向のデザインが最高なのだから、家具、造花などの装飾は最小限にとどめてもよかった。とくに一見して造花と思える観葉植物はいかがなものか。やはり本物を用いるべきだ。水遣りなどたいした作業にならないはずだ。

 外観1.jpg
「ホテル ザ セレスティン京都祇園」

 三井不動産と三井不動産ホテルマネジメントは2月3日、宿泊型上級の新ホテルブランド 「ザ セレスティンホテルズ」を開発し、第1号店として「ホテル ザ セレスティン京都祇園」を2017年9月7日(木)に「ホテル ザ セレスティン銀座」を2017年10月5日(木)にそれぞれ開業すると発表した。約60名の報道陣が詰めかけ、関心の高さを示した。

 「ホテル ザ セレスティン京都祇園」は、祇園、清水寺、建仁寺、八坂神社、鴨川、先斗町が徒歩圏の京都東山エリア・八坂通に面した5層6フロアの全157室。面積は26~66㎡までツイン30㎡台が中心。スパ、ゲストラウンジのほか、京都の老舗料亭「八坂圓堂」が出店する。

 「ホテル ザ セレスティン銀座」は、新橋駅から徒歩3分の旧銀座日航ホテルを建て替えたもので14階建て全104室。面積はダブル約24㎡を中心に約24~約47㎡。イタリアンレストラン「Casita(カシータ)」が出店する。

 また、現在稼働中の東京・芝の「セレスティンホテル」を大規模なリノベーションを行い、「(仮称)ホテル ザ セレスティン東京芝」として2017年秋オープンする。

 新ブランドは、2002年に開業した「セレスティンホテル」(旧国際観光ホテル)の上質なプライベート感とゲストサービスのこだわりを継承しながら、宿泊型上級クラスとしてリブランドしたもの。

 ルームチャージは平均で3万~3.5万円。従来の同社グループのホテルよりは1万円くらい高いようだ。

 発表会に臨んだ三井不動産執行役員ホテル・リゾート本部長・世古洋介氏は、「当社グループは“Creating New Destinations”をホテル・リゾート事業のステートメントとし、全国20施設約5,300室を運営しているが、政府の観光先進国に向けた様々な施策を支援材料に今後も事業は伸びていくと認識しており、2020年度までに1万室規模へ成長させる計画を進めている。顧客ニーズの多様化も進んでおり、新ホテルブランドはそれに応え質的拡大を図るもの」と語った。

 “Creating New Destinations”には、同社のホテルに泊まることが、滞在することが目的となるように価値を創造する意味が込められている。

外観2.jpg
「ホテル ザ セレスティン京都祇園」

◇       ◆     ◇

 最初、新ブランド名を聞いたとき、「あれっ、セレスティン? ウェスティン?  クレスティン? クレスト? ゴールドクレストもあるではないか」と混乱した。やや考え、あの旧国際観光ホテルだと理解し納得した。国際観光も銀座日航ホテルもなかなかいいホテルだった。日航ホテルのコーヒーは絶品だった。

 嬉しかったのは、わが故郷・三重の「鳥羽国際ホテル」と「AMANEMU」が伊勢神宮と共に映像で紹介されたことで、とくに「AMANEMU」については、世古氏が「ラグジュアリーホテルとして想定を超える滑り出し」と紹介した。「AMANEMU」は東京からだと少し遠く料金が高いが、「鳥羽国際」は皇室の方もよく宿泊されるクラシックホテルだ。伊勢神宮にお参りしたら泊まってほしい。眼前に鳥羽湾が広がる。

外観.jpg
「ホテル ザ セレスティン銀座」

ロビー.jpg レストラン(バーラウンジ).jpg
ロビー(左)とレストラン

 masterplan_img_02_002.jpg
「ザ・ パークハウス 国分寺四季の森」紅葉の小路(完成予想図)

 同業他社の近隣物件へ価格下げ圧力をかけるかもしれないが、三菱地所レジデンス他「ザ・ パークハウス 国分寺四季の森」(494戸)が低迷市場に活を入れる。

 坪単価は中央線沿線では信じられないような240~245万円。昨年圧倒的な人気を呼んだ北区王子の三井不動産レジデンシャル・三菱地所レジデンス他「ザ・ガーデンズ東京王子」(864戸)よりも20万円くらい安い。

 1月だけで来場者は300組に上り、同社城西事業部販売グループリーダー・佐久間亮氏は「西武線沿線では苦戦物件も多いが、うちは中央線の徒歩圏で、大きな森に隣接。再開発が進む国分寺駅まで4分で結ぶシャトルバスも好評。設備仕様は高くないが、共用部分やランドスケープには力を入れた。どこにも負けない」と自信満々に語った。

 3月の第1期分譲では約150戸を供給する勢いにある。

 masterplan_img_01.jpg

◇      ◆     ◇

 物件概要は、同社がニュースリリースしたとき記事にしているのでそちらを参照していただきたい。事業比率は同社が85%、東京建物が10%、大栄不動産が5%。南向き住戸の総延長が250mで、南向き住戸が75%あり、〝森〟が眼前に広がる住戸も多数ある。

 40年近く記者をやっている。正攻法で攻めていいか、からめ手か下手がいいかぐらいは瞬時に判断できる。佐久間氏には単刀直入「いくらですか」と聞いた。佐久間氏は質問に躊躇するタイプではないと読んだからだ。

 すかさず佐久間氏は自信満々の顔(顔は少しあのAKB48の生みの親、秋元康氏に似ている)「240万円の前半。高くても245万円くらい。人気が出たからといって引き上げることはしない」と明言した。別荘のような日立の森に面している「南向き住戸は70㎡台で5,500万円台から6,000万円台中心。95㎡の東南角住戸は7,000万円台中盤前後。東向きの森に面したD棟で71㎡台4,000万円台後半から5,000万円台半ば中心。森に面さない住棟は70㎡くらいが中心で、4,200万円台から5,000万円くらいまでにしてグロスを抑える。設備仕様はさほど高くはないが、デザイン監修に三菱地所設計を起用して、共用部分などはしっかり造り込みをした」と舌滑らかに話した。

 リーダーたるものこうでなくてはならない。少しでも不安をのぞかせればスタッフに影響するし、お客さんにも伝わってしまう。「設備仕様は高くはない」というのも正直でいい。目が肥えたお客さんに「設備仕様は高いですよ」などと言ったら、間違いなくそっぽを向かれる。

 森に隣接する特性は、住友不動産「シティテラス小金井公園」(922戸)と激突するのではないかと思ったが、「競合はまったくありません」ときっぱり答えた。佐久間氏には他の物件は眼中にないようだ。

 「このように好調なのは最近聞いていないが」と水を向けたら、「当社と三井さんの『王子』が人気ですが、西側ではここ。沿線では見ていただいたうちの『中野タワー』が沿線では一番人気。9割まで進捗している。コンパクトの『ザ・パークハウス アーバンス 中野中央』もあと1割」と語った。

◇       ◆     ◇

 一つ、このマンションの大きな特徴でもある学童保育所の併設について。保育園は現地のすぐ北側に新設されるなど不足しないため、同社は絶対的に足りない学童保育所を設置することで、国分寺市の条例により15mの高さ規制を20mまで緩和措置を受け、容積の割り増しも受けている。

 確かに、保育所も必要だが学童保育所も子育て世帯にとっては欠かせない施設だ。

masterplan_img_03_002.jpg
サクラ・ガーデン

小金井カントリーを眼下 「シティテラス小金井公園」は坪215万円(2015/7/26)

三菱地所レジデンス他「ザ・ パークハウス 国分寺四季の森」モデルルームオープン(2017/1/26)

image002.jpg
実証実験住戸

 三菱地所レジデンス、メックecoライフ、三菱地所ホームは2月2日、快適・健康・省エネルギー性に配慮したマンション用全館空調システム「新マンションエアロテック」の開発に向けた実証実験を文京区のマンションで3月下旬に開始すると発表。その現場を報道陣に公開した。

 三菱地所ホームは24時間365日、家中を換気しながら快適な温度を保つ全館空調システム「エアロテック」を1995年に開発、これまで約6,000棟の新築住宅、100棟超の戸建てリフォームに搭載してきた。また、三菱地所グループが分譲するマンションでも2006年以降で6棟132戸に採用している。

 「エアロテック」は、花粉やPM2.5などをカットし、室内のホコリや化学物質などを屋外に排除する。1度単位で各居室の室温を設定できるのが他社にない特徴。同社の試算によると、年間の冷暖房費は約63,600円に抑えられる。壁やドアなどで空間を仕切る必要もないことから、空間デザインの制約も軽減できるメリットがある。

 設備機器の保証期間は10年だが、無償の定期点検を年1回実施しており、10年を超えても壊れたという声はなく、20年を過ぎても機器の交換を行わなくて済んでいる住宅も多いという。

 「新マンションエアロテック」は、従来のシステムを実現しながら、天井のダクト空間を使う代わりに二重床の床下空間を利用することでダクト工事が削減し、導入コストの低減を実現したという。

 メックecoライフ取締役・子安誠氏は、「真冬でも春や秋と一緒」とどこでもほぼ23度の室温が保たれている室内を紹介したうえ、「従来はダクトを確保するためにマンションでは階高が3.2m必要だったが、新システムは床下のふところ厚23㎝で可能にした。将来的には18㎝にする。イニシャルコストも200万円を150万円くらいまでに抑えるようにしたい。新規マンションでも三菱地所レジデンスの共同事業物件などに提案していく」と話した。

 無人の実験はすでに昨夏から行っており、これから自宅の建て替えやリフォームのために仮住まいを必要としている顧客に相場より安い賃料で貸し出し、今秋をめどにリノベーションマンションとして売却する予定。

3.jpg
グッドデザイン賞を受賞した今回の取り組み概念図

◇       ◆     ◇

 「エアロテック」を三菱地所ホームが開発したとき、爆発的にヒットするのではないかと思った。このシステムを搭載したあるデベロッパーの建売住宅も圧倒的な人気を呼んだのを記憶している。

 そして今、戸建ての実績が約6,000棟、マンションでも最近竣工した「南青山」を含め7棟だという。

 これが多いのか少ないのか、記者は判断材料がないが、やはり物足りない数字だ。コストがかかるうえ、まだまだ省エネや健康に対する認識・意識が薄いからかもしれないし、その快適性を享受し、効果の大きさを体感している人が少ないからだろう。

 しかし、2016年グッドデザイン賞の評価委員はこの取り組みに対して「分譲マンションの商品開発に風穴を開ける可能性がある」と言った。年間の冷暖房費が大幅に削減できるのはもちろんだが、花粉、ダニ、ホコリなどからも完全ではないが解放される。そのストレスを金額に換算したらいったいいくらになるのか。桁違いの額になる。これを訴えきれれば大ヒットする可能性を秘めている。三菱地所グループの総力を結集して取り組んでほしい。

IMG_9933.jpg
床下の模型(ふところ厚は23センチ)

IMG_9935.jpg
床の吹出口(320×200ミリ)

IMG_9934.jpg
各居室の温度計(23度以上となっているのは記者団の人いきれのためか)

4.jpg
「クレヴィア浅草」完成予想図

 伊藤忠都市開発が2月上旬に分譲開始する「クレヴィア浅草」のモデルルームを見学した。1フロア3戸の専有面積は圧縮気味だが、ワイドスパンのプランがよく坪単価も270万円に抑えられている。間違いなく早期完売する。

 物件は、つくばエクスプレス浅草駅から徒歩9分、東京メトロ銀座線浅草駅から徒歩13分、台東区浅草五丁目に位置する13階建て全35戸。専有面積は50.61~75.76㎡、第1期(25戸)の予定価格は3,800万~7,490万円、坪単価は270万円。設計・監理は三輪設計。施工は佐藤秀。竣工予定は2018年2月下旬。販売代理は伊藤忠ハウジング。

 現地は、浅草寺からほぼ真北方向に柳通りを進み、商業・住宅エリアを抜け住宅エリアに入った一角。用途地域は商業地域。

 建物は、基本1フロア3戸構成で、間口は東向きAタイプ(64㎡)が7650ミリ、西向きBタイプ(62㎡)が7600ミリ、西向きCタイプ(50㎡)か8050ミリ。二重床・二重天井。

 住戸プランはライフスタイルや好みにより144通り以上の間取り、収納、色・デザインの組み合わせが可能な「カスタムプラン144+」を導入。キッチンには分譲マンション業界のモデルルームとして初めて、壁やデスクに置くだけで世界の美しい風景が広がるデジタルウィンドウ「AtmophWindow」(アトモフウィンドウ)を設置。収納はレールに様々なパーツを自由に組み合わせられるYQラックを採用している。食洗機が標準。

 販売担当者は、「反響は約200件。もう少し集まると思いましたが、周辺はみんな坪単価300万円以上。瞬く間に売ります」と意気込んでいた。

図3アイランドキッチンプラン[1].jpg
アイランドキッチン

◇       ◆     ◇

 同社はほとんどそうしているのだが、10日前、ニュースリリースとしてこの物件の特徴などをメディアに告知している。今回の特徴は「カスタムプラン144+」と「AtmophWindow」だ。

 他のメディアがどう伝えたかはしらない。おそらくコピー&ペーストして、つまり〝コピーライター〟として伝えたのではないかと思う。

 記者はそれをやらないことに決めている(先日、ある会社の広報マンから「牧田さん、最近コピペの記事多くありません」と指摘されて心臓が飛び出すほどびっくりしたのだが)。なのでリリースはよく読まなかった。「AtmophWindow」なるものがどんなものか見忘れた。これについては書きようがない。

 しかし、モデルルームはしっかり見学した。価格を聞いてプランを見てほとんど瞬時に「これは売れる」と判断した。

 まず価格。坪単価は300万円をはるかに突破すると読んでいた(価格が未定の商品などあり得ないのだが、総合地所以外の各社のニュースリリースにはまず価格・単価が書かれていない。同社も同じだ。だから想像するしかない)。

 大幅に外れた。最近の市況を考慮してこのような値付けにしたのだろう。かといって、設備仕様レベルを落としているわけではない。坪270万円のレベルには十分あると思う。

 プランはどうか。前述したように1フロア3戸のワイドスパンがいい。専有面積を圧縮しているので居室は狭いが、これは「カスタムプラン144+」で解消できる。ニュースリリースの意図がよく理解できる。

 それがもっともよく表現されているのは、64㎡のモデルルームのアイランドキッチンタイプだ。他のタイプも含め無償でセレクトできる。玄関の大理石と上下セパレートの下足入れ・収納(これはオプションだが)の提案もなかなかいい。

 歩留まりについて。販売担当者は反響を気にしていたが、確かに約200件では即日完売は微妙だ。最近は来場者に占める申込者の割合(歩留まり)は10~15%くらいではないか。20%という物件はほとんど聞いたことがない。

 しかし、かつて1983年竣工の日本ランディック「パークハイツ鶴見」は50%近くあった。時代が変わったといえばそれまでだが、当時はどこも需要を喚起するのに必死だった。

 この物件はプランがよく練られている。反響が200件もあれば十分ではないか。あのグッドデザイン賞を受賞した「クレヴィア小竹向原」の再現があると見た。

slide-10.jpg
アイランドキッチン

◇       ◆     ◇

 受付に〝居た〟コミュニケーションロボットについても一言。販売事務所に入ったら挨拶された。真正面から向き合って「こんにちは」と返し話しかけたが、記者より頭がよく回転が速いためなのか、それともお客さんがよからぬことを吹き込んだのか、はたまた記者の醜悪な顔に驚いたのか、訳の分からぬことをしゃべった。確か〝カイジュウ〟なる単語が飛び出した。これは〝怪獣〟なのか〝晦渋〟か〝懐柔〟か。意味深だ。

 そんなに頭がいいのなら、周囲の物件の概要・特性を調べ上げ、しっかり学習すれば「ココヲカワナイデドコヲカウノ」くらいは喋れるようになるのではないか。営業スタッフがしゃべるより効果がありそうだ。そんなことをしたら公取から叱られるか。

 「クレヴィア豊洲」でもロボットに会ったが、しっかり〝仕事〟しているのか。このマンションもよくできている。

コミュニケーションロボット.jpg
記者の顔が怪獣に見えたのか、懐柔されまいと考えたのか、言葉を理解するのに晦渋したのか

1.jpg
「パークホームズ流山セントラルパーク」完成予想図

 三井不動産レジデンシャルが分譲中の「パークホームズ流山セントラルパーク」を見学した。昨年7月に第1期1次110戸を分譲開始してから昨年末までに供給した155戸をすべて完売するなど、苦戦する物件が多い千葉県内では数少ない好調物件の一つだ。

 物件は、つくばエクスプレス流山セントラルパーク駅から徒歩4分、流山市野々下1丁目に位置する14階建て全341戸。2月4日から登録を受け付ける第3期1次(15戸)の専有面積は60.60~90.39㎡、価格は2,828万~4,618万円(最多価格帯3,600万円台)、坪単価は155万円。竣工予定は平成30年1月下旬。施工は長谷工コーポレーション。

 現地は、土地区画整理事業地の一角で、敷地東側は道路を隔てて流山市民総合運動公園・キッコーマンアリーナ(総合体育館)に隣接。流山おおたかの森S・Cへは自転車で約8分。

 建物はL字型で、住戸プランは南向きと東向き。間取りは70㎡台と75㎡台が中心。ゲストルーム、コミュニティサロン、ランドリールームなどのほか保育園が併設される。

 販売を担当する同社千葉支店営業室「パークホームズ流山セントラルパーク」所長・田畑等氏は、「引き渡しは来年の2月。この時期、竣工までに完売のめどが立つマンションは少ないはず。極めて順調に推移している」と話した。

 購入者は流山市、柏市、松戸市居住者で50%、その他千葉県内が10%、都内が20%。「地縁のない人も少なくない」(田畑氏)という。

01.jpg
モデルルーム

◇       ◆     ◇

 好調な売れ行きに安堵した。隣駅の流山おおたかの森と比べ流山セントラルパーク駅は生活利便施設が乏しく、それが売れ行きにどう影響するか心配だった。それでも、駅に近く森のような公園が隣接地に広がり、しかもマンション内に市の条例により保育園が併設されるので売れるだろうと予測していた。

 予想を上回る売れ行きではあるが、驚いたのは単価の安さだった。一昨年、同社がここでマンションを分譲することを知ったが、その時点の単価予想は坪160~170万円だった。まさか155万円まで抑えるとは夢にも思わなかった。

 考えてみればこの沿線はマンションの供給が多く、価格下げ圧力が高まっている。三郷中央あたりでも坪単価は160万円を切り、柏たなか駅では坪130万円くらいで分譲されている。駅から少し遠いと敬遠される。

 東京駅へ30分圏内の郊外マンションの坪単価がこれほど安く、しかもローン金利はただ同然であるのに、駅から少し離れると見向きもされない今の市場はどこかおかしい。もう価格の問題ではない。デベロッパーの努力ではいかんともしがたい政治の問題だ。働き方、雇用を含め若年層が将来に希望を持てる社会にしないと益々市場はシュリンクする。長谷工総研の調査によると、首都圏マンションの平均専有面積は昨年69.22㎡となり、1996年の69.45㎡以来20年ぶりに70㎡を割った。時代は逆戻りしつつある。

2.jpg

 

 

 東急不動産は1月31日、学生レジデンス開発事業に参入すると発表。「運営型賃貸住宅開発」のひとつとして位置付けている。今後も底堅いニーズがあると判断し参入した。

 現在、豊島区で167戸(予定)の物件開発を進めており、2018年1月に竣工する。グループ会社である東急ハンズ、東急スポー ツオアシスなどと連携を図 ることで差別化を図る。また、町田市で稼働中の女子学生寮(260戸、1988年竣工)を取得し、共用ラウ ンジや共用キッチンなどリノベーションを実施する。

 同社は2016年11月、学生情報センターをグループ会社としたことで、学生レジデンス開発・物件買収・リノベーション・運営をグループ一体で行うことが可能になった。

◇      ◆     ◇

 同社は学生レジデンスのニーズは高いと見ているようだが、そうだろうか。学生数は間違いなく減少しており、これからも減ることはあっても増えることはないはずだ。男性も女性の進学率もここにきて頭打ちだ。多少上向いても学生数そのものが減少するのだから、レジデンスの賃料下げ圧力は高まり、それだけ競争も激しくなる。

 女子学生会館についてはよくわからないが、首都圏学生会館協会によると加盟するのは29会館で、この10年間でそれほど変化はないという。

 女子学生会館は親からすれば「安心・安全」なのだろうが、当の女性はどうなのだろうか。門限はほとんどのところで設けており、午後11時が基本のようだ。帰りが遅いと本人に連絡が入り、門限破りを頻繁に繰り返すと親に連絡されたり、退去を迫られたりもするという。

 脛をかじる身としてはそんな学生生活に耐える、我慢する、あるいは順応する学生はえらいのかそうでないのか。

 中には狡猾、利口な学生もいる。以前、田舎の親戚の女子学生から「おじさんの家に泊まることにして」と懇願されたことがある。鼻薬をかがされたのか、事後では意味がないのに確認の電話が寮長からかかってきた。もちろん「ええ、ちゃんと預かりましたよ」と返事した。娘の不行跡を知らないのは親だけだ。

 大和ハウス工業は1月30日、経済産業省が推進する国民運動「プレミアムフライデー」の取り組みに賛同し、2 月24 日(金)から開始すると発表した。

 開始する「プレミアムフライデー」は、推奨される「遅くとも午後3 時までの業務終了」の一歩先を行く「午後休」とする。

 原則として偶数月の最終金曜日とし、その日は就業時間を「9~18時」から全社一律で「8~17時」に変更し、午後は半日有休とする。

◇       ◆     ◇

 三菱地所は2月20日(月)~26日(日)、「プレミアムフライデー」に連動したイベント「PREMIUMFRIDAYINMARUNOUCHI」を丸ビル、新丸ビル、丸の内ブリックスクエアなど「大丸有」エリアで行う。

 11種の山海珍味の壺詰め蒸しスープなどのプレミアムメニューや、国内初となるアメリカのラグジュアリーアイウェアブランドの受注会など期間限定のメニューや商品・サービスを丸の内エリアの約110店舗で提供する。

 また、2月24日(金)は15時に仕事を終えた人が早い時間から食事を楽しめるよう約130の飲食店舗がランチタイムからディナータイムの間も営業するほか、15時より丸の内・有楽町エリア内で合計3,000円(税込)以上買上げたお客さんにはプレミアム商品が当たる「プレミアムフライデーチャンス」を実施する。

 さらに、15時からは、丸の内ブリックスクエアの一号館広場や丸の内仲通り(一部)で、シャンパンゴールドの「丸の内イルミネーション」を一日限定で点灯する。

 同社はこの日限定で、フレックス勤務のコアタイム10:00~16:00を15:00とし、当日の有給休暇の取得を推奨する。

◇      ◆     ◇

 結構な取り組みだ。どんどんやってほしい。記者は子育て期間の約10年間、ほとんど毎日遅刻して10:00出社だった。帰りも少なくとも19:00には家に着くように仕事を工面した。それでも質量とも人の2~3倍の記事を書いた。やろうと思えばできる。女性も男性も働き方を変えないとこの国はダメになる。土地代がただでも建たないような郊外マンションが買えない(保育園の送迎が難しいという理由も大きい)世の中は狂っている。

cm1.jpg

 インテリックスは2月1日、不動産を小口化した資産商品「アセットシェアリング」 のイメージキャラクターに西郷輝彦さんを起用した初のTVCMを放送開始する。

 CMは西郷輝彦さんの往年のヒット曲を彷彿させるオリジナルソングを不動産投資に悩みや不安を持つ方々の自宅に突然あらわれて熱唱するストーリー。

 「アセットシェアリング」は、不動産を一口100万円単位で5口以上から購入できる商品。相続や贈与に関心が高い50~70代が主な顧客層。

IMG_9927.jpg
「住宅団地再生連絡会議」(すまい・るホールで)

 国土交通省は1月30日、郊外住宅団地の再生を図るため地方公共団体、民間事業者などが調査・意見交換等を行う「住宅団地再生連絡会議」を設立、初会議を行った。人口減少・少子高齢化社会を迎え、空き家の増加、土地利用需要との乖離などの問題が生じていることから、関係団体が問題解決に向け手を携えて取り組むのが目的で、全国から276団体が参加している。この日は約250名が参加した。

 冒頭、挨拶した国交省・由木文彦住宅局長は、「連絡会議の設置には全国からたくさん歓迎の声が寄せられている。全国の郊外住宅団地はそれぞれ多くの悩みを抱えており、スポンジのように穴が開いている状態。国交省としても組織に横くしを入れ6局体制で臨み、経産省、厚労省などとも連携を図り、団地再生に取り組んでいく」と話した。

 会長に就任した横浜市・平原敏英副市長は、「団地再生に向け一堂に会して論議するのは意義深いこと。横浜市も南部や西部では住環境の破壊が進んでおり、再生に向けた官民学のプロジェクトを立ち上げた。一朝一夕にはいかないが、知恵を出し合い取り組んでいきましょう」と語った。

 副会長に就任した大分市・桑田龍太郎副市長は、「同様の問題を抱えている札幌市などとも連携し、平成22年度に『ふるさと団地の元気創造推進事業』をスタートさせ5年が経過した。ともに前に進みましょう」と呼び掛けた。

 会議では、東京大学・大月敏雄教授が「住宅団地を住みこなせる町にする」と題した基調講演を行った。大月氏は、「第一種低層住居専用地域は(コンピニなどの利便施設)みんなダメというような昭和の発想を転換し、賃貸住宅への活用や近居など多様な暮らしを提案し新たな住宅双六を構築しよう」と提案した。

 会議に出席した小田急不動産経営企画本部経営企画部顧客開発・IT推進グループリーダー・石井隆臣氏は、「当社も住み替え支援など取り組みを強化しているが、行政区が異なる自治体との連携、検討されているリバースモーゲージはそれでいいのか、バス便をよくすればいいのか、同業とのアライアンスも必要」と感想を述べた。

 連絡会議には、全国の地方公共団体、鉄道会社、金融機関、社団法人のほか、住宅・不動産会社では新日鉄興和不動産、住友不動産、双日新都市開発、大成有楽不動産、大京、長谷工コーポレーション、フージャースコーポレーション、三菱地所、三菱地所レジデンス、旭化成ホームズ、積水ハウス、大和ハウス工業、ナイス、パナホーム、トヨタホーム、ミサワホーム、ポラス、LIXIL、三井ホームなどが参加している。今後、年1回程度、先進事例の研究、調査報告、意見交換などを行っていく。

◇       ◆     ◇

 平原横浜副市長が「住環境の破壊も進んでいる」と話したときはぎくりとした。桑田大分副市長は「時宜を得たもの」と持ち上げたが、やや遅きに失した観は免れない。せめて20年くらい前に立ち上げていればまた違った展開を見せていたかもしれない。昭和50年代から60年代、郊外住宅団地の購入をあおる記事をたくさん書いてきた記者も責任を感じる。

 郊外住宅団地については過去数回、記事にもしているのでそちらを参照していただきたい。

◇       ◆     ◇

 大月教授が「昭和の発想の転換」を唱えた。一考に値すると思う。第一種低層住居専用地域の用途を変更しようものならそれこそ大騒動になりそうだが、「特定行政庁が用途地域における良好な住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可したもの」は可能かもしれない。また、国交省は昨年、「良好な住居の環境が形成されている地域であって、住民の徒歩圏内に日常生活のために必要な店舗が不足している等、地域の生活利便性に欠ける地域」でのコンビニの建設を認めてもよいとする内容の助言を各自治体に行っている。

 連絡会議に期待する。

市街化調整区域内の古民家などの用途変更緩和 国交省が指針改正(2017/1/15)

前途多難 佐倉市・千成に見る郊外団地の現状と課題(2016/1/20)

空き家対策、喫緊の課題ではあるが難問も山積(2016/1/18)

日本一の高齢化変化率迎える埼玉 逆風に立ち向かえ(2012/11/5)

限りなく限界集落に近い首都圏の郊外団地 人口4割減(2012/7/27)

「地域循環居住モデルの構築を」東大・大月准教授(2011/12/8)

「鳩山ニュータウン」に吹いた風に想う(2004/7/2)  

 一戸1億円以上の「松韻坂」の建売住宅を見に行ってからだから、10年振りくらいになるか。日本新都市開発( 昨年8月特別清算) が開発した「鳩山ニュータウン」( 埼玉県鳩山町、開発面積約140ヘクタール、約3200戸) を見学した。前日、同じぐらいの規模で同じように郊外型でありながら、驚くほど生き生きした街づくりが行われている山万「ユーカリが丘」団地を見学し、「鳩山はどうなっているか」気になってしょうがなかったからだ。

 記者は、昭和50年代の半ばから60年代の前半まで5~6回は取材に訪れている。その街並みの美しさにほれ込み、「昭和を代表する街」として何度も記事にした。電柱・テレビアンテナのない街として知られているが、ごみ一つ落ちていない、法面まで植栽されていたのが今でも記憶に残っている。高齢者施設と小学校だったか、保育施設だったかが隣合わせにあったのも覚えている。図書館の貸し出し冊数も確か県内でトップクラスだったはずだ。

 そんな素晴らしい団地だが、最近の「都心回帰現象」の流れの中で人口流失、高齢化、地域経済の停滞…などが集中的に現れているのではという仮説は当たった。

 最初に訪ねたある商店は、「売上げは数年前の3分の1。みんな車で数分の大型店に行く。増えたのは車だけ。道路事情がよくなったため車がひっきりなしに通り、60キロぐらいのスピードで通過していく」と苦りきっていた。

 都心の大学に1時間半かけて通学する女子大生のFさん(21) は「コンビニまで歩くと20分。車がないと生活できない。学校の帰りもバスがものすごく混む。就職活動をやっているんですが、先日も面接の人から『残業もありますよ。通えるんですか』と聞かれた。結局、落とされたのですが『一人暮らしする』といえばよかったかなと。同級生も都内に引っ越していくし、気がついたら近所の家が空き家になっていたり…。独立したらマンションを借りようかと、親とも話しているんですが…。家は築25年経っており、古くなってきたし…」と語った。

 父親(54) は、具合が悪くなった祖母の面倒を見るため仕事を辞め九州に帰っていたが、今度は母親(60) の具合が悪くなり帰省。今は近くの会社に準社員として勤めているという。このFさんの家庭は、同世代の家族が抱える問題を全て背負っているようだ。

 住宅価格の下落も止まらない。団地内で3年前「タウン住宅販売」を設立した川畑光男社長(42) は「以前は3000万円していた土地が今では1000万円。手数料が3分の1に下がったわけですから、きつい。6時に家を出て、12時過ぎに家に帰ってくる親の姿を見ている子どもは、そんな生活をしたくないと出て行く。過疎化ですよね。力のある企業が進出でもすれば、街の活性化はできるでしょうが…」と表情を曇らせた。

 しかし、暗い話ばかりでもない。母娘と思われる二人連れに声をかけると、そのお母さんは「私ですか、この頭を見なさい。真っ白でしょ。あと2つで80歳。娘は50歳ですよ。でもね、これだけは書いといて。ここのお年よりはみんな自立していると。街もきれいでしょ」。

 この母親の言葉に記者は救われた。

 真夏の陽気を思わす炎天下で、深緑の歩道が風を運んでくれた。白い葵の花が「ここはいいよ」と呼びかけた。

 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン