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「5つ星」を獲得した事例「ナイスパワーホーム菊名」(完成予想図)

 すてきナイスグループの木造一戸建住宅「パワーホーム」を供給するナイスホームは12月16日、今年4月から始まった建築物省エネルギー性能表示制度「BELS」の最高ランクとなる「5つ星」を取得した件数が100件を突破、115件にのぼったと発表した。

 所在地別では神奈川県横浜市が36件、静岡県浜松市が30件、川崎市が28件の順。このほか、4つ星を取得した住宅が10件あり、BELSの評価取得件数は合計で125件に及んでいる。

 「パワーホーム」は、外皮平均熱貫流率(UA値)0.6W/㎡K以下、一次エネルギー消費量削減率20%以上を基本方針としており、この性能がBELSの5 つ星に相当する。

 「BELS」は、国土交通省による「非住宅建築物に係る省エネルギー性能の表示のための評価ガイドライン」に基づく制度で、今年4月から住宅版がスタート。評価・表示される性能は、外皮性能及び一次エネルギー消費量で、外皮性能については現行の省エネ基準への適合の可否が、一次エネルギー消費量については性能の高さから5ランクに分類され星の数で表示されている。

 住宅性能評価・表示協会のホームページによると、今年10月末現在、「BELS」の住宅の累計評価件数は5,641件で、都県別では1位愛知県908件、2位静岡県379件、3位埼玉県297件、4位兵庫県251件、5位神奈川県249件の順。

 申請者順ではナイスホームが68件で、2位の山下不動産建設の23件を大きく引き離しトップ。

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「浦和美園 E-フォレスト」(中央住宅)

 ポラスグループの中央住宅(21区画)、高砂建設(6区画)、アキュラホーム(6区画)からなる全33区画の「浦和美園 E-FOREST(フォレスト)」を12月16日に見学した。来年3月の街びらきを目指し建築中だが、間違いなく素晴らしい街になる。売れ行きも総じて好調だ。

 物件は、埼玉高速鉄道浦和美園駅から徒歩6分、さいたま市緑区下野田弦巻に位置する全33区画。土地面積は約150~194㎡、建物面積は100㎡前後、価格は5,000万円前後が中心。入居予定は来年3月。

 10月から分譲が始まっており、中央住宅は全21区画のうち18区画が、アキュラホームは第1期3区画のうち2区画が、高砂建設は6区画のうち2区画がそれぞれ販売済み。工法はいずれも在来工法。

 「E-FOREST」の「E」は「ecologe(エコロジー)」「enjoy(エンジョイ)「energy(エネルギー)」「echo(響きあう」の頭文字からなり、「FOREST」には3社の住宅を集合体としての「FOREST(森)」として次世代に継承する意味が込められている。

 UA値が0.46以下の世界基準の超高断熱設計、創エネ&省エネ、電線・通信地中化、コモンスペース、フード&グリーンワークショップ、後述するUDCMiとの連携などが特徴で、首都圏では「柏の葉」「浦安」「神奈川(横浜)」とともに国が先駆的な取り組みを支援する「地域活性化総合特区」に指定されている。

 各社の住宅は、最低敷地規模、壁面後退距離、隣棟間隔などを定めた地区計画のもと、基本断熱性能、樹脂サッシ、給湯設備などを共通標準装備としたほかは、独自の商品企画となっている。

 中央住宅の住宅は、コモンスペース「つなぐ庭」を中心に配し、「木肌のリビング」「森のダイニング」の木の素材系と「スタジオキッチン」「アトリエリビング」の空間系の4パターンのプランで構成。「つなぐ庭」は2016年のグッドデザイン賞を受賞した。

 高砂建設の住宅は、地元埼玉県の西川材を用いた外断熱二重通気工法が特徴。家全体を温度差のない環境に保つ健康住宅。

 アキュラホームの住宅は、ママ家事ラクを考慮した玄関-ダイニングキッチン-洗面室-浴室の回遊動線のほか、欄間窓を通じた空気の対流、収納率の高さなどが特徴。

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「浦和美園 E-フォレスト」(高砂建設)

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中央住宅の「つなぐ道」(ピンコロ舗装と天然石を配した植栽枡のコミュニティ道路は全世帯で共有)

◇       ◆     ◇

 この日、外気温は9度。記者は「年内はコートを着ない」とやせ我慢をずっと張っており、震え上がった。

 アキュラホームの戸建てを訪ねたのが15時前。玄関に入った途端、温かい空気が全身を包んだ。リビングはもちろん、キッチンも風呂もトイレも2階の居室も約109㎡の住宅内の体感温度は一緒だった。

 同社営業推進部・横手宏光氏によると、「エアコンは1台のみ。ここに昼頃ついて設定した温度が24~25度。欄間の窓などを通じて空気を対流させているので住宅全体を一定温度に保つことができる。窓にはカーテンをまだ付けていないので、付ければさらに効果は高まる」と話した。

 これこそが「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会(HEAT20G2)」によるさいたま市版のスマートホームだ。冬季に暖房が切れても室温は15度を保ち、13度を下回らない超高断熱の設計になっているという。世界基準のUA値は札幌とほぼ同じ0.46というのが「E-FOREST」だ。

 やせ我慢を張ったおかげで、スウェーデンや北米の世界水準のスマートハウスのありがたさ体感することができた。

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「浦和美園 E-フォレスト」(アキュラホーム)

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欄間付きドア(奥)

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 「スマートシティさいたまモデル」を国内外に発信・展開するために昨年発足したのが「美園タウンマネジメント協会」で、駅前にある「アーバンデザインセンターみその(UDCMi)」だ。

 構成メンバーはさいたま市のほか、慶大、工学院大、芝浦工大、東京電機大などの大学とイオンリテール、セコム、日本IBM、積水ハウス、大和ハウスなどの民間、さらには中央住宅、アキュラホーム、高砂建設などが加入する埼玉県住まいづくり協議会など30を超える。

 この種の官・学・民連携のタウンマネジメント組織は、千葉県柏市の「柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)」が先行して精力的な活動を行っている。「UDCMi」も負けないよう頑張ってほしい。「美園エリア」の街づくりの成否のカギを握っているのは「UDCMi」だと思う。

 今年3月に行われたこのプロジェクト発表会の記事もぜひ読んでいただきたい。そのときは具体的なことはほとんど発表されなかったので「『日本一の街』になるかは保留…」と書いたが、この日(12月16日)は寒さに震えあがりながらも素晴らしい街になると確信した。

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モデルハウス(高砂建設)

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モデルハウス(中央住宅)

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モデルハウス(アキュラホーム)

「日本一の街」になるかは保留 「美園スマートホーム・コミュニティモデル街区」(2016/3/19)

 

 業界紙「週刊住宅」12月12日号に「中古住宅市場は未成熟? 」という見出しのコラム記事が掲載されていた。不動産コンサルタント・畑中学氏の連載記事で、見出しには「?」マークがついているように、畑中氏はそうではないと仰っている。それでも正面切って「?」を突きつけられると、改めて考えざるを得ない。それだけこの記事はインパクトがあった。

 以下は、中古住宅市場に疎い、門外漢の記者の的外れの指摘かもしれないが、だからこそ見えてくる市場の問題点・課題について率直に書いた。

 いったい誰が「中古住宅市場は未成熟」と言っているのか。すぐわかった。

 「日本の中古住宅流通やリフォーム市場は欧米に比べて未成熟であり、住宅流通に占める中古の割合は13.5%、住宅投資に占めるリフォームの割合は27.2%に過ぎない」(住宅の長寿命化に向けた研究の取り組み)のように、あらゆる中古住宅市場データにこのような文言が見つかる。流通量が少ない=未成熟という意味で使われている。

 「未成熟」は「未熟」「稚拙」を連想させる。記者の取材フィールドは新築市場だが、仮に「新築市場は未成熟」などとレッテルを張られたら黙っていられない。〝玉石混交〟くらいは許せるし、記者もそう思っているが、そんなことを言われたら徹底抗戦する。

 なのに、畑中氏は別として、この「未成熟」に異論を唱える中古市場関係者は意外と少ないようだ。全国10万会員を擁する全宅連は「未成熟」と言われてなんとも思わないのか。

 流通量が少ない­­=未成熟という短絡的な決めつけは、一方では、建築後20年で建物の価値がほぼゼロになる「新築」の粗製乱造市場を「成熟市場」とみなすことにつながらないか。中古の未成熟だけを問題視し、新築の問題に目をつぶるのは山を見て森を見ないのと一緒だ。

 では、本当に中古住宅市場は未成熟なのか。記者は全くその逆だと思う。

 少なくとも「不動産業」が業として成立したのは100年以上も前だ。「周旋屋」時代を含めれば江戸時代にさかのぼるはずだ。当初は新築販売、中古仲介、貸家・貸間あっせんなどに区分する認識はなく、不動産に関するすべてを業として扱うのが不動産屋だったはずだ。

 記者は座学者でないからわからないが、この不動産屋が扱う商品によってデベロッパー、仲介業者、賃貸管理業者などに分化されたのは、消費者側からの要請というより商品供給サイドの都合によるものではないか。

 その流れを作ったのは間違いなく高度成長期の大量供給・大量消費だ。絶対的な住宅不足を解消するため、日本住宅公社は郊外に大量の賃貸マンションを建設し、大小のデベロッパーが入り乱れてマンションや建売住宅を供給した。

 悲劇的だったのは、海外から〝ウサギ小屋〟と揶揄されたように質が二の次にされたことだ。土地神話が「新築」偏重を加速させた。

 質に耐えないものは取り壊され、また装いを新たにして「新築」が供給されてきた。住宅市場の歴史はその繰り返しではないか。この構図を確固たるものにしたのはデベロッパーそのものだ。その過程で「中古」は「新築」より劣るとイメージづけされてきたのではないか。

 この構図を補強したのが、「新築のほうが気持ちいい」「中古は問題が多そう」「中古は心理的に抵抗感がある」などのアンケート調査だ。

 記者は、そもそもこの種の二者択一的な設問の仕方に賛成しかねる。高額で人生を左右しかねない商品選択の問題なのに、「好き」とか「嫌い」とかで選択を迫るのはあまりにも乱暴だ。どのような階層の人がどのような立場で答えるかが問題で、足してその数で割って数値化したところで問題をえぐり出したことにはならない。

 不思議なのは、「気持ちがいい」とか「心理的に抵抗感がある」という答えをどうして深く掘り下げないのかということだ。「新築のほうが気持ちいい」という言葉は、果たして「中古は気持ちが悪い」につながるのか。入退去が頻繁に繰り返される「賃貸」はどうなるのか。「気持ちが悪くなる」ものを造り続けているのではないか。

 いま、国土交通省と一部の業界ではイメージが悪い「中古住宅」の呼称を変更しようとする動きがある。この問題について、あれほど宅建取引主任者の呼称変更に多くのエネルギーを注いだのに、メディアは冷ややかで等閑視している。

 記者はとことん論議すべきだと思う。なぜ中古はイメージが悪いのか、消費者の深層心理に深く踏み込んで解明し、打開策を探るべきだと思っている。

 卑近な例で申し訳ないが、「新築」「中古」の対比は、男社会からみた「処女」「非処女」の考えと通底すると見ている。いずれも強い立場の側が勝手につくり出した構図ではないか。先にも書いたように、新築住宅を売るために、何の根拠もないのに「中古」=「非処女」と同じようにデベロッパーがシナリオ、幻想を描いたのではないか。その幻想を消費者はずっと刷り込まれてきた。

 この呼称問題について、三井不動産リアルティ会長・竹井英久氏らが「新築があるから中古になる。新築の呼称をやめ、中古住宅の中古を取ればいい」と語った。これは正鵠を射る。そうなれば、新築も中古も分譲も賃貸も同じような選択肢になる-これこそが望ましい社会ではないか。

 「新築重視の住宅政策からストック重視の住宅政策への転換」は、これまでのわが国の住宅政策をきちんと総括しないと、「新築」のツケを消費者と仲介業者に払わせることにならないかと危惧する。

 いまこそ、中古(または既存=キゾン)住宅市場関係者は総反撃を開始すべきだ。

◇       ◆     ◇

 以上、取り留めなく書き連ねてきた。記者のこの考えを補強したのか、逆に誤っていることを指摘したのかよくわからないが、不動産流通業界通の記者が「まともな仕事をしている仲介営業マンは、新築営業マンよりもレベルははるかに上です。なぜなら、新築営業マンは『そのマンションを売る』のが仕事ですが、仲介営業マンは一人ひとりのお客さんの事情に合わせ、市場にある数多の物件から、ふさわしいものを選び出す。しかも、それらは一物一価で程度もまちまち、売主もまちまちです。そこを調整し、瑕疵を調べ上げ、説明し、納得して買っていただくわけですから。中古市場が国の思惑通りに拡大してこないのは、何も中古流通市場の仕組みが前近代的なわけではなく、日本人の行き過ぎた『新築至上主義』にある」と語った。

 なるほど。しかし、この「新築至上主義」こそ曲者で、前述したようにこれは日本人の文化でもない。極めて意図的に仕組まれた社会的所産だと思う。鶴田浩二さんの「古い奴ほど新しいものを欲しがるもんでございます」の「もの」は、決して建物や女性など具体的な「物」「者」を指しているのではない。考え方、道理を指すのだ。

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「ザ・パークワンズ千代田佐久間町」(左)と「ザ・パークワンズ品川戸越」完成予想図

 三菱地所レジデンスは12月15日、資産形成用コンパクトマンション事業のブランド名を「ザ・パークワンズ」に決定し、本格展開を開始すると発表。千代田区丸の内に開設した常設販売ギャラリー「ザ・パークワンズ丸の内サロン」を報道陣に公開した。

 同事業は、東京都への人口流入、単身世帯の増加、低金利の社会情勢を背景とした多様なニーズに応えるため、マンションへの投資・運用によるストック資金の有益活用や自己居住・セカンドハウス需要を取り込むのが狙い。

 分譲マンション「ザ・パークハウス」や、賃貸マンション「パーク・ハビオ」シリーズで培ってきた入居者視線のノウハウを注ぎ込む。〝エリア№1の品質の賃貸レジデンス〟を目指す。

 事業参入に伴い、物件情報の提供や優先販売を行う会員組織「ザ・パークワンズクラブ」を立ち上げ、今年6月に会員募集を開始しており、これまで約1,300名の会員登録がある。

 第一弾の「ザ・パークワンズ千代田佐久間町」「ザ・パークワンズ品川戸越」の一般集客を2017年1月より開始する。エントランス部分に自然石を配するほか、内廊下方式を採用。全室にエアコン、複層ガラス、ピクチャーレールなどを標準装備し、一般的な賃貸仕様よりワンランク高い仕様とする。

 今後は渋谷、港区などで供給するほか、都内近郊で年間200~300戸程度の供給を予定している。

 「千代田佐久間町」は、東京メトロ日比谷線秋葉原駅から徒歩5分、千代田区神田佐久間町四丁目に位置する11階建て全27戸(事業協力者住戸7戸含む)。専有面積は25.10~50.22㎡。価格は未定だが、中心は25㎡より広いタイプで3,000万円台の半ばになる模様。施工は三菱地所ホーム。竣工予定は2017年12月中旬。

 「品川戸越」は、都営地下鉄浅草線戸越駅から徒歩6分、東京急行電鉄池上線戸越銀座駅から徒歩6分、品川区平塚二丁目に位置する13階建て全84戸(事業協力者住戸17戸含む)。専有面積は25.01~40.77㎡、予定価格は25㎡で2,700万円台から。施工は木内建設。竣工予定は2017年9月上旬。

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「ザ・パークワンズ」 丸の内サロン」エントランス(左)と商談ルーム

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 ニュースリリースのトップに「資産形成コンパクトマンション」とあるように、どちらかといえば自己居住・セカンドハウス向けというよりは、賃貸投資向けに軸足を置いた事業だ。約1,300名の会員のうち約7割の人が投資向けを考えていることでもそのことがうかがえる。このため専有面積は25㎡台が中心で、設備仕様レベルも分譲よりは劣る。

 ずっと単身者やDINKS向けのコンパクトマンションを取材してきた記者にとってやはり物足りないプランだった。単身者やDINKSの〝自ら居住〟のニーズに応えるのは「ザ・パークハウス」かもしれないが、「ザ・パークワンズ」も立地、環境などによっては分譲仕様としてもいいのではないか。自ら手を縛ることはないはずだ。

 第一弾の価格はリーズナブルなものだと思う。「千代田佐久間町」も「品川戸越」も坪単価は400万円を超えないと見た。分譲仕様でも坪400万円を突破してくるようだと厳しいエリアだ。

 参考までに。報道陣から「御社初のコンパクトか」という質問が飛んだが、添付したように旧藤和不動産は2008年に京浜急行本線戸部駅から徒歩3分で全199戸のコンパクトマンション「BELISTA横浜」を分譲している。これは自ら居住が主なターゲットだった。

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モデルルーム キッチン

藤和不動産「BELISTA横浜」気になる男性購入者(2008/12/12)

 不動産情報サービスのアットホームがまたまた興味深い、男性にとっては恐ろしいアンケート結果をまとめ発表した。

 今回は、子どもがいる共働き夫婦の〝家の居心地〟に関するもので、男女各312名、計624名が対象。自宅が「癒しの場」であるかどうかを中心に聞いている。

 この結果、家にいて癒されると思う時は、男性は1位「家族でご飯」、2位「家族で会話」、3位「家族とテレビ」となり、女性は1位「家族で会話」、2位「一人でお風呂」、3位「一人でボーッとする/家族でご飯」となった。

 仕事が終わっても「家に帰りたくない」と思うことがあるのは全体で約3割に達し、帰りたくない理由として女性は1位に「家事などやることがたくさんあるから」と答えた。

 共働き女性にとって「家事が大変」は74.0%で、家事分担比率の最多回答は「夫:妻=1:9」だった。

 たまに一人暮らしがしたいと思う問いに対しては、男女とも半数以上がそう思うと答え、仕事とウソをついて寄り道をする男性は約4割に上った。

 夫婦の仲良し度を100点満点として自己採点で聞いたところ、全体では63.4となり、自宅が「癒しの場ではない」人は38.2点にとどまった。

 夫婦の1日の会話時間は平均68分、自宅が「癒しの場」でない人は36分だった。

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 この種のアンケートはこれまでもたくさん行われているが、自宅が「癒しの場」であるかどうかを問うアンケートは少ないのではないか。

 ここで一つひとつコメントするのは差しさわりがあるので書かないが、自宅が「癒しの場」でない人の割合が男性で13.1%、女性で18.9%あるのに驚いた。夫婦仲が全ての源泉だと思う。昔からよく言われるが、空気のような存在だ。傍にいてくれるだけで癒されるのが夫婦仲だ。同床異夢の夫婦がこれだけいるのはどう理解したらいいのか。

 また、女性は家にいて癒されるのは、一人(夫とではない)で風呂に入っているときとか、一人でボーとしているとき、一人でテレビを観ているとき、ペット(ベッドではない)と遊んでいるとき(夫とではない)などが結構ある-これは全く理解不能-女は理解しえない存在なのか。

 先日、東京都市大学特別教授・涌井史郎氏が、わが国の美しい自然とその災害が同居していることに例え、「うちのかみさんと一緒。美しいが扱いを間違えると大変なことになる」と絶妙の洒落を発し会場から爆笑を誘ったが、そのうちにゆでガエルと一緒、取り返しのつかない事態に男性は追い込まれるかもしれない。

 「あなた、いくら口で愛していると言っても、やってることはまるで逆」-みなさんはそんなかみさんの反撃を食らったことはないか。

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「中延二丁目旧同潤会地区防災街区整備事業」完成予想図

 旭化成不動産レジデンスは12月12日、関東大震災の復興住宅が数多く残る老朽木造住宅密集地域の「中延二丁目旧同潤会地区防災街区整備事業」の権利変換計画の認可を取得したと発表した。

 首都圏不燃建築公社とともに中延二丁目旧同潤会地区防災街区整備事業組合の参加組合員として事業参画するもので、同地区は13階建て195戸のマンションに生まれ変わる。

 該当地区は、関東大震災後の復興のために同潤会が建設した木造低層住宅地のうち戦争で焼け残った場所を含む老朽木造住宅密集地域で、入り組んだ路地に面する老朽家屋が多数存在するなど、現状では個別の建て替えが困難となっており、震災時の家屋倒壊や延焼火災などの恐れがあるため早急な不燃化対策が求められていた。

 その一方で、該当地区が容積率200%の第一種住居地域に位置し、容積率・高さ規制などの制約が厳しいことに加え、関係権利者数140名に及ぶ規模であることなどから事業化が困難とされてきた。

 しかし、同地区が東京都の「木密地域不燃化10年プロジェクト」の不燃化特区の1つ「東中延一・二丁目、中延二・三丁目地区」の中にあり、不燃化特区のコア事業の1つに位置付けられており、防災街区整備事業として進められたことなどから、都市計画決定から約1年半の短い期間で権利変換計画を受けることができた。都内の防災街区整備事業(密集法による法定事業)として6件目の権利変換計画認可となる。

 再開発後のマンションは、歩道状の空地を確保するとともに、北側に隣接する小学校側に避難広場や集会施設などを設ける。

 建物は13階建て全195戸。施設計画コンサルタントは日建ハウジングシステム。竣工予定は2019年3月。

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第2回「東京サステナブル会議」(ベルサール東京日本橋で)

 日経BP社は12月12日、第2回「東京サステナブル会議」を開催した。会場には約700名が参加し、関心の高さをうかがわせた。

 わが国はCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)を前に温室効果ガスを「2030年度に2013年度比26%削減」することを決定し、さらに長期的には2050年に現在よりも80%削減する目標を掲げており、環境先進国として世界に先駆けたモデルを示せるようその英知を結集する場として開催されたもの。

 山本公一・環境大臣が「脱酸素社会に向かう世界~パリ協定がもたらすチャンス~」と題する基調講演を行ったほか、協賛会社に名を連ねる積水ハウス会長兼CEO・和田勇氏が「サステナブル社会の構築に向けて~住まいから実現する環境共生」をテーマにした講演を行った。

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山本氏

 山本氏は平成9年12月、自らが環境政務次官として京都会議(COP3)に参加したことが環境問題に取り組む出発点になったことを話し、先の「パリ協定」が先進国、発展途上国の別なく「持続可能な開発目標(SDGs)」に世界が合意したことに対して何度も「感慨深い」「感動している」と語った。

 世界の環境先進国として、セルロースナノファイバー、窒化バリウム、LEDの普及、水素エネルギー、フロン対策などの取り組みに期待を寄せた。

 続いて登壇した和田氏は同社の環境に対する取り組みとして、1999年に他社に先駆けて「環境未来計画」を発表し、エコ・ファースト企業として「5本の樹」計画をはじめ、現在では同社が施工する一戸建ての7割以上がネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)であること、良好な既存住宅を流通させる「スムストック」の取り組みを強化していること、住宅の「健康寿命」を延ばすリノベーションを推進していることなど、一つひとつ話せば数時間かかる中身の濃い内容を約40分にまとめて熱弁をふるった。

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和田氏

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 パネルディスカッション①では、日経エコロジー副編集長・斎藤正一氏をモデレーターに、セイコーエプソン ペーパーラボ事業推進プロジェクト部長・市川和弘氏と八十二銀行総務部環境室室長・坂本智徳氏による「紙の未来を変える。乾式のオフィス製紙機『PaperLab』」と題するディスカッションが行われた。

 「PaperLab」はエプソンが開発した製品で、使用済みの機密文書を機械に投入すると繊維状に粉砕し、約3分で1枚目の紙を、しかも水を全く使わないで再生するというものだ。1時間にA4の紙を約720枚生み出すという。紙の厚み、白色度、色付加も可能だという信じられないスグレモノだ。

 製品の価格は2,000万円くらいするそうで安くはないが、環境への負荷を考えればすごい価値があるのではないか。コンパクト化を進め、処理能力を高め価格を下げられるようになれば爆発的にヒットすると思った。

 それにしても水を使わないで紙をつくるなんて信じられない。購入を決めた八十二銀行の坂本氏も「信じられない。エプソンじゃなくて偽物ではないか」と最初に話を聞いたときは〝詐欺師〟ではないかと疑ったそうだ。一般的にはA4の紙1枚を作るのにコップ1杯の水を使用するそうだ。

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「紙の未来を変える。乾式のオフィス製紙機『PaperLab』」

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 11日(日曜日)に行われた読売新聞社主催の「新しい木の時代」シンポジウムに約400名が集まり、この日(月曜日)の日経BP社主催の「東京サステナブル会議」には約700名が集まった。休日と平日、会場のキャパシティの問題もあるのだろうが、2日間でこれほどの人が集まった。ともに地球温暖化防止にとって欠かせないテーマで、その取り組みに期待が高まっていることを証明した。

 どうでもいいことなのだが、先日の記事で「読売は読まない」と書いたが、この日(13日)、三井不動産のイベントを紹介する読売の記事「去る『申』、来る『酉』…癒やしの引き継ぎ式」が12:45にヤフーのネットに配信された。

 記者はそれより早く、12:40くらいに「〝今年はまさかの年でござるが、来年はいい年をとりましょう〟」の見出しの記事をネットに配信したのだが、写真は完全に読売に負けた。これは相当悔しい。まあしかし、記事はスピードが命。速さは完勝したし、記者はカメラマンではない。これは負け惜しみか。

「新国立の図面は1年間に四千数百枚描いた」隈研吾氏 「新しい木の時代」シンポ(2016/12/12)

涌井・都市大特別教授 「わが国の自然はかみさんと一緒。美しいが扱いも難しい」(2016/12/11)

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〝さる者は追わず〟〝いい年をとりましょう〟(霞が関ビルで)

 三井不動産と三井不動産ビルマネジメントは12月13日、霞が関ビルディング前広場「霞テラス」で「ゆく年くる年!霞が関にサルとトリがやって来る!!」イベントを行った。

 今年の干支である「申」、来年の干支である「酉」にちなみ、かわいいサルとヒヨコに触れ合える機会をつくった。

 霞が関のワーカーに癒しの時間を提供するという試みで、今年で4回目。

◇       ◆     ◇

 今年を象徴する漢字は「金」に決まったが、記者はとてもそんな気分になれない。三井不動産の菰田社長は「想定外」と言い、岩沙会長は「まさか」の年と言ったが、記者は漢字一文字に表すと、いい意味の「共」もあるが、「驚」「狂」「凶」の年だと思う。そんな年が去れば、サル、去れと言いたいのだが、この日のリスザルは記者を完全に無視した。敵もサルもの。

 そして、来年こそはいい歳をとり、ひとりひとりの心に響く記事にとり組んでいきたいと、ひとり密かに願っている。「オトリ」広告だけはとりやめていただきたい。

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(縮小率はとりかえております)

「想定外が沢山起きた年」(菰田社長)「まさかの年」(岩沙会長) 三井不の記者懇(2016/11/26)

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故南敬介氏

 平成28年11月6日に80歳で死去した東京建物特別顧問・南敬介氏(元会長・社長)の「お別れの会」が12月12日、都内のホテルで行われた。同社関係者や親族、各界の代表者ら約1,200人が参列した。

 東京建物・佐久間一社長、喪主で妻の南美智子さんらに続き、参列者が献花をして故人との別れを惜しんだ。参列者に対する佐久間氏の「御礼」には、故人の業績について「短期間での弊社事業の建て直しを行い、弊社第2世紀に向けての基礎固めを行いました」と称えられていた。

◇      ◆     ◇

 南氏が同社の社長に就任されたのは平成7年。バブル崩壊後の最悪期は脱し、バブルの痛手を被っていない若年層の購入意欲の高まりの中でマンション・戸建て市場が元気を取り戻しつつあったころだ。

 あれはいつだったか。社長就任直後だったと思う。記者が年始あいさつ回りをした時だ。広報室にあるマイクを通じて南社長の年頭訓示が流れていた。同社の置かれている厳しい環境、克服すべき課題、目指すべき方向などを諄々と説かれた。

 その話に感動した記者は、「これは業界全体の人に聞いてほしい」と思い、同社にお願いして全文を頂き、業界紙に紹介した。その時感じたのは、「眠れる東建は必ず目を覚ます」だった。

 それからの同社の展開はご存じの通り。平成10年、SPC法に基づく不動産証券化第1号登録を取得。官庁整備にPFIを導入する先駆的事業「霞が関コモンゲート」でも中心的な役割を果たした。

 そして何より、南社長の最大の功績は平成15年のマンション新ブランド「Brillia」の立ち上げだろうと思う。

 その翌年、効果がてき面する。セイコーグループの錦糸町の工場跡地再開発「オリナス」の一環である「Brilliaタワー東京」を分譲して圧倒的な人気を呼んだ。イメージキャラクターに親日家のジャン・レノ氏を起用して話題も呼んだ。その後もマドンナ、オダギリジョーなど大物を起用して、同社のマンションイメージを劇的に向上させた。

 平成18年に同社会長に退かれたが、記者に「向こう10年くらいは当社も安泰。その分の投資をした」と語った。

 茶目っ気もある方だった。その翌年の4月、同社のリゾート「羽鳥湖高原レジーナの森」のリニューアルオープンイベントが行われた。

 南氏は「僕のところにはてんぷらでもお茶でも、ヤーコンは何でもある。僕はここに住んでいるんだ。年間40日は利用している。ここには尾瀬に負けない湿原があって、日本一といわれるほど豊富な植物が生える。最高に素晴らしい。住民税も安い」と、リゾートがある天栄村と施設を自画自賛した。

 その後、糖尿病と仲良く付き合っている記者は南氏に会うたびにヤーコン論議をした。「ヤーコン」とは、タロイモやレンコンに似た糖尿病に利くという南米原産の野菜だ。

 しかし、その後の業績は順風満帆とはならなかった。リーマン・ショックが同社を襲った。平成23年12月期決算で、同社は720億円にも上る赤字を計上。南会長は経営の責任を取り相談役に退いた。そのときの感想はついに聞くことはなかったが、それでも不動産協会の新年賀詞交歓会には必ず顔を出され、しばし歓談した。業績もV字型回復を見せた。

 そして来年末、南氏が用地取得に関わった「目黒駅前地区」の再開発マンション「Brillia Towers 目黒」が完成する。全661戸の坪単価が600万円超、平均価格1億1,434億円をわずか4カ月で完売させた歴史的な物件だ。完成したときのコメントが聞きたかった。「そら見ろ、〝10年は安泰〟と僕の言った通りだろ。君は何も分かっちゃいない」と高笑いするのが目に浮かぶ。

 安らかにお眠りください。

合掌

 

 

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隈氏(東京コンベンションホールで)

 昨日(12月11日)行われた「新しい木の時代 ~日本の森林再生と利活用~」シンポジウムで、隈研吾氏が約1時間にわたって基調講演した。数えたわけではないが、隈氏は内外の20プロジェクトを写真・画像を交えて話した。

 ここで一つひとつ紹介する余裕はないので、隈氏が設計を担当した新国立競技場と新潟県長岡市の「アオーレ長岡」を紹介する。

 まず新国立競技場から。隈氏はこの日起工式が行われた新国立競技場について「この1年間で新国立競技場の図面を約4,000数百枚描いた」と話した。

 いったい図面を描くのがどのような仕事なのかさっぱりわからないが、一般的に図面はA3用紙を使うようで、重さにして30数キロ、厚さにして40数センチになる。これだけでは仕事量を紹介したことにはならないが、記者の知る限り、作家としては中国のノーベル文学賞作家・莫言氏は超大作「豊乳肥臀」1,200枚を3カ月で書き上げたというのが最近では記録的な多さだろうと思う。4,000数百枚の図面は隈氏だけが担当したわけではないだろうが、ノーベル賞ものの仕事なのかもしれない。

 新国立について隈氏はまた、周辺環境と調和し溶け込むように建物の高さを抑えることに苦心し、「ザハ・ハディド案が75メートルだったのに対し、49メートルに抑えることができたので、(選ばれる)手ごたえはあった。剪定がいらない緑化、下から見上げる美しさ、わが国の伝統的な建築技法の採用、ハイブリッドの屋根、木と鉄やコンクリとの混構法、管理費の抑制などにも力を入れた」などと語った。

 また、「世界中の木の建築に関わってきたが、やはり木の技術は日本が一番。住林さんはすごい」と住友林業を持ち上げることも忘れなかった。

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「アオーレ長岡」外観(写真提供は全て長岡市)

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ウェディング(左)と落成式典

 次に「アオーレ長岡」について。地方再生・活性化、中心市街地活性化に資する事例として最適と思われるからだ。

 同施設は、平成24年4月にオープンした地下1階地上4階建て延べ床面積約35,000㎡のナカドマ(屋根付き広場)、アリーナ、市民交流ホール、市民協働センター、議場、市役所本庁舎などが整備された多目的施設だ。総事業費は約132億円。

 詳細は長岡市のホームページなどで調べていただきたいが、オープン以来の来館者は年間約140万人。人口が28万人の市だから驚きだ。単純比較はできないにしろ、従前施設の約4倍の来館者だ。施設は住民主導のイベントが多いのが特徴のようだ。施設がオープンして中心市街地の空き店舗が減少し、施設がある市の東側とその反対側の西との人の流れも生まれたという。

 ホームページに掲載されている市民の声の一つに、「市役所機能のまちなか回帰に関する一連の整備が完了した今、まちなかに来る人々は楽しい顔をしている」とあった。

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伊勢神宮 外宮(11月撮影)

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伊勢市駅前のホテル二つ(左が三交不、右が伊勢外宮参道 伊勢神泉)

 対照的な事例としてわが故郷・伊勢市を取り上げるのは心苦しいのだが、少し触れたい。〝日本人の心の故郷〟伊勢神宮に訪れる人は平成25年の遷宮では約1,400万人にも達した。その後、減少はしているが平成27年は約838万人だ。平年でも毎年600万人くらいの参拝者がある。

 ところが、伊勢市に宿泊する観光客(だけでないが)は漸減しており平成27年は約40万人に過ぎない。外宮・内宮をお参りしてその足で鳥羽・賢島方面へ向かう観光客が圧倒的に多い。記者もたまに帰省すると、伊勢を通り越して鳥羽まで行って、カキやらサザエやらを食べに行く。伊勢市内ではありきたりの食べ物しかないし、観光客に勧められるホテルなどほとんどなかった。

 ずっと空き地になっていた伊勢市駅前の空き地にホテルが数年前にでき、その対面にも三交不動産のビジネスホテルが今年11月にオープンしたが、駅前の一等地にホテル2つだけというのは情けない。伊勢が素通りされる流れは止められそうにない。

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神宮の杉の大木

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涌井・都市大特別教授 「わが国の自然はかみさんと一緒。美しいが扱いも難しい」(2016/12/11)

 

 

 

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