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「ディアナコート日本橋浜町」完成予想図

 最後にモリモトの「ディアナコート日本橋浜町」。「クレヴィア日本橋浜町」にも「プレミスト日本橋浜町」にも立地は劣るかもしれないが、デザイン・設備仕様では負けない。好勝負とみた。

 物件は、都営新宿線浜町駅から徒歩2分、中央区日本橋浜町2丁目に位置する10階建て全44戸。専有面積は54.42~101.46㎡、価格は未定だが坪単価は伊藤忠より安く、大和ハウスより高い430万~450万円くらいになる模様だ。竣工予定は平成30年1月下旬。設計・監理はIAO竹田設計。デザイン監修はアーキサイトメビウス。施工は新日本建設。

 現地は、表通りから一歩入った商業地で、三方道路。建物は西側道路に面したシンメトリックなデザインが特徴で、垂直と水平ラインを強調するとともに、基壇部には御影石、耐候性鋼板、大判タイルをリズミカルに配し風雅な表情を演出している。ペントハウスはフィンを庇のように際立たせ象徴的なデザインにしている。

 住戸プランは角住戸比率を高めた1フロア4戸~5戸。ディスポーザ、食洗機、シーザーストーンキッチンカウンタートップ、グローエ水栓、ミストサウナなどが標準。壁・建具に大雪山のナラ材を、床はオーク材を採用しているのが特徴。

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 立地条件は伊藤忠都市開発にも大和ハウスにも負ける。しかし、圧倒的なデザイン力と本物志向の設備仕様、ワイドスパンのプランで真っ向勝負できると記者は見た。デザイン監修は大和ハウスの物件と同じ今井敦氏だ。

 完成予想図を見ていただきたい。似たようなデザインのマンションはあるかもしれないが、とにかく凛とした美しさがある。外観に配管などが出ないように、側面に配する工夫も施しているという。

 建築士の横堀健一氏とデザイナーのコマタ トモコ氏が提案したモデルルームがまたいい。記者は同社のマンションをほとんど見学しているが、まず当たりはずれがない。今回も同様だ。ナラ材の突板仕上げが美しい。来場者は玄関に入って一様に驚きの声を上げるというが、さもありなん。

 分譲開始は10月下旬の予定だ。大激戦のエリアでどのような売れ行きを見せるか見ものだ。同社が中央区で分譲するのは初めてではないか。

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基壇部

浜町公園も浜町駅も15~23秒立地抜群の伊藤忠都市開発「クレヴィア日本橋浜町」(2016/10/11)

広さ=単価の安さと提案力で勝負 大和ハウス「プレミスト日本橋浜町公園」(2016/10/11)

 

 

 

 

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「プレミスト日本橋浜町公園」完成予想図

 「クレヴィア日本橋浜町」の次に大和ハウス工業の「プレミスト日本橋浜町公園」。立地は伊藤忠都市開発の物件に劣るが、それだけ単価も低く億ションのプランはいい。

 物件は、都営新宿線浜町駅から徒歩2分、中央区日本橋浜町2丁目に位置する14階建て全78戸。専有面積は65.10~83.17㎡、現在分譲中の住戸(17戸)の価格は6,790万~12,080万円(最多価格帯9,900万円台)、坪単価は410万円。竣工予定は平成29年12月上旬。施工は長谷工コーポレーション。デザイン監修はアーキサイトメビウス・今井敦氏。

 現地は、浜町駅A1出口から徒歩2分。敷地は南北に細長い四角形。敷地南側が道路を挟んで浜町運動場と浜町公園。

 住戸は1フロア6戸で、公園側に面した73~82㎡の南向き住戸と北向きの65~70㎡の住戸が各3戸。ディスポーザ、食洗機、黒御影石のキッチン・洗面浴槽カウンター、ガラスクローゼットなどが特徴。これまで半分くらいが成約済み。

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基壇部

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 浜町駅に近い同社のマンションを見学するのはこれで2回目だ。最初はいまから10年前の「プレミスト日本橋浜町リデアル」で、立地条件はよくなかったが、デザインがよく圧倒的な人気になったのを記憶している。坪単価は250万円だった。

 今回は立地もターゲットも単価も異なるが、共用部も含めて総じて設備仕様レベルは高い。デザイン監修に今を時めくアーキサイトメビウス・今井敦氏を起用していることでも力の入れ具合がうかがい知れる。

 82㎡のモデルルームの出来もいい。まず玄関のシューズインクローク。扉がガラス製になっており、奥の壁もガラスだった。単に靴などを収納するだけでなく、観葉植物なども置かれていた。これには唸ってしまった。〝魅せる収納〟はこれまでたくさん見学したが、〝魅せる下駄箱〟は初めて見た。

 ダイニング・キッチンカウンタートップとサイドは高級感のする黒御影石を使用しており、圧倒的な存在感がある。

 とはいえ、20坪で億ションというのが相場になった浜町・人形町エリアには競合物件も多い。広さ=単価の安さと提案力で勝負できるか。

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エントランス

浜町公園も浜町駅も15~23秒 立地抜群の伊藤忠都市開発「クレヴィア日本橋浜町」(2016/10/11)

デザイン・プラン・仕様レベル高い モリモト「ディアナコート日本橋浜町」(2016/10/11)

物件も販売責任者もレベル高い 大和ハウス「プレミスト日本橋浜町リデアル」(2010/3/3)

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「クレヴィア日本橋浜町」

 伊藤忠都市開発「クレヴィア日本橋浜町」、大和ハウス工業「プレミスト日本橋浜町公園」、モリモト「ディアナコート日本橋浜町」を見学した。3物件とも徒歩数分圏内にあるが、立地条件、コンセプトがそれぞれ異なり、ユーザーはどれを選ぶか悩ましいに違いない。

 まず、「クレヴィア日本橋浜町」から。物件は、都営新宿線浜町駅から徒歩1分、中央区日本橋浜町2丁目に位置する12階建て全45戸(非分譲住戸18戸含む)。専有面積は40.69~70.42㎡、予定価格は5,400万円台~11,000万円台(最多価格帯9,200万円台)、坪単価は470万円台の半ば。建物は平成28年7月竣工済み。設計・監理はエル設計事務所。デザイン監修はレーモンド設計事務所。施工は村本建設。

 現地は、浜町駅A2出口から徒歩1分(30mだから約23秒)、中央区最大の浜町公園まで徒歩1分(20mだから15秒)の東南角地。マンションなどが建っていた敷地。明治座は一つ建物を隔てた同じ通り。

 建物は逆梁を採用。デザイン監修にアントニン・レーモンドの志を継ぐ「レーモンド設計事務所」を起用しているのが特徴。住戸プランは40㎡、64㎡、66㎡、70㎡の4通り。キッチン・洗面カウンタートップは御影石、バックカウンター・吊戸棚、ディスポーザ、食洗機、ミストサウナが標準装備。

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左後方のビルが明治座

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 浜町、人形町駅圏でのマンション分譲はこの10数年間で10数物件を見学したが、このマンションほど立地条件に恵まれた物件はない。公園に近接・隣接したマンションもこの1年間で数物件見学したが、その近さ、開放感、規模などを総合的に評価して、ここが一番だ。このようなマンションは今後もまず供給されない。〝唯一無二〟とはこのような物件のことを言う。

 この立地のよさが単価にも反映されているのだが、近隣物件との比較からすればむしろ安いと思えるくらいだ。10数年前に分譲され、人気になった東京建物のマンションでも坪単価は300数十万円だった。最近は軒並み400万円を突破してきており、500万円を突破する物件もあるからだ。

 建物が建設される前から地元の人に話題になっていたそうで、同社が竣工売りをするのも勝算があってそう判断したと思われる。40~60㎡台は間違いなく売れると読んだ。この界隈は中央区の中でも突出して人口が増加しており、良し悪しはともかく賑やかな街になってきた。

 問題は70㎡のプランだ。地権者との調整があったためか無理に3LDKにしており、収納などにその影響が現れている。価格は1億円くらいになりそうで、となると設備仕様レベルも含め他の浜町や人形町駅圏の物件と競合するのは必至だ。

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モデルルーム

広さ=単価の安さと提案力で勝負 大和ハウス「プレミスト日本橋浜町公園」(2016/10/11)

デザイン・プラン・仕様レベル高い モリモト「ディアナコート日本橋浜町」(2016/10/11)

 

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「デュオセーヌ緑山」

 入居が始まったフージャースコーポレーション・ダイヤモンド地所のシニア向け所有権付きマンション「デュオセーヌ緑山」を見学した。天然温泉浴場、レストラン、その他の共用施設が充実しており、レベルの高いマンションだ。約7割が分譲済みというから売れ行きも好調だ。

 物件は、小田急線鶴川駅からバス約9分、バス停徒歩2分、町田市三輪緑山1丁目に位置する地下1階地上4階建て全82戸。専有面積は40.23~76.20㎡、現在分譲中の第3期(9戸)の価格は2,898万円~6,498万円。坪単価は250万円。管理運営費(月額)は44,700円~84,600円。食費は自由だが、1日3食(朝食600円 昼食600円 夕食920円)・30日/63,600円。購入条件は満50歳以上(夫婦の場合はどちらかが満50歳以上)で、自身で身の回りの世話ができること。建物は平成28年7月29日竣工済み。施工はりんかい日産建設。管理は国土管理。

 現地は、昭和60年代から平成の初期にかけて野村不動産が開発した高級住宅街「鶴川緑山」住宅地の一角で、敷地は大手企業の社員寮跡地。

 地階の1フロアがほとんど共用部分に充てられており、天然温泉浴場、レストラン、多目的室、娯楽室、シアタールーム、ヘアサロン、囲碁・将棋ルーム、ビリヤードコーナーなどがある。

 生活サポートとして365日24時間見守りサポートが受けられるほか、医療・看護サポート、介護サポートが受けられる。

 約1年前から分譲されており、これまで約7割が契約済み。単身者と夫婦の購入割合は6:4。

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エントランス

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 フージャースコーポの所有権付きシニア専用マンションを見学・取材するのは今回で3物件4度目だ。このマンションは竣工時点で約7割が成約済みだから「所有権付き」がかなり浸透・理解されてきたようだ。高齢者の選択肢の幅が広がるのはとてもいいことだ。

 住環境がよく、温泉が毎日利用でき、食事もレストランでできるというのは最高にいい。共用施設も充実している。

 仮に購入条件から年齢制限を取り払えば一般のファミリーは購入しないだろうかを考えた。やはり管理運営費は高いと考えるだろうか。お年寄りと一緒に住みたくないと考えるだろうか。それとも豪華な共用施設が利用でき、至れり尽くせりのサービスを受けられることを可とし、管理運営費を妥当とするだろうか。

 記者は逆にお金があっても年寄りだけのマンションには住みたくない。なんだか世間から疎外されているようで嫌だ。嫌われても若い女性のはつらつとした姿を毎日見ていたい。

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エントランスホール(左)と2層吹き抜けラウンジ

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前面道路(バブル期には戸建ては1億円をはるかに超えていた)

 先に紹介したように、千代田区の神田警察通りのイチョウ並木を伐採する問題で、千代田区議会は10月3日、企画総務委員会を開き、伐採中止を求める陳情書について審査した。

 委員会の各委員は「(自転車通行環境整備工事「神田警察通り」請負契約について)明確な説明がなかった」「執行機関として議会に説明しなかったことを反省すべき」「イチョウが伐採されるという認識がなかった。些末なことなのか」「誰が、いつ、どこで意思決定したのか、きちんと時系列的に説明すべき」「平成25年の(神田警察通り沿道賑わいガイドラインには(イチョウなど)街路樹の保全・育成が記載されているではないか」「(神田警察通り沿道整備推進)協議会も議会も区民も置き去りにされた」などと区側に迫った。

 これに対し、区側は「全般の説明はしたが、(イチョウ伐採などについての具体的な)説明不足だった」(まちづくり課長)と謝罪したが、事案を担当する道路公園課長の説明が分かりづらいことから「語尾をはっきり言え」「イエスかノーで応えてください」と言葉を荒げる場面もあった。

 区の都市計画マスタープランや緑の基本計画に逆行するのではないかという委員の質問に対しては、まちづくり担当部長・坂田融朗氏が「緑の基本計画の考え方は今後も変わらない。ただ、道幅が狭い地域では歩行空間を確保しながら更新せざるを得ない街路樹もある。緑を維持創出し、次の生命を育てていく」と答えた。樹木医の診断の結果、「枯損木」の恐れのあるイチョウは5本であることが区側から報告された。

 午後1時15分から始まった委員会は再三休憩を繰り返しながら、結局、結論が出ず4時過ぎに散会。17日に再び論議されることになった。この問題はテレビでも報じられるなど、「豊洲問題」の千代田区版の様相を呈してきた。

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 最初にも書いたが、区側の説明が不十分ではあるかもしれないが、区の決定に瑕疵はないように思う。議会は街路樹を伐採することを「知らなかった」というが、知らなかったでは済まされない。日常不断に行政をチェックするのが議員の務めではないのか。この問題について議会でもほとんど質問がされていない。

 昨年12月25日に開かれた企画総務委員会で道路公園課長が説明した「今回、整備を予定しております第I期、共立学園の前付近でございます。そちらの歩道の部分というところでは全体を合わせてあわせて3.5mになりますが、その中に植樹ですとか街路灯等が、道路附属物も混在し、また自転車と歩行者の区分も不明確になっておると。その中で歩道側が1.2mほどであるというような表記でございまして、こちら、きちっと整理をすることで、かつまた4.5mに拡幅することで、歩行者、自転車ともに走行しやすい安全な空間を創出したいと考えております」を了解したのではないか。

 道路公園課長が「植樹ですとか街路灯等が、道路附属物も混在」といみじくも言ったように〝街路樹は道路の付属物〟という認識しかないということだし、議員の皆さんも〝些末〟なこととしか考えてこなかったのではないか。

 これまで区の街路樹について議会はどのような論議をしてきたのか検索してみたら、次のような発言がヒットした。

 「国立市の学園通りの見事な緑の景観が一事業者によって壊されてしまったのは、まだ記憶に新しいところです。…道路の緑地帯には211本の桜と117本のイチョウが、どれも大木に生長し、沿道にはおしゃれなブティックや喫茶店が並ぶという、市民自慢の通りでした。そのような美しい緑の景観が、なぜそうなってしまったのか。また、今後このようなことが、多くの貴重な景観を持つ千代田区で起きることがないよう、水と緑の景観を守り、形成するための具体的な仕組みがぜひとも必要です」(2004年6月10日第2回定例会)

「神田警察通りの街路樹は人生の一部」 桂由美氏らが伐採中止求める陳情書(2016/10/3)

 

 

 

 

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2016年グッドデザイン賞を受賞した「ディアナコート祐天寺翠景」

 昨日と今日で6つのマンションを見学取材した。若いころは1日に3物件、4物件を見学していたが、さすがに最近は1、2件くらいだ。フットワークがなくなってきたのと、デベロッパーの対応も厳しくなってきたからだ(かつてはアポなしでも対応するところが多かった)。

 6物件はいずれも特徴があり、今すぐに記事にしたいのだが、その前にモリモトが今年のグッドデザイン賞で受賞した3案件のうちの一つ「モリモトのデザインコード」について触れたい。

 今年のグッドデザイン賞は応募4,085件の中から1,229件が受賞した。住宅・不動産業界からもその関連を含めると50社くらいが受賞した。記者にも各社からメールで受賞のリリースがたくさん送られてきた。

 しかし、各社の受賞作を一つひとつ紹介するには1日かかっても紹介しきれないのですべて書かないことに決めた。この場を借りて、紹介できなかったことをお詫びしたい。(「グッドデザイン大賞」候補に小田急電鉄とブルースタジオの「ホシノタニ団地」がノミネートされたのを喜びたい。団地だけでなく、地域の再生・活性化につながるはずだし、それが評価された)

 なのに、どうして「モリモトのデザインコード」だけを紹介するのか。答えはただ一つ、同社のマンションが好きなのだ。〝本物〟を追求する姿勢を応援したいからだ。大手と伍して戦えるマンションデベロッパーはここしかない。

 グッドデザイン賞のエントリー概要には次のようにある。 

 「住まう人の人生を豊かにし、街の価値となっていく。私たちモリモトが創造するのは個人、そして社会の財産となる住まい。土地を厳選し、その場所の魅力を十二分に引き出すマンションをつくることです。物件ごとに、手づくりするように、緻密につくりあげていく。唯一であることが基本であり、だからこそ住まう人それぞれにとってかけがえのないものとなる」

 具体的な仕様はこうだ。

 「フレームを一から検討し、最適な間取りをひとつずつ計画し『快適な住環境を提供する』。その特徴として『ワイドスパン』『逆梁』『ハイサッシ』『内廊下』『多種多様な住戸プラン』などを採用し、都心の限られた敷地においても周辺環境への配慮をしながら『快適な住環境』を獲得できるマンションブランドを目指している」

 この提案に対して、審査委員の評価は「快適な住環境を提供するために実践されてきた、応募企業のマンションのデザインコードをまとめたものである。デザインコードの一つ一つが理にかなったものであり、それがバリエーション豊かに実現されていることが伺える」とある。

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 概要や仕様の一つひとつはモリモトの専売特許ではない。〝うちも同じ提案を行っている〟という声が聞こえそうだ。審査員の評価もまた実にそっけないものだ。グッドデザイン賞の第2次審査では現物を審査することもあるが、基本的には行っていない。実際にものを見ないで評価するのもどうかと思うが、やむをえない。

 「モリモトのデザインコード」を理解するためには、完成したマンションやモデルルームでの提案を見るしかない。

 グッドデザイン賞の概要には、不動産企画部企画グループの7名のデザイナー「想い」が寄せられている。そこには「もはや固定化されてしまったマンションのつくり方に対して風穴を開け、住まい手に対しても選択肢が広がればと考えています」とある。

 昨日今日見た6物件の中の一つが、モリモトの「ディアナコート日本橋浜町」だ。記事は日を改めて書くが、極めてデザイン性が高く、モデルルームは間違いなく〝本物〟を志向するユーザーの望み・欲求を満たすはずだ。ここにも「マンションの常識を覆す、風穴を開けようとするデザイナーの「想い」が込められている。

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「ザ・パークハウス山吹神楽坂」完成予想図

 三菱地所レジデンスが10月8日(土)から分譲開始する「ザ・パークハウス山吹神楽坂」を見学した。神楽坂駅圏では希少の100戸超の大規模マンションで、「和」のテイストをふんだんに盛り込んだ物件だ。

 物件は、東京メトロ有楽町線江戸川橋駅から徒歩4分、東京メトロ東西線神楽坂駅から徒歩7分、新宿区山吹町に位置する13階建て全108戸(事業協力者22戸含む)の規模。専有面積は60.30~94.95㎡、第1期(38戸)の価格は6,540万~14,490万円(最多価格帯7,600万円台・7,900万円台)、坪単価は400万円。抽選日は10月16日(日)。竣工予定は2017年11月下旬。施工は熊谷組。

 現地は、江戸川橋通りに面しており、道路に面した西向き住戸は商業地域、やや奥まった南向き住戸は準工業立地。

 〝光の長屋門〟をイメージした建物エントランスは別棟になっており、竹林の中庭が垣間見えるように工夫しているのが特徴。前庭に竹をふんだんに配し、2層吹き抜け部分にはガラスウォールを、壁は杉板の質感を現したコンクリートや櫛引壁をそれぞれ採用している。

 住戸プランは60~75㎡が中心で、キッチン・洗面カウンタートップは御影石、バックカウンター・吊戸棚、ディスポーザー、食洗機、ミストサウナが標準装備。

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エントランス

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 大手マンションデベロッパーで構成されるマンションポータルサイト MAJOR7(メジャーセブン)が先に発表した第23回「住んでみたい街ランキング」首都圏ベスト20から「神楽坂」が消えた。2004年の第1回では13位で、昨年もかろうじて20位に入っていたのに、これはどういうことか。

 ランキングはアンケートによるもので、その時々の大手デベロッパーの供給物件に左右される傾向があり、「神楽坂」では大規模物件はほとんど供給されなくなってきたことが影響しているのだろう。最近では丸紅とモリモトが昨年分譲した「グランスイート神楽坂ピアース」(118戸)以来だ。

 とはいえ、「神楽坂」の人気が落ちてきているわけではないと思う。分譲単価は他のエリアに引っ張られたこともあるが400万円を突破する。今回はそのストライクゾーンの低めだ。専有面積も圧縮気味だ。第1期の38戸というのも今の市況を考えれば納得だ。エントランスは神楽坂の路地を入った高級料亭のようだ。

 「住んでみたい街ランキング」といえば、今年、前年30位の「東京」が15位に、前年41位の「渋谷」が16位に浮上した。「東京」や「渋谷」がこれまでベスト20に入っていたかどうかは調べないとわからないが、おそらく初めてのランクインだろうと思う。三菱地所はその気がないようだが、記者は「東京」(丸の内)でマンションが分譲されれば坪3,000万円はすると読んでいる。

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ラウンジと中庭の竹林

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 技術集団のセブンドリーマーズは10月4日、毎日の衣類を「運ぶ」「畳む」「収納する」手間から人々を解放する、世界初全自動衣類折りたたみ機「/ laundroid 1(ランドロイドワン)」が製品化の最終ステージに入り、来年3月に予約販売を開始すると発表した。

 「ランドロイド」は、2005年からセブンドリーマーズが独自で開発してきた衣類折りたたみ技術に加えて、今年からセブンドリーマーズ(出資比率80%)、パナソニック(同10%)、大和ハウス工業(同10%)の三社で合弁会社セブン・ドリーマーズ・ランドロイドを設立し、開発を進めてきた。

 「画像解析」「人工知能AI」「ロボティクス」の3つの技術の融合で成り立っている。現段階で識別できるのはタオル、パンツ、Tシャツ、子供服だが、製品はどんどん進化させていくとしている。

 販売価格は未定だが、先着100名限定の様々な特典がついているプロジェクトメンバー(会員権)向けのプロトタイプは約250万円。

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大和ハウスなど3社 全自動洗濯物折り畳み機「ランドロイド」共同開発(2016/10/4)

 三菱地所レジデンスが今秋末にも千代田区丸の内にコンパクトマンションの常設モデルルームをオープンする。

 同社は今年の5月、コンパクト系の間取り(ワンルームや1LDK)を中心としたマンションの1戸単位からの分譲事業で、マンションへの投資・運用や、自己居住またはセカンドハウス向けとして年間200戸~300戸程度を供給していくと発表した。

 同時に会員募集を開始するとともにセミナーを実施してきた。ほとんどが満席状態で、でこれまで約300組の集客があるという。分譲するのは千代田区、港区、渋谷区、品川区などの都心部。

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 大手デベロッパーでコンパクトマンションを継続して分譲してきたのは三井不動産レジデンシャルくらいで、同社の参入が注目されている。

 同社が予定している供給エリアは坪単価が最低でも300万円、高いところは400万円をはるかに突破してくる。千代田区などは500万円でも難しいのではないか。実需のニーズは高いが、10坪(33㎡)で5,000万円にもなる。単身者の取得限界を超えつつある。投資の場合でも、表面利回りはせいぜい5%、実質利回りは2~3%くらいだろう。

 高単価のコンパクトマンションでは、先にモリモトが分譲した坪単価440~450万円の「下北沢」は全32戸が即日完売した。同社のコンパクトはどのような商品企画なのだろう。

 

 

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「シェアハウス」before(上)とafter

 三菱地所ホームが10月4日、リフォーム事業を強化するため最上級グレードのメニュー「Re Gran(リグラン)」とマンション向けの定額制メニュー「Re Dia(リディア)」、小岩井農場産の樹齢100年のヒノキ材を土台に採用した注文住宅を20棟限定で発売すると発表した。

 「Re Gran(リグラン)」は、注文住宅やオーダーメイドリフォームで培われた提案力や設計力、デザインなどを提案するもので、本物志向のエグゼクティブのニーズに応えるもので、最高級・最高品質の仕様と設備機器を用意した。

 「Re Dia(リディア)」は、水回り部分と表装部分が対象で、三菱地所レジデンスが開発した「EYE’S PLUS(アイズプラス)」をベースにインテリアコーディネーターと相談しながらプランを作り上げていく商品。専有面積70㎡で498万円(税別)という「専有面積に応じた定額制」を導入することで、価格・商品の優位性をアピールしていく。

 小岩井農場産「樹齢100年材」使用の注文住宅は限定20棟。2016年12月26日までに契約、2017年5月以降に着工、同年12月25日までに引き渡しが可能な住宅が対象。価格は45坪相当で約25万円の増額となる。

 小岩井農場は1891年(明治24年)に三菱地所2代目社長の岩崎彌之助らが出資して設立された岩手県雫石町にある農場(本社は東京)で、農場総面積3,000haの3分の2に当たる2,000haが山林。1899年(同32年)から植林を本格的に開始し、木を植えてから伐採するまでの期間を100年と定め、様々な木材需要に応えている。

 ヒノキの植林は北限とされており、大径木にはならず年輪の間隔が狭いのが特徴で、土台などには最適な希少材とされている。

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小岩井農場のヒノキ

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ヒノキの土台

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 記者発表会の会場となったのは大手町の大手門タワー・JX ビル1階にある「3×3 Lab Future サロン」だ。この施設も立派なのだが、会見の中身がまた盛りだくさんで、築60年の戸建て(下宿)をインテリアリフォームして「シェアハウス」に再生した事例や、2016年グッドデザイン賞を受賞した「ORDER GRAN(オーダーグラン)」も紹介された。一つひとつ紹介するとこの倍くらいのスペースが必要なくらいだ。

 これは前回、駒沢公園ハウジングギャラリー・ステージ2の記者見学会でも書いたのであまり触れないが、これほどの提案力、デザイン力がありながらどうして同社はハスウメーカー下位に低迷しているのか。売上高は三菱地所グループ全体の2.7%だし、三井ホームの10分の1くらいしかない。縁が浅からぬスウェーデンハウスにも、大手デベロッパー系の東急ホームズにも負ける(売上高がすべてでないのはよく承知しているが)。〝三菱地所〟のブランド力をもってすれば少なくともこの倍くらいあっていい。

 なぜこんなことを毎度書くのか。三菱地所の図体(売上高)が大きいから小回りが利かないということではない。むしろその逆だ。

 同社のブランドメッセージには「三菱地所ホームの家づくりのこだわり」には「すべてはお客さまの想いをカタチにするために。私たちに妥協はありません」とある。同社営業マンは「ミリ単位」でお客さんの要望を聞くという。そういう会社が伸びないのが不思議だからだ。

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小岩井農場産ヒノキ

三菱地所ホーム富裕層向け注文・3階建て・戸建てリフォーム同時発売(2016/4/14)

 

 

 

 

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