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 三井不動産は8月30日、青木茂建築工房と業務提携し、同社のリファイニング建築手法を活用して、旧耐震基準建物等の老朽化不動産の再生コンサルティングサービスを開始すると発表した。同事業を通じて練馬区と大田区の2カ所で事業推進中。今後老朽化不動産の再生事業を本格的に進める。

 リファイニング建築とは、青木茂建築工房の独自の建築手法で、リフォームやリノベーションと異なり、耐震診断・補強を行ったうえで既存躯体の約80%を再利用しながら、建て替えの60〜70%のコストで、大胆な意匠の転換や用途変更、設備一新を行い、建物の長寿命化を図る新たな再生手法。全て現行法に適合させることも大きな特徴。

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 同社がリファイン建築手法を採用するのはうすうす感じていた。2013年に同社は「マンション再生セミナー」を実施したが、その時の講師の一人が青木茂氏だった。青木氏はリファイニング手法の優位性を力説されていた。

「再生建築学の設置を」 青木茂氏、三井不動産のセミナーで語る(2013/12/10)

 

 

 優良ストック住宅推進協議会(会長:和田勇積水ハウス会長兼CEO)は8月29日、記者会見を開き、活動状況を報告した。

 冒頭、和田会長は「会が発足して9年目を迎えるが、最近ようやく活動が浸透してきた。しかし、まだまだ啓蒙が不足していると考え、この1年間はスムストック販売士を増やそうと試験を年2回から3回に増やし、年間で約1,200人、今年6月末で4,230人に増やした。スムストックをより有効に活用していただくよう専用のローンも三井住友信託銀行さんに作ってもらった。2~3年後には何とか成約件数を1万戸に引き上げたい。現在の既存住宅は20年で資産価値がゼロになり、投資累計では約500兆円が消滅している。一方で、スムストックはきちんと定期点検しており、50年後でも約500万円の建物価値がある。きちんと再生して若者に買ってもらえる環境を整えたい」などと語った。

 また、「中古住宅」の呼称変更については、「横文字でなく何とか日本語で適切な表現がないか国土交通省にも働きかけ、『既存住宅』にしてもらった」と話した。

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 和田会長が力説されるのはよくわかる。値段が高くても将来にわたって安心して住める住宅が評価されるようになってほしい。

 しかし、悪貨は良貨を駆逐するとはよく言ったものだ。現実はどんどん逆方向に進んでいる。

 これは建売住宅市場のことだが、世間を席巻しているのは圧倒的な価格の安さを売りにしているメーカーだ。どこのエリアでも出隅入隅はない積み木のような外観で、間取りはほとんど同じ、外構もなし。価格は3,000万円くらいだから大手などより1,000万円も安い。こうした住宅の市場占有率は30%を超える-これが現実だ。

 〝売れるものがいい商品だ〟-これに反論できる人はどれだけいるだろうか。

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 「中古住宅」「既存住宅」「既築住宅」…呼称は様々でどれがいいのか記者もよくわからない。昔から使われてきた、今も主流になっている「中古住宅」を変更するのはかなり難しいような気がする。

 「既存住宅」についてだが、記者は「きぞん」と発音してきたが、世間的にはそうなっていないようで「きそん」と発音するようだ。NHKでも昭和16年に定めてから「きそん」となっている。NHK「放送研究と調査MARCH 2014」では「『既存』については,これまで『〜ゾン』を認めたことがない。国語辞典では『キゾン』の読みを参考として入れる場合もあるようだが,今回は調査も実施しておらず,現行どおり(『キソン』)とする」となっている。和田会長も「きそん」と発音されたように聞こえた。

 「きそん」か「きぞん」かは、国立国語研究所などにも問い合わせたが、結局はよくわからなかった。用例として「既存」は明治時代にも使われていたようだが、「きそん」なのか「きぞん」なのかはわからない。「名誉毀損」の「毀損」は「きそん」とふり仮名がつけられていたようだ。「既存」は「きそん」と読んでも「きぞん」と読んでもコンフリクト(衝突)が起こらないのでどちらでもいいと解釈できそうだ。「存」は「そん」も「ぞん」も読み方がある。

 しかし、「きそん」は「毀損」を連想させる。ここは「きぞん」と発音しようではないか。国土交通省でも「きぞん」だし、「既存不適格」も「きぞん…」と読んでいる。

 「既築」は経産省の「既築住宅・ 建築物における高性能建材導入促進事業」などの制度があるが、記者などはすぐ「鬼畜米英」を連想する。これも改めてほしいが、国の機関でもそれぞれ異なるのだから難しい問題だ。

 いっそ、一般に公募して決めたらどうか。いい呼び名が浮かぶかもしれない。

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「キッズデザイン賞」表彰式(アカデミーヒルズ49で)

 キッズデザイン協議会(会長:和田勇・積水ハウス会長兼CEO)は8月29日、「第10回キッズデザイン賞」全受賞作品297点の中から34点の優秀作品を選び発表した。

 内閣総理大臣賞を受賞したのは東京内野学園 東京ゆりかご幼稚園・渡辺治建築都市設計事務所・リズムデザイン=モヴ・三高設計による「東京ゆりかご幼稚園+里山教育」。東京・八王子市のJR八王子みなみ野駅からバス10分の敷地面積約2.5haの高台に約100mの長さの2階建て木造教育棟と子育て支援施設、延長保育室などがある棟がハの字に配置され、背後の森約40haを里山教育につなげていく活動が評価された。

 新設の東京都知事賞はアボードの硬質フェルトのキッズチェア「RK-Chair」が受賞した。

 住宅・不動産業界からは、積水ハウスの「安全配慮引手」が審査委員長特別賞を、富士住建の「たかが洗濯・されど洗濯~新家事空間『スマートランドリー』~」がキッズデザイン協議会会長賞奨励賞をそれぞれ受賞した。

 冒頭、挨拶した和田会長は、「発表させていただく作品は、キッズデザインの理念、考え方をあらわす指標ともいえるすばらしい作品であります。これらの受賞作品を広く社会に浸透させてゆくことで協議会の目指す『子どもたちの安全・安心の向上と、健やかな成長発達に役立つ、ものづくり・ことづくり』、即ち『キッズデザイン』に満ち溢れた社会の実現に少しでもつながることを期待しております」と語った。

 また、審査委員長のインダストリアルデザイナー・益田文和氏(オープンハウス代表取締役)は、「10年目を迎え、やっと賞の意義が伝わるようになってきた。この国は子どもを地域、社会、国が責任をもって育てるようにできているはずだが、子どもを大切にしていると思えないこともある。もっと世間に発信していきたい」と述べた。

 安倍晋三内閣総理大臣も「安倍政権は、未来を担う子どもたちへの投資を拡大し、すべての子どもが夢に向かって頑張ることができる社会を目指します」とのメッセージを寄せた。

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 「東京ゆりかご幼稚園」はすごい施設だ。敷地約2.5haに子どもの定員は約160人。長さ約100mの2階建て教育棟は木造だが、庇の跳ねだしが3.6mもある。

 設計を担当した渡辺治氏は設計事務所の紹介冊子で次のように指摘しているので紹介する。

 「(待機児は)社会の犠牲になるこどもを生じさせるシステムが変わらない限り歯止めがない」

 「待機児がいるから増設するというのは根本的な解決にならない」「時として、国や自治体は『公共の福祉』を『経済の活性化』に置き換えて政策をつくる。 

 私たちの事務所の地元で、廃校になったら福祉施設にするはずだった学校跡地に学校や病院、福祉施設などのあらゆる公共施設と、住宅も禁止するという都市計画が市によって描かれた。建てられるのは、商業・業務と一部の風俗だけだった。

 こんなことをしていたら、日本は本当にだめになってしまうと思い、私たちは地元の商店会、自治会とともに…解体しようとする行政に対して、校門前にまる2年間座り込んで抗議を行うしかなかった。事務所の所員一同、早朝から夕方まで、休日も、雪の日も雨の日も、台風の日も…」

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積水ハウスが受賞した「安全配慮引手」

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「ジ・オーシャンテラス豊崎」完成予想図

 大和ハウス工業(事業比率50%)・大京(同40%)・コスモスイニシア(同10%)は8月26日、沖縄県豊見城市のマンション「ジ・オーシャンテラス豊崎 シーサイドテラス」を8月27日から販売開始するのに伴い、東京サテライトオフィス「東京インフォメーションサロン」でVR(仮想現実)を用いて沖縄での暮らしを疑似体験できるプレゼンテーションシステムを導入すると発表した。

 同システムを導入するのは、昨年12月から分譲を開始し、早期完売した「ジ・オーシャンテラス豊崎 サンセットテラス」(102戸)でも首都圏から沖縄への移住・セカンドハウス需要があると見込み、「東京インフォメーションサロン」で営業活動を行った結果、契約者の約7割が県外居住者(うち約5割が首都圏居住者)だったことによるもの。

 VRは、那覇空港に到着後、夫婦二人で「美らSUNビーチ」を散歩したり、海の家での食事、子世帯とのバーベキューなど楽しんだりするシーンが約3分間にまとめられている。

 「ジ・オーシャンテラス豊崎」は、沖縄県豊見城市字豊崎に位置する14階建て全102戸。専有面積は63.21~113.68㎡、予定価格は2,600万円台~8,900万円台、坪単価は185万円の予定。設計・施工・監理は大林組。竣工予定は2017年9月下旬。

 「東京インフォメーションサロン」は都営大江戸線大門駅から徒歩1分、港区浜松町2丁目の浜二ビル2階。

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「東京インフォメーションサロン」

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使用イメージ

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 ニュース・リリースの多さでは他のハスウメーカーやデベロッパーを圧倒する大和ハウスだが、マンションのモデルルーム見学会はほとんど皆無だ。今回もモデルルームはなし。VR体験サロンの開設を告知する発表会だったが、それでも多くのメディア関係者が駆けつけていた-デベロッパーはまずこれほど集まらない-さすが大和ハウスというべきか。記者自身は、これまでもVRに似たようなものを体験しているので、それよりも沖縄のマンション市場の実態を聞くのが主な目的だった。

 その成果は十分得られた。驚いたのは売れ行きと県外購入者比率の高さだった。昨年末から分譲開始した「ジ・オーシャンテラス豊崎 サンセットテラス」(102戸)は坪単価160万円で半年もたたずに完売。現地を見ないで購入した人も17人いたという。

 購入者の居住地は県外が65.4%を占めた。購入目的はセカンドハウスが50%を占め、資産運用が15%、居住用が35%だ。セカンドハウス用に購入した人は、50~60歳代が中心で、リタイア後の移住を考えている人も多いというのが特徴のようだ。これは明らかに首都圏近郊のリゾートマンション市場と異なる。

 そして今回の「シーサイドテラス」。単価は明らかにされていないが、「サンセット」より15万円高い185万円くらいに設定される模様だ。これまたすごい。同社は数年前、オリックス不動産、大京の3社同社の30階建て「RYU:X TOWER(リュークスタワー)」全676戸を坪170万円で早期完売した実績があり、マーケットを熟知しているからこその今回の単価設定になったのだろう。

 発表会で同社マンション事業推進部販売推進部部長・土井徹氏は、沖縄県での事業展開について「今後も年間200戸くらいを供給していきたい」と話した。沖縄での絶対的なシェアを占めようという戦略だと理解した。同県での実績が豊富な大京と組むのもそのためだろうと読んだ。

 VRそのものについては、とてもよくできている。以下、VRの画像。同社には各階からの眺望が疑似体験できるものも開発してほしい。

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那覇空港に到着(左)と「美らsunビーチ」を散策

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アウトレットモール(左)とオーシャンアクティビティ

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「ファインシティ東松戸モール&レジデンス」完成予想図

 極めて売れ行きがいい郊外大規模複合マンション「ファインシティ東松戸モール&レジデンス」を紹介する。売主は京阪電鉄不動産(事業比率55%)、相鉄不動産(同40%)、長谷工コーポレーション(同5%)で、JR武蔵野線、北総線・成田スカイアクセス線東松戸駅から徒歩2分の全382戸。今年4月から販売されており、これまでに160戸が供給されており、140戸が契約済みだ。来場者は約550件で、歩留まりが実に25%にも達する。人気の要因は都心の東京、大手町へ30分圏内という利便性と、坪単価170万円、グロスにして3,500万円台という買いやすさにある。

 物件は、千葉県松戸市東松戸二丁目に位置する19階建て全382戸。9月中旬分譲予定の第2期2次(戸数未定〉の専有面積は57.53~83.57㎡、予定価格は2,400万円台~4,500万円台(最多価格帯3,400万円台)、坪単価170万円。施工は長谷工コーポレーション。竣工予定は2018年1月。販売代理は相鉄不動産販売、長谷工アーベスト、フージャースコーポレーション。

 敷地の縁から建物を1~3mセットバックさせて、ケヤキやサクラなどの並木道を整備し、モール棟にはスーパー、ドラッグストア、クリニック、カルチャースクールなどを誘致する商・住・医一体の大規模複合開発であるのが最大の特徴。

 東京駅や大手町駅へ30分圏というアクセスのよさと、駅から徒歩2分の立地の良さが人気になっており、今年4月からこれまでに140戸が契約済みだ。来場者は約550件で、歩留まりは25%にも達する。集客は地元松戸市が45%、市川市が10%、船橋市7%など。

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 東松戸駅のマンションを見学するのは実に10数年ぶりだ。藤和不動産(現三菱地所レジデンス)の駅前のマンション以来だ。「寅さん」の舞台になった新柴又、伊藤佐千夫の「野菊の墓」に描かれている「矢切」を通りながら、いつものように坪単価を考えた。

 藤和のマンションは140万円くらいだったか。数年前までならせいぜい150万円のエリアだ。しかし、このところの用地・建築費上昇を考えると170万円以上で、180万円くらいではないかと予想を立てた。

 現地で対応してもらった京阪電鉄不動産首都圏事業部東京営業部所長・高橋和寿氏から「いくらだと思いますか」と逆取材されたので、その通りに答えたら「170万円です」と返ってきた。予想した最低ラインだった。

 この単価を聞いて小躍りするくらいうれしくなった。同社の販売姿勢をほとんど一瞬にして理解できたからだ。高橋氏の言葉を紹介する。

 「第一次取得層の取得限界は3,500万円というのがわたしの信念のようなものですが、このエリアは坪単価140~150万円で、居住面積は80㎡というのが主流でした。まずまずの売れ行きを見せてきました。ところが、このところの価格上昇で、土地代がただでも150万円は難しい。そこで、購入者の方には申し訳ないが、面積を70㎡に抑え、基本性能は守りながら設備仕様も落としました。長谷工さんにも工事代を抑えていただき、私どもも利幅を抑えました。つまり三方一両損なんです」

 確かに高橋氏が言うように設備仕様は高いとは言えない。ディスポーザは標準装備だが、食洗機はオプションだしスパンは6mが中心だ。

 しかし、三方一両損を選択して〝3LDKで3,500万円〟を死守する姿勢がうれしいではないか。この姿勢がユーザーに支持されたことは歩留まりが25%という数字に表れている。

 京阪電鉄不動産はこの「東松戸」のほか、「ファインシティ王子神谷リバー&フォレスト」(319戸)でも坪単価160万円に抑え、これまでに120戸を成約し、この秋には南武線尻手でも3,500万円台の338戸を供給する。

 高橋氏は「この3物件だけで今年は1,000戸を超える。首都圏では初めて。3,500万円のコンセプトを守り、+αをつけて業界を元気づけたい」と話した。

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 社内の若いスタッフに「矢切の渡しって知ってる? 」と聞いたら「山口百恵」と返ってきた。ネットで調べたら確かに山口百恵さんの歌にあった。我々の世代はみんな「野菊の墓」を読んだ。若い方に是非読んでいただきたい。文庫本で数百円だろうし青空文庫でも読める。青空文庫より一節を紹介する。

 「船で河から市川へ出るつもりだから、十七日の朝、小雨の降るのに、一切の持物をカバン一個につめ込み民子とお増に送られて矢切の渡へ降りた。村の者の荷船に便乗する訣でもう船は来て居る。僕は民さんそれじゃ……と言うつもりでも咽がつまって声が出ない。民子は僕に包を渡してからは、自分の手のやりばに困って胸を撫でたり襟を撫でたりして、下ばかり向いている。眼にもつ涙をお増に見られまいとして、体を脇へそらしている、民子があわれな姿を見ては僕も涙が抑え切れなかった。民子は今日を別れと思ってか、髪はさっぱりとした銀杏返しに薄く化粧をしている。煤色と紺の細かい弁慶縞で、羽織も長着も同じい米沢紬に、品のよい友禅縮緬の帯をしめていた。襷を掛けた民子もよかったけれど今日の民子はまた一層引立って見えた」(青空文庫より)

 

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「三井ガーデンホテル京橋」

 三井不動産グループが4年後の2020年度までに現在の19ホテル約5,000室を倍増の10,000室に拡大する。8月25日行われた「三井ガーデンホテル京橋」の記者発表会で明らかにした。同ホテルは2016年9月1日(木)に開業する。

 同ホテルは、JR東京駅から徒歩5分、中央区京橋1丁目に位置する敷地面積733.35㎡、15階建て233室。客室面積は18.0~58.8㎡(最多客室は18.0㎡コンフォートで103室)、全て2人以上の宿泊が可能で、ルームチャージは32,000円~100,000円。敷地・建物所有者は柏原ビルで、三井不動産が一括賃借し、三井不動産ホテルマネジメントに転貸、三井不動産ホテルマネジメントが運営する。

 2階にロビーとレストランが一体となったラウンジを設置。ビジネスユースから観光、レジャー需要にも対応する。デザインコンセプトは、“江戸の粋”を現代に昇華させる「京橋モダン」。“判じ絵”など、遊び心を効かせた江戸庶民の文化を取り入れているのが特徴。ホテルの外観・エントランスのアートウォールなどを歌川広重の浮世絵「京橋竹がし」からイメージし、現代的に表現している。

 記者発表会で三井不動産ホテル・リゾート本部ホテル事業部長・鴉田隆司氏は、「現在のホテルマーケットは大変好調。稼働率、客室単価も上昇しており、当社はホテル事業を重要な成長分野として、大手町の再開発『OH-1計画』ではフォーシーズンズの誘致を決定するなど新ブランド、ラグジュアリーブランドを立ち上げ、一気に事業拡大を図る。現在の約5,000室を2020年度までに約10,000室に増やす」と話した。

 三井不動産ホテルマネジメントによると、東京エリアの拠点ホテルの観光・レジャー目的客は2010年度が14.2%だったのが2015年度は48.2%に、外国人宿泊客は2010年度が13.8%だったのが2015年度には48.8%に増加しており、稼働率は90%を超えている。

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ラウンジ

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 ホテル業界のことはよくわからないが、最近の外国人観光客増と2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、需要を満たすにはまだ10,000室くらい不足しているという。同社はその需要を吸収すべく一挙に倍増計画を打ち出した。

 素人ながら、そんなに増やして大丈夫か、反動はないのか心配になってくるが、鴉田氏は「過去のオリンピック開催地のデータを見る限り、稼働率は落ちていない。需給バランスは崩れないのではないか」と語った。

 18㎡で32,000円のルームチャージは〝高い〟という印象を受けたが、関係者によると18,000円くらいになるそうだ。一人当たりだと9,000円だから、東京のど真ん中という立地を考えればこんなものかと思う。

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コンフォート客室

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“判じ絵”デザイン 左から「四亀(良き)」⇒「足袋(旅)」⇒「尾(を)」と読ませる

 

 三井不動産リアルティは9月1日、売買仲介店舗「六本木リアルプランセンター」、「三井のリハウス 武蔵小山センター」、「三井のリハウス 市が尾センター」、「三井のリハウス 札幌円山センター」、「三井のリハウス 仙台駅東口センター」の5センターを開設する。

 新たに開設する5センターは、いずれも再開発などにより今後市場の拡大が見込まれるエリア、もしくは駅周辺を中心に優良なマーケットが広がっているエリア。同社は今後も市場の拡大が見込まれるエリアを中心に積極的に店舗展開を行うとしている。

 今回の出店により同社グループは279店舗となる。

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「国産ヒノキのミニステップチェアづくりに挑戦!」(ナイス本社ビル)

 すてきナイスグループは8月24日、横浜市教育委員会が開催した社会体験プログラム「子どもアドベンチャー2016」で2つの体験プログラムを実施し、8月17日と18日の2日間で1,529名が参加したと発表した。

 実施したプログラムは「国産ヒノキのミニステップチェアづくりに挑戦!」と「環境と健康にやさしい家づくりのポイントを学ぼう!」の2つ。

 「国産ヒノキのミニステップチェアづくりに挑戦!」については、予定数を大幅に上回る申し込みがあったことから受け入れ枠を増やして開催。2日間で965名が参加した。また、林野庁及び国土緑化推進機構が進める「美しい森林づくり推進国民運動」の「フォレスト・サポーターズ」に406名が登録した。

 「環境と健康にやさしい家づくりのポイントを学ぼう!」では、同社グループと横浜市、慶應義塾大学が共同で運営する「スマートウェルネス体感パビリオン」で様々なイベントを行い、2日間で参加者は564名にのぼった。

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親子で一緒にミニステップチェアづくりを体験

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「環境と健康にやさしい家づくりのポイントを学ぼう!」(「スマートウェルネス体感パビリオン」で)

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「(仮称)ブランズタワー梅田北プロジェクト」完成予想図

 東急不動産・住友商事・住友不動産の3社は8月24日、大阪市営地下鉄御堂筋線中津駅直結、阪急電鉄梅田駅徒歩7分の50階建て全653戸の超高層タワーマンション「(仮称)ブランズタワー梅田北プロジェクト」を着工したと発表した。

 プロジェクトは2002年に「特定都市再生緊急整備地域」に指定された「大阪駅北地区」に位置。「ロイヤルホテル(現リーガロイヤルホテル)」「プラザホテル」とともに、かつて大阪の高級ホテル御三家に数えられた「東洋ホテル(ラマダホテル)」の跡地。

 中津駅周辺は2015年に竣工した住友商事他「ザ・セントラルマークタワー」(35階建て415戸)と開発中の「ザ・ファインタワー梅田豊崎」(45階建て312戸)がある。

 開発に当たっては、大林組独自の制震テクノロジーである南面比率の高い日照重視型の「DFS®」システムを採用する。竣工は2020年2月下旬の予定。

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 いくらで分譲されるかがかもっとも注目されるが、大阪のマンション市場については全く分からない。東京でいえば「東京駅」なのだろうか、それとも「豊洲」「晴海」「西新宿」「渋谷」のようなエリアなのだろうか。

 関係者によると大阪圏で坪300万円超えはあまりないようだが、大阪の一等地のホテル跡地なら、東京の3分の1として坪単価500万円はどうだろうか。最高の商品企画にして高値に挑戦してほしい。坪300万円の声もあるようだが、足立区北千住だって坪300万円以上する。

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「プラウドシティ阿佐ヶ谷」

 野村不動産は8月23日、杉並区の昭和33年に建設された阿佐ヶ谷住宅(350戸)の建て替えマンション「プラウドシティ阿佐ヶ谷」(575戸)の竣工見学会を行った。敷地面積が約4.3haの第一種低層住居専用地域(建蔽率40%、容積率平均111.4%)に位置する低中層大規模マンションで、ランドスケープデザインが素晴らしい。

 物件は、丸ノ内線南阿佐ヶ谷駅から徒歩5分、又は中央線阿佐ヶ谷駅から徒歩13分、杉並区成田東4丁目に位置する3~6階建て17棟全575戸(権利者住戸188戸含む)の規模。第3期の専有面積は58.99~102.79㎡、価格は未定、坪単価は380万円。竣工は平成28年8月。施工は安藤・間、西武建設、前田建設工業。設計・コンサルタントはINA新建築研究所。売主は同社(事業比率81%)、安藤・間(同19)。 

 昭和33年に日本住宅公団(現UR都市機構)によって建設された中層棟118戸、テラスハウス232戸の計350戸の分譲マンション。平成7年に再開発委員会が発足し建て替えの検討が進められ、同17年に同社が事業参画。紆余曲折の末、平成21年に「成田東4丁目地区」地区計画の都市計画決定がされ、同25年に全権利者との契約が完了、同26年に着工した。

 竣工当時は区分所有法制定前であり、土地の権利形態が明確に整理されておらず、複雑に入り組んでいたため、「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」の適用が難しく、権利者全員の合意による等価交換方式が採用されている。

 建て替え検討開始から21年を要して竣工となったが、これほど長期にわたったのは権利関係が複雑なうえ、近隣住民の反対、厳しい用途・高さ制限・容積制限が課せられていたためで、地区計画で建物の絶対高さが最高20mに緩和され、容積率も平均で111.4%と定められ実現したもの。

 見学会に臨んだ同社住宅事業本部マンション建替推進部長・岩田晋氏は、「事業参画してからリーマンショックや東日本大震災を経験し、地元、権利者などとの調整に時間がかかったが、極めて恵まれた条件のマンションになった。当社のマンションは竣工までに売れるのが普通だが、この物件はこれまで約半分しか供給していない。現地を見ていただいて買っていただこうと考えている」と話した。

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 これまでも再三再四書いてきたことだが、敷地規模が4.3haもあるのにどうして6階建てしか建たないのか、容積率が111%にしかならないのか不思議でならない。〝低ければ低いほど良好〟と考える現行の高さ規制はどんどん街をつまらなくさせる。

 第一種低層住居専用地域に中層マンションが建設された例では、住友商事が昭和50年代に建設した12階建て「成城ハイム」がある。

 とはいえ、規制が厳しいからこそランドスケープは素晴らしいものになった。駐車スペースを地下(一部除く)に配する徹底ぶりだ。〝管理するのが大変だろう〟と心配するほどだ。

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