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 昨日(10月31日)、「分譲戸建てから『勝手口』が消える…」記事を書いたその日、いつもユニークなアンケート調査をするアットホームが「戸建て・マンションの“ご近所付き合いの違い”調査」をまとめ発表した。

 首都圏の30~60歳代の「持ち家」に住み始めて2 年以上経っている既婚女性624名(一戸建て312 名、マンション312 名)を対象にネット調査したもので、①近所との現在の付き合いは「親しい」一戸建て50.0%、マンション34.3%②理想の付き合い方 マンションでも半数以上は「立ち止まって会話交わす」くらいが理想③近所付き合いが「苦痛」と思うことがある 一戸建て34.3%、マンション28.5%④「嫌いなご近所さんがいる」一戸建て42.3%、マンション36.5%⑤近所に苦情を言ったことがある 一戸建て13.1%、マンション25.6%⑥近所に言った苦情1 位 一戸建て「車や自転車の駐車」マンション「子供が走る音」-などの結果が出た。

 近所との“仲良し度”では一戸建てが平均60.2点、マンションが平均53.8点、近所付き合いの“満足度”では一戸建てが平均64.9点、マンションが平均63.6点となった。近所付き合いは「必要」という人は一戸建てが79.8%、マンションが72.4%だった。

 また、お隣のことが「好き」は一戸建てが42.9%、マンションが29.5%、お隣のことが「嫌い」は一戸建てが21.2%、マンションが12.8%だった。

 近所付き合いが「苦痛と思うことがある」は一戸建てが34.3%、マンションが28.5%だった。

 近所に「苦情」を言ったことがあるのは、一戸建てが13.1%、マンションが25.6%で、その1位は、一戸建てが「車や自転車の駐車」で、マンションは「子どもが走る音」だった。このほか、「ゴミやものが飛んでくる」「たばこの煙」(マンションに多い)「ペットの鳴き声」(一戸建てに多い)「子どもの叫び声(泣き声)」「歩く音」(マンションのみ)、「喧嘩の声」(一戸建てに多い)などで、「その他」も一戸建てが12.2%、マンションが22.5%だった。

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 〝あばたもえくぼ〟〝愛と憎しみは紙一重〟というくらい夫婦関係だって難しいのに、近所付き合いが容易でないことが浮き彫りになった調査だが、戸建てもマンションもそんなに悪い結果でなくてほっとした。女性だけでなく、男性にも聞けばまた違った答えが出たかもしれない。今度は男性のみにアンケートを取ってほしい。記者は近所の女性を「嫌い」と思ったことなど一度もない。その逆で、「好き」な部類に入る人が圧倒的に多い。

 「苦情」の原因は様々だが、「子どもが走る音」「歩く音」はその人が悪いのではなく、分譲した業者、施工した業者が悪いのだし、子どもやペット(鳴かないものもあるが)は泣(鳴)かないほうが心配だ。「喧嘩の声」に苦情=仲裁だと思いたいが=を持ち込む人は立派だ。

 個人的には、マンションで「タバコの煙や臭い」を嫌いな人が22件(有効回答350名)あるのは予想できるとはいえショックだ。マッカーサー、チャーチル、吉田茂、ドストエフスキー、夏目漱石、松本清張、キセルを持つ浮世絵の美人画、ゴッホ…はみんなタバコ好きだった。淡路恵子さんは「タバコは私の6本目の指」という名言を残した。タバコを禁止したのはヒットラーであり「イスラム国」だ。タバコは文化であり、嫌煙運動は間違いなく文化の破壊、優性思想につながる。

分譲戸建てから「勝手口」が消える わが国の文化の崩壊ここにも(2016/10/31)

 

 

 

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「ヴェレーナガーデン千葉ニュータウン中央」ミセステラス

 先日、全体で275区画もある大和地所レジデンスの分譲戸建て「ヴェレーナガーデン千葉ニュータウン中央」の記者発表会があった。この記事は改めて書くが、同社が先行して着工したⅠ街区20戸の図面集とにらめっこしていて気が付いたことがある。そのことから先に書く。

 図面集に描かれた間取り図のうち実に15戸に「勝手口」「ミセステラス・コーナー」「サブエントランス」が付いていた。戸建てに勝手口が付いているのは当たり前と思われる読者の方も多いかもしれないが、現状はそうではない。分譲戸建ての見学は昔と比べ5分の1くらいに減っているが、勝手口付きというのはむしろ少数派ではないかと思い、各社に聞いてみた。

 やはりそうだった。ハウスメーカートップの積水ハウスは「勝手口を設けることを基本としているが、東京など都市圏では土地の制約もあり難しくなっている」(広報)ようで、分譲戸建ての老舗で他社物件の施工も多い細田工務店は、「商品企画に対するお客さまの声を収集するためにアンケートを行っているが、そもそも『勝手口』に関する質問項目がない。付いていないことに対する不満の声もない」(営業統括部)という答えが返ってきた。

 また、グループ6社で分譲戸建てを年間4万戸も供給する飯田グループホールディングスも「ニーズのある地方はともかく、都市圏では少なくともここ5年、勝手口は標準化していない」(グループ事業統括部)という。

 各社の話を総合すると、土地面積に制約が多い東京都などの分譲戸建てでは勝手口はほとんど姿を消し、土地面積が広い郊外部ではかろうじて残っているところもあると判断できる。しかし、勝手口が付いていないことによる販売への影響はとくに感じられないという印象も受けた。

 おそらく、他のデベロッパーやハウスメーカーも同じ答えだろう。いつのころから勝手口付きが消えたか、断定的なことは言えないが、やはりバブル崩壊後だろうと思う。分譲戸建てに住む20歳代の女性は「勝手口って何? 」と話した。

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「ヴェレーナガーデン千葉ニュータウン中央」土間付き玄関

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 昭和50年代後半のマンション不況のときには、日本ランディッなどが戸建ての良さを取り込むため「勝手口付き」「ライトコート付き」マンションを分譲し人気になった。

その後も玄関スペース部分に〝土間〟や〝インナーバルコニー〟を設置するところも現れた。つい先日見学したコスモスイニシアの「渋谷笹塚」の物件では、玄関を入ってすぐに〝Wリビング〟が設置されていた。

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 いうまでもないことだが、勝手口はゴミの出し口や御用聞き用として利用されていたばかりでなく、家事労働の場としての土間との一体利用や、近所の人たちのコミュニティの場としても機能していた。

 マンションデベロッパーが勝手口や土間に注目するのに、戸建てはなぜ逆行しているのか。前述したように土地の制約があるためとはいえ、その機能を戸建ては果たさなくなってきたということを考えないといけない。

 勝手口付きの戸建てに住む60歳代後半の会社員は「勝手口はもちろんあったほうが便利。住宅に表玄関、裏玄関がなくなり、晴れ着などの言葉が使われなくなったように〝ハレとケ〟の文化がなくなったからではないか」と話したが、記者もその通りだと思う。

 考えてみると、これはわが国の文化が崩壊しつつあることを象徴的に表している現象で、さらに考えれば、表も裏も、白も黒も、右も左も、正も邪も判然としない社会になってきているのではないか。〝一億総活躍〟などとオブラートにくるまれたか、色眼鏡をかけられたせいで何だか世の中が白内障的な症状を呈しているような気がしてならない。

 大和地所レジデンスの設計担当者は「キッチンに付けた勝手口は(出入り口)は主にゴミ出し用、サブエントランスは玄関と反対側の道路面にある車庫から室内への動線確保、ミセステラスは勝手口を設けており、近所の方とのコミュニケーションの場としても活用可能と考えた」と、その設置意図について語った。

 ならば、その企画意図をしっかり伝えないと、ユーザーには届かない。魂を込めれば、この戸建て団地から「勝手口」の復権を望む声が湧き上がるかもしれない。

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 この記事を読んだ読者の方から次のような意見があった。なかなか示唆に富むものがあるので紹介する。

 「勝手口の是非について生れする必要がある。業者としては、狭い敷地に勝手口を設置するのは技術的に難しいし、コストの問題もある。狭小敷地では、お互いの見合いがないように窓の位置を工夫しているのが現状で、勝手口を付けたばかりに、お互いが見合いするようなプランはむしろマイナスになる場合もある。

 お客さんの側からすれば、わざわざゴミ出し口としての勝手口ならなくてもいいし、それよりものが置けるスペースがほしいと考えるかもしれない。

 昔のような井戸端会議のようなコミュニティはなかなか育たない。文化の崩壊は住宅だけのせいではない」と。

 なるほど。断っておくが、記者は「勝手口」をゴミ出し口としてとらえているのではなく、家族や地域の様々な問題を語り合えるコモンスペース的なコミュニティの場として考えている。そのような仕掛けをデベロッパーはつくるべきだし、そうすれば孤独死、自死、いじめ、DV、窃盗などは劇的に減少すると考えるがどうだろう。

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「ヴェレーナガーデン千葉ニュータウン中央」
 

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第19回「木の家・こんな家に住みたい」作文コンクール記念写真(住宅金融支援機構すまい・るホールで)

 日本木造住宅産業協会(木住協)は10月29日、第19回「木の家・こんな家に住みたい」作文コンクールの審査発表・表彰式を行った。

 作文コンクールは、「木の家」「木の建築物」「その材料としての木」のテーマに沿って語ってもらうもので、国土交通省、文部科学省、農林水産省、環境省、住宅金融支援機構などが後援。全国と海外5カ国の小学校から1,599校22,536の応募があった。

 冒頭挨拶した木住協・市川晃会長(住友林業社長)は、「皆さんからいただいた作品を、ここにお揃いの先生方に審査していただきましたが、先生方からは『今年は今まで以上にびっくりするくらい素晴らしい作品が多かった』と伺いました。

 私も皆さんの作品を全て読ませていただきましたが、木の家を通して、ぬくもり、優しさ、頑丈さ、そして、そこから生まれる将来の夢、お年寄りを思う優しい心、さらに、自然災害、バリアフリー、環境との調和など、世の中の関心事を敏感に感じ取り、それらが小学生らしい純粋な視点で書かれていて、とても心を打たれました。

 本当に甲乙つけがたい素晴らしい作品ばかりで、審査をしていただいた先生方も、さぞ苦労されたことと思います。

 私はこの作文コンクールが、皆さんにとって新しい発見や新しい感動を覚えるきっかけとなり、大地にしっかり根を張る大木のように、感性豊かな立派な大人に育っていってくれることを期待しています。

 この作文コンクールのテーマを支えている“木”は、未来につながる日本にとっても大切な資源です。少し難しい言葉ですが『サスティナブル、持続可能な資源』と言います。

 木は、1300年以上も前に建てられた法隆寺のようなお寺から、皆さんの家やその中の家具、ノートや鉛筆など様々な材料に使われています。そして今では、木を使った発電もできるようになりました。

 私たち日本木造住宅産業協会は、これからも木を大切にして、人や環境に優しく、ぬくもりのある、頑丈で、安全安心な木の家を、そして皆さんに感動を与えるような家をこれからも一生懸命に造っていきたいと思います」などと語った。

 また、来賓として登壇した国交省・住宅局住宅生産課長・真鍋純氏は、「作文は香りとか手触り感が生き生きと語られており、行政担当者として原点を知らされた」と祝辞を述べた。

 この日は、各大臣賞、木住協会長賞など28作品と佳作21作品、最優秀団体賞1校、優秀団体賞3校が発表され、各大臣賞についてはそれぞれ低学年と高学年の受賞者6名から作品朗読も行われた。

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市川会長

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 朗読された作文は、主催者の意向を忖度した親や学校の先生の指導・アドバイスを受けた結果、大人顔負けのこましゃくれた〝大人〟の匂いが鼻につく作文もあったが、全体としては世の中の関心事を敏感に感じ取り、それらが小学生らしい純粋な視点」で書かれおり、会場の参加者を感動させた。

 その中でも、記者の一押しは、農水大臣賞(高学年の部)を受賞した新潟県長岡市立青葉台小学校4年生・宮下月希さんの「わいど木のファンに」と題する作品だ。「わいど」とは「わたしたち」という意味の青森方言で、「わいど木」は転じて「青森ヒバ」の意味だそうだ。

 お父さんの実家のトイレは青森ヒバが使われており、その香りに驚き、貴重な木であることを突き止めていく展開がいいし、トイレが「私のひそかな観光場所」と結んでいるのが全体をきりりと締めている。以下、本人とお母さんの了解を得たので全文を紹介する。

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宮下月希さん

わいど木のファンに

新潟県長岡市立青葉台小学校4年 宮下月希

 いつも必ずおじいちゃんの家へ夏休みに帰省すると、行く場所があります。青森のむつ湾が一望出来るとても景色の良い場所です。同じ日本に住んでいながら、私の住む県では、絶対に見ることの出来ない、気持ちがリラックスできて、心が開けるそうかい感に、ひたれる最高の思い出の地です。その景色を見るために、いつも行ってもらうのですが、そこに、トイレがあります。とてもきれいなトイレでびっくりする位新しく感じます。トイレを好きだと言うと、おかしいかも知れませんが、私はこのトイレに入るのが、とても楽しみの一つになっています。

 他の人からしたら、何気ないふつうのトイレ。でも私は、そのトイレに入ると、ほっとします。トイレの入り口のドアを開けると、とても良い香りの木のにおいが、一気に私の鼻の中に入ってきます。木の香りは、とてもリラックスします。トイレが、良い香りと言うのも、変ですが、私は、そのトイレの木の香りが、毎年行く度に忘れられません。

 初めは、そのトイレがヒノキの香りだと思いました。ヒノキの木のにおいは、とてもいやされます。それと同じ木の香り。このトイレは、ヒノキの木のトイレではなく、青森県の有名な、青森ヒバというヒバの木を使って建てたトイレでした。

 ヒバの木、調べたらヒノキ科だと言うことがわかり、同じヒノキ科だから、香りも似ていることがわかりました。ヒバは、臭いや湿気をとる力が、ばつぐんに良いそうで、その機能を最大限にいかせるのが、家であり、そしてトイレではないかと思いました。トイレの臭いをヒバが、きゅうしゅうしてくれているのです。だからいつ行ってもヒバの良い香。消臭がばつぐんなんだと思います。

 私は、このトイレが、はずかしいけれど気に入っています。このトイレに入ると、気持ちが安らぐまほうのような木のトイレなのです。ヒバの木で、建てられた家に住めたら、どんなに幸せだろうと私は、いつも、ヒバトイレに行くと考えてしまいます。いつか私が大人になって、自分の家を建てられたら、絶対にヒバの木で、建てたいと思います。青森ヒバは、直径が70センチになるのにおよそ杉の木の三倍もかかり、およそ三百年もの年月がかかるそうで、とてもきちょうな木です。日本三大美林といわれているほど、きちょうな木だそうです。そんな木で建てた家は、何よりのぜいたくなお家です。トイレに使われているのは、もっとぜいたくな気がします。そんな、きちょうな木で作ったトイレと出会えて、何だか、とてもきちょうな所に自分は、いるのではないかと思えてきました。

 青森で毎年いろいろ連れてってもらうけれど、来年もまた、ヒバトイレに、行ってもらおうと思います。私のひそかなかん光場所です。

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左から三交不動産専務取締役・三木亨氏、同取締役・若山文則氏

 三木氏と若山氏には、表彰式が終わってから喫煙室でお会いした。一言二言、話したら、木の香りではなかったがわが故郷の三重県の方言の香りがしたので「どちらの方ですか」と声を掛けたら三交不動産だった。2年前は、同社の小井氏とばったりお会いし、その後、場所を変えてたくさん酒を飲ませていただいた。何のお返しもできないが、今度、三郷中央でマンションを分譲するので見学して記事にしたい。

 読者の皆さんはご存じないかもしれないが、三重県はわが国有数の山林県で、かつて〝山林王〟と呼ばれた諸戸財閥発祥の地だ。三交不動産も首都圏のデベロッパーに負けない素晴らしい戸建て団地を開発している。

 主催者と審査員の皆さん、審査に手心を加えよとは言いませんが、エールを送る意味で一つくらい表彰していただきたい。三重の小学生の皆さんもがんばれ。どこにも負けない山と木がある。

木住協「木の家・こんな家に住みたい」作文コンクール 最多応募2万4000作(2014/10/26)

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「ホシノタニ団地」

 ブルースタジオが企画・設計監修を手がけた小田急電鉄のリノベーション賃貸住宅「ホシノタニ団地」が、日本デザイン振興会が主催する「2016年度グッドデザイン賞」金賞(経済産業大臣賞)を受賞した。

 「ホシノタニ団地」は、小田急線座間駅前に所在する昭和40年代築の小田急電鉄の社宅(4棟)を賃貸住宅と市営住宅のほか、公益に資する複合施設として再生したもの。1階部分(一部の棟)には、市営の子育て支援施設と民間企業の運営によるカフェを誘致し、敷地内には、貸し菜園、ドッグランなどを設け地域に開放している。

 審査員からは、「かつての駅前の社宅の建物をそのまま利用し、新たに賃貸住宅と公営・民営のコミュニティ施設とに再生した事例。築後40年程を経て老朽化していた建物と敷地を、まちに開かれた全く新しい生活の場に編集し直した先端的な試み」として評価された。

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ブルースタジオ 小田急電鉄の社宅再生リノベ「ホシノタニ団地」完成(2015/6/26)

 

 

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「ザ・マインドスクェア瑞江」

 先日、ポラスグループ中央住宅マインドスクェア事業部東京東事業所が城東エリアに進出して10年を迎え、戸建て販売戸数がトータルで1,000戸になる記事を書いたが、今回はその続き。ほぼ1週間で完売した「ザ・マインドスクェア瑞江」を紹介する。

 物件は、東京都江戸川区瑞江4丁目の区画整理事業地内に位置する全7戸。土地面積は107~110㎡、建物面積は93.25~101.73㎡、価格は6,390万~7,500万円。構造は2×4工法2階建て。モデルハウス1棟は完成済みで、他は平成29年2月完成予定。

 現地は、表通りから一歩入った戸建てや中層のビルが建ち並ぶ第一種住居地域と近隣商業地域。敷地は3方が6m道路に囲まれた社宅跡地。

 建物は、パリ郊外の街並みをモチーフに、カースペースやアプローチに天然石の敷石を配し、サイクルスペースも設置。住戸プランは1階天井高2.7m、サッシ高2.2m、吹き抜けリビング・ダイニング、1階床は挽き板、食洗機、ユーティリティシンク、オリジナルの木製PCカウンター、小屋裏収納など(一部除く)。

 お盆明けに建設を知らせる看板を掲示したところ、問い合わせが150件に達したため、同社はモデルハウスの完成を待って10月半ばに販売する予定だったのを早め、9月末から受け付けたところ、ほぼ1週間で完売となった。

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キッチン・ダイニング

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 「瑞江」はどのような街であるかを少しは知っているが、分譲現場は全然知らなかった。観たとたん〝これなら何もしなくてもすぐ売れる〟と記者でもわかった。区画整理されたエリアだけに、駅近でもよく整備されており、隣接地には立派な戸建てや見事なパームが植えられた賃貸住宅らしきものもあった。

 いつものように、マンションにしたらいくらになるか坪単価をはじいた。最低でも250万円で、300万円近くすると判断した。

 つまり、マンションなら7,000~8,000万円するのに、戸建てで7,000万円前後なのだから売れて当然と判断したのだが、改めて同社の目利き力の確かさを思い知らされた。

 前回の「ヴィル・ボワール森下」と同様、「ザ・マインドスクェア瑞江」のモデルハスの現場で、中央住宅マインドスクェア事業部東京東事業所所長・南部好克氏と話し合ったのだが、南部氏が興味深いことを話したので紹介する。

 読者の皆さんは東京都の区市町村別主要10か国外国人人口データをご存じか。確か昨年か一昨年あたりだったと思うが、港区でも中国人がアメリカ人を上回り、現在は中国人が23区すべてでトップになっている。

 面白いのは江戸川区で、ここも中国人が圧倒的に多いのだが、インド人が韓国人についで第3位の3,126人に上っている。区部全体のインド人居住者は9,458人だから、実に33.2%の人が江戸川区に住んでいることになる。隣の江東区の1,788人と合わせ52.0%を占める。

 〝なぜなのか〟その理由を南部氏が話した。

 南部氏が懇意にしており、「紹介を通じて何件も成約させていただいている」インド人の方によれば、インド人コミュニティの名士ともいうべき方が〝荒川はインドのガンジス川に似ている〟と話したのがきっかけだそうだ。

 その話を聞いて記者も納得した。荒川のどこがガンジス川に似ているのかさっぱりわからないが、インドにとってガンジス川は文明発祥の地で、聖地であることくらい記者も分かる。日本の富士山のような存在か。室生犀星の「ふるさとは遠きにありて思ふものそして悲しくうたふもの」はインド人も同じなのだろう。

 もうこれ以上書かないが、地域密着とはこういうことを言うのだろう。インド人コミュニティに溶け込み、口コミで成約を伸ばせるのは南部氏の人徳か。今回の物件も、以前に分譲した「瑞江」の物件の購入を検討した人が多く、また、モデルハウスをみて「篠崎」の物件を購入した人が3人いるという。「城東エリアで年間300棟」という目標は南部氏にとって越えられない壁ではないように思えてくる。

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リビング

ポラスグループ 城東エリア進出10年 戸建て年間100棟、トータル1,000棟達成へ(2016/10/20)

 

 

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「パークホームズ錦糸町ザ・レジデンス」完成予想図

 三井不動産レジデンシャルと大栄不動産が共同で分譲中の「パークホームズ錦糸町ザ・レジデンス」のコンセプトルームを見学した。昨年末から分譲開始しており、残りは未分譲を含め12戸で坪単価は264万円。隅田川を超えた隣接の中央区では軒並み400万円を突破してきており、割安感もある。

 物件は、JR総武線快速・JR総武線・東京メトロ半蔵門線錦糸町駅から徒歩12分、都営大江戸線両国駅から徒歩11分、墨田区緑4丁目に位置する12階建て全55戸。現在分譲中の住戸(12戸)の専有面積は67.25~71.66㎡、5,228万~6,168万円、平均坪単価は264万円。竣工予定は平成29年2月下旬。施工は川口土木建築工業。売主は同社のほか大栄不動産。

 現地は三つ目通りに面しており、4方向道路。敷地南側は東方向にペンシルマンションが建っているほかは、眺望が開けた立地。外構に西武造園を起用し、植栽に力を入れているのが特徴。食洗機、ユーティリティシンクが標準装備。

 販売を担当する同社都市開発三部パークホームズ錦糸町ザ・レジデンス所長・山際寛生氏は、「昨年末から販売しており、西向きのタイプは完売。残りの住戸とこれから分譲する住戸は南向き。東側方向にペンシルマンションが1棟あるのみで、眺望が開けている。12月の第2週には建物内にモデルルームを設ける予定で、坪単価が400万円を突破してきている人形町あたりまで自転車で30分もかからないことをアピールしていく」とし、最近の市場についても「私が担当した坪単価281万円の『パークホームズ押上ザ レジデンス』(60戸)はほぼ即日完売。坪単価450万円の『パークホームズ日本橋人形町ザ レジデンス』(80戸)も残りわずか。予定通り進捗している」と話している。

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 価格が高いか安いか、これはユーザーが決めることで、もともと記者は錦糸町駅圏の相場は250~260万円くらいだと思っていた。ところが、スカイツリーが完成したあたりから、相場が一挙に上昇、スカイツリーが見える駅近物件は軒並み坪300万円を突破した。

 それどころか〝問屋街〟だった馬喰町、横山町あたりも坪400万円を突破してきている。いくら何でもこれは上がりすぎだと思う。総じて売れ行きはいま一つと聞いているが、機会があったら取材してみたい。

 そんなことを考えると、錦糸町駅から12分で坪単価264万円というのは〝旧価格〟なのかもしれない。

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外構

 積水ハウスグループの積和不動産関西は10月26日、大阪市中央区の真宗大谷派難波別院にある「御堂会館」の建て替え事業に着手したと発表した。事業スキームは、真宗大谷派難波別院の境内地の一部に60 年間の定期借地権を設定、真宗大谷派難波別院が賃貸人、積和不動産関西が賃借人となる。建て替え後は、東急ホテルズが運営する寺院山門と一体となったホテル「エクセルホテル東急」を中心とする複合施設となる。施工は竹中工務店で、2019年に開業する予定。

 大阪のメインストリートである御堂筋の名前の由来ともなっている「南御堂」難波別院は、親鸞聖人がひらいた浄土真宗の教えを400年にわたり伝えてきている。

 「御堂会館」は1961年に難波別院の山門を兼ねて建設されたが、施設の老朽化が進み、2016年1月に閉館された。難波別院は将来にわたって浄土真宗の教えを発信していくために「御堂会館」が必要であると考え、建て替えを模索してきた。

 「エコ・ファースト企業」39社で構成するエコ・ファースト推進協議会は10月24日、全国の小中学生を対象にした創作ことわざ第7回「エコとわざ」の受賞作品を発表。953点の応募作品の中から次の各賞を選んだ。各加盟企業賞(27点)の合計30作品を表彰する。

  ・環境大臣賞(東大阪市立玉川中学校2年・森田友梨さん) ちりも積もれば山となる エコが積もれば地球が輝く

・エコ・ファースト推進協議会優秀賞(東村山市立八坂小学校3年・本橋隼人さん) 木を植えて 次の世代へ 緑のたすき

・日本ことわざ文化学会賞(高砂市立米田西小学校6年・杉原杏由子さん)種ひとつ わたしの瞳に 森林(もり)映る

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 各賞はいかにも「冠」にふさわしいものだろうが、記者は以下の3点が子どもらしくて分かりやすいいい作品だと思う。

 ・一条工務店賞(大垣市立興文小学校4年・村上顕光さん) エコのため なくすものは ぼくのエゴ

 ・リクルートホールディングス賞(大田区立嶺町小学校4年・永井詩乃さん) 持物は、ハンカチ・ティッシュ・エコバッグ

 ・積水ハウス賞(沼津市立第三小学校1年・三善優花さん) あおいほし くろやはいいろ まぜちゃだめ

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「ウエリス浦和美園」完成予想図

 記者は50年以上の西武ライオンズ(前西鉄ライオンズ)ファンで、球団が所沢に移転してきたとき球場の近くの戸建てかマンションの購入を考えたほど熱を入れたことがあるが、サッカーにはまるで興味がない。国際試合は必ず観て日本を応援するが、国内の試合は浦和が勝とうが大阪が勝とうがどうでもよく、それよりも頭突きをしたり、得点するとユニフォームを脱いで裸になり卑猥な踊りもしたりする、退屈で野蛮なサッカーのどこがいいのかと思っている。

 また、街のポテンシャルはホテル、デパート、食など文化の集積が重要で、その点からしてわが多摩ニュータウンに勝るところはないと思っている。坂の多さを批判する人がいるが、起伏の多い街は景観を美しくする利点もある。千葉や埼玉の大規模住宅地の人気がいま一つなのは、起伏に乏しい地形にも一因があると思っている。

 そんな記者の独断と偏見の物差しで、NTT都市開発他「ウエリス浦和美園」を紹介することを了解していただきたい。

 まず、「浦和美園」について。300ha超に及ぶ土地区画整理事業「みそのウイングシティ」の都市計画決定がなされたのは1999年。バブル崩壊により事態が深刻になっていたころで、前途多難を思わせた。埼玉県やさいたま市も事業に関与していた。

 そして、2001年に埼玉高速鉄道浦和美園駅が開業し、浦和レッズが本拠とする埼玉スタジアムも完成した。2006年には「イオンモール浦和」が開業。その前後にポラスの大規模戸建て分譲が行われ人気になったが、東急不動産他のマンション「センターフィールド浦和美園」(197戸)は完売まで相当時間がかかった。

 記者はこの10年間、4~5回取材に浦和美園を訪れている。街の開発スピードは遅々として進んでいないと思う。もっと早い段階から民間〝活力〟を導入し、街の未来像を描くべきだった。駅前は貧しいのに、どうして駅から15分もかかるところにスタジアムを建設したのか。サッカーファンはやさしいのか、野球ファンなら怒る。街路樹も貧弱だ。官主導の土地区画整理事業は時代遅れの開発スキームだ。

 ところが、2020年東京オリンピックの会場に埼玉スタジアムが選ばれたこともあるのだろうか、ここにきて動きが出てきた。駅前に公共複合施設が開設され、順天堂大学附属病院、商業施設「ウニクス」の進出も決まった。約14,000㎡の公園も整備される。最近は三井不動産レジデンシャルやポラスの戸建て分譲が人気を呼んだ。近く、さいたま市の先進的モデルタウンの戸建て分譲も始まる。

 「浦和美園」はそんな街だ。駅舎、駅前広場は浦和レッズ一色で、チームカラーのレッドは広島カープ同様なかなかいい色だと思う。

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リビングルーム

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 さて、これからが本番。ここまで辛抱強く読んでくださった浦和レッズファンはもちろん、もはやマンションの取得は絶望的と思っている圧倒的多数派のサラリーマンの方にもう少し辛抱して以下を読んでいただきたい。

 「ウエリス浦和美園」は、埼玉高速鉄道線浦和美園駅から徒歩7分、埼玉県さいたま市緑区大字下野田字新道下に位置する15階建て「サウステラス」380戸と「ノーステラス」317戸の合計697戸の規模。現在分譲中の「サウステラス」の専有面積は70.11~92.84㎡、価格は3,478万~5,548万円(最多価格帯3,900万円台)、坪単価は175万円。竣工は「サウステラス」が2016年12月中旬、「ノーステラス」が2018年4月上旬。施工は川口土木建築工業。売主は同社(事業比率80%)のほか川口土木建築工業(同20%)。販売代理は住友不動産販売、東急リバブル。

 物件の特徴は、敷地の南側に約14,000haの公園予定地が広がり、敷地の東側には魚も泳ぐ綾瀬川に隣接している環境のよさだ。販売を担当する住友不動産販売の担当者によると、「始発駅であるので朝の通勤時には座れるし、地下を走るので遅延がほとんどない」とのことだ。

 住戸プランでは、埼玉県初のマンション向けエネファームを全戸に搭載しており、二重床・二重天井、ディスポーザ、「良水工房」が標準装備。コミュニティプログラムは当初1年間、事業主が費用を負担して支援する。

 分譲開始から約1年半、これまで「サウステラス」の約160戸が契約済みだ。「サウステラス」の竣工を前後して全317戸の「ノーステラス」の分譲が始まる。

 「ノーステラス」の特徴は、専有面積63~130㎡のプランバリエーションが全87タイプと豊富で、とくに75㎡の4LDKを設けているのに注目したい。このタイプは、ナイスが採用して成功したように、部屋数を確保したいファミリーをターゲットにしたものだ。

 さらに、70㎡の3LDKのプランは、間口を6,400ミリ(サウステラスは6,000ミリ)とするなど広くし、横長リビングにしたり収納に工夫を凝らしたりしている。

 また、これは「サウステラス」もそうだが、70㎡台の後半のプランの廊下幅を広いものは約1,400ミリとするなどすべてメーターモジュールにしているのも大きな特徴だ。

 価格についてはユーザーが判断することだが、レッズファンにはたまらないマンションではないか。設備仕様などは他のこれくらいの単価のマンションよりは優れているといえる。多摩ニュータウンなら坪200万円を突破するはずだ。勝敗のカギは物件の特性をどうアピールするかだ。

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 同社のマンションブランド「ウエリス」について。昨年の5月、「ウエリス銀座」を取材したとき、どうして物件名が「ウェリス」でないのか悩んでしまった。NTT都市開発ともあろうものが物件名を間違えるはずがない、記者の目が悪いので「ェ」が「エ」に見えるのだろうかと何度も確認し、結局、「ウエリス」にしたのだが、それまでの記事は全て間違っていたのだろうかと冷や汗が出た。

 何のことはない。同社が昨年1月、ブランド名「WELLITH(ウェリス)」を「Wellith(ウエリス)」に変更したのを記者は知らなかっただけのことだった。どうして「Wellith」を「ウエリス」と読ませるのか不思議だが、旧仮名遣いでは拗音・促音はほとんど大文字だったから、まあいいか。

 同社によると、今も「ウェリス」と「ウエリス」が混在しているのだという。

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ロゴマーク

 三井不動産は10月24日、オフィスビル事業で女性の活躍を応援する新しいプロジェクト「Work-Life Bridge(ワークライフ・ブリッジ)」を本格始動すると発表した。

 「Work-Life Bridge」プロジェクトは、「女性の視点」に新しい働き方やライフスタイルのヒントがあるという考えのもと、オフィスを単に働く場としてだけではなくOff Timeも充実させる場となるような施策を企画することで“Work”と“Life”の架け橋となることを目指し、女性の活躍を応援するもの。

 プロジェクト第一弾は、「手軽&豊かな食卓を通じ“働く”を応援します」をテーマに、有機・特別栽培野菜などのインターネット販売を行うオイシックス株式会社とのコラボレーション企画として、20 分で主菜・副菜が作れるレシピと食材のセット「Kit Oisix(きっとおいしっくす)」を販売するイベントを「日本橋一丁目三井ビル」(コレド日本橋地下1階、10/24~10/28 17:00~19:00)と「霞が関ビル」(地下1階、10/31~11/4 17:00~19:00)で行う。通常1セット2人前1,180~1490円の商品を1,000円で販売する。「KitOisix」の定期会員数は3万人を越えるという。

 同社は女性活躍推進のリーディングカンパニーを目指し、女性管理職の人数について2020年までに2015年度の3倍を超えることを定量目標に掲げている。

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 先ほど、「202030は可能か」の記事を書いたばかりだ。タイミングよく、同社が女性活躍を応援するプロジェクトを始動するニュースをリリースした。

 記者も主夫をやったことがあるのでわかるが、20分で主菜・副菜をつくれるのはいい。

 記者が子ども二人によく作ったのは「親子丼」「カツ丼」(カツは市販のもの)「ホイコーロー」などで、これだと30分はかからない。材料費も安い。カレーライスは圧力鍋を使って時間を短縮したが、ねぎを炒めるのに時間がかかるので1時間近くかかった。休みの日の定番は「チャーハン」と「ラーメン」だが、ラーメンはもやしの根を切り出すと30分はかかった。自分の食事は子どもが食べ終わってから作った(酒さえあればよかったのだが)。

 それにしても「Kit Oisix」の定期会員が3万人とは。ただ同じ食材で、同じレシピで、同じ味のおかずで食事をする「Kit」はブロイラーのようで何だか味気ない。それだけ働く女性が追い詰められているのだろうが、「愛」のかけらもない。「Motto」はどうか。

「202030は可能か」 日本学術会議 ジェンダー研究分科会セミナーに参加して(2016/10/25)

 

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