三井不動産レジデンシャル 町田・玉川学園の文教×駅5分の高台で都市型戸建て
「ファインコート玉川学園前スカイプレミア」
三井不動産レジデンシャルが近く分譲開始する都市型戸建て「ファインコート玉川学園前スカイプレミア」と「ファインコート町田旭町一丁目」を見学した。
まずは前者から。物件は、小田急小田原線玉川学園前駅から徒歩5分、町田市玉川学園7丁目の第一種低層住居専用地域(建蔽率40%、容積率80%)に位置する全11区画。土地面積は125.20~136.07㎡、建物面積は98.70~108.01㎡、価格は5,000万円台の後半から7,000万円台の前半の予定。建物は平成28年4月に竣工済み。構造は木造2×4工法。施工はエステーホーム。分譲は7月下旬の予定。
現地は、駅から物件入り口まで比高差にして約20m、さらにヒルトップまで2~3層くらいある高台立地。この坂と高台であることを生かし、敷地を37坪以上にし、建物はお互いが見合いしないように配置、全体として開放感のある配棟計画にしているのが特徴。電動シャッター車庫付きとビューバルコニー付き住戸が各3戸。
住戸プランは、「はぐくみプラン」を採用。外構にはハーブなどエディブルガーデンを設置、キッチンサイドの和室は置き畳式とすることで子どもの遊び場など多目的に使用できるようにしており、リビングin階段、フリーウォールを採用。
同社地域開発事業部営業室主査・朝日奈隆氏は、「敷地は元個人のお宅。高級住宅街として知られている玉川学園の駅近では、当社も含めて供給がほとんどなく、しかも文教地区の高台立地。このような物件を待ち望んでいらっしゃった方を中心にかなり広域からの反響がある」と話している。
玄関周りの植栽
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マンションにすれば7~8層に当たる坂は気になるところではあるが、もともと玉川学園は坂の多い住宅地だし、これほど駅に近い分譲戸建てを見たことはない。ビューバルコニー付き住戸からは玉川大学のキャンパスが望める。
外構が豊かなのは〝ファインコート〟の特徴でもあるが、感心したのは擁壁付きの住戸にハーブや低木を植えた植栽ゾーンを設けていることだ。まずこのような工夫・配慮は他のデベロッパーはあまりやらない。コンクリートの擁壁がむき出しになっている建物が多い。
建物デザインは、フランク・ロイド・ライトに代表されるプレーリースタイルを採用。スリット窓を連続させたり、水平ラインを強調したモールディング、幅広の縦窓柱などを多用したりしているのが特徴。
人気になるのは必至と見た。
擁壁周りの植栽(左奥が電動シャッター付き車庫
モデルハウスからの眺め(奥に見えるのが玉川大学の建物)
大京 横浜・港北のマンションの環境共生イベントに入居者の半数近い300名参加
メダカ放流会
大京と近鉄不動産が分譲した「ライオンズ港北ニュータウンローレルコート」(地上7階建て、総戸数221戸、2015年8月竣工)で管理組合が主体となった「ビオトープ・ふれあいの森生態系イベント」が5月に行われ、その模様が発表された。
イベントは、入居後初めて開催されたもので、入居者がマンションの緑と水に愛着を持ち、豊かな自然を大切に育み続けられ、ビオトープやふれあいの森が入居者間の交流の場となり、良好なコミュニティが形成されることを願って企画されたもの。
開催当日は、入居者の半数近い300名超が参加し、メダカ放流会、グリーンカーテン講座などを楽しんだ。
管理組合理事長・小泉周氏は、「ビオトープは、当マンションの誇るべき特徴の一つ。まだ1年足らずですが、すでに野鳥が飛来するなどしており、子供たちにとっても自然と触れ合う素敵な遊び場となっています。マンションの敷地の中で自然と共生するということはチャレンジングでもありますが、今回のメダカの放流をはじめ今後もイベントを企画し、子供からご年配の方まで、住民の皆さんに愛されるビオトープに育てていければと思っています」と話している。
大京の建設管理部 担当部長・中山雄生氏は、「自然環境と向きあっていくことは持続可能な社会づくりにつながる。こうした取り組みを継続したい」話した。
参加者の一人は、「子供と一緒に参加したのですが、ヤゴを実際に見たのは私自身も初めて。このような自然がマンション内にあると、日常的に自然と触れ合うことができ、子供たちの環境教育にいいのはもちろんですが、大人にとっても新しい発見があり、一緒に学ぶことができ、とても気に入っています」感想を述べた。
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このマンションは昨年夏、完成したときに取材している。ランドスケープデザイン、環境共生の取り組みが素晴らしい。イベントに入居者の半数近い300名超が参加したというのも驚きだ。
パッシブとスマートを融合した大京「港北ニュータウン」完成(2015/8/21)
積水ハウス 東京・赤坂で世界的ブランドのサービスアパートメント建設
積水ハウスが、世界的ブランドであるフレイザーズ社(本社:シンガポール)の最高級サービスアパートメント「フレイザースイート」を東京・赤坂で建設する。
開発予定地は、住居・オフィスが並ぶ落ち着いた赤坂5丁目エリアで、延床約15,000㎡。同社は事業主として開発・所有し、フレイザーズ社は運営を担当する。急増するインバウンド需要や東京オリンピックに向け増加する上質なホテルニーズに対応するもの。2020年春の開業を予定している。
運営を担当するフレイザーズグループの「フレイザーズ・ホスピタリティ」はホテル、サービスアパートメント事業をヨーロッパ、アジア、中東などで展開しており、「フレイザースイート」は最高級ブランド。同ブランドはパリ、ロンドン、ジュネーブ、シドニー、シンガポール、 北京、蘇州など32か所で展開。今回日本初進出となる。
大和ハウス 賃貸新商品 「市場は縮むが当社は伸びる。1兆円は近い」堀専務
「セジュールNewルピナ」完成予想図
大和ハウス工業は6月30日、賃貸住宅業界で初めてリチウムイオン蓄電池を標準装備した賃貸住宅商品「セジュールNewルピナ」を7月1日から発売すると発表した。
同社が2002年3月に発売した北欧風の外観を採用した2階建て商品「セジュールルピナ」のトラディショナルなデザインをペースとし、木目調外壁と白色の窓枠・破風のアクセントが際立つ7色のカラーバリエーションとすることで、北欧デザインを好む入居者ニーズに応える。
また、今後飛躍的に伸びると予測されている家庭用リチウムイオン蓄電池を業界に先駆けて導入することで、入居者の「安心・安全」に配慮する。
搭載するのは、エリーパワー社の2.5kWh家庭用リチウムイオン蓄電池で、幅32㎝、奥行き58.8㎝、高さ51.4㎝のコンパクトなため、収納やデッドスペースに設置でき、鉛蓄電池や水素蓄電池と比べ高効率で長寿命、事故も少ないのが特徴。
地震や落雷などの停電時に自動的に放電モードに切り替わり、非常時電源として家電製品などに電力を供給する。満充電の場合、連続8時間使用できる。
販売地域は全国で、販売本体価格は45万円/坪から(税別)。販売目標は年間500棟。
商品発表会に臨んだ同社取締役専務執行役員 集合住宅事業推進部長(東日本担当) 集合住宅事業担当・堀福次郎氏は、「従来商品と比べカラーバリエーションを増やし、2階建てから3階建てにも対応し、6~19人の小規模保育所やコンビニ、高齢者施設など非住宅を併設する提案を積極的に提案していく。中長期的には賃貸のマーケットは縮むが、入居者目線の商品づくりを進めていけば、現在、10%の当社のシェアは15%から20%には伸ばせる。前期売上高は8,800億円で今期は9,450億円だが、1兆円に迫るはずだ」などと、強気な姿勢を見せた。
堀専務
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堀専務の独演会を拝聴しながら、記者はずっと別のことを考えていた。断っておくが、新商品については細大漏らさずメモを取った。ほぼ完ぺきに取材できた。
堀専務の話は、本人か「地声が大きいので、マイクを使うとうるさいと怒られますので」と前置きし、マイクなしで話されたのだが、やはり声は大きく明瞭で要領を得ていたからだ。
一つだけ聞き漏らし、気になったのは冒頭の前置きの部分で、堀専務が「株主総会も無事に終わり、イギリスのEU離脱による株価の下落も止まり戻し基調なのと、2人目(と聞こえた)の…ため、今日は気分が浮き浮きしている」と話したことだ。
株価の下落が止まったのは記者も嬉しいが、堀専務の「2人目」の発言には、66歳の専務の子どもが生まれる訳はないし、孫の一人や二人生まれたからといって、そんなに気分が浮き立つものではなかろうとずっと考えていたのだ。
そこで、発表会後にその理由を聞いた。堀専務によると「直径が20㎝、わずか3日間しか咲かない大賀ハスが咲いたのです。もう15年前にお客さまにもらって大事に育てている」「えっ、専務の家には池があるんですか」「いや、大きな火鉢を3,000円で買ってきて、水を張って育てている。ところが、水を張ると蚊がわくので、女房が怒るんですよ。そこで、金魚を入れたら(大きな自分の腹を突き出して)こんなになっちゃった」と、これまた独演会の続きをやり始めた。
別の記者が「わたしにも仕事の話をさせてください」と遮らなければ、二人で延々とハスの話やらジャパネットたかたの名物会長・高田明氏のことなどに花を咲かせるところだった。
なぜ高田氏を持ち出したかというと、堀専務は声質と体形、それとタレント向きでない顔(写真参照)は高田氏と全く異なるけれども、分かりやすく人を引きつける語りがそっくりだからだ。
例えば、「8時間持ちます」「テレビも冷蔵庫も携帯の充電ももちろん大丈夫」「蓄電池の値段は90万円。でも賃料は上げません。そのエリアの最も高い相場に抑えます」「マーケットは縮みます。しかし、当社は伸びます」「高齢者施設や小規模保育所などの併設することをどんどん提案していきます」「賃貸住宅事業部の今期目標は9,450億円ですが、1兆円に迫ります」「当社の10%のシェアを15%まで伸ばすのは容易」…などだ。
このような立て板に水の話を聞きながら、記者は同社がCSテレビの枠を買い取って、堀専務が話せば営業マンにして100人分くらいの働きをするのではないか、空気だってその気になれば〝ダイワの水はおいしいですよ〟と売りかねないと考えた。
バカなことをずらずらと書いたが、堀専務の話の中で一番重要なのは「オーナー目線ではなく、お客さま目線」という言葉だ。
多くのハウスメーカーはこれを忘れているのではとずっと思ってきた。居住性能より利回りを最優先する商法がこの業界ではまかり通ってきたのではないか。記者は分譲が主な取材グラウンドだからそれがよけいにわかる。賃貸より持ち家重視の政策も後押ししているのだが、賃貸がプアだからみんな賃貸脱出を図ろうとし、分譲が売れるのだ。賃貸オーナーは建てたその日から空き室におびえる日々を過ごすことになる。
その流れをダイワハウスは変えようとしている。記者の身内からも「ダイワの賃貸マンションはいいわよ」という声を聞いている。堀専務は入居者の声に耳を傾けているはずだ。だからこそ、これまで6年間の実績が約2,100戸だった数字を1年間(500棟は戸数にすると約3,000戸)で軽くクリアすると話せるのだ。
来年の今頃はどのような話が飛び出すか。大賀ハスはまた咲くのだろうか。プレゼントしたお客さんも15年間も育ててくれた堀専務に感謝しているはずだ。顧客主義とはそのようなものに違いない。記者はもらったカサブランカを10年くらいで枯らしてしまった。
堀専務が咲かせた大賀ハスの大輪(堀専務提供)
「ライオンズ関町北グランヒルズ」で見た 第4世代の大京パッシブデザイン
「ライオンズ関町北グランヒルズ」
大京が2009年から積極的に取り組んでいるパッシブデザインの最新の第4世代マンションの一つ「ライオンズ関町北グランヒルズ」を見学した。従来の換気機能付き玄関ドアには新たに花粉やPM2.5に対応できる専用フィルターを採用しているほか、150Ø×2を標準装備。産学連携による様々な実証実験の結果、見える化・数値化も一段と進化している。
物件は、西武新宿線武蔵関駅から徒歩6分、練馬区関町北二丁目の第一種中高層住居専用地域に位置する5階建て全42戸。第3期2次(戸数未定)の専有面積は64.67~72.42㎡、坪単価は285万円。これまで約7割が契約済み。第3期2次の分譲予定は7月上旬。竣工は平成28年3月18日。設計は安宅設計。施工はノバック。
現地は、戸建てや中低層のマンション・アパートなどが建ち並ぶ閑静な住宅街の一角。敷地は3方道路の南北に細長い形状で、建物は東側道路から約7mセットバックさせ、その間は緑地や専用駐車場、専用テラスに充てている。
外壁は上質感のある自然石を採用しているほか、陰影の深い山型タイルを使用。
商品企画は、同社が2009年から取り組んでいるパッシブデザインをフル装備。換気機能付き玄関ドアには花粉やPM2.5に対応できる専用フィルターを初採用。バルコニー側には150Ø×2を標準装備。このほか、通気ルーバー付きドア、換気ストッパー付きサッシ、グリーンカーテン用のフックなども採用している。
設備仕様では、二重床・二重天井、リビング・居室天井高2.55m、ディスポーザー、食洗機、御影石のカウンタートップなど。
日大やLIXILなどとの産学連携による様々な実証実験の結果、見える化・数値化も一段と進化しており、①グリーンカーテンによる納涼効果は最大で10°C②グリーンカーテンにより紫外線は100%カット③エアコンを使用せずに室温は28°C以下④電気代使用料最大12%削減-などの実証結果が得られている。
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ゴミ置き場のことから書く。記者はマンションの記事ばかり書いているが、悲しいかな、ゴミ置き場のことは全くといっていいくらい知らない。同社の担当者に案内されて、いかに同社と管理会社の大京アステージが連携して顧客満足に応える取り組みを行っているかを知った。
他社も行っているかどうかわからないが、ゴミ置き場には脱臭装置がついており、蛇口もあった。ゴミを分別する大きな棚というか台もあった。
管理人がゴミの仕分けに忙殺されて、日常の管理業務ができなくなることを避けるために、ゴミ置き場も各自治体のごみ収集体制に合わせてしっかり設計するのだという。管理の室を向上させる一環だということだった。
共用部分には、非常時のことも考慮してトイレを設置することを同社は標準にしていることも聞いた。これも知らなかった。
次に単価だが、坪300万円はないと思ったが、その通りだった。しかし、これから分譲される物件は限りなく300万円に近付くはずだ。
パッシブデザインについては、みんな分かっているつもりでも実はあまりよく分かっていないはずだ。地味な取り組みだが、じわじわと浸透していくに違いない。
「心に響いた『女性登用は経営トップの決意次第』」 輸入住宅協議会・岡田会長
岡田氏(左)とクレール・ドゥロンジエ女史
輸入住宅産業協会は6月28日、通常総会後に「女性が活躍するカナダ・ケベック州 その女性の働き方とライフスタイル」と題するカナダ・ケベック州政府在日事務所代表のクレール・ドゥロンジエ女史の特別講演会を行った。同女史が「労働市場への女性参加を進めるのは経営トップの信念・決意が必要」と何度も強調したのに対し、同協議会・岡田正人会長(スウェーデンハウス社長)は、「経営者の意思がもっとも重要という話が心に一番響いた。経営者の一人として反省もしている」と講演会後の懇親会で語った。
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同女史の言葉を待つまでもなく、わが国でも女性登用のカギは経営トップの意思にあるといわれる。その通りだと思う。ボトムアップでは「女性活躍」は実現しないと思う。スウェーデンハウスが率先して男女差のない労働環境を整えていただきたい。
同女史によると、カナダでは選出議員のうち26%が女性議員で、閣僚のうち30%の大臣が女性であり、ケベック州の公務員の上級管理職・幹部のうち44%が女性だという。
建設業界でも、アクションプログラムを策定して、2018年の全体目標として3%を女性にする目標を掲げ、すでに3%存在している断熱工、タイル工、左官、塗装工、測量工などは目標を10%に引き上げるという。
目標達成には、仕事と家庭の両立のための保育サービスなどのサポートサービスが重要で、職場復帰の可能な母親の育児休暇と父親の育児休暇が欠かせないとした。父親の育児休暇取得率は1995年にはわずか4%だったのが、2012年には78%の新米パパが平均4.4週間の育児休暇を取得したという。
同女史は最後に、ゴールドマンサックスのキャティ・マツイ氏の次の言葉を引用した。
「日本は現在のモデルで驚異的な成功を収めた。世界第3位の経済大国になったが、驚くべきことは人口の半分の活躍なしにそれを成し遂げたことだ。もし全人口が活躍していたら、日本は今日どんな姿になっていたか想像してみてほしい」(これは正確ではない。わが国伝統の家父長制が支えたのであり、糟糠の妻が企業戦士を送り出したのだ⇒記者注)
町田氏(左)とクレール・ドゥロンジエ女史
◇ ◆ ◇
記者は最近、このところの地価とマンション価格の上昇に頭を痛めている。これまでも何度も書いてきたが、4人家族の平均的なファミリーが理想的とする30坪のマンションを購入するとすれば、間違いなく価格は最低でも4,500万円から5,000万円、年収にして10倍はする。東京23区ではこの価格帯は絶望的だ。都心勤務だと1時間では無理ではないか。
仮にそれが取得できたとして、勤務時間が9時5時の会社では子どもを保育園に預けるのも大変だ。女性、あるいは夫は職場を変え、自宅近くの条件が悪いパート・アルバイトに転職するしか選択肢はなくなってくる。
かくして住宅難民は郊外居住を迫られ、仕事を優先すれば子どもが産めなくなる-そんな社会に限りなく突き進んでいるように思えてならない。
この話を同女史に伝えたら、ケベック州では「わたしが子ども二人を育てたときの保育園は朝の6時から夕方の6時までだった。今はもっと拡充されているはず。格差の拡大はケベック州でも同じ」と話した。
特別講演会(セルリアンタワー東急ホテルで)
◇ ◆ ◇
特別講演会で進行係を務めた同協議会・町田ひろ子副会長がスピーチの中で、「わたしは若いころ、美貌で勝負するか、男と一緒に戦えるかと言われたことがある。わたしは両方ともできなかった」と話し、会場を沸かせたが、記者はドキリとさせられた。基本的には、町田氏が若かったころと今とそんなに変わっていないのではないかと考えている。
町田氏は「この特別講演会を男性の色の強いこの業界の意識を変える機会にしましょう。住宅リフォーム市場が女性の活躍できる舞台となるよう、輸入住宅の枠を超えて新しい時代を切り開きましょう」と呼び掛けた。
「多摩NTに風が吹く」 女性の仕事・子育て・地域活動を考える 多摩NT学会が討論会(2016/6/13)
「中古住宅」呼称はどうなる 「既存住宅」か「既築住宅」か それとも妙案はあるか
輸入住宅産業協会の懇親会(セルリアンタワー東急ホテルで)
昨日(6月29日)行われた輸入住宅産業協会の総会後の懇親会で、国土交通省と経済産業省のそれぞれの来賓あいさつの中で「既存住宅」と「既築住宅」という文言が用いられた。いま「中古住宅」の呼称変更を求める声があり、国交省も「いい呼び名を考えて」と呼称変更に前向きなだけに、なかなか興味深い挨拶だった。
まず、「既存住宅」という表現をしたのは、国土交通省住宅局住宅生産課 木造住宅振興室長・澁谷浩一氏だった。
続いて登壇した経済産業省製造産業局住宅産業室課長補佐・志村典彦氏は「既築住宅」を用いた。
記者は普段から「既存住宅」という言葉には慣れているが、「既築」は「鬼畜米英」を連想させるので好きな言葉ではないので、早速、志村氏にどうしてそのような表現になったのか聞いた。
志村氏は「特別の意図があるわけではない。新築に対して既築と言ったまで」と話した。同省では少なくとも2008年から「既築」という文言を用いて様々な補助事業を行っている。
傍にいた澁谷氏にも同じ質問をしたら、澁谷氏は、「あまり文言にこだわらないほうがいい」と語った。
国土交通省では現在、「既存住宅」と「中古住宅」が混在して用いられている。民間の不動産流通経営協会(FRK)では、「中古住宅」は平成18年度から「既存住宅」に改められている。
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「中古住宅はイメージが悪い。なにかいい表現はないか」と、呼称変更の声を真っ先にあげたのは、積水ハウス会長兼CEOで住宅生産団体連合会(住団連)の和田勇会長だ。和田会長はさまざまな会合で呼称変更を呼び掛けている。
これは冗談だろうと記者は思っていたが、国交省住宅局長・由木文彦氏も乗り気のようで、「省内では27年度から中古住宅を既存住宅にするようにしたが、もっといいネーミングは民間で考えていただきたい」と発言している。
いったい「中古住宅」はどうなるのか。個人的な意見では、やはり「既築」はやめていただきたい。しかし「既存」だって「毀損(きそん)」といういやなイメージにつながる。「既存」とするならば「既存(きぞん)」と「そ」に濁点をつけていただきたい。
ポラスグループ 平成28年3月期 戸建て、プレカット好調で売上、純利益が過去最高
左から中内氏、品川氏
ポラスグループは6月27日、平成28年3月期の決算発表会と記者懇親会を行った。売上高は1,742億円(前期比0.5%増)、経常利益は106億円(同4.2%減)、当期純利益は29億円(同0.3%増)。分譲戸建てやプレカット部門が好調で、売上高、純利益が過去最高となった。
主力の戸建て契約戸数は、分譲が前期比113.1%の2,345戸、注文が同105.9%の768戸の合計3,113戸となり、前期比111.2%と過去最高となった。強化エリアとしている東武東上線での供給増やリノベーションマンションが業績向上に寄与した。
分譲戸建ては、同社が商圏とする36行政区の3,500万円から4,000万円の価格帯で22%のシェア(2位は11%)を占めるなど圧倒的な強さを発揮。さいたま市、越谷市、柏市の3商圏で9年連続して「住宅販売総合部門№1」となった。
プレカットは、生産性向上に努めた結果、「圧倒的な業界№1を継続」(中内代表)し、売上高は685億円(前期672億円)と増収。非住宅や大規模木造建築にも力を注いだ。
平成29年3月期は、売上高1,850億円(前期比106.2%)、経常利益140億円(同31.1%増)を見込む。
ポラスグループ・中内晃次郎代表は、イギリスのEU離脱問題について記者団の質問に答え、「景気が悪くなる可能性はあるが、低金利、増税延期は住宅業界に追い風になり、当社の供給エリアからしてそれほど影響を受けないのではないか」と話した。
◇ ◆ ◇
記者は3つの質問をした。一つは他社物件の施工、2つ目は他社とのコラボ・マンションの販売態勢、3つ目はパンフレット・ホームページなどのデザインなどについてだった。
他社物件の施工については、同社が施工した三井不動産レジデンシャルの「つつじヶ丘」「国立」「浦和美薗」の3物件を見学して、施工レベル、デザイン性の高さに注目した。中内代表は「他社物件の施工はもう少し伸ばしたい。施工の波を少なくする意味でも、他社の文化を学ぶ意味でもメリットは大きい」と、今後も受注を増やす意向を示した。
他社とのコラボ・販売態勢については、同社はマンション事業を100億円規模に伸ばしたい意向で、ならば全て販売会社に委託している販売力を強化する必要があると感じたので質問した。これに対して中央住宅・品川典久社長は「大型案件についてはいろいろ考えてはいるが、将来的には自前で売る態勢を整えたい」と話した。マンション事業でもしっかりした地歩を築くためには必須要件だと思う。
同社は川口市の戸塚安行駅前で約200戸のマンションを今夏にも分譲するが、坪単価はかなり安くなる模様だ。しっかりレポートしたい。
デザイン性については、同社の戸建てを見学するたびに感じているのだが、実際の建物よりパンフレットやネットの完成予想図は見劣りがする。それを質したのだが、「良くはなっているが、さらに改善したい」と品川社長は語った。
もう一つ、これは余計な質問だが、「浦和レッズのスポンサーもいいが、西武ライオンズを応援するつもりはないか」と聞いたところ、だれもが笑って返事が返ってこなかった。そんなに西武ライオンズは魅力がないのか。
日本初の非常時発電と日本一の松 大京の「ライオンズ小岩グランテラス」で見た
「ライオンズ小岩グランテラス」完成予想図
大京が7月下旬に分譲する「ライオンズ小岩グランテラス」を見学した。小岩駅から商店街を抜けて徒歩11分。自家発電機に頼らなくても万が一の停電時に太陽光発電と蓄電池で3日間以上の電力を供給する日本初の「ライオンズセーフティアクション」を標準装備し、樹齢600年以上の枝ぶりが見事なことから国の天然記念物に指定されている善養寺の〝日本一の名松〟も近くにある。〝日本初〟と〝日本一〟の両方が揃った稀有なマンションだ。進化した「L'KITCHEN」も見られる。
物件は、JR中央・総武線小岩駅から徒歩11分、江戸川区東小岩4丁目に位置する14階建て全51戸。専有面積は65.25~84.37㎡、価格は未定だが坪単価は230万円になる模様。竣工予定は平成29年3月21日。設計・施工は穴吹工務店。
現地は、昔ながらの商店も多い昭和通り商店街を抜けて、すぐの近隣商業と第一種住居地域にまたがるエリアに立地。住棟は南東向きで、建物から南面側道路まで約37メートルの駐車場スペースなどがあり、その先は低層の住宅街が広がっている。1フロア4戸構成。
商品企画は、自家発電機に頼らなくても万が一の停電時に太陽光発電と蓄電池で3日間以上の電力を供給する日本初の「ライオンズセーフティアクション」が採用されているほか、進化型の「L'KITCHEN」と「ライオンズプラスエコ」が標準装備。
「ハンドエリアボックス」付きキッチン
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非常時の3日間電力供給は、大規模タワーマンションなどでは常識となりつつあるが、大規模な設備も必要でメンテ費用もかかる。しかし、同社が初採用したシステムはそれほどスペースを必要とせず、コストも抑えられるのが大きな特徴だ。
進化型の「L'KITCHEN」がなかなかいい。写真のように同社が開発した「ハンドエリアボックス」はマグネット付きで調理・洗剤などがコンパクトに収納できるようになっている。
もう一つは、これも業界初というユーティリティイシンクだ。ユーティリティシンクそのものは最近の流行りで、記者もたくさん見ている。なので、販売担当の女性が「カボチャが切りやすく…」などと話しているのを「何をいまさら」と聞き流していた。
しかし、ここで同社建設管理部担当部長兼商品開発課長・中山雄生氏が講釈をたれだして唸ってしまった。従来のユーティリティシンクはミドルスペースに水切りがついてはいるが、ここで固いものを調理することはできない。ところが、今回のシンクは同社が独自に開発したもので、まな板が置けるようになっていて、カボチャなどの固いものも切れるのだという。確かにカウンタートップで切るよりその下のほうが力を加えないで切れる。これは理に適っているスグレモノだ。魚をさばいたり肉料理をしたりするときは重宝するはずだ。その良さは調理した者でないとわからない。
中山氏によると、これから洗面室も進化型を登場させるという。
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同社の本店営業一部担当課長・神立浩之氏に案内してもらって現地まで歩いた。神立氏によると「都のデータによると小岩は錦糸町と同じくらい商店が多い」そうで、これには驚いたが、それよりもインターロッキング舗装の両側には、(焼き鳥屋が多いのはしっかり確認しなかったが)何と畳屋、銭湯、自転車屋に、結納品を扱っている店まであった。店先には今が満開のアジサイもたくさん植わっていた。こんな光景は湾岸にももちろん都心にはない。
単価は、このところの地価・建築費の上昇で坪250万円もあると見ていたが、施工が同社グループの穴吹工務店ということもあるのだろう。230万円は割安だ。女性の販売担当者は船橋だそうだが、船橋の駅近より安いのではないか。
こんな話をわいわいがやがや話していたのだが、もう一つ、最後になって、このマンションは日本一の稀有なマンションではないかと思うようになった。樹齢600年以上の枝ぶりが見事なことから国の天然記念物に指定されている善養寺の〝日本一の名松〟影向の松が徒歩10分圏にあるそうだ。〝日本初〟と〝日本一〟が両方揃ったマンションなどあっただろうか。
善養寺の〝日本一の名松〟影向の松
善養寺
消費増税問題より、株価の下落に懸念示す 2×4協会 市川俊英会長ら
左から細田氏、市川氏、加藤氏(都市センターホテルで)
日本ツーバイフォー建築協会の市川俊英会長(三井ホーム社長)が6月16日行われた総会後の記者会見で、このところの株価の下落に懸念を示した。
消費増税の延期に対する記者団の質問に答えたもので、「消費税は年明けから上がらないのではという声もあり、駆け込みとその反動についての対策も打ってきたが、マーケットにはそれほど影響は出ていない。それより消費者は低金利に関心が高く、ゴールデンウィークはかなり動いた。この傾向は当分続くと思うが、この1週間の株価の下落がどう影響するか注視したい」と述べた。
また、加藤博文副会長(三菱地所ホーム社長)も、「年明けからの住宅展示場への来場者数は前年比で2~3割増の月もあるが、消費増税というより低金利の影響。増税が先送りになったことで、受注が平準化されるのでよかった」と語り、細田正典副会長(東急ホームズ社長)は、「住宅展示場への来場は好調だが、受注増にはそれほどつながっていない。消費者は急いでいない。それより株価の下落など経済の不透明感が広がっていることがマイナスに働かないか懸念している」と話した。
同協会の今年度の重点施策について、市川会長は①ツーバイフォー工法の耐震性、耐火性・省エネ性の一層の向上・普及を図る②拡大する中高層・大規模建築について短い工期、低コストなどツーバイフォーの利点を生かし積極的に対応していく③国策になっている地域材の活用など地球温暖化防止に貢献していく-など3つのテーマを掲げた。「協会設立40周年を迎え、住宅着工に占める位置は着実に定着しつつあり、今後も飛躍を期す」と語った。