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道路幅44m、両側に3.6mの歩道と9mの緑地帯が整備されている国立の大学通り。サクラは約200本、イチョウは約120本

 昨日6月10日、国立市の市民を名乗る方から記者に電話が入った。記者が5月7日に書いた「住友不動産『グローブアベニュー国立』 高さ20mは自主規制の結果」という見出しの記事で、「高さ20mを超えてマンションを計画する場合は、景観審議会に諮問し、その答申が出る『半年から1年半ぐらい』(都市計画課)までは工事着手できないことになっている。同社は、この期間のリスクを避けるために自主的に高さを20mに抑えたわけだ」という記述が問題だというのだ。

 しばらく話したが、要領を得ない。相手の方はいろいろ話された。この問題について6月11日、市役所で市議を交えて話し合うのだという。記者はとっさに「それでは取材させてください」と頼み、了承された。その時点でどのような会合かは見当もつかなかったが、住友不動産の物件を含め、市内で計画されているマンション建設に反対されている方たちの会合だろうとは考えた。

 そして当日の6月11日。市議の方お2人と市民の方らしい3人に名刺を渡した。お2人の市議のうち一人は四分五裂、離合集散を繰り返している政党に属されている方で、もう一人は「節を曲げない」ことで知られる革新の〝老舗〟政党の方だった。

 市の都市計画課の職員との話し合い会場に入ることは断られたが、事後に話を聞けるものと解した。

 待つこと約30分。いざ、取材に入ろうとしたが、機先を制された。前者の方から「どのように書かれるか分からない記者には何も話せない」と有無を言わせず席を立たれた。ゆっくり自己紹介する時間はないだろうと判断して、単刀直入、もう一人の議員さんに「私は皆さんの味方ではありませんが、敵ではありません。是々非々です」「国立のマンションについては明和地所さんを支持しました」と語った。

 この「明和を支持した」というのが議員さんの逆鱗に触れたのか、「私は市民の味方。業者の立場の記者に話すことはない」と取材拒否。ここでなにも聞けなければ空振りになる。記者は「いえ、市民の利益と業者の利益は矛盾しません」と言い張ったが無駄だった。「あとで話そう」は「善処する」と同義語だというのは記者だって分かる。

外は土砂降り。

◇     ◆   ◇

 なので、今回の議員さんたちの会合がどのようなものだったかは分からない。しかし、住友不動産以外にあるデベロッパーが敷地面積約1,300㎡、延べ床面積約3,000㎡、高さ約20mのマンションを計画している。この計画を俎上に載せようという狙いがあるのではないか。

◇     ◆   ◇

 記者は議員の世界については全然知らないが、有権者をみれば握手をするのが議員さんの習性ではないかと思う。今日のA新聞にも「握手は民主主義に通ず? 」の見出し記事が掲載されていた。先日行なわれたマンション管理業協会の懇親会で取材した国会議員さん3人は、求めもしないのに肉体労働者でも物書きでもあり得ない肉厚で生暖かいグローブのような手で華奢な記者の手を強く握られた。女性が手を握られるのを嫌う理由が理解できた。AKB48だって票がほしいから握手会をやるのであって、そうでなければ薄汚い男に手など握られたくないだろう。

 国立市議さんも市民の代表であり、政党の代表だ。手を差し伸べないばかりか、話もしないで〝敵〟と決め付けるのはいかがなものだろう。議員さんが言う「市民」とは、単に票が確約された身内だけではないはずだ。

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 お2人の国立市議の方へ。記者は初めてお会いしました。決して「何を書かれるか分からない」という議員さんの個人的なことをお聞きするためにうかがったわけではありません。国立市が誇る「都市景観」はどうあるべきかをお聞きするためです。

 「市民の味方」であるはずの議員さんが、「業者の立場の記者」と決めてかかり取材拒否されるのか。その資質を疑います。どうして公党の代表として堂々と自説を語らないのか。絶対に「革新」政党とは呼べません。

 記者はビーンボールまがいの球を投げたかもしれませんが、この球を打ち返すのか投げ返すのか、それとも無視されるのか。それは勝手かもしれませんが、自分の都合でしか動かない議員さんは決して市民の味方にはなりえないと申し上げます。

 申し添えておきますが、記者は明和地所のマンション問題では、同社は当然ながら当時の上原市長にも市役所職員にも住民の方や集会も公平に取材しました。「国立市の対案プランは〝刑務所マンション〟」という見出しの記事を書きましたが、この記事は裁判で証拠としても採択されています。

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 「国立市都市景観形成条例」には、「(目的)第1条この条例は、国立市の都市景観の形成に関する基本的事項を定めることにより、『文教都市くにたち』にふさわしく美しい都市景観を守り、育て、つくることを目的とする」と謳われている。

 また、「(市民等の責務)第7条市民等は、自らが都市景観を形成する主体であることを認識し、互いに協力して積極的に都市景観の形成に寄与するように努めなければならない」とされ、「(事業者の責務)第8条事業者は、自らの責任において、積極的に都市景観の形成に寄与するように努めなければならない」と規定されている。

 ほとんど罰則がないのが都市景観を守る側からは問題とされている。

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国立駅前

住友不動産「グローブアベニュー国立」 高さ20mは自主規制の結果(2014/5/7)

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「ママトコ南浦和」完成予想図

 ポラスグループの中央グリーン開発は6月9日、「第8回地域住宅計画賞活動部門奨励賞」を受賞した「子育てママの理想の家をつくろう!」プロジェクトの設計基準を元に開発した新ブランド「子育てママの理想の家」シリーズ初の戸建分譲住宅「ママトコ南浦和」(全13戸)が好調なスタートを切ったと発表した。

 「子育てママの理想の家」設計基準は、一般の主婦(9人)が商品開発に取り組み、実際に建築・販売された4戸をワークショップを経て改良を加えたもの。6つの共通テーマ「家族で過ごす空間づくり」「子どもの育み」「家事ラク♪ママ楽♪」「スムーズな家事動線」「使いやすい収納」「安心・安全」で構成。子育てならではの細かな配慮や工夫が凝らされている。

 「ママトコ南浦和」は、JR京浜東北線・武蔵野線南浦和駅から徒歩18分、川口市小谷場字下谷に位置する全13棟。敷地面積は100.00~119.12㎡、建物面積93.98~102.26㎡、価格3,990万~4,630万円。5月中旬から販売開始し、1週間で半数以上の7戸を成約している。

 今後9月上旬に販売開始予定の「(仮称)パレットコート柏たなか未来区」(全53棟)の一部街区にも「子育てママの理想の家」を採用する予定。

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「ドマクロ収納」

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リビングを見渡せるキッチン

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味戸社長

 住宅分譲、不動産仲介、高齢者向け住宅の3本の事業を柱とするスミカ・味戸吉春氏に話を聞く機会があった。味戸社長はプロ野球の巨人ファンだが、事業については、リーマン・ショックを契機に「一歩足打法はやめようと決めた。それまではマンション事業が売り上げの90%を占めていたが、分譲事業は景気の変動に翻弄されるだけ。他の事業を伸ばし安定的に成長できる企業にする」と、興味深い話をした。

 まず同社の紹介。会社設立はバブル崩壊直後の平成3年3月。当初は仲介業からスタートしたが、平成10年に戸建てブランド「ソアヴィータ」の分譲を開始し、同12年には自社マンションブランド「カーサフェリス」でマンション事業に参入。同23年には高齢者向け住宅の開発・サブリース・運営を行う「スミカフルール・ケア」を設立。リーマン前は売上100億を超えたが、単体の平成26年3月期の売上高は42億円の予想。

 味戸社長は次のように話した。「リーマン・ショック前にはマンション分譲が9割でした。しかし、一本足打法では景気の流れについていけない。他の事業を伸ばして、マンションは体力以上にやらないことを決めました。今は年間2棟まで。戸建ては年間100戸が目標。自前で建設部門を持ち、城南を中心に建築条件付き土地分譲を展開しています。仲介は年間200件。うち3割が紹介、リピーターです。高齢者向けはこれから柱の一つにしたい」

 そして強調したのが経営理念についてだ。「社員、お客さま、取引業者、株主、地域の皆さんのために夢と感動を提供したいし、さらに地球環境にも貢献したい。経営理念に沿った事業を展開しているのが私どもの強みです」

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 味戸社長は福島県須賀川市出身の52歳。「福島は巨人しか放映されませんからジャイアンツファン」と語った。その味戸社長があえて王貞治氏の「一本足打法はやめた」というのは賢明な選択だ。

 記者はリーマン・ショック後にバタバタと中堅デベロッパーが破たんしたのを見てきた。10社や20社では済まないはずだ。多くは供給が止まれば即破たんするマンションデベロッパーだったし、不動産流動化なる〝虚業〟にうつつを抜かした企業だった。単品ビジネスの〝一本足打法〟は血のにじむような努力と並はずれた信念がないと通用しないと思う。

 その点、不動産流通業は手堅い事業だと思うし、これからは高齢者向け住宅事業も競争は激しいが有望だと思う。味戸社長がいうように、マンション事業は大手の寡占化が進む一方で、よほど商品企画を練らないと戦っていけない。

 同社の戸建て事業については知らないが、「大崎の12棟現場は2週間で土地の段階で完売しました。今秋には完成しますので、ぜひ見ていただきたい。グッドデザイン賞も狙います」と味戸社長が仰った。ぜひ見学してレポートしたい

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「リノマークス目黒本町」

 コスモスイニシアは6月6日、1棟リノベーションマンション「リノマークス目黒本町」の記者見学会を行い、販売を開始したと発表した。駅近でありながら比較的静かな住環境、平均80㎡の居住性、坪単価270万円という割安感、好みで選べるインテリアなどが人気で、全21戸のうちすでに10戸が契約済みだ。

 物件は、東急目黒線西小山駅から徒歩2分、目黒区目黒本町五丁目に位置する5階建て全24戸(うち非分譲住戸3戸含む、販売対象住戸10戸)。価格は50㎡台が4,298万円~90㎡台が8,998万円。坪単価は270万円。既存建物の竣工は平成8年2月。既存建物の施工はピーエス三菱。改修工事完了は平成26年8月下旬。

 現地は、信号がない道路を渡って駅から徒歩2分。前面道路は約15mで車の通りは多くないエリア。

 建物は個人オーナーだった賃貸用マンション。1戸当たり約700万円をかけて改修。地下には会議や懇親会ができる多目的ルームも新たに設置した。

 躯体と水回りを除きフルリノベーションが可能で、間取りの変更から設備仕様、カラーリングなども好みによって選べるようにしているのが特徴。

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廊下幅を1m取り、カリンの突き板を敷き詰め、書棚を提案したモデルルーム

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 話が散漫になるのを許していただきたい。思いつくままに書いた。梅雨空と一緒、考えも右往左往、まとまらなかった。

 出掛けがいけなかった。雨に濡れるとは〝梅雨〟ほども思わなかった。駅に降りたら結構降っていた。傘を持っていなかったので同業の記者の傘に入れてもらい駆け付けた。建物はろくに見なかった。これが判断を誤らせた。

 同社マンジョン事業部販売2部販売2課チーフ・辻井氏は「周辺の新築マンションの相場は330万円。当社は270万円。新築の相場や中古マンションと比較したら1戸当たり465万円は安いはず」と説明した。なるほどと納得した。

 アンティークな家具を配置したものや、床に花梨の突板フローリングを敷き詰め、長さは7m以上と思われる廊下の幅を1m確保し、書棚を設けたモデルルームを見るうちに、これは安いと思うようになった。アンティークな家具は、昨年、三井不動産レジデンシャルが「山下町」で提案して圧倒的な人気になったので、記者は理解できないが、いい提案だと思った。

 これまでの同社が分譲したリノベーションの「武蔵小杉」「津田沼」「横浜仲町台」はともに従前は社宅だった。記者は「津田沼」を見学しており、そのレベルの高さに驚いた。

 今回は築18年の賃貸マンションだ。外観のデザインはやや古く、天井高は2400しかないのが難点と言えば難点だが、アールのバルコニー、最大100㎡超で平均80㎡の居住性など、とても賃貸とは思えないグレードにびっくりした。1棟リノベーションマンションと言えば、従前は社宅というのが通り相場だろうが、質の高い賃貸も視野に入ってくるのだろうか。物件を取得したのは1年前だというが、4社競合の末に落札した同社の目利き力これほどの提案をした商品企画力はさすがというべきか。

 物件の評価を上方修正したのは帰りだった。同社にビニール傘をもらった。せっかくだからと外観などをしっかり見た。高さ規制があるためだろうが、同じレベルのスカイライン(高さ規制に記者は反対だが)が整っており、前面の道路が広く、舗道には植栽ますがあり草花が植えられていた。車の通りも少ない。そこで、新築なら坪単価は最低で350万円と弾いた。

 伊藤忠都市開発やモリモトの近隣物件もいい物件だが、これだけ差があれば売れるのは当然だ。ただ、単価は安いが、みんな広いのでグロスが結構張るのがどうか。

 3戸だけ非分譲というのは、賃貸入居者が入居したままで同社が物件を取得したため。賃貸借契約が終了したら、リノベーションして分譲する方針。

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モデルルーム

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「ザ・パークハウス 多摩センター」完成予想図

 三菱地所レジデンスの「ザ・パークハウス 多摩センター」を見学した。駅からペディストリアンデッキを通り徒歩4分の、多摩センター駅圏初の免震19階建て。予想平均坪単価は200~210万円程度。敷地の南側と西側には駐車場ビルがあるが、同駅圏の「駅近の免震」では最初にして最後のマンションになりそうだ。

 物件は、京王電鉄相模原線京王多摩センター駅・小田急電鉄多摩線小田急多摩センター駅から徒歩4分、多摩市落合1丁目に位置する19階建て全175戸の規模。専有面積は72.41~86.50㎡、価格は3,900万円台~6,200万円台、坪単価は200~210万円程度と思われる。竣工予定は平成27年10月下旬。施工はフジタ。販売は平成26年7月下旬。

 最大の特徴は、多摩センター駅圏初の免震マンションで、駅の南側立地としてはもっとも駅に近い最初にして最後のマンションになりそうなことだ。敷地の南側と西側には駐車場ビルが建っているのが難点と言えば難点だが、敷地との距離は22~31mもある。敷地の北東側は都の埋蔵文化財センターの公園が隣接。

 駐車場は全戸分設置(うち地下が76台分)。建物は白のマリオンとグラデーションがかかったガラスバルコニーが美しいデザイン。上層階のバルコニーには東京ガスの太陽熱集熱パネルが設置されている。設備仕様では、キッチンカウンターは御影石、食洗機、ミストサウナが標準装備。

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 わが街、多摩センター駅圏では大成有楽不動産「オーベルグランディオ多摩中央公園」(358戸)と大京「ライオンズ多摩センター ステーションブライト」(45戸)以来3年ぶりのマンション分譲だ。

 同駅圏で分譲されたマンションの坪単価の最高値は約200万円。この最高値をどれくらい上回るかが記者の最大の関心事だった。記者は内心230万円くらいつけてほしいと願っていた。残念ながら(ユーザーにとっては朗報だが)、そこまではいかないようだ。

 当欄で何度も書いたが、富裕層・アッパーミドル向けは高値追いをどんどん行っていいが、第一次取得層向けは極力価格を抑えるべきだと思っている。しかし、ものにはバランスも必要だ。多摩センターのマンションも第一次取得層向けが中心ではあるが、坪単価についていえば〝不当〟に価格が抑制され、株の世界でいう割負けがはなはだしい。これは解消されなければならない。

 割り負けは、人が不幸になることを心のどこかで願っているリテラシーに欠ける無責任なマスコミが〝オールドタウン〟などと書きまくり、それを真に受けたユーザーがそっぽを向いたのが最大の要因だ。記者はささやかな抵抗を示したが、誰も聞く耳を持ってくれなかった。反撃しなかったURや行政の責任も大きい。

 どれほど安いか。例えば、小田急線の新百合ヶ丘。ここで三菱地所レジデンスのマンションと同じ立地、レベルの物件が供給されたら、坪単価は250万円どころか280万円くらいするはずだ。中央線立川駅前の野村不動産の物件の単価はここでは書けないが、聞いたら仰天するだろう。先日取材した柏駅前の大京の再開発マンションは坪230万円だ。同じ京王線の調布駅前の住友不動産の物件より坪で100万円も安い。このままでは、リニアが停まる「橋本」に一気に抜かれるのは必至だ。

 坪単価200万円のマンションといえば、都内では多摩エリアの遠隔地か、埼玉なら所沢、大宮、志木以遠、千葉県なら千葉、松戸以遠、神奈川県なら戸塚、上大岡、長津田以遠しか供給できないだろう。いかに安いか。次の記者の独断と偏見に満ちてはいるが、核心をついた記事を読んでいただければ分かるはずだ。

◇      ◆     ◇

 多摩センターの魅力を書けば原稿用紙にして10枚くらいは一挙に書けそうだが、先輩記者に「書きすぎ」と怒られるのでここは最小限にとどめる。

 まず、特筆すべきなのは「パルテノン大通り」だ。多摩センター駅からまっすぐ正面の丘の上にあるパルテノン宮殿に似ていることから名づけられた多目的ホール「パルテノン多摩」までのレンガ敷きの遊歩道のことを言うが、距離は約400m、幅は約50mだ。これほどの歩道空間がある街は日本全国どこを探してもないはずだ。

 この空間の価値をさらに高めているのが街路樹のクスの大木だ。数えたことはないが40本くらいはある。クスノキの足元にはアダプト制度により植えた四季折々の草花が美しい街並みに彩りを添えている。クリスマスの時期になると、街全体が幻想的なイルミネーションで満たされる。

 文化の香りも他の街に勝るとも劣らない。大通りに面した三越の上層階にある「ココリア多摩センター」内の「丸善」は売り場面積約3,700㎡。カフェコーナーはないが、広さは本店に次ぐ。これも多摩センターが誇れるものだ。

 前出のパルテノン多摩では、かつては世界の小澤征爾の定期コンサートが行われていた。京王プラザホテルの和食は安くておいしい。多摩市限定の日本酒「原峰の泉」も絶品だ。

 これだけではない。多摩センターの素晴らしいのは住環境と自然環境だ。歩車分離が徹底されている多摩センターは、駅から徒歩30分圏どころか、車道とは立体交差になっているので徒歩や自転車で隣の永山や唐木田まで行ける。車の排気ガスにさらされなくても済む。信号もない。通学中に車が突っ込んでくることなどまったくない。子どもの交通事故の心配がない、親にとってこれほど安心なことは他にあるだろうか。

 緑の豊かさについては言うまでもないことだが、ただ緑が多いというだけではない。駅から10分も歩けば、季節になると絶滅危惧種のキンラン、ギンランが咲く。ホタルブクロ、曼珠沙華が群生するところもある。車の排気ガスにまみれていないヨモギやツクシも採り放題だ。どうしてそのようなかわいそうな名前が付けられたのかしらないが、ハーブと同じ解毒作用や鎮静作用があるドクダミは今が旬だ。ドクダミ茶を作ろうと思えば、1時間くらいで抱えきれないほど採取できるはずだ。

 街路樹のケヤキ、クスノキ、ユリノキなどは道路が広いから電信柱のように剪定する必要がないので伸び伸びと育ち、なおも成長し続けている。胴回りや高さは他の街の2倍くらいあるものも珍しくない。手を伸ばせば香しいクスの香りをかぐこともできるし、少し足を伸ばせば「一本杉公園」のように昔の「里山」に近い雰囲気のある雑木林や森もある。「一本杉公園」ではプロ野球の2軍戦や高校野球の都の予選が行われる。「炭やき名人」にも出会える。

 多摩センターの魅力はまたまだある。これは異論が出るかもしれないが、市の職員の給与が日本一と報じられたことがある。記者の団地仲間の退役サラリーマンは「給与に見合う仕事をしてくれたら異存はない」と言い放った。同感だ。職員が委縮し、市民に背を向けるほうが怖い。

◇     ◆     ◇

 さて、ここまで辛抱強くつたない記事を読んでくださった読者のみなさんは、多摩センターの価値をどう判断されるか。やや我田引水的な部分もあるかもしれないが、間違ったことを書いたとは全然思わない。この魅力、価値を正当に評価すればおのずと答えは導き出される。三菱地所レジデンスのあとに控える清水総合開発はどんな値付けをするか、これも注目だ。

 先日は、同じ京王線の若葉台駅に近い大成有楽不動産「オーベル若葉台ヒルズ」の記事も書いたので、こちらも読んでいただきたい。子育て世代はどちらを選択するか、悩ましい問題だ。

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エントランス部分は表からだと4層分ある

大成有楽不動産「オーベル若葉台ヒルズ」平均90㎡ 随所に新提案(2014/6/3)

多摩市一本杉公園の「炭焼き窯」 文化伝承する「一本杉炭やき倶楽部」(2013/2/25)

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「柏の葉第2グリーンルーム」

 みらいと三井不動産は6月5日、1日1万株の野菜を生産する国内最大級の植物工場「柏の葉第2グリーンルーム」見学会を行った。

 植物工場は、「柏の葉スマートシティ」の取り組みの一つである「ベンチャーを地域で支援する」一環として事業化したもので、三井不動産が工場事業主となり、みらいが工場を運営する。生産された野菜は、JAグループをはじめとする系列団体が国と連携して設立した6次産業ファンドからの出資を受けたみらいトレーディングがパッキングして出荷する。

 工場は、三井ホームが2×4工法で建設したもので、同社の過去最大の約150坪の無柱大空間を実現した。

 野菜は、外気を遮断し、無菌状態に保つ環境で栽培するために農薬は必要なく、また、天候や環境の変化を受けないので安定的効率的に供給することができる。清潔で苦みが少なく栄養価の高いものが生産できるのも特徴。

 発表会に臨んだみらい・嶋村茂治社長は、「おいしさにはものすごくこだわった。自負がある。絶対自信がある」と強調した。

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嶋村社長

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 嶋村社長が「味には絶対の自信がある」と断言した。〝疑ってかかる〟のが記者の習性だ。ならば自分の味覚で試してみようと思った。見学会には試食用として4種のレタスが用意されたので、それぞれ2枚(レタスの葉っぱは1枚、2枚と数えるのかどうか)以上だから10枚は食べた。

 しかし、トマトなら味が分かるが、レタスのおいしい不味いは即断できなかった。ならば、自宅のレタスと食べ比べようと考えた。駅前のららぽーとに出店している東急ストアで売っていると聞き、買いに行った。1人でレタスを買うのは10年ぶりくらいだ。

 ついでだが、先週の金曜日は、みらい平のスーパーで地元の農家が生産したトマト1パックを240円で買った。夕方予定されていた大京の広報や記者の方たちとの飲み会で食べるためだった。これは抜群においしかった。月曜日は、郊外の100円回転すし屋に入った。注文の仕方が分からず、となりのおばあちゃんから頭上のボタンの押し方、ワサビや醤油の使い方、お茶の入れ方を懇切丁寧に教えてもらい、イワシとイカを頼んだ。ややあって寿司が飛んできた。あまりにも不味く店を飛び出した。216円だった。あのイワシは間違いなく家畜に食べさせるアンチョビだ。職もそうだが、わが国の食はどうなっている!

 話しをもとに戻す。驚いた。記者の前にいたいかにもサラリーマン風の中年の人が買い物籠も持たず何と5袋も鷲づかみにして買ったではないか。送迎のバスを降りて真っ先にスーパーに入ったのは記者だけだった。レタスを買った人は絶対に同業ではない。まさか。記者が買いに行くのを知ったみらいが、売れていることを思い込ませようと送り込んだ回し者、サクラでもないはずだ。

 記者も負けずに5袋買おうと一瞬考えたが、思いとどまった。家に帰って怒られるのが落ちだ。結局、3種くらいあったうちの1種1袋を買った。消費税込で204円だった。サラリーマン風の人は1000円分のレタスを買ったことになる。

 夜、酒と一緒に自宅のレタスと混ぜて食べ比べた。「あなたね、これ高いわよ。うちは1個150円。値段? 野菜は価格があってないようなもの。この前までこのレタスは1個300円」と言われながら食べ比べたが、結局、味は同じだった。嶋村社長に軍配を上げるわけにはいかないが、洗わなくても食べられるのはいい。しかし、やはりやや高いか。スーパーで買った人はベジタリアンにしては太っていたし、富裕層が勤務中にレタスを買うはずがない。いまだに謎だ。

 こんなことを書くから「お前ねぇ、書きすぎだよ」と先輩記者にいつも怒られるのだが、自分の目や足、時には味覚まで動員して記事を書くから読まれるのだと思う。それにしてもやはり書きすぎか。これだけで900字近く。1行15字の新聞が発行されているときだったら60行。即刻クビだろう。当時、この先輩記者からは1本の記事は50行にとどめるよういつも指導されていた。先輩は「…の時代だ」などと預言者のような記事をいつも書いていた。

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記者が買ったのは左のほう(右のほうはよりシャキッとしたものだったか)

◇      ◆     ◇

 だらだらとつまらない記事を書いてしまい申し訳ないが、もう少し辛抱して読んでいただきたい。嶋村社長は、この植物工場を南極昭和基地でも稼働させ、同様の工場を何とモンゴルに輸出したと話した。

 記者は零下20~30℃の極寒のモンゴルに3回くらい行っている。モンゴルでは野菜は全て輸入。水と同様、貴重だ。工場とはいえ野菜が作れるはずがないと思った。プレハブのような工場で暖房施設がなければ水は一瞬にして凍るし、できた野菜は冷凍で出荷するのならともかく、暖房費用を考えれば中国、ロシア、カザフスタンなどの輸入品に勝てるわけがないと考えた。

 そこで、嶋村社長に「暖房をかけまくってCO2をまき散らす気か」と食い下がった。嶋村社長は平然と答えた。「冬でも工場内は暖房はいらない。冷房をかけているくらい。野菜に照射する電気の温度だけで大丈夫」と。後で聞いたら、工場の断熱材は15センチほどのサンドイッチパネルを使用しているとのことだった。三井ホームが建設した今回の工場では厚さ18.4センチの壁が用いられている。三井ホームの技術者によると「断熱性能の高いものならモンゴルでも可能」と話した。

 発表会に同席した千葉大学名誉教授・古在豊樹氏(哲学者・故古在由重の長男)は、「工場で使用する水は90%再利用できる。データはないが、中国などから貨物で輸入する植物の輸送コストを比較したらそんなに高くないはずだ。10年以内にコストは半分になる」と、価格競争でも十分勝算があると語った。

 もう一つ、疑問に思っていることがある。今回の施設は「工場」だ。〝農のある街〟が植物工場の目指すものだそうだが、街中に工場を作って農地並み課税なら理解できるが、宅地並み課税されて、果たして農地で作られる野菜と競争できるのか。また、農地や調整区域に「工場」を建てるのは許可が必要で容易でないはずだ。

 この点について、三井不動産ビルディング事業企画部長・小野雄吾氏は「工場のあるところは準工地域。投資額は6億円。宅地並み課税だが、収支はあう」と自信をのぞかせた。

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工事中の植物工場(どうしてこれほど美しい木組を他の工場と同じサイディングボードで覆わなければならないのか。記者は全く理解できない)

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山根理事長

 マンション管理業協会は6月3日、総会後の懇親会を開き、山根弘美・理事長(ダイワサービス会長)は、①管理業に関する中長期を見据えた調査・研究②防災・減害の取り組み強化③管理組合に対するコミュニティ支援④法令遵守の徹底⑤対外研修の実施-など平成26年度の方針について挨拶した。

 山根理事長は、26年度の活動方針について5点を指摘。「一つは、建物と組合員の高齢化に対応する調査・研究の強化で、『マンション長寿命化協議会』を『2025ビジョン懇話会』に改組して、激増する高齢者人口と駐車場の収入減など未知の世界に突入する2025年を見据えたハード・ソフトの取り組みを強化する」と語った。

 二つ目として、防災・減災に関連して、多数決でマンションの敷地の売却が可能となる「マンション建替え円滑化法改正」について触れ、「建て替えの選択肢が増える意味で評価したい」と述べた。

 3点目の管理組合のコミュニティ活動支援については、「様々な組合の活動を紹介する仕組みをつくる」と話した。

 4点目で取り上げた法令遵守については、「法令違反は少なくなってきてはいるが、満足できるものではない。金銭の毀損をなくすよう業界のプライドとして結果を出す」と強調した。

 5点目の対外研修では「若手を対象とした台湾への派遣を考えている」と語った。

 消費増税については、「8%については概ね適正に転化されているが、10%は手ごわい。単年度で赤字になる組合も出てきそうだ。マンションの共用部分は社会的資産。緩和策が必要ではないか」と、緩和を要望していくことを示唆した。

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 来賓として登壇した自民党マンション対策議員連盟会長・山本有二氏が絶妙のリップサービスで会場を沸かせた。まず俎上に上げたのが山根理事長。「今朝も家内に言われてゴミを出した。管理人の方とは顔見知り。山根理事長は管理人をやっていたというから、そのプロセスをゆっくり聞いてみたい。大変な人物。ヘブライ語が話せる、とんでもない博識の持ち主。オール・オーバー・ザ・ワールドです(世界をまたにかける男という意味か)」と持ち上げた。

 山口那津男・公明党代表、井上義久・同党幹事長(公明党マンション問題議員懇話会会長)らたくさん参加していた同党への牽制球も投げた。「井上さんたちがいたからマンション円滑化法ができた。公明党とわれわれはぶれない。集団的自衛権も円滑化法と一緒になってやれるはずだ」と、きわどいボールを投げた。

 このあと登壇した井上氏も山口氏も集団的自衛権についてはまったく触れず、牽制をかわした。

◇     ◆   ◇

 山根理事長は、ヘブライ語が話せる理由として「ヘブライ語もギリシャ語も、僕は元牧師だから常識、必須ですよ」と、すらすらと自分の名前を記者のノートに書いた。

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総会後の懇親会(泰一ホテル東京)

「パピプペポ」野村不動産パートナーズ関敏昭社長新社名秘話を語る(2014/6/4)

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マンション管理業協会の懇親会で挨拶する関社長

 今年4月1日に野村リビングサポートと野村ビルマネジメントを統合し、新会社「野村不動産パートナーズ」の社長に就任した関敏昭氏(前野村リビングサポート社長)が、6月3日に行われたマンション管理業協会の総会後の懇親会で新社名誕生の秘話を明かした。

 「新社名は少しこだわった。パピプペポです、パピプペポ。うちの新社名、知ってますか? そうパートナーズ。マンションもビルもブランドはパピプペポが多い。他社のことは言わない。他社批判は絶対にしない。業界標準は何の価値もない。私がいつも見ているのはお客さまのことだけ」

◇     ◆   ◇

 記者は2006年~2007年、大手のマンションブランドが全て「ハ行」であることに注目して記事にしたことがある。そのブランドとは次の通り。

・三井不動産「パークホームズ」
・三菱地所「パークハウス」
・野村不動産「プラウド」
・東京建物「ブリリア」
・東急不動産「ブランズ」
・藤和不動産「ベリスタ」

 関社長はどうして破裂音にこだわったのか聞かなかった。「プラダ」「ピエールカルダン」もあるが「ブルガリ」も「ビトン」もあるではないか。

◇     ◆   ◇

 関社長がマンション管理業協会の副理事に就任したのが昨年5月。この日は、副理事長として懇親会の席上で乾杯の音頭を取った。「私たちの業界は社会から期待され、要請も高まっているが、その一方で、年々日々、厳しい視線にもさらされている。雇用の問題や新しいビジネスモデルの構築など、社会から信頼されるよう努力を惜しまない」と簡単明瞭、完璧に初めての挨拶をこなした。

 「挨拶? どうだった。緊張した」と、立派な体躯に似合わない繊細な一面も見せた。「士」について関社長は「ぼくも宅建もマンション管理士の資格も持っています。管理士は第1回目の試験で1発合格した」とコメントした。

 平成13年度の第1回目のマンション管理士の試験では、記者は苦い経験がある。宅建主任者と異なり「士」を冠するのだから不動産鑑定士並みの難易度にすべきと主張、合格点は42点くらいと記事にしたところ、「厳しすぎる」とお叱りの電話が朝から殺到した。結局、40点以上だと数百人くらいしか合格しないことになり、合格点は38点(合格率7.4%)に落ち着き、約7,200人が合格した。

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平口衆院議員

 「宅地建物取引主任者」(宅建主任者)を「宅地建物取引士」(宅建取引士)へ名称変更することを主な内容とする「宅地建物取引業法の一部を改正する法律案」が6月3日、衆議院本会議で可決された。国会での審議はほとんど行なわれていないが、参議院での審議を経て成立する見通しとなった。

 こ日行なわれたマンション管理業協会の総会後の懇親会に来賓として出席した法案提出の立役者、自民党の平口洋・法務大臣政務官は、「名は体を表す。宅建主任者は一般の従業員から独立したベルの高い仕事をしている。『士』としてきちっと責任を果すよう資質の向上も求めた。より一層の消費者保護を図らないといけない」と語った。

◇     ◆   ◇

 恒例の懇親会の取材をほぼ終え、酒も少し入り、そろそろ退散しようかと思ったときだった。司会者が「国土交通部会…」と国会議員を紹介した。この言葉が記者のうろんな頭を刺激した。宅建主任者の呼称変更のことがピンと来た。すぐ取材モードに切り替え、国会議員の先生方に片っ端からコメントを取ろうと決めた。

 議員バッジを確認して最初に聞いたのは佐藤英道・衆院議員と河野義博・参院議員だった。失礼ながらどこの会派のどのような方かは全然知らなかった。公明党の方だった。

 佐藤議員は、「応援のコメント。主任者の業務はこれまで以上に複雑、高度化していく。『士』として責任を持って業務に励んでほしい」と語った。側にいた河野議員は「100点満点のコメント」と佐藤議員を褒め、自らは「私は99年だったか、銀行マンのとき宅建資格を取得した元商社マン。全力で応援する。これって200点の回答」と手放しで改正案を支持した。

 河野議員に「あの人が詳しい」と紹介されたのが冒頭の平口議員だ。平口議員は「毛利くん(太田国交相の代理として挨拶した毛利信二土地・建設産業局長)らと一緒になって円滑法の法案を作ったんだ」と国交省出身であることを明らかにした。

 頂いた名刺の裏に広島事務所が書かれていたので、「先生、広島は自民党の牙城じゃないですか。何期目ですか」と聞いたら、「いや、そうじゃない。2期目だが、2回落ちている。民主党に負けた。選挙は難しい」と話した。

 記者はいつものへそ曲がり根性をむき出しにしてさらに突っ込んだ。〝名は体を表す〟という言葉の信憑性が疑問だったので、「先生、先生も相当メタボではないですか」と質問した。「うん、いま80キロ。60キロに落とす」(先生)「先生、それって公約ですか」(記者)「うん、検討する」(先生)と、最後は言葉を濁した。

 記者の口車に乗って「80キロの体重を60キロに落とす」などといくら頑張ってもできないことを口走るから民主党に足元をすくわれるのではないかと思った。平口先生には「口は災いの元」の言葉をお贈りしたい。

 ついでだが、懇親会には海江田万里・民主党代表も挨拶し、リバースモーゲージについて力説された。これはこれで重要な問題だが、管理協の会場で話すことではない。ピントがずれている。自民党や公明党のようにマンションについてもっと勉強すべき。再浮上はきわめて難しいと見た。平口先生は失言さえ気をつければ当分安泰だろう。

 山根弘美・マンション管理業協会理事長にも「士」について聞いたら、山根理事長は「僕は宅建もマンション管理士もビルクリーニング技能士も持っている。管理業務主任者も『士』にしてほしい」と話した。山根理事長は「牧師」の資格も持っている。ヘブライ語を話せるのはこのためだ。

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佐藤議員(左)と河野議員

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「オーベル若葉台ヒルズ」完成予想図

 多摩ニュータウンの2つの注目物件、大成有楽不動産「オーベル若葉台ヒルズ」と三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス多摩センター」を見学した。価格がどんどん上昇する中で双方とも極めて割安感がある。まずは「若葉台」から。

 物件は、京王相模原線若葉台駅から徒歩5分、稲城市若葉台二丁目に位置する5階建て全115戸の規模。専有面積は78.60~m100.99㎡、価格は未定だが坪単価は170万円強になる模様。竣工予定は平成27年3月上旬。施工は不二建設。販売代理は大成有楽不動産販売。

 現地は、若葉台駅からフラットなアプローチの南東傾斜の高台最前席。駅周辺の開発はほぼ終了しており、このマンションが新築としては最後になる可能性が高い。

 住戸プランは平均90㎡超、100㎡以上が34戸というのが最大の特徴だが、この広さだからこそできる提案が随所に見られる。約4.6畳大の大型マルチクロークをはじめ約13.1%の収納率がそうだし、リビングに面したバルコニーの一部はほぼ2.5m四方のリビングの延長として多目的に利用できるスペースの提案が行われている。浴室は1620サイズ、LDは約20畳大、主寝室は7畳大だ。玄関収納はどんどん進化する同社オリジナル。

 もう一つ。これまで見たことがないパッシブデザインが施されていた。玄関ドアは表から見ると普通のドアだが、内側の下部には自然換気口が設けられていた。ドアの最下部から空気を取り込めるようにしているものだった。

 これだけではない。リビングドアはデザイン処理された通気口が設置されていた。さらに、バルコニーのサッシはサブロック付きでバルコニー-リビングドア-玄関に風が流れるようになっていた。外出時に開けっ放しにしなくても自然換気ができる〝スグレモノ〟だ。

 内装の提案としては、自然石をスライスして壁に貼り付けたものが提案されていた。オプションで50~60万円だそうだが、これがまたいい。

 販売は7月下旬。販売を担当する大成有楽不動産販売・輿水光樹氏は、「問い合わせは約600件。2週前からの事前案内会への来場者は100組弱。オリジナル収納、自然換気システム、広々としたキッチン、マルチクローク、多目的に利用できるバルコニー提案などが好評」と話していた。

 大成有楽不動産のマンションの商品企画は劇的に変わったが、このマンションも人気は必至と見た。

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玄関ドア 室内側

◇       ◆     ◇

 若葉台でこれまで分譲されたマンションは全て見学している。いずれもUR都市機構が土地を売却したもので、売買契約の条件として戸数(面積)規制があるため、居住面積が広いものばかりだ。

 これはこれで結構だが、少子高齢化が加速度的に進んでいる現状を考えれば、プラン提案はデベロッパーの自由裁量に任せるべきだ。20年も30年も一度決めた約束事を墨守するから存在意義が問われるのだ。今回も40㎡くらいの単身者向けを盛り込んでいたら飛ぶように売れたはずだ。単価は極めて割安感があるが、すべて広い分だけ価格は普通のサラリーマンの取得限界にある。

 高さ規制も取り払うか緩和すべきだ。今回のマンションもリビングの天井高は2450ミリだったが、これは建物の高さが15mまでに規制されているためだ。せめて居住性の高い建物についてはあと1mでも規制を緩和していたらもっと豊かな居住空間が確保されていたはずだ。

 若葉台がどのような街であるかは省略するが、駅周辺の街づくりはほぼ終了した。空き地になっているところもテレビ朝日などにすべて売却済みだという。わが街、多摩センターには総合力で劣るが多摩エリアではもっとも活気のある街だろう。

 稲城市の人口増加率は東京都市部でトップだ(多摩市は19位)。マンションが位置する「若葉台2丁目」の平均年齢は36.7歳で、稲城市全体でも41.4歳(東京都の平均は43.8歳、多摩市は44.0歳)と若い。公園、運動場などが占める割合も多摩市を上回るトップだ。

 とても学校とは思えないデザインの若葉台小・稲城第六中学校が人気なのも理解できる。後ほど書く三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス多摩センター」とはもちろん単価差(多摩センターは200万円を突破する)はあるが、グロスは似たようなものになる。子育てファミリーにとっては悩ましい選択だ。

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リビングドア(左)とバルコニー側のサッシ

 

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