2020年首都圏中古マンション成約は約3.6万戸 中古戸建ては過去最多 東日本レインズ
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は1月22日、首都圏の2020年(2020年1~12月)の不動産流通市場の動向をまとめ発表した。
中古マンションの成約件数は35,825件(前年比6.0%減)で2年ぶりに前年を下回った。
成約物件の1㎡当たり単価は首都圏平均で55.17万円(前年比3.2%上昇)で、8年連続の上昇。この8年で44.5%上昇している。
成約物件価格は3,599万円(前年比4.6%上昇)で、1㎡当たり単価と同様に8年連続で上昇。5,000万円超の各価格帯が成約件数、比率とも拡大している。
成約物件の平均専有面積は65.24㎡(前年比1.3%拡大)と2年ぶりに拡大、平均築年数は21.99年(前年21.64年)で、経年化が進んでいる。
中古戸建住宅の成約件数は13,348件(前年比2.4%増)と2年連続で前年を上回り、2016年(13,195件)以来4年ぶりに過去最高を更新している。
成約物件価格は首都圏平均で3,110万円(前年比0.2%下落)と2年連続で前年を下回った。
成約物件の平均土地面積は147.99㎡(前年比0.8%拡大)、建物面積は105.24㎡(同0.3%拡大)となっている。平均築年数は21.62年(前年21.38年)で、経年化が進んでいる。
新築戸建住宅の成約件数は6,334件(前年比7.9%増)と、2年連続で前年を上回った。
成約物件価格は首都圏平均で3,486万円(前年比0.7%下落)と、2年ぶりに前年を下回った。
成約物件の土地面積は122.95㎡(前年比0.3%縮小)、建物面積は98.40㎡(同0.5%縮小)となっている。
土地(100~200㎡)の成約件数は5,828件(前年比0.02%増)で、ほぼ横ばいながら前年を上回った。
成約物件の1㎡当たり単価は首都圏平均で19.41万円(前年比2.8%下落)と、2年連続で前年を下回っている。
成約物件価格は2,810万円(前年比3.0%下落)で、2年連続で前年を下回っている。
旧聞のみ 実態に迫れず羊頭狗肉の記事 週刊住宅1/18号〝ミニ戸建てがブーム〟
〝ミニ戸建てがブーム〟などと新型コロナの変異種が発生したかのような衝撃的な見出しを掲げ、大上段に構えたものの、ぬゑのようなつかみどころのない相手にたじろぎ、結局は腰砕けとなり、太刀を振り下ろすどころか鞘に収めることすらできずすごすごと逃げ去った-こんなたとえがぴったりの記事が1月18日付「週刊住宅」に掲載されていた。
読んだのはWeb版なので紙媒体ではどのように扱われているのか分からないが、かなりのスペースを割いているはずだ。記事の書き出しはこうだ。
「コロナの蔓延(まんえん)で新築戸建ての需要が伸びている。中でも急伸しているのがミニ戸建てと呼ばれる物件だ。いまなぜミニ戸建ての需要が伸びているのか。その理由を探るとともに、戸建てブームは今後も続くのか考察してみたい」
小生は、この段階で地団太を踏んだ。〝抜かれた〟と思った。小生も一昨年、「狭小住宅」の実態に迫ろうと挑戦したことがあるからだ。その時の記事を添付する。3週間くらいにわたり資料をあさり、現場を見学し、狭小住宅専門の業者に取材を申し込んだがかなわず、結局はなにも分からずじまいに終わったことが読んで頂ければわかるはずだ。
狭小住宅が隠花植物のようにじわじわと領域を広げているのはなんとなくわかるのだが、そもそも建売住宅のデータはほとんどないし、住宅着工統計では戸数や住宅の面積は把握できるが、敷地面積の記載はない。民間の調査会社もどこも市場を把握できていない。
なのに、ミニ戸建てがブームであることを週刊住宅が突き止めたとなれば、脱帽するほかない。
ところが、同紙の記事をどこまで読み進めても、新築や中古マンションのデータや住宅購入予定者の意識調査結果ばかりで、肝心のミニ戸建てについての言及がない。同紙は「新築戸建ての需要が伸びている」と書くが、本当だろうか。住宅着工統計では持家も分譲戸建てもこの1年間というもの毎月ずっと二ケタ近い減少を示している。着工と分譲とは時差があるので、あるいは需要増を背景に今後は着工も伸びるのか。(その可能性はあると思う)
やっと登場するのは、全体の分量2,000字の半分を過ぎたころだ。
だしぬけに「業績がV字回復したのがオープンハウスだ」(これは誤り。落ち込んだのは緊急事態宣言時のみ。同社はずっと業績を伸ばしてきた=記者注)とあり、「オープンハウスが取り扱う物件は都心の戸建てが中心。それもミニ戸建てと呼ばれる物件が多い。ミニ戸建ての厳密な定義はないが、多くの場合狭い土地に建てられた建て売りを指し、敷地面積は60~80平方メートル以下、1階に駐車場を持つ3階建てタイプが標準と言えるだろう。
オープンハウスの戸建て仲介契約件数は、20年4月は前年同月比39.1%減であったが、5月には反転し43.0%増、6月には52.3%増と大幅に伸長した。その結果、20年9月期の連結経営成績は前年度の約540億円(5,403億円の誤り=記者注)から575億円超(5,759億円の誤り=同)に伸びている。
コロナ禍を受けての好況はオープンハウスに限らず、ケイアイスターの不動産(これもケイアイスター不動産の=記者注)分譲住宅契約金額の対前年比増加率は32%と急伸しており、新築戸建て人気は数字の上でも見て取ることができる」とある。
長々と引用したが、ここで初めてミニ戸建ては敷地面積が「50~80㎡以下」ということが分かる。そして、その代表格としてオープンハウスとケイアイスター不動産を取り上げた。よく読むと、両社の決算数字など開示データをそのまま記しているに過ぎないのだが、それにしても何の根拠も示さずミニ戸建て=オープンハウス、ケイアイスター不動産と断定的に書くのは乱暴に過ぎる。
そこで、小生はオープンハウスに確認した。同社広報によると、グループの分譲戸建てを展開するオープンハウス・ディベロップメントが展開する分譲戸建ての敷地面積が「60~80㎡以下」の供給比率は50%に達しており(2020年9月期の戸建て計上戸数は2,804戸)少なくはないが、ミニ戸建て=オープンハウスにはならない。また、記事にある同社の営業成績の数値は一桁少ない。売上1兆円を目指す企業だ。荒井正昭社長が知ったら激怒するのではないか。(笑い飛ばすか)
そして同紙は「都心のマンション需要は高値の花になりつつあり、加えて部屋数の少なさがマンションの弱点として露呈した。持ち家事情の変化は、選ぶ側のニーズに対応して今後も(ミニ戸建て人気が)加速する気配が濃厚だ」などと遁辞でもって締めくくっている。
はっきり言って記事のすべてが旧聞で、自らの足で書いた真新しい事実は皆無だ。結局、「60~80㎡以下」のミニ戸建ての市場は〝闇〟のままだ。ひょっとしたら、書いた記者の方は一度もミニ戸建ても建売住宅も見ていないのかもしれない。そうでなければ、記事に添えられている立派な分譲戸建ての街並み写真を使うはずがない。この写真は敷地規模が60~80㎡以下のミニ戸建てでないことは明らかだ。どうしてこのような写真を使ったのか。写真も記事のうちだ。刺身のツマのように扱うのはいかがか。
ここまで結構辛辣なことを書いた。〝何もここまで〟と思う読者の方もいるかもしれないが、同紙は数少ない業界紙として影響力を持っているはずだし、持つべきだと思うからこそ、誤った記事に対してはきちんと記事で批判すべきというのが小生の立場だ。他意はない。小生の願いはいい記事を書いてほしい-この一点だ。
この小生の批判記事を同紙も読んでくれるはずだ。今度は素晴らしいミニ戸建ての第2弾、第3弾の記事を発信してほしい。小生が知りたいのは、ミニ戸建てが中古市場でどのような評価を受けるのかということだ。ここに焦点を当てるのもいいのではないか。不動産流通会社やレインズは狭小住宅のデータはないのだろうか。スムストックはきちんとデータを収集しているではないか。
敷地60㎡未満の分譲「狭小住宅」 都心部は軒並み50%超 最少の練馬は1.9%(2019/8/19)
小田急不動産 全10棟の分譲戸建て「リーフィア世田谷喜多見」3週間で完売

「リーフィア世田谷喜多見」
小田急不動産は1月20日、昨年10月31日から販売を開始していた分譲戸建て「リーフィア世田谷喜多見」(総戸数10戸)が11月22日に完売したと発表した。
2020年7月に公式ホームページを公開してから、資料請求は441件、9月からの来場者は155組に達した。
人気の要因として、同社は①新しい生活様式に対応したプランニング②街並み・外観のデザイン性③生活利便性と緑あふれる住環境など、コロナ禍で定着した「在宅勤務」やステイホームによる「おうち時間」に対応した商品展開がニーズとマッチしたとしている。
物件は、小田急線喜多見駅から徒歩12分、世田谷区喜多見七丁目に位置する全10棟。敷地面積は106.66~116.34㎡、建物面積87.79~98.01㎡。構造・規模は木造2階建(2×4工法)。施工は細田工務店。

モデルホーム
◇ ◆ ◇
この物件は昨年11月上旬に見学している。その時も残り1戸だったので、早期に完売となるのは間違いないと読んでいた。
ランドスケープデザインが抜群で、平均6,000万円台後半の価格もものすごく安いと思った。

ダイニングスタディカウンター
邸宅跡地の樹齢100年 モミジの借景取り込む 歴史を紡ぐ企画奏功 ポラス「光が丘」

「マインドスクェア ヘリテージ光が丘 つむぎのまち」
ポラスグループ中央住宅は12月3日、近代建築家・木下益治郎が手がけた昭和初期の農園別荘(旧邸宅)の意匠デザインなどを引き継ぎ、敷地内にあった樹齢約100年(記者の推定)のイロハモミジを住戸の商品企画に取り込んだ「マインドスクェア ヘリテージ光が丘 つむぎのまち」(全9戸)の販売が好調と発表。同日、報道陣に現場を公開した。
物件は、都営大江戸線光が丘駅から徒歩19分、練馬区旭町1丁目に位置する全9戸。土地面積は100.00~128.32㎡、建物面積89.25~103.27㎡、価格5,990万~7,590万円、平均6,723万円。建物は木造2×6工法2階建て。建物は竣工済み。
主な基本性能・設備仕様は、2×6工法、リビング天井高2.7m、スキップDEN(ワークスペース)、ウイルス除去効果がある「可視光線型光触媒」床、珪藻土塗壁、シダーパネル「木もれ美」壁、つむぎケーシング、スピーカー付きダウンライトなど。
9月19日に広告を10月10日に販売をそれぞれ開始。これまで148件の反響を集め9戸のうち8戸を成約。購入者の平均年齢は41歳、世帯年収は1,000万円前後。
旧邸宅は、三菱財閥創業者・岩崎弥太郎の姻族である各務鎌吉が昭和8年に建設した敷地面積約1,000㎡、延べ床面積423㎡。アメリカン・アール・デコ様式の設計を得意としていた近代建築家・木下益次郎が設計を担当した。
同社は昨年末建物ごと用地を取得。屋敷に刻まれた歴史と記憶を後世につなげる商品企画にするため解体を3週間延期し様々な調査を行うとともに、旧所有者の親族縁者や郷土史家研究者などを招き、神職による棟下式(むねおろしき:建物への、感謝とお別れの儀式)を実施した。
商品企画には、邸宅にあった樹齢約100年のイロハモミジをそのまま残し、旧邸宅の石畳などの古材も配置した小庭園「槭樹(もみじ)の間」「道しるべの小径」(60.17㎡)として整備。「槭樹(もみじ)の間」「道しるべの小径」に面する5戸の敷地の一部に地役権を設定し、共同で管理するように定めている。3年間はポラスが剪定費を負担する。
さらに、旧邸宅の格式、佇まいを記憶として残すため、特徴的だったいぶし瓦の屋根をモダンな和瓦で表現し、縦格子、丸窓、造作門柱などを採用。天然銘木のフローリング床には、室内照明が当たるだけでカビやウイルス、VOCなどを水や炭酸ガスに分解・除去する「可視光線型光触媒」を、玄関ホールに抗アレルゲン壁紙「アレルブロック」を、玄関手すりには抗ウイルス機能ビオタスクをそれぞれ採用している。
見学会に臨んだ同社マインドスクェア事業部取締役事業部長・金児正治氏は「一般的な分譲事業は回転率を高めスピードを重視するが、今回の既存建物は使われている材料、仕上げ、デザインなど普通ではなかったので、解体を3週間延ばし、歴史をたどりそれを残していく企画にした。同時に安心・安全を担保するためストレスフリーの床、壁材などを採用することでプラスアルファの価値を実現した。販売も好調なので、今後は当社の最上位モデルとしてこの〝ヘリテージ〟をマンション、複合開発に採用していく。用地取得でも優位に立てる」などと差別化に自信を見せた。
販売担当の同部東京西営業所所長・金井秀徳氏は、「周辺相場の5,000万円の半ばから後半よりかなり高い価格設定でも他社にない2.7mのリビング天井高、2×6工法、設備仕様レベルが評価された。ムービーパンフを採用することで接客時間の短縮もできた」と話し、プロジェクトリーダーの山口太郎氏は、建物調査で見つかった「棟札」や手斧(ちょうな)仕上げの面材を示しながらコンセプトなどについて熱く語った。
同社はまた、今期4~11月までの分譲戸建ての契約棟数は前年同期比126%と好調に推移していることを明らかにした。2019年に分譲した戸建ての残戸数は10戸程度とのことだ。

本物のポプラに手斧仕上げを施したタブロー窓

2階リビングの窓際には鏡面仕上げのフローリングとすることで、モミジが映り込むようにしている

旧邸宅のスケッチ
◇ ◆ ◇
コロナ禍での同社の分譲マンション・戸建てメディア向け見学会は今回で4回目だ。他のハウスメーカー・デベロッパーはほとんど行っていないので、同社が独走している。
小生は、ハウスメーカー・デベロッパーは記者を育てる役割を担っており、記者は現場(商品)を観ないと成長できないと思っているので、同社の決断を支持する。
今回も見どころの多い見学会だった。正味は1時間半だったが、記者は取材の帰り、光が丘公園を歩き、あれやこれや見て回ったので都合3時間くらい掛けた。
光が丘の戸建てと言えば、金児氏がこの日「うちが(入札に)負けた土地」と明かしたコスモスイニシアが4年前に分譲し、人気になった光が丘公園に近接する「グランフォーラム光が丘公園」(16戸)を真っ先に思い出す。
今回の物件は、光が丘公園に近接していたコスモスイニシアの物件と立地条件は若干異なるが、設備仕様レベルなどを考慮すれば価格は割安感があると思う。
モミジの既存樹を商品企画に取り込んだのもヒットした要因の一つだろう。モミジは「あと100年は持つ」とのモミジ専門の川口市安行の植木屋さんのお墨付きを得ているという、樹高にして7~8メートルくらいの巨木だ。
マンションや大規模戸建て開発では、既存樹をそのまま残し、あるいは移植しシンボルツリーとする事例が少なくないが、10戸くらいの規模で約60㎡の植樹帯を設け、企画に反映させたものは三井不動産レジデンシャルの〝ファインコート〟にいくつかあるくらいではないか。
その三井不動産は〝経年優化〟を積水ハウスは〝経年美化〟をそれぞれ掲げている。山万は〝千年優都〟だ。そしてまたポラスの〝ヘリテージ(遺産)〟が誕生した。半端でない取り組みが消費者に響くのだろう。

現地(手前に「道しるべ」の文字が彫られた石塔)

「槭樹(もみじ)の間」

光が丘公園
感動の金児氏vs宮崎氏トーク 全196戸のポラス「柏」3カ月で100戸成約(2020/10/10)
調整区域の市民農園付き200㎡邸宅 ポラス「ハナミズキ春日部・藤塚」企画秀逸(2020/7/3)
残り1戸 すこぶる好調 小田急不動産の戸建て「世田谷喜多見」全10棟

「リーフィア世田谷喜多見」完成予想図
すこぶる売れ行き好調のタカラレーベンのマンション「レーベン戸田公園GRANVARIO」58戸と、小田急不動産の戸建て「リーフィア世田谷喜多見」10戸を見学した。記事を書いているうちに完売するかもしれないので、先に「世田谷喜多見」から紹介する。
物件は、小田急小田原線喜多見駅から徒歩12分・成城学園前駅から徒歩16分、世田谷区喜多見七丁目の第一種低層住居専用地域に位置する全10戸。価格は6,000万円台の後半が中心。現在販売中の住戸(1戸)の土地面積110.05㎡、建物面積91.49㎡、価格6,928万円。建物は竣工済み。施工は細田工務店(建物・外構)。
法定建ぺい率は40%、容積率は80%地域だが、緑化率を高め良好な住宅地を形成していることから一部住戸を除き建ぺい率は45%、50%、容積率は100%に緩和されているのが特徴。幅員約5メートルの舗道はインターロッキング舗装。
10月24日から分譲を開始し、現在、残りは前述した二方角地の1戸のみ。販売を担当する同社住宅事業本部住宅販売部・金子秀太朗氏は、「休日の来場者は3サイクル全て満席で15件くらい、平日も少なくありません」と話している。

モデルホーム

ダイニングスタディカウンター
◇ ◆ ◇
記者は今年2月、人気になった同社の「リーフィア狛江 イデアカーサ」21戸も見学しているのだが、今回も現地をみて〝すぐ売れる〟と読んだ。価格も予想通りだった。高値追及をしないという読みは的中した。
同社の戸建てを取材すると、同社が同社の経営理念に掲げる「お客様にご満足いただくこと(顧客満足)を第一義に、安心、安全、快適な生活・環境の創造とその価値の向上に全力を尽くし、お客様からの信頼を日々積み重ねていくことを使命とする」を愚直に実践していることが伝わってくる。
今回の物件でも、もう少し価格をあげてもいいのではないかと思ったが、「浮利を追わず」なのだろう。流れに乗じて吹っ掛けることもせず、市況が弱含みだからと言って浮き足立つこともしない。いい会社だ。
残り1戸。高いか安いか、マンションか戸建てか-これは消費者が判断することだが、喜多見駅圏で近く分譲されるマンションは坪300万円をはるかに突破する。

街並み

分譲中の住戸

外構
小田急不 分譲戸建て商品PJ第4弾 在宅勤務に対応した「ウチBiz(ビズ)」販売
小田急不動産は10月28日、分譲住宅「LEAFIA(リーフィア)」の住まいへの想い(期待)をカタチ(商品化)にする新商品・サービス開発プロジェクト「想いカタチ.ファクトリー」の第四弾として、働き方改革やコロナ禍を契機に急速に浸透した「在宅勤務」に対応したプラン「ウチBiz(ビズ)」を開発し、現在販売中の分譲戸建て住宅「リーフィア祖師ヶ谷大蔵」、「リーフィア世田谷喜多見」に採用したと発表した。
「ウチBiz(ビズ)」は、「在宅勤務の利用頻度」や「ON・OFFの切り替え」に着目した9つのスタイルで、仕事だけでなく家族時間や自分時間にも使える新しい住空間の提案。
そのうちの一つ「ダイニングスタイル」は、扉を閉めるとダイニングスペースが3帖の大型ワークスペースに早変わりするプランで、また「カフェスタイル」では3帖のカフェ感覚で過ごせる3帖のスペースを提案している。
小田急グループの会員制アンケートパネル「Idea パレット」や同社従業員を対象とした社内アンケートの実態調査の結果では、理想の在宅ワークスペースは「自分の部屋・書斎」が約66%を占めていることから、今回の提案となった。
「リーフィア祖師ヶ谷大蔵」は今年2月に取材しているので記事を参照していただきたい。「世田谷喜多見」は取材を申し込んでレポートしたい。
アプローチは「ウルトラマン商店街」「IDEA20」盛り込む 小田急不「祖師ヶ谷大蔵」(2020/2/12)
周囲の街並みに配慮 大和ハウス 3階建て分譲戸建て「セキュレア文京目白台」

「セキュレア文京目白台2丁目」
大和ハウス工業の軽量鉄骨3階建て分譲住宅「セキュレア文京目白台2丁目」を見学した。護国寺駅から徒歩8分の戸建て住宅などが建ち並ぶ住宅街の一角に位置する全6棟で、低層3階建てマンションかタウンハウスの雰囲気がある。
物件は、東京メトロ有楽町線護国寺駅から徒歩8分、文京区目白台2丁目の第一種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率160%)に位置する全6棟。土地面積は114.47~128.01㎡、建物面積は132.46~133.98㎡、価格は16,990万~17,620万円。建物は軽量鉄骨3階建てで、10月20日に全棟完成済み。敷地境界から北側700ミリは6区画の所有者全員の共同利用地としている。
現地は、イチョウ並木が美しい不忍通りと目白通りからそれぞれ一歩入った住宅街で、日本女子大、目白台運動公園などにも近接。
各住棟とも南側の4m道路に接道。そこから700ミリの共同利用地を含め建物まで約10mセットバックさせ、大型車を含む2台分の駐車スペースを確保しているのが特徴。2層トップライト付きで太陽光、蓄電池、床暖房(LD)、食器洗浄機、ビルトイン浄水器、エアコン、防犯ガラスなどを装備。
各住棟のプランは、1階に5.1~6.0帖台の居室(一部はアクティブ土間、スタジオ)と浴室、洗面室、トイレなど、2階が21帖大のLDKとキッチン、トイレ(2帖大)、3階が9.2帖大の主寝室と7帖大の居室と2~3.5帖大のホール。
同社東京本店住宅事業部東京第五部住宅営業所店長(スムストック住宅販売士)・井上正樹氏は、「詰め込もうと思ったら建て方を変え、戸数を増やすことも可能でしょうが、居住者の車の出し入れ、2台駐車を考え、さらに北側の臨家との間隔を空けるなど周囲の住宅地に配慮した結果、このようなプランにしました。間口は2間しかありませんが、周辺の分譲マンション相場と比較して価格的な競争力はあるし、20帖以上を確保したLDK、9帖以上の主寝室、採光窓の多さはマンションには負けない。管理費、駐車料金もない」などと、販売に自信を見せていた。


「アクティブ土間のある家」

吹き抜け空間があるLDK

主寝室

2階トイレ
◇ ◆ ◇
同社の都心の都市型戸建シリーズ〝セキュレア〟を見学するのは、昨年6月に見学した「セキュレア四谷三栄町」(8棟)以来だ。今回見学をお願いしたのは今年9月下旬に行われたメディア向け勉強会で、同社住宅事業推進部 営業統括部 分譲住宅グループ グループ長・本間生志氏が、この「セキュレア文京目白台2丁目」も自信たっぷりに話したからだ。
「四谷三栄町」のときもそうだったが、〝大和ハウスともあろうものが、都心の狭小敷地の3階建てを分譲してどうするのだ〟と正直思ったが、現地を見た途端〝さすが大和ハウス〟に改めた。全体敷地は正方形に近く、住棟配置は難しいだろうが、超ミニ開発も可能だ。同社はそうしなかった。街並みにもしっかり配慮している。
価格はどうか。1.7億円前後というのは決して安くはないが、仮にこの地でマンションを分譲したら坪単価は550万円くらいになるはずだ。20坪で1億円以上だ。それでも売れるかもしれないが、その広さにアッパーミドル・富裕層は満足するだろうか。
2層吹き抜けのトップライト、2帖大の2階トイレ、スロップシンク付きの「アクティブ土間のある家」のプランがよかった。
井上氏にはもちろん、本間氏にも同社広報にも感謝したい。いま都心部では敷地が20坪もない超ミニ開発が隠花植物のようにはびこっているが、この種の良好な都心の3階建てにもっと光が当たっていい。

トップライト

居室

吹き抜け空間(3階から2階見降ろし)

2階リビング

目白台運動公園
またまた10年前の感動蘇る 大和ハウス 分譲・物流に関する勉強会 戸建てV字回復(2020/9/25)
東急ハンズとBinOと提携 新モデルハウス「ハスウクエア横浜」にオープン 細田工

イメージ図
細田工務店は10月4日、東急ハンズと規格住宅BinOを運営するBinOmaster's clubとのタイアップによるモデルハウスを横浜市都筑区の「ハスウクエア横浜」に10月10日オープンすると発表した。
スキップフロア構造を採用。壁で空間を仕切らずに、床の段差で立体的に空間を分けることで広がりと繋がりのある住空間を演出。顧客はライフスタイルに合わせ①Basicリビング階を選ぶ②infill間取りを選ぶ③optionこだわりや楽しみをプラス-を選べるほか、平屋タイプの「FREEQシリーズ」も可能。
モデルハウスでコーディネートされる家具や生活関連商品などは東急ハンズで入手できる商材を活用する。
積水ハウス 最大高さ10m×幅8mの勾配空間実現 木造「KOKAGE LOUNGE」発売

「KOKAGE LOUNGE(コカゲ ラウンジ)」
積水ハウスは9月8日、「New normal時代」の自宅時間をより豊かにする、まるで大きな樹の下にいるような豊かな住空間を提案する木造戸建住宅シャーウッド「KOKAGE LOUNGE(コカゲ ラウンジ)」の発売を開始したと発表した。
国内木造軸組で唯一「型式適合認定」に認定されている技術を用い、最大高さ10m×幅10mの業界最大級の「勾配大空間」を実現した。
同社は、「これまで蓄積してきたシャーウッドの屋根技術(従来屋根の3.7倍の屋根剛性)に加え、業界最大級の大断面棟木梁や大断面棟持ち柱という新たな構造技術を開発することで、最大8m×10mの勾配大空間を可能とし、住生活研究所による幸せ研究から導き出した暮らし提案を実現することが可能となった」としている。
販売地域は、全国(北海道・沖縄県を除く全国で、坪単価は90万円(本体のみ・税抜)から。販売目標は100棟/年。

勾配天井から軒下まで一体化された内部空間
三菱地所ホーム 木造の常識を覆す新構法「FMT」 富裕層・非住宅用途に照準

「ROBRA(ロブラ)」モデルハウス(駒沢公園ハウジングギャラリーで)

三菱地所ホームは9月3日、「世界初!木造住宅の常識を覆す柱や梁に捉われない自由な建築を可能にする新構法&ブランド発表会・内覧会」を行った。世界初の技術特許を取得した木造と鉄骨を組み合わせたハイブリッド「Flat Mass Timber構法(フラットマスティンバー構法)」(以下、新構法)を開発し、設計の自由度を高めたのが特徴で、新商品ブランド「ROBRA(ロブラ)」として9月5日から1棟単価5,000万円以上の富裕層や非住宅向けに販売開始する。
発表会に臨んだ同社代表取締役社長・加藤博文氏は「2015年4月に社長に就任した時から、建築上の制約も多い2×4工法には物足りなさを感じ、他社に先駆ける商品開発にチャレンジしたいと考えてきた。コロナ禍で4月に予定していた発表会は中止せざるを得なかった。今回は満を持しての発表会。新構法は木造住宅の概念を180度変えた。森林問題にも対応できる。住宅のみならず非住宅への展開も可能になる」とアピールした。
新構法と新ブランドについて説明した同社執行役員・月田徹氏は、「構想に5年以上、商品化に3年の歳月をかけた。空間の概念も、暮らしの概念も、デザインの概念も変えた。『木造を、アートにする。』のがコンセプト」と、商品に込めた思いを語った。
新構法は、厚さ150ミリのヒノキ材の集成材厚板パネルにH型鋼と接合金物を組み合わせることで接合部の脆性破壊の問題を解決。耐震等級3を維持しながら構造壁量は通常の2×4工法の1/6から1/7に抑えることを実現。構造壁を外壁に使用する必要もなく、各階層をずらしたり曲線にしたり、木を現しにすることも可能にした。跳ね出しのスラブは最大3.1m、二方向でも最大2.8m×2.3m確保できるようにしたのが特徴。
ラテン語で木を意味する「ARBOR」を逆さにした新商品ブランド「ROBRA(ロブラ)」のモデルハウスは、駒沢公園ハウジングギャラリーに建設。建物面積約104㎡、3階建て延べ床面積約272㎡(82坪)。新構法の特徴を表現するため、各フロアを自由な方向にスライドさせ、木や石を外観にちりばめることで自然素材の経年変化が楽しめるようにしている。室内空間のデザイン・設えは、全館空調「エアロテック」を標準装備し、高級材などをふんだんに用いてはいるが華美な装飾を避けている。
坪単価は約150万円~。同レベルのRC造と比較し2割くらいのコストダウンが図れているという。
壁の重さは450㎏/立方m。4トン車が通れる幅員4m以上の道路でないと構造壁の運搬が難しく、通常の2×4工法と比べ工期は1カ月くらい長くかかるのが難点のようだ。

構造模型


「ROBRA(ロブラ)」模型
◇ ◆ ◇
冒頭の写真を見ていただきたい。3層の建物はそれぞれ積み木細工のように捻じれている。しかも1階も2階も3階も正面部分には構造壁は使用されていない。鉄やコンクリなら技術的に可能かもしれないが、「木造一部鉄骨造」の建物ではまず考えられない。読者の皆さんも、このような「木造一部鉄骨造」は見たことなどないはずだ。
いまだにどうしてこのような建物の建設が可能になったのかよく分からないが、訳が分からなかったのは小生だけでなかった。他の一般紙の記者も「分かりやすく説明してほしい」と質問した。月田氏は建基法の規制について語ったが、建築技術に関する基本的知識がない記者が新構法を理解するのは至難の業だ。
実は、小生は似たような経験を最近している。8月19日に見学した大和ハウス工業「Dタワー西新宿」の外殻チューブ構造がそれだ。1辺9本のコンクリート柱を4辺の外壁に取り込み、その間隔を等間隔ではなく、最小1.8mから最大6mまでアトランダムに配置されていた。
設計を担当した日本設計建築設計群主管・淺見泰則氏から「通常の鉄骨鉄筋造のビルは構造計算上不具合が生じるが、外殻チューブ構造を採用したことで偏心が可能になった」と説明を受けたのだが、何のことかさっぱり理解できなかった。
今回の新構法もおそらく技術的には近いものがあるはずだ。
◇ ◆ ◇
モデルハウスについては、同社商品開発部商品開発グループ課長・原祥子氏から微に入り細を穿つ説明を受けた。原氏は同社の最高ブランド「オーダーグラン」の設計を担当しており、これまで何度もお会いしている。話はとても分かりやすく、面白い。今回も「設備仕様レベルは『新宿』と同じで、約1,000万円かけた」-この一言でレベルの高さがわかった。
ダイニングテーブルの大理石は文様が左右対称になるよう1枚の石を2つに割って張り合わせた〝ブック張〟を採用しており、ダイニングセットの価格は500万円、来客時に隠したい書籍を隠すことができる書棚は250万円、ケミカル製品に見えるインド産のバンブー(竹)でできたリビングの敷物は34万円、玄関ホールのベンチは北海道産の樹齢98年のナラの無垢材で67万円…。
原氏はナラ材のベンチを「ご注文いただければお家にお届けします」などと記者をからかい、「辛口にしないで」と何度も念を押した。原さん、わたしは「辛口」しか飲まない。

500万円のダイニングセット

34万円の竹が素材のカーペット

見せたくない書籍が隠せる250万円の書棚

67万円のナラ材のベンチ
◇ ◆ ◇
発表会では、ジャーナリストの津田大介氏をゲストに迎え、これからの住生活をテーマに月田氏とのトークショーも行われた。
津田氏は、「声をかけていただいたときは、何でぼくなのか驚いた」「ライフスタイルが多様化し、新型コロナは職住融合を加速させるきっかけとなった」などと語った。
月田氏は「職住融合は新型コロナがあったからではなく、オーダーグランのテーマの一つ」「これまでの2×4の技術では、メーカーと競合すればするほど結果的にみんな同じようになってしまう。今回の新構法には夢とロマンを込めた」などと応じた。
(記者は、時に過激な発言もされる津田氏がなにを話すかも今回の取材の楽しみの一つにしていたのだが、なんだか肩透かしを食らったような気がした。〝表現の不自由と住宅の自由〟をテーマにしていれば、新構法のよさに比してあまりにも貧弱な小生の表現力のその落差の大きさが伝わったのではないか)

左から月田氏、加藤氏、津田氏
大和ハウス 初のオフィスブランド「Dタワー」西新宿に完成 コンクリを外観に魅せる(2020/8/19)

