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「セレサージュ表参道」 

 コスモスイニシアの共同出資型の投資用不動産「セレサージュ表参道」が1月末に竣工し、販売を開始した。2017年に販売した「セレサージュ代官山」に次ぐ第2弾で、店舗6区画は全て入居契約・申し込み済み。3月から契約を開始する。

 物件は、東京メトロ銀座線・千代田線・半蔵門線表参道駅から徒歩6分、渋谷区神宮前三丁目に位置する地下1階地上4階建て、延床面積約995.33㎡。全6区画。建物は1月に竣工済み。

 募集総額は26.5億円、募集口数は530口、申込単位は1口500万円、最低申込金額は二口1,000万円。予定利回りは4.29%、運用期間は15年間。

 現地は、都営青山北町アパートの建て替えとともに、民間活力を生かしながら青山通り沿道との街づくりを段階的に行い、賑わい・文化・緑をつなぐ最先端の文化・両行の発信拠点を目指す約4ヘクタールの「北青山三丁目地区まちづくりプロジェクト」に近接。

 契約・入居が決まっているのは複数の美容室・美容院のほかゴルフクリニックなど。

 

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「鯛」

 2008年の北京オリンピック野球日本代表に選ばれながら、星野仙一監督から一度も経験がない左翼を守らされたことによって準決勝戦と3位決定戦で3失策を犯し、その後の野球人生を狂わされた元西武ライオンズの主砲・G.G.佐藤さん(本名:佐藤隆彦氏)のお父さんで、地盤改良会社トラバースの社長・佐藤克彦氏(74)が、玄人はだしの絵画展をポラスグループ中央住宅の分譲地「ザ・マインドスクェア葛西」のモデルハウスで行っている。

 「ザ・マインドスクェア葛西」は、東西線葛西駅から徒歩14分の全5戸。土地面積は100.50~103.13㎡、建物面積は91.23~101.93㎡、価格(4戸)は6,490万~7,690万円。

 絵画展の企画を行った中央住宅東京事業所長・南部好克氏は、「事業所を開設して10余年が経過し、1,000戸を超える実績を残して来れた。わたしの父が不動産業だった縁で、佐藤さんは小さい頃から存じあげている。佐藤さんの会社の近くの喫茶店で話し合っていたとき、佐藤さんが描かれた絵がたくさんあったので、それから企画が始まった。この種のイベントはこれまでやったことがないが、少しでも地域に貢献できたらうれしい」と経緯を語った。

 佐藤氏に話を聞いた。( )内は記者。

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佐藤氏(左から2人目)と同社関係者

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「あさやけ」

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遭難時の「危機一髪」

◇       ◆     ◇

 (絵を描くきっかけは)「平成に入ってから。危機一髪の物語があるんだよ。友人に誘われて東京湾へ好きな釣りに行ったんだよ(夜釣りですか? )いや、昼間(意味が通じなかったよう)。マリンスタジアムの沖だった。海がひどく荒れていてね、小さな和船だったもんだからね、2度ほど大波に襲われて、もう死ぬかと思った。その体験・光景を残そうと絵に描いた。NHKがその絵があることを保安庁から聞き出し、取材に来て、テレビにも放映された。まあ、きっかけはこんなもんだ」

 (G.G.佐藤さんはまだ西武に入っていなかった? )「そう、まだ入団前の法政大の学生。あのとき父が死んでいたら野球の選手にならなかったかも」(G.G.佐藤)

 「当時は釣りばっかりやっていたが、本業では住宅づくりを始めたんだ。船橋のだれも手掛けない、土地が安い傾斜地ばかりを仕入れてね。東大の先生が驚くほどの軸組パネル工法をあみだし、特許も取得して売り出した。20棟くらい建てたか。あまりにも素晴らしいもんだから、周りの建売業者はみんな貧相な自分たちの住宅をシートで覆ったほどだった。取引先だった旭化成ホームズの部長さんも視察に来てね。『斜面地はうちはやらないから、バッティングはしないからいいか』と不問にしてくれた。ただ、あれは時代を先取りしすぎちゃった」

 (しかし、いまは凄い売上ですね)「180億円くらいか。目標は200億円」

 (話は絵に戻りますが、これまでどれくらい描かれているんですか、売らないのですか)「年間3作品くらいか。トータルで50~60作品。この前、会社を辞めたかわいい子にプレゼントしたこともあるが、売らないね。金がないわけじゃないからね。展覧会? 応募なんかしない」(記者も絵を描くからこの気持ちはよくわかる。魂を込める自分の分身を金で売りたくはないのだろう)

 ここで、南部氏が「絵画展は1月26日に始めたばっかりですが、先日の土日には18組くらいお客さんがいらっしゃるほどの盛況でした。購入されたインド人のお金持ちを含めて2人の方が『絵を譲ってほしい』と希望されていますが…」と話した。「お金に困っているわけじゃないからね…」(社長、社長の絵にG.G.佐藤さんのサインを入れたらとんでもない値が付きますが)「……」

 (いったい、いつ絵を描かれるんですか)「朝8時から1時間くらい。9時から17時まで仕事。それからまた1時間くらい描いて。夜の社員との会議に出かける」(飲み会? )「それもあるが、日替わりで社員と歓談するんだよ。税務署にも経費として落とせるよう認めさせた。飲むとね(どれくらい飲まれるんですか)ビールをジョッキで3杯、焼酎割を2~3杯。酒を飲むとね、頭が回るんだよ」(社長、頭が回るというのはちょっと税務署に具合が悪い。だだの飲み会じゃないですか)「そうそう。酒を飲むとね、血の巡りがよくなっていいアイデアも浮かぶんだよ。そして終わるのが9時半ころ。土曜、日曜はかみさんと一緒」

 (それにしても、ずいぶんお元気そうですね)「入れ歯は一本もないよ。メガネ? これはガラス。視力は1.0だからね。糖尿? 全然ない」

 (G.G.佐藤さん、お父さんのように絵を描かれたら? )「目覚めたら…」

 同社広報マンの「一番のお気に入りの作品は? 」との問いに「(熱海の40号くらいの絵について)ほら、空に全くムラがないだろ。小さな建物もきちんと描かれているだろ。これはね、独学で会得した技術があるんだ。しかし、人物、とくにこの人(自分のこと)が描けないんだよね…」

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佐藤父子

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◇       ◆     ◇

 佐藤氏は1944年、愛知県生まれ。法政大学卒。1976年、東京西神田に測量会社を起業。1989年、トラバースに社名変更。趣味は絵画のほか囲碁(3段)、将棋(2段)、海釣り、ウクレレ演奏。

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絵を鑑賞される来場者(左上の「あさやけ」が最高に素晴らしい)

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うまく撮れていないがこれも素晴らしい

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「ザ・マインドスクェア葛西」

G.G.佐藤のトラバース ピンチ 「プロは一人」の制限で予選敗退も(2018/6/9)

元西武梅田RBAも初打席初安打 決勝打 トラバース快勝 エイブル 移籍小笠原を見殺し(2018/6/14)

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 毎週火曜・水曜日はモデルルームが休みなので暇に飽かせて「住宅新報」の連載「明海大学不動産学部 不動産の不思議 学生たちの視点と発見」を読んだ。率直な感想を思いのままに書き連ねる。きつい表現もあるかもしれないが、いつも通りわが業界紙に頑張ってほしいからで、他意はまったくない。

 この連載は、2013年9月24日発行号から始まったもので、1月22日付最新号で第267回だ。5年以上もよく継続していると感心するのだが、記者はこれまでほとんど読んだことがない。読者である不動産のプロもやや物足りないと感じるのではないか。なぜか。一言で言えば、それは虚心坦懐にものを見る姿勢、〝なぜ〟という問いかけにやや欠けるからではないか。世間の常識を疑ってかかるのが学問の初歩だと思うがいかがか。

◇       ◆     ◇

 最初に俎上に載せるのが最新号の4年生・Tくんの「邸宅の門」だ。

 Tくんは、「街を歩いていると、広い敷地に立つ(文のまま)格式のある建築物が目についた。もっとも、建築物はくたびれ、門は空き家のように疲弊しているが、人が住んでいる。豊かさを物語る格式の高さと、手入れが行き届かない現状のアンバランスが、ひときわ目を引く」と書き出している。

 その門とは「薬医門」のことで、以下、14行にわたって延々と門の説明が続き、さらに伝統的な建築物がなくなってきたことから始まり、技術革新と低コストを背景に最近の敷地の狭い住宅が主流になり、職人の減少などにより伝統的家屋の修復が難しくなってきたことまで綴り、その保全に取り組む必要があると説く。

 このTくんの主張に対し、教員は、「持ち家の価値保全が重要課題の今、住宅への追加投資が『割に合わない』社会を改める必要がある」と締めくくる。

 ごもっともだ。しかし、へそ曲がりで馬鹿を自任する記者はこのような羽織袴と白無垢の欺瞞に満ちた結婚式のような正論はちっとも面白くない。

 もっと具体的に書くべきだ。「くたびれた」は、例えば「老醜をさらしながらそれでも美しい花を咲かす樹齢数百年の石割桜」か、あるいは(書けば単位を貰えないかもしれないが)「着たきりスズメの我が教官」くらいまで踏み込んで、読者をひきつけるべきだ。

 「疲弊」も「くたびれている」のとほぼ同義語。これも「わが両親の夫婦関係と懐具合と同じくらい疲弊している」と書けば誰も文句はつけない。

 「空き家のようだが、人が住む」と書くのは住人に対して失礼。そのような状態になった理由も千差万別のはずだ。きちんと住人に理由を聞くべきだ。その答えにヒントがある。予想するに「先立つものがない」からだろうが、その問題を解決するためにはどうすればいいか、そこでTくんの主張が生きてくる。そんな広い敷地なら売り払ったほうが高値で売れるとか、歴史的建造物に指定すべきだとか、公的資金を投入して保全すべきだ…などと。

 ついでに言えば、人も建築物も年月を経れば「くたびれる」し「疲弊」もする。その老いを覆い隠すサイディングやケミカル建材が当たり前のように使われるほうがおかしいのではないか。経済効率を最優先するいまの価値観を疑ってみてはどうか。

◇       ◆     ◇

 第254回では、恵比寿ガーデンプレイスのマンションの外観が美しいと2年生Kくんが書いていた。記者もそう思う。あのカルロス・ゴーンさんが住んでいたマンションとは対照的だ。

 しかし、このマンションは住戸内に柱や梁型が結構出ているのが難点だ。外観だけでは善し悪しが測れないということだ。人と同じだ。よく観察する以外に本質・本性を見抜く手だてはない。

◇       ◆     ◇

 最高に面白いのもある。第237回の3年生・Sくんの「閉ざされた公園」だ。「小さい頃、『子供は外で遊べ』とよく言われた…公園の広場は子供が元気に走り回り、鬼ごっこやサッカーをする楽園のはずだったが、そこは閉鎖されていた」と書き出し、「閉ざされた広場は、私権を強く主張する住民や真の公共の福祉を考えない行政ほかが招いた結果だと思う」と言い切る。

 記者も10年前くらいだったか、ある主婦から「子どもを外で遊ばせるようなことを最近のお母さんはしない。危険だから」と聞いて絶句したことがある。

 どこの公園もそうだ。大書きされた入り口の看板の禁止事項には、キャッチボール、サッカー、ゲートボール、ゴルフ、大声、ごみ捨て、花火、犬の散歩などのほかに、喫煙は許されているのに酒気(飲むなとは書いていない)がダメというものもある。いったい酒気を帯びているかどうかを誰が確認するのか。利用時間は平日の9時から午後4時まで、土・日曜日は閉園するものまである。

 Sくんが指摘するように、檻のようにフェンスで囲まれているものも少なくない。主客が転倒している。大事なのは公園か人間か。獣害に悩む農村と同じ光景だ。檻の中に閉じ込められているのは人間のように思えてくる。

 Sくんは都市公園法を読んだことはあるだろうが、禁止事項には「何人も、みだりに…」(第11条)とある。みだりは「妄り」「濫り」(「淫ら」は記者、「みだら英泉」は皆川博子さんの小説)とも書くが、嫌な言葉ではないか。一種の法律用語だ。お上は「公園」すらわれわれを支配する道具にしようと考えていることが分かる。管理責任というものだ。

 しかし、Sくん、東京都は公園の中にマンションを建てさせ、その代わりに公園の維持管理をマンション管理組合に負担させるという画期的な〝民設民営〟制度を活用したことがある。残念ながら1件で終わってしまったが、わが多摩市は中央公園に図書館を建設することを決めた。保育園などの設置例も出て来た。公園の用途も時代とともに変わっていい。

 もう子どもが公園で遊べないのなら飲食、遊戯、宿泊などが行えるようにしたほうがいいというのは言い過ぎか。

◇       ◆     ◇

 もう一つ、公園ついでだ。これは不動産の不思議とは関係ないし、小生が言うのでもない。あのロダンが「講演」を頼まれて言った言葉だ。

 「それをお約束する事は出来ません…『教授』というものはもう意味のない言葉です。値打ちのない言葉です。何にも知らない人たち、自分の道を持っていない人たちがみな教授にかつぎ上げられたがるのです。それに、私(ロダン)に出来る最上の講義はそこにあります。私の製作を見ればいいのです!

 聡明な若い人たちはそれを見て何かの助けになるだけのものを得るでしょう。見る事です!そして仕事することです!」(岩波文庫「ロダンの言葉抄」高村光太郎訳)

 冒頭にも書いた。とにかく全てを疑い、たくさん見ることを皆さんに勧めたい。

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 国土交通省は1月29日、第3回「長期優良住宅制度のあり方に関する検討会」を開催。マンション計画修繕施工協会と住宅履歴情報蓄積・活用推進協議会がプレゼンを行った。

 検討会は、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が平成21年6月に施行されてから今年6月で10年が経過することから、制度に対する評価や課題を整理し、制度の更なる普及促進に向けた取り組みや方向性を検討するもの。

 同制度が施行されてから平成29年度末の認定累計実績は915,194戸(一戸建て894,943戸、共同住宅等20,251戸)で、平成29年度で見ると、住宅着工に占める割合は一戸建てが24.6%、共同住宅が0.3%となっている。

◇       ◆     ◇

 検討会を傍聴するのは今回が初めてだ。マンション計画修繕施工協会と住宅履歴情報蓄積・活用推進協議会がプレゼンをしっかり聞いた。

 申し訳ないが、記者はこの2団体を全く知らなかった。検討会の松村秀一座長(東大大学院教授)も「ずいぶん長い」と仰ったように、後者は16文字だ。全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)の14文字より多い。何とかならないか。国土交通省の「土地・建設産業局」もそうだが、「・(なかぐろ)」が付いているのはどうか。最近は文字を詰めるのが流行りのようで「ワーママ」もあるようだから「住活協議会」はどうか。「土地・建設産業局」もみんな「土建局」と呼んでいる(記者は失礼だから絶対そのようには呼ばない)。

 馬鹿なことを書いたが、両団体のプレゼンを聞いて残念だったのは、同制度の認知度が低く、住宅の品質が高いにもかかわらず(中古)市場で適正に評価されていないことが報告されたことだ。

 松村座長も「法律の目的の本丸はストックだったはずだ」と述べたように、この問題は解消されなければならないと思う。

 現場はどうなっているか、レインズ情報を調べた。レインズ情報は不動産会社が独占的に利用できるもので、一般の人はもちろんメディアもどのような情報が盛り込まれているかを知ることはほとんど不可だ(頼めば見せてくれるかもしれない)。

 分かったことは、まず「長期優良住宅マンション」で検索しても物件はヒットしないであろうということだ。長期優良の認定を受けた物件名で検索すれば売買履歴情報を取り出せるが、そんなデータを不動産流通会社は公表していないはずだ。

 戸建ては大手ハウスメーカーで構成されている優良ストック推進協議会が独自の査定方法を用いた「スムストック認定」を行っており、中古市場でも高い評価を得ているデータを公開している。しかし、これも「スムストック」=長期優良というわけではない。

 問題はこのほかにもたくさんある。第一は、適正に評価されていないこととも密接に関係するのだが、消費者に分かりづらいという点だ。かつて記事にもしたが、長期優良住宅認定を受けたマンションなのに環境性能評価の「CASBEE」で〝並〟の評価しかされない事例があった。特上の料理を食べたはずなのに、別の店では並だったというのでは消費者はたまらない。モノサシが異なると片づけていい問題か。

 同制度では、「良好な居住水準を確保するために必要な規模」として、一戸建ては75㎡以上(一人居住は55㎡)、共同住宅は55㎡以上(同40㎡)の面積要件を定めているが、「良好な居住水準」=「居住面積」と決めつけているところに問題がある。どんな法律にもあるように「その他優れていると思われるもの」などと逃げ道を作っておくべきだった。

 しかし、この面積要件を変更するのは難しいのではないか。これに手を加えれば他の法律や税制全てを変えなければならない。撤廃が一番いい。そもそも国が優良であるとか不良であるとか(そう言っていないが)を定めるべきでないというのが記者の持論だ。大きなお世話だ。

 記者は面積よりも天井高のほうが気になる。「長期優良」と謳うのであれば最低でも居室面積は2500ミリ以上にし、高さ規制、容積規制を緩和したらどうか。

 もうこれ以上書かないが、検討会委員の方も話したように〝見える化〟を進め、何よりも消費者に分かりやすい制度に改めてほしい。

◇       ◆     ◇

 どうでもいいことだが、何十年振りで同省の地下1階にある食堂を利用した。よく知られた牛丼屋もあったが、いろいろトッピングできるうどん屋でかき揚げを付けて「なんでも合う」というわかめうどんの小を頼んだら450円だった(伊勢うどんより安い)。昔タバコが吸えた隣の喫茶店は禁煙になっていたので利用しなかった。

 それにしても、国のシンクタンクであるはずの国交省職員はこれではあまりにもかわいそうだ。もっとましな環境を整えられないか。全館禁煙も検討されているとか。喫煙は人権だ。

なぜ伸びない品確法性能表示&長期優良住宅 どうなる中古住宅評価(2015/9/4)

長期優良住宅が「CASBEE」で評価されないのはなぜ(2013/6/13)

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CAFÉSPACE ...」完成予想図

小田急電鉄と小田急不動産は125日、小田急多摩線栗平と黒川駅前にそれぞれ新しいライフスタイルを提案する拠点をオープンすると発表した。

栗平駅前の「CAFÉSPACE ...」は、幅広い世代が集まり、笑顔で団欒する地域のLDK(リビング・ダイニング・キッチン)のように、地域住民同士、地域住民と小田急グループが繋がる場所になって欲しいという想いを込めた。コミュニティカフェ、キッチン付きを含む3部屋からなるレンタルスペース、仕事や趣味などに集中して取り組めるワークスペースなどからなる。開業は3月中旬。

黒川駅前の「ネスティングパーク黒川」は、「巣(Nest)」と「Nesting(つどい)」を合わせ、産まれ、巣ごもり、巣立っていく「Nesting Park」と名付けた。小田急グループの神奈川県内で初めての取り組みとして、シェアオフィス「キャビン」を核とした複合施設を新設する。施設の企画・設計監理はリノベーション賃貸住宅「ホシノタニ団地」などで実績があるブルースタジオが担当する。開業は5月。

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 結構なことだ。ライバルの京王電鉄は昨年10月、駅前の京王プラザホテル多摩内にサテライトオフィス「KEIO BIZ PLAZA」をオープンした。会員制でICカードを使って入退室でき、月単位や時間単位で利用できるようになっている。東京都の「サテライトオフィス設置等補助事業」の第1回採択事業でもある。同社は駅前の保育所開設も積極化している。

 双方が競い合いこの種の施設をどんどん設置して、地域のポテンシャルを引き上げてくれることに期待したい。マンションの分譲単坪単価は、足立区の北千住で300万円台の後半に迫り、埼玉県の所沢、神奈川県の大船は350万円だ。本厚木だって260万円で人気を呼んでいる。

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 記者は小田急線に乗って通勤したことは一度もないが、いつの間にか速くなっている。ネットで調べたら小田急多摩センター-新宿は最速33分で370円。一方の京王線は京王多摩センター-新宿は39分で319円。本数は京王線のほうが多いから、小田急に追いつかれることはないと思うが…。

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「ネスティングパーク黒川」完成予想図

 

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平成31年 新春経済講演会(グランドプリンスホテル新高輪で)

 すてきナイスグループは1月25日、恒例の平成31年 新春経済講演会を行った。三部構成で、第一部の日本総合研究所会長・寺島実郎氏による講演から第二部の同社会長兼CEO・平田恒一郎氏、同社副社長・日暮清氏、同社社長・木暮博雄氏、ナイス社長・杉田理之氏によるグループの近況・方針発表、第三部の日刊木材新聞社社長・岡田直次氏をモデレーターとする業界8社社長によるパネルディスカッションまで、イベントは約4時間に及んだ。

 「Gywood®(ギュット)」詰まった中身に約1,500名の参加者は、寺島氏が話した日本の〝針路〟を見失ったかのように船を漕く人も一部見られたが、最後は新春賀詞交歓会に酔いしれた。

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 他の取材もあり、駆け付けたときは平田会長が「今年のキーワードは『素敵ワクワク』。新しい時代をワクワクして迎え、全社一丸となって全力で邁進する」と挨拶し終えたときだった。

 続いて登壇した日暮氏はグループの事業はSDGsの目指す方向と一致すると強調、さらに木暮氏はそれを補強するかのように最近の具体的事例を紹介、最後は杉田氏が同社も開発に関わった「Gywood®(ギュット)」で締めくくった。

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 第二部あたりからコクリコクリとする人も散見されたが、第三部のパネルディスカッションは中身がぎゅっと詰まった素晴らしい内容だった。

 詳細は同社が会報紙誌などで掲載するはずだからそちらを読んでいただきたい。ここでは中身をぎゅっと絞ったエッセンスだけを紹介する。

 パネリスト8氏は「平成30年」を次のように色紙1枚にまとめ振り返った。(発言順)

 「謝」 大建工業社長・億田正則氏 昨年はシステム障害などを起こし皆様にご迷惑をおかけした。まず陳「謝」します。この30年間は選択と集中を進め、撤退したものもあるが、素材事業は平成の初めは11%だったのを35%まで伸ばした。輸出も大幅に増やした。新陳代謝の「謝」でした。事業伸長はお客さまや皆さんのお陰、感「謝」申し上げる。

 「後塵」 パナソニックエコソリューションズ社長・北村亮氏 先進国であったわが国は発展国に追い上げられ追い越された30年。平成元年のとき、世界トプ企業50社のうちわが国企業は32社だったが、今は18位のトヨタのみ。後塵を拝した。当社もデジタルまではついていけたが、ネットに後れを取った。反省を込めて新しい時代を迎えないといけない。

 「再生」 セイホク社長・井上篤博氏 平成元年からの3年間は、米ソの冷戦終結、天安門事件、東西ドイツの統一、湾岸戦争があり歴史の大きな転換期だった。それは元に戻らないという意味の創造的破壊でもあった。わが国は阪神淡路や新潟、東日本大震災により素地や故郷が破壊された。「再生」はコピーではなく新しいものを生み出さないといけない。

 「復興」 SMB建材社長・角柄明彦氏 わが国の国土は地球の0.28%しかないのに巨大地震の2割を占める地震国。数々の大地震が強く記憶に残っている。その都度、建基法改正、耐震化、耐震リフォームなど防災の取り組みも力強く行われた。今後は都市の分散が論議されるだろうし、再生可能エネルギーの活用など防災に強い都市計画を強力に推し進める必要がある。

 「次世代への布石」 吉野石膏社長・須藤永作氏 平成は昭和から引き継いだ課題全部を整えた時代ではなかったか。国も企業も家庭もどう行動するか、その布石を敷いたのが平成ではなかったか。大きな地震や台風などの被害を受けた。その経験を将来にどう生かすか。石こうボードもその布石を生かし、水に強い、音に強い商品開発を行わなければならない。

 「エクセラード」 ニチハ社長・山中龍夫氏 「エクセラード」は平成2年に発売した商品だが、現在では売り上げの6割を占めるほど貢献している。木造の外壁は平成の当初はモルタルが47.5%だった。今は逆転し、モルタルは7%に減少し、当時32%だったサイディングは78%に増加している。時代の変化をチャンスと捉えたい。

 「変革」 TOTO社長・喜田村円氏 ウインドウズが発売されたのは1985年。いけいけどんどんの昭和はバブルで崩壊し、それからアイフォンが普及し、働き方や家族、コミュニティのあり方も変わった。平成は給与が下がったという論議もあるが、観光産業が伸びている。日本は安全でおもてなしの国であることを示した。「変革」には平成は平和だったという意味も込めた。

 「加速」 LIXIL Water Technology Japan CEO・大西博之氏 入社して社会人になった人生そのものの30年間だった。グローバル化、イノベーションが進み、当社の売上げの半分が海外事業となった。とくにスピードが速くなった。トレンドに乗り「加速」することが大事だが、その基となる力がないと流れに乗れない。その力をどうするかだ。

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 パネルディスカッションはその後、予定されている消費増税の影響、対応などに話が及んだ。企業トップとしては当然だろうが、駆け込みに期待し反動減におびえるような声はほとんど全くと言っていいほど聞かれなかった。発言順に各氏の声を紹介する。

 LIXIL・大西氏 崖下に落ちないようジャンプしたい。国策をジャンプ台にして中長期的な視点でリフォーム事業を仕込んでいく

 TOTO・喜田村氏 心配していない。もっと豊かな生活をしたい願いは不変。それをどう後押しするか。ホテルの改装・改修が伸びるのではないか

 ニチハ・山中氏 アメリカも中国も金融引き締めに動きそうだし、イギリスのEU離脱も深刻な影響を与える。日本国内より海外からの直撃に注視する

 吉野石膏・須藤氏 リーマンの影響を受けたが、考えてもしょうがない…というわけではないが、足元をしっかり見つめ、己の信念を貫く

 SMB建材・角柄氏 アメリカも中国も〝自分ファースト〟だが、〝柔よく剛を制す〟だ。50年前と(経済の)力が違う。オリンピック後も景気は持続する

 セイホク・井上氏 消費増税やその他で約8兆円の可処分所得が吸い上げられる不安はあるが、いい国づくりに寄与する素材メーカーとして需要を取り込む

 パナソニックエコ・北村氏 住宅市場が縮小していくのは自明。しかし、オリパラ、非住宅、万博、スポット地方も開発が進む。明るい材料を取り込む

 大建工業・億田氏 むしろ増税後が楽しみ。私は昭和25年生まれだが、これからは若年層と高齢者の人口構成が逆になる。働き甲斐のある社会にしたい

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 国土交通省は1月24日、住宅内の室温変化が健康に与える影響について調査した結果をまとめ中間報告(第3回)として発表した。

 調査は、日本サステナブル建築協会のスマートウェルネス住宅等推進調査委員会(幹事:伊香賀俊治慶大教授)が平成26~30年度の間に実施したもので、断熱改修を予定する住宅に居住する人4,131人(2,307軒)と、断熱改修を実施した人1,194人(679軒)についてそれぞれ改修前と改修後の健康診断結果をまとめたもの。

 調査の結果、①室温が年間を通じて安定している住宅では、居住者の血圧の季節差が顕著に小さい②居住者の血圧は部屋間の温度差が大きく、床近傍の室温が低い住宅で有意に高い③断熱改修後に居住者の起床時の最高血圧が有意に低下④室温が低い家ではコレステロール値が基準範囲を超える人、心電図の異常所見がある人が有意に多い⑤就寝前の室温が低い住宅ほど過活動膀胱症状を有する人が有意に多い⑥床近傍の室温が低い住宅では、様々な疾病・症状を有する人が有意に多い-などの新たな知見が得られたとしている。

 日本サステナブル建築協会は2月1日(金)13:30~17:00、第3回中間報告会をホテルグランドアーク半蔵門(東京都千代田区隼町1-1)で行う。定員は300名で参加費は無料(登録制)。詳しくは同協会HP(http://www.jsbc.or.jp/)へ。

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 先週の19日(土)、1月14日付「週刊住宅」のハウジングライター・藤原利彦氏(76)による連載コラム「住宅評論 トレンドを斬る」の文字や写真が小さく、レイアウトがよくないと噛みついたら、今週号の1月21日付では、2回目として登場したポラス・中内晃次郎社長の顔写真も文字も大きくなり、見出しも増え大きくなったのでスペース的にははるかに大きくなった。

 記者の思っていることが伝わったようでうれしい。しかし、文字量からすれば、まだスペースが少なく(あるいは量が多すぎるのか)、見出しにも工夫を凝らすべきだ。

 これまでも何度も指摘してきた。日刊紙に学ぶべきだ。記者はかつて1面全てをある日刊紙のレイアウトを真似て、そこに記事を埋め込んだことがある。レイアウト、デザインに著作権があるかどうかは微妙。そっくり真似るのはよしたほうがいいが…。

 中身は、中内氏が考えていることがストレートに伝わってくる。訓練校の生徒さんが集まらないと悩んでいらっしゃるようだが、サッカーだけでなく、いまが旬の西武ライオンズファンも巻き込めるようにしたほうがいいのではないか。

 住友不動産は東京ドームにも西武ドームにも広告を出しているし、三井不動産、三菱地所、野村不動産、エイブル、ミニミニ、ミサワホーム、大和地所レジデンスなどは野球その他のスポーツや選手を広告に起用している。

 その効果は大きいと思う。RBA野球で優勝した野村不動産アーバンネットは選手の士気が高まったことを含めると1億円の効果はあると記者は計算している。それに反し、ポラス野球部は年々戦力がダウンしている。

 本業ではエリア拡大でなく、シェアアップに力を入れるというのも頷ける。どこも都心部での展開にしゃかりきだが、競争は熾烈を極めているようだ。「仕入れが全然できていない」という嘆きが聞こえてくる。

 同紙の他のマンション記事が大きく扱われているのも正解だと思う。せっかく見学会をやってくれるのだから、思い切って書くべきだ。書く記者の視点が少ない(というよりほとんどない)のは大きな課題。

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 1月22日付「住宅新報」もチェックした。マンションの記事にとどめるが、何を考えているのか、さっぱり分からない。

 4面に三菱地所レジデンスが見学会を行った「本厚木」と「高輪」の記事が掲載されていた。他紙との差別化はまったくできていない。

 一方、10面には旭化成不動産レジデンスの「荻窪大田黒公園」のニュース・リリースの記事が掲載され、9面にもやはりコピペの東京建物ほか「シントシティ」が申し訳なさそうに1段見出しで報じられていた。

 スペース的には地所レジと旭化成不レジがほとんど同じ。前者は行き帰りの取材時間も含めれば2本の記事で10時間はかかる。後者は引き写すだけだから30分で済む。どうしてこんな差が出るのか出ないのか。しかも、旭化成不レジの記事は死亡記事(最近はそうなっていない)のように四方囲みだ。小生が旭化成ホームズの広報担当だったら嫌味の一つも言ってやる。(「荻窪大田黒公園」記事参照

 来週号には三菱地所の掃除ロボットと、地所レジ「千住 ザ・タワー」の記事が双方に載るのだろうが、どのような扱いになるか。またお茶を濁すのか。体裁を整えるのが目的なら現地取材などやめたほうがいい。

 相当厳しく書いた。なぜかと言えば一昨年、「このままでは生き残れない業界紙」と話された東急不動産HD・金指潔会長の言葉が頭にこびりついているからだ。もっと危機意識を持たないといけない。誰も助けてくれない。全宅連がそれを証明した。小生はスポンサーを持たない。安泰だ。

 差別化・安泰について少し説明を加える。昨日の地所レジ「千住 ザ・タワー」の記事は、一昨年に書いた三井不動産レジデンシャルの「パークホームズ北千住」の記事と一緒に読んでいただきたい。見学会で同社第一販売部の河野祥司氏は「三井(レジ)さんの坪単価330万円が指標になった」と話した。小生は幸運にもその三井レジの「北千住」を見学し、生々しいレポート記事にまとめた。

 よく読んでいただきたい。あのとき、三井レジの社内では「350万円でもいけたのでは」という声もあったそうだ。その時点で地所レジの単価は350万円になったと確信した。記者の役割は「今を見て」伝えることだ。漠然と「見て」いたら絶対ものは見えてこない。

 もうやめるが、試しに「三菱地所」「北千住」「RBA」で検索したら、2006年に書いた記事がヒットした。「プラン的には天井高最大2.7メートル、二重床・二重天井、ワイドスパン、ディスポーザー、御影石の玄関床、複層ガラス採用など、間違いなく足立区や伊勢崎線の物件では水準以上だと判断した。坪単価は185万円で相場並みとみた」とあるではないか。皆さんはプランや設備仕様について全然書かない。

地所レジ「千住ザ・タワー」 坪300万円台後半 〝住むなら北千住〟あわび千円!(2019/1/23)

自社社宅跡地 公園借景取り込むプラン秀逸 旭化成不レジ「荻窪大田黒公園」(2019/1/19)

藤原利彦氏の「週刊住宅」連載コラム1000回に 中身最高 レイアウトが問題(2019/1/19)

「このままでは生き残れない業界紙」 東急不動産HD・金指潔会長が苦言(2017/3/9)

三菱地所の足立区初の「北千住パークハウス」が完売間近(2006/3/10)

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清掃ロボット「Whiz(ウィズ)」(丸の内パークビルで)

 三菱地所は122日、先に100台導入を発表したわが国初のAI搭載バキューム清掃ロボット「Whiz(ウィズ)」の実証実験内容を報道陣に公開した。

Whiz」はソフトバンクロボティクスが開発したもので、幅約474mm×全長約455mm×高さ約653mm。重量は約32㎏。1時間で500㎡、最大約3時間稼働する。充電時間は約5時間。ロボットはリース制で、25,000円/月。

同社はグループ各社が所有、運営管理する全国のオフィスビル・商業施設・物流施設・空港・ホテル・マンションなどに約100台を順次導入していく。同社が施設管理・運営するする沖縄県宮古島市・下地島空港や静岡空港での導入も決まっている。

同社は本格導入に先立ち117日(木)~23日、大手町パークビルで実証実験を行い、清掃性能や省人化の効果などの知見を蓄積する。

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清掃ロボについて説明する渋谷氏(手前のロボの改良型が奥の「Whiz」)

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 この日(22日)は多くの報道陣が詰めかけ、本来は夜中の12時から朝方の6時まで、ほとんど人がいない時間帯に仕事をする清掃ロボットも寝不足なのか、動き回る報道陣にパニック状態に陥ったのか、あるいはまたあちこちから発せられる無責任な質問やカメラマンの要求に腹を立てたのか、さらにまた発表会の責任者、同社ビル運営事業部兼経営企画部DX推進室統括・渋谷一太郎氏と仲たがいをしたのかご機嫌斜め。かすかに揺れるカーテンにもおびえる始末で、あげく渋谷氏の指示に梃子でも動かない頑固な一面も見せた。

 渋谷氏によると、「ティーチング」(指示)さえきちんとしていれば、手抜き作業(記者の得意な丸く掃く)は行わないそうだ。

 「Whiz」をずっと観察した。ロボットに負ける記者ではない。欠点もすぐ分かった。第一は一番肝心の隅っこは掃除できないことだ。「手が届かないところをやってほしい」という圧倒的多数の人の要望には応えられない。カーペットはともかく、隅に集まる傾向が強いタイル・リノリューム床のゴミをどう吸引するのか。 

 もう一つは札束、コイン、家の鍵、指輪首輪鼻輪(イヤリング、ピアス)、入れ歯などの価値判断ができず、吸えるものはなんでも吸い込み、強奪・着服してしまうことだ。分別ができたら褒めてやる。わがオフィスビルを清掃しているプロに聞いたら「たまにイヤリングや100円玉が落ちていることがある」と話した。

 さらにまた、充電の長さだ。3時間働いて充電に5時間ということは、フルに働いて19時間。われら労働者とたいして変わらない。しかも、充電は自分でできない。充電くらいは自分でやらないと。

 参考までに。人による清掃は300㎡で約20分だそうだ。記者はかつて、大京アステージの掃除のプロから「掃除は科(化)学」「床は朝日新聞、窓ガラスは読売新聞」「ホコリは取るもの、誇りは持つもの」などと語り、実演も体験した。その域にロボットはどこまで近づけるか。頑張れ。人は時給1,000円とか。あなたはいくらになるのか。

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清掃中の「Whiz」

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 Whizもすごいが、同社が出資して開発中で、今年中の実用化を目指すSEQSENSE(シークセンス)の警備ロボット「SQ2」がまた素晴らしい。大きさは子どもくらいで、ゆるやかな曲線を描いたデザインが美しい。同社の女性が〝かわいい!〟と歓声をあげるほどだという。

自然界にあるものに例えようと必死で考えたが浮かばない。マグロの胴体や葉っぱにも似ているが、若い女性の体の線のようでもある。もっともよく似ているのは新宿モード学園の外観か。

もちろん機能も優れている。指示したチェックポイントを正確にたどり写真を撮り、データに保存し、レポートも作成する。顔認証も可能で、闖入者も判定できる。関係者は定点カメラなどと連携させればより機動的、効果的に警備が可能になると話した。

 なにより驚いたのは、人間を感知し、声はいかにも合成した声だったが、倒れているような人には声掛けも行い瞬時に警備室に報告もすることだった。熱や煙に反応させることも、トイレに入ったまま出てこない人の安否確認、生体反応などの把握も技術的には可能なようだ。

階段を上り下りするのはハードルが高いそうだが(骨が折れるのか)、エレベータに乗降する研究は行われているという。

 考えることはみな同じだ。泥棒や暴漢に反撃し撃退するためのピストルなどの所持はできないのかと質問が飛んだが、現行法では銃刀法違反となり出来ないそうだ。残念。

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警備ロボットについて説明する渋谷氏

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警備中のロボ

三菱地所 わが国初 清掃ロボット「Whiz ウィズ」100台導入 人手不足に対応(2019/1/13

掃除は科学 床は朝日、窓は読売〟 マンション管理員のスゴ技を1日体験(2017/3/25)

 

 

 

 

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「多摩市街路樹よくなるプラン改定委員会」左から池邉氏、沼田氏、野村徹郎委員(日本造園建設業協会)、仙仁氏、曽我昌史委員(東大大学院農学生命科学研究科助教)

 多摩市は1月20日、「多摩市街路樹よくなるプラン改定版(原案)に関する市民説明会」を開催した。市は「多摩市街路樹よくなるプラン(街路編)」を平成20年度に策定してからから約10年が経過し、課題が生じてきたために「多摩市街路樹よくなるプラン改定委員会」を立ち上げ、プラン改定作業を進めてきた。今年度末に改定版をまとめる予定。

 冒頭、挨拶に立った多摩市街路樹よくなるプラン改定委員会委員長・池邊このみ氏(千葉大学大学院教授)は、「昨年の災害で街路樹がたくさん倒木するなど問題になっており、財政の厳しい全国の各自治体は維持管理費を削減する傾向にあるが、多摩市はそうではない。街路樹が愛され、他の地域から移り住みたくなるようなプランにまとめたい」と語った。

 同委員会専門委員でパルテノン多摩学芸員の仙仁径氏は、「街路樹はパートナー」と題する講演を行い、シンガポールでは街路樹など緑を管轄するのは国立公園庁で、街の価値を向上させるため一括管理を行い、データベース化している例を紹介しながら、緑の管理に市民も積極的に関わっていくことが大事であり、様々な可能性があると話した。

 また、同委員会副委員長・沼田真也氏(首都大学東京大学院教授)は、「他の自治体は予算、お金がないといっている。どこも〝窮すれば鈍す〟だ。しかし、我々はそうした傾向に抗いたいと考えている。次世代に継承できる向こう10年間のプランを作成したい」と述べた。

 約30名の参加者は、市の目指す今後10年を見据えた持続可能なみどりの形成とビジョンに耳を傾け、「多摩は日本一美しい街だった」「素人でも参加できる勉強会などをやって」「樹木にQRコードを付けて」などの意見を述べた。

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左から池邉氏、仙仁氏、沼田氏

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 「40年前までは多摩は日本で一番美しい街だった」-確かこう聞こえた。はっとした。緑が劣化しているという意味で発言されたのだろうか。

 記者が多摩ニュータウンに移り住んで約30年だ。「40年前まで」といえばニュータウン開発が真っ盛りのころで、街路樹もそんなに成長していなかったのではないか。

 その頃より劣化しているとすれば、どこがそうなのかもっと詳しく知りたかったのだが、記者は逆ではないかと思う。多摩ニュータウンの緑環境は成長し続けており、一段と美しさを増している。課題はあるだろうが、大きな価値だし、市民の誇りだ。池邊氏も話したように都民の誇りかもしれない。

 発言者の声を借りれば今後も「多摩は日本一美しい街」であり続けてほしいし。

 樹木も生きものだから、「交通の安全性に支障を来している」との理由で伐採されたり間引きされたりするのは忍びないが、「事故を起こしていいのか」といわれると反論もできないので、改定版の方向性に同意せざるを得ない。

 一つだけ言わせていただければ、そもそもケヤキ、クスノキなどは環境にもよるが樹高が20mくらいに育つ。街路樹を植える段階で分かっていたことだ。樹種の特性を考えなかった都市計画に問題がある。

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 女性の参加者が「わたしは素人」と断り、「みんなが参加できる勉強会などを行ってほしい。樹木にQRコードを付けていただきたい」と話した。

 同感だ。「樹名板」の表示は世田谷区が積極的で、ハウスメーカー・デベロッパーも分譲地やマンション敷地内の樹木にQRコードを付けるようになりつつある。市内では2011年に「緑の都市賞」内閣総理大臣賞を受賞したNPO多摩グリーンボランティア森木会が「樹名板」の表示活動を行っている。市のプラン策定にも関わった涌井史郎氏の名言を紹介する。「木の名前と虫の名前と鳥の名前を覚えると、1歩歩くたびに人生3倍楽しくなる」

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 委員会を主催した道路交通課には注文を付けざるを得ない。説明会が行われた永山公民館ベルブホールの定員は150名だが、参加者は約30名。これはいかにも少ない。池邉氏など委員に失礼ではないか。

 参加者といえば、昨年2月の第6回多摩NT再生プロジェクトシンポでも書いた。以前は定員いっぱいの300名が集まっていたのに半分近くの約160名しか集まらなかった。市の情報発信力の低下は否めない。

 市の人口は今年1月1日現在、約14.8万人で前年比93人減となった。西浦定継・明星大学教授は6年前、「何もしなければ50年後の多摩市の人口は半減する」と警告した。〝日本一美しい多摩〟を担保するはずの「プラン改定版」はどうなるのか。

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 池邉氏や参加者から「美しい」の言葉が再三再四発せられた。説明会の主旨ではないのであまり触れないが、究極・永遠のテーマである「美」とは何かについても考える必要がありそうだ。記者はマンションを見るときも街路樹などを眺めるときいつも美しいかそうでないかを最優先している。

 肝心なのは、対象物そのものが美しいかどうかというよりも、ロダンが言ったように美醜を分ける審美眼であり、美意識だと思う。市の道路交通課の職員の方は「公園緑地課と理念は同じ」と話したが、「交通安全」「道路の付属物」(道路法第2条では並木)のフィルター越しに見る街路樹、緑地帯は果たして公園緑地課などの職員と同じか。違うのではないか。

 多摩市のことを言っているわけではないが、色眼鏡をかけず邪心を捨てて街路樹を眺めたら絶対電柱のような街路樹にはならない。街路樹が消え、「サクラ商店街」「ユリノキ通り」「けやき通り」「くすのき通り」の名前だけが残るような世の中になってほしくない(そうなりつつある街がある)。道路課の方たちは「市民の要望」というが、それを言えば市民も行政も哲学がないということだ。

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 これまで街路樹や緑などについて30本くらいの記事を書いてきた。下記にアドレスを張り付けるので、興味のある方は読んでいただきたい。

あの熱気どこに 多摩市 第5回 多摩NT再生プロジェクトシンポ(2018/2/5)

都市計画の母が泣く たまプラーザの「ユリノキ通り」が消える!? 市が伐採計画(2017/8/22)

涌井・都市大特別教授 「わが国の自然はかみさんと一緒。美しいが扱いも難しい」(2016/12/11)

異形のスカイツリーに怒れるスズカケ 押上の街路樹 続々「街路樹が泣いている」(2015/3/20)

またまた「街路樹が泣いている」 千代田区 街路樹伐採で賛否両論(2016/9/8)

「何もしなければ多摩NTの人口は50年後に半減」西浦・明星大教授(2014/1/29)

多摩ニュータウン学会 「みどり」について意見交換会〝愛でるみどりから関わるみどりへ〟(2013/5/16)

街路樹が泣いている ~街と街路樹を考える~⑧(2012/6/5)

「さらし首」にされていた菊名・錦が丘のサクラ(2012/5/17)

街路樹が泣いている ~街と街路樹を考える~ ④植栽枡・ツリーガードだけ クスは高さ5m 柏の街路樹(2012/5/14)

街路樹が泣いている ~街と街路樹を考える~ ② 少ない街路樹に関する公表データ(2012/5/10)

街路樹が泣いている ~街路樹と街を考える~  ①(2012/5/1)

街路樹比較 戸田市は35人に1本 多摩市は15人に1本の割合(2012/3/14)

貧弱な戸田市の緑・街路樹 市民の満足度が上がらないのは行政の責任(2012/3/13)

多摩グリーンボランティア森木会10周年&「緑の都市賞」内閣総理大臣賞受賞記念講演会(2011/11/29)

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